JP5850423B2 - 掘削ずり・濁水の回収装置及び処理方法 - Google Patents

掘削ずり・濁水の回収装置及び処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、河川やダム湖などにおける掘削施工で排出される掘削ずりや濁水を回収して処理するための装置・方法に関する。
掘削施工は、河川内の橋梁等構造物の新設・維持補修工事、ダムの維持補修工事、山間部の仮設工などで広く実施されており、その代表例として、特許文献1に開示された桟橋工/LIBRA工法が知られている。また、そのような掘削施工は、特許文献2に開示されたケーシングを利用した掘削や、特許文献3に開示された鋼管・鋼管矢板打設工などでも実施されている。
河川やダム湖などにおける掘削施工では、掘削ずりが短時間に大量排出されるとともに、掘削中に大量の濁水が排出される。これらの掘削ずりを現場に放置したり、濁水を現場で垂れ流しにすると、大量の掘削ずりや濁水で現場周囲の環境汚染を招くため、特許文献4では環境負荷軽減を目的にその飛散を防止することが提案されている。
特許第3211673号公報 特許第3640371号公報 特許第3708795号公報 特許第4553629号公報
(特許文献4に開示の技術事項の問題)
ダウンザホールハンマなどを用いる掘削施工は急速施工化しているため、掘削ずりや濁水が短時間の間に大量に排出される。これらの掘削ずりや濁水は、周辺に放置したり垂れ流しにされていた時代もあったが、近年の環境保護に関する意識の高まりによって、可能な限り工事着手前の状態へ復旧することが求められている。そこで、施工前状態への復旧と掘削ずりや濁水による環境負荷の軽減を図るため、単なる飛散防止にとどまらず、それらを集めて適切に処理することが求められている。
しかしながら、
・当該処理を実施できるように最適化された専用装置は、未だ提案されていない。
・その代替として近接技術の寄せ集めを充当する場合には、大掛かりな代替設備や機材が
必要となるが、当該設備・機材用の占有スペースを現場に確保するのは困難である。
・また、そのような大掛かりな設備を運用するための作業者や、重機の作業スペースを確
保するのも困難である。
また、特許文献4のような方法では、掘削ずりや濁水の飛散は防止されるものの、その集積、移送およびその後の発生土としての廃棄処理や濁度軽減や清水化は、実現不能である。そのため実際の施工現場では、ほとんどの場合、河川、ダム、または山の斜面などで、自然由来の発生物である掘削土は地山、河床に落下させるにまかせ、濁水についても落下後そのまま還流させるなど、特段の処理が行われないというのが現状であった。
(掘削施工に依然として求められている課題)
上述のとおり、河川やダム湖などで実施される掘削施工では、掘削ずりや濁水が大量に排出されるにもかかわらず、従来技術ではこれらを適切に処理することができず、未だに放置や垂れ流しが行われているのが現状である。
一方で、上水として利用される水源や、希少動植物の生息域への濁水の垂れ流しや掘削土の放置などによる自然への環境負荷の増大が問題視され、急速な環境保護に関する意識の高まりとともに、可能な限り工事着手前の状態への現況復旧が求められるようになっている。
(本発明の目的)
上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、掘削施工で生じる大量の掘削ずりや濁水を回収するとともに、掘削ずりを現場に放置することなく確実に移送できる、最適化された専用の装置及び方法を提供することにある。
上述した目的は、掘削施工で生じる掘削ずりと濁水を分別しその双方又は一方を回収するための装置であって、掘削に伴って排出される掘削ずりと濁水を一時的に収容するための容器と、前記容器から溢れることで分別された濁水を貯留する水槽と、を有する掘削ずり・濁水回収装置によって達成される。
前記水槽は、前記容器の下方に配置され、該容器から溢れる濁水を受けるための構成である。すなわち本発明の回収装置は、容器が上方で水槽が下方の位置関係になるように配置されている。
