JPH11182519A - 自転車用締結ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 締結ユニットが自転車用パ−ツを締結した締
結状態を不正に解除する不正操作を防止する。 【解決手段】 ボルト１のねじ棒１ａにねじ込まれた防
犯ナット２を、ねじ孔３を有するナット本体２ａと、こ
のナット本体２ａの回りを覆うキャップ体２ｂとに分割
し、ナット本体２ａの外周面５にはこのナット専用の特
定のナット回し工具の爪部に係合する適数個の爪受け部
７を形成し、ナット専用のナット回し工具によってのみ
ナット本体２ａを緩めるナット回し操作が可能となるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は自転車のフレ−ム
に前輪，後輪，サドル用シ−トポスト等の自転車パ−ツ
を締結するときに用いられる自転車用締結ユニットに関
する。

【０００２】

【従来の技術】自転車の前輪，後輪，サドル用シ−トポ
スト等の自転車パ−ツは、ボルトとこのボルトの一端若
しくは両端に螺嵌された六角ナット等のナットとによっ
て自転車のフレ−ムに締結される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の自転車パ−ツの
締結機構では、ナットの形状がスパナやクイックレリ−
ズ等の一般的な回し工具を使用してナットを簡単に締付
けたり、緩めたりすることができる形状となっているの
で、ナットを一般的な工具によって不正に緩め、自転車
パ−ツをフレ−ムから不正に取外して盗み取る盗難行為
が簡単に行われる。本発明は、締結ユニットが自転車パ
−ツを締結した状態を不正に解除する不正操作を防止
し、自転車パ−ツをフレ−ムから不正に取外して盗み取
る盗難行為を防ぐことを課題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、自転
車パ−ツを自転車のフレ−ムに締結する締結ユニットで
あって、一般的な工具によるナット回し操作が不能で、
特定のナット回し工具によるナット回し操作が可能とな
るように形成された防犯ナットと、この防犯ナットがね
じ込まれるボルトとを備えた構成を有する。

【０００５】請求項１の発明では、自転車パ−ツが締結
ユニットによって自転車のフレ−ムに締結された状態
で、防犯ナットを緩めてボルトと防犯ナットとによる締
結状態を解除させる場合に、防犯ナットはこのナット専
用の特定のナット回し工具によるナット回し操作によっ
て緩められ、このナット回し工具以外の工具によるナッ
ト回し操作は不能となる。

【０００６】請求項２の発明は請求項１の自転車用締結
ユニットにおいて、前記防犯ナットを、ねじ孔を有する
ナット本体と、このナット本体の回りを覆うキャップ体
とに分割し、前記ナット本体の外周面には前記ナット回
し工具の爪部に係合する適数個の爪受け部を形成したこ
とを特徴とする。

【０００７】請求項２の発明では、防犯ナットは、特定
のナット回し工具の爪部が係合する適数個の爪受け部が
形成されたナット本体と、このナット本体の回りを覆う
キャップ体とによって形成され、防犯ナットとボルトと
によって自転車パ−ツをフレ−ムに締結した状態では前
記各爪受け部がキャップ体によって覆い隠された状態と
なり、プライヤ等の掴み工具が爪受け部を挟み込んでナ
ット本体を掴み、掴み工具によってナット本体を緩める
ナット回し操作がキャップ体によって阻止される。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の１形態につ
いて図面にしたがって説明する。自転車の前輪Ｐ１，後
輪Ｐ２，サドル用シ−トポストＰ３等の自転車パ−ツＰ
を自転車のフレ−ムＦに締結する締結ユニットＡは、こ
の実施の形態ではねじ棒１ａと、このねじ棒１ａの一端
に結合された円錐台状のボルトヘッド１ｂとを有するボ
ルト１と、このボルト１のねじ棒１ａにねじ込まれた防
犯ナット２とを備えている。

【０００９】但し、ボルト１および防犯ナット２の外に
座金やコイルスプリング等を備えた締結ユニットや、ね
じ棒の両端に１対の防犯ナット２をねじ込んだ締結ユニ
ットが必要に応じて用いられる。

【００１０】ボルト１のボルトヘッド１ｂの外周面４
は、ブライヤ等の一般的な掴み工具によってこのボルト
ヘッド１ｂを掴んだときにその掴み工具がスリップして
一般的な掴み工具ではボルトヘッド１ｂを掴みにくいよ
うな角度で傾斜した円錐面状に形成されている。

