JP4522353B2 - 補助吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、使い捨ておむつ又は他の補助吸収性物品等と重ねて使用され、漏れの発生を防止しつつ全体としての吸収性能を向上させることができ、尿の処理に伴う経済的、労力的な負担の一層の軽減を図ることのできる補助吸収性物品に関する。
近年、尿の処理に伴う経済的、労力的な負担の軽減を目的として、尿吸収用パッドを、使い捨ておむつや他の補助吸収性物品等と重ねて使用されることが行われている。尿吸収用パッドは、例えば、使い捨ておむつの表面シートの上に配置された状態で、老人又は病人等が失禁した尿を吸収保持することに用いられている。排泄される尿の量が、比較的少量の場合には、尿吸収用パッドのみを交換するだけで良く、尿吸収用パッドを使用する目的は、使い捨ておむつの交換頻度を低減することにある。
また、もう1つの尿吸収用パッドを使用する目的は、夜間のように長時間に亘り使い捨ておむつを着用する状態にあり排泄される尿の量が多く、使い捨ておむつだけでは尿を吸収しきれない場合等に、使い捨ておむつの尿の吸収を補助することにある。この場合、従来の尿吸収用パッドは、その非肌当接面側に液不透過性の裏面シートを備えており、この裏面シートが使い捨ておむつの表面シートと対向して、尿吸収用パッドが使い捨ておむつに配置されるため、多量の尿が排泄され、その全量を尿吸収用パッドの吸収体で吸収しきれないような場合には、吸収しきれなかった尿が使い捨ておむつの横から漏れ出しやすいという問題があった。
この対策としては、尿吸収用パッドを頻繁に交換する方法又は尿吸収用パッドの吸収体の吸収容量を大きくする方法があるが、前者の方法では、介護者の労力が増える問題があり、後者の方法では、尿吸収用パッドの寸法が大きくなるため、装着しづらくなる等の操作性に問題がある。
他の対策として、特許文献1には、液透過性の表面シート、該表面シートを通過した液を吸収する吸収体を備え、該吸収体における表面シート側とは反対側に、吸収体を透過した液を透過させる液透過性の裏面シートが配された尿吸収用パッドが開示されている。
また、特許文献2には、内面側に液透過性の表面シートが、内部に表面シートを透過した液を吸収する吸収体が設けられ、外面側に液透過性の外面シートが設けられて、吸収体を通過した液を透過させる液透過領域が形成されており、外面側のほぼ全域を覆う液不透過性の裏面シートが、外面シートに剥離可能に接合されている尿吸収用パッドが開示されている。このような構成を有する尿吸収用パッドによれば、尿吸収用パッドを頻繁に交換可能な場合には、裏面シートを接合したまま尿吸収用パッドを使用し、また、尿吸収用パッドを頻繁に交換できない場合には、裏面シートを剥離して尿吸収用パッドを使用することができる。
更に、特許文献3には、吸収体と、吸収体の上側に積層された液透過性の表面シートと、吸収体の下側に積層された裏面シートとを備え、この裏面シートが排泄液の一部を透過し得る素材からなる尿吸収用パッドが開示されている。
特開昭63−309601号公報 特許第3519267号公報 特開2001−70341号公報
特許文献1記載の尿吸収用パッドは、確かに吸収できる尿の量が増え、横漏れ防止効果を発現すると予想されるが、表面シート及び裏面シートそれぞれは、一般的な液透過性シートであるため、吸収体の一部分が液を吸収保持した状態で、下側に位置する使い捨ておむつに尿が移動してしまうので、結果的に排泄される尿が少量でも、使い捨ておむつを汚してしまう。
特許文献2記載の尿吸収用パッドは、使用状況に応じて裏面シートを剥離する必要があるため、その手間がかかる。また、短時間で尿吸収用パッドを交換できると考えて、裏面シートを接合した状態で尿吸収用パッドを使い捨ておむつに装着しても、予定通りに尿吸収用パッドを交換できない場合には、尿漏れが起きるおそれがある。逆に、長時間に亘り尿吸収用パッドを交換できないと考えて、裏面シートを剥離した状態で尿吸収用パッドを使い捨ておむつに装着した結果、排泄される尿が少量にもかかわらず使い捨ておむつを汚してしまう場合もある
また、この尿吸収用パッドは、裏面シートを接合した状態では、必ず裏面シート側を使い捨ておむつ側に向けて使用しなくてならず、その注意と手間が必要である。
特許文献3記載の尿吸収用パッドは、使い捨ておむつと併用することで、全体としての尿の吸収量が増え、横漏れ防止効果が発現するが、裏面シートには開口面積が0.5mm2以上の穴が設けられているので、例え排泄される尿が少量であっても、尿が尿吸収用パッドを通過して、使い捨ておむつを汚してしまうおそれがある。また、特許文献3には、開口を有する裏面シートの代わりに、耐水圧30mm以上を有する不織布積層体を裏面シートに用いる尿吸収用パッドも開示されている。この場合、排泄される尿が少量の場合には、使い捨ておむつが汚れる可能性は低いものの、耐水圧が高すぎると、多量の尿が排泄され、その全量を尿吸収用パッドの吸収体で吸収しきれないような場合には、吸収しきれなかった尿が使い捨ておむつの横から漏れ出すおそれがある。
また、この尿吸収用パッドも、必ず裏面シート側を使い捨ておむつ側に向けて使用しなくてならず、その注意と手間が必要である。
従って、本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る補助吸収性物品を提供することにある。
