以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して玉磨き揚送装置20が設置されるパチンコ島台1の概要について説明する。図1は、複数のパチンコ島台1を示す斜視図である。なお、以下の説明において、パチンコ島台1の長手方向(パチンコ機2の左右方向)を左右方向、この左右方向と直交する方向(パチンコ機2の奥行き方向)を前後方向という場合がある。また、玉磨き揚送装置20を挟んで優先貯留タンクが設置されている側(図1において、玉磨き揚送装置収納部3の左側)を優先側、非優先貯留タンクが設置されている側(図1において、玉磨き揚送装置収納部3の右側)を非優先側という場合がある。
図1において、パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向両面に複数のパチンコ機(遊技機)2を列設するようになっている。パチンコ島台1のほぼ中央には、玉磨き揚送装置20(図2参照)が内部に設置される玉磨き揚送装置収納部3が設けられている。本実施形態に係る玉磨き揚送装置20は、帯状の搬送ベルト21(図2参照)によってパチンコ玉を揚送するものであり、パチンコ島台1の長手方向と直交するように配置されて下部の導入樋(図示しない)から導入されたパチンコ玉を研磨部材(図示しない,布ベルト等)によって研磨しながら上部に揚送し、上部の排出樋部22(図2参照)からパチンコ島台1の上部に設けられる上部貯留タンクとしての貯留タンク4に排出するものである。玉磨き揚送装置20により貯留タンク4に揚送されたパチンコ玉は、貯留タンク4に接続された補給樋(図示しない)によってパチンコ機2の背面上部に設けられた賞球タンク(図示しない)に供給され、景品玉や遊技玉として使用される。なお、図1において、一番右に描かれているパチンコ島台1が片面島であり、その他は、両面島と言われるパチンコ島台である。
一方、パチンコ機2で使用されたパチンコ玉は、パチンコ機2の下方に設けられたアウト玉回収樋(図示しない)により回収された後、パチンコ島台1の下部に備えられた下部貯留タンクとしての優先貯留タンク及び非優先貯留タンク(図示しない)に導かれる。そして、この優先貯留タンク及び非優先貯留タンクから再び玉磨き揚送装置20によって貯留タンク4へ揚送される。これによってパチンコ玉がパチンコ島台1内を循環する。
また、本実施形態では、遊技場内に設置されている全てのパチンコ島台1が、パチンコ島台1毎で保有しているパチンコ玉の玉量がほぼ均等になるように、パチンコ島台1間に上段交流樋8及び下段交流樋9を架け渡し、周知の均一制御(特願平8−267808号公報参照)を経て、パチンコ玉のやり取りを行っている。なお、パチンコ島台1間のパチンコ玉のやり取りは、排出口(開口部)10から流出し、上段交流樋8を通り、上段交流樋8と下段交流樋9とが連結された連結部14で下段交流樋9へ誘導され、隣接するパチンコ島台1の導入口(開口部)11から貯留タンク4へ取り込まれた後、優先貯留タンク又は非優先貯留タンク(図示しない)に誘導される。
なお、上記した上段交流樋8は、図1の部分拡大図に示すように、隣接するパチンコ島台1にパチンコ玉を供給する際にパチンコ玉を排出するための排出口(開口部)10に接続されるものである。この排出口10の下方には、上方が開口したコ字形状の上段接続部材12が取り付けられており、上段交流樋8の端部の底面をこの上段接続部材12が下方から支えることにより、上段交流樋8が排出口10に対して取り付けられる。
また、上記した下段交流樋9は、図1の部分拡大図に示すように、隣接するパチンコ島台1から供給されるパチンコ玉を受け入れるための導入口(開口部)11に接続されるものである。導入口11の下方には、上方が開口したコ字形状の下段接続部材13が取り付けられており、下段交流樋9の端部の底面をこの下段接続部材13が下方から支えることにより、下段交流樋9が導入口11に対して取り付けられる。
しかして、隣接するパチンコ島台1へのパチンコ玉の供給が十分になると、貯留タンク4内のパチンコ玉は、次に、オーバーフローダクト(図示しない)を介して優先貯留タンク(図示しない)に導かれ、この優先貯留タンク(図示しない)もパチンコ玉で満タンになると非優先貯留タンク(図示しない)に導かれるようになる。なお、貯留タンク4内でのパチンコ玉の流れについては、後に詳述する。
