本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明が適用された遊技機設置島1の内部構造を示す断面図が示されており、該遊技機設置島1は、その前後面に遊技機であるパチンコ機2と、該パチンコ機2において遊技に使用するパチンコ球の貸出を実施させる球貸処理機(図示略)等と、が並設される遊技機設置島である。なお、以下の説明において、図1に示される遊技機設置島1の長手方向を左右方向、長手方向に対して直交する方向を前後方向として説明することとする。すなわち、図1は遊技機設置島1を前方から見た図となる。
遊技機設置島1の略中央上部には、遊技媒体であるパチンコ球が貯留される上部タンク3が設けられており、この上部タンク3内に貯留されたパチンコ球は、該上部タンク3から遊技機設置島1内の長手方向両端部に向かって下方に傾斜するように配設された左右の供給樋4L、4Rに流入するようになっている。
これら供給樋4L、4Rには、流下するパチンコ球を各パチンコ機2に供給するための支流樋5が、供給樋4L、4Rにおける図中前後側の側板に流下方向に向かって所定間隔おきに複数配設されており、これら支流樋5に供給されたパチンコ球は、各パチンコ機2の背面に設けられた球タンク6に供給されるようになっている。
供給樋4L、4Rの下流側端部には、例えばメンテナンス時等において供給樋4L、4R内のパチンコ球を後述する下部樋10L、10R内に流出させる球抜き管7が設けられている。なお、通常時においてはこの球抜き管7内にパチンコ球が流下しないようになっている。
遊技機設置島1の下部には、パチンコ機2より排出されたアウト球を一時貯留するアウト球タンク8が、パチンコ機2を載置する繕板13の上面に、各パチンコ機2に対応するように複数設けられている。
また、遊技機設置島1には、後述するように、該遊技機設置島1に隣接配置される遊技機設置島1’(図2参照)から必要に応じて上部タンク3に供給されるパチンコ球を、遊技機設置島1の下部に設けられた下部タンク9L、9Rに導くオーバーフロー樋12及びオーバーフロー管18が配設されている。
パチンコ機2を載置する繕板13の下方には、遊技機設置島1に隣接配置される遊技機設置島1’からのパチンコ球を貯留する下部タンク9L、9Rがそれぞれ設けられている。下部タンク9L、9R内には、球抜き管7及び上部タンク3から延設されるオーバーフロー樋12の下流側端部に接続されるオーバーフロー管18から排出されるパチンコ球が流入する下部樋10L、10Rが、それぞれ遊技機設置島1における長手方向中央に向かって下方に傾斜するように配設されている。下部樋10L、10R内を流下するパチンコ球は、流下方向に向かって左右側の側板に複数形成された開口11、及びその底板における下流側端部所定箇所に形成された開口(図示略)を介して、下部タンク9L、9R内にパチンコ球がほぼ均等に貯留されるように落下される。
このように、下部タンク9L、9Rの内部に貯留するパチンコ球を誘導する下部樋10L、10Rは、遊技機設置島1における長手方向中央に配設された揚送装置325に向かって下方に傾斜するように配設されているとともに、下部タンク9L、9Rの内部にパチンコ球を落下させる開口11が下部樋10L、10Rの左右側面の長手方向に向かって複数設けられていることで、下部タンク9L、9Rの内部にパチンコ球を偏りなく均等に貯留することができ、これにより下部タンク9L、9Rのパチンコ球の貯留能力が増大するため、遊技機に供給するパチンコ球が不足するなどの事態の発生を効果的に回避することが出来るようになっている。
図1中向かって左側の遊技機設置島1の島端には、遊技者が獲得したパチンコ球を計数するための計数装置15が配設されており、この計数装置15内に投入されたパチンコ球は、計数装置15に設けられている球投入口15aから連設された排出路16を介して下部樋10Lに流入し、下部タンク9L内に排出されて貯留される。
また、下部樋10L、10Rの流下方向に向かって左右側には、各アウト球タンク8から排出されるパチンコ球を回収する下部樋10L、10Rとは別個の側部樋(図示略)が並設されている。
これら図示しない側部樋の下流側端部は、各下部タンク9L、9Rと揚送装置325との間に配設される貯留タンク200L、200R内まで延設されていて、側部樋内に回収されたパチンコ球は、下部タンク9L、9R内に貯留されることなく、貯留タンク200R、200L内に直接自然流下するようになっている。なお、側部樋からパチンコ球が溢れたときには下部樋10L、10Rを介して下部タンク9L、9R内に貯留されるようになっている。
下部タンク9L、9Rの揚送装置325側には、下部タンク9L、9Rに貯留されているパチンコ球を貯留タンク200L、200Rに揚送する第2の揚送装置としてのミニリフト210L、200Rがそれぞれ設けられているとともに、該ミニリフト210L、210Rのさらに揚送装置325側には、ミニリフト210L、210Rにて揚送して排出されたパチンコ球を貯留可能な揚送タンク200aL、200aRがそれぞれ設けられている。
このミニリフト210L、210Rが駆動されることにより、下部タンク9L、9R内のパチンコ球が揚送されて、ミニリフト210L、210Rの上部から揚送タンク200aL、200aRを介して貯留タンク200L、200R内に流下されるようになっている。よって、非駆動状態においては下部タンク9L、9R内のパチンコ球を揚送して貯留タンク200L、200Rに排出することはないので、ミニリフト210L、200Rは下部タンク9L、9Rからのパチンコ球の排出量を調節する役割を果たしている。これら貯留タンク200L、200R内に流出したパチンコ球は、中継樋24L、24Rを経由して清浄装置50に案内され、清浄装置50にて清浄されるようになっている。
なお、揚送装置325は、図1に示されるように、揚送装置の外形を構成する上下方向を向く箱体内に、パチンコ球を収容可能な複数のバケットが所定間隔おきに取付けられたタイミングベルトが上下に設けられた駆動歯車と従動回転体とに掛け渡されており、該駆動歯車を回転駆動させてタイミングベルトを回転させることによりバケットが縦方向に循環駆動するように構成されている、いわゆる従来公知のバケット式の揚送装置が適用されている。