本発明は、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を具備した補助吸収性物品において、前記表面シート及び前記裏面シートそれぞれは、不織布から形成されており、該不織布は、一方の面が疎水性を有し、他方の面が親水性を有しており、親水性を有する該他方の面を前記吸収体と対向させて配されている補助吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の使い捨ておむつ等と重ねて使用される補助吸収性物品によれば、排泄される体液が少量の場合には、使い捨ておむつ等へ体液が透過せず、排泄される体液が多量の場合には、使い捨ておむつ等へ体液が透過し、横漏れを生じない。
以下、本発明の補助吸収性物品の好ましい第1実施形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。
本実施形態の補助吸収性物品1は尿吸収用パッドであり、図1に示すように、表面シート2、裏面シート3及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を具備しており、実質的に縦長である。尿吸収用パッド1は、図5に示すように、使い捨ておむつ90と重ねて使用されることが好ましい。
また、本実施形態の尿吸収用パッド1において、表面シート2及び裏面シート3それぞれは、不織布から形成されており、該不織布は、一方の面21が疎水性を有し、他方の面22が親水性を有しており、親水性を有する該他方の面22を吸収体4と対向させて配されている。本実施形態において、表面シート2を形成する不織布及び裏面シート3を形成する不織布は、図1に示すように、連続する一枚の不織布であり、吸収体4は、該不織布により包まれている。
本実施形態の尿吸収用パッド1において、表面シート2及び裏面シート3を形成する不織布について、更に説明すると、不織布は、その平面視形状が、縦長矩形である。不織布は、その幅方向に2つ折りされて、その幅方向の両端部が、吸収体4の非肌当接面側で一部重なって接合されている。吸収体4の平面視形状は、不織布と略同形である。
表面シート2を形成する不織布は、その肌当接面側の面21が疎水性を有しており、非肌当接面側の面22(即ち、吸収体4と対向している面)が親水性を有している。不織布は、図2に示すように、3層構造を有しており、疎水性を有する一方の面21側の繊維層23が疎水性を有し、他の2つの繊維層24a、24bが親水性を有している。各繊維層間は、全面で接合されて一体的な不織布となっている。全面で接合されていることによって、各層間が離間して空間が形成されることが防止され、あたかも一層の不織布ごとき一体感のある多層構造の不織布となっている。図2は、図1における要部(丸で囲まれた部分)を拡大して示している。
以上、表面シート2を形成する不織布の部分を、図2を用いて説明したが、吸収体4の表面シート2側以外を覆っている不織布の部分についても同様である。従って、不織布の説明を、特に断らない限り表面シート2を形成する不織布の部分について以下に説明する。
不織布における疎水性を有する一方の面21は、主として熱可塑性樹脂を紡糸して得られる疎水性繊維から形成されていることが好ましい。具体的には、不織布は、その疎水性を有する面21を構成する繊維の80〜100質量%が疎水性繊維であることが好ましく、90〜100質量%が疎水性繊維であることが特に好ましい。不織布は、その疎水性を有する面21を構成する繊維の全てが、疎水性繊維であることが、液戻りを効果的に防止する上で一層好ましい。
不織布における疎水性を有する一方の面21は、表面張力72dyne/cmでの液体接触角が、90度以上であることが好ましく、100度以上であることが特に好ましい。
ただし、不織布の測定部位によっては、測定中に液滴が疎水性を有する面21を通過してしまうため、接触角が0度になってしまう場合がある。これは、後述する吸収保持・透過機構に示すように疎水性を有する面21が液を透過しやすいためである。また、不織布における親水性を有する他方の面22は、表面張力72dyne/cmでの液体接触角が、70度以下であることが好ましく、50度以下であることが特に好ましい。本実施形態において、不織布を形成している2つの親水性を有する層24a、24bの親水性の程度は同等である。接触角の測定方法は以下の通りである。
接触角の測定は、協和界面科学(株)製の接触角計(FACE CA−A型 測定倍率36倍)で行った。測定用サンプルは、MD方向30mm×CD方向30mmの大きさにカットしたものを用いた。測定環境は、23℃/50%RHであり、測定用サンプルは、測定面を上向きにした状態として、測定ステージにセットした。
次いで、セットされた測定用サンプルに、イオン交換水をマイクロシリンジで5μl(マイクロリットル)計り、図3に示すように、水滴の状態で繊維表面に付着させ、接触角を測定した。水滴の両端もしくは片端の焦点が鮮明な観察結果5点の接触角を計測し、それらの平均値を「接触角」とした。
不織布は、下記の方法で測定される通液時間が、疎水性を有する一方の面21を上側にした場合よりも親水性を有する他方の面22を上側にした場合の方が30秒以上長いことが好ましく、60秒以上長いことが特に好ましい。
また、疎水性を有する一方の面21を上側にして測定される通液時間は、表面シート2から吸収体4への良好な液体の通液性が得られる点から、90秒以下であることが好ましく、60秒以下であることが特に好ましい。
・通液性
