JP4519605B2 - 汚染土壌の処理装置および汚染土壌の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、汚染土壌に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物を分離し、かつ無害化する汚染土壌の処理装置および汚染土壌の処理方法に係り、特に、有機塩素化合物を効率的かつ確実に無害化することのできる汚染土壌の処理装置および汚染土壌の処理方法に関するものである。
土壌汚染対策法の施行(2003年2月)による特定施設廃止時の汚染調査の義務付けや、不動産鑑定基準の改定(2003年1月)により、土壌汚染が不動産価格決定の要因として加えられるなど、わが国においても土壌汚染や地下水汚染の問題が顕在化する傾向にある。土壌汚染や地下水汚染の原因となる物質は多様であるが、中でも、ジクロロメタンやTCEなどの揮発性有機塩素化合物、およびPCBやダイオキシンなどの有機塩素化合物の占める割合が高い現状である。
有機塩素化合物の一つであるPCBは、その絶縁性・化学的安定性から絶縁油・熱媒体等として広く使用されてきた物質である。昭和40年代に発生した環境汚染問題を契機にその毒性が明らかになり、昭和47年通産省令によりその製造と使用が禁止された。しかしながら、有効な処理方法が確立されず、その廃棄物は30年以上に及び保管され現在に至っている。平成13年「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」が採択され、既に我が国もこれに批准しているが、50カ国を超える批准を得て平成16年5月に至って発効している。この条約において、PCBは製造・使用禁止9物質のひとつとして指定されるとともに平成28年までの適正処理目標が設定されている。国内でも「PCB廃棄物特別措置法」が制定され、これらのPCBを平成28年までに処理することが定められた。現在、国は環境再生保全機構を活用した拠点的な広域処理施設の立地を進め、PCB廃棄物処理の事業化を推進している。
一方、既に環境中へ放出されたPCBについて目を転じると、大気・水質などは恒常的なモニタリングと排出抑制が主な対策となるが、土壌(あるいは底質)に関しては積極的な浄化対策が望まれる。しかしながら、対象となる濃度範囲がCo−PCBのTEQ値換算で数pg/g程度の低濃度域に及ぶため、PCB原液と同様の処理ではコスト・エネルギーの両面で非効率であること、高温高圧あるいは特殊薬品使用を伴うため環境アセスメントの面から「廃PCB等処理基準」で制定された6技術、すなわち、(1)高熱焼却、(2)脱塩素化分解、(3)水熱酸化分解、(4)還元熱化学分解、(5)光分解、(6)プラズマ分解については、オンサイトでの適用は難しいのが現状である。土壌汚染の場合には、原液と同じ処理ではエネルギー面において極めて非効率であり、コストが高騰するといった問題がある。さらには、高温高圧を伴う技術では、副生成物の懸念や排ガスの発生などが考えられ、環境アセスメントの面から地方自治体の許認可や周辺住民の理解が得られ難いといった問題もある。
上記の問題に対して特許文献1においては、PCBを電気分解することで無害化することのできるPCB処理装置およびPCB処理方法に関する発明が開示されている。
特開2002−345991号公報
特許文献1に開示のPCB処理装置およびPCB処理方法によれば、常温下で汚染物質の分解を促進することができ、排ガスなどの二次汚染の懸念も払拭することができる。しかし、汚染土壌の処理に対応したものではなく、したがって汚染土壌からPCBを洗浄分離する工程と、電気分解を並行処理することによる超音波の機能減衰が起こること、および土粒子の存在が電流を遮断することによる電気分解の阻害要因と考えられ、したがってPCB無害化処理のエネルギー効率が大幅に低下するものと考えられる。
本発明の汚染土壌の処理装置および汚染土壌の処理方法は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、有機塩素化合物の無害化処理の前段階として汚染土壌から有機塩素化合物を分離することにより、効率的かつ確実に有機塩素化合物を無害化することのできる汚染土壌の処理装置および汚染土壌の処理方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による汚染土壌の処理装置は、汚染土壌に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物を分離し、かつ無害化する汚染土壌の処理装置であって、汚染土壌から有機塩素化合物を分離する分離装置と、分離された有機塩素化合物を無害化する無害化装置と、からなることを特徴とする。
