以下本発明について詳細に説明する。
<本発明の電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、支持体、反射層、感光層(電荷発生層及び電荷輸送層を含む)を有する。好ましくは支持体上に、反射層、電荷発生層、電荷輸送層がこの順序に積層されている。すなわち、支持体と感光層の間に反射層が設けられていることが好ましい。さらに本発明の電子写真感光体は任意の層を有していてもよく、特に反射層と感光層(好ましくは電荷発生層)との間に中間層を有することが好ましく、またさらに表面保護層などを有していてもよい。本発明における電子写真感光体の好ましい構成の概略が図2に示される。
また、本発明における電子写真感光体は像露光されるが、その露光光の波長は380nm〜500nmであることが好ましい。該露光光は、380nm〜500nmの発光波長を有する半導体レーザー光あることがさらに好ましい。380nm〜500nmという短波長の発光波長を有する半導体レーザー光を用いることにより、本発明の電子写真感光体の特徴が顕著に発揮され得る。短波長のレーザーで像露光しても、反射層における該像露光光の吸収を抑制することができ、感光体全体としての光電変換効率を上げることができるという、本発明の効果が効果的に発揮され得るからである。
本発明の電子写真感光体の支持体(例えば図2における21)は、導電性を有する支持体(導電性支持体)であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製の支持体を用いることができる。該支持体が非導電性の支持体である場合には、電子写真感光体の反射層からアースを取る構成とする必要がある。
前記支持体をアルミニウム、またはアルミニウム合金製とする場合は、ED管もしくはEI管、またはこれらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、もしくは湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることができる。また、真空蒸着によって形成されたアルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などの層を有する、上記金属製支持体または樹脂製支持体(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フェノール樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン樹脂など)を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を含浸した樹脂や紙からなる支持体や、導電性バインダー樹脂を有するプラスチックなどからなる支持体を用いることもできる。該支持体の形状は、円筒状、円柱状などのドラム形状、シート状、ベルト状などのいずれでもよい。
前記支持体の表面粗さは、十点平均粗さ(Rzjis)で0.1〜5μmであることが好ましい。本願明細書において、RzjisはJIS−B0601(1994)に準じて測定される値を意味する。
前記のように本発明の電子写真感光体は、好ましくは支持体と感光層の間に反射層(例えば図2における22)が設けられている。
該反射層は、バインダー樹脂、およびバインダー樹脂に分散させられた、バインダー樹脂と屈折率の異なる分散粒子を含む。さらに該反射層は他の任意の成分を含んでいてもよく、例えば表面粗し付与材、レベリング剤などを含みうる。
前記反射層に含まれる分散粒子は導電性粒子であることが好ましい。前記反射層は導電性を有する必要があり、前記分散粒子を導電性粒子とすることにより反射層を導電性にすることが可能となる。導電性粒子としては、具体的には、アンチモンを含有する酸化錫で被覆された酸化チタン粒子や、酸素を欠損させることにより低抵抗化された酸化錫で被覆された酸化チタン粒子が好適に利用される。
前記分散粒子(好ましくは導電性粒子)の平均粒径は0.1〜2μmであることが好ましい。該平均粒径は液相沈降法に従って測定された粒径である。具体的には、反射層用塗布液をそれに用いた溶剤で希釈して、(株)堀場製作所製の超遠心式自動粒度分布測定装置(CAPA700)を用いて平均粒径を測定する。
前記反射層における前記分散粒子(好ましくは導電性粒子)の量は、バインダー樹脂に対して、1〜10倍質量であることが好ましく、2.5〜6倍質量であることがさらに好ましい。
本発明の電子写真感光体の反射層に用いられるバインダー樹脂としては、例えばシリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポリビニールアセタール、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂あるいはポリエステルなどが好ましい。これらの樹脂は、支持体に対する接着性が良好であると共に、本発明の感光体の反射層に使用するフィラーの分散性を向上させることができ、かつ成膜後の耐溶剤性が良好である。これらの樹脂を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光体の反射層に用いられるバインダー樹脂としては、イエローインデックスが15以下(さらには10以下)である樹脂がより好ましい。本発明の電子写真感光体に照射される像露光である、380nm〜500nmの発光波長を有する半導体レーザー光に対する反射層の全反射率を向上させることができるからである。イエローインデックスは、JIS−Z8722の方法に準じて、例えば日本電色工業(株)製SZ−Σ90、コニカミノルタ(株)製CM3630にて測定することができる。
またイエローインデックスが表示されない分光測色機であっても、標準光源C(北窓昼光)による、CIE−XYZ表色値を求めることができる測定機(たとえばGretag-Macbeth Holding AG製のSpectroLino)を用いてASTM D1925に定義された下記式よりイエローインデックス(YI)の算出が可能である。
<式1>
YI=[100(1.28X-1.06Z)]/Y
本願におけるバインダー樹脂のイエローインデックスは、参照用透明支持体(例えば膜厚125μmのPETフィルム・スライドガラス等)上に被測定樹脂を膜厚10μmに塗工し、これを標準白色版上に載せて上記方法に従ってYI値を計測し、参照値(参照用透明支持体のみを同様の方法で計測して得られたYI値)を減算することにより求めることが出来る。
前記イエローインデックスが15以下である樹脂のなかでも、有機ケイ素系高分子、または下記一般式(1)で表されるフェノール化合物の硬化物である樹脂が好適に利用される。これらの樹脂は酸化劣化による色味変動が少ないため、該樹脂をバインダー樹脂とする反射層を有する感光体を長期にわたって使用しても、反射層の全反射率の低下が少ない。
(一般式(1)中、R
11、R
12はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のフェニル基を示し、X
11〜X
14はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシメチル基またはメチル基を示すが、X
11〜X
14のうち少なくとも1つはヒドロキシメチル基である。)
R11,R12が示すアルキル基またはフェニル基上の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基及びナフチル基等のアリール基、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基等のハロメチル基が挙げられる。
