JP4520537B2 - マスクブランクの製造方法及びマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
また、それらの膜を形成する上で、問題が予想される光学特性のばらつき(例えば、透過率や位相差)を抑えた製造方法の提案も幾つかなされており(例えば、特許文献3参照)、膜の光学特性のばらつきも抑えられてきているのが現状である。
また、露光装置を用いて、マスクに形成されたマスクパターンを被転写体に転写し、転写パターンを形成したところ、マスクに形成されているマスクパターンにパターン欠陥がないにもかかわらず、被転写体にパターン欠陥が発生するという問題が発生した。
以下、本発明者等の研究により知得した、光学特性ばらつきの仕様から逸脱したマスクブランクが製造される理由、転写パターン欠陥が発生する理由について、それぞれ詳細に説明する。
また、現状においては、薄膜形成時の製造ばらつきが完全になくなったわけではなく、上記のように光学特性ばらつきの仕様を満足しないマスクブランクは、基板材料の透過率ばらつきと、薄膜の光学特性ばらつきとが相乗的に作用して仕様を逸脱したものと考えられる。
近年では、マスクパターンの微細化、高精細化が進んでおり、被転写体に対するパターン転写に影響のある欠陥をマスク上で特定できたとしても、パターン修正、補正できない場合もあり、その場合においては、マスクを一から作製しなければならない。
このように構成すれば、透明基板やマスクブランクの露光波長に対する光学特性が保証されるので、光学特性の仕様を逸脱したマスクブランクが製造される問題や、被転写体にパターン欠陥が発生するという問題を解消することができる。
このように構成すれば、各製造部門のサーバ間で、透明基板やマスクブランクの光学特性情報を迅速かつ安価にやり取りすることができる。
このように構成すれば、サーバ(各種情報蓄積手段)の共通化を図ることができる。同一企業において上記情報を管理する場合、情報の一元化を図ることができ、特に効果的である。
このように構成すれば、透明基板の光学特性情報を有効に利用して、透明基板と薄膜の不適合による仕様の逸脱を防止できる。
このように構成すれば、透明基板の露光波長に対する基板面内の透過率ばらつきを保証し、これに起因する仕様の逸脱を防止できる。
このように構成すれば、マスクブランクの露光波長に対する面内の透過率ばらつきや位相差ばらつきを保証し、これらに起因する仕様の逸脱を防止できる。
このような方法にすれば、透明基板やマスクブランクの光学特性を保証し、マスクブランクの仕様逸脱や、被転写体のパターン欠陥を防止することができる。
このような方法にすれば、マスクブランク製造部門は、透明基板の光学特性を測定することなく、マスク製造部門に透明基板の光学特性情報を提供することができる。
このような方法にすれば、透明基板の露光波長に対する基板面内の透過率ばらつきを保証し、これに起因する仕様の逸脱を防止できる。
このような方法にすれば、マスクブランクの露光波長に対する薄膜面内の透過率ばらつきや位相差ばらつきを保証し、これらに起因する仕様の逸脱を防止できる。
このような製造方法にすれば、透明基板の光学特性を保証し、透明基板の材料起因によるマスクブランクの仕様逸脱や、被転写体のパターン欠陥を防止することができる。
このような製造方法にすれば、透明基板の露光波長に対する基板面内の透過率ばらつきを保証し、これに起因する仕様の逸脱を防止できる。
このような製造方法にすれば、透明基板の材料起因による透過率変化が大きい140nm〜200nmの短波長域においても基板面内の透過率ばらつきを保証し、それに起因する仕様の逸脱を防止できる。
このような製造方法にすれば、製造ばらつき起因で光学特性のばらつきが発生する合成石英ガラスであっても基板面内の透過率ばらつきを保証し、これに起因する仕様の逸脱を防止できる。
このような製造方法にすれば、透明基板の光学特性の保証に加え、マスクブランクを構成する薄膜内の透過率ばらつき及び/または位相差ばらつきを保証してマスクブランクの光学特性を保証し、マスクブランクの仕様逸脱や、被転写体のパターン欠陥を防止することができる。
このような製造方法にすれば、マスクブランクの露光波長に対する薄膜面内の透過率ばらつきや位相差ばらつきを保証し、これらに起因する仕様の逸脱を防止できる。
