JP4524416B2 - アスファルト混合物及び硫黄含有資材の製造装置、並びに該装置を用いた硫黄含有資材の製造方法 - Google Patents
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Description
従来、硫黄は、主として肥料等の農業製品、硫酸等の化学製品の原料として使用されてきた。しかし、硫黄の消費量が今後頭打ちで硫黄の生産量が増加すれば、硫黄の処理方法は今後大きな問題になると思われる。この問題を解決するために、硫黄の用途の拡大が求められていることから、硫黄含有資材は近年注目されている硫黄の新規用途の1つである。
硫黄含有資材は、硫黄を主成分とした硫黄含有物からなる結合材と骨材とからなる成形固化物である。硫黄は、アスファルトと同様に熱可塑性であるため、加熱溶融することによって骨材と混合することが可能となる。該硫黄含有資材は、セメントコンクリートの2倍以上の高い強度を示し、冷却後直ぐにその強度を発現するという優れた特長を有する。更に、酸、アルカリ等の化学物質に対して大きな抵抗性を示し、水密性も極めて高く、骨材中に重金属、ダイオキシン等の有害物質や塩分が含まれていても溶出する恐れがほとんどない。このような優れた性質のため、将来の新たな土木、建設用の材料として期待されている。
ところで、アスファルト混合物の製造設備は、現在、我が国に約1700箇所程度あるため、これら多くの製造設備が硫黄含有資材の製造設備として利用可能となれば上記問題が解決し易い。
本発明の別の目的は、既存のアスファルト混合物の製造装置を利用した、安価で高品質の硫黄含有資材を効率的に製造することが可能な硫黄含有資材の製造方法を提供することにある。
前記計量手段は、アスファルト混合物又は硫黄含有資材を製造するにあたり、後述する加熱保温可能な混練手段への供給量が、1回の混練に必要となる量を計測しうるものであれば特に限定されない。一方、前記加熱保温手段は、前記混練手段に所望温度の状態で供給しうるように温度制御可能な電気やホットオイル等を熱源とするヒータ等を所定箇所に設置すれば良い。この際、加熱保温手段は、混練手段までの通路においても設けることが好ましい。
前記硫黄含有材料供給タンク(B)は、硫黄含有材料がペレットや破砕物等の固体である場合には硫黄含有材料が変成しないタンクであれば良い。
一方、硫黄含有材料を溶融状態で供給するためのタンクの場合には、硫黄含有材料の粘度上昇や固化が生じないようにタンク内の温度を所定温度以上に加熱保温しうる、電気やホットオイル等を熱源とするヒータ等を所定箇所に設け、タンク内の温度を均一にするため、攪拌装置を設置する必要がある。この際、溶融硫黄含有材料を後述する混練手段に供給するまでの通路にも同様に硫黄含有材料の粘度上昇や固化が生じないように加熱保温する手段を設ける必要がある。
前記タンク(B)には、溶融硫黄含有材料を供給するための硫黄含有固化物の溶融手段が接続されていても良い。このような溶融手段を設けることにより、必要量の溶融硫黄含有材量をタンク(B)に供給することができる。
前記タンク(B)において用いる硫黄含有材料としては、次の混練手段における製造効率を考慮した場合、溶融状態であることが好ましい。
ここで、アスファルト混合物の製造の後に硫黄含有資材の製造を行う場合、若しくはその逆の場合、先に混合した材料がミキサ内に残存しないよう十分な洗浄を行う必要があり、このような洗浄を行うことにより混練手段を1つにすることも可能であるが、溶融アスファルト用混練手段と、溶融硫黄含有材料用混練手段との少なくとも2つの混練手段を設けることにより、前記充分な洗浄工程が不用となり、しかも不純物の混入が防止されるので得られるアスファルト混合物及び硫黄含有資材の品質向上が可能になる。
そこで、このような有毒ガスや臭気を吸着・吸引処理するためのガス処理手段を備えることが好ましい。該ガス処理手段としては、公知の希釈法、燃焼法、吸着・吸収法等の既存の脱ガス・脱臭技術を利用した装置等が挙げられる。具体的には、希釈法としては、ガスをドライヤからの排気と混合、希釈し、環境基準を下回る濃度にした後大気中へ放出する方法が挙げられる。燃焼法としては、ガスを例えば、骨材供給手段の加熱手段内に吹き込み、バーナーで燃焼させる方法等が挙げられる。吸着・吸収法としては、例えば、種々の吸収材を利用した、湿式吸着・吸収法、乾式吸着・吸収法、酸化吸着・吸収法等が挙げられる。
前記貯蔵槽は、貯蔵するアスファルト混合物又は硫黄含有資材の粘度が急激に上昇したり、固化等が生じないように、電気又はホットオイル等を熱源とする加熱保温手段を具備する必要がある。この際、硫黄含有資材はアスファルト混合物よりも感温性が高いので、該貯蔵槽の加熱保温手段は、アスファルト混合物の貯蔵槽のものよりその熱容量を大きくする必要がある。