本発明の無害化装置は、汚染された土壌に付着したPCBなどの有機塩素化合物を分離装置にて土粒子から分離させ、分離後のPCBを脱塩素化させることで無害化(PCBの場合は無害なビフェニルにする)を図るものである。
また、本発明による汚染土壌の処理装置の他の実施形態において、前記分離装置は、汚染土壌を含有する溶液を収容する容器と、撹拌部材と、溶液内に超音波を発生させる発振部材とを少なくとも備えており、溶液内で超音波を発生させながら撹拌部材で溶液を撹拌させ、該溶液のうち、有機塩素化合物を含有した上澄み液を前記無害化装置へ送り出すことを特徴とする。
溶液内に超音波を発生させることにより、土粒子に付着した有機塩素化合物を土粒子から分離しやすくできる。超音波によって有機塩素化合物を土粒子から分離しやすい状態とした上で、溶液を撹拌させることで、土粒子と有機塩素化合物を完全(または、ほぼ完全)に分離することができる。撹拌後は所定時間残置させることで、有機塩素化合物が分離された土粒子は容器内に沈積し、難溶性の有機塩素化合物は上澄み液内を浮遊した状態となる。
分離装置の実施形態として、例えば、容器内に鉛直方向の隔壁を設けておき、隔壁の一側側には先端にプロペラを備えた撹拌部材と発振部材を設置しておき、隔壁の他側側には水中ポンプを設置しておく。隔壁の一側側には予め水が入っており、土砂投入ホッパから汚染土壌を投入する。汚染土壌から有機塩素化合物を分離し、該有機塩素化合物が浮遊する上澄み液ができた段階で隔壁の上部から他側側へ上澄み液を流入させる。この上澄み液を水中ポンプでポンプアップしながら無害化装置へ送ることができる。
なお、土砂投入ホッパから汚染土壌を投入するに際して、予め汚染土壌を振動ふるいなどでふるい分けしておき、最大粒径を極力小さくしておくことが望ましい。有機塩素化合物の無害化の方法として後述する電気分解をおこなう場合などにおいては、粒径が小さなほどその分解効率が高いからである。
また、本発明による汚染土壌の処理装置の他の実施形態において、前記分離装置は、汚染土壌を含有する溶液を収容する容器と、撹拌部材と、界面活性剤または溶剤が混入された溶液とを少なくとも備えており、撹拌部材で溶液を撹拌させ、該溶液のうち、有機塩素化合物を含有した上澄み液を前記無害化装置へ送り出すことを特徴とする。
界面活性剤を溶液に加えて撹拌することにより、有機塩素化合物を水中へ分散させやすくすることができる。また、溶剤を使用する場合には、例えば、n−ヘキサン、イソプロピルアルコール、メタノールなどの溶剤を使用できる。
また、本発明による汚染土壌の処理装置の他の実施形態において、前記無害化装置は、有機塩素化合物を含有する溶液を収容する容器と、有機塩素化合物を電気分解するための陽極および陰極を形成する電極部材とから少なくとも構成されることを特徴とする。
分離装置にて土粒子と分離された有機塩素化合物を含有する溶液であるため、溶液に通電することで効率的に有機塩素化合物の電気分解が促進される。電気分解することにより、陰極には脱塩素化された無害のビフェニルが付着し、陽極には塩素イオンと水中のカルシウムやカリウムなどからなる塩化化合物が付着することとなる。
また、本発明による汚染土壌の処理装置の好ましい実施形態として、前記無害化装置は、さらに溶液内に超音波を発生させる発振部材を備えていることを特徴とする。
溶液内に超音波を発生させることにより、例えばPCBを水中に乳化させて該PCBの電気分解を促進させることができる。また、超音波によって発生する気泡の崩壊時にキャビテーションが起こり、脱塩素化を補助するといった効果もある。
また、本発明による汚染土壌の処理装置の他の実施態様は、前記無害化装置内の無害化処理後の溶液を前記分離装置内の溶液として再利用可能としたことを特徴とする。
例えば、無害化装置を構成する容器内に、鉛直方向の半透膜からなる隔壁を設けておく。隔壁の一側側には陰極を形成する電極部材と発振部材を設置しておき、有機塩素化合物を含有する上澄み液を流入させる。一方、隔壁の他側側には陽極を形成する電極部材と水中ポンプを設置しておく。隔壁の他側側の水溶液は、有機塩素化合物を含有しておらず、したがって、この水溶液を水中ポンプにてポンプアップして分離装置を構成する容器内へ戻すことにより、水溶液を形成する水の再利用を図ることが可能となる。
また、本発明による汚染土壌の処理装置の他の実施形態は、有機塩素化合物が分離された分離装置内の土壌を、回収可能としたことを特徴とする。