好ましいR11,R12として、具体的には水素原子、メチル基およびトリフルオロメチル基、トリブロモメチル基等のハロメチル基等が挙げられる。
本発明において用いられる一般式(1)の化合物の例を下記表1に示すが、一般式(1)の化合物がこれらに限定されることはない。
前記一般式(1)で表されるフェノール化合物の硬化物とは、該フェノール化合物が、官能基(ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基を含む)での縮合反応、付加反応などの反応により3次元的に高分子のネットワークが形成された化合物をいう。例えば、有機溶媒に分散させた該フェノール化合物を、加熱処理して乾燥させることにより熱硬化させて得られる化合物である。
また、前記反射層のバインダー樹脂である有機ケイ素系高分子としては、例えばオルガノポリシロキサン、ポリシルアルキレンシロキサン、ポリシルアリーレンシロキサン等のポリシロキサンの加水分解縮合物が挙げられる。前記ポリシロキサンにおいて、ケイ素原子に結合した一価の炭化水素基の数と、ケイ素原子の数の比は、0.5〜1.5であることが好ましい。ケイ素原子に結合した一価の炭化水素基の数と、ケイ素原子の数の比をこのような数値範囲内とすることによって、前記加水分解縮合物の組成がガラスの組成に近くなることによる膜形成の困難化や、前記加水分解物のゴム的性質が強くなり過ぎることによる硬度の低下を抑えることができる。
前記オルガノポリシロキサンとしては、一般式(5)で示される構造単位を有するものが好ましい。
(R
21は直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルケニル基またはアリール基を示し、R
22は水素原子またはアルキル基を示し、r及びsはモル比を示す。)
前記一般式(5)において、R21はケイ素原子に結合した一価の炭化水素基であり、炭素数が1〜18であることが好ましい。R21である直鎖もしくは分岐のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、アルケニル基としては例えばビニル基、アリル基等が挙げられ、アリール基としては例えばフェニル基、トリル基等が挙げられる。更にR21は、例えばトリフルオロプロピル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基等で代表されるフロロ炭化水素基、クロロメチル基、クロロエチル基等のクロロ炭化水素基等、直鎖あるいは分岐の飽和炭化水素基ハロゲン置換体であってもよい。
R21は必ずしも単一の種類である必要はなく、樹脂特性の改良、溶媒に対する溶解性の改良等に応じて適宜選択される。メチル基とフェニル基が混在する系ではメチル基単独であるよりも、一般に有機化合物との親和性が向上することは周知の事実である。また、フルオロ炭化水素基を導入すると、オルガノポリシロキサンでも一般高分子の場合と同様にフッ素原子の効果により表面張力が減少し、そのため、オルガノポリシロキサンの特性(はつ水・はつ油性等)が変化する。本発明においても、より低い表面張力が求められる場合には、適宜、フルオロ炭化水素基と結合したケイ素単位を共重合して導入したオルガノポリシロキサンを用いることができる。
rはモル比を示し、平均0.5〜1.5であることが好ましい。
前記一般式(5)においてケイ素原子に結合したOR22 基は、水酸基または加水分解縮合可能な基である。R22は水素、及びメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基から選択される。OR22基におけるR22は水素からアルキル基の炭素数が多くなるにつれて反応性が低下する特性を示し、使用される反応系に応じて適宜選択される。加水分解縮合可能な基の比率はsによって示されるが、0.01以上であることが好ましい。硬化させた樹脂の硬度は、架橋密度を調整することにより調整することができることは周知であり、本発明に係る有機ケイ素系高分子においても、前述の硬化されるポリシロキサンのケイ素原子に結合した加水分解縮合可能な基の数を制御することにより、樹脂(有機ケイ素高分子であるバインダー樹脂)の硬度の調整が可能となる。ただし、該加水分解縮合可能な基が多過ぎると、該基が反応することなく残存し、使用環境中において加水分解されるために表面特性等に悪影響を与える可能性がある。
従って、好ましいsの値は0.01〜1.5である。
前記ポリシロキサンの加水分解・縮合物であるところの有機ケイ素系高分子を得る際に、架橋剤を加えて、これを介して架橋させることもできる。該架橋剤として一般式(6)で示されるシラン化合物を用いることにより、硬化性組成物を硬化して得られる表面保護層の硬度や強度等の物性の制御が容易になる。
(R
31は直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルケニル基またはアリール基を示し、Yは加水分解性基を示し、aはモル比を示す。)
一般式(6)において、R31は炭素数が1〜18であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ビニル基、アリル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。Yで示される加水分解性基としては、水素原子、メトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
架橋剤としての一般式(6)で示されるシラン化合物の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、これらのアルコキシ基をアセトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、またはイソプロペノキシ基で置換えたシラン等が挙げられる。架橋剤はエチルポリシリケートのようなオリゴマー状のものでもよい。
上記ポリシロキサンの加水分解、及び縮合には、必ずしも触媒は必要ではないが、通常の有機ポリシロキサンの硬化に用いられる触媒の使用を妨げるものではなく、硬化に要する時間、硬化温度等を考慮してジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オクトエート等のアルキル錫有機酸塩等またはノルマルブチルチタネート等の有機チタン酸エステルから適宜選択される。
本発明で使用できるポリシロキサンの製造方法としては、特公昭26−2696号公報、特公昭28−6297号公報に記載されている方法を始めとして、Chemistryand Technology of Silicones,Chapter5,p.191〜(Walter No11,Academic Press,Inc.1968)に記載されているオルガノポリシロキサン合成方法がある。例えば、ケイ素原子に対する一価の有機基の置換数rが平均0.5〜1.5であるオルガノアルコキシシラン、オルガノハロゲノシランを有機溶媒中に溶解し、酸あるいは塩基の存在下で加水分解、縮合することによって重合し、その後溶媒を除去することによって合成される。本発明で使用するポリシロキサンはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサノン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、及びクロロホルム、クロロベンゼン等の含ハロゲン炭化水素、エタノール、ブタノール等のアルコールなどの溶媒中に溶解させて使用される。