更に、前記混練手段から前記貯蔵槽までの連結においても粘度上昇及び固化が生じないように、例えば、該連結を密閉型のバケット等を用いて行なうことが好ましい。この際、該バケットは勿論、混練手段の排出口及び貯蔵槽への供給口も電気、ホットオイル等で所望温度に加熱保温することが望ましい。
前記混練手段において骨材、細骨材及び硫黄含有材料を120〜180℃で混練している間に、次に混練する所定量の骨材及び細骨材を、骨材供給手段及び細骨材供給手段において計量し、加熱保温しておくことにより、硫黄含有資材連続的に製造することができる。
前記混練手段における混練時間は、硫黄含有材料の量や粘度によって異なるが、通常2分間以内、好ましくは30〜60秒程度とすることが生産効率の点で好ましい。
図1において10は、本発明のアスファルト混合物及び硫黄含有資材の製造装置の一実施形態の例を示す概略説明図である。
装置10は、骨材供給槽11と、微粉材料供給槽12と、これら各槽から供給される、骨材を計量する計量槽13と、微粉材料を計量する計量槽13’と、アスファルト供給タンク14Aと、溶融アスファルト用バグミルミキサ15Aと、硫黄含有材料供給タンク14Bと、溶融硫黄含有材料用バグミルミキサ15Bと、前記計量槽(13,13’)から骨材及び微粉材料を、前記バグミルミキサ15A又は15Bに導入するシュート(16,17)と、バグミルミキサ15A又は15Bにおいて混練された、溶融アスファルト混合物を貯蔵する貯蔵槽19Aと、溶融硫黄含有資材を貯蔵する貯蔵槽19Bとを備えている。
尚、図1においては、計量槽13’が計量槽13の裏側に位置するように配置されており、各計量槽から所定量の骨材及び微粉材料がそれぞれシュート(16,17)に供給できるようになっている。
また、装置10は図示しないが、硫黄含有材料を混練する際等に発生する恐れがある有毒ガスや臭気を吸着・吸引処理するための公知のガス処理手段を備える。
前記タンク14Aに接続されたバグミルミキサ15A及び前記タンク14Bに接続されたバグミルミキサ15Bには、それぞれの材料混合物を所望の温度に維持しながら混練しうる混合装置及びヒーターが備えられている。
バグミルミキサ(15A,15B)で混練された混練物を貯蔵する貯蔵槽(19A,19B)にも混練物のアスファルト及び硫黄含有材料を溶融状態に保持するための所望温度に制御可能なヒーターが備えられている。
予め乾燥、篩い分けされた骨材を導入した骨材供給槽11及び微粉材料供給槽12から、アスファルト混合物用の配合となる割合で骨材及び微粉材料がそれぞれ各計量槽(13,13’)に供給される。各計量槽(13,13’)においては、1回の混練に必要な量が計量され、シュート16を通してバグミルミキサ15Aに導入される。
一方、アスファルト供給タンク14Aから所定量の溶融アスファルトが、前記骨材及び微粉材料が投入された後にバグミルミキサー15Aに導入され、アスファルト混合物が均一に混練される。
硫黄含有材料供給タンク14Bには、溶融装置18により溶融された溶融硫黄含有材料が所望温度に保持されているので、該溶融硫黄含有材料がタンク14Bから所定量バグミルミキサ15Bに導入され、溶融硫黄含有材料、骨材及び微粉材料が均一に混練される。
図1に示す装置10においては、アスファルト混合物及び硫黄含有資材を製造するための骨材供給槽、微粉材料供給槽及び計量槽を共用するので、既存のアスファルト混合物の製造装置に、硫黄含有資材製造のための硫黄含有材料供給タンク、バグミルミキサ等を設置することにより硫黄含有資材を製造することができる。
図2において、バグミルミキサ(15A,15B)は水平方向に移動可能になっており、アスファルト混合物用の骨材及び微粉材料が各計量槽(13,13’)において計量される場合には、図示するようにバグミルミキサ15Aが各計量槽(13,13’)の下方にあり、該バグミルミキサ15Aに骨材及び微粉材料が投入され、アスファルト混合物の混練が実施される。
一方、硫黄含有資材用の骨材及び微粉材料が各計量槽(13,13’)において計量される場合には、バグミルミキサ15Bが各計量槽(13,13’)の下方にくるようにバグミルミキサ(15A,15B)が水平移動し、該バグミルミキサ15Bに骨材及び微粉材料が投入され、硫黄含有資材製造のための混練が実施される。
図3において、アスファルト混合物用の骨材及び微粉材料が各計量槽(13,13’)において計量される場合には、バグミルミキサ15Aに骨材及び微粉材料が直接投入され、アスファルト混合物の混練が行われる。得られるアスファルト混合物は、図示するように下方にあるオリフィスが解放されたホッパ31を通過して、図1の貯蔵槽19A等に導入される。