前記容器には、該容器内に沈み込んだ掘削ずりを排出するための排出孔を形成することが好ましい。
また上述した目的は、掘削施工で生じる掘削ずりと濁水を分別しその双方又は一方を処理する方法であって、掘削に伴って排出される掘削ずりと濁水を回収装置の容器に収容し、比重差により容器下方に沈み込んだ掘削ずりを、バキューム車などの移送用タンクに移して移送することによって達成される。
前記容器から溢れて水槽に受け止められた濁水は、送水ホース、圧送ポンプなどを用いて濁度軽減処理設備に送水するようにしてもよい。
本発明によれば、河川やダム湖などで大口径、大深度の掘削を急速に行う際にも、大量の掘削ずりと濁水の分別・回収・移送が円滑に行え、周囲の自然環境や水資源に配慮した施工が行えるようになるという優れた効果が奏される。
また本発明の回収装置を、例えば、特許文献1(特許第3211673号公報)に開示の桟橋工/LIBRA工法の上部工パネルや、特許文献2(特許第3640371号公報)に開示のケーシングを利用した掘削施工や、特許文献3(特許第3708795号公報)に開示の鋼管・鋼管矢板打設工の急速施工に用いる導材の上にセットすることで、掘削中に絶え間なく発生する掘削ずりや濁水を簡単かつ確実に分別・回収できるので、掘削ずりや濁水がそのまま施工現場に還流するのを防止できる。
また本発明によれば、容器内に溜まった掘削ずりと濁水を分別するにあたって、両者の比重差を利用して、濁水だけを容器上部からオーバーフローさせる仕組みを採用している。したがって、分別のための余計な動力や機構を用いることなく、簡単かつ確実に掘削ずりと濁水を分別できる。またこのような特徴により、分別機能を備えた回収装置を低コストで製造することができる。
なお、容器内に溜まった掘削ずりと濁水を分別する手段としては、濁水を容器上部からオーバーフローさせる方法以外に、容器底部をメッシュ(網状部材)などで構成して該底部から水抜きする方法も考えられる。しかしながら、後者の方法では、容器底部の強度が不足するため掘削ずり及び濁水の重みに耐えられず、また、容器底部のメッシュが掘削ずりで目詰まりを起こして機能不全に陥るといった問題がある。
また本発明によれば、掘削施工で排出される大量の掘削ずりと濁水を分別して回収するので、回収した掘削ずりをそのまま産廃処理し、或いは埋戻し材料等として再利用に供することができ、一方で、回収した濁水については、濁度軽減処理などを施した上でそのまま放流することができる。
また本発明によれば、回収装置の容器に収容された濁水の多くは、容器上部からオーバーフローすることで分別回収されるようになっているので、掘削ずりの回収経路で一時的に滞留が生じたとしても、濁水の分別を妨げることがない。
また、水中掘削などにおいては、しばしば掘削土を大きく上回る体積で濁水が排出されるが、本発明の如く掘削ずりと濁水を分別回収することで、掘削ずりの移送効率を大幅に向上させることができる。(大量の濁水に掘削ずりが混じったままの状態で、産廃処理場等へ移送することになれば、掘削ずり移送用タンクの容量を濁水が圧迫するため、掘削ずりの移送コスト・労力が大幅に膨れ上がる。)
また、回収した濁水に濁度軽減処理を施す場合においても、事前に掘削ずりから分別されていることで、濁水処理設備の負担を大幅に軽減でき、速やかに清水に近づけ放流することができる。
桟橋施工で用いる桟橋パネルを示す平面図である。 桟橋施工の一工程を例示する斜視図であって、図1に示す桟橋パネルをクレーンで設計位置に運搬している様子を示している。 図2の次工程を示す斜視図であって、片持ち状に延設した桟橋パネルをガイドに利用し、橋脚をなすケーシングを打設している様子を示している。 掘削施工に用いられるダウンザホールハンマを備えた掘削装置を示す図である。 本発明の掘削ずり・濁水回収装置を示す平面図である。 図5の掘削ずり・濁水回収装置の概略断面図である。 本発明の掘削ずり・濁水回収装置を利用した掘削施工の様子を示す図である。 本発明の掘削ずり・濁水回収装置を利用して掘削ずりを移送用タンクに移している様子を示す図である。 掘削ずり・濁水回収装置に用いる水槽の他の実施形態を示す平面図である。