前記反射層は、正反射率の低減のために、必要に応じて、さらに乱反射材を含んでもよい。乱反射材としては例えば、シリコーン樹脂粒子、金属酸化物粒子などが挙げられる。乱反射材の粒子の粒径は0.1〜5μmであることが好ましい。また、乱反射材の含有量は、反射層全体に対して5〜90質量%であることが好ましい。
本発明の感光体の反射層は、前記導電性粒子、バインダー樹脂またはバインダー樹脂原料であるモノマー(例えば一般式(1)で表されるフェノール化合物)、表面粗し付与材、及び場合によってはレベリング剤などを有機溶剤(例えばメトキシプロパノール)に分散させた分散液を、支持体上にコーティングし、乾燥および熱硬化させることにより、支持体上に形成されることができる。ここでコーティングの方法としては浸漬塗布法、スプレー塗布法、バーコート法など通常知られている方法を使用することができる。
本発明の反射層の、380nm〜500nmの波長における全反射率は、標準白色板に対して30%以上であることが好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。該全反射率は、目安として100%以下であることが好ましい。粒子分散型の反射層において、全反射率を高めるためには応分の膜厚が必要である。具体的には、前記反射層の膜厚は、3〜30μm(より好ましくは4〜15μm)であることが好ましい。
本発明において、反射層の全反射率とは、全空間に対する反射光強度を入射光強度で割ることにより算出される値を意味する。本発明において、全空間に対する反射光強度は次のようにして測定されることができる。
支持体と同様の成分からなるシート上に、反射層の成分と同じ成分であって、反射層の膜厚と同じ厚さの膜を、支持体上に反射層を形成するのと同じ手順で形成する。膜を形成されたシートを測定用サンプルとして、日立製作所(株)製U-3300分光光度計に積分球ユニットを装着して、全空間に対する反射光強度を測定することができる。
本発明の感光体の反射層の膜厚は、JIS K5600−1−7にしたがって測定することができる。下記する本発明の感光体が有する各層(例えば電荷発生層、電荷輸送層など)の膜厚の測定も、同様にすることができる。
反射層の正反射率は、半導体レーザー光のコヒーレンシーを消失させるという点から、15%未満が好ましく、さらには10%以下がより好ましい。該正反射率は、目安として0%より大であることが好ましい。正反射率の低減は、前記した様に、反射層にバインダー樹脂と該バインダー樹脂とは屈折率の異なる分散粒子とを含有せしめ、反射層への入射光を該反射層内部において損失させることで達成される。また、例えば反射層の表面にある程度の粗さを与えてもよい。具体的には、反射層の表面粗さが、十点平均粗さ(Rzjis)で0.1〜5μmであることが好ましい。反射層の表面粗さは、前述の乱反射材粒子を用いることで調整することができる。
本発明において、反射層からの正反射率とは、像露光光の反射面の法線に対して像露光光の入射角と同じ角度をなす反射光の強度(正反射光強度)を入射光強度で割ることにより算出される値を意味する。本発明において正反射光強度は、次のようにして測定されることができる。
全空間に対する反射光強度の測定の場合と同様にして測定用サンプルを作製し、それを用いて、オプテク(株)製GP-3ゴニオフォトメータにて、正反射光強度を測定することができる。なお、本発明において、サンプル表面の法線に対して20°の入射角度の露光光で測定することが好ましい。
正反射光の概念図を図1に示す。
本発明の電子写真感光体は、前述のように電荷発生層(例えば図2における24)を有する。該電荷発生層は、バインダー樹脂、および樹脂に含まれる電荷発生材料を含み、さらにその他の任意の成分を含んでいてもよい。
電荷発生層に用いられる電荷発生材料としては、フタロシアニン顔料,多環キノン顔料,トリスアゾ顔料,ジスアゾ顔料,アゾ顔料,ペリレン顔料,インジゴ顔料,キナクリドン顔料,アズレニウム塩染料,スクワリウム染料,シアニン染料,ピリリウム染料,チオピリリウム染料,キサンテン染料,トリフェニルメタン染料,スチリル染料,セレン,セレン-テルル合金,アモルファスシリコン,硫化カドミウム等が挙げられる。これらのうち、本発明の電子写真感光体に照射される像露光光の波長(好ましくは380nm〜500nm)に吸収をもつ材料を使用すればよいが、アゾ顔料又はフタロシアニン顔料を用いることが好ましい。
フタロシアニン顔料としては、無金属フタロシアニン、軸配位子を有してもよい金属フタロシアニン等、任意のフタロシアニンを使用することができる。フタロシアニンは置換基を有してもよい。特に好ましくはオキシチタニウムフタロシアニン及びガリウムフタロシアニンが挙げられる。該フタロシアニン顔料は優れた感度を有しており、それを含む電荷発生層を有する電子写真感光体を用いた電子写真装置により形成される画像にゴーストが発生しにくい。
更に、フタロシアニン顔料の結晶形はいかなる結晶形でもよいが、その中でもCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
フタロシアニンは、特に優れた感度特性を有している反面、膜厚を大きくすると長期の耐久によるゴーストも発生し易くなるので本発明が特に有効に作用する。
アゾ顔料としては、ビスアゾ、トリスアゾ及びテトラキスアゾ等の任意のアゾ顔料を使用できるが、特に下記一般式(2)で表されるアゾ顔料は優れた感度特性を有している反面、単位膜厚あたりの吸光度が低いため干渉縞が発生しやすい。したがって、露光光であるレーザー光のコヒーレンシーを消失させる機能を有する反射層を設けるという本発明の特徴が特に有効に作用する。
(式中、Ar
1、Ar
2は置換基を有しても良いアリール基を示し、Yはケトン基、または下記一般式(3)もしくは下記一般式(4)で示される基を示す。)
上記一般式(2)中において、アリール基としてはフェニル基及びナフチル基等が挙げられる。アリール基上の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基及びナフチル基等のアリール基、メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基及びジフェニルアミノ基等のアリールアミノ基、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基等のハロメチル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基及びベンゾイル基等が挙げられる。
本発明において用いられる一般式(2)の化合物の例を下記表2に示すが、一般式(2)の化合物がこれらの化合物に限定されることはない。
電荷発生層における電荷発生材料の含有量は、電荷発生層全体に対して好ましくは20質量%以上、好ましくは60質量%以上である。
本発明の電子写真感光体の電荷発生層に用いられるバインダー樹脂は、広範な絶縁性樹脂あるいは有機光導電性ポリマーから選択されるが、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂及びポリウレタンなどが好ましく、これらの樹脂は置換基を有してもよく、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及びトリフルオロメチル基などが好ましい。
電荷発生層におけるバインダー樹脂の量は、電荷発生層の全重量に対して、好ましくは80質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
