JP4519672B2 - 雌雄ネジ機構及びネジ回し - Google Patents

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Description

本発明は、加工部材接合の用に供される雌雄ネジ機構及びネジ回しに関し、特に、加工部材に空けられた雌ネジ穴に、対応する無刻印皿頭雄ネジを短時間且つ高締結トルクで螺合締結可能とする雌雄ネジ機構及びこれに適用されるネジ回しに関する。
従来より、ネジは、任意の機器の構造部材を接合する手段として広く利用されている。ネジを締め付けるための手法としては、ネジ頭の頂端面に、プラス(+)形状の「十字穴」やマイナス(−)形状の「すり割り」などの刻印を形成し、この刻印に、対応する穂先形状をもつネジ回しを当て嵌めることにより、ネジに回転トルクを与えるものが一般的である。
しかしながら、構造部材に締め付けられたネジは、上記刻印に対応した穂先形状をもつネジ回しがあれば、容易に緩めることが可能である。こうした特質は、一旦、正規の工程で締め付けられたネジが第三者によって緩められると不都合を生じる場合、例えば、ネジの締付け操作が適正に行われていることを機器の動作条件とする場合などにおいては、極めて不適切である。
このため、従来、十字穴やすり割りなど一般的な形状からなる刻印の使用を避け、ネジ頭の頂部に特殊な形状の刻印を設けたネジも利用されている。しかし、その特殊刻印の形状に対応した穂先形状をもつネジ回しを持つ者がいれば、そのネジが緩められる可能性は依然として存在するため、刻印形状の工夫だけでは、いたずら等によるネジ緩め操作を完全に防止することは不可能といえる。
こうした問題に応えるため、例えば、下記の非特許文献1に開示の「無刻印皿頭雄ネジ及び圧電ネジ回し」が提案されている。
Hiroshi Kawano,Hideyuki Ando,"Study of a Recessless Screw and a Piezo Electric Screwdriver",Proceedings of 2004 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems,pp.903−907,September,2004
この提案技術によれば、圧電ネジ回しの摩擦力発生層と、雌ネジ穴内にある程度挿入された無刻印皿頭雄ネジのネジ頭とを接触させつつ、圧電ネジ回しの各圧電層を各々所定の方向に振動させると、摩擦力発生層とネジ頭の頂端面との間に摩擦力が誘起され、この摩擦力が、圧電ネジ回し側で生起された回転トルクを締結トルクとしてネジ頭に伝達することにより、無刻印皿頭雄ネジが雌ネジ穴に螺合締結される。
無刻印皿頭雄ネジの雌ネジ穴への螺入が進んで、そのネジ胴体先端部が雌ネジ穴奥部に達するようになると、噛み合うネジ山同士の数が増えてくるため、かかる螺入を更に進めるには、かなりの高締結トルクを必要とする。
無刻印皿頭雄ネジは、元来、そのネジ頭が小径であるため回転トルクが伝わり難く、所要の回転トルクが無刻印皿頭雄ネジに確実に伝わるようにするためには、極めて高い予圧にてネジ回しを無刻印皿頭雄ネジのネジ頭に押し当てる必要がある。しかしながら、そのようにすると、加工部材のネジ締結部位や無刻印皿頭雄ネジのネジ頭が高い押圧に耐え切れずに壊れてしまい、また上記提案技術を採用すると、圧電ネジ回しを構成する各圧電層が高い押圧反力を受けることで振動を止めてしまう支障が生じる。そのため、同提案技術を採用して無刻印皿頭雄ネジを雌ネジ穴に螺合締結しようとすると、高い予圧力が掛けられず、無刻印皿頭雄ネジの雌ネジ穴への螺入が進むにつれ、回転トルク伝達が次第に難しくなることに伴い、かかる予圧の低さ等に起因して前記頂端面と圧電ネジ回しの摩擦力発生層との間に「すべり」が発生し、これらの間で強い摩擦力を確保することが困難となってくることから、その螺合締結に適した高締結トルクが得られないことが多い。