分離装置を構成する容器内に沈積する有機塩素化合物が分離された土砂を、例えば容器内に設置したサンドポンプにてポンプアップするなどして回収することにより、回収された土砂を別途工事の埋め戻し土などに有効利用することが可能となる。
また、本発明による汚染土壌の処理方法は、汚染土壌に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物を分離し、かつ無害化する汚染土壌の処理方法であって、容器内で汚染土壌と水を混合して溶液を形成し、該溶液内で超音波を発生させながら溶液を撹拌させる第一工程と、撹拌された溶液のうち、有機塩素化合物を含有した上澄み液を別途の容器に移し、該容器内に通電させることにより、有機塩素化合物の電気分解をおこなうことで脱塩素化を図る第二工程と、からなることを特徴とする。
第一工程においては、溶液内に超音波を発生させることにより、土粒子に付着した有機塩素化合物を土粒子から分離しやすくできる。また、土粒子から分離された有機塩素化合物を電気分解することにより、電気分解に要する時間を短縮することが可能となる。
また、本発明による汚染土壌の処理方法の他の実施形態は、汚染土壌に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物を分離し、かつ無害化する汚染土壌の処理方法であって、容器内で汚染土壌と水を混合して溶液を形成し、該溶液内に界面活性剤または溶剤を混入させ、該溶液を撹拌させる第一工程と、撹拌された溶液のうち、有機塩素化合物を含有した上澄み液を別途の容器に移し、該容器内に通電させることにより、有機塩素化合物の電気分解をおこなうことで脱塩素化を図る第二工程と、からなることを特徴とする。
既述するように、界面活性剤を溶液に加えて撹拌することにより、有機塩素化合物を水中へ分散させやすくすることができる。なお、上記する界面活性剤または溶剤を溶液中に混入させるとともに、該溶液に超音波を発生させながら撹拌することにより、土粒子からの有機塩素化合物の分離をより一層促進させることが可能となる。
さらに、本発明による汚染土壌の処理方法の他の実施形態は、前記第二工程において、前記容器内で超音波を発生させながら有機塩素化合物の電気分解をおこなうことを特徴とする。
第二工程において、超音波を発生させながら有機塩素化合物の電気分解をおこなうことにより、電気分解を促進させることが可能となる。
以上の説明から理解できるように、本発明の汚染土壌の処理装置および汚染土壌の処理方法によれば、常温下で汚染物質の分解を促進することができ、排ガスなどの二次汚染の懸念もないことから、施工中および施工後の安全性を確保することができる。したがって、工事に対する住民の理解も得られやすくなる。また、本発明の汚染土壌の処理装置および汚染土壌の処理方法によれば、有機塩素化合物を効率的かつ確実に汚染土壌から分離するとともに無害化することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の汚染土壌の処理装置を示した模式図であり、図2は、実験結果を示したグラフである。なお、図示する実施形態では、無害化装置が有機塩素化合物を電気分解するものを示しているが、無害化装置はかかる実施形態に限定されるものではない。また、図中には分離装置に発振部材が設けてあるが、分離装置内の溶液に界面活性剤や溶剤が混入されている場合には発振部材が設けられていない実施形態であってもよい。
図1は、汚染土壌の処理装置1を示している。汚染土壌の処理装置1は、分離装置2と無害化装置3とから主に構成されている。
分離装置2は、容器21の内部に隔壁22が設けられている。隔壁22の一側側には、複数の発振部材4,4と撹拌部材5が設置されており、さらに界面活性剤または溶剤が水中に混入されてできた溶液W1が収容されている。溶液W1の中へ土砂投入ホッパ6を介して振動ふるいにかけられた後の汚染土壌を投入する(矢印X方向)。汚染土壌は水中で土粒子S,S,…に分散される。ここで、発振部材4,4の先端から超音波を発生させながら撹拌部材5を回転させ、その先端に装着された撹拌翼51で溶液W1を掻き混ぜる。
水中に混入された界面活性剤(または溶剤)と超音波によって、土粒子Sに付着した有機塩素化合物Cを土粒子Sから分離しやすくできる。
溶液W1を撹拌翼51によって掻き混ぜた後、所定時間残置させておくことにより、溶液W1の上層に有機塩素化合物Cが浮遊する上澄み液W2が形成され、有機塩素化合物Cが分離された土粒子Sが容器21の底に沈積する。