電荷発生層24は帯電特性の観点から薄膜であることが好ましく、すなわち電荷発生層の膜厚は0.1〜2μmであることが好ましい。電荷発生層の膜厚を薄くするほど、電荷発生層の吸光度が低下し、前記反射層の効果がより有効に発揮される。本願においては、電荷発生層の吸光度は、1.0以下、好ましくは0.70以下、より好ましくは0.30以下、である。該吸光度は0.1以上であることが好ましい。
本発明の電荷発生層の吸光度(A)とは、入射光強度(I0)を透過光強度(I)で割ることにより算出される値の常用対数を意味する。
<式2>
A=log(I0/I)
本発明の感光体の電荷発生層の吸光度は、以下のようにして測定することができる。
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、電荷発生層の成分と同じ成分であって、電荷発生層の膜厚と同じ厚さの膜を、感光体(好ましくは中間層上)に電荷発生層を形成させるのと同じ手順で形成させる。
フィルム上に形成された膜を測定用サンプルとして、前記吸光度を、例えば日立製作所(株)製U-3300分光光度計により測定することができる。
前記電荷発生層は、前記電荷発生材料を前記バインダー樹脂と共に適当な溶剤中で分散させた分散液を、中間層もしくは反射層上に塗布して、乾燥させることによって形成されることができる。ここで塗布の方法としては浸漬塗布法、スプレー塗布法、バーコート法など通常知られている方法を使用することができる。
また、使用する溶剤はバインダー樹脂を溶解し、後述の電荷輸送層や下引き層を溶解しないものから選択することが好ましい。具体的には、テトラヒドロフラン及び1,4−ジオキサンなどのエーテル類、シクロヘキサノン及びメチルエチルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミン類、酢酸メチル及び酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレン及びクロロベンゼンなどの芳香族類、メタノール、エタノール及び2−プロパノールなどのアルコール類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエチレン、四塩化炭素及びトリクロロエチレンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。
前述のように、本発明の電子写真感光体は電荷輸送層(例えば図2における25)を有する。該電荷輸送層は、電荷輸送物質、及び絶縁性のバインダー樹脂を含む。該電荷輸送物質、または絶縁性のバインダー樹脂は、公知のものから適宜選択して用いればよい。例えば、電荷輸送物質としてはアリールアミン系化合物、芳香族ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物などが挙げられ、バインダー樹脂としてはポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。
前記電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質とバインダー樹脂の比率(電荷輸送物質/バインダー樹脂)は、質量比で2/10〜20/10が好ましく、電子写真感光体の電荷輸送特性、あるいは電荷輸送層の強度といった観点より、3/10〜12/10がより好ましい。
前記電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
また、前記電荷輸送層の波長380〜500nmのレーザー光における吸光度は0.10以下、好ましくは0.05以下、である。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質及び絶縁性のバインダー樹脂を溶剤に溶解させて塗布液とし、この液を電荷発生層(またはその他の層であり得る)上にコーティング後、乾燥させることによって形成される。ここでコーティングの方法としては浸漬塗布法、スプレー塗布法、バーコート法など通常知られている方法を使用することができる。
電荷輸送層の形成工程において、使用する溶剤としては、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、単独で用いても複数の溶剤を用いてもよい。
前述のように、本発明の電子写真感光体は、感光層と反射層との間に中間層(例えば図2における23)を有していてもよい。中間層を有することで、反射層と感光層(例えば電荷発生層)との密着性、及び感光層の電気特性を改善することができる。中間層は、カゼイン,ポリビニルアルコール,ニトロセルロース,ポリビニルブチラール,ポリエステル,ポリウレタン,ゼラチン,ポリアミド(ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610,共重合ナイロン,アルコキシメチル化ナイロン),酸化アルミニウムなど、またはそれらの組み合わせから形成される。
前記中間層の膜厚は、0.1〜10μm、好ましくは0.3〜3μmが適当である。
前記中間層は、前記樹脂などを溶剤に溶解させて塗布液とし、この液を電荷発生層上にコーティング後、乾燥することによって作製され得る。ここでコーティングの方法としては浸漬塗布法、スプレー塗布法、バーコート法など通常知られている方法を使用することができる。
前記した各層(反射層、電荷発生層、電荷輸送層、中間層など)には、前記成分以外にも、機械的特性の改良や耐久性向上のために添加剤を含ませることができる。このような添加剤としては,酸化防止剤,紫外線吸収剤,安定化剤,架橋剤,潤滑剤,導電性制御剤等が挙げられる。
前記潤滑材としては、フッ素原子含有樹脂粒子、シリコン粒子、シリコーン粒子が挙げられるが、フッ素原子含有樹脂粒子がより好ましい。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂およびこれらの共重合体のなかから1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましく、特に、四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
<本発明の電子写真装置>
図3は本発明の電子写真装置の一実施形態を示す概略断面図である。図3における1はドラム状の電子写真感光体であって、本発明の電子写真感光体である。また、図3における4は像露光光であって、380〜500nmの波長を有する半導体レーザー光の走査により照射される像露光光である。図3における1及び4以外の部材は、任意の部材を採用することができる。
図3において、電子真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、レーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)からの露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5によりトナー現像される。現像されたトナー現像像は、給紙部(不図示)から、感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
像転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外にプリントアウトされる。
像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化される。更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
