JP4287723B2 - 工具連結構造及び工具装着部材 - Google Patents

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Description

本発明は、ナット部材を用いて工具側部材と工具装着部材とを着脱可能に連結するための工具連結構造、及び、前記工具側部材が着脱可能に装着される工具装着部材に関するものである。
従来、ねじ構造によって工具装着部材に工具側部材を着脱可能に連結するものとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
この構造は、工具装着部材(特許文献1ではシャンク)に回転可能に袋ナットが取付けられる一方、円筒状工具本体の基部の外周面に雄ねじが形成され、この雄ねじと前記袋ナットの雌ねじとを螺合することにより前記工具装着部材と円筒状工具本体とを着脱可能に締結できるようにしたものである。
特開平6−312309号公報(第2頁,図2)
前記袋ナットを用いて工具装着部材と工具本体とを締結する構造では、施工時に発生する振動等に起因して当該袋ナットと工具本体側の雄ねじとの螺合が緩むおそれがあるため、当該ナットの緩みをいかに有効に規制するかが重要な課題となる。
このようなナットの緩みを規制する手段としては、例えば図9に示すような係合構造を導入することが考えられる。この構造は、前記シャンク90の外周部に有底孔90aを設けてその中に圧縮コイルばね95及び鋼球96を装填しておき、前記シャンク90に工具本体92が嵌められ、かつ、その工具本体92の雄ねじ92aとシャンク90側のナット94の雌ねじ94aとの螺合が完了した状態(図示の締め付け状態)で、前記鋼球96が前記圧縮コイルばね95の弾発力でナット94側の凹溝94bに係合することにより、当該シャンク90に対するナット94の相対回転による前記螺合の緩みを規制するものである。
しかしながら、この構造では、前記有底孔90aの内径が鋼球96の直径と略同等の径に制限され、また、当該有底孔90aの深さ寸法にも限界があるため、必然的に、当該有底孔90a内に装填される圧縮コイルばね95には細径でかつ短い小型のばねしか用いることができない。よって、当該圧縮コイルばね95の弾発力によってナット94の緩みを有効に規制するのは難しい。
本発明は、このような事情に鑑み、コンパクトな構造で、工具装着部材と工具側部材との締結のためのナット部材の緩みを有効に規制できるようにすることを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、工具側部材と工具装着部材とを嵌合状態で着脱可能に連結するための工具連結構造において、前記工具側部材、工具装着部材のいずれか一方に、内周面に雌ねじをもつ筒状部分をもつナット部材が回転可能でかつ軸方向の移動が規制された状態で取付けられ、他方に、前記工具側部材と工具装着部材とが嵌合した状態で前記ナット部材の雌ねじと螺合可能な雄ねじが設けられるとともに、前記工具側部材、工具装着部材のうち前記ナット部材が取付けられる部材の外周面には、周方向に並ぶ複数の凹凸が形成され、前記ナット部材の筒状部分には、当該筒状部分を径方向に貫通する貫通孔と、この貫通孔内に当該貫通孔から突出して前記凹凸の凹部に嵌まり込む係合位置と当該係合位置から径方向外側に待避して前記凹凸の凸部を乗り越え可能な待避位置との間で移動可能となるように保持される係合部材と、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられ、かつ、拡径方向に弾性変形可能な弾性部材とが設けられ、この弾性部材の弾発力によって前記貫通孔内の係合部材が前記係合位置側に付勢されて当該係合部材と前記凹部のうちのいずれかとの係合が保持されるものである。
この構造によれば、前記工具側部材と工具装着部材とを嵌合しつつ、その一方に取付けられたナット部材の雌ねじが他方に設けられた雄ねじと螺合することにより、工具側部材と工具装着部材とを締結することができる。
このとき、前記工具装着部材または工具側部材に取付けられたナット部材における係合部材は弾性部材の弾発力によって係合位置(すなわち当該工具装着部材または工具側部材に設けられている凹部に係合する位置)側に付勢されているが、前記弾性部材の弾性変形を伴って適宜前記係合位置から待避位置へ待避するため、当該係合部材の移動を伴いながら当該工具装着部材または工具側部材に対してナット部材を相対回転させることが可能であり、この相対回転によって前記ナット部材と雄ねじとの螺合を進行させることができる。