一方、パチンコ島台1の長手方向の一端部には、遊技者が獲得した賞品玉を返却して計数するための玉返却装置5が備え付けられている。この玉返却装置5は、非優先貯留タンク(図示しない)が内蔵される端部に設けられることが望ましい。これは、通常の営業状態でほとんど満杯状態となることのない非優先貯留タンク(図示しない)の方が、玉返却装置5からの賞球の返却を確実に行うことができるからである。しかして、玉返却装置5に返却されたパチンコ玉は、非優先貯留タンク(図示しない)内に誘導され、貯留されることとなる。
また、上記した玉返却装置5の上方には、優先貯留タンク(図示しない)内のパチンコ玉の貯留状態を示す優先側貯留状態表示器6a及び、非優先貯留タンク(図示しない)内のパチンコ玉の貯留状態を示す非優先側貯留状態表示器6bが備えられている。優先側貯留状態表示器6aは、優先貯留タンク(図示しない)内に設けられた貯留センサ(図示しない)がパチンコ玉を検出することにより発信する検出信号に対応して、点灯されることにより優先貯留タンク(図示しない)内のパチンコ玉の貯留状態を把握するためのものである。
同様に、非優先側貯留状態表示器6bは、非優先貯留タンク(図示しない)内に設けられた貯留センサ(図示しない)がパチンコ玉を検出することにより発信する検出信号に対応して、点灯されることにより非優先貯留タンク(図示しない)内のパチンコ玉の貯留状態を把握するためのものである。
更に、優先側貯留状態表示器6a,非優先側貯留状態表示器6bの上方には、代表ランプ7が設けられている。この代表ランプ7は、パチンコ機2に設けられたスイッチ(図示しない)を遊技者が押すことにより点灯するものであり、パチンコ機2で玉詰まりを起こしたとき等に遊技者が遊技場の係員にその旨を報知するためのものである。
以上、パチンコ島台1の概要について説明したが、次に、本実施形態の要部を構成する貯留タンク4及びこの貯留タンク4に設けられる振分機構30について、図2乃至図12を参照して説明する。図2は、貯留タンク4,振分機構30及び玉磨き揚送装置20の関係を示す斜視図であり、図3は、振分機構30の分解斜視図であり、図4は、振分機構30を組み立てた状態の斜視図であり、図5は、振分機構30の組み立てる状態を示す側面図であり、図6は、振分機構30を組み立てた状態の側面図であり、図7は、貯留タンク4内にパチンコ玉が誘導される状態を示す斜視図であり、図8は、貯留タンク4内のパチンコ玉が振分機構30側に誘導される状態を示す斜視図であり、図9は、貯留タンク4内のパチンコ玉がオーバーフロー側に誘導される状態を示す斜視図であり、図10は、振分機構30において、パチンコ玉の第3誘導面71上の位置の違いによる振り分け方向の違いを示す側面図であり、図11は、第3誘導面71上で近接する2つのパチンコ玉の振分方向の違いを示す側面図であり、図12は、パチンコ玉を一方向に誘導する構造の振分機構30の分解斜視図である。
図2において、図2に示す貯留タンク4は、図1に示す貯留タンク4の非優先側の一部を示しており、優先側の側壁を構成する優先側板81,非優先側の側壁を構成する非優先側板82,後述する振分機構30の第1誘導面37側の側壁を構成する第1誘導側板83,後述する振分機構30の第2誘導面38側の側壁を構成する第2誘導側板84,上面を構成する上面板95(図1参照)等の複数の部材を組み合わせることにより立方体形状に形成されるものである。なお、図2において、玉磨き揚送装置20が設置されている側(図中、左側)が優先側であり、玉磨き揚送装置20が設置されている側と反対側(図中、右側)が非優先側である。
上記した貯留タンク4を構成する部材のうち、優先側板81の上部には玉磨き揚送装置20の排出樋部22から排出されたパチンコ玉を貯留タンク4内に受け入れるための受入口85が形成されている。また、第1誘導側板83の下方には、振分機構30によって第1誘導面37側に振り分けられたパチンコ玉を排出するための第1排出口11aが形成されている。更に、第2誘導側板84の下方には、振分機構30によって第2誘導面38側に振り分けられたパチンコ玉を排出するための第2排出口11bが形成されている。なお、これら第1排出口11a及び第2排出口11bは、図1で言えば、排出口10と連通しており、図1でいうところの導入口11と連通している箇所は、図2(図5乃至図9も同様)では省略して描かれている。