図4に示すように、60mm×60mmに切り出した表面シート2である不織布の上下から、ゴムパッキン82,82を介して、直径35mmの一対のガラス製シリンダー83,83で挟持固定した状態下に、上側のシリンダー83の上端から内壁を伝わらせて生理食塩水を4g/分で供給し、生理食塩水が不織布に達してから、不織布を通過して下側の前記シリンダー83の下端から流れ落ち始めるまでの時間を測定し、この値を不織布の通液時間とする。シリンダー83、83は高さ75mm、内径35mm、肉厚3mmの円筒状であり、その両端に外径60mmのフランジ部分が設けられている。下部のシリンダー83の下方には、液受け84が配置されている。
尿吸収用パッド1から表面シート2を切り出す場合には、表面シート2とその他の部分(吸収体あるいは台紙)との間で丁寧に剥がし、表面シート2を上記大きさに切り出して測定する。
前述した通液時間の測定において、尿吸収用パッド1の表面シート2の通液性と裏面シート3の準防漏性とを両立する観点から、不織布における親水性を有する面22を上側にして測定した通液時間が、疎水性を有する面21を上側にして測定した通液時間よりも30秒以上長いことが好ましい。裏面シート3の準防漏性とは、裏面シート3は、尿吸収用パッド1が少量の尿を吸収した状態では防漏性を示すが、多量の尿を吸収した状態では液透過性を示す意味である。詳細は後述するが、本実施形態の不織布は、その親水性を有する面32から液が通過しにくくなっており、裏面シート3は、その親水性を有する面32を吸収体4と対向させて配されている。
また、不織布における疎水性を有する一方面21を上側にして測定したJIS−L1092による耐水圧は、液透過性及び液戻り防止性の点から、1〜5mmであることが好ましく、1〜4mmであることが特に好ましい。また、不織布における親水性を有する他方の面22を上側にして測定したJIS−L1092による耐水圧は、同様の観点から、7〜20mmであることが好ましく、7〜15mmであることが特に好ましい。
不織布は、従来用いられている各不織布製造方法、例えばスパンボンド法、メルトブローン法、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド法(スパンボンド不織布とメルトブローン不織布との貼り合わせ、以下、SMS法ともいう)、カード機を用いて得られたウエブを、熱処理するエアスルー法、ヒートロール法、機械的に交絡させるニードルパンチ法、水流交絡させるスパンレース法等により製造することができる。
例えば、不織布として、スパンボンド不織布を用いる場合には、疎水性の糸を紡糸するノズル及び親水性の糸を紡糸するノズルからなる複数の紡糸ノズルを使用し、上層が疎水性を有し、2つの下層が親水性を有する構造の不織布を製造することができる。
スパンボンド法のように紡糸と該紡糸された繊維の不織布化を同時に行う製造方法の場合には、不織布はひとつの工程で製造することができる。
また、本実施形態の尿吸収用パッド1における不織布は3層構造であるが、2層又は4層以上の構造を有していることも好ましい。例えば、スパンボンド・メルトブローン・メルトブローン・スパンボンド不織布(以下、SMMS不織布ともいう)、スパンボンド・スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド不織布(以下、SSMS不織布ともいう)が挙げられる。不織布が、一方の外側の面を形成している疎水性の層21の他に、一つ又は複数の疎水性を有する層を備えている場合には、該疎水性を有する層それぞれは、各該層の間に親水性を有する層を挟まないように形成されることが好ましい。
本実施形態の不織布として、前述したSMS不織布、SMMS不織布又はSSMS不織布を用いる場合には、一方のスパンボンド不織布層及び該層と隣接しているメルトブローン不織布層が親水性を有していることが好ましい。
不織布として、エアスルー不織布又はヒートロール不織布を用いる場合には、疎水性繊維を用いるカード機と親水性繊維を用いるカード機とからなる複数のカード機を使用して、上層が疎水性を有し、2つの下層が親水性を有する構造の不織布を製造することができる。
エアスルー法又はヒートロール法等のカード機を用いる場合には、不織布を構成する各層を製造した後に、層間を接合するといった複数の工程を経て一体的な不織布が製造される。
不織布は、尿吸収用パッド1の液透過性、使用感及び製造コストの点から、その坪量が8〜65g/m2であることが好ましく、10〜40g/m2であることが特に好ましく、12〜30g/m2であることが一層好ましい。詳述すると、不織布における疎水性繊維の坪量は4〜25g/m2であり、親水性繊維の坪量は4〜40g/m2であることが好ましい。
不織布を構成する繊維の単繊維繊度は用途に応じて適宜設定すれば良いが、前述したのと同様の観点から、極細繊維であるメルトブローン不織布を除いて、0.8〜4.0dtexであることが好ましく、1.5〜3.0dtexであることが特に好ましい。また、繊維には、適宜捲縮を付与してもよい。
不織布の疎水性を有する繊維層23を構成する疎水性繊維としては、例えばポリオレフィンやポリエステルなどの熱可塑性樹脂から構成されるものが用いられる。特に繊維の任意の横断面の全周長に対して、少なくとも30%、特に50%以上の周長をポリオレフィンが占めている繊維を用いることが、後述する親水化剤との親和性の高さの点から好ましい。このような繊維は、ポリオレフィン単独からなる繊維であってもよく、或いは2種の異なるポリオレフィン又はポリオレフィンと他のポリマーとの混合紡糸繊維又は複合繊維(芯鞘型、サイドバイサイド型、交互配列型、海島型など)であってもよい。