このような製造方法にすれば、透明基板と薄膜の不適合による光学特性の仕様の逸脱を防止できる。
このような製造方法にすれば、透明基板の材料起因や薄膜起因による透過率変化が大きい140nm〜200nmの短波長域においても基板面内の透過率ばらつき、マスクブランクにおける薄膜面内の透過率ばらつき及び/又は位相差ばらつきを保証し、それに起因するマスクブランクの仕様の逸脱を防止できる。
このような製造方法にすれば、透明基板の光学特性が保証されたマスクを製造することができる。これにより、マスクパターンに欠陥がないにもかかわらず、被転写体にパターン欠陥が発生するという問題を解決できる。
このような製造方法にすれば、透明基板やマスクブランクの光学特性に起因するマスクのパターン欠陥や転写体のパターン欠陥を確実に防止できる。
なお、以下の説明における素材・加工部門、マスクブランク製造部門、マスク製造部門、デバイス製造部門は、同一企業内に有する場合であっても、異なる企業に有する場合であっても良い。そして、異なる企業に有する場合には、それぞれ、素材・加工メーカ、マスクブランクメーカ、マスクメーカ、デバイスメーカと読み替えることができる。
まず、本発明の実施形態に係るマスクブランクの提供システムについて、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、マスクブランク提供システムの構成を示すブロック図、図2は、各製造部門間における情報や物のやり取りを示す説明図である。
通信回線40としては、インターネット、WAN、LANなどのネットワークや、専用回線を用いることができる。
なお、素材・加工部門、マスクブランク製造部門、マスク製造部門が同一企業内の各部門に相当する場合などには、各サーバ10,20,30を一元化して共通使用するようにしてもよい。
インターフェース11は、透過率測定装置100から入力される透過率測定データ及び透過率を測定した基板の識別番号をデータ変換して処理部12に送る。
透過率測定装置100は、マスクブランク用透明基板1の主表面内の複数箇所で透過率を測定し、これらの透過率測定データをインターフェース11に送る。また、本実施形態の透過率測定装置100は、マスクブランク用透明基板1に直接付与された識別番号を読み取ってインターフェース11に送る機能を備える。
なお、マスクブランク用透明基板1の透過率測定データや識別番号は、インターフェース11に接続される入力装置から手動で入力するようにしてもよい。
送信部14は、情報蓄積部13に蓄積された透過率測定データ及び基板の識別番号を、通信回線40を介してマスクブランク製造部門のサーバ20に送る。送信する透過率測定データやその送り先は、マスクブランク用透明基板1の納品情報に含まれる基板の識別番号やサーバアドレスにもとづいて特定される。
受信部21は、素材・加工部門のサーバ10からマスクブランク用透明基板1の透過率測定データ及び基板の識別番号を受信して処理部23に送る。
インターフェース22は、光学特性測定装置200から入力される測定データ及び基板の識別番号をデータ変換して処理部23に送る。
光学特性測定装置200は、マスクブランク2に形成されている薄膜表面の複数箇所で透過率及び/又は位相差を測定し、これらの透過率測定データ及び/又は位相差測定データをインターフェース22に送る。また、本実施形態の光学特性測定装置200は、マスクブランク用透明基板1(マスクブランク2)に直接付与された識別番号を読み取ってインターフェース22に送る機能を備える。
なお、マスクブランク2の測定データや基板の識別番号は、インターフェース22に接続される入力装置から手動で入力するようにしてもよい。
情報蓄積部24に蓄積されるマスクブランク2の測定データには、測定点番号、測定点X座標(mm)、測定点Y座標(mm)、透過率(%)、位相差(度)などが含まれ、これらのデータにもとづいて、マスクブランク2面内の透過率ばらつきや位相差ばらつきを特定することができる。
送信部26は、情報蓄積部24に蓄積されたマスクブランク用透明基板1の透過率測定データ及び(必要に応じて)基板の識別番号、マスクブランク2の透過率測定データ及び/又は位相差測定データ及びマスクブランクの識別番号を、通信回線40を介してマスク製造部門のサーバ30に送る。送信する測定データやその送り先は、マスクブランク2の納品情報に含まれる識別番号やサーバアドレスにもとづいて特定される。