このようにタイミングベルトが循環回転することにより、装置下部に設けられた流入口327から清浄装置50にて清浄された後に排出樋26を介して排出されたパチンコ球が流入し、上昇するバケットに収容されて揚送され、箱体上部に設けられた揚送球排出口328を介して上部タンク3内に流出されるようになっている。
このように構成される揚送装置325によって、清浄装置50により清浄されたパチンコ球を遊技機設置島1の上部の上部タンク3まで揚送する場合、清浄されたパチンコ球は前記バケット内に収容された状態で揚送されるので、例えばスクリューコンベア式やスプロケット式等の他の揚送装置のように、揚送されるパチンコ球が揚送中に他の部材等に接触することがない。よって、清浄されたパチンコ球を汚すことなく、また、接触により帯電させることなく揚送出来ることが好ましいが、本発明の遊技機設置島1にあっては、本実施例のようなバケット式の揚送装置325に限らず、前述したようなスクリューコンベア式やスプロケット式の揚送装置を適用してもよい。
また、前記下部タンク9L、9Rの下端側に設けられているミニリフト210R、210Lは、長さや幅等の規模は異なるものの、上記揚送装置325とほぼ同様に構成されているため、ここでの詳細な説明は省略するものとする。
このように、遊技機設置島1内に配設される供給樋4L、4R、支流樋5、下部樋10L、10R、オーバーフロー樋12、オーバーフロー管18、側部樋17R、17L、中継樋24R、24L、排出樋26や、上部タンク3、下部タンク9L、9R、貯留タンク200R、200L、揚送タンク200aL、200aR、及びパチンコ機2や清浄装置50、そして揚送装置235、ミニリフト210L、210R等は、遊技機設置島1内においてパチンコ機2に補給するパチンコ球を循環させるための循環経路を構成している。
図2に示されるように、遊技場内に並設される複数の遊技機設置島1、1’(図中左右側に隣接配置される遊技機設置島1’)における上部タンク3、3’間には、各上部タンク3、3’間においてパチンコ球の受渡しを行うための受渡し樋400、401が架設されている。これら上部タンク3、3’の側板における互いの対向面には、後述するように受渡し樋400、401の端部がそれぞれ接続される複数(本実施例では2つ)の流入口55a、55b及び複数(本実施例では2つ)の流出口56a、56b(図6参照)がそれぞれ所定高さ位置に形成されており、図2(a)に示されるように、受渡し樋400、401は、一方の上部タンク3の流出口56a(56b)から他方の上部タンク3’の一方の流入口55a(55b)に向けて下方に傾斜するように架設されている。よって、一方の上部タンクの流出口56aから流出したパチンコ球が他方の上部タンク3’の流入口55aに向けて自然流下して該上部タンク3’内に流入するようになっている。
各上部タンク3、3’における流入口55aには球受用シャッタ402が設けられており、他の上部タンク3、3’からのパチンコ球の受入れを可、または不可とすることが出来るようになっており、例えば球受用シャッタ402により流入口55aが閉塞されているときには、上部タンク3、3’へのパチンコ球の受入れ不可とされて受渡し樋400、401内にて停留されるようになっている。なお、各流出口56aにはシャッタは設けられておらず、上部タンク3、3’における貯留量が当該上部の流出口56aに達した場合に該流出口56aからパチンコ球が流出するようになっている。
また、流入口55aから上部タンク3、3’内に流入したパチンコ球は、上部タンク3、3’内に貯留されることなく、後述する流入球誘導路59を介して上部タンク3、3’内に設けられたオーバーフロー管57に合流して前記オーバーフロー樋12に流下するようになっている。なお、流入球誘導路59の詳細な構造は後述することとする。また、オーバーフロー樋12は、特に詳細な図示はしないが、該オーバーフロー樋12に流入したパチンコ球が、揚送装置325を挟んで前記計数装置15が配置された側と反対側に優先的に流出するように構成されている。
また、上部タンク3内には、上限貯留量検出センサ(図示略)及び下限貯留量検出センサ(図示略)が設けられており、パチンコ球の貯留量が貯留室3a内における上限貯留量検出センサ(図示略)の位置まで貯留され、すなわち、上限貯留量に達するとミニリフト210Lの揚送が停止されるようになっている。また、パチンコ球の貯留量が下限貯留量検出センサ(図示略)の位置を下回る、すなわち、下限貯留量未満となった場合にはミニリフト210Lが駆動して下部タンク9Lからのパチンコ球の揚送を開始し、下部タンク9Lに貯留されたパチンコ球を循環使用するようになっている。
次に、上部タンク3の詳細な構造を、図3〜図6に基づいて以下に説明していく。なお、前述した他の遊技機設置島1’においても、以下に説明する上部タンク3と同様の構成であるため、ここでは上部タンク3の構造のみを説明し、他の上部タンク3’の構造の説明は省略することとする。
図3に示されるように、上部タンク3は、互いに対向するように左右方向に離間配置された短寸の一対の側板50と、互いに対向するように前後方向に離間配置された長寸の一対の側板51と、底板52と、上板(図示略)と、から横断面長方形状の箱体に構成されている。
底板52は、側板50、51の高さ方向の略中央位置に配設されており、該底板52の上方にパチンコ球の貯留領域が形成されている。また、左右の側板50側の端部は下方に向けて屈曲され、左右の側板50との間には上下方向に延びる流出路53が左右に形成されており、これら左右の流出路53からパチンコ球が外部に流出するようになっている。また、底板52は、左右方向の中央位置から左右の流出路53それぞれに向けて下方に傾斜するように屈曲形成されており、底面52の上面は傾斜面52aとされている。