好ましく用いられるポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、及びこれらのランダム又はブロック共重合体、或いは、更にメタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、及びそれらのエステル、酸無水物などの誘導体から選択される少なくとも1種類以上を共重合したポリオレフィン系重合体を挙げることができる。更には前記ポリオレフィン系重合体に前記不飽和カルボン酸又はその誘導体の少なくとも1種をグラフトしたグラフト共重合体を挙げることができる。なかでもポリプロピレンが好ましい。
前記繊維が複合繊維または混合紡糸繊維である場合、ポリオレフィンと混合或いは複合できるポリマーとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらの共重合体などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル並びにナイロン−6やナイロン−66などのポリアミドを挙げることができる。
なかでもポリオレフィンよりも融点が高く繊維形成能を有し且つ機械的特性が良好なポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルと、ポリオレフィンとからなる複合繊維は、熱融着性繊維として利用でき、しかも最終的に得られる不織布の嵩高性、耐ヘタリ性、弾力性、風合いなどが良好になるので特に好ましい。
その他の疎水性を有する繊維を用いる場合、その疎水性の程度は、前述した熱可塑性樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフテレート等の有する疎水性と同等であることが好ましい。
不織布における親水性を有する他方の面22は、疎水性材料に親水化剤が練り込まれて得られる親水性繊維から形成されているか、疎水性繊維に親水化剤が塗布されて得られる親水性繊維から形成されているか又は疎水性繊維から形成される不織布の一方の面に親水化剤を塗布して形成されていることが好ましい。
疎水性繊維を親水化する方法としては、例えば、特開2001−161748号公報記載の方法が挙げられる。
具体的には、以下に述べる方法で、前述した疎水性繊維を親水化することが好ましい。しかし、これに限られるものではない。
(1)不織布の原料となる繊維又は原綿を親水化する方法
不織布を形成する疎水性繊維にあらかじめ親水化剤を練り込んで、繊維自体を親水化する。このように、疎水性繊維を内添により親水化する場合には、予め親水化剤を練り込んだ疎水性繊維の構成樹脂を、公知の方法で溶融紡糸することにより親水化された繊維が得られる。
また、疎水性を有する原料・原綿についても同様にあらかじめ親水化を行うことも好ましい。疎水性を有する原綿に親水化剤などを塗布することでその原綿から製造される不織布は親水性を発現する。このように、疎水性繊維を外添により親水化する場合には、紡糸された疎水性繊維を親水化剤を含んだ溶液に浸漬するか、又は該疎水性繊維に該溶液をスプレー塗工することで親水化された繊維が得られる。
例えば、サクションヒートボンド法、ニードルパンチ法又はスパンレース法により不織布を製造する場合には、疎水性繊維を不織布化する前のステープルファイバーを前記溶液に浸漬するか、又は該ステープルファイバーに該溶液をスプレー塗工することで、親水化された繊維を製造し、該繊維を用いて不織布を製造することが好ましい。
(2)不織布に親水化剤を塗布する方法
疎水性繊維が不織布化された後に、不織布における親水化しようとする所望の面に、外添により親水化剤を塗布する。親水化剤は、所定濃度の水溶液や乳化液等にして用いることができるが、特にそれに限定されない。また、塗布方法についても、特に限定されないが、不織布にスプレーやグラビアなどの方法で塗布することができる。
例えば、スパンボンド法又はメルトブローン法により不織布を製造する場合には、繊維の親水化処理は、疎水性繊維が不織布化された後に、親水化するべき面に前述した親水化処理を行なうことが好ましい。
親水化剤は、カチオン性あるいはノニオン性の界面活性剤などが一般的であるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、所定濃度の水溶液、乳化液等にして用いることができる。親水化剤としては、特に親水化された繊維が、繰り返す尿の吸収において親水性が低下しにくい耐久親水性を有するものが好ましい。
前述した疎水性繊維に内添される親水化剤としては、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホン基などの親水基を有する化合物であればよい。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、アルキコキシ化アルキルフェノール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド等の非イオン界面活性剤が挙げられる。これらのうち、耐久親水性の点から、特にポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
