JP2013124701A - ナット及びナット締め付け具 - Google Patents

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Abstract

【課題】無権限者による着脱操作を困難にするボルトとそれの締め付け具を提供する。
【解決手段】ナット1は、締め付け具2を用いて所要箇所に締め付けられる。挿入筒部15の係合溝15a及び係合筒部16の係合溝16aをボール10の位置に合わせて、挿入筒部15をナット1の外側環状間隙8へ、係合筒部16を内側環状間隙6へ挿入すると、ボール10が係合筒部16と挿入筒部15との間でボール保持孔7a内に固定され、これによりナット1と締め付け具2とが係合する。この状態で、締め付け具2によるナット1の締め付け操作が可能となる。一旦締め付けられたナット1は、締め付け具2を用いなければ弛めることができない。
【選択図】図6

Description

この発明は、無権限者が容易に着脱操作することができないナットと、それの締め付け具に関する。
従来、機械・装置等の組立時におけるボルト締結作業の自動化を図るためのボルト締結治具とボルトが各種提案されている。
例えば特許文献1には、ボルトの動力式ねじ締め機に装着し、ボルトの締め付け弛めを行う治具と、これに適合するボルトが開示されている。この締結治具は、内面にボールを、リング状保持バネにより常に迫り出すように保持し、そのバネ力によりボールを介してボルトを把持し、把持したまま自由に移動し得るようにしたものであり、ボルトの取り出し、搬送、ねじ込み作業を一連の動作にて行うことが可能である。また、ボルトは、ナットに、締結治具のボールと係合し得る窪み部を有するものである。
特開平07-266156号公報
上記従来のボルト締結治具とボルトにおいては、ボルトが六角の頭部を有しているために、通常のスパナでも締め付け、弛めの操作を自由に行うことができる。したがって、これを無権限者による着脱操作を困難にする目的に適用することはできない。このようなボルト軸部に螺合するナットについても同様である。
この出願に係る発明は、無権限者による着脱操作を困難にするナットとそれの締め付け具を提供することを目的としている。
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するため、この出願に係る発明のナット1は、ボルト3を挿通させる環状の基部4と、この基部4から軸線に沿って立ち上がる突出筒部5と、この突出筒部5の外周に内側環状間隙6を形成してこれを囲むように設けられるリテーナ環7と、このリテーナ環7の外周に外側環状間隙8を形成してこれを囲むように設けられるリングヘッド9と、突出筒部5とリングヘッド9との間にあってリテーナ環7に保持される複数のボール10とを具備する。突出筒部5は、軸部4のボルト挿通孔の周縁から軸線方向上方へ突出して上方に開放するように設けられる。リテーナ環7は、軸部4の周縁から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなし、円周方向に相互間隔を置いて形成される複数のボール保持孔7aを有する。リングヘッド9は、上方へ開放するほぼ円筒状をなし、下部において軸部4の外周に、軸周り相対回転自在に結合される。ボール10は、リテーナ環7のボール保持孔7a内に、突出筒部5とリングヘッド9との間で、半径方向に移動自在に嵌め込まれる。
このナット1に係合させてナット1を回転操作するための締め付け具2は、ハンドル14を備える主軸部13と、この主軸部13の下端側に、これと同心に下方に開放するように設けられる挿入筒部15と係合筒部16とを具備する。挿入筒部15は、ナットの外側環状間隙に挿入可能である。係合筒部16は、挿入筒部15の内周に環状受入間隙17を形成してこれと同心に設けられる。挿入筒部15又は係合筒部16の少なくとも一方は、ナット1の外側環状間隙8又は内側環状間隙6へ挿入されたときに、ボール10を他方側に移動させることができるように設けられる。挿入筒部15又は係合筒部16の少なくとも一方は、ナット3の外側環状間隙8又は内側環状間隙6へ挿入されたときに、ボール10の一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝16a又は17aを有する。
この出願に係る発明のナット及びその締め付け具は、両者の組み合わせ使用によらなければナットの着脱操作を行うことができず、したがって、無権限者によるナットの着脱操作を効果的に防止することができる。
本発明に係るナット及び締め付け具の斜視図である。 図1のナットの分解斜視図である。 図1のナットの平面図である。 図1のナットの縦断面図である。 (A)は図1のナット締め付け具の平面図、(B)は同じく一部を切り欠いた側面図、(C)は同じく底面図である。 図1のナットとナット締め付け具の使用状態の断面図である。 図1のナットにキャップを装着した状態の断面図である。
図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。この発明の実施の一形態に係るナット1と、これを回転操作するための締め付け具2を図1に示す。ナット1は、ボルト3の頭部3aから上方へ延出する軸部3bに上方から螺合するものである。締め付け具2は、下端部をナット1に係合させて回転操作することができる。
図2ないし図4に示すように、ナット1は、ボルト挿通孔が形成された環状の基部4とこれから軸線に沿って上方へ突出する円筒状の突出筒部5と、この突出筒部5の外周に内側環状間隙6を形成してこれを囲むように設けられるリテーナ環7と、このリテーナ環7の外周に外側環状間隙8を形成してこれを囲むように設けられるリングヘッド9と、突出筒部5とリングヘッドとの間にあってリテーナ環に保持される複数のボール10と、を具備する。
基部4には、ボルト挿通孔の周縁から軸線方向上方へ立ち上がりボルト挿通孔を延長する突出筒部5が設けられる。
リテーナ環7は、基部4の周縁付近から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなす。リテーナ環7には、円周方向に相互間隔を置いて複数のボール保持孔7aが形成される。
リングヘッド9は、上方へ開放するほぼ円筒状をなし、下部においてばねリング12を介して、基部4の外周に、軸周り相対回転自在に結合される。基部4の外周及びリングヘッド9の下端部内周には、対向位置に受け溝4a、9aが形成され、この溝内にばねリング12が嵌め込まれ、リングヘッド9は、軸方向に抜け止めされる。
ボール10は、リテーナ環7のボール保持孔7a内に挿入され、突出筒部5とリングヘッド9との間で、半径方向に移動自在である。
図5に示すように、締め付け具2は、円柱状の主軸部13の上部に直交方向に延出するハンドル14を備える。主軸部13の下端側には、これと同心で、下方に開放するように、挿入筒部15と係合筒部16とが形成される。挿入筒部15は、ナット3の外側環状間隙8に挿入可能である。挿入筒部15の内周と係合筒部16の外周との間には、環状受入間隙17が形成される。
挿入筒部15は、ナット1の外側環状間隙8へ挿入されたときに、ボール10の一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝15aを内周に有する。
係合筒部16は、挿入筒部15と同じく下方へ延出しており、挿入筒部15がナット1の内側環状間隙6へ挿入されたときに、挿入筒部15の係合溝15aに対向してボール10の一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝16aを外周に有する。
図7に示すように、ボルト挿通孔を除いてナット1の上方開放部を閉塞するために、当該ナット1の上部に対応形状により着脱自在に嵌合する弾性合成樹脂製のキャップ18が設けられる。所要箇所にナット1を締め付けた後、ナット1に防塵用のキャップ18が装着される。
ナット1は、締め付け具2を用いて所要箇所のボルト3に締め付けられる。挿入筒部15の係合溝15a及び係合筒部16の係合溝16aをボール10の位置に合わせて、挿入筒部15をナット3の外側環状間隙8へ、係合筒部16を内側環状間隙6へ挿入すると、図6に示すように、ボール10が挿入筒部15と係合筒部16との間でボール保持孔7a内に固定され、これによりナット1と締め付け具2とが係合する。この状態で、締め付け具2によるナット1の締め付け操作が可能となる。一旦締め付けられたナット1は、締め付け具2を用いなければ弛めることができない。
1 ナット
2 締め付け具
3 ボルト
4 軸部
5 突出筒部
6 内側環状間隙
7 リテーナ環
7a ボール保持孔
8 外側環状間隙
9 リングヘッド
9a 受け溝
10 ボール
11 外側フランジ
11a 受け溝
12 ばねリング
13 主軸部
14 ハンドル
15 挿入筒部
15a 係合溝
16 係合筒部
16a 係合溝
17 環状受入間隙
18 キャップ