<本発明のプロセスカートリッジ>
本発明のプロセスカートリッジは、上述の感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものを一体に結合して構成したプロセスカートリッジである。このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成することができる。例えば本発明のプロセスカートリッジにおいては、感光体1を一次帯電手段3と共に一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレール12等の案内手段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を示す。
(実施例1)
23℃、60%RH環境下で熱間押し出しすることにより得られた、長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JISにおいて材料記号A3003として規定されているアルミニウム合金のED管、昭和アルミニウム(株)製)を支持体とした。この支持体端部から100〜150mmの領域の支持体表面のRzjisを測定したところ、0.8μmであった。
本発明において、Rzjisの測定は、JIS−B0601(1994)に準じ、小坂研究所(株)製の表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用いて、送り速度0.1mm/s、カットオフλc0.8mm、測定長さ2.50mmの設定で行った。以下におけるRzjisの測定についても同様の条件で測定した。
次に、導電性粒子としての酸素欠損型SnO2を被覆したTiO2粒子(粉体抵抗率80Ω・cm、SnO2の被覆率(質量比率)は20%)7.90部、バインダー樹脂としてのフェノール樹脂の原料である下記構造のモノマー2.63部、溶剤としてのメトキシプロパノール8.60部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調製した。
この分散液における酸素欠損型SnO2を被覆したTiO2粒子の平均粒径は0.45μmであった。
この分散液に、乱反射材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)0.5部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、反射層用塗布液を調整した。
この反射層用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬コーティングし、150℃で1時間乾燥、熱硬化して、支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚が8μmの反射層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の反射層表面のRzjisを測定したところ、1.5μmであった。
また、別途、この反射層用塗布液をマイヤーバーでアルミニウムシート上に膜厚8μmの厚さに塗布して乾燥し、反射率測定用サンプルを作製した。本サンプルの標準白色板に対する全反射率は波長405nmにおいて54.1%であった。また本サンプル表面の法線に対して入射角20°で照射された平行光についての正反射率は波長405nmにおいて3.5%であった。
上記構造のモノマー2.63部を溶剤としてのメトキシプロパノール8.60部に溶解させ、マイヤーバーでPETフィルム上に塗布し、150℃で1時間乾燥、熱硬化して膜厚10μmのバインダー樹脂イエローインデックス測定用サンプルを作成した。
本サンプルのバインダー樹脂イエローインデックスは、グレタクマクベス製スペクトロリノを用いて測定したところ4.1であった。
次に、反射層上に、N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学産業(株)製)4部、および共重合ナイロン樹脂(アミランCM8000、東レ(株)製)2部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解して得られた中間層用塗布液を浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥させて中間層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は0.5μmであった。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散し、次に、酢酸エチル250部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥させて電荷発生層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は0.16μmであった。
また、別途、この電荷発生層用塗布液をマイヤーバーでPETフィルム上に塗布し、100℃で10分間乾燥させて膜厚0.16μmの吸光度測定用サンプルを作製した。本サンプルの吸光度は波長405nmにおいて0.21であった。
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物10部、およびポリカーボネート樹脂(商品名:Z400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、ジメトキシメタン30部/クロロベンゼン70部の混合溶媒に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で30分熱風乾燥させて電荷輸送層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は17μmであった。
また、別途、この電荷輸送用塗布液をマイヤーバーでPETフィルム上に膜厚17μmの厚さに塗布して乾燥し、吸光度測定用サンプルを作製した。本サンプルの吸光度は波長405nmにおいて0.046であった。
このようにして、表面層を電荷輸送層とする電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を、露光手段を発振波長が405nmである半導体レーザーに変更し、スポット径を小径化できるように光学系を変更し、前露光ユニットの電源を切った状態のキヤノン(株)製レーザービームプリンター(LBP−2510)に装着した。
該レーザービームプリンターを用いて、15℃、10%RH環境下にて、以下に示すような条件で、3000枚通紙出力を行い、初期状態と3000枚通紙出力後の画像の評価、及び電子写真感光体上の表面電位の測定を行った。これらの評価及び測定の結果を表3(実施例1)に示す。
1.LBP−2510のシアン色用のプロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着して、シアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、評価を行った。
2.各色の印字率2%の文字画像が形成されたレター紙1枚を20秒毎に出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行い、3000枚の画像出力を行った。