本発明は、掘削ずり及び濁水を排出する掘削工程で用いられる。
以下の説明では、そのような掘削工程を含む施工の一例として、ダウンザホールハンマを利用した桟橋施工を引用する。
(桟橋施工の概要)
はじめに、図1〜図3に基づいて、本発明を適用可能な桟橋施工の概要を説明する。
図1は、桟橋施工で用いる桟橋パネル6を示す平面図である。
図2は、桟橋施工の一工程を例示する斜視図であって、図1に示す桟橋パネル6をクレーンで設計位置に運搬している様子を示している。
図3は、図2の次工程を示す斜視図であって、片持ち状に延設した桟橋パネル6をガイドに利用し、橋脚をなすケーシング7を打設している様子を示している。
桟橋施工では、桟橋の上部構造の一単位を成すユニット状の桟橋パネルを複数用いる。図1に示す桟橋パネル6は、主として、メインフレーム61と、該メインフレームに連結されたガイドフレーム63(ケーシングガイド用フレーム)とから構成されている。
メインフレーム61は、既設の桟橋パネルに対し連結される連結部材65を有している。ガイドフレーム63は、打設時にケーシングをガイドし鉛直を保つガイドパイプ67と、次段の桟橋パネルに対して連結されるプレート状の連結金具69とを有している。ガイドパイプ67は、ケーシングを挿通させるための挿通孔68を有している。
上記構成の桟橋パネル6を用いて桟橋を架設するにあたっては、はじめに、図2に示すように桟橋パネル6をクレーンで吊り上げ、延設地点(桟橋完成部分の先端位置)へ運搬する。続いて、運搬してきた桟橋パネル6を、桟橋完成部分の先端側の既設桁(既設桟橋パネル)に対し連結して、図3に示すように、桟橋完成部分から張り出すように当該桟橋パネル6を片持ち状に延設する。
次に図3に示すように、橋脚を成すケーシング7を、延設した桟橋パネル6のガイドパイプ67に挿通させ、該桟橋パネルを導材としてケーシング7を打設予定位置の地盤上に鉛直に建て込む。続いて、後述する掘削装置8のダウンザホールハンマ85を、建て込んだケーシング7に挿通させる。なお、図示する実施形態ではケーシングの一例として鋼管杭を用いているが、本発明が適用可能なケーシングには、鋼管杭のほか、鋼管矢板、掘削ケーシングなどのパイプ類も含まれる。
ケーシング7の先端からダウンザホールハンマ85の掘削ビットが突き出たら、該ダウンザホールハンマで対象地盤を掘削しつつ同時にケーシング7の打ち込みを行い、次いで、打設したケーシングの頭部をガイドパイプ67に固定する。図示する例では、1つの桟橋パネルを延設する毎に3本のケーシングを打設して、これらの頭部をガイドパイプ67に固定する。上記工程を経て、1ユニット分(1桟橋パネル分)の上部構造及び下部構造の構築作業が完了する。
上述した工程を繰り返して複数の桟橋パネル6を延設し続けることにより桟橋を完成させる。
(掘削装置)
次に、図4に基づいて、上述した桟橋施工などにおける掘削施工で用いる掘削装置の構成及び作用を説明する。図4は、掘削施工に用いられるダウンザホールハンマ85を備えた掘削装置8を示す図である。
掘削装置8は、図4に示すように、主として、クレーンで吊設される回転駆動装置81(掘進機)と、該駆動装置の下部に固定された略スリーブ状の排土キャップ83と、該排土キャップの内側を通って回転駆動装置81に連結されたダウンザホールハンマ85と、掘削ずりや濁水の飛散防止用のカバー87とを有している。この掘削装置8は、地盤を掘削しつつ同時にケーシング7の打設を行うために用いられる。
回転駆動装置81は、その下部のダウンザホールハンマ85を回転駆動する。
ダウンザホールハンマ85は、打撃力発生用のピストンを内部に備えたハンマシャフト91を有している。ハンマシャフト91の上端側は、略スリーブ状の排土キャップ83の内側を通って、回転駆動装置81に作動可能に連結されている。一方、ハンマシャフト91の先端には、地盤を掘削するための掘削ビット93が設けられている。
ケーシング打設時には、図4に示すようにケーシング7の内空部にダウンザホールハンマ85を挿通させ、ケーシング先端から掘削ビット93を突き出し、該掘削ビットを拡径状態にセットして対象地盤を掘削する。