隔壁22の上部に設けられた開口22aを開くことにより、上澄み液W2を隔壁22の他側側へ流入させる。隔壁22の他側側には水中ポンプ81が設置されており、水中ポンプ81に連通された配水管83が無害化装置3を構成する容器31内に通じている。隔壁22の他側側に貯められた上澄み液W2を水中ポンプ81でポンプアップすることにより、上澄み液W2を容器31に送り込む(矢印Y方向)。
無害化装置3の容器31の内部には半透膜の隔壁32が設けられている。隔壁32の一側側には陰極を形成する電極部材71と撹拌部材5、発振部材4が設けられている。一方、隔壁32の他側側には陽極を形成する電極部材72が設けられており、電極部材71,72は電源に繋げられている。
容器31内に上澄み液W2が所定量貯まった段階で、溶液中に電流を流す。なお、通電の際には、溶液中に超音波を発生させるとともに撹拌部材5による撹拌をおこなう。通電によって溶液中に浮遊する有機塩素化合物Cは電気分解する。有機塩素化合物Cが例えばPCBの場合は、陰極において塩素イオンが離脱して水の電気分解により発生する水素イオンと置換して無害のビフェニルhとなる。一方、塩素イオンは半透膜の隔壁32を通過して陽極側に移動し、塩素化合物fとして沈殿または溶解する。この時、ビフェニルhは半透膜の隔壁32を通過できないため、PCBの再合成はおこなわれない。
陽極まわりの溶液には有機塩素化合物Cおよび脱塩素処理された有機化合物は含まれておらず、この溶液(水)を次の汚染土壌の処理に再利用する場合には、設置された水中ポンプ81に連通する配水管84を介して容器21へ送り込むことができる(矢印Z方向)。
また、有機塩素化合物Cが分離されて容器21内に沈積した土粒子S,S,…からなる土砂は容器底に設置されたサンドポンプ82にてポンプアップし、排出管85を介して外部へ排出する(矢印T方向)。外部へ排出された土砂は有機塩素化合物が脱離されたものであり、したがって別途工事の埋め戻し土などとして再利用することもできる。
以下に発明者等による実験概要と実験結果を示す。この実験は、泥水中のPCB濃度を、「排水基準を定める環境省令」に基づく排水基準(0.003mg/L)以下とするのに必要な処理時間を求めたものである。
使用した実験装置は、分離装置(前処理装置)と、無害化装置(超音波電気分解槽)から構成されており、大略構成は図1に示されている。分離装置は、50Lの水槽と、撹拌部材(撹拌機)および発振部材(超音波発生器)から構成されている。この超音波発生器は、超音波周波数を20000Hz、超音波出力を2000Wに調整されている。この分離装置により、汚染土壌からPCBを洗浄抽出することになる。
一方、無害化装置は、50Lの水槽と、撹拌機と超音波発生器、電極と半透膜から構成されている。この超音波発生器は、超音波周波数を20000Hz、超音波出力を2000W、電気分解電圧を20V、電流を50Aに調整されている。この無害化装置により、分離装置によってPCBが抽出された後の上澄み液を脱塩素処理することになる。
また、分離装置内にある水中ポンプは送水速度を9L/分に、無害化装置内にある水中ポンプは送水速度を10L/分にそれぞれ調整されており、一定水位を超えた無害化処理後の水が送水されることになっている。
処理対象の汚染土壌はPCB汚染土壌とし、PCB初期濃度が2000mg/kgで乾燥状態の土壌を使用する。また、この汚染土壌は分離装置に投入するに際して予めふるい分けされており、投入される土壌粒子の粒径は2mm以下に調整されている。
水槽内の溶液は水道水を使用し、さらに電解質として苛性ソーダを添加している。本実験では、分離装置の水槽と無害化装置の水槽の双方にそれぞれ40Lの水道水を満たしておき、さらに、双方の水槽に160gの苛性ソーダを添加している。
実験方法は、まず、分離装置にPCB汚染土壌を600g投入し、分離装置および無害化装置の撹拌機や超音波発生器を作動させ、無害化装置においては、さらに電極間の通電をおこなう。分離装置および無害化装置のそれぞれの水中ポンプも同時に作動させ、汚染土壌の処理装置内において洗浄水(処理後の水)の循環を図る。実験は30分ごとに分離装置内の泥水をサンプリングし、泥水中のPCB濃度の測定をおこなった。
ここで、PCB濃度の分析方法は、まず、泥水100gをサンプリングし、サンプリング試料にn−ヘキサン200ccを添加し、10分の振とう処理を3セット実施した。この振とう処理後の試料を、ガスクロマトグラフ質量分析器(GC/MS)で測定し、試料中のPCB濃度を測定した。
実験結果を、表1および図2に示している。
Figure 0004519605