また、前述した疎水性繊維に外添される親水化剤としては、例えば、硫酸エステル塩基、C8〜C30のアルキルリン酸エステル塩基、C8〜C12のアルキルリン酸アルカリ金属塩、スルホン酸塩基等を含むアニオン系活性剤、ベタイン活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ソルビタンモノオレートやポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン、アルキロールアミド型化合物とポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサンとの配合物、ポリグリセリン脂肪酸エステル或いはこれとポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサンとの配合物、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体或いはこれとポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサンとの配合物、炭素数28以上の炭化水素基を疎水基とする界面活性剤とポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサンとの配合物が挙げられる。これらのうち、特に親水性能、カード機通過性及び静電気防止性の点から、C8〜C12のアルキルリン酸カリウム塩を用いることが好ましい。
前述した方法の中で、特に疎水性繊維を親水化する方法を用いることが、不織布において疎水性を有する層23と親水性を有する層24との境界が明確に製造できる点で好ましい。
また、前述したように疎水性繊維等を親水化して形成した親水性を有する繊維層24に、元から親水性を有する親水性繊維であるレーヨン繊維又はコットン繊維等を混綿しても良い。
不織布における親水性を有する他方の面22は、元から親水性を有する親水性繊維から形成されていることも好ましい。
元から親水性を有する親水性繊維としては、親水性セルロース繊維が典型的なものとして挙げられる。親水性セルロース繊維としては、レーヨン及びキュプラ等の再生セルロース繊維、針葉樹クラフトパルプや広葉樹クラフトパルプのような木材パルプ、木綿パルプ及びワラパルプ等の天然セルロース繊維等が挙げられる。これらの繊維をスパンレース法、湿式抄紙法又はエアレイド法等の各種不織布製造方法で繊維集合体にすることができる。該繊維集合体を親水性を有する繊維層24として用い、不織布を形成することが好ましい。
本実施形態の尿吸収用パッド1において、不織布は、ホットメルト接着剤が、吸収体4の表面シート2側の面及び裏面シート3側の面それぞれに対して20〜70%の割合で塗布されて、吸収体4と接着されている。ホットメルト接着剤を用いると、吸収体4を構成するフラップパルプ繊維等と接着剤が十分に絡み合い、吸収体4が体液を吸収した場合にも、不織布との接着性が低下しないため、湿潤状態における吸収体4の保形性が向上する。
ホットメルト接着剤としては、オレフィン系、スチレン系又はイソブチレン系等のホットメルト接着剤を用いることができるが、特にオレフィン系のホットメルト接着剤が、パルプ中にしみこんで、絡みやすいため、湿潤強度が発現しやすい点で好ましい。
ホットメルト接着剤の吸収体4への塗工方法としては、コーター法、スパイラルスプレー法又はカーテンスプレー法等を用いることができるが、特にコーター法が、ホットエアーを用いないため接着剤の飛散及び浸み出しがなく、低坪量で塗布できるため好ましい。
ホットメルト接着剤の吸収体4への塗工坪量は、1〜10g/m2であることが好ましく、2〜6g/m2であることが特に好ましい。
本実施形態の尿吸収用パッド1について、更に説明すると、尿吸収用パッド1は、非使用状態において、平面視して縦長矩形の扁平形状を有しており、使用時には、表面シート2又は裏面シート3の何れ側の面を着用者の肌側に向けた状態として使用しても良い。
縦長矩形の吸収体4は、その長手方向を尿吸収用パッド1の長手方向と一致させ且つ表面シート2と裏面シート3との間に挟持固定された状態で保持されている。
表面シート2と裏面シート3とは、吸収体4の長手方向の両端縁よりも外方に延出する部分において互いに接合されている。
本実施形態の尿吸収用パッド1と共に使用される使い捨ておむつ90は、図5に示すように、液透過性の表面シート92、液不透過性の裏面シート93及び該両シート間に介在された吸収体94を具備した吸収性本体91を有しており、実質的に縦長である。吸収性本体91における長手方向の両側部に沿って、弾性部材を有する一対のレッグフラップ部95,95が設けられている。また、吸収体94における長手方向の両側部に沿って、弾性部材を有する一対の立体ギャザー部96,96が設けられている。
尿吸収用パッド1は、図5に示すように、使い捨ておむつ90に重ねられて使用されることが好ましい。
本実施形態のおむつ1を構成する他の部材について説明すると、吸収体4の形成材料としては、従来の吸収性物品において用いられている各種の公知の材料を用いることができる。例えば、吸収体4は、パルプ材と吸水性ポリマーを混合積繊して形成されているものが好ましい。