飛散防止カバー87は、図4に示すように、伸縮自在な蛇腹構造を有しており、筒状に形成されている。この飛散防止カバー87は、打ち込むケーシング7の周囲を囲むように、排土キャップ83に固定されている。掘削ずりや濁水の飛散を防止するとともに、これらを後述する回収装置1の容器内へガイドする役割を担っている。
上記構成の掘削装置8を用いて掘削を行う際には、掘削対象地盤に対し連続的打撃を加えながら回転掘削を行う。掘削ずり(掘削土)や、掘削に伴って生じる濁水は、ダウンザホールハンマの駆動用エアを利用してエアリフト式に吹き上がる。吹き上げられた掘削ずりや濁水は、エアの流れに乗ってケーシングの内空部(詳細には、ケーシングの内壁とダウンザホールハンマの外壁との間の隙間から成る排土経路)を通り、ケーシング上部の開口部から噴出する。
ケーシング7の上部から噴出した掘削ずりや濁水は、図4に示すように、ケーシング上部と排土キャップ83との間の隙間を通って外部へ排出される。排土キャップ83を介して排出された掘削ずりや濁水は、ケーシング7の外壁と飛散防止カバー87の間の隙間を通り、ケーシング7の外壁に沿って下方へ落下する。飛散防止カバー87は、打設されるケーシング7の周囲を囲っているので、排出された掘削ずりや濁水が気流に乗って周囲に飛散することはない。したがって、上記構成の掘削装置を用いることで、掘削ずりや濁水は飛散することなく、確実に、後述する回収装置1の容器内へ落下する。
上述した原理で掘削ずりと濁水をケーシング外へ排出しながら対象地盤を掘削することにより、ダウンザホールハンマが掘進する。したがって、ダウンザホールハンマをケーシングに挿通させた状態で地盤を掘削すれば、ケーシングがダウンザホールハンマに追随するので、掘削と同時にケーシングの打設が行われる。
(掘削ずり・濁水回収装置)
次に、図5〜図7に基づいて、本発明に係る掘削ずり・濁水回収装置の構成について説明する。
図5は、本発明の掘削ずり・濁水回収装置1を示す平面図である。
図6は、図5の掘削ずり・濁水回収装置の概略断面図である。
図7は、本発明の掘削ずり・濁水回収装置1を利用した掘削施工の様子を示す図である。
以下、掘削ずり・濁水回収装置を「回収装置」と略称し、濁水混じりの掘削ずりを必要に応じて「スライム」と称する。
回収装置1は、掘削ずりと濁水を分別し主として掘削ずりを排出する本体2と、該本体の容器13からオーバーフローして分別された濁水を受ける水槽3とを有している。本体2と水槽3は、それぞれ上下の位置関係になるように配置されている。
回収装置の本体2は、主として、打ち込まれるケーシングが挿通可能な挿通孔11と、この挿通孔を囲う容器13と、この容器底部から排出されるスライムを一時的に溜めておくポケット17(スライム溜り)と、ポケット内のスライムを外部タンクへ排出するための排出管19とを有する。さらに本体2は、容器13内での掘削ずりの停滞を阻止して排出を促す停滞阻止手段を備えている。停滞阻止手段の詳細は後述する。
円形の容器13は、主として、中央部が円形にくり抜かれた底板21(底部)と、底板の円形内縁部に設けられた管状のインナーウォール22(壁体)と、底板の円形外縁部に設けられた環状のアウターウォール23(壁体)とから構成されている。インナーウォール22とアウターウォール23は、平面視で同心円をなすように設けられている。容器13内には、飛散防止カバーを通じて落下してきた掘削ずりと濁水を収容するための蓄積空間24が形成されている。
底板21には、図5及び図6に示すように、蓄積空間24内の下方に沈降した掘削ずりを排出するための排出孔26が形成されている。
インナーウォール22は、内側に挿通孔11を有している。このインナーウォールは、ケーシング打設時にはケーシングガイドとしても機能する。
アウターウォール23は、外側に傾斜した状態で蓄積空間24を囲うように設けられている。
底板21の排出孔26の下部にはポケット17が設けられており、底板の排出孔26を通じて自由落下したスライムは該ポケットに一時的に貯留される。さらに、ポケット17には、そこに貯留されたスライムを排出するための排出孔が設けられており、該排出孔にスライム排出管19が接続されている。スライム排出管19は、移送用タンク(例えばバキューム車のタンク)にホースを介して接続される。