受信部31は、ブランクス製造部門のサーバ20からマスクブランク用透明基板1の透過率測定データ及び基板の識別番号、マスクブランク2の透過率測定データ及び/又は位相差測定データ及びマスクブランクの識別番号を受信して処理部34に送る。
第一のインターフェース32は、マスク製造装置301に接続されており、情報蓄積部35に蓄積された情報をデータ変換してマスク製造装置301の制御部311に送る。
第二のインターフェース33は、マスク検査装置302に接続されており、マスク検査装置302から入力されるマスク3の測定データ及びマスクの識別番号を変換して処理部34に送る。
図3は、マスクブランク用透明基板の製造方法を示す説明図、図4は、マスクブランクの製造方法を示す説明図、図5は、スパッタリング装置の概略図、図6は、スパッタリング装置の要部拡大図である。
(工程1−a)
まず、合成石英ガラスインゴットを作製し、これを所定寸法(例えば、152mm×152mm×6.5mm)に切り出して合成石英ガラス板を作製する。合成石英ガラス板の製造方法としては、例えば、特開平8−31723号公報や特開2003−81654号公報に記載された公知の方法を用いることができる。
つぎに、合成石英ガラス板に面取り加工を施し、合成石英ガラス板の両主表面を含む表面を、露光波長に対する透過率が測定できる程度鏡面になるように研磨する。
つぎに、研磨された合成石英ガラス基板の一主表面の複数箇所(例えば、9箇所)に重水素ランプ(波長193nm)を照射し、基板面内の透過率(透過率ばらつき)を測定する。なお、透過率の測定は、例えば、分光光度計(日立製作所社製U−4100)を用いて行い、検査光の入射光量と出射光量の差から算出することができる。
このとき、ArFエキシマレーザー露光用のマスクブランクに求められる光学特性(透過率)の面内ばらつきは、6.0%±0.2%であることから、薄膜の透過率ばらつきを考慮したガラス基板に求められる基板面内の透過率のばらつき(マスクブランク用ガラス基板の仕様)は、90%±2%と設定することができる。
なお、上述の合成石英ガラス基板の表面を所望の表面粗さに仕上げるために、再度、両主表面が含まれる表面を精密研磨してもよい。
また、基板面内の透過率の測定結果と合成石英ガラス基板の対応付けを可能にするために、ガラス基板の内部に基板の識別番号を付与する。例えば、特開2004−83377号公報等に記載されているような公知の手法を用いて、識別番号を付与することができる。
つぎに、合成石英ガラス基板と上述の測定結果を対応付けする。例えば、ガラス基板に直接識別番号を付与する場合においては、ガラス基板に付与された基板の識別番号と、測定結果が保存されているファイル名との関連付けを行う。また、ガラス基板に直接識別番号を付与しない場合は、後述するマスクブランク用透明基板が複数枚収納可能なガラス基板収納容器に、各ガラス基板に対応する基板の識別番号を付与し、測定結果が保存されているファイル名と関連付けを行っても良い。
この得られた合成石英ガラス基板は、公知のガラス基板収納容器(例えば、特開2003−264225号公報に記載のもの)に複数枚収納して、マスクブランクを製造するマスクブランク製造部門に提供する。
このとき、合成石英ガラス基板の基板面内の透過率ばらつきも、合成石英ガラス基板とともにブランクス製造部門に提供される。上記の基板面内の透過率ばらつきデータは、前述のように通信回線を介して、マスクブランク製造部門のサーバに提供しても良いし、マスクブランク製造部門側から素材・加工部門のサーバにアクセスしてデータを読み出しても良いし、ファクシミリや電子メールを利用してデータを提供してもよい。
なお、上述の説明では示さなかったが、適宜、洗浄工程を設けることもできる。
つぎに、素材・加工部門で製造されたマスクブランク用透明基板を、露光波長に対する透明基板面内の透過率ばらつきデータとともにブランクス製造部門に提供するマスクブランク用透明基板の提供方法について説明する。
(工程2−a)
素材・加工部門から提供された、上述の光学特性(基板面内の透過率ばらつきが90%±2%)が保証されたマスクブランク用ガラス基板を準備する。このガラス基板には、基板面内の透過率ばらつきデータと対応付けが可能な基板の識別番号が基板内部に付与されている。