3.評価開始時と3000枚終了時に4枚(ベタ白、ゴーストチャート、ベタ黒、図4に示すような桂馬パターンのハーフトーン画像)の画像評価用のサンプルを出力した。ゴーストチャートとは、プリント画像書き出し位置(紙上端10mm)から30mmの範囲に、ベタ白背景に25mm四方のベタ黒の正方形を4つ等間隔かつ紙上端に平行に並べ、プリント画像書き出し位置から30mm以降には、図4に示すような桂馬パターンのハーフトーンが配置されているチャートである。
画像の評価の基準は以下のとおりである。
・ ゴースト画像評価:ゴーストチャートの複製画像から、
A:ゴーストが全く観察されない、
B:ゴーストがほとんど観察されない、
C:ゴーストがわずかに観測される、
D:ゴーストが観測される、
E:ゴーストがはっきりわかる。
・ 干渉縞の有無:桂馬パターンのハーフトーン画像から、
○:干渉縞が全く観察されない、
△:干渉縞がわずかに観測される、
×:干渉縞が観測される。
また、画像評価用のサンプルを出力後、電子写真感光体の表面電位を測定するための装置(プロセスカートリッジの現像ローラー位置に電子写真感光体の表面電位測定用のプローブを設置した装置(トナー、現像ローラー類、クリーニングブレードを取り外した))に、電子写真感光体を装着し、LBP−2510の静電転写ベルトユニットを取り外した状態で明部電位を測定し、潜像コントラストの判定を行った。評価基準を以下に示す。
◎:像露光後の表面電位が−200V以上
○:像露光後の表面電位が−201V〜−225V
△:像露光後の表面電位が−226V〜−250V
×:像露光後の表面電位が−250V未満
(実施例2)
実施例1と同様に、支持体を作製し、反射層、中間層を形成した。さらに、例示化合物(2−1)10部、及びポリビニルベンザール樹脂5部をテトラヒドロフラン250部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で3時間分散させ、これに250部のシクロヘキサノンと250部のテトラヒドロフランを添加して希釈し、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥して電荷発生層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は0.16μmであった。
別途、この電荷発生層用塗布液をマイヤーバーでPETフィルム上に塗布して乾燥させ、膜厚0.16μmの膜を形成し、反射率測定用サンプルを作製した。本サンプルの吸光度は波長405nmにおいて0.16であった。
次に、実施例1と同様にして電荷輸送層を形成した。このようにして作製した電子写真感光体をもちいて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(実施例2)に示す。
(実施例3)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
反射層の導電性粒子について酸素欠損型SnO2を被覆したTiO2粒子(粉体抵抗率40Ω・cm、SnO2の被覆率(質量比率)20%)8.08部に変更し、また、反射層のバインダー樹脂としてのフェノールモノマーの使用量を2.02部に変更した。この酸素欠損型SnO2を被覆したTiO2粒子の平均粒径は0.46μmであった。その結果、形成された反射層の全反射率は、標準白色板に対し波長405nmにおいて45.8%であり、また、反射層の法線に対して入射角20°で照射された平行光についての正反射率は波長405nmにおいて3.2%であった。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(実施例3)に示す。
(参考例4〜6)
実施例1〜3において、反射層のバインダー樹脂を群栄化学工業(株)製のレゾール型フェノール樹脂(商品名:PL―4852)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した(参考例4,5,6は、それぞれ実施例1,2,3に対応する)。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(参考例4〜6)に示す。
(実施例7〜9)
実施例1〜3において、反射層のバインダー樹脂を東レダウコーニングシリコーン(株)製のフェニルシリコーン樹脂(商品名:SH840)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。(実施例7,8,9は、それぞれ実施例1,2,3に対応する)。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(実施例7〜9)に示す。
(参考例10)
実施例1において、反射層の形成に関して以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
導電性粒子としての酸素欠損型SnO2を被覆したTiO2粒子(粉体抵抗率80Ω・cm、SnO2の被覆率(質量比率)20%)4.9部、バインダー樹脂として群栄化学工業(株)製のレゾール型フェノール樹脂(商品名:PL―4852)1.23部、溶剤としてのメトキシプロパノール8.60部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調製した。
この分散液に、乱反射材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)0.12部とレベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、反射層用塗布液を調製した。
この反射用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬コーティングし、140℃で30分間乾燥、熱硬化して、支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚が5μmの反射層を形成した。
この反射層用に用いたバインダー樹脂(群栄化学工業(株)製のレゾール型フェノール樹脂(商品名:PL―4852))10部を、溶剤としてのメトキシプロパノール10部に溶解させ、マイヤーバーでPETフィルム上に塗布し、140℃で30分乾燥、熱硬化して膜厚10μmのバインダー樹脂イエローインデックス測定用サンプルを作成した。本サンプルのバインダー樹脂イエローインデックスは、グレタクマクベス製スペクトロリノを用いて測定したところ13.7であった。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(参考例10)に示す。
(実施例11)
実施例1において、支持体の作製及び反射層の膜厚に関して、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
支持体を以下の切削管に変更した。
熱間押し出しすることにより得られた、外径30.5mm、内径28.5mm、長さ260.5mm、振れ精度100μm、Rzjis10μmのアルミニウム素管(JIS H4000:1999において材料記号A6063として規定されているアルミニウム合金製)を旋盤に装着し、ダイヤモンド焼結バイトにて切削加工して、外径30.0±0.02mm、振れ精度15μm、Rzjis0.2μmである切削管を得た。
なお、切削加工において主軸回転数は3000rpm、バイトの送り速度は0.3mm/revであり、加工時間は被加工物の着脱を除き24秒であった。
また、反射層の膜厚を6μmに変更した(支持体端部から100〜150mmの領域を測定した)。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(実施例11)に示す。
(実施例12)