表1および図2からも分かるように、本発明の分離装置(前処理装置)と無害化装置から構成される処理装置によれば、排水基準(0.003mg/L)をはるかに上回るPCB汚染土壌であっても、わずか4時間程度で排水基準以下とすることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の汚染土壌の処理装置を示した模式図。 実験結果を示すグラフ。
符号の説明
1…汚染土壌の処理装置、2…分離装置、3…無害化装置、4…発振部材、5…撹拌部材、6…土砂投入ホッパ、21,31…容器、22,32…隔壁、71,72…電極部材、W1…溶液、W2…上澄み液

Claims (6)

  1. 汚染土壌に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物を分離し、かつ無害化する汚染土壌の処理装置であって、
    前記汚染土壌の処理装置は、汚染土壌から有機塩素化合物を分離する分離装置と、分離された有機塩素化合物を無害化する無害化装置と、からなり、
    前記無害化装置は、有機塩素化合物を含有する溶液を収容する容器と、有機塩素化合物を電気分解するための陽極および陰極を形成する電極部材とから少なくとも構成され、
    前記無害化装置は、さらに溶液内に超音波を発生させる発振部材を備え、
    前記無害化装置の前記容器には、塩素イオンを透過できる半透膜の隔壁が設けられて、
    溶液内に超音波を発生させながら、前記容器内に通電させて前記有機塩素化合物を電気分解することにより、塩素イオンを半透膜の前記隔壁を通過させて前記陽極側に移動させ、該有機塩素化合物を脱塩素化して塩素化合物として沈殿または溶解させ、
    前記無害化装置内の無害化処理後の溶液を前記分離装置内の溶液として再利用可能としたことを特徴とする汚染土壌の処理装置。
  2. 前記分離装置は、汚染土壌を含有する溶液を収容する容器と、撹拌部材と、溶液内に超音波を発生させる発振部材とを少なくとも備えており、溶液内で超音波を発生させながら撹拌部材で溶液を撹拌させ、該溶液のうち、有機塩素化合物を含有した上澄み液を前記無害化装置へ送り出すことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の処理装置。
  3. 前記分離装置は、汚染土壌を含有する溶液を収容する容器と、撹拌部材と、界面活性剤または溶剤が混入された溶液とを少なくとも備えており、撹拌部材で溶液を撹拌させ、該溶液のうち、有機塩素化合物を含有した上澄み液を前記無害化装置へ送り出すことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の処理装置。
  4. 有機塩素化合物が分離された分離装置内の土壌を、回収可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の汚染土壌の処理装置。
  5. 汚染土壌に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物を分離し、かつ無害化する汚染土壌の処理方法であって、
    容器内で汚染土壌と水を混合して溶液を形成し、該溶液内で超音波を発生させながら溶液を撹拌させる第一工程と、撹拌された溶液のうち、有機塩素化合物を含有した上澄み液を別途の容器に移し、該容器内に通電させることにより、該容器内で超音波を発生させながら有機塩素化合物の電気分解をおこない、塩素イオンを該別途の容器が有する半透膜の隔壁を通過させて移動させることで、該上澄み液を脱塩素化して、無害化処理後の該上澄み液を前記溶液として再利用する第二工程と、からなることを特徴とする汚染土壌の処理方法。
  6. 汚染土壌に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物を分離し、かつ無害化する汚染土壌の処理方法であって、
    容器内で汚染土壌と水を混合して溶液を形成し、該溶液内に界面活性剤または溶剤を混入させ、該溶液を撹拌させる第一工程と、撹拌された溶液のうち、有機塩素化合物を含有した上澄み液を別途の容器に移し、該容器内に通電させることにより、該容器内で超音波を発生させながら有機塩素化合物の電気分解をおこない、塩素イオンを該別途の容器が有する半透膜の隔壁を通過させて移動させることで、該上澄み液を脱塩素化して、無害化処理後の該上澄み液を前記溶液として再利用する第二工程と、からなることを特徴とする汚染土壌の処理方法。
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