ガラス基板1の選定は、選定手段25において、ガラス基板上に形成する薄膜の種類に適した透過率を有するものを検索することによって行う。
つぎに、ガラス基板の主表面上にマスクパターンとなる薄膜(ハーフトーン膜)をスパッタリング法により形成する。ハーフトーン膜の成膜は、面内の透過率ばらつき、面内の位相差ばらつきを抑えるために、以下の構成を有するスパッタリング装置で行うことが好ましい。
つぎに、光学特性測定装置200によってハーフトーン膜における光学特性を測定する。具体的には、ハーフトーン膜表面の9箇所に重水素ランプ(波長193nm)を照射し、面内の透過率(透過率ばらつき)及び面内の位相差(位相差ばらつき)を測定する。なお、透過率の測定は、分光計(日立製作所社製U−4100)を用いて行い、位相差の測定は、位相差測定機(レーザーテック社製MPM−193)を用いて行うことができる。
このとき、ArFエキシマレーザー露光用のマスクブランクに求められる光学特性(透過率、位相差)の面内ばらつきは、それぞれ、6.0%±0.2%、180°±3°であることから、これらの仕様に合っているか確認を行う。
つぎに、ハーフトーン膜付き基板と上述の測定結果を対応付けする。例えば、上述のガラス基板に付与された基板の識別番号を利用して、測定結果が保存されているファイル名との関連付けを行う。ガラス基板に付与された基板の識別番号を利用することにより、ガラス基板面内の透過率ばらつきの測定結果と対応付けをすることができる。または、ハーフトーン膜付きガラス基板に直接又は間接的にマスクブランクの識別番号を付与し、マスクブランクの識別番号とハーフトーン膜の透過率ばらつき、位相差ばらつきの測定結果と対応させ、ガラス基板の識別番号とマスクブランクの識別番号を対応させることで、ガラス基板面内の透過率ばらつきの測定結果を対応付けることができる。
ガラス基板面内の透過率ばらつきと、ハーフトーン膜の透過率、位相差ばらつきは、例えば、ガラス基板のコーナ部に形成されているノッチマークを基準に測定点の座標系を一致させると良い。
つぎに、ハーフトーン膜表面にレジスト膜を塗布形成した後、加熱処理してレジスト膜を形成し、マスクブランク(ハーフトーン型位相シフトマスクブランク)を得る。
この得られたマスクブランクは、公知のブランクス収納容器(例えば、特公平1−39653号公報等に記載のもの)に複数枚収納して、マスクを製造するマスク製造部門に提供する。
このとき、マスクブランクの面内の透過率ばらつきや位相差ばらつきも、マスクブランクとともにマスク製造部門に提供される。また、ガラス基板面内の透過率ばらつきデータも一緒にマスク製造部門に提供する。これらのデータは、前述のように通信回線を介して、マスク製造部門のサーバに提供しても良いし、マスク製造部門側からマスクブランク製造部門のサーバにアクセスしてデータを読み出しても良いし、ファクシミリや電子メールを利用してデータを提供してもよい。
なお、ブランクス収納容器に収納されているマスクブランクと、測定データと対応付けするために、ガラス基板上にマスクパターンとなる薄膜を形成した後、上述のハーフトーン膜や遮光膜、レジスト膜に対してレーザー光を照射して、マスクブランクを個々に特定可能なマスクブランクの識別番号を付与しても良い。
つぎに、マスクブランク製造部門で製造されたマスクブランクを、露光波長に対するマスクブランク面内の透過率ばらつきデータ等とともにマスク製造部門に提供するマスクブランクの提供方法について説明する。
また、透明基板の材料としては、合成石英ガラスに限らず、弗素ドープ合成石英ガラス、弗化カルシウム等を用いることができる。
図7は、マスクの製造方法を示す説明図である。
(工程3−a)
上述の光学特性(基板面内の透過率ばらつきが90%±2%)が保証されたマスクブランク用ガラス基板上に、薄膜面内の透過率ばらつきが6.0%±0.2%、薄膜面内の位相差ばらつきが180°±3°と光学ばらつきが保証されたハーフトーン膜とレジスト膜が形成されたマスクブランクを準備する。