本実施形態の尿吸収用パッド1における尿の吸収保持・透過機構は次の通りである。図6(a)に示すように、表面シート2における疎水性を有する面21に滴下された液滴は、液滴と該面21との間の接触角が大きく、液滴はその表面積を小さくするため球状になろうとする。結果として液滴と該面21との接触部における液滴の圧力が高くなり、前述した耐水圧以上になると、液滴は疎水性を有する面21を通ることができる。液滴の一部が該面21を矢印の向きに通過し、疎水性の繊維層23に導液路が形成されると、残りの液滴の部分も続けて該層23を通過することができる。疎水性の繊維層23を通過した液は、親水性を有する繊維層24の吸引により該繊維内24へ導かれ、更に吸収体4へ移動する。液滴が全て通過した後は、前記導液路は消滅し、疎水性の繊維層23は元の状態となる。
吸収体4に吸収された尿が、吸収体4から表面シート2を通って生じる尿の液戻りは、次に述べる機構により防止される。
図6(b)に示すように、表面シート2における親水性を有する面22に滴下された液滴は、液滴と該面22との間の接触角が小さく、液滴は親水性の繊維層24内に広がって浸透する。親水性の繊維層24内に広がった液滴は、疎水性の繊維層23との界面にまで進むが、液体と該界面との接触部における液体の圧力は低く、液滴は該界面を通ることができないため、疎水性の繊維層23内へ進むことができない。従って、吸収体4から表面シート2へ矢印の向きと逆に向かう尿等の体液は、不織布を通過しにくくなっている。
このようにして、尿吸収用パッド1の吸収体4に、表面シート2を通って尿が吸収される。排泄される尿の量が、比較的少量の場合には、吸収体4のみで全ての尿を吸収保持することが可能であり、尿は使い捨ておむつへ実質的に移動しない。
一方、排泄される尿の量が多い場合には、全ての尿を吸収体4のみで吸収保持することが出来なくなる。吸収体4に吸収しきれない尿が増えると、尿の裏面シート3の親水性を有する面32への圧力が増加し、該面32の耐水圧が前述した値よりも大きくなると、尿は、裏面シート3を通過し使い捨ておむつに移動する。吸収体4に吸収されない尿は、同様に、吸収体4から表面シート2を通って、尿吸収用パッド1の肌当接面側へ移動しようとするが、前述したように、尿が裏面シート3を通って使い捨ておむつへ移動すると共に、尿の表面シート2における親水性を有する面22への圧力が低下するので、表面シート2からの液戻りが防止される。尚、吸収体4の四方の側面から不織布を通る液戻りも、同様に防止される。
前述した本実施形態の尿吸収用パッド1によれば、排泄される尿が少量の場合には、使い捨ておむつへ尿が実質的に透過せず、排泄される尿が多量の場合には、使い捨ておむつへ尿が透過し、横漏れを生じない。また、吸収体4から表面シート2を通って、液戻りしにくくなっている。
本実施形態の尿吸収用パッド1は、その上下のどちら側をも着用者の肌に向けて使用することができる。
次に、第2及び第3実施形態の尿吸収用パッドを、図7及び図8を参照しながら説明する。第2及び第3実施形態について、特に説明しない点については、第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図7及び図8において、図1〜図6と同じ部材に同じ符号を付してある。
本発明の好ましい第2実施形態の尿吸収用パッド1において、表面シート2及び裏面シート3それぞれは、前実施形態と同様な不織布から形成されているが、図7に示すように、別部材となっている。
表面シート2は、その平面視形状が、吸収体4と同形であり、吸収体4の肌当接面側の面に接着されている。裏面シート3の両側縁部は、図7に示すように、表面シート2側に巻き上げられ、該表面シート2の両側縁部に接合されている。その他の構成については、前実施形態と同様である。
本実施形態の尿吸収用パッド1において、表面シート2を形成する不織布と、裏面シート3を形成する不織布とは、同じでなくても良い。例えば、表面シート2を形成する不織布の親水性を有する面22の親水性の程度を、裏面シート3における親水性を有する面32よりも低くすることで、尿吸収用パッド1に吸収された尿が、表面シート2側へ液戻りし難くすると共に、使い捨ておむつ1へ移動し易くすることができる。
前述した本実施形態の尿吸収用パッド1によれば、表面シート2を形成する不織布と裏面シート3を形成する不織布とを別部材とすることで、液戻り防止性及び液通過性を用途に応じて調整しやすくなっている。また、前実施形態と同様の効果が奏される。
本発明の好ましい第3実施形態の使い捨ておむつ1において、表面シート2及び裏面シート3それぞれは、第1実施形態と同様な不織布から形成されているが、図8に示すように、別部材となっている。
表面シート2及び裏面シート3それぞれは、その平面視形状が同形であり、該両シートの間に吸収体4が挟持固定されている。表面シート2及び裏面シート3の幅方向の両端部は、図8に示すように、吸収体4の幅方向の両端縁から外方に延出し、ヒートシール等公知の接合方法により接合されている。表面シート2及び裏面シート3の長手方向の両端部も同様に接合されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態の尿吸収用パッド1においても、表面シート2を形成する不織布と、裏面シート3を形成する不織布とは、同じでなくても良い。例えば、前述した第2実施形態と同様の構成が挙げられる。
前述した本実施形態の尿吸収用パッド1によれば、前述した第2実施形態の尿吸収用パッドと同様の効果が奏される。
本発明の補助吸収性物品は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の尿吸収用パッド1における表面シート2を形成する不織布又は裏面シート3を形成する不織布は、一方の面が疎水性を有し他方の面が親水性を有する不織布が、それぞれ親水性を有する該他方の面を吸収体4に向けて2枚以上積層されて形成されていても良い。この場合、不織布間には、接着剤による膜を作らないように、ホットメルト接着剤等をスプレー塗工して、不織布同士を接合することが好ましい。