ところで、本件出願人は、美観や取扱性に優れ、第三者による緩め操作防止を可能とする「ネジ」を、出願番号「特願2004−173020」の特許出願にて提案している。
この特許出願によれば、ネジ本体の頂冠部の頂端面(無刻印の平面)と接着固化層の介層接着にて機構的に連結された基端面を有するトルク印加手段(例えば、刻印付のネジ頭部材)を操作することで、ネジ本体を対応する雌ネジ穴に螺合締結させた後、美観性を得るなどの理由により、所定の熱処理にて接着固化層を頂冠部の頂端面とトルク印加手段の基端面との両面から剥離させてトルク印加手段を除去することで、頂冠部の頂端面を露出させる。
しかしながら、上記特許出願によれば、ネジ本体を雌ネジ穴に螺合締結するのに必要な高締結トルクが得られるものの、美観性を得るなどを目的としてネジ本体の頂冠部の頂端面を露出させるのには、トルク印加手段の除去が必須であり、ネジ本体を雌ネジ穴に螺合締結するという本来ならば短時間で済む単純な作業を目的とするにも拘わらず、その作業を終えるまでに長い時間が費やされてしまう。
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は、次のとおりである。
即ち、本発明の第1の目的は、加工部材に空けられた雌ネジ穴に、対応する無刻印皿頭雄ネジを短時間且つ高締結トルクで螺合締結可能とする雌雄ネジ機構及びこれに適用されるネジ回しを提供せんとするものである。
本発明の第2の目的は、簡単な構成及び操作手順にて、加工部材に空けられた雌ネジ穴に、対応する無刻印皿頭雄ネジを螺合締結可能とする雌雄ネジ機構及びこれに適用されるネジ回しを提供せんとするものである。
本発明の第3の目的は、美観性に優れ、第三者による緩め操作防止を可能とする雌雄ネジ機構及びこれに適用されるネジ回しを提供せんとするものである。
本発明の他の目的は、明細書、図面、特に特許請求の範囲の各請求項の記載から、自ずと明らかとなろう。
本発明雌雄ネジ機構においては、加工部材に空けられた雌ネジ穴を形成する開口受座面に複数の溝を設けると共に、無刻印皿頭雄ネジを構成するネジ頭のネジ座面に、当該開口受座面におけるよりも溝数の多い複数の溝を設ける、という特徴的構成手段を講じる。
また、本発明ネジ回しにおいては、把持部材と、雌ネジ穴に螺合締結される無刻印皿頭雄ネジのネジ頭にその接触端面で接触押圧しつつ回転可能なネジ頭接触作用部材と、を含むネジ回しであって、前記雌ネジ穴を形成する開口受座面に複数の溝を設けると共に、前記ネジ頭のネジ座面に、当該開口受座面におけるよりも溝数の多い複数の溝を設ける、という特徴的構成手段を講じる。
さらに、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する上位概念から下位概念に亙る新規な特徴的構成手段を採用することにより、前記目的を達成するよう為される。
即ち、本発明雌雄ネジ機構の第1の特徴は、加工部材に空けられた雌ネジ穴に、対応する無刻印皿頭雄ネジを螺合締結することで加工部材間の接合を達成する雌雄ネジ機構であって、前記雌ネジ穴を形成する開口受座面に、複数の溝が外口周端縁に向けて延設されており、前記無刻印皿頭雄ネジが、滑らかな頂端面と、前記開口受座面におけるよりも溝数の多い複数の溝が頂端面外周縁に向けて延設されたネジ座面と、を有するネジ頭と、外周面長手方向に亙り螺刻されたネジ胴体と、を具備してなる、雌雄ネジ機構の構成採用にある。