そして、当該螺合が完了した状態では、前記係合部材がいずれかの凹部に係合するとともに、その係合位置に前記弾性部材の弾発力によって保持されるため、当該係合保持によって、施工時の振動等によりナット部材が工具装着部材または工具側部材に対して相対回転して前記螺合が緩むことが有効に規制される。
しかも、前記弾性部材は、例えば前記図9に示したような圧縮コイルばね95と異なり、工具装着部材または工具側部材の外周面を取り巻くように取付けられて前記係合部材を外側から拘束、付勢するものであるため、特に構造全体を大型化することなく、コンパクトな構造で、前記係合部材と凹部との係合状態を十分な力で保持することが可能であり、これによって有効な緩み規制効果を確保することができる。
ここで、前記係合部材と弾性部材とは直接接触させてもよいが、前記貫通孔の寸法に応じて適宜中間部材を導入すればよい。すなわち、前記貫通孔内に、前記係合部材と前記弾性部材との間に介在して当該弾性部材の弾発力を前記係合部材に伝達する中間部材を格納することにより、貫通孔の寸法にかかわらず前記弾性部材の弾発力を前記係合部材に有効に伝達することができる。
あるいは、前記弾性部材として、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられる周方向部分と、この周方向部分から径方向内側に突出して前記貫通孔内に挿入される径方向部分とを有し、この径方向部分が前記係合部材を係合位置側に押圧するように構成されているものを用いても効果的である。この構成によれば、弾性部材の周方向部分から径方向内側に突出する径方向部分を貫通孔内に侵入させることにより、当該径方向部分を確実に係合部材に接触させて当該係合部材を係合位置側(径方向内側)に付勢することができる。
あるいは、前記弾性部材として、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられる周方向部分と、この周方向部分から径方向内側に突出して前記貫通孔内に挿入される径方向部分とを有し、この径方向部分が前記係合部材を構成しているものを用いれば、当該弾性部材と係合部材との一体化によって部品点数の削減及び構造の簡素化をさらに進めることができる。
前記ナット部材の筒状部分の外周面に前記弾性部材を取付ける構造としては、例えば、当該外周面に前記貫通孔とつながる周方向の凹溝が形成され、この凹溝内に前記弾性部材が嵌着されている構造が好適である。この構造によれば、前記弾性部材を前記凹溝内に嵌め込むことにより、当該弾性部材の縮径力を利用して当該弾性部材を安定した状態で前記ナット部材の外周面に取付けることが可能である。
また本発明は、工具側部材が着脱可能に装着される工具装着部材において、前記工具側部材と嵌合する形状を有する装着部材本体と、この装着部材本体に嵌合される工具側部材に設けられた雄ねじに螺合可能な雌ねじを内周面にもつ筒状部分を含み、前記装着部材本体に相対回転可能でかつ軸方向の移動が規制された状態で取付けられるナット部材とを備え、前記装着部材本体の外周面には、周方向に並ぶ多数の凹凸が形成され、前記ナット部材の筒状部分には当該筒状部分を径方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記ナット部材の筒状部分には、当該筒状部分を径方向に貫通する貫通孔と、この貫通孔内に当該貫通孔から突出して前記凹凸の凹部に嵌まり込む係合位置と当該係合位置から径方向外側に待避して前記凹凸の凸部を乗り越え可能な待避位置との間で移動可能となるように保持される係合部材と、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられ、かつ、拡径方向に弾性変形可能な弾性部材とが設けられ、この弾性部材の弾発力によって前記貫通孔内の係合部材が前記係合位置側に付勢されて当該係合部材と前記凹部のうちのいずれかとの係合が保持されるものである。
この工具装着部材においても、前記貫通孔内に、前記係合部材と前記弾性部材との間に介在して当該弾性部材の弾発力を前記係合部材に伝達する中間部材を適宜格納するようにしてもよい。あるいは、前記弾性部材として、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられる周方向部分と、この周方向部分から径方向内側に突出して前記貫通孔内に挿入される径方向部分とを有し、この径方向部分が前記係合部材を係合位置側に押圧するように構成されているものや、当該周方向部分と径方向部分とを有し、この径方向部分が前記係合部材を構成しているものを用いることが可能である。