また、貯留タンク4内の下部は、貯留タンク4に貯留されたパチンコ玉の補給樋(図示しない)への誘導,振り分け及びオーバーフローダクトへの誘導を行なうための貯留タンク底部80として形成されている。具体的には、まず、貯留タンク底部80の中央部には、その上部に振分機構30が載置される載置部材86が、第1排出口11aと第2排出口11bとの間に架け渡されるように設けられている。この載置部材86は、その上面の中央部分は振分機構30が載置される載置面87として形成されると共に、この載置面87の両側方は振分機構30の載置位置を決める位置決め凸部88として、載置面87よりも上方側に突出して形成されている。
また、載置部材86の非優先側の側方には、貯留タンク4内のパチンコ玉を補給樋に向けて誘導するための第1補給誘導面89,第2補給誘導面90及び補給誘導穴91が設けられている。第1補給誘導面89は、第1誘導側板83側から第1誘導側板83と第2誘導側板84との間のほぼ中央に向けて下り傾斜して形成されるものであり、第2補給誘導面90は、第2誘導側板84側から第1誘導側板83と第2誘導側板84との間のほぼ中央に向けて下り傾斜して形成されるものである。そして、第1補給誘導面89の下流端及び第2補給誘導面90の下流端が形成される位置に補給誘導穴91が形成されている。
一方、載置部材86の優先側の側方には、貯留タンク4内のパチンコ玉をオーバーフローダクトを介して優先貯留タンク又は非優先貯留タンク(図示しない)に誘導するためのオーバーフロー誘導面92及びオーバーフロー誘導穴93が設けられている。オーバーフロー誘導面92は、第2誘導側板84側から第1誘導側板83に向けて下り傾斜して形成されるものであり、このオーバーフロー誘導面92の下流端の近傍にオーバーフロー誘導穴93が形成されている。
以上、貯留タンク4の構成について説明したが、次に、振分機構30の構成について説明する。振分機構30は、主として、パチンコ玉を振り分けるための振分頂部63が形成されている山型形状の振分部と、下り傾斜状に形成される第3誘導面71と、から構成されている。
上記した振分部は、傾斜面によってパチンコ玉を一方向に誘導する第1誘導面37と、少なくとも上流側が第1誘導面37よりも急な勾配の傾斜面によってパチンコ玉を反対方向に誘導する第2誘導面38と、によりパチンコ玉を振り分けるための振分頂部63が形成される山型形状のものであるが、本実施形態に係る振分部は、第1誘導面37の下流側を構成する第1振分部材40と、第2誘導面38の下流側を構成する第2振分部材50と、振分頂部63を含む第3振分部材60と、により構成されるものである。
また、振分機構30は、上方が開口した断面コ字形状に形成される本体ベース31の上部の一側方に第3誘導面71を設け、更に、振分機構30を組み立てて貯留タンク4に装着した場合に、図6に示すように、第1誘導面37及び第2誘導面38の下流側がそれぞれ第1排出口11a及び第2排出口11bに臨むように、第1振分部材40及び第2振分部材50及び第3振分部材60を本体ベース31の内部に設けることにより、本体ベースと31と一体的に構成されるものである。
そこで、振分機構30を構成する上記した各部材について、以下に説明する。まず、本体ベース31は、図3に示すように、本体ベース31の底部を構成する鉄板を略コの字状に形成した底板部材33の左右両側方に、長方形状の側板部材32を取付ネジ36によって取り付けることにより、上記したように上方が開口した断面コ字形状に形成されるものである。この本体ベース31の上部の一側方には、振分機構30を組み立てた際、第1誘導面37の上方に位置する上部誘導部材70が設けられており、この上部誘導部材70の上面は、第1誘導面37の上流側にパチンコ玉を落下させるように誘導面が下り傾斜状に配置される第3誘導面71が形成されている。
また、第3誘導面71が形成されていない他方の側板部材32の上方隅角部は、取付ネジ36で取り付けられた連結部材35によって連結されているため、本体ベース31の強度が高められている。更に、底板部材33の長手方向の両端部には、振分機構30を組み立てた際に、後述する第1振分部材40の第1係止部45及び第2振分部材50の第2係止部55がそれぞれ係止される、係止片34a(図5,6参照),34bが突設されている。