本発明雌雄ネジ機構の第2の特徴は、上記本発明雌雄ネジ機構の第1の特徴における前記雌ネジ穴を形成する前記開口受座面及び前記ネジ頭の前記ネジ座面が、それぞれ、前記ネジ胴体の一部が前記雌ネジ穴内に螺入された前記無刻印皿頭雄ネジが、前記ネジ座面の一部を前記開口受座面の一部に接触させつつ前記雌ネジ穴の軸線方向について傾斜回転可能となる、テーパ面を有するように成形されてなる、雌雄ネジ機構の構成採用にある。
本発明雌雄ネジ機構の第3の特徴は、上記本発明雌雄ネジ機構の第1又は第2の特徴における前記ネジ頭の前記ネジ座面における溝数が、前記雌ネジ穴を形成する前記開口受座面における溝数よりも1本多く採られてなる、雌雄ネジ機構の構成採用にある。
本発明雌雄ネジ機構の第4の特徴は、上記本発明雌雄ネジ機構の第1、第2又は第3の特徴における前記ネジ頭の前記ネジ座面及び前記雌ネジ穴を形成する前記開口受座面における前記溝が、V溝である、雌雄ネジ機構の構成採用にある。
本発明雌雄ネジ機構の第5の特徴は、上記本発明雌雄ネジ機構の第1、第2、第3又は第4の特徴における前記ネジ胴体が、その先端部に向けて漸次細くなるように成形されてなる、雌雄ネジ機構の構成採用にある。
一方、本発明ネジ回しの第1の特徴は、上記本発明雌雄ネジ機構の第1、第2、第3、第4又は第5の特徴における前記開口受座面に複数の前記溝を延設して加工部材に空ける前記雌ネジ穴に、滑らかな前記頂端面と、複数の前記溝を延設した前記ネジ座面とを形成する前記ネジ頭を有する前記無刻印皿頭雄ネジを螺合締結するのに用いるネジ回しであって、把持部材と、前記無刻印皿頭雄ネジの前記ネジ頭頂端面に直接接触押圧する接触端面を形成し且つ当該無刻印皿頭雄ネジをその螺合方向に従動回転可能に作用するネジ頭接触作用部材と、を備えてなる、ネジ回しの構成採用にある。
本発明ネジ回しの第2の特徴は、上記本発明ネジ回しの第1の特徴における前記ネジ頭接触作用部材の前記接触端面が、前記ネジ胴体の一部が前記雌ネジ穴内に螺入された前記無刻印皿頭雄ネジが、前記ネジ頭の前記ネジ座面の一部を当該雌ネジ穴を形成する前記開口受座面の一部に接触させつつ当該雌ネジ穴の軸線方向について傾斜回転するときに、前記ネジ頭の前記頂端面が当該軸線方向に直交する平面となす角度と同程度の傾斜角の傾斜面を、有するように成形されてなる、ネジ回しの構成採用にある。
本発明ネジ回しの第3の特徴は、上記本発明ネジ回しの第1又は第2の特徴における前記把持部材が、回転トルク発生源としてアクチュエータを内蔵してなる、ネジ回しの構成採用にある。
本発明によれば、前記無刻印皿頭雄ネジの前記雌ネジ穴への螺入が進んで、前記ネジ頭の前記ネジ座面が当該雌ネジ穴を形成する前記開口受座面に接触するようになると、当該ネジ座面の放射溝数が当該開口受座面の放射溝数よりも多いことから、当該ネジ座面に設けられた複数の前記放射溝のうち、一部が当該開口受座面に設けられた一部の前記放射溝と噛み合う一方、別の一部が当該開口受座面の前記放射溝と噛み合えずに浮く。これにより、前記ネジ頭の前記頂端面が、前記雌ネジ穴の軸線方向に垂直な平面、即ち、加工部材の雌ネジ穴形成面に対して傾くこととなる。
このような状態になると、前記ネジ回しの前記把持部材に所要の荷重を掛けて、前記ネジ頭接触作用部材の前記接触端面を前記ネジ頭の前記頂端面に接触押圧させれば、前記ネジ回し側で生起された回転トルクに由来する回転力が、前記ネジ頭の前記頂端面に沿ってではなく、同面に斜めから直接直角印加されるようになるから、当該頂端面と前記ネジ頭接触作用部材の前記接触端面との間にて「すべり」が発生しても、それに何ら影響されることなく、前記回転トルクが前記ネジ頭へ直ちに伝達される。