また、前記ナット部材の筒状部分の外周面に前記貫通孔とつながる周方向の凹溝が形成され、この凹溝内に前記弾性部材が嵌着されている構造とすることにより、前記弾性部材を安定した状態で取付けることができる。
以上のように、本発明によれば、コンパクトな構造で、工具装着部材と工具側部材との締結のためのナット部材の緩みを有効に規制することができる効果がある。
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、円筒状刃物24及び芯合せ用ドリルビット26を具備する穴開け工具の工具側部材である刃物保持部材20を工具装着部材11に着脱可能に連結する構造を示したものである。
図1に示すように、前記工具装着部材10は、略円柱状の装着部材本体11と、この装着部材本体11に着脱可能に連結されるシャンク12とを備え、このシャンク12が回転駆動源である図略の電動工具本体に着脱可能に連結されるようになっている。
図2及び図3に示すように、装着部材本体11の中心部には軸方向に延びるドリルビット挿入孔11aが設けられ、このドリルビット挿入孔11a内に前記ドリルビット26の基部が挿入された状態で、前記装着部材本体11に設けられた径方向のねじ孔11bに止めねじ14がねじ込まれることにより、前記装着部材本体11にドリルビット26が固定されるようになっている。
また、装着部材本体11の軸方向中間部には、他の部分よりも外径の大きい鍔部11cが形成されている。
刃物保持部材20は、前記ドリルビット26が挿通可能な挿通孔20aを中央に有する筒状をなし、かつ、その後端(図2では上端)が前記装着部材本体11の鍔部11cに付き当たるまで当該装着部材本体11の先端部に外嵌可能な形状を有している。
さらに、刃物保持部材20の内周面の適所には鋼球22が埋め込まれてその一部が刃物保持部材20の内周面から内方に突出する一方、装着部材本体11の先端部外周面が一部切欠かれて平坦面11dが形成されており、当該平坦面11dに前記鋼球22が当たるように装着部材本体11と刃物保持部材20とが嵌合されることにより、装着部材本体11に対する刃物保持部材20の相対回転が規制されるようになっている。
なお、図3(b)において21は、前記刃物保持部材20の内周面に鋼球22を埋め込むために当該刃物保持部材20に設けられた径方向の貫通孔である。すなわち、当該刃物保持部材20においては、前記鋼球22を固定する方法として、当該刃物保持部材20の適所に貫通孔21を穿設してその延長線上における内周面に有底穴を設け、当該有底穴に鋼球22を軽く嵌め込んだ状態で前記貫通孔21に押棒を挿通して当該押棒で前記鋼球22を押圧することにより、当該鋼球22を前記有底穴内に圧入するという工程が踏まれている。
ただし、本発明では工具側部材と工具保持部材との具体的な嵌合構造は問わない。例えば両部材をスプライン嵌合やキー嵌合させるようにしても、相対回転の規制は可能である。また「工具側部材」は、図示の刃物保持部材20のように工具本体と別の部材であってもよいし、工具に一体に形成されているものでもよい。
前記円筒状刃物24は、その外径と略同等の円形貫通穴を壁等に穿設するためのものであり、中央にねじ孔をもつドーナツ板状の底壁24aと、この底壁24aの外周部から軸方向に延びる円筒状の刃物本体24bとを有しており、刃物本体24bの先端部適所に切欠24cが形成されるとともに、当該切欠24cの縁部に切断刃24dがろう付け等で固定されている。一方、前記刃物保持部材20の先端部外周面には雄ねじ20bが刻まれており、この雄ねじ20bと前記底壁24aのねじ孔とが螺合されることにより、刃物保持部材20と円筒状刃物24とが一体化されるようになっている。
なお、本発明では工具の種類も問わず、図示の穴開け工具の他、工具装着部材に着脱可能に装着された状態で駆動される種々の工具について本発明の適用が可能である。
前記装着部材本体11には、この装着部材本体11と前記刃物保持部材20とを嵌合状態で締結するための締結部材30が設けられている。
