JP2015140821A - ナット及びナット締め付け具並びにボルト及びボルト締め付け具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、安価に得られるナット及びナット締め付け具とボルト及びボルト締め付け具を提供する。【解決手段】ナット1は、ボルトに螺合するねじ孔13を中心部に有し外周に係合部14を有する環状のナット本体11と、このナット本体11の外周との間に環状間隙15を形成してナット本体11を囲み、ナット本体11に対して軸周りに相対回転自在で軸方向相対移動不可能に設けられる空転リング12とを具備する。このナットの締め付け具2は、ナット本体11の外周の係合部14に対して軸方向に相対移動自在で軸周り方向に相対回転不可能に係合する対応係合部23を内周に有し、環状間隙15に嵌合可能な係合筒部21と、この係合筒部21から半径方向に延出するハンドル22とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ナット及びナット締め付け具並びにボルト及びボルト締め付け具に関する。
従来、ナット及びナット締め付け具として特許文献1に記載されたものが知られている。ナットは、ボルトに螺合するねじ孔を有するナット本体と、ナット本体の外周側に軸回り相対回転自在、軸方向相対移動不可能に結合されたリングヘッドとを具備する。ナット本体は、ねじ孔を有する突出筒部と、それの基端に形成された鍔状の基部と、突出筒部の外周との間に内側環状間隙を形成してこれを囲むように基部から一体に立ち上がるリテーナ環部とを具備する。リテーナ環部はボール保持孔を有し、これにボールが保持される。リングヘッドは、リテーナ環の外周との間に外側環状間隙を形成してこれを囲むように設けられる。締め付け具は、ナットの内側環状間隙に嵌合する内側係合筒部と、この内側係合筒部と同心一体でナットの外側環状間隙に嵌合する外側係合筒部と、これらの係合筒部から半径方向に延出するハンドルとを具備する。内側係合筒部および外側係合筒部の内周には、それぞれボールを保持する係合溝が形成される。締め付け具の内側係合筒部および外側係合筒部をそれぞれナットの内側環状間隙、外側環状間隙に嵌合させることによって、係合溝にボールを係合させ、ハンドルを握ってナットを回転操作する。
また、ボルト及びボルト締め付け具として、特許文献2に記載されたものが知られている。ボルトの頭部は、軸線に沿って軸部と反対側へ突出する円柱状の中心突起と、この中心突起の外周との間に内側環状間隙を形成してこれを囲むように中心突起と一体に設けられるリテーナ環と、このリテーナ環の外周との間に外側環状間隙を形成してこれを囲むように設けられ、リテーナ環に対して軸回り相対回転自在で軸方向相対移動不可能なリングヘッドとを具備する。リテーナ環はボール保持孔を有し、これにボールが保持される。締め付け具は、ボルト頭部の外側環状間隙に嵌合可能な挿入筒部と、この挿入筒部の内周との間にボルト頭部のリテーナ環を受け入れ可能な環状受入間隙を形成すると共に、内側にボルト頭部の中心突起を受け入れ可能に挿入筒部と同心一体に設けられる係合筒部と、回転操作用のハンドルとを具備する。挿入筒部の外周及び係合筒部の内周には、ボールに係合する軸線方向の係合溝がそれぞれ形成される。締め付け具の挿入筒部及び係合筒部をそれぞれボルトの内側環状間隙、外側環状間隙に嵌合させることによって、係合溝にボールを係合させ、ハンドルを握ってボルトを回転操作する。
特開2013−124701号公報 特開2012−225421号公報
上記従来のナット及びナット締め付け具、ボルト及びボルト締め付け具のいずれも、ボールを組み込んだ比較的複雑な構成で、製造コストを引き上げる要因となる。したがって、本発明は、より簡素な構成で、安価に得られるナット及びナット締め付け具とボルト及びボルト締め付け具を提供することを目的としている。