一方の側板51の外面所定箇所には、前記揚送装置325を上部タンク3の内部方向に収容する上下方向に延びる収容凹部54が内部に向けて凹設されている。また、前後の両側板51、すなわち、当該遊技機設置島1に隣接配置される他の遊技機設置島1’の上部タンク3と対向する対向面には、前述した受渡し樋400、401の端部が接続される流入口55a、55b及び流出口56a、56bが形成されている。流入口55a、55bは、側板51の長手方向に並設される2つの流入口55a、55bからなり、これら流入口55a、55bは、側板51における底板52の配置位置よりも下方位置に形成されている。また、流出口56a、56bは、側板51の長手方向に並設される2つの流出口56a、56bからなり、これら流出口56a、56bは、側板51における底板52の配置位置よりも上方位置に形成されている。すなわち、流入口55a、55bは流出口56a、56bよりも下方に形成されている。
上部タンク3内には、前述したオーバーフロー管57が収容凹部54の壁面に沿うように、かつ、底板52の一部を貫通して上下方向に延設されている。このオーバーフロー管57の上端は開口しているとともに、側板50、51の上端よりも若干下方に位置している。これにより上部タンク3内に貯留されたパチンコ球が所定高さ位置に達したときに該オーバーフロー管57の上端開口内に流入することになるため、上部タンク3からパチンコ球が溢れ出るのが防止されている。
オーバーフロー管57の側面における底板52よりも下方の所定箇所には連通口57aが形成されており、前記流入口55a、55bを介して内部に流入したパチンコ球が連通口57aを介してオーバーフロー管57に合流するようになっている。また、オーバーフロー管57の下端開口には、該オーバーフロー管57内を流下してきたパチンコ球を左右のオーバーフロー樋12に分流させるための二股状の分流樋58が、上下方向に位置調整自在に取付けられている。
上部タンク3内における底板52の下方には、前記受渡し樋400、401から流入口55aを介して内部に流入したパチンコ球を連通口57aに誘導するための流入球誘導路59が配設されている。この流入球誘導路59は、特に図6に示されるように、前後の側板51それぞれから内側に向けて下方に傾斜する傾斜部59bと、該両傾斜部59b間に形成される上向きコ字状の溝部59aとから構成されており、溝部59aの上面、すなわち、パチンコ球の流下面のみが流入部55bの端部から連通口57aに向けて下方に傾斜するように延設されているため、後述するように、左右いずれの流入口55a、55bに受渡し樋400、401が接続された場合でも、受渡し樋400、401から内部に流入したパチンコ球がオーバーフロー管57内に誘導されるようになっている。
また、側板51における流入口55bの右側には閉塞板により閉塞された点検口60が形成されており、該点検口60を閉塞する閉塞板を取り外すことで、流入球誘導路59の内部で球詰まり等が生じた場合において内部状況を点検したり、手を挿入して球詰まりを解消することができるようになっている。
次に、上部タンク3の内部における底板52上方の貯留領域には、図3に示されるように、該貯留領域内に貯留されたパチンコ球を所定方向に移動させるための誘導板が複数配設されている。具体的に説明すると、まず、貯留領域上方には、揚送装置325の揚送球排出口328から排出されたパチンコ球を互いに離間配置された2つの流出路53側に向けてそれぞれ誘導する第1誘導板61が配設されている。
第1誘導板61は、左右方向の中央位置から左右側の側板50、すなわち、左右の流出路53側それぞれに向けて下方に傾斜するように屈曲形成されており、左右それぞれの傾斜面には流下中のパチンコ球を下方に落下させるための落下孔62が複数形成されている。第1誘導板61の傾斜下位側の端部は、それぞれ側板50と所定距離離間しており、流下したパチンコ球は、該第1誘導板61の下方に配設される一対の第2誘導板63a、63bに落下するようになっている。
第2誘導板63a、63bは、いずれか一方の側板51から他方の側板51に向けて下方に傾斜するように左右の側板50それぞれの内面に沿って取付けられ、互いに離間配置されており、その上面がパチンコ球が流下する傾斜面となっている。それぞれの第2誘導板63a、63bの傾斜上位側の端部は側板51と当接しているとともに、傾斜下位側の端部と該端部に対向する側板51との間は所定距離離間しており、パチンコ球の落下スペースが形成されている。これにより第2誘導板63a、63b上を流下したパチンコ球は該第2誘導板63a、63bの下方に配設される第3誘導板64a、64b上に落下するようになっている。
また、これら左右の側板50に沿って離間配置される左右の第2誘導板63a、63bは、それぞれの傾斜上位側の端部及び傾斜下位側の端部が同高さ位置になるように配置されているとともに、互いに逆方向に傾斜するように設けられている。
第3誘導板64a、64bは、いずれか一方の側板50から他方の側板50に向けて下方に傾斜するように左右の側板51それぞれの内面に沿って取付けられ、互いに離間配置されており、その上面がパチンコ球が流下する傾斜面となっている。詳しくは、第3誘導板64a、64bそれぞれの傾斜上位側の端部は、第2誘導板63a、63bの傾斜下位側の端部の下方に位置しており、これら傾斜上位側の端部及び傾斜下位側の端部は側板50と当接しており、特に一方の第3誘導板64b(図3の平面図における下側の誘導板64)の傾斜下位側の端部は、収容凹部54を構成する側面に当接している。
また、これら左右の側板51に沿って離間配置される左右の第3誘導板64a、64bは、それぞれの傾斜上位側の端部が同高さ位置になるように配置されているとともに、互いに逆方向に傾斜するように設けられている。
さらに、これら左右の第3誘導板64a、64bそれぞれの下方には、前記第2誘導板63a、63bと同様に、いずれか一方の側板51から他方の側板51に向けて下方に傾斜する第1補助板65a、65bが、左右の側板50それぞれの内面に沿って取付けられており、その上面がパチンコ球が流下する傾斜面となっている。詳しくは、第1補助板65aは第2誘導板63aとは逆方向に傾斜するように配置されているとともに、第1補助板65bは第2誘導板63bとは同方向に傾斜するように配置されており、これらそれぞれの傾斜下位側の端部と該端部に対向する側板51との間は所定距離離間しており、パチンコ球の落下スペースが形成されている。これにより第1補助板65a、65b上を流下したパチンコ球は該第1補助板65a、65bの下方に配設される第2補助板66a、66b上に落下するようになっている。