この締結部材30は、ナット部材31を備えている。このナット部材31の本体は、筒状をなし、その筒状部分の先端部の内周面に雌ねじ31cが刻まれる一方、前記本体部分の基端(図2では上端)から径方向内側に端壁31fが突出しており、この端壁31fが、前記装着部材本体11に対して相対回転可能でかつ軸方向の相対移動が規制された状態で装着部材本体11側に保持されている。具体的には、前記端壁31fと装着部材本体11の前記鍔部11cとの間に弾性変形可能なOリング16が介在した状態で、前記端壁31fを前記鍔部11cと反対の側(図2では上側)から規制する止め輪15が装着部材本体11に装着されている。
一方、前記刃物保持部材20の後端部外周面には雄ねじ20cが刻まれており、当該刃物保持部材20が前記装着部材本体11の先端部に浅く外嵌された状態で前記雄ねじ20cと前記ナット部材31側の雌ねじ31cとの螺合を進行させることにより、装着部材本体11と刃物保持部材20との締結が可能となっている。
さらに、この構造では、前記ナット部材31の締め付け状態の緩みを規制するための手段が設けられている。
まず、前記工具装着部材11の鍔部11cの外周面には、断面V字状の山と谷が交互に連続する凹凸が形成されている。換言すれば、多数の断面V字状凹部11eが周方向に連続して並んでいる。
これに対して前記ナット部材31の筒状部分には当該筒状部分を径方向に貫通する貫通孔31aが設けられ、この貫通孔31a内に鋼球からなる係合球(係合部材)32及び中間球(中間部材)33が格納されている。図4に示すように、前記貫通孔31aの内側端の内径は前記係合球32の直径よりも僅かに小さく設定されており、当該内側端から前記係合球32が抜け出ることが不能となっている。このように、内側端のみ内径が局所的に小さくなっている貫通孔31aを形成するには、例えば、ナット部材31に対してその外周面側からボールエンドミルによって穿孔を行い、当該ボールエンドミルの先端部分がナット部材31の内周面を完全に突き抜ける手前でその穿孔を止めるようにすればよい。
なお、本発明では必ずしも貫通孔31aからの前記係合球32の抜け止めがなされていなくてもよく、図示のように工具装着部材10にナット部材31を組付けた状態で係合球32等の係合部材が脱落しないように保持された構造となっていればよい。
両球32,33は、前記係合球32が前記貫通孔31aの内側端から内方に突出して前記凹部11eに嵌まり込む係合位置と当該係合位置から径方向外側に待避して前記凹部11eの境界部分である凸部を乗り越え可能な待避位置との間で移動可能となるように貫通孔31a内に保持されている。
さらに、前記ナット部材31の筒状部分の外周面には、前記貫通孔31aとつながる周方向の凹溝31bが形成され、この凹溝31b内に板ばね34が嵌着されている。この板ばね34は、図例では、帯状の薄板で構成され、360°を超える中心角をもつ円弧状をなしていて、前記凹溝31bの周長よりも大きな周長を有しており、当該板ばね34自体の弾性変形により限られた範囲で拡径することが可能となっている。すなわち、この板ばね34は、前記貫通孔31aの外側に位置し、かつ、前記筒状部分の外周面(凹溝31bの底面)に沿うようにして当該筒状部分に取付けられている。
この板ばね34の嵌着により、前記両球32,33が径方向外側から拘束され、前記係合球32が前記係合位置に保持されるとともに、前記板ばね34の拡径方向の弾性変形に伴って前記係合球32が前記待避位置へ待避することが可能となっている。つまり、前記板ばね34の弾発力が前記中間球33を介して前記係合球32に伝達され、当該弾発力によって前記係合球32が前記係合位置側に付勢されるようになっている。
なお、前記板ばね34は中心角が360°未満の円弧状(例えばC字状)のものであってもよい。
以上示した工具連結構造によれば、前記係合球32が板ばね34による付勢力を受けながらも適宜係合位置から待避位置へ待避することによって凹部11e同士の間の凸部を乗り越えることができるため、ナット部材31を装着部材本体11に対して相対回転させることが可能であり、当該相対回転によってナット部材31の雌ねじ31cと刃物保持部材20の雄ねじ20cとの螺合を進行させることにより、図2に示すような締結状態にすることができる。そして、この締結状態で工具装着部材10、刃物保持部材20、円筒状刃物24、及びドリルビット26を一体に回転させることにより、壁等に円形の貫通穴を穿設することができる。