つぎに、マスク製造装置301によって、マスクブランクにおけるレジスト膜に所定のパターンを描画・現像処理し、レジストパターンを形成する。なお、このとき、ガラス基板の基板面内の透過率ばらつき、マスクブランクの薄膜面内の透過率ばらつき、位相差ばらつき等のデータからガラス基板上に形成するマスクパターンの形成位置や配置を決定した後、描画・現像処理することもできるし、マスクパターンを設計する段階で被転写体に対する転写パターンが所望のパターン形状となるように、マスクパターンデータを補正した後、描画・現像処理することもできる。
つぎに、上記レジストパターンをマスクにして、ハーフトーン膜をドライエッチングし、ハーフトーン膜パターンを形成する。
最後に、レジストパターンを除去して、ガラス基板上にハーフトーン膜パターンが形成されたマスクを得る。
この得られたマスクにペリクルを装着し、公知のマスク収納容器に収納して、半導体デバイスを製造するデバイス製造部門に提供する。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明に係るマスクブランク用透明基板の製造方法、マスクブランク用透明基板の提供方法、マスクブランクの製造方法、マスクブランクの提供方法及びマスクの製造方法を具体的に説明する。
4塩化珪素+水素+酸素の燃焼により作製した合成石英ガラスインゴットから、約152mm×152mm×6.5mmに切り出して、合成石英ガラス板100枚を作製した。
つぎに、合成石英ガラス板に面取り加工を施し、合成石英ガラス板の両主表面を含む表面を、露光波長に対する透過率が測定できるように表面粗さRa(算術平均表面粗さ)が0.5nm以下となるように研磨した。
また、後述する基板面内の透過率の測定データと合成石英ガラス基板の対応付けを可能にするために、ガラス基板の内部に公知の手法を用いて基板の識別番号を付与した。
この100枚の合成石英ガラス基板の基板面の透過率の測定データを、上述のガラス基板の識別番号を対応付けてパソコン等の情報蓄積手段に保存した。
100枚の合成石英ガラス基板面内の透過率ばらつきは、90%±2%であった。これはブランクス製造部門から指示された仕様を満足するものであった。
この得られた合成石英ガラス基板は、公知のガラス基板収納容器に5枚ずつ収納した。
測定データが保存されたファイルは、通信回線を利用してマスクブランク製造部門内のサーバに提供した。マスクブランク製造部門のサーバには、素材・加工部門から送信されたファイルが保存される。
マスクブランク製造部門は、ガラス基板収納容器に収納されたガラス基板の識別番号を利用して、送信されてきたファイル名と対応付けられた基板面内の透過率ばらつきデータを確認することができる。
具体的には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合ターゲット(Mo:Si=8:92mol%)を用い、アルゴン(Ar)と窒素(N2)との混合ガス雰囲気(Ar:N2=10%:90%、圧力:0.1Pa)で、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、合成石英ガラス基板上に窒化されたモリブデン及びシリコン(MoSiN)のハーフトーン膜(膜厚約67nm)を形成した。なお、ハーフトーン膜の膜組成は、Mo:Si:N=7:45:48である。
つぎに、ハーフトーン膜にレーザー光を照射して各ハーフトーン膜付き基板を個々に識別するためのマスクブランクの識別番号を付与した。この識別番号を利用して、上述の測定結果が保存されているファイル名との関連付けを行った。なお、同時にガラス基板に付与された基板の識別番号を利用して、ガラス基板面内の透過率ばらつきの測定結果と対応付けもあわせて行った。
この100枚のマスクブランクのハーフトーン膜面内の透過率、位相差の測定データを、上述のマスクブランクの識別番号と対応付けてサーバに保存した。
100枚のマスクブランクのハーフトーン膜面内の透過率ばらつきは、6.0%±0.2%、ハーフトーン膜面内の位相差ばらつきは、180°±3°であった。これはマスク製造部門から指示された仕様を満足するものであった。
この得られたハーフトーン型位相シフトマスクブランクは、公知のブランクス収納容器に5枚ずつ収納した。
測定データが保存されたファイルは、通信回線を利用してマスク製造部門のサーバに提供した。マスク製造部門のサーバには、マスクブランク製造部門から送信されたファイルが保存される。
マスク製造部門は、ブランクス収納容器に収納されたマスクブランクの識別番号を利用して、送信されてきたファイル名と対応付けられたハーフトーン膜面内の透過率ばらつき、ハーフトーン膜面内の位相差ばらつきのデータを確認することができる。