Claims (2)

  1. ボルトの軸部に螺合させるナットと、このナットに係合させてこれを回転操作するための締め付け具とを具備し、
    前記ナットは、ボルトを挿通させる環状の基部と、この基部から軸線に沿って立ち上がる突出筒部と、この突出筒部に内側環状間隙を形成してこれを囲むように設けられるリテーナ環と、このリテーナ環の外周に外側環状間隙を形成してこれを囲むように設けられるリングヘッドと、前記突出筒部とリングヘッドとの間にあってリテーナ環に保持される複数のボールと、を具備し、
    前記突出筒部は、前記基部のボルト挿通孔の周縁から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなし、
    前記リテーナ環は、前記基部の周縁から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなし、円周方向に相互間隔を置いて形成される複数のボール保持孔を有し、
    前記リングヘッドは、上方へ開放するほぼ円筒状をなし、下部において前記基部の外周に、軸周り相対回転自在に結合され、
    前記ボールは、前記リテーナ環のボール保持孔内に、前記突出筒部と前記リングヘッドとの間で、半径方向に移動自在に嵌め込まれ、
    前記締め付け具は、ハンドルを備える主軸部と、この主軸部の下端側にこれと同心に下方に開放するように設けられ前記ナットの外側環状間隙に挿入可能な挿入筒部と、この挿入筒部の内周に環状受入間隙を形成してこれと同心に設けられる係合筒部と、を具備し、
    前記挿入筒部又は係合筒部の少なくとも一方は、前記ナットの外側環状間隙又は内側環状間隙へ挿入されたときに、前記ボールを他方側に移動させることができるように設けられ、
    前記挿入筒部又は係合筒部の少なくとも一方には、前記ナットの外側環状間隙又は内側環状間隙へ挿入されたときに、前記ボールの一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝を有することを特徴とする、ナット及びナット締め付け具。
  2. 前記ナットのボルト挿通孔を除く上方開放部を閉塞するために、当該ナットに着脱自在に嵌合する弾性合成樹脂製のキャップをさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載のナット及びナット締め付け具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11182519A (ja) * 1997-11-25 1999-07-06 Ikujin Jitsugyo Kofun Yugenkoshi 自転車用締結ユニット

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