その施工中は、前記係合球32がいずれかの凹部11eに嵌まり込んで係合位置に存在するとともに、前記板ばね34の弾発力によって当該係合位置にある程度の力で保持されているので、その係合保持により、施工時の振動等によりナット部材31と刃物保持部材20との締め付けが緩むことが有効に規制される。
しかも、前記板ばね34は、例えば図9に示すような圧縮コイルばね95と異なり、装着部材本体11の外周面を取り巻くように取付けられて前記係合球32を外側から拘束、付勢するものであるため、特に構造全体を大型化しなくても十分な付勢力を確保することが可能となっている。従って、コンパクトな構造で、前記係合球32と凹部11eとの係合状態を十分な力で保持して有効な緩み規制効果を確保することができる。
なお、本発明にかかる係合部材及び中間部材は前記係合球32及び中間球33のような球状のものに限らず、その具体的な形状については適宜設定可能である。また、貫通孔31aの長さによっては、複数の中間部材を係合部材と弾性部材との間に介在させてもよいし、逆に当該中間部材を省略するようにしてもよい。
また、本発明にかかる弾性部材も前記板ばね34に限らず、例えば線状のものを用いることが可能である。さらに、当該弾性部材の形状の設定によって、前記中間部材を省略したり、さらには当該弾性部材と係合部材とを一体化させることも可能である。
その実施の形態を図5及び図6に示す。ここでは、前記板ばね34に代えて線材からなる線ばね50が弾性部材として用いられている。この線ばね50は、中心角が360°に近いC型円弧状の周方向部分52と、この周方向部分52の片端から径方向内側に突出する径方向部分54とを一体に有するように曲げ加工されたもので、前記周方向部分52が前記筒状部分の外周面(凹溝31bの底面)に沿うようにして当該筒状部分に取付けられるとともに、径方向部分54が貫通孔31a内に径方向外側から挿入されている。そして、この径方向部分54の端部が係合球32に外側から当接することにより、当該係合球32が係合位置に保持されるようになっている。
この工具連結構造においても、前記係合球32が線ばね50の径方向部分54による拘束を受けながらも、当該線ばね50の周方向部分52の拡径方向の弾性変形及び径方向部分54の径方向外側への変位を伴いながら適宜前記係合位置から待避位置へ待避することによって凹部11e同士の間の凸部を乗り越えることができるため、ナット部材31を装着部材本体11に対して相対回転させることが可能であり、当該相対回転によってナット部材31の雌ねじ31cと刃物保持部材20の雄ねじ20cとの螺合を進行させることにより締結状態にすることができる。
そして施工中は、前記係合球32がいずれかの凹部11eに嵌まり込んで係合位置に存在するとともに、前記線ばね50の弾発力によって当該係合位置に適当な力で保持されているので、その係合保持により、施工時の振動等によりナット部材31と刃物保持部材20との締め付けが緩むことが有効に規制される。
このような構造によれば、前記図4等に示した中間球33を特に導入しなくても、線ばね50の径方向部分54を係合球32に確実に接触させてその拘束(係合位置への拘束)を行うことができる。
さらに、図7及び図8に示すように、前記係合球32を省略するとともに、前記径方向部分54を延ばしてその先端が直接凹部11eに嵌まり込むようにすることにより、当該径方向部分54を係合部材として構成することも可能であり、これによって部品点数の削減及び構造の簡素化を図ることができる。
また、以上の図5〜図8に示す構造では、前記図1〜図4に示した構造と同様に、ドリルビット挿入孔11a内に前記ドリルビット26の基部が挿入された状態で装着部材本体11に設けられた径方向のねじ孔11bに止めねじ14がねじ込まれることにより、前記装着部材本体11にドリルビット26が固定されるのに加え、そのねじ孔11bと締結部材30との間にもドリルビット26を着脱可能に保持する機構が設けられている。
具体的に、装着部材本体11の周壁にはこれを径方向に貫通する貫通孔11hが設けられ、この貫通孔11h内に係合球40が径方向に変位可能となるように装填されている。より詳しくは、当該係合球40がドリルビット挿入孔11aの内周面から内側に突出してドリルビット26の基部に形成された周溝26aと係合するドリルビット保持位置と、このドリルビット保持位置から径方向外側に待避位置との間で移動可能となっている。