第2補助板66a、66bは、前記第3誘導板64a、64bと同様に、左右の側板50それぞれの内面に沿って取付けられ、互いに離間配置されているとともに、その上面がパチンコ球が流下する傾斜面となっている。これら第2補助板66a、66bは、それぞれの傾斜上位側の端部は、第1補助板65a、65bそれぞれの傾斜下位側の端部の下方に位置において左右の側板50に当接されており、傾斜下位側の端部は、側板51の長手方向略中央位置、すなわち、底板52の最上位部に向けて下方に傾斜するように延設されている。よって、第2補助板66a、66b上を流下したパチンコ球は底板52の最上位部付近に落下するようになっている。
以上説明したように、第2誘導板63a、63b、第3誘導板64a、64b、第1補助板65a、65b、第2補助板66a、66bは、それぞれ所定幅の帯状の板材からなり、それぞれ側板50もしくは側板51の内面に沿うように取付けられているため、図3中における平面図に示されるように、上部タンク3内におけるこれら第2誘導板63a、63b、第3誘導板64a、64b、第1補助板65a、65b、第2補助板66a、66bにより囲まれた中央領域は、底板2上面から第1誘導板61まで延びる中央空間部が形成されている。なお、第1誘導板61はこの中央空間部の上部に配置されている。
また、前記第2誘導板63a、63b及び第1補助板65a、65bは、左右の流出路53の上端開口の上方位置に配置されていることになる。
次に、左右の流出路53の下端開口に設けられ、一端に供給樋4L、4Rに接続される可動部材70の構造を図2及び図4、図5に基づいて説明する。
可動部材70は、図4に示されるように、高さ方向に延びる所定長さの第1筒状部71と、該第1筒状部71の下端、すなわち、側板50の内側から外側に向けて屈曲するように連設された第2筒状部72と、から側面視略L字状に構成されており、第1筒状部71は流出路53の内部に上下方向に摺動自在に嵌合されるようになっている。これら第1筒状部71と第2筒状部72内は連通されており、底板52から流下してきたパチンコ球は、第1筒状部71及び第2筒状部72内を流下して第2筒状部72の開口から流出するようになっている。
第2筒状部72の開口端部には、前述した供給樋4Lの傾斜上位側の端部がネジ74により接続されている。なお、このネジ74は供給樋4Lの側壁に形成される長手方向に延びる長孔75に挿通されて第2筒状部72に止着されており、供給樋4Lの長手方向の位置調整を行うことができるようになっている。
第1筒状部71における側板50側の側壁には、それぞれ上下方向に向けて複数(本実施例では6個)のネジ孔75が所定間隔おきに形成されており、これらネジ孔75のうちいずれか2箇所に、前後の側板51の所定箇所に形成された上下のネジ挿通孔76から挿通されるネジ77を選択的に螺入することにより、可動部材70を上部タンク3の流出路53における所定高さ位置に取付けることができるようになっている。
このように、可動部材70の取付位置調整手段を、上部タンク3の側板51に形成されたネジ挿通孔76と、可動部材70の側壁に上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成され、ネジ挿通孔76から挿通したネジ77が螺入されるネジ孔75と、から構成することで、ネジ77の取付位置を変えることで可動部材70の取付位置を容易に調整することができるばかりか、複数のネジ孔75が可動部材70側に形成されることで、上部タンク3に形成されたネジ挿通孔76の位置が変わることがないため、ネジ77の取付作業が容易になる。
なお、本実施例においては、可動部材70に形成された複数のネジ孔75にネジ77を選択的に螺入することで上下方向の取付け位置を変更出来るように構成されていたが、複数のネジ孔75の替わりに例えば上下方向に延びる長孔等を適用してもよい。
また、本実施例においては、可動部材70を取付範囲における最大高さ位置に取付けた場合において、可動部材70の下面(第2筒状部72の底面)が上部タンク3の底板52の上面の高さ位置よりも下方位置となるように取付位置調整手段としてのネジ孔75、ネジ挿通孔76が形成されている。
また、第1筒状部71内における所定高さ位置には、水平方向を向く衝撃緩和板95が設けられており、底板52から落下したパチンコ球は第1筒状部71内を落下する途中で一度衝撃緩和板95上に落下し、その後第2筒状部72に落下するようになっている。このように衝撃緩和板95が設けられることにより、底板52から落下したパチンコ球が第2筒状部72の底面上に直接落下したときに比べて衝撃が緩和されるため、衝突音の発生や第2筒状部72の損傷等が防止されるとともに、第1筒状部71から上部タンク3の貯留領域にかけてパチンコ球が満杯状態となったとき等において第1筒状部71と第2筒状部72との連設部に球圧が集中することで球詰まりが発生すること等が防止されるようになっている。なお、この水平板95の上面にはゴム製の干渉部材が敷設され、球の衝突音が吸収されるようになっている。
また、側板50の下部における第2筒状部72に対応する箇所には、第2筒状部72を側板50の下端から嵌合可能な切欠凹部81(図5参照)を、側板50を切断することにより形成するための切断ガイド部78が形成されている。詳しくは、切断ガイド部78は、側板50の板厚を貫通する所定長さのスリット部78aと、該スリット部78a間に設けられる連結部78bと、から構成されている。なお、連結部78bはスリット部78aよりも短寸となるように形成されているため、現場における切断加工が容易になる。