次に、第1振分部材40は、図3に示すように、その上部にパチンコ玉を一方向に誘導するための第1誘導面下流面41が形成されている。この第1誘導面下流面41は、第1誘導面37の下流側を構成するものであり、振分機構30を組み立てて貯留タンク4に装着した場合に、貯留タンク4の第1排出口11a側に臨むように下り傾斜するように形成されている。また、第1誘導面下流面41の両側方の下部には、第1振分部材40を本体ベース31の内部に取り付けた際、本体ベース31の底板部材33に当接する第1側片44が形成されている。この第1側片44の第1誘導面下流面41の下流側の下方には、係止片34aに係止する第1係止部45が形成されている。
また、第1誘導面下流面41の上流側の下方には、第1振分部材40を本体ベース31の内部に取り付けた際、本体ベース31の底板部材33に当接する第1取付片42が形成されている。この第1取付片42は、L字形状に形成されると共に、底板部材33に当接する面に、第1振分部材40を本体ベース31に固定するための取付ネジ(図示しない)が挿通される第1取付穴43が2箇所形成されている。この第1取付穴43は、第1振分部材40の長手方向で長穴形状に形成されるものである。
次に、第2振分部材50は、図3に示すように、その上部にパチンコ玉を第1振分部材40とは反対方向に誘導するための第2誘導面下流面51が形成されている。なお、第2振分部材50は、本体ベース31に取り付ける際に第1振分部材40と反対の方向に取り付けるものであるため、第1振分部材40とは反対方向にパチンコ玉を誘導するものであるが、その形状は第1振分部材50とまったく同様である。このため、第2振分部材50の詳細な説明は省略する。なお、第1振分部材40における第1取付片42,第1取付穴43,第1側片44及び第1係止部45は、第2振分部材50における第2取付片52,第2取付穴53,第2側片54及び第2係止部55と対応している。
このように、第1振分部材40と第2振分部材50とは、同一の形状で形成されているため、第1振分部材40と第2振分部材50とを同一部材で共用することができるため、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
次に、第3振分部材60は、図6に示すように、その上部に第1誘導面37と第2誘導面38とにより形成されるパチンコ玉を振り分けるための振分頂部63が形成されている。なお、本実施形態に係る第3振分部材60に形成される振分頂部63は、実質的には第1誘導面上流面61と第2誘導面上流面62とによって形成されるものである。第2誘導面上流面62は、第1誘導面上流面61よりも急な勾配の傾斜面によって形成されると共に、その流下方向の長さは第1誘導面上流面61の流下方向の長さよりも短く形成されている。従って、振分頂部63は、第3振分部材60の長手方向の中央よりも、第2振分部材50側に位置している。また、第1誘導面上流面61及び第2誘導面上流面62の両側方の下部には、第3振分部材60を本体ベース31の内部に取り付けた際、本体ベース31の底板部材33に当接する第3側片64が形成されている。
しかして、上記した各部材によって、振分機構30を組み立てるには、図5に示すように、まず、第1振分部材40を第1取付片42及び第1側片44が底板部材33に当接するように本体ベース31内に設置し、第1取付片42の第1取付穴43(図3参照)に挿通した取付ネジ(図示しない)を底板部材33に形成された取付ネジ穴(図示しない)に螺着する。同様に、第2振分部材50を第2取付片52及び第2側片54が底板部材33に当接するように本体ベース31内に設置し、第2取付片52の第2取付穴53(図3参照)に挿通した取付ネジ(図示しない)を底板部材33に形成された取付ネジ穴(図示しない)に螺着する。
このとき、取付ネジは仮止めの状態にしておく。ここで、取付ネジが挿通される第1取付穴43及び第2取付穴53は、前述したように、第1振分部材40及び第2振分部材50の長手方向で長穴状に形成されているため、取付ネジが仮止めの状態のときには、第1振分部材40及び第2振分部材50は、第1取付穴43及び第2取付穴53の長さの範囲で移動させることができる。