従って、本発明によれば、前記ネジ回し側にて所望の回転トルクを発生させれば必ず高締結トルクが得られて、前記無刻印皿頭雄ネジを対応する前記雌ネジ穴に短時間で螺合締結することが可能となる。また、それを可能とするには、上述の簡単な構成及び単純な作業手順を採用するだけで良い。
また、本発明によれば、そもそも前記無刻印皿頭雄ネジを採用していることから、美観性に優れると共に、加工部材の雌ネジ穴形成部位を壊すなどしない限り、前記雌ネジ穴に螺合締結された前記無刻印皿頭雄ネジを緩めたり、取り外したりすることが不可能であり、第三者による緩め操作を確実に防止する。
以下、本発明の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ、雌雄ネジ機構例及びこれに適用されるネジ回し例を挙げて詳細に説明する。
(雌雄ネジ機構例)
図1は、本発明の実施形態に係る雌雄ネジ機構例の構成図であり、特に、同図(a)は、同雌雄ネジ機構を構成する無刻印皿頭雄ネジの側面図且つ対応する雌ネジ穴の縦断面図、同図(b)は、同雌ネジ穴をその開口受座面側から見た外観図、同図(c)は、同無刻印皿頭雄ネジの有するネジ頭をその頂端面側から見た外観図、同図(d)は、同ネジ頭をそのネジ座面側から見た外観図、及び同図(e)は、同ネジ座面の一部拡大図である。
同図に示した本実施形態例に係る雌雄ネジ機構αは、加工部材Aに空けられた例えば盲内端の雌ネジ穴1に、対応する無刻印皿頭雄ネジ2を螺合締結することで加工部材接合を達成する機構である。
加工部材Aに空けられた雌ネジ穴1は、その内周面全長に亙り螺刻されたネジ胴体収容部11と、ネジ胴体収容部11とその受皿形開口部にて連接・一体化された開口受座面12とに囲まれた、無刻印皿頭雄ネジ2と螺合締結するための空間である。
雌ネジ穴1を形成する開口受座面12は、その外口周端縁に向けて拡径勾配となる傾斜角を有する側面円錐台状に成形されており、この開口受座面12に、複数のV溝13(図1(b)では、47本)がその外口周端縁に向けて放射直線状に延びるように彫り込まれている。
なお、前述の効果を達成するには、そのようなV溝13の代わりに、開口受座面12の外口周端縁に向けて延設された(例えば、同外口周端縁に向けて蛇行状に延びる)如何なる溝も採用可能であるものの、製造工程の簡素化等に鑑みると、V溝13のような簡単な形状が望ましかろう。以降の説明についても同様である。
一方、雌ネジ穴1に螺合締結される無刻印皿頭雄ネジ2は、主に、ネジ胴体収容部11におけるネジ山の数や間隔等に対応するようにその外周面全長に亙り螺刻されたネジ胴体21と、ネジ胴体21一端と連接・一体化された皿状ネジ頭22とで構成されている。
無刻印皿頭雄ネジ2を構成する皿状ネジ頭22は、滑らかな頂端面23と、雌ネジ穴1を形成する開口受座面12におけるのと同程度の傾斜角に採られることにより、その頂端面外周縁側に向けて拡径勾配となった側面円錐台皿状のネジ座面24とを有する。そして、このネジ座面24に、開口受座面12におけるよりも溝数が1本多い複数のV溝25(図1(d)では、48本)をその頂端面外周縁に向けて放射直線状に延びるように彫り込んである。なお、図1(e)は、図1(d)における点線部分内を拡大図示している。
ここで、雌ネジ穴1を形成する開口受座面12と、ネジ頭22のネジ座面24との各面における傾斜角は、それぞれ、ネジ胴体21の一部が雌ネジ穴2内に螺入された無刻印皿頭雄ネジ2が、ネジ座面24の一部を開口受座面12の一部に接触させつつ雌ネジ穴1の軸線方向(図2(b)中の一点鎖線)について傾斜回転可能となる、数値に設定されている。雌ネジ穴1のネジ穴径及びネジ胴体11のネジ径に関する各数値設定についても同様である。