【００１１】防犯ナット２は、この実施の形態では、ね
じ孔３を有するほぼ円筒状のナット本体２ａと、このナ
ット本体２ａの厚さと等しい厚さを有し、ナット本体２
ａの回りを覆った状態でナット本体２ａに被せられてナ
ット本体２ａが内部に同心状態で嵌め込まれた円錐筒状
のキャップ体２ｂとに分割されている。

【００１２】防犯ナット２のナット本体２ａの外周面５
は円筒面状に形成され、この外周面５には、ナット本体
２ａの軸方向に沿って溝状に凹設されてナット本体２ａ
の軸心の回りに等間隔で配列された適数個の爪受け部７
が形成され、この実施の形態では１２０°の回転対称状
に配列された３個の爪受け部７が形成されている。

【００１３】防犯ナット２のキャップ体２ｂの外周面６
はボルト１のボルトヘッド１ｂの外周面４と同様に一般
的な掴み工具では掴みにくいような角度で傾斜した円錐
面状に形成されている。

【００１４】防犯ナット２のキャップ体２ｂにはナット
本体２ａが密嵌状に嵌め込まれる受け孔８が形成され、
この受け孔８の周面の一端にはナット本体２ａの一端に
形成された段部１０に係合された突縁９が環状に凸設さ
れ、ナット本体２ａとキャップ体２ｂとの不正な嵌め合
わせが突縁９によって防止され、また、ナット本体２ａ
を締めつけた状態ではキャップ体２ｂが突縁９によって
抜け止めされる。

【００１５】ボルト１と防犯ナット２とによって自動車
パ−ツＰをフレ−ムＦに締結した状態では、ナット本体
２ａの各爪受け部７がナット本体２に被せられたキャッ
プ体２ｂによって覆い隠された状態となり、プライヤ等
の掴み工具によって爪受け部７を挟み込んでナット本体
２ａを掴み、ナット本体２ａを不正に緩める不正操作が
キャップ体２ａによって阻止される。

【００１６】また、仮にキャップ体２ｂを掴み工具によ
って掴んで回転させても、キャップ体２ｂの回転動作が
ナット本体２ａに伝わらずにキャップ体２ｂが空転す
る。

【００１７】防犯ナット２を回して螺進退させるナット
回し操作に使用され、このナット専用となる特定のナッ
ト回し工具１２には、円筒状のスリ−ブ１２ａと、この
スリ−ブ１２ａの先端面に連接されて先方へ突出され、
スリ−ブ１２ａの軸心の回りに等間隔で配列された複数
個の爪部１２ｂと、スリ−ブ１２ａに直交状に貫挿され
たハンドル１２ｃとが形成されている。

【００１８】ナット回し工具１２の各爪部１２ｂは、防
犯ナット２の爪受け部７の形状と等しい形状で爪受け部
７内に密接状に嵌まれるようにそれぞれ形成され、爪部
１２ｂの個数は爪受け部７の個数と同じ個数となってい
る。

【００１９】防犯ナット２の形態は、スパナ等の一般的
な回し工具およびプライヤ等の一般的な掴み工具による
ナット回し操作が不能で、このナット専用の特定のナッ
ト回し工具１２によってのみナット回し操作が可能とな
るように形成されている。

【００２０】なお、上記実施の形態では防犯ナットを２
部材に分割したが、防犯ナット２を分割せずに１部材と
し、この部材に爪受け部を形成するようにしてもよい。
例えば、ナット本体２ａとキャップ体２ｂとを一体状に
結合した形態を有するナット体に軸方向へ延びる適数個
の孔状の爪受け部を形成するようにしてもよい。

【００２１】ボルト１のねじ棒１ａにねじ込まれた防犯
ナット２を締めつけたり、緩めたりするに際し、ナット
回し工具１２の各爪部１２ｂを防犯ナット２の各爪受け
部７内に差し込んだ状態で、ナット回し工具１２をハン
ドル１２ｃによって時計回り方向若しくは反時計回り方
向へ回動させると、防犯ナット２のナット本体２ａを螺
進若しくは螺退させてナット２を締めつけたり、緩めた
りすることができる。