動的な停滞阻止手段は、主として、アウターウォール23の上部側内径に略等しい径のリングギア31(回転体)と、リングギア31をスライド回転自在に支持するためのリングギア固定具33と、リングギア31と一体回転して蓄積空間24内の掘削ずりを攪拌する攪拌部材35(スライム攪拌板)と、リングギア31を回転駆動するモータ37とを有している。この停滞阻止手段は、有体物である攪拌部材35が容器13内で動き回って掘削ずりの停滞を阻止し流動を促すことから「動的手段」といえる。
平面視で環状のリングギア固定具33は、アウターウォール23の上端部に固設されており、図6左側に示すように略コの字状の断面形状を有している。このリングギア固定具33は、リングギア31のギア部39をスライド回転自在に収容する案内溝34を有している。
リングギア31は、円形容器13の中心を回転中心とするように設けられている。このリングギア31は、攪拌部材35を立てた状態で保持するリング部38と、該リング部の外壁側にフランジ状に張り出したギア部39とを有している。
リング部38は、アウターウォール23と協働して壁体としても機能するように、アウターウォール23の上部内壁面に接した状態で位置決めされている。
フランジ状のギア部39は、スライド回転自在に案内溝34に収まった状態でリングギア固定具33によって支持され、モーターシャフトのギア36と歯合している。
攪拌部材35は、容器内の蓄積空間24を仕切るように設けられた板状部材であって、図5に示す実施形態では等間隔で4つ立設されている。各攪拌部材35は、底板21上面、インナーウォール22の外壁面、アウターウォール23の内壁面に略接触するように設けられ、また、リングギア31の内壁に固設されている。本実施形態では、攪拌部材35は、その回動を妨げない程度に容器内面に内接するように設けられているが、掘削ずりの攪拌を維持できる程度に、容器内面に対し隙間をあけて設けられてもよい。
水槽3は、容器13の上部からオーバーフローする濁水を受けるためのものであり、受け皿の如く機能するように本体2の下方に設けられている。水槽3の底部には、打ち込まれるケーシングが挿通可能な挿通孔4が形成されており、前述した桟橋施工で用いる場合には、ガイドフレーム63(図1参照)の上に載置固定される。水槽3の挿通孔4は、図6に示すように、インナーウォール22内の挿通孔11とほぼ同じ径を有している。
掘削ずりと濁水が混在した状態で容器13内に蓄積すると、比重差があるために、掘削ずりが容器下方へ沈降し、容器13の容量が一杯になると濁水だけが容器上部からオーバーフローする。容器13から溢れ落ちた濁水は、周囲に垂れ流しになることなく、下方の水槽3内に蓄積される。水槽3に溜まった濁水は、図示しない送水ホースと圧送ポンプによって、速やかに濁度軽減処理設備に送水される。なお、水槽3の底部には挿通孔4が形成されているが、図6に示すようにインナーウォール22が塞き止めるため、水槽内の濁水が挿通孔4から漏れ落ちることはない。
(回収装置を利用した掘削ずり・濁水の処理方法)
次に、上記構成の回収装置1を用いた掘削ずり・濁水の処理方法について説明する。
図2及び図3に示す桟橋施工で回収装置1を利用するにあたっては、はじめに、図7に示すようにケーシング打設予定位置の真上にあるガイドフレーム63上に水槽3を載置固定し、続いて、この水槽3が受け皿をなすように、該水槽の底部上面に本体2を載置固定する。その際、桟橋パネル6のガイドパイプ67と、水槽3の挿通孔と、本体2のインナーウォール22とが、上からみてほぼ同心円状になるように位置決めする。すなわち、ガイドパイプ67・水槽3・本体2の各挿通孔を平面視で一致させる。これにより、各挿通孔68,4,11が略同芯状に対向するので、各挿通孔に通したケーシング7を鉛直に維持できる。