さらに、前記装着部材本体11には前記貫通孔11hの外側部分を周方向に通過するような浅い周溝11jが形成され、この周溝11j内に弾性リング42が嵌め込まれており、この弾性リング42によって前記係合球40が前記ドリルビット保持位置側に拘束されるようになっている。
一方、装着部材本体11の外周面には、前記図1及び図2に示した止め輪15に加え、当該止め輪15よりも前記ねじ孔11bに近い位置に止め輪46が設けられており、両止め輪46同士の間に操作部材44が嵌め込まれている。
この操作部材44は、前記装着部材本体11の外側にほぼ隙間なく嵌合される略円筒状をなしている。この操作部材44の内周面には、前記止め輪46側に開放された周溝44aと、この周溝44aから前記止め輪15側に離間した周溝44bとが形成され、前記周溝44a内には前記止め輪46と当たる状態で圧縮コイルばね48が装填されている。そして、通常は、前記圧縮コイルばね48の弾発力により操作部材44が図5に示すような位置、すなわち、周溝44a,44bに挟まれた部分が弾性リング42及び係合球40を径方向外側から拘束する拘束位置に保持される一方、当該拘束位置から図5の矢印に示すように当該操作部材44を圧縮コイルばね48の弾発力に抗して止め輪46側に操作することにより、当該操作部材44の周溝44bが周溝42に合致して前記弾性リング42を解放する解放位置に操作部材44が切換えられるようになっている。
このような構造によれば、前記操作部材44を前記解放位置に切換えた状態で、前記係合球40の変位を伴いながら当該係合球40がドリルビット26の周溝26に係合する位置まで当該ドリルビット26を挿入し、あるいは当該位置からドリルビット26を抜き取ることが可能であり、その挿入状態で前記操作部材44を前記拘束位置に戻して係合球40を係合位置に拘束することにより、当該操作部材44が周溝42に係合してドリルビット26を係止する状態を保持することができる。
また、このような係合球40による係合ではドリルビット26の固定が不十分な場合には、当該係合球40による係合に加え、あるいは当該係合球40を省略して、止めねじ14によりドリルビット26の固定を行うことができる。
なお、本発明にかかる「弾性部材」は図示のような板ばね34や線ばね50に限らず、例えばゴム等の弾性材により環状に形成された弾性部材をナット部材31の外周部に装着するようにしてもよい。
また、図例では装着部材本体11側にナット部材31が取付けられているが、逆に工具側部材にナット部材31が取付けられ、その雌ねじ31cに螺合する雄ねじが装着部材本体11側に取付けられた構造としてもよい。
弾性部材として板ばねが用いられた工具連結構造を示す斜視図である。 前記工具連結構造を示す一部断面正面図である。 (a)は図2のA−A線断面図、(b)は図2のB−B線断面図である。 前記工具連結構造の要部を示す断面正面図である。 弾性部材として線ばねが用いられた工具連結構造を示す斜視図である。 図5のC−C線断面図である。 前記線ばねの径方向部分を係合部材として兼用した工具連結構造を示す斜視図である。 図7のD−D線断面図である。 本発明とは別の工具連結構造の例を示す一部断面正面図である。
符号の説明
10 工具装着部材
11 装着部材本体
20 刃物保持部材(工具側部材)
20c 雄ねじ
24 円筒状刃物
30 締結部材
31 ナット部材
31a 貫通孔
31b 凹溝
31c 雌ねじ
32 係合球(係合部材)
33 中間球(中間部材)
34 板ばね(弾性部材)
50 線ばね(弾性部材)
52 周方向部分
54 径方向部分

Claims (10)

  1. 工具側部材と工具装着部材とを嵌合状態で着脱可能に連結するための工具連結構造において、前記工具側部材、工具装着部材のいずれか一方に、内周面に雌ねじをもつ筒状部分をもつナット部材が回転可能でかつ軸方向の移動が規制された状態で取付けられ、他方に、前記工具側部材と工具装着部材とが嵌合した状態で前記ナット部材の雌ねじと螺合可能な雄ねじが設けられるとともに、前記工具側部材、工具装着部材のうち前記ナット部材が取付けられる部材の外周面には、周方向に並ぶ複数の凹凸が形成され、前記ナット部材の筒状部分には、当該筒状部分を径方向に貫通する貫通孔と、この貫通孔内に当該貫通孔から突出して前記凹凸の凹部に嵌まり込む係合位置と当該係合位置から径方向外側に待避して前記凹凸の凸部を乗り越え可能な待避位置との間で移動可能となるように保持される係合部材と、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられ、かつ、拡径方向に弾性変形可能な弾性部材とが設けられ、この弾性部材の弾発力によって前記貫通孔内の係合部材が前記係合位置側に付勢されて当該係合部材と前記凹部のうちのいずれかとの係合が保持されることを特徴とする工具連結構造。