なお、ネジ胴体21の一部が雌ネジ穴2内に螺入された無刻印皿頭雄ネジ2が雌ネジ穴1の軸線方向について円滑に傾斜回転し得るように、ネジ胴体21をその先端部に向けて漸次細くなるように成形しても良い。
また、前述の効果を達成するには、ネジ頭22のネジ座面24における溝数が、雌ネジ穴1を形成する開口受座面12における溝数よりも多ければ良いが、製造工程の簡素化等に鑑みると、両者の差がなるべく小さい方(例えば、1本)が望ましかろう。なお、同効果を達成する範囲内において、開口受座面12及びネジ座面24の各面における溝数を任意に採れることは言うまでもない。
(ネジ回し例)
次に、図2を参照しつつ、以上のように構成された雌雄ネジ機構αに適用されるネジ回しβにつき説明する。
図2(a)〜(c)は、同ネジ回しβの概略構成図且つこれを用いるネジ螺合締結作業の手順を示す工程図である。
同図に示したネジ回しβは、加工部材Aに空けられた雌ネジ穴1に、対応する無刻印皿頭雄ネジ2を螺合締結することで加工部材接合を達成するために、把持部材3と、無刻印皿頭雄ネジ2のネジ頭22に接触端面41を接触押圧させつつ無刻印皿頭雄ネジ2をその螺合方向に従動回転可能とするように、回転シャフト5を介して把持部材3に回転可能に一体連結されたネジ頭接触作用部材4とで構成されている。
ネジ回しβを構成する把持部材3内には、無刻印皿頭雄ネジ2を雌ネジ穴1に螺合締結する際に利用する回転トルクの発生源として、一般的な操作(例えば、スイッチ操作等)にて作動・停止の切換を行う汎用のアクチュエータ(不図示)が内蔵されている。
なお、把持部材3は、そのような構成を採用する代わりに、利用者の手動操作にて所望の回転トルクを発生させる機構的形態を有することとしてもよい。
ネジ回しβを構成するネジ頭接触作用部材4の接触端面41は、上述した傾斜回転が行われるときに、ネジ頭22の頂端面23が雌ネジ穴1の軸線方向に直交する平面、即ち、加工部材Aの雌ネジ穴形成面となす角度と同程度の傾斜角を有する傾斜面に成形されている。
以上のように構成されたネジ回しβを用いると、雌雄ネジ機構αにおけるネジ螺合締結作業が以下の手順にて行われる。
先ず、図2(a)に示す状態にある雌雄ネジ機構αにおいて、ネジ頭22のネジ座面24が雌ネジ穴1を形成する開口受座面12に接触するようになるまで、既存のネジ回し(例えば、非特許文献1に開示の圧電ネジ回し等)を用いて、無刻印皿頭雄ネジ2の雌ネジ穴1への螺入を進める。このようにする方が、ネジ回しβを用いる場合よりも、作業が効率良く進む。
なお、互いに異なる傾斜角(「0°」を含む)が付与された接触端面41を有する複数のネジ頭接触作用部材4を回転シャフト5に取付・取外可能とし、これらを状況に応じて使い分けることとすれば、一連のネジ螺合締結作業が1つのネジ回しで事足りる。
図2(b)に示すように、無刻印皿頭雄ネジ2の雌ネジ穴1への螺入が進んで、無刻印皿頭雄ネジ2を構成するネジ頭22のネジ座面24が雌ネジ穴1を形成する開口受座面12に接触するようになると、ネジ座面24の溝数が開口受座面12の溝数よりも1本多いので、ネジ座面24に設けられた複数のV溝25のうち、一部が開口受座面12に設けられた一部のV溝13と噛み合う一方、別の一部が開口受座面12のV溝13と噛み合えずに浮く。これにより、ネジ頭22の頂端面23が、雌ネジ穴1の軸線方向に垂直な平面、即ち、加工部材Aの雌ネジ穴形成面に対して傾くこととなる。