これらスリット部78a及び連結部78bからなる切断ガイド部78は、上下方向に連続形成される2本の縦辺部と、該2本の縦辺部間に形成される横辺部と、から構成されており、2本の縦辺部間は互いに第2筒状部72の幅寸法よりも若干長寸とされている。また、横辺部は上下方向に複数本(本実施例では3本)形成されている。なお、図5に示されるように、この縦辺部における1つのスリット部78aの寸法L2は、前記第1筒状部71に形成されるネジ孔75の配置間隔L1と同寸に形成されている。
このように構成された切断ガイド部78は、例えば図5(a)、(b)に示されるように、可動部材70の取付位置を通常の調整範囲における最上位よりも高い位置に取付けたい場合に連結部78bを切断することで、側板50の下端に可動部材70の第2筒状部72が嵌合可能な切欠凹部81を形成することができるようになっている。
このように、切断ガイド部78にあわせて側板50を切断するだけで、切欠凹部78を現場にて容易に形成することができるため、可動部材70(供給樋4L、4R)の高さ方向の取付位置を、遊技店の設置状況等に応じて通常よりも高い位置に取付ける必要が生じた場合においても容易に対応することができる。また、必要が生じた場合のみ切欠凹部78を形成することができるため、貯留されたパチンコ球の重量負荷がかかる上部タンク3の強度低下を極力防止できる。
また、この切欠凹部81の深さ(高さ)は、上下方向に所定間隔(L2)おきに形成された3本の横辺部のいずれかを選択的に切断することで、可動部材70の取付け高さ位置に合わせて最小限の深さの切欠凹部81を形成することができるため、予め切欠凹部81を形成しておく場合に比べて外観体裁を損ねることがないばかりか、上部タンク3の側板50の強度低下を最小限に抑えることができる。
次に、図6に基づいて、上部タンク3における流入口55a、55b及び流出口56a、56b付近の詳細な構造を説明する。
まず、前後の側板51それぞれに設けられた流入口55a、55bのうち、それぞれ一方の流入口55aには、前記受渡し樋400、401の一端を接続するための接続部材82が取付けられている。この接続部材82は、流入口55a、55bの内側から外側に向けて挿入され、内側に延設された内片82aをネジ83により傾斜部59bの上面に止着することで取付けられている。また、外片82bは、上向きコ字状に形成されており、この上部に受渡し樋400、401の端部が載置された状態で図示しないネジにて止着されることで、受渡し樋400、401の一端を接続できるようになっている。
また、内片82aの先端は溝部59aまで延設されており、内部に流入したパチンコ球を溝部59aまで誘導できるようになっている。また、この内片82aを止着するために傾斜部59bに形成される4個のネジ83のネジ孔84は、該接続部材82が接続されている流入口55aの隣の流入口55bに対向する対向位置にも形成されているため、図6(b)に示されるように、ネジ83を取外して接続部材82を流入口55b側に取付け、傾斜部59bにおける流入口55bの対向位置に形成されたネジ孔84にネジ83を介して止着することで、受渡し樋400、401の取付位置を流入口55b側に容易に変更することができるようになっている。
また、前後の側板51それぞれに設けられた流出口56a、56bのうち、それぞれ一方の流出口56aには、前記受渡し樋400、401の一端を接続するための接続部材85が取付けられている。この接続部材85は、流出口56a、56bの内側から外側に向けて挿入され、内側に延設された流出誘導片85aを、底板52の下方から挿入して固定された所定長さの長尺ボルト86の上端部にナットを介して止着することで所定高さ位置に取付けられている。なお、流出誘導片85aは、上部タンク3における前後方向の中央位置から流出口56aに向けて下方に傾斜するように配置されるため、内部に貯留されたパチンコ球を流出口56aを介して受渡し樋400、401にスムーズに誘導させることができるようになっている。
さらに、これら流出誘導片85aは、図3に示されるように、前記第3誘導板64a、64bのやや下方位置に配置されるため、第3誘導樋64a、64bから落下したパチンコ球を流出口56a(56b)にスムーズに導いて流出させることができるようになっている。
また、外片85bは、上向きコ字状に形成されており、この上部に受渡し樋400、401の端部が載置された状態で図示しないネジにて止着されることで、受渡し樋400、401の一端を接続できるようになっている。
また、この流出誘導片85aを止着するために底板52に形成される4個のボルト挿通孔86は、前後の側板51それぞれに対角線上に形成される流出口56aに対向する対向位置にそれぞれ形成されているため、図6(b)に示されるように、それぞれの接続部材85を長尺ボルト86の上端部から取外して接続部材85をそれぞれの流入口55b側に取付け変えれば、受渡し樋400、401の取付位置を流入口55b側に容易に変更することができるようになっている。
このように、受渡し樋400、401の端部が接続されるそれぞれの接続部材82は、ネジ83を外すことで上述したように現在取付けられている流入口55aに予め隣接配置された流入口55bに取付ることができ、また、接続部材85は、長尺ボルト86の上端部から取外すことで現在取付けられている流出口56aに予め隣接配置された流出口56bに取付けることができるようになっているため、受渡し樋400、401の取付位置を、1つの接続部材82、85の取付位置を変更するだけで容易に変更することができる。
よって、例えば図2に示されるように、遊技機設置島1、1’の上部タンク3、3’間に受渡し樋400、401を架設する際において、複数設置されたうちの一部の遊技機設置島間の受渡し樋400、401が遊技店の構造物に干渉することがあっても、上部タンク3、3’に対する受渡し樋400、401の連結位置の変更を、複数の流入口55a、55b及び複数の流出口56a、56bのいずれかを選択して連結するだけの簡単な作業で現場にて容易に行うことができ、これにより遊技店の構造物との干渉を容易に回避できるため、遊技店の負担が効果的に軽減されるばかりか、遊技機設置島の仕様の共通化を図ることができる。