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明のナット1及びナット締め付け具2は、ボルトの軸部に螺合させるナット1と、このナットに係合させてこれを回転操作するための締め付け具2とからなる。このナット1は、ボルトに螺合するねじ孔13を中心部に有し外周に係合部14を有する環状のナット本体11と、このナット本体11の外周との間に環状間隙15を形成してナット本体11を囲み、ナット本体11に対して軸周りに相対回転自在で軸方向相対移動不可能に設けられる空転リング12とを具備する。このナットの締め付け具2は、ナット本体11の外周の係合部14に対して軸方向に相対移動自在で軸周り方向に相対回転不可能に係合する対応係合部23を内周に有し、環状間隙15に嵌合可能な係合筒部21と、この係合筒部21から半径方向に延出するハンドル22とを備える。
上記課題を解決するための、本発明のボルト3及びボルト締め付け具2は、頭部31と軸部32とを有するボルト3と、このボルトの頭部31に係合させてボルト3を回転操作するための締め付け具2とからなる。締め付け具2は、上記ナットの締め付け具と同等のものである。このボルト3の頭部31は、頭部本体33と空転リング34とを具備する。頭部本体33は、軸部32と同心一体で外周に係合部35を有する。空転リング34は、頭部本体33の外周との間に環状間隙36を形成して頭部本体33を囲み頭部本体33に対して軸周り相対回転自在で軸方向相対移動不可能に設けられる。
本発明のナット及びナット締め付け具、ボルト及びボルト締め付け具は、いずれもより簡素な構成で、安価に得られる。
本発明に係るナットとナット締め付け具とを係合させた状態の断面図である。 図1のナットの断面図である。 図1のナットの平面図である。 図1のナット締め付け具の断面図である。 図1のナット締め付け具の底面図である。 図1のナットにキャップを装着した状態の断面図である。 本発明に係るボルトとボルト締め付け具とを係合させた状態の断面図である。 図7のボルトの断面図である。 図7のボルトの平面図である。 図7のボルトにキャップを装着した状態の断面図である。
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1に、ボルトBの軸部に螺合させるナット1と、このナット1に係合させてこれを回転操作するための締め付け具2とを示す。図1ないし図3において、ナット1は、ナット本体11と空転リング12とを具備する。
ナット本体11は、ボルトBに螺合するねじ孔13を中心部に有し、外周に係合部14を有する環状の部材である。係合部14は、横断面円弧状で軸方向に延びる複数の係合溝である。
空転リング12は、ナット本体11の外周との間に環状間隙15を形成してナット本体11を囲み、ナット本体11に対して軸周りに相対回転自在で軸方向相対移動不可能に結合される。すなわち、空転リング12は、図において外周がやや上すぼまりの円筒部16と円筒部16の基端側に形成される内側フランジ部17とを具備し、内側フランジ部17の内周とナット本体11の基部外周との間にリング18を介してナット本体11に結合される。
図1、図4,5に示すように、上記ナット1の締め付け具2は、係合筒部21と、この係合筒部21から半径方向に延出するハンドル22とを備える。
係合筒部21は、ナット本体11の外周の係合部14に対して軸方向に相対移動自在で軸周り方向に相対回転不可能に係合する対応係合部23である係合溝を内周に有し、ナット本体11の環状間隙15に嵌合可能である。すなわち、係合筒部21は、ハンドル22に接続される大径の基部24と、この基部24に対して内周側及び外周側にそれぞれ段部25,26を介して連続する小径の嵌合筒部27を具備する。嵌合筒部27の内周側に、ナット本体11の係合溝14に対応する横断面形状の軸方向に延びる複数の係合突条23が形成される。係合部14,23は、互いにスプライン嵌合する構造であればよく、本実施形態の構造に限られない。
ナット1を回転操作するときには、ナット1に締め付け工具2を係合させる。締め付け工具2の係合突状23をナット2の係合溝14に合わせて嵌合筒部27を環状間隙15に嵌合させ、ハンドル22を握って回転させる。ナット11をボルトに締め付けた状態において、空転リング12を工具で挟持して回転させても、ナット本体11は、回転しないから、ナット11を緩めることができない。1ナットとその締め付け具2の組み合わせ使用によらなければ、ボルトBに対するナット1の着脱操作を行うことができず、したがって、無権限者によるナットの着脱操作を効果的に防止することができる。
図6に示すように、所要箇所にナット1を締め付けた後、必要に応じて、ナット1に防塵用のキャップ41,42が装着される。