このような状態になったら、これまで用いてきた既存のネジ回しをネジ回しβに交換し、その把持部材3に所要の荷重を掛けてネジ頭接触作用部材4の接触端面41をネジ頭22の頂端面23に接触押圧させつつ、ネジ回しβ側にて回転トルクを生起させる。
このようにすれば、ネジ回しβ側で生起された回転トルクに由来する回転力が、ネジ頭22の頂端面23に沿ってではなく、同面23に斜めから直接直角印加されるようになるから、頂端面23とネジ頭接触作用部材4の接触端面41との間にて「すべり」が発生したとしても、それに何ら影響されることなく、その回転トルクがネジ頭22へ直ちに伝達される。また、このとき、雌ネジ穴1を形成する開口受座面12における一部のV溝13と、ネジ頭22のネジ座面24における一部のV溝25とが互いに噛み合うので、これらが従来の刻印と同等に働くことで、回転トルクをネジ頭22に伝達する一助となっている。
これにより、ネジ胴体21の一部が雌ネジ穴2内に螺入された無刻印皿頭雄ネジ2が、ネジ座面24の一部を開口受座面12の一部に接触させつつ雌ネジ穴1の軸線方向について傾斜回転することとなり、無刻印皿頭雄ネジ2の雌ネジ穴1への更なる螺入を進めることが可能となる。
従って、ネジ回しβ側にて所望の回転トルクを発生させれば必ず高締結トルクが得られ、図2(c)に示すように、無刻印皿頭雄ネジ2を雌ネジ穴1に短時間で螺合締結することが可能となる。また、それを可能とするには、以上説明した簡単な構成及び単純な作業手順を採用するだけで良い。
また、そもそも無刻印皿頭雄ネジ2を採用していることから、美観性に優れると共に、加工部材Aの雌ネジ穴形成部位を壊すなどしない限り、雌ネジ穴1に螺合締結された無刻印皿頭雄ネジ2を緩めたり、取り外したりすることが不可能であることから、第三者による緩め操作を確実に防止する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段にのみ限定されるものではなく、前述した効果を有する範囲内において、適宜、変更実施することが可能なものである。
本発明の実施形態に係る雌雄ネジ機構例の構成図であり、特に、同図(a)は、同雌雄ネジ機構を構成する無刻印皿頭雄ネジの側面図且つ対応する雌ネジ穴の縦断面図、同図(b)は、同雌ネジ穴をその開口受座面側から見た外観図、同図(c)は、同無刻印皿頭雄ネジの有するネジ頭をその頂端面側から見た外観図、同図(d)は、同ネジ頭をそのネジ座面側から見た外観図、及び同図(e)は、同ネジ座面の一部拡大図である。 (a)〜(c)は、図1の雌雄ネジ機構に適用されるネジ回しの概略構成図且つこれを用いるネジ螺合締結作業の手順を示す工程図である。
符号の説明
α・・・雌雄ネジ機構
β・・・ネジ回し
1・・・雌ネジ穴
11・・・ネジ胴体収容部
12・・・開口受座面
13,25・・・V溝
2・・・無刻印皿頭雄ネジ
21・・・ネジ胴体
22・・・ネジ頭
23・・・頂端面
24・・・ネジ座面
3・・・把持部材
4・・・ネジ頭接触作用部材
41・・・接触端面
5・・・回転シャフト
A・・・加工部材

Claims (8)

  1. 加工部材に空けられた雌ネジ穴に、対応する無刻印皿頭雄ネジを螺合締結することで加工部材間の接合を達成する雌雄ネジ機構であって、
    前記雌ネジ穴を形成する開口受座面に、
    複数の溝が外口周端縁に向けて延設されており、
    前記無刻印皿頭雄ネジは、
    滑らかな頂端面と、前記開口受座面におけるよりも溝数の多い複数の溝が頂端面外周縁に向けて延設されたネジ座面と、を有するネジ頭と、
    外周面長手方向に亙り螺刻されたネジ胴体と、
    を具備
    前記ネジ頭の前記ネジ座面における溝数は、