また、上部タンク3に貯留されたパチンコ球を複数の流出口56a、56bのうちいずれか1つの流出口に向けて誘導する接続部材85(流出球誘導部材)を、長尺ボルト86から取り外して付け替えるだけで前記複数の流出口56a、56bのうち受渡し樋400、401が連結された流出口の対向位置に選択的に配置変更することができるため、受渡し樋400、401を連結する流出口56a、56bの位置を変更することがあっても、接続部材85(流出球誘導部材)を受渡し樋400、401が連結された流出口56a、56bの対向位置に容易に配置変更することができる。
また、流入口55a(55b)から流入したパチンコ球をオーバーフロー管57に向けて誘導する溝部59aが前記複数の流入口55a、55bに沿うように延設されているとともに、流入口55a(55b)から流入したパチンコ球を溝部59aに誘導する接続部材82(流入球誘導部材)は、ネジ84を取り外して付け替えるだけで、前記複数の流入口55a(55b)のうち受渡し樋400、401が連結された流入口55a(55b)の対向位置に選択的に配置変更することができるため、受渡し樋400、401が複数の流入口55a(55b)のうちのいずれに連結されても、受渡し樋400、401から上部タンク3内に流入したパチンコ球を接続部材82及び溝部59aを介してオーバーフロー管57に向けて確実に誘導することができるばかりか、受渡し樋400、401の連結位置の変更に応じて溝部59aの配置位置変更を行う必要がないとともに、接続部材82を受渡し樋400、401が連結された流入口55a、55bそれぞれの対向位置に容易に配置変更することができるため、受渡し樋400、401の連結位置の変更に伴う作業負荷を効果的に軽減することができる。
また、特に詳細な図示はしないが、接続部材82、すなわち、受渡し樋400、401の端部が接続されていない流出口55b、流入口56bは、図6中点線で示されるような蓋部材が図示しないネジ等により着脱自在に取付けられて閉塞されている。なお、受渡し樋400、401の端部の接続位置を、現在前記蓋部材にて閉塞されている他方の流出口56b、流入口55bそれぞれに変更する場合、この蓋部材を取外して他方の流出口56a、流入口55aに取付けて閉塞すればよい。
また、溝部59aの幅方向略中央位置には、内片82aにより誘導されたパチンコ球の流下方向を、溝部59aの幅方向の中央付近で溝部59aの流下方向に向けて方向変更させるための方向変更板96が、2つの流入口55a、55bそれぞれの対向位置に配置されている。この方向変更板96を設けることで、前後の側板51それぞれに形成された流入口55aから内部に流入したパチンコ球は、それぞれ溝部59aの幅方向における中央よりも手前側で流下方向に向けて方向変更されるため、両流入口55aから流入するパチンコ球同士の合流時における干渉が極力回避されるため、スムーズに流下させることができる。
次に、図7の概略図に基づいて、上部タンク3内に貯留されたパチンコ球の作用を説明する。なお、図7では、従来の上部タンク3aにおけるパチンコ球の作用と本実施例における上部タンク3におけるパチンコ球の作用を比較して説明する。
まず、図7(a)には従来の上部タンク3aの概略図が示されており、この従来の上部タンク3aは、本実施例における上部タンク3における第1誘導板61、第2誘導板63a、63b、第3誘導板64a、64b、第1補助板65a、65b、第2補助板66a、66bがないタンクであって、その他の構造は上部タンク3と同一に構成されている。
このような上部タンク3aにおいて、例えば図中右側の流出路53及び可動部材70を介して接続された供給樋4Rからパチンコ球が供給される複数のパチンコ機2において大当り等が発生し、図中右側の流出路53からの流出量が図中左側の流出路53からの流出量を大きく上回った場合、上部タンク3内における右側に貯留されていたパチンコ球が減少することになる。
この場合、底板52は左右方向中央部から左右の側板50に向けてそれぞれ下方に向けて傾斜するように設けられているため、底板52における中央部よりも左側に貯留されているパチンコ球が右側の流出路53に向けて流出されず、図中斜線で示されるように左側に偏った状態で貯留されたまま残存してしまうことになる。このようになると、上部タンク3a内にパチンコ球が残存しているにも関わらず、右側の供給樋4Rにパチンコ球が流出されず、上部タンク3aの右側のパチンコ機2への球の供給が間に合わなくなり、球不足が発生してしまうことがある。
これに対して本実施例の上部タンク3にあっては、揚送装置325の揚送球排出口328から第1誘導樋61上に排出されたパチンコ球は、左右の側板50側に向けてそれぞれ分散され、第1誘導樋61上を流下し、第2誘導板63a、63b上に落下することになる。なお、流下途中において一部のパチンコ球は落下孔62から落下して上部タンク3の中央領域に貯留されていく。
そして、第2誘導板63a、63b上に落下したパチンコ球は、前後の側板51に向けてそれぞれ逆方向に流下した後、前後の側板51の第3誘導樋64a、64b上に落下することになる。さらに第3誘導樋64a、64b上に落下したパチンコ球は、左右の側板51に向けてそれぞれ逆方向に流下し、傾斜最下位の端部にて側板50に衝突して中央領域内に落下することになる。
このように揚送装置325により揚送された後に揚送球排出口328から上部タンク3内に排出されたパチンコ球は、第1誘導板61により左右の側板50、すなわち、左右の流出路53方向に向けて移動された後、第2誘導板63a、63bにより前後方向、すなわち、側板50の長手方向に向けて移動され、さらに第3誘導板64a、64bにより左右方向、すなわち、側板51の長手方向に向けて移動されることになる。