実施例1において、支持体の作製、及び反射層の膜厚に関して、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
まず、支持体を、JIS H4000:1999において材料番号A3003として規定されているアルミニウム合金製のシリンダーに、以下の条件で湿式ホーニング処理を施して((株)不二精機製造所製の湿式ホーニング装置を用いた)、表面のRzjisを2.0μmとしたものに変更した。
−ホーニング条件−
研磨材砥粒:球状アルミナビーズで平均粒径30μm(商品名:CB−A30S、昭和電工(株)製)
懸濁媒体:水
研磨材砥粒/懸濁媒体=1/9(体積比)
アルミニウムシリンダーの回転数:1.67s−1
エアー吹き付け圧力:0.165MPa
ガンの移動速度:13.3mm/s
ガンノズルとアルミニウムシリンダーとの距離:180mm
研磨材砥粒の吐出角度:45°
研磨液(研磨材砥粒および懸濁媒体)投射回数:1回
反射層の膜厚を4μmに変更した(支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚を測定した)。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(実施例12)に示す。
( 実施例13)
実施例1と同様に、支持体を作製し、反射層、中間層、電荷発生層を形成した
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物10部、およびポリカーボネート樹脂(商品名:Z400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、ジメトキシメタン30部/クロロベンゼン70部の混合溶媒に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で30分熱風乾燥させて電荷輸送層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は17μmであった。
また、別途、この電荷輸送用塗布液をマイヤーバーでPETフィルム上に膜厚17μmの厚さに塗布して乾燥し、吸光度測定用サンプルを作製した。本サンプルの吸光度は波長405nmにおいて0.061であった。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(実施例13)に示す。
(実施例14)
実施例11と同様にして、支持体上に反射層、中間層、電荷発生層および電荷輸送層を形成した。ただし、電荷輸送層の膜厚は17μmから14μmに変更した。
また、別途、この実施例14で使用した電荷輸送用塗布液をマイヤーバーでPETフィルム上に膜厚14μmの厚さに塗布して乾燥し、吸光度測定用サンプルを作製した。本サンプルの吸光度は波長405nmにおいて0.038であった。
次に、下記式で示される構造を有する化合物(連鎖重合性官能基であるアクリル基を有する電荷輸送物質)45部、
ポリテトラフルオロエチレン粒子(商品名:ルブロンL2、ダイキン(株)製)10部およびn−プロパノール55部を超高圧分散機で分散混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、これを5分間50℃で乾燥させ、乾燥後、加速電圧150kV、吸収線量1.5Mradの条件で電子線を照射して硬化させることによって、膜厚が4μmの保護層(第2電荷輸送層)を形成した。引き続き、保護層が120℃になる条件で3分間加熱処理を行った。電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。
次に、大気中において、保護層が100℃になる条件で1時間加熱処理を行って、保護層が表面層である電子写真感光体を作製した。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(実施例14)に示す。
(参考例15)
反射層の形成において、以下の点を変更した以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作製した。
導電性粒子としての酸素欠損型SnO2を被覆したTiO2粒子(粉体抵抗率80Ω・cm、SnO2の被覆率(質量比率)は20%)7.90部、バインダー樹脂としてのアクリルメラミン樹脂(商品名:アクローゼ#6000、大日本塗料(株)製、樹脂固形分60%)3.3部、溶剤としてのキシレン4.3部ならびにメトキシプロバノール4.3部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調整した。
この分散液に、乱反射材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)0.5部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、反射層用塗布液を調整した。
この反射層用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬コーティングし、150℃で1時間乾燥、熱硬化して、支持体上端から100〜150mmの領域の膜厚が6μmの反射層を形成した。
また、別途、この反射層用塗布液をマイヤーバーでアルミニウムシート上に膜厚8μmの厚さに塗布して乾燥し、反射率測定用サンプルを作製した。本サンプルの標準白色板に対する全反射率は波長405nmにおいて56.5%であった。また本サンプルの正反射率は波長405nmにおいて3.7%であった。
バインダー樹脂としてのアクリルメラミン樹脂(商品名:アクローゼ#6000、大日本塗料(株)製、樹脂固形分60%)3.3部を、溶剤としてのキシレン4.3部ならびにメトキシプロバノール4.3部に溶解させ、マイヤーバーでPETフィルム上に塗布し、150℃で1時間乾燥、熱硬化して膜厚10μmのバインダー樹脂イエローインデックス測定用サンプルを作成した。
本サンプルのバインダー樹脂イエローインデックスは、グレタクマクベス製スペクトロリノを用いて測定したところ0.5であった。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(参考例15)に示す。
(参考例16)
反射層のバインダー樹脂をメラミンアルキド樹脂(商品名:デリコン#300、大日本塗料(株)製)に変更した以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作製した。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(参考例16)に示す。
(実施例17)
実施例1において、電荷発生層の膜厚を0.22μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(実施例17)に示す。
(比較例1)
支持体の作製及び反射層の形成において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
支持体を、実施例11で使用した切削管に変更した。
導電性粒子としての酸素欠損型SnO2を被覆したTiO2粒子(粉体抵抗率80Ω・cm、SnO2の被覆率(質量比率)は20%)6.6部、バインダー樹脂としてのフェノール樹脂原料として下記構造のモノマー3.3部、溶剤としてのメトキシプロパノール8.60部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調製した。
この分散液に、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、反射層用塗布液を調製した。