上記のように、本体ベース31に仮止めされた第1振分部材40及び第2振分部材50を、第1誘導面下流面41及び第2誘導面下流面51の下流端が本体ベース31の内部に位置するように本体ベース31の中央方向に移動させておく。このように、第1振分部材40及び第2振分部材50が仮止めされた状態の本体ベース31を、貯留タンク4の貯留タンク底部80に形成された載置面87(図2参照)に載置する。本体ベース31を載置面87に載置した後、第1振分部材40及び第2振分部材50を図5の矢印A,Bで示す方向にそれぞれ移動させて、図6に示すように、第1誘導面下流面41及び第2誘導面下流面51の下流端を貯留タンク4の外側に突出させる。このとき、第1振分部材40及び第2振分部材50にそれぞれ形成された第1係止部45及び第2係止部55が、本体ベース31の係止片34a,34bに係止し、第1振分部材40及び第2振分部材50の移動を規制する。
上記のように、第1誘導面下流面41及び第2誘導面下流面51の下流端が貯留タンク4の外側に突出した状態で、第1振分部材40及び第2振分部材50を仮止めしていた取付ネジを締め付けることにより、第1振分部材40及び第2振分部材50が固定される。そして、第1振分部材40及び第2振分部材50が固定された状態で、図5に示すように、第3振分部材60を本体ベース31の上方から第1振分部材40と第2振分部材50との間に取り付けることにより、振分機構30が組み立てられることとなる。
このように、振分機構30が組み立てられた状態では、第1振分部材40と第3振分部材60とが連続的に配置され、第1誘導面下流面41と第1誘導面上流面61とによって第1誘導面37が形成される。また、第2振分部材50と第3振分部材60とが連続的に配置され、第2誘導面下流面51と第2誘導面上流面62とによって第2誘導面38が形成される。
第1振分部材40と第3振分部材60とは、上記のように連続的に配置されるものであるが、この連続する部分、即ち、第1誘導面下流面41の上流端と第1誘導面上流面61の下流端とは、第1誘導面上流面61の下流端が第1誘導面下流面41の上流端に対して上方から重なるように配置されるものである。また、同様に、第2振分部材50と第3振分部材60とは、上記のように連続的に配置されるものであるが、この連続する部分、即ち、第2誘導面下流面51の上流端と第2誘導面上流面62の下流端とは、第2誘導面上流面62の下流端が第2誘導面下流面51の上流端に対して上方から重なるように配置されるものである。
更に、振分機構30が組み立てられた状態では、第1誘導面37の上方に第3誘導面71が位置することとなる。なお、このように貯留タンク4内に振分機構30が設けられた状態では、貯留タンク4の第1補給誘導面89と第3誘導面71とは、ほぼ平行となるように構成されている。
上記のように、第1誘導面37及び第2誘導面38の下流側が、それぞれ第1排出口11a及び第2排出口11bから貯留タンク4の外側まで延設されて、第1排出口11a及び第2排出口11bの下端面15a,15bがそれぞれ第1誘導面37及び第2誘導面38の下流側の下方に位置するため、第1誘導面37及び第2誘導面38により第1排出口11a及び第2排出口11bを介して貯留タンク4からパチンコ玉が排出される際、第1排出口11a及び第2排出口11bの下端面15a,15bにパチンコ玉が衝突することがなく、第1排出口11a及び第2排出口11bが破損や変形をしてしまうという不具合を回避することができる。
また、第1振分部材40及び第2振分部材50は、上記したように、取付ネジを緩めることにより、第1取付穴43及び第2取付穴53の長さの範囲で移動させることができる。即ち、図5及び図6に示すように、第1誘導面下流面41の下流側及び第2誘導面下流面51の下流側は、それぞれ第1排出口11a及び第2排出口11bから貯留タンク4の外側に突出して第1排出口11a及び第2排出口11bの下端面15a,15bを保護する状態と、貯留タンク4の内部に収納される状態と、の間で任意に貯留タンク4に対する取付位置が変更可能である。これにより、製品誤差等により、多少、第1誘導側板83又は第2誘導側板84の板厚が変わっても微調整が可能である。
また、振分機構30が組み立てられた状態では、第1振分部材40に形成される第1取付片42及び第2振分部材50に形成される第2取付片52は、それぞれ第1誘導面37及び第2誘導面38の下方、即ち、第3振分部材の下方に形成されるパチンコ玉が進入しないパチンコ玉非進入空間に位置しているため、第1誘導面37及び第2誘導面38の下方に形成される、パチンコ玉非進入空間というデッドスペースを第1取付片42及び第2取付片52の配置位置として有効に活用することができる。
また、第1取付片42及び第2取付片52が、パチンコ玉非進入空間内に位置しているため外部から見えることがない。このため、第1排出口11a及び第2排出口11bの下端面15a,15bを保護する構造の意匠性を高めることができる。