すなわち、上部タンク3内に貯留されるパチンコ球の一部が、これら各誘導板上に載置されると、それぞれの傾斜面上を流下して移動することになり、特に第3誘導板64a、64bは、左右の流出路53それぞれに向けてそれぞれ逆方向に移動するように誘導されることになるため、図7(a)に示される従来の上部タンク3aのように、いずれか一方の流出路53側にパチンコ球が偏った状態に貯留されて残留することが防止されるため、いずれか一方の流出路53からの流出量が他方の流出量を大きく上回ることがあっても、上部タンク3内にパチンコ球を残存させることなく、満遍なく流出させることができる。
また、これら複数の誘導板及び複数の補助板が上下方向に複数段配置されているため、上方のパチンコ球の負荷が下方のパチンコ球に加わって流出に支障をきたすことが防止される。特に、第2誘導板63a、63bが流出路53の上方に配置されているため、流出路53内のパチンコ球に上方のパチンコ球の負荷が加わって流出に支障をきたすことが防止されるため、流出路53内において球詰まり等を発生させることなく、スムーズに流出させることができる。
さらに本実施例における第2誘導板63a、63bは、それぞれの傾斜面が互いに逆方向に向けて傾斜するように設けられているため、パチンコ球が側板51の一方側に偏って誘導されたまま残存することを回避することができる。
また、第1誘導板61の傾斜面には落下孔62が複数形成され、第2誘導板63a、63bは側板50それぞれの内面に沿うように配設されているとともに、第3誘導板64a、64bは側板51それぞれの内面に沿うように配設されているため、第1誘導板61の傾斜面を流下するパチンコ球の一部が落下孔62から落下するとともに、上部タンク3の内部における側板50、51付近にパチンコ球が滞留することなく第2誘導板63a、63b及び第3誘導板64a、64bにより流下することになるので、パチンコ球を偏り無く上部タンク3の内部における中央部に貯留することができる。
さらに上部タンク3の底面、すなわち、底板52の上面は、貯留されたパチンコ球を2つの流出路53それぞれに向けて誘導する傾斜面を備えるため、上部タンク3の底板52上にパチンコ球が残存することを防止することができる。
次に、図5、図6及び図8に基づいて、供給樋4L、4Rの上部タンク3に対する高さ方向の取付位置の調整時における作用を説明する。
図5、図6において説明したように、供給樋4L、4Rの傾斜上位側の端部が、上部タンク3の流出路53内に上下方向に摺動自在に設けられた可動部材70の第2筒状部72に接続されている。よって、例えば図8中2点鎖線で示されるように、遊技機設置島1に設置するパチンコ機2の設置台数を増設するために、全長寸法L3を例えばL4まで延長する場合、供給樋4L、4Rの全長も延長する必要がある。このとき、供給樋4L、4Rの傾斜下位側の端部の高さ位置は、パチンコ機2の上方の所定高さ位置から変わることがないため、全長が長くなる分、供給樋4L、4Rの傾斜角度θ1が、基準角度(例えば約3°)よりも小さくなり、パチンコ球の流下に支障をきたす虞がある。
ここで、可動部材70の上部タンク3に対する取付高さ位置を、図5、図6において説明したように上方の高さ位置に調整することで、傾斜角度θ2を前記基準角度θ1と同一とした状態で供給樋4L、4Rの長さを延長することができる。
このように、上部タンク3自体を上昇させる等の大がかりな作業を行うことなく、上部タンク3に対する可動部材70の上下方向の取付位置を、取付位置調整手段である複数のネジ孔75を介して容易に調整することができるため、遊技機設置島1の全長寸法の変更に応じて供給樋4L、4Rの長さを変更することがあっても、簡単な作業で供給樋4L、4Rの傾斜角度θをパチンコ球の流下に最適な角度に保つことができる。
また、上部タンク3の側板50には、可動部材70を側板50の下端から嵌合可能な切欠凹部81を形成するための切断ガイド部78が形成されており、切断ガイド部78を切断して切欠凹部81を形成することで可動部材70の取付位置の上方向への位置調整範囲を拡大可能とされていることで、切断ガイド部78にあわせて側板50を切断することで切欠凹部81を現場にて容易に形成することができるため、可動部材70、すなわち、供給樋4L、4Rの高さ方向の取付位置調整を、遊技店の設置状況等に応じて行うことができる。また、必要に応じて切欠凹部81を現場にて容易に形成することができるため、貯留されたパチンコ球の重量負荷がかかる上部タンク3の強度低下を極力防止できる。
また、取付位置調整を、上部タンク3の側板51に形成された上下それぞれのネジ挿通孔76に、可動部材70の側壁に上下方向に向けて所定間隔おきに形成された複数のうちのいずれかのネジ孔75を合致させ、外部からネジ挿通孔76に挿通したネジ77をネジ孔75に螺入することで容易に行うことができるため、ネジ77を螺入するネジ孔75を選択的に変えるだけの簡単な作業で可動部材70の取付位置を容易に調整することができるばかりか、複数のネジ孔が可動誘導樋に形成されることで、上部タンクに形成されたネジ挿通孔の位置が変わることがないため、ネジの取付作業が容易になる。
また、本実施例においては、これら取付位置調整手段としてのネジ孔75、ネジ挿通孔76は、可動部材70を取付範囲における最大高さ位置に取付けられた場合において可動部材70の下面(第2筒状部72の底面)が、上部タンク3における球貯留部の底面(底板52の上面)の高さ位置よりも下方位置となるように構成されているため(図3参照)、前記取付位置調整手段により可動部材70の取付位置を調整しても、球貯留部の底面(底板52の上面)付近に貯留されたパチンコ球を揚送したりすることなく、下方位置にある可動部材70の誘導流下面(第2筒状部72の底面)に簡単に流出させることができる。
また、本実施例においては、供給樋4L、4Rは、上部タンク3の内部に上下方向に摺動自在に嵌合される上下方向を向く第1筒状部71と、第1筒状部71の下部から上部タンク3の側板50よりも外側に向けて連設された第2筒状部72(第2筒状部)と、から側面視略L字状に形成された可動部材70を介して上部タンク3に接続されており、第1筒状部71が上部タンク3の内部に摺動自在に嵌合され、可動部材70の上下方向の移動が上部タンク3により案内されるため、ネジ77の取付作業時におけるがたつき等が防止されて取付作業を容易に行うことができる。