また、尿吸収用パッド1は、他の補助吸収性物品と重ねて使用されても良い。例えば、使い捨ておむつの表面シートの上に、液不透過性の裏面シートを有する他の尿吸収用パッドを配置し、該他の尿吸収用パッドにおける表面シートの上に、本発明の尿吸収用パッド1を重ねて使用しても良い。
尿吸収用パッド1の非肌当接面側の面には、尿吸収用パッド1を使い捨ておむつ又は他の補助吸収性物品等に固定するためのズレ止め材が塗布されていることも好ましい。該ズレ止め材は、剥離紙によって被覆されており、使用時まで保護されている。
前述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
以下、本発明の実施例を用いて更に説明する。ただし、本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
実施例1の不織布を、スパンボンド法により製造した。実施例1の不織布の材質は2.5dtexのポリプロピレン(PP)であり、3層構造からなる。3層のうち2層は、PP繊維中に親水化剤である、ポリグリセリン脂肪酸エステルを練り込むことにより、不織布を形成した。3層を接合し一体化した不織布の坪量は20g/m2であった。このようにして実施例1の不織布を得た。
[実施例2]
実施例1の不織布を用いて、図9に示す尿吸収用パッドを製造し、実施例2を得た。パルプ坪量370g/m2及び吸水性ポリマー坪量115g/m2からなる均一混合吸収体4’を作成し、該吸収体4’の上下それぞれに坪量16g/m2の台紙7を貼り付けた。更に、吸収体4’の上下それぞれに実施例1の不織布を、その親水性を有する面を吸収体に向けて、台紙7の上から貼り付けた。不織布の寸法は、長さ200mm×幅100mmであった。
[実施例3]
不織布として、実施例1の不織布をその親水性を有する面を吸収体に向けて2枚積層したものを用いた。該不織布の寸法は、長さ200mm×幅200mmであった。この不織布を用いる以外は、実施例2同様にして、実施例3の尿吸収用パッドを製造した。
[比較例1]
比較例1として、一方の面がエンボスを有し、他方の面はフラットである親水性を有する不織布を以下のようにして得た。比較例1の不織布は、スパンボンド法により紡糸したウェブをエンボスロール(エンボス面)とスチールロール(フラット面)からなる熱処理ロールを通して熱融着し、外添により親水化処理を施し作製した。繊維は、組成がポリプロピレンで、繊度2.2dtexであり、坪量は20g/m2の比較例1のスパンボンド不織布を得た。
[比較例2]
比較例2として、疎水性を有する不織布を以下のようにして得た。比較例2の不織布は、スパンボンド法により紡糸したウェブをエンボスロール(エンボス面)とスチールロール(フラット面)からなる熱処理ロールを通して熱融着した。繊維は、組成がポリプロピレンで、繊度2.2dtexであり、坪量は20g/m2の比較例2のスパンボンド不織布を得た。
[比較例3]
比較例3として、図9に示すような尿吸収用パッドを製造した。不織布として、坪量20g/m2の親水性を有するエアースルー不織布(レンゴーノンウーブンプロダクツ社製)を用いる以外は、実施例2と同様にして、比較例3の尿吸収用パッドを製造した。
[比較例4]
不織布として、比較例3の不織布を2枚積層したものを用い、該不織布の寸法は、長さ200mm×幅200mmであった。この不織布を用いる以外は、実施例3同様にして、比較例4の尿吸収用パッドを製造した。
[通液時間の評価]
図4に示す装置を用い、前述した方法で、実施例1、比較例1及び比較例2の不織布の通液時間を測定した。実施例1の不織布については、疎水性を有する一方の面を上側にした場合と親水性を有する他方の面を上側にした場合それぞれを測定した。比較例1については、エンボスを有する一方の面を上側にした場合とフラットな他方の面を上側にした場合それぞれを測定した。測定結果を表1に示す。
本発明の実施例1は、比較例1と比べて、表面シート2側の通液性と裏面シート3側の準防漏性が優れている。また、本発明の実施例1は、その疎水性を有する一方の面が、比較例2と比べて優れた通液性を有している。
Figure 0004522353
[通液量の評価1]
図9に示す装置を用い、実施例2及び比較例3の尿吸収用パッドの通液量の評価を行なった。10枚の径185mmの4A濾紙81の質量を測定(W1)した後、該10枚の濾紙を重ねて尿吸収用パッドの下側に敷き、尿吸収用パッドの中央上方から、50gの生理食塩水を5g/秒の速度で、尿吸収用パッドに滴下し、5分間放置した後に、濾紙81を取り出してその質量を測定(W2)し、尿吸収用パッドを通過して濾紙81に吸収された生理食塩水の質量(W2−W1)を求めた。濾紙81に通液した生理食塩水の量が1g以下の場合には、尿吸収用パッドの下側に重ねて使用される使い捨ておむつの継続した使用が可能と考えられる。また、濾紙が、濡れていなくても、蒸気を吸収して、濾紙の1g程度の質量増加が認められる場合があった。そこで、濾紙81に吸収されたトータルの生理食塩水の量が1gを超えるまで、前述したように生理食塩水の滴下、5分間の放置、濾紙の質量の測定の繰り返しを3回まで行なった。