また、第1取付片42及び第2取付片52がパチンコ玉非進入空間内に位置しているため、第1振分部材40及び第2振分部材50を固定するための第1取付片42及び第2取付片52に挿通される取付ネジ(図示しない)にパチンコ玉が接触することがなく、取付ネジ(図示しない)が損傷や破損等することがない。
また、上記のように、振分機構30は、本体ベース31の上部の一側方に第3誘導面71を設けると共に、第1誘導面37及び第2誘導面38をその下流側がそれぞれ第1排出口11a及び第2排出口11bに臨むように本体ベース31の内部に設けることにより、本体ベース31と一体的に構成されているため、振分機構30を本体ベース31に予め組み立てておくことにより、振分機構30の組立体として保管し易くなると共に、貯留タンク4等に組み付ける際にも容易に組み付けることができ、作業効率の向上を図ることができる。
以上、振分機構30の構成について説明したが、次に、貯留タンク4内でのパチンコ玉の流れについて説明する。
図7において、玉磨き揚送装置20の排出樋部22から排出されたパチンコ玉は、貯留タンク4の受入口85から貯留タンク4内の非優先側に排出される。貯留タンク4内の非優先側に排出されたパチンコ玉は、第1補給誘導面89及び第2補給誘導面90によって補給誘導穴91に誘導され、補給誘導穴91から補給樋を介してパチンコ機2へ供給される。パチンコ機2へのパチンコ玉の供給が十分になり補給樋にパチンコ玉が充満すると、図8に示すように、第1補給誘導面89上にパチンコ玉が徐々に堆積されていく。
ここで、玉磨き揚送装置20の排出樋部22から排出されるパチンコ玉は、第1補給誘導面89の非優先側板82側に向けて排出されるものであるため、パチンコ玉が第1補給誘導面89上に堆積される際には、図9に示すように、その上面が非優先側板82側から振分機構30側に向けて下り傾斜するように堆積されていく。
また、前述したように、第1補給誘導面89と第3誘導面71とは、ほぼ平行となるように形成されているため、パチンコ玉が第1補給誘導面89上に堆積される際には、その上面が上述のように非優先側板82側から振分機構30側に向けて下り傾斜すると同時に、その振分機構30側の下流端が第3誘導面71とほぼ平行となるように堆積されていく。このように、第1補給誘導面89上に堆積されるパチンコ玉の振分機構30側の下流端と第3誘導面71とがほぼ平行となるため、堆積されたパチンコ玉が第3誘導面71に誘導される際には、堆積されたパチンコ玉の上部且つ第3誘導面71の長手方向略全体がそのまま平行移動するように誘導される。即ち、第3誘導面71がパチンコ玉をその側方から、第3誘導面71の誘導面の長手方向略全体に亘って取り込む状態となる。
このように、少なくとも、堆積されるパチンコ玉の上面の振分機構30側の辺が第3誘導面71とほぼ平行となっていれば、パチンコ玉を第3誘導面71の誘導面の長手方向略全体に亘って取り込むことができる。
上記のように、第3誘導面71の誘導面の長手方向略全体に亘って取り込まれたパチンコ玉は、図8に示すように、第3誘導面71を流下した後、第1誘導面37の上流側に落下し、第1誘導面37側と第2誘導面38側に振り分けられることとなる。なお、この振り分けの状態に関しては、後に詳述する。
振分機構30によって振り分けられたパチンコ玉は、それぞれ第1排出口11a及び第2排出口11bから下段交流樋9を介して隣接するパチンコ島台1へ供給されるが、隣接するパチンコ島台1の貯留タンク4でパチンコ玉が充満し、更に下段交流樋9もパチンコ玉で充満した場合には、貯留タンク4内のパチンコ玉は、図9に示すように、オーバーフロー誘導面92側へ誘導される。そして、オーバーフロー誘導面92へ誘導されたパチンコ玉は、オーバーフロー誘導面92を流下してオーバーフロー誘導穴93からオーバーフローダクトを介して優先貯留タンク及び非優先貯留タンクへ導かれることとなる。