図7に、頭部31と軸部32とを有するボルト3と、このボルト3の頭部31に係合させてボルト3を回転操作するための締め付け具4を示す。図7ないし図9において、ボルトの頭部31は、頭部本体33と、空転リング34とを具備する。
頭部本体33は、軸部32と同心一体の円柱状であり、外周に係合部35を有する。係合部35は、横断面円弧状で軸方向に延びる複数の係合溝である。
空転リング34は、頭部本体33の外周との間に環状間隙36を形成して頭部本体33を囲み頭部本体33に対して軸周り相対回転自在で軸方向相対移動不可能に設けられる。すなわち、空転リング34は、図において外周がやや上すぼまりの円筒部37と円筒部37の基端側に形成される内側フランジ部38とを具備し、内側フランジ部38の内周とボルト本体33の基部外周との間にリング39を介してボルト本体33に結合される。
上記ボルト本体3の締め付け具としては、上記ナット1の締め付け具2と同等のものを用いることができる。
ボルト3を回転操作するときには、ボルト3に締め付け工具2を係合させる。締め付け工具2の係合突状23をボルト3の係合溝35に合わせて嵌合筒部21を環状間隙36に嵌合させ、ハンドル22を握って回転させる。ボルト3を締め付けた状態において、空転リング34を工具で挟持して回転させても、ボルト3は、回転しないから、ボルト3を緩めることができない。ボルト3とその締め付け具2の組み合わせ使用によらなければ、ボルト3の着脱操作を行うことができず、したがって、無権限者によるボルトの着脱操作を効果的に防止することができる。
図10に示すように、所要箇所にボルト3を締め付けた後、必要に応じて、ボルト3に防塵用のキャップ43が装着される。
1 ナット
2 ナット締め付け具
3 ボルト
11 ナット本体
12 空転リング
13 ねじ孔
14 係合部(係合溝)
15 環状間隙
16 円筒部
17 内側フランジ部
18 リング
21 係合筒部
22 ハンドル
23 対応係合部(係合突条)
24 大径部
25 段部
26 段部
27 小径部
31 ボルトの頭部
32 軸部
33 頭部本体
34 空転リング
35 係合部(係合溝)
36 環状間隙
37 キャップ
38 内側フランジ部
39 リング
41 キャップ
42 キャップ
43 キャップ
B ボルト

Claims (4)

  1. ボルトの軸部に螺合させるナットと、このナットに係合させてこれを回転操作するための締め付け具とを具備し、
    前記ナットは、ボルトに螺合するねじ孔を中心部に有し外周に係合部を有する環状のナット本体と、このナット本体の外周との間に環状間隙を形成してナット本体を囲み、ナット本体に対して軸周りに相対回転自在で軸方向相対移動不可能に設けられる空転リングとを具備し、
    前記締め付け具は、前記ナット本体の外周の係合部に対して軸方向に相対移動自在で軸周り方向に相対回転不可能に係合する対応係合部を内周に有し前記環状間隙に嵌合可能な係合筒部と、この係合筒部から半径方向に延出するハンドルとを備えることを特徴とする、ナット及びナット締め付け具。
  2. 前記ナットに着脱自在に嵌合する弾性合成樹脂製のキャップをさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載のナット及びナット締め付け具。
  3. 頭部と軸部とを有するボルトと、このボルトの頭部に係合させてボルトを回転操作するための締め付け具とを具備し、
    前記ボルトの頭部は、軸部と同心一体で外周に係合部を有する頭部本体と、この頭部本体の外周との間に環状間隙を形成して頭部本体を囲み頭部本体に対して軸周り相対回転自在で軸方向相対移動不可能に設けられる空転リングとを具備し、
    前記締め付け具は、前記頭部本体の外周の係合部に対して軸方向に相対移動自在で軸周り方向に相対回転不可能に係合する対応係合部を内周に有し、前記環状間隙に嵌合可能な係合筒部と、この係合筒部から半径方向に延出するハンドルとを備えることを特徴とする、ボルト及びボルト締め付け具。
  4. 前記ボルト頭部に着脱自在に嵌合する弾性合成樹脂製のキャップをさらに具備することを特徴とする、請求項3に記載のボルト及びボルト締め付け具。
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