一方、硫黄含有資材用の骨材及び微粉材料が各計量槽(13,13’)において計量される場合には、バグミルミキサ15Aを通過させ、オリフィスが閉鎖されたホッパ31に骨材及び微粉材料が投入される。次いで、ホッパ31がバグミルミキサ15Bの上方にくるように水平移動し、ホッパ31のオリフィスが解放され骨材及び微粉材料が、該バグミルミキサ15Bに投入され、硫黄含有資材製造のための混練が実施される。
図4において、アスファルト混合物用の骨材及び微粉材料が各計量槽(13,13’)において計量される場合には、バグミルミキサ15Aに骨材及び微粉材料が直接投入され、アスファルト混合物の混練が行われる。得られるアスファルト混合物は、図示するように下方のバグミルミキサ15Bを通過して、図1の貯蔵槽19A等に導入される。
一方、硫黄含有資材用の骨材及び微粉材料が各計量槽(13,13’)において計量される場合には、バグミルミキサ15Aを通過させ、バグミルミキサ15Bに投入され、硫黄含有資材製造のための混練が実施され、図1の貯蔵槽19B等に得られる硫黄含有資材が導入される。
図5において、アスファルト混合物用の骨材及び微粉材料が各計量槽(13,13’)において計量される場合には、オリフィスが解放されたホッパ31を通過して、バグミルミキサ15Aに骨材及び微粉材料が直接投入され、アスファルト混合物の混練が行われる。
一方、硫黄含有資材用の骨材及び微粉材料が各計量槽(13,13’)において計量される場合には、オリフィスが閉鎖されたホッパ31に骨材及び微粉材料が投入される。次いで、ホッパ31がバグミルミキサ15Bの上方にくるように水平移動し、ホッパ31のオリフィスが解放され骨材及び微粉材料が、該バグミルミキサ15Bに投入され、硫黄含有資材製造のための混練が実施される。
11:骨材供給槽
12:微粉材料供給槽
13,13’:計量槽
14A:アスファルト供給タンク
14B:硫黄含有材料供給タンク
15A:溶融アスファルト用バグミルミキサ
15B:溶融硫黄含有材料用バグミルミキサ
16,17:シュート
18:溶融装置
19A:溶融アスファルト混合物を貯蔵する貯蔵槽
19B:溶融硫黄含有資材を貯蔵する貯蔵槽
31:ホッパ
Claims (7)
- 骨材供給手段と、微粉材料供給手段と、アスファルト供給タンク(A)と、硫黄含有材料供給タンク(B)と、加熱保温可能な混練手段とを備え、
前記骨材供給手段及び前記微粉材料供給手段が、前記タンク(A)又は(B)のいずれか一方から前記混練手段に供給される供給物に合わせて、それぞれ所定量の骨材及び微粉材料を計量する計量手段と、それぞれ所定温度に加熱保温しうる加熱保温手段とを備え、前記混練手段において、アスファルト混合物又は硫黄含有資材とを選択的に製造しうる、アスファルト混合物及び硫黄含有資材の製造装置。 - 前記加熱保温可能な混練手段が、溶融アスファルト用混練手段と、溶融硫黄含有材料用混練手段とからなり、前記タンク(A)を溶融アスファルト用混練手段に接続し、前記タンク(B)を溶融硫黄含有材料用混練手段に接続していることを特徴とする請求項1記載の製造装置。
- 前記加熱保温可能な混練手段において、混練中に発生するガスを吸着・吸引処理するガス処理手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の製造装置。
- 溶融硫黄含有材料を供給するための、硫黄含有固化物の溶融手段がタンク(B)に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の製造装置。
- 前記加熱保温可能な混練手段により得られる溶融アスファルト混合物及び溶融硫黄含有資材を貯蔵する貯蔵槽を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の製造装置。
- 請求項1記載の製造装置により硫黄含有資材を製造する方法であって、骨材供給手段及び微粉材料供給手段において所定量の骨材及び微粉材料を計量し、それぞれ120〜180℃に加熱した状態で加熱保温可能な混練手段に供給し、一方、硫黄含有材料供給タンク(B)から硫黄含有材料を加熱保温可能な混練手段に供給し、骨材、微粉材料及び硫黄含有材料を120〜180℃で混練することを特徴とする硫黄含有資材の製造方法。
- 前記混練手段において骨材、微粉材料及び硫黄含有材料を120〜180℃で混練している間に、次に混練する所定量の骨材及び微粉材料を、骨材供給手段及び微粉材料供給手段において計量し、加熱保温しておくことを特徴とする請求項6記載の製造方法。
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