この反射用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬コーティングし、140℃で30分間乾燥、熱硬化して反射層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は2μmであった。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(比較例1)に示す。
(比較例2)
支持体の作製、ならびに反射層及び電荷発生層の形成において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
支持体を実施例11で使用した切削管に変更した。
次に、導電性粒子としての酸素欠損型SnO2を被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率80Ω・cm、SnO2の被覆率(質量比率)は60%)6.6部、バインダー樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)3.3部、溶剤としてのメトキシプロパノール8.60部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調製した。
この分散液に、乱反射材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)0.07部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、反射層用塗布液を調製した。
この反射用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬コーティングし、140℃で30分間乾燥、熱硬化させて反射層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は2μmであった。
この反射層用に用いたバインダー樹脂(フェノール樹脂:商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製)を、マイヤーバーでPETフィルム上に塗布し、140℃で30分乾燥、熱硬化して膜厚20μmのバインダー樹脂イエローインデックス測定用サンプルを作成した。本サンプルのバインダー樹脂イエローインデックスは、グレタクマクベス製スペクトロリノを用いて測定したところ29.5であった。
電荷発生層については、実施例2で調製した電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥して電荷発生層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は0.14μmであった。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(比較例2)に示す。
(比較例3)
支持体の作製、ならびに反射層及び電荷発生層の形成において以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
支持体を実施例11で使用した切削管に変更した。
次に、導電性粒子としての酸素欠損型SnO2を被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率80Ω・cm、SnO2の被覆率(質量比率)は60%)6.6部、バインダー樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)3.3部、溶剤としてのメトキシプロパノール8.60部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調製した。
この分散液に、乱反射材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)0.5部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、反射層用塗布液を調製した。
この反射層用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬コーティングし、180℃で60分間乾燥、熱硬化させて反射層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は15μmであった。
この反射層用に用いたバインダー樹脂(フェノール樹脂:商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製)を、マイヤーバーでスライドガラス上に塗布し、180℃で1時間乾燥、熱硬化して膜厚20μmのバインダー樹脂イエローインデックス測定用サンプルを作成した。本サンプルのバインダー樹脂イエローインデックスは、グレタクマクベス製スペクトロリノを用いて測定したところ43.5であった。
電荷発生層については、実施例2で調製した電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥して電荷発生層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は0.14μmであった。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(比較例3)に示す。
(比較例4)
以下の点を変更した以外は、比較例3と同様にして電子写真感光体を作製した。
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン220部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散し、次に、酢酸エチル220部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥させて電荷発生層を形成した。支持体端部から100〜150mmの領域の膜厚は0.32μmであった。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(比較例4)に示す。
(比較例5)
電荷発生層の形成において、以下の点を変更した以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
α型チタニルオキシフタロシアニン4部と、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)2部と、シクロヘキサノン30部とを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテート50部を加えて、電荷発生層用分散液を調製した。これを中間層上に浸漬法で塗布し、膜厚が1.12μmの電荷発生層を形成した。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(比較例5)に示す。
(比較例6)
電荷発生層の膜厚を0.16μmとした以外は比較例4と同様に感光体を作成した。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様にして画像評価及び電位の測定を行った。これらの結果を表3(比較例6)に示す。
(参考例1)
露光手段を発振波長が790nmである半導体レーザーに変更し、光学系を対応する波長用に変更した以外は、比較例6と同様に評価を行った。これらの結果を表3(参考例1)に示す。