つぎに、レジスト膜に所定のパターンを描画・現像処理し、レジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクにして、酸素系ガスと弗素系ガスの混合ガス雰囲気によるドライエッチングによりハーフトーン膜パターンを形成した。
最後にハーフトーン膜パターン上に形成しているレジスト膜を除去し、ペリクルを装着してマスクを作製した。
精密研磨前における合成石英ガラス板の透過率がある所定以上に保証されたガラス板の表面を精密研磨し、152.4mm×152.4mm×6.35mmの合成石英ガラス基板を用意した。
つぎに、実施例1と同様に、上述のスパッタリング装置を用い、ArFエキシマレーザー露光用ハーフトーン型位相シフトマスクブランクを100枚作製した。
仕様から外れた6枚について、合成石英ガラス基板からハーフトーン膜を剥がした後、再研磨して合成石英ガラス基板の基板面内の透過率ばらつきを測定したところ、レンジで90%±10%と透過率がばらついていたことが確認された。
2 マスクブランク
3 マスク
10 素材・加工部門のサーバ
13 情報蓄積部
20 マスクブランク製造部門のサーバ
24 情報蓄積部
25 選定部
30 マスク製造部門のサーバ
35 情報蓄積部
40 通信回線
Claims (11)
- 基板面内の複数個所における露光波長に対する透過率が保証されたマスクブランク用透明基板を準備する工程と、
前記マスクブランク用透明基板上にマスクパターンとなる薄膜を形成する工程と、
を備えることを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 前記マスクブランク用透明基板の基板面内の複数個所における露光波長に対する透過率に基づいて、当該基板に形成する薄膜の選定を行う請求項1に記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記薄膜に対して露光波長を含む波長の光を照射してマスクブランクの光学特性情報を取得する工程と、
前記マスクブランクと、該マスクブランクの光学特性情報との対応関係を保存し、前記マスクブランクの光学特性を保証するデータを作成する工程と、
を備える請求項1又は2に記載のマスクブランクの製造方法。 - 前記マスクブランクの光学特性情報は、薄膜面内の複数個所における露光波長に対する光学特性である請求項3に記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記光学特性は、透過率及び/又は位相差を含む請求項4に記載のマスクブランクの製造方法。
- 基板面内の複数個所における露光波長に対する透過率が保証されたマスクブランク用透明基板上に形成された薄膜を有するマスクブランクを準備する工程と、
前記薄膜をパターニングして前記透明基板上にマスクパターンを形成する工程と、
を備えることを特徴とするマスクの製造方法。 - 前記マスクブランク用透明基板の基板面内の複数個所における露光波長に対する透過率に基づいて、前記透明基板上に形成されるマスクパターンデータの補正又はマスクパターンの形成位置の決定を行う請求項6に記載のマスクの製造方法。
- 前記マスクブランクを準備する工程において、前記マスクブランクは、薄膜面内の複数個所における露光波長に対する光学特性が保証されている請求項6又は7に記載のマスクの製造方法。
- 前記マスクブランクの薄膜面内の複数個所における露光波長に対する光学特性に基づいて、前記透明基板上に形成されるマスクパターンデータの補正又はマスクパターンの形成位置の決定を行う請求項8に記載のマスクの製造方法。
- 前記光学特性は、透過率及び/又は位相差を含む請求項9に記載のマスクの製造方法。
- 前記マスクブランク用透明基板の基板面内の複数個所における露光波長に対する透過率、及び/又は前記マスクブランクの薄膜面内の複数個所における露光波長に対する光学特性に基づいて、半導体を製造するデバイス製造部門に対して、マスクの光学特性を保証する請求項6〜10のいずれかに記載のマスクの製造方法。
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