【００２２】自転車パ−ツＰをフレ−ムＦに形成された
各１対のパ−ツ取付け部Ｆ１に締結ユニットＡによって
締結するに際し、自転車パ−ツＰは、例えば図６に示す
ようにその一部（前輪Ｐ１，後輪Ｐ２では中心部）がフ
レ−ムＦの両パ−ツ取付け部Ｆ１間に挟み込まれ、ボル
ト１のねじ棒１ａが自転車パ−ツＰの一部を貫通してフ
レ−ムＦの両パ−ツ取付け部Ｆ１に貫挿され、ボルト１
のボルトヘッド１ｂと防犯ナット２とが両パ−ツ取付け
部Ｆ１および自転車パ−ツＰの一部を間に挟み込んだ状
態で、ボルト１および防犯ナット２によってフレ−ム１
に締結される。

【００２３】上記した実施の形態によれば、防犯ナット
２を緩めるナット回し操作がこのナット専用の特定のナ
ット回し工具１２を用いることによってのみ可能とな
り、一般的な工具を用いて防犯ナット２を緩める操作が
不能となるので、防犯ナット２を不正に緩める不正操作
によって自転車パ−ツＰを不正に取外して盗み取る盗難
行為を効果的に防止することができる。

【００２４】また、自転車パ−ツＰを締結ユニットＡの
ボルト１および防犯ナット２によって締結した状態では
防犯ナット２の爪受け部７がキャップ体２ｂによって覆
い隠されるので、掴み工具によって爪受け部７を挟み込
んでナット本体２ａを掴み、ナット本体２ａを不正に緩
める不正操作を的確に防止することができる。

【００２５】さらに、ボルト１のボルトヘッド１ｂの外
周面４、および、防犯ナット２のキャップ体２ｂの外周
面６は共に円錐面状で掴み工具によって掴みにくい形状
に形成されているので、ボルト１および防犯ナット２を
スパナ等の回し工具およびプライヤ等の掴み工具によっ
て緩める回し操作を防止することができ、一般的な掴み
工具を用いて締結ユニットＡの締結状態を不正に解除す
る不正操作、および一般的な回し工具を用いて締結ユニ
ットＡの締結状態を不正に解除する不正操作を共に禁止
することができる。

【００２６】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、防犯ナットを
緩めるナット回し操作がこのナット専用の特定のナット
回し工具を用いることによってのみ可能となり、一般的
な工具を用いて防犯ナットを緩める操作が不能となるの
で、防犯ナットを不正に緩める不正操作によって自転車
パ−ツを取外して盗み取る盗難行為を効果的に防止する
ことができる。

【００２７】請求項２の発明によれば、自転車パ−ツを
締結ユニットのボルトおよび防犯ナットによって締結し
た状態では、防犯ナットの爪受け部がキャップ体によっ
て覆い隠されるので、掴み工具によって爪受け部を挟み
込んでナット本体を掴み、ナット本体を不正に緩める不
正操作を的確に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の１形態を示す自転車の側面図で
ある。

【図２】締結ユニットの分解斜視図である。

【図３】ナット回し工具の斜視図である。

【図４】防犯ナットの分解側断面図である。

【図５】防犯ナットの正面図である。

【図６】自転車パ−ツをフレ−ムに締結した状態を示す
締結ユニットおよびナット回し工具の一部破断側面図で
ある。

【符号の説明】

１ ボルト １ａ ねじ棒 １ｂ ボルトヘッド ２ 防犯ナット ２ａ ナット本体 ２ａ キャップ体 ３ ねじ孔 ７ 爪受け部 １２ ナット回し工具 １２ｂ 爪部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車パ−ツを自転車のフレ−ムに締結
   する締結ユニットであって、一般的な工具によるナット
   回し操作が不能で、特定のナット回し工具によるナット
   回し操作が可能となるように形成された防犯ナットと、
   この防犯ナットがねじ込まれるボルトとを備えたことを
   特徴とする自転車用締結ユニット。
2. 【請求項２】 前記防犯ナットを、ねじ孔を有するナッ
   ト本体と、このナット本体の回りを覆うキャップ体とに
   分割し、前記ナット本体の外周面には前記ナット回し工
   具の爪部に係合する適数個の爪受け部を形成したことを
   特徴とする請求項１記載の自転車用締結ユニット。