また、本実施例においては、上部タンク3から流出するパチンコ球をパチンコ機2に供給するための可動供給樋が、可動部材70と供給樋4L、4R(流下部材)とにより構成されていることで、可動部材70と供給樋4L、4Rを分離し、可動部材70だけで上部タンク3に対する高さ方向の取付位置調整を行うことができる。よって、高さ方向の取付位置調整作業を供給樋4L、4Rの荷重が加わらない状態で行うことができるため、取付位置調整作業が容易になる。
なお、本実施例において、上部タンク3に貯留されたパチンコ球を長手方向に配置されたパチンコ球に供給する可動供給樋は、可動部材70と供給樋4L、4Rとから構成されていたが、例えば図9(a)に示されるように、可動部材70と供給樋4L、4Rとが一体化され、上部タンク3との接続端部が上方に屈曲するL字状に形成された供給樋90にて構成してもよい。
また、上部タンク3の流出路53に摺動自在に嵌合される可動部材は、本実施例のように第1筒状部71と該第1筒状部71の下端から側方に向けて屈曲形成される第2筒状部72とからなる側面視略L字状のものに限定されるものではなく、図9(b)に示されるように、上下方向を向く筒体91にて構成され、該筒状体91が高さ方向に位置調整可能に取付けられるとともに、この筒状体91と、該筒状体91の下端にネジ等により接続される供給樋92と、から構成されていてもよい。
また、本実施例においては、受渡し樋400、401の端部の接続位置を変更する取付位置変更手段としての流出口及び流入口が、前後一対の側板51それぞれに2個ずつ並設されており、2本の受渡し樋400、401の取付位置を2パターンに変更自在に構成されていたが、流入口及び流出口の形成数は一方の側板51に2個ずつ形成するだけでなく、例えば図10(a)に示されるように、流入口55及び流出口56を上下及び左右方向に2個以上ずつ形成し、複数パターンの取付位置に変更することができるようにしてもよい。
また、本実施例における受渡し樋400、401の端部の接続位置を変更する取付位置変更手段は、複数の開口により形成されるものに限定されるものではなく、例えば図10(b)に示されるように、左右方向に延びる長穴にて流出口93、流入口94を形成し、該長穴内に受渡し樋400、401の端部を摺動自在に嵌合して左右方向に位置変更自在とするようにしてもよい。
また、上記実施例における受渡し樋400、401は、パチンコ球を自然流下により流下させる一対の樋にて構成されていたため、上部タンク3には予め複数の流入口55a、55b及び複数の流出口56a、56bが形成されていたが、例えば受渡し樋として、樋の内部にパチンコ球を長手方向の両端側に向けてそれぞれ移動可能とするスクリュー等を備えるものを適用した場合、流入口と流出口とをそれぞれ別々に形成しなくても、流入及び流出を兼ねる流入出口を設けておけばよく、この場合において受渡し樋の位置変更を可能とするためには、流入出口を複数箇所に形成しておけばよい。
また、本実施例においては、流入口55a(55b)から流入したパチンコ球は、溝部59aを介してオーバーフロー管57へ流出して、上部タンク3とは別個に設けられた下部タンク9L、9R等に貯留されるようになっていたが、これら他の遊技機設置島1’の上部タンク3’から受け入れたパチンコ球を上部タンク3内に貯留するようにしてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例においては、遊技機設置島の前後方向に隣接配置された他の遊技機設置島の上部タンク間が受渡し樋にて連結されていたが、これら受渡し樋は、遊技機設置島の長手方向に隣接配置された遊技機設置島の上部タンク間が連結されているものであってもよい。
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
本発明の請求項1は、
複数の遊技機(パチンコ機2)が設置される遊技機設置島(1、1’)であって、
前記遊技機設置島の下部に配設され、前記遊技機による遊技に使用する遊技球(パチンコ球)を貯留する下部タンク(9L、9R)と、
前記下部タンクに貯留された遊技球を前記遊技機設置島の上部に揚送するとともに、該揚送した遊技球を揚送球排出口(328)から排出する揚送装置(325)と、
前記遊技機設置島の上部に配設され、前記揚送装置の揚送球排出口から排出された遊技球を貯留する上部タンク(3)と、
該上部タンクに貯留された遊技球を、隣接する遊技機設置島の上部タンクである隣接上部タンクに移送するための第1移送樋(400または401)と、
前記隣接上部タンクに貯留された遊技球を、前記上部タンクに移送するための第2移送樋(401または400)と、
前記上部タンクの前記隣接上部タンクに対向する対向面に複数形成され、該上部タンクに貯留された遊技球を前記第1移送樋に流出させる流出口(56a,56b)と、
該流出口よりも下方位置に複数形成され、前記第2移送樋からの遊技球が流入する流入口(55a,55b)と、
を備え、
前記第1移送樋は、前記複数の流出口のうちいずれかに選択的に接続され、
前記第2移送樋は、前記複数の流入口のうちいずれかに選択的に接続され、
前記複数の流出口のうち第1移送樋が接続されない流出口を閉塞する第1閉塞部材(蓋部材)と、
前記複数の流入口のうち第2移送樋が接続されない流入口を閉塞する第2閉塞部材(蓋部材)と、
前記複数の各流入口それぞれの内側に対応して設けられ、該流入口から前記上部タンクの内側に向けて下方に傾斜する傾斜部(傾斜部59b)と、
前記上部タンク内の余剰球を前記揚送装置に供給するために流出させる余剰球流出通路(オーバーフロー管57)と、
を備え、
前記複数の流入口は、左右の隣接上部タンクに対向する左右の対向面それぞれに形成され、
前記傾斜部(傾斜部59b)は、前記左右の対向面(側板51,51)それぞれに対応して設けられ、
前記左右の傾斜部間に設けられ、前記傾斜部から流入する遊技球を前記余剰球流出通路に誘導する誘導通路(溝部59a)を備える。
本発明の請求項2は、
前記誘導通路の幅方向の略中央位置に、該誘導通路の長手方向に向けて立設される仕切板(方向変更板96)を備える。