    前記雌ネジ穴を形成する前記開口受座面における溝数よりも1本多く採られている、
    ことを特徴とする雌雄ネジ機構。
  2. 前記雌ネジ穴を形成する前記開口受座面及び前記ネジ頭の前記ネジ座面は、それぞれ、
    前記ネジ胴体の一部が前記雌ネジ穴内に螺入された前記無刻印皿頭雄ネジが、前記ネジ座面の一部を前記開口受座面の一部に接触させつつ前記雌ネジ穴の軸線方向について傾斜回転可能となる、
    外口周端縁に向けて拡径勾配となる傾斜角を有する側面円錐台状の面を有するように成形されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の雌雄ネジ機構。
  3. 加工部材に空けられた雌ネジ穴に、対応する無刻印皿頭雄ネジを螺合締結することで加工部材間の接合を達成する雌雄ネジ機構であって、
    前記雌ネジ穴を形成する開口受座面に、
    複数の溝が隣接して外口周端縁に向けて延設されており、
    前記無刻印皿頭雄ネジは、
    滑らかな頂端面と、前記開口受座面におけるよりも溝数の多い複数の溝が隣接して頂端面外周縁に向けて延設されたネジ座面と、を有するネジ頭と、
    外周面長手方向に亙り螺刻されたネジ胴体と、
    を具備し
    前記雌ネジ穴に前記無刻印皿頭雄ネジを螺合締結したときに、前記雌ネジ穴の前記開口受座面に設けられた前記溝の一部と前記無刻印皿頭雄ネジの前記ネジ座面にもうけられた前記溝の一部とが嵌合し、他の前記溝と非嵌合である
    ことを特徴とする雌雄ネジ機構。
  4. 前記ネジ頭の前記ネジ座面及び前記雌ネジ穴を形成する前記開口受座面における前記溝は、
    V溝である、
    ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の雌雄ネジ機構。
  5. 前記ネジ胴体は、
    その先端部に向けて漸次細くなるように成形されている、
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の雌雄ネジ機構。
  6. 前記請求項1、2、3、4又は5に記載の雌雄ネジ機構における前記開口受座面に複数の前記溝を延設して加工部材に空ける前記雌ネジ穴に、滑らかな前記頂端面と、複数の前記溝を延設した前記ネジ座面とを形成する前記ネジ頭を有する前記無刻印皿頭雄ネジを螺合締結するのに用いるネジ回しであって、
    把持部材と、
    前記無刻印皿頭雄ネジの前記ネジ頭頂端面に直接接触押圧する接触端面を形成し且つ当該無刻印皿頭雄ネジをその螺合方向に従動回転可能に作用するネジ頭接触作用部材と、
    を備える、
    ことを特徴とするネジ回し。
  7. 前記ネジ頭接触作用部材の前記接触端面は、
    前記ネジ胴体の一部が前記雌ネジ穴内に螺入された前記無刻印皿頭雄ネジが、前記ネジ頭の前記ネジ座面の一部を当該雌ネジ穴を形成する前記開口受座面の一部に接触させつつ当該雌ネジ穴の軸線方向について傾斜回転するときに、前記ネジ頭の前記頂端面が当該軸線方向に直交する平面となす角度と同程度の傾斜角の傾斜面を、
    有するように成形されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載のネジ回し。
  8. 前記把持部材は、
    回転トルク発生源としてアクチュエータを内蔵する、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載のネジ回し。
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