次に、上記した振分機構30によって行なわれるパチンコ玉の振り分けの作用について説明する。上述のように、第1補給誘導面89上に堆積されて溢れたパチンコ玉は、第3誘導面71の側方から、第3誘導面71の誘導面の長手方向略全体に亘って取り込まれる。このように第3誘導面71で取り込まれるパチンコ玉のうち、図10(A)で示すように、第3誘導面71の上流側(図中Aで表示される範囲)で取り込まれたパチンコ玉は、第3誘導面71を流下して下流端から排出される際の速度が速いため、その第1誘導面37への落下位置での速度も速く、更に第2誘導面38に近い位置となる。このため、パチンコ玉は振分頂部63を乗り越えて第2誘導面38側へ振り分けられ易くなる。このように、第3誘導面71の上流側で取り込まれたほとんどのパチンコ玉は、第2誘導面38側へ振り分けられることとなる。
また、第3誘導面71で取り込まれるパチンコ玉のうち、図10(B)で示すように、第3誘導面71の中央付近(図中Bで表示される範囲)で取り込まれたパチンコ玉は、第3誘導面71を流下して下流端から排出される際の速度が上記した第3誘導面71の上流側で取り込まれたパチンコ玉ほどは速くないため、その第1誘導面37への落下位置での速度も第3誘導面71の上流側で取り込まれたパチンコ玉と比べてやや遅く、また、第2誘導面38からの距離も第3誘導面71の上流側で取り込まれたパチンコ玉と比べてやや遠い位置となる。このため、パチンコ玉は振分頂部63を乗り越えて第2誘導面38側へ振り分けられものと、そのまま第1誘導面37を流下していくものとに分かれることとなる。
また、第3誘導面71で取り込まれるパチンコ玉のうち、図10(C)で示すように、第3誘導面71の下流側(図中Cで表示される範囲)で取り込まれたパチンコ玉は、第3誘導面71を流下して下流端から排出される際の速度が遅いため、その第1誘導面37への落下位置での速度も遅く、更に第2誘導面38から遠い位置となる。このため、パチンコ玉は振分頂部63を乗り越えずにそのまま第1誘導面37を流下していき易くなる。このように、第3誘導面71の下流側で取り込まれたほとんどのパチンコ玉は、第1誘導面37を流下していくこととなる。
なお、上記した第3誘導面71の上流側,中央付近,下流側を図中の記号A,B,Cで表示する範囲で示したが、このA,B,Cで表示する範囲の流下方向の長さは、ほぼ同じ長さに設定している。即ち、第3誘導面71の流下方向でほぼ3等分した範囲をそれぞれ上流側,中央付近,下流側としている。
上記したように、第3誘導面71で取り込まれたパチンコ玉は、取り込まれた位置が第3誘導面71の上流側であるほど落下する位置が第2誘導面38に近づいた第1誘導面37上であって、転動の勢いで振分頂部63を乗り越えて第2誘導面38側へ振り分けられ易くなり、取り込まれた位置が第3誘導面71の下流側であるほど落下する位置が第2誘導面38から離れた第1誘導面37上であって、転動の勢いに関わらず第1誘導面37側へ振り分けられ易くなる。このように構成することにより、第3誘導面71から第1誘導面37に落下するパチンコ玉の位置によって、第1誘導面37側と第2誘導面38側とのいずれに振り分けられ易いかが決定することになるが、即ち、パチンコ玉が第3誘導面71の長手方向において、誘導面のどの箇所で取り込まれたかによって、第1誘導面37側に振り分けられるか、それとも第2誘導面38側に振り分けられるかが決定することになるが、第3誘導面71ではその誘導面の長手方向略全体に亘ってパチンコ玉が取り込まれるため、第1誘導面37上の第2誘導面38に近い位置から遠い位置まで満遍なくパチンコ玉が落下し、これにより、第1誘導面37側と第2誘導面38側とにほぼ均等にパチンコ玉が振り分けられることとなる。
このように、従来の振分機構のように、本実施形態に係る振分機構30では、パチンコ玉を振分頂部に対して垂直にパチンコ玉を投入あるいは投下するという必要条件を満たすことなく、パチンコ玉を二方向にほぼ均等に振り分ける振分機構30を構成することができる。
従って、貯留タンク4若しくは貯留タンク4が設けられるパチンコ島台1の設計において、従来の振分機構の他に、上記した必要条件を満たす必要のない別の振分方法に基づいて構成された振分機構30という新たな振分機構を提案することで、振分機構の選択肢を増やし、これにより、貯留タンク4若しくは貯留タンク4が設けられるパチンコ島台1における設計上の制約が緩和されると同時に設計上の自由度を広げることができ、ひいては、コンパクトで機能的な貯留タンク4若しくはパチンコ島台1の実現に寄与することができる。