結果を表2に示す。実施例2は、1回目の生理食塩水の滴下による濾紙への通液量が1g以下であったため、続けて2回目の滴下を行なったところ、生理食塩水の一部が、尿吸収用パッドの表面に沿って尿吸収用パッドの外へ流れ出た。2回目の生理食塩水の滴下では、尿吸収用パッドに吸収されなかった部分があるので、1回目に滴下された生理食塩水の通液量のみを表2に示す。
本発明の実施例2の尿吸収用パッドは、少なくとも1回分の滴下される生理食塩水の略全量を吸収保持できるのに対し、比較例3は1回分も吸収保持することができず、実施例2の吸収保持性が優れていることが分かる。
Figure 0004522353
[通液量の評価2]
1回ごとに滴下する生理食塩水の量を20gとし、また生理食塩水の滴下後の放置時間を3分間に変更した他は、前述した通液量の評価1と同様にして、実施例2及び比較例3の尿吸収用パッドの通液量の評価を行なった。滴下する生理食塩水の量を50gから20gに低減した理由は、老人又は病人が尿を失禁する際に排泄される量を参考にし、一般の尿取りパッド吸収体(500mm×200mm)に1回100gの尿をしたと想定し、200mm×100mmの吸収体で評価したために20gに設定したものである。
結果を表2に示す。
本発明の実施例2の尿吸収用パッドは、少なくとも3回分の滴下される生理食塩水の略全量を吸収保持できるのに対し、比較例3は2回分しか吸収保持することができず、実施例2の吸収保持性が優れていることが分かる。
[通液量の評価3]
生理食塩水の滴下後の放置時間を3分間に変更した他は、前述した通液量の評価1と同様にして、実施例3及び比較例4の尿吸収用パッドの通液量の評価を行なった。結果を表2に示す。
本発明の実施例3の尿吸収用パッドは、2回分の滴下される生理食塩水の略全量を吸収保持できるのに対し、比較例4は1回分しか吸収保持することができず、実施例3の吸収保持性が優れていることが分かる。
図1は、本発明の補助吸収性物品としての尿とりパッドの第1実施形態を示す断面図である。 図2は、図1に示す要部を拡大して示す断面図である。 図3は、接触角の測定方法を説明するための図である。 図4は、通液時間を測定する装置を示す模式図である。 図5は、図1の実施形態が使い捨ておむつと重ねて使用されている状態を示す断面図である。 図6(a)及び(b)は、不織布の表面に滴下された液体を示す模式図であり、(a)は液体が疎水性を有する面に滴下された状態であり、(b)は液体が親水性を有する面に滴下された状態である。 図7は、本発明の第2実施形態の尿とりパッドを示す図1に相当する断面図である。 図8は、本発明の第3実施形態の尿とりパッドを示す図1に相当する断面図である。 図9は、通液量を測定する装置を示す模式図である。
符号の説明
1 尿とりパッド(補助吸収性物品)
2 表面シート
21 疎水性を有する面
22 親水性を有する面
23 疎水性を有する繊維層
24a,24b 親水性を有する繊維層
3 裏面シート
32 親水性を有する面
4 吸収体
6 液滴
7 台紙
81 濾紙
82 Oリング
83 シリンダー
84 液受け

Claims (5)

  1. 表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を具備した補助吸収性物品において、
    前記表面シート及び前記裏面シートそれぞれは、不織布から形成されており、
    前記不織布は、一方の面が疎水性を有し、他方の面が親水性を有しており、親水性を有する該他方の面を前記吸収体と対向させて配されており、
    前記表面シートを形成する不織布及び前記裏面シートを形成する不織布は、連続する一枚の不織布であり、前記吸収体は、該不織布により直接包まれており、
    前記補助吸収性物品は、使い捨ておむつに重ねて使用されるものであり、該使い捨ておむつは、液透過性の使い捨ておむつの表面シート、液不透過性の使い捨ておむつの裏面シート及び両シート間に介在された使い捨ておむつの吸収体を具備しており、
    前記補助吸収性物品は、前記裏面シートの疎水性を有する前記一方の面を前記使い捨ておむつの表面シートと対向させて配して使用され、
    前記吸収体で排泄された尿を吸収保持することができなくなると、吸収できない尿が前記裏面シートを通過して前記使い捨ておむつに移動し前記使い捨ておむつの吸収体で吸収されるように形成されている補助吸収性物品。
  2. 前記不織布における親水性を有する前記他方の面は、疎水性材料に親水化剤が練り込まれて得られる親水性繊維から形成されているか、疎水性繊維に親水化剤が塗布されて得られる親水性繊維から形成されているか、疎水性繊維から形成される不織布の一方の面に親水化剤を塗布して形成されているか又は元から親水性を有する親水性繊維から形成されている請求項1記載の補助吸収性物品。
  3. 前記不織布における疎水性を有する前記一方の面は、熱可塑性樹脂を紡糸して得られる疎水性繊維から形成されている請求項1又は2記載の補助吸収性物品。
  4. 前記不織布は3層構造を有しており、疎水性を有する前記一方の面側の繊維層が疎水性を有し、他の2つの繊維層が親水性を有している請求項1〜の何れかに記載の補助吸収性物品。
  5. 前記表面シートを形成する不織布又は前記裏面シートを形成する不織布は、一方の面が疎水性を有し他方の面が親水性を有する不織布が、それぞれ親水性を有する該他方の面を前記吸収体に向けて2枚以上積層されて形成されている請求項1〜の何れかに記載の補助吸収性物品。
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