  2. 請求項1記載の工具連結構造において、前記貫通孔内に、前記係合部材と前記弾性部材との間に介在して当該弾性部材の弾発力を前記係合部材に伝達する中間部材が格納されていることを特徴とする工具連結構造。
  3. 請求項1記載の工具連結構造において、前記弾性部材は、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられる周方向部分と、この周方向部分から径方向内側に突出して前記貫通孔内に挿入される径方向部分とを有し、この径方向部分が前記係合部材を係合位置側に押圧するように構成されていることを特徴とする工具連結構造。
  4. 請求項1記載の工具連結構造において、前記弾性部材は、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられる周方向部分と、この周方向部分から径方向内側に突出して前記貫通孔内に挿入される径方向部分とを有し、この径方向部分が前記係合部材を構成していることを特徴とする工具連結構造。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の工具連結構造において、前記ナット部材の筒状部分の外周面に前記貫通孔とつながる周方向の凹溝が形成され、この凹溝内に前記弾性部材が嵌着されていることを特徴とする工具連結構造。
  6. 工具側部材が着脱可能に装着される工具装着部材において、前記工具側部材と嵌合する形状を有する装着部材本体と、この装着部材本体に嵌合される工具側部材に設けられた雄ねじに螺合可能な雌ねじを内周面にもつ筒状部分を含み、前記装着部材本体に相対回転可能でかつ軸方向の移動が規制された状態で取付けられるナット部材とを備え、前記装着部材本体の外周面には、周方向に並ぶ多数の凹凸が形成され、前記ナット部材の筒状部分には当該筒状部分を径方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記ナット部材の筒状部分には、当該筒状部分を径方向に貫通する貫通孔と、この貫通孔内に当該貫通孔から突出して前記凹凸の凹部に嵌まり込む係合位置と当該係合位置から径方向外側に待避して前記凹凸の凸部を乗り越え可能な待避位置との間で移動可能となるように保持される係合部材と、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられ、かつ、拡径方向に弾性変形可能な弾性部材とが設けられ、この弾性部材の弾発力によって前記貫通孔内の係合部材が前記係合位置側に付勢されて当該係合部材と前記凹部のうちのいずれかとの係合が保持されることを特徴とする工具装着部材。
  7. 請求項6記載の工具装着部材において、前記貫通孔内に、前記係合部材と前記弾性部材との間に介在して当該弾性部材の弾発力を前記係合部材に伝達する中間部材が格納されていることを特徴とする工具装着部材。
  8. 請求項6記載の工具装着部材において、前記弾性部材は、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられる周方向部分と、この周方向部分から径方向内側に突出して前記貫通孔内に挿入される径方向部分とを有し、この径方向部分が前記係合部材を係合位置側に押圧するように構成されていることを特徴とする工具装着部材。
  9. 請求項6記載の工具装着部材において、前記弾性部材は、前記筒状部分の外周面に沿うようにして前記貫通孔の外側の位置に取付けられる周方向部分と、この周方向部分から径方向内側に突出して前記貫通孔内に挿入される径方向部分とを有し、この径方向部分が前記係合部材を構成していることを特徴とする工具装着部材。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の工具装着部材において、前記ナット部材の筒状部分の外周面に前記貫通孔とつながる周方向の凹溝が形成され、この凹溝内に前記弾性部材が嵌着されていることを特徴とする工具装着部材。
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