なお、第3誘導面71の上流側で取り込まれたパチンコ玉であっても、例えば、図11に示すように、互いに接する2つのパチンコ玉が第3誘導面71を流下して第1誘導面37に落下した際、2つのパチンコ玉が互いに力を及ぼし合うことにより、一方のパチンコ玉は振分頂部63を乗り越えて第2誘導面38側へ誘導され、他方のパチンコ玉は第1誘導面37をそのまま流下していく場合がある。同様に、図11に示すように、第3誘導面71の中央付近及び下流側で取り込まれたパチンコ玉も同様に、一方のパチンコ玉は振分頂部63を乗り越えて第2誘導面38側へ誘導され、他方のパチンコ玉は第1誘導面37をそのまま流下していく場合がある。
以上、本実施形態に係る振分機構30について説明したが、本実施形態に係る振分機構30は、上記した第3振分部材60の振分頂部63の形成位置が異なるものに交換することにより、貯留タンク4内の第3誘導面71から落下するパチンコ玉の所定の落下位置に対して振分頂部63の相対的な位置を変えてパチンコ玉の振分割合を変化させることができるものである。このため、あるパチンコ島台1の両側方に位置するパチンコ島台1にそれぞれ送り出すパチンコ玉の振分割合が複数種類ある等の事情により、貯留タンク4のパチンコ玉の振分割合が異なる複数の振分機構30を別個に必要とする場合であっても、それぞれのパチンコ島台1に対応させて個別に振分機構30全体を製造する必要がなく、第3振分部材60だけを交換することにより、それぞれのパチンコ島台1に対応した振分割合の振分機構30とすることができる。このように、第3振分部材60以外の部材を共通化することができため、振分機構30の製造コストの低減を図ることができる。
具体的には、例えば、図10において、第3振分部材60の振分頂部63を上記した実施形態よりも第2振分部材50側に位置させることにより、第3誘導面71のBの範囲から落下するパチンコ玉が、第2誘導面38側よりも第1誘導面37側に多く振り分けられるようにする。この場合には、第3誘導面71のAの範囲から落下するパチンコ玉と、第3誘導面71のBの範囲から落下するパチンコ玉の一部とが第2誘導面38側に振り分けられ、第3誘導面71のBの範囲から落下するパチンコ玉の大部分と、第3誘導面71のCの範囲から落下するパチンコ玉とが第1誘導面37側に振り分けられるため、第1誘導面37側と第2誘導面38側との振分割合が、例えば、6:4あるいは7:3等の振分割合となる。
また、第3振分部材60の振分頂部63を更に第2振分部材50側に位置させることにより、第3誘導面71のBの範囲から落下するパチンコ玉を第1誘導面37側にのみ振り分けるようにする。この場合には、第3誘導面71のAの範囲から落下するパチンコ玉は第2誘導面38側に振り分けられ、第3誘導面71のB及びCの範囲から落下するパチンコ玉は第1誘導面37側に振り分けられるため、第1誘導面37側と第2誘導面38側との振分割合が、例えば、8:2あるいは9:1等の振分割合となる。
また、本実施形態に係る振分機構30は、貯留タンク4内のパチンコ玉を二方向に振り分けるものを示したが、これに限らず、第1振分部材40及び第3振分部材60に代えて、例えば、図12に示すような第2振分部材50と同じ傾斜方向の誘導面101と誘導側片102とから構成される誘導部材100を備えることにより、一方向にのみパチンコ玉を流下させるものであってもよい。このように構成することにより、遊技場の壁面に設置され、貯留タンク4内のパチンコ玉を振り分ける必要のない、いわゆる片面島の貯留タンクに用いることができる。なお、この場合、本実施形態に係る振分機構30の第1振分部材40及び第3振分部材60に代えて、パチンコ玉の振分割合が第3振分部材60とは異なる誘導部材100を取り付けることにより、片面島用のものとすることができるため、第3振分部材60以外の部材を共用することができ、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態に係る振分機構30は、貯留タンク4に備えられて貯留タンク4内のパチンコ玉を振り分けるものを示したが、これに限らず、例えば、パチンコ島台1側のオーバーフローダクトに備え、貯留タンク4から溢れたパチンコ玉、所謂、オーバーフロー玉を所定の二箇所の場所に振り分けるもの等にも応用しても良い。つまり、本出願では、オーバーフローダクト(オーバーフロー玉を下方に誘導し貯留する貯留タンクという意味)も、特許請求の範囲でいうところの貯留タンクに含まれる。
また、本実施形態においては、パチンコ島台1に設置される遊技機としてパチンコ機2を示したが、これに限らず、パチンコ玉を使用する遊技機であれば、例えば、パロット,雀球等の遊技機であってもよい。