上記手順で水槽3をガイドフレーム63の上に固定するとともに、該水槽3の上に本体2を固定したら、ポケット17に通じるスライム排出管19を、図8に示すように吸引ホース51を介してバキューム車53のタンクに接続する。ケーシング7の打設を開始するときは、回収装置1のモータ37を作動させて攪拌部材35を連続回転させると同時に、バキューム車53の吸引装置を作動させる。
掘削工程では、図7に示すように、回収装置1の挿通孔11,4とガイドパイプ67の挿通孔68にケーシング7を通して、掘削装置8を用いて前述した手順で掘削と打設を同時に進行させる。掘削工程で削り出される掘削ずりは濁水とともに、図7で矢印で示すようにエアリフト効果により、ダウンザホールハンマ85とケーシング7の間の隙間を通って吹き上げられる。
ケーシング7の上部から排出された掘削ずりと濁水は、排土キャップ83に当たって落下方向に向きを変え、その後は自重により落下する。ケーシング7の周囲は飛散防止カバー87で囲まれているので、掘削ずりや濁水は周囲に飛散することはなく、ケーシング外周に沿って下方の回収装置1へガイドされる。
河川やダム湖などにおける掘削施工では、短時間で大量の掘削ずりと濁水が混在した状態で吹き上げられ、それらがそのままケーシング7の周囲を落下して容器13内に降り注ぐ。このとき、容器13内に堆積した掘削ずりと濁水の荷重及び回収装置1の荷重は、クレーンではなく、桟橋側によって支持されている。
容器13内に降り注ぐ掘削ずりと大量の濁水は、一時的に該容器内に蓄積され、比重の大きい掘削ずりは容器内で沈降する。掘削ずりと濁水が容器13の容量一杯に蓄積すると、容器の上部から主として濁水がオーバーフローし始める。容器13からオーバーフローして分別された濁水は、容器下方にある水槽3によって受け止められ、濁度軽減用の処理設備へと速やかに送水される。なお、分別された濁水の濁度が、放流しても問題ない程度に低ければ、処理設備へ送水することなく、そのまま放流してもよい。
一方、回収装置の容器13内では、攪拌部材35が作動し続けているので、容器の下方へ沈降した掘削ずりは停滞、固結することがない。すなわち、容器13内の下方に沈降した掘削ずりは、旋回し続ける攪拌部材35によって掻き乱されるとともに、底板21の排出孔26へ誘導され、攪拌部材35が排出孔26の上を通過するとき、掘削ずりは自重により落下してポケット17へ格納される。
吸引状況などによっては、一時的にポケット17内が主として掘削ずりで満たされて、掘削ずりが排出孔26から落下できない事態も生じ得るが、その場合でも、攪拌部材35が連続作動しているので、容器13内で待機中の掘削ずりが停滞、固結することはない。そして、容器内で待機中の掘削ずりは、攪拌部材35によって流動を促されるとともに、排出孔26へ誘導され、吸引と攪拌の進行に伴ってやがて排出孔26から落下する。
上述した攪拌部材35の動作によって、底板21の排出孔26の下部にあるポケット17には、スライム(主として掘削ずり)が次々に流れ込む。このポケット17に接続されたスライム排出管19は、図8に示すように、吸引ホース51を介してバキューム車53のタンクに接続されている。したがって、排出孔26を介して落下したスライムは、ポケット17に収容されると瞬く間に吸い出され、吸引ホース51を介してバキューム車53のタンクへと速やかに移送される。
バキューム車53のタンクに移されたスライムは、該バキューム車で処理場へ搬送され、産廃処理されるか、或いは埋戻し材料等として再利用に供される。
(他の実施形態及び変形例)
上述した実施形態は例示であって、特許請求の範囲内で種々の実施形態や変形例を採用することができる。
すなわち、本発明の回収装置を適用可能な掘削施工は、上述したようなダウンザホールハンマを用いた施工や桟橋施工に限定されず、掘削ずりと濁水を生じさせるあらゆる掘削施工で用いることができる。
また、回収装置1の水槽3は、上方の本体2から溢れ落ちる濁水を受け止めるものであれば、いかなる形状・大きさのものでも採用できる。例えば、図9に示すように、隣接して整列する杭などの連続施工で用いる場合には、複数の杭上部にまたがりそれをカバーするサイズ・形状の複数の挿通口を設けた水槽3を掘削(杭打ち)用の導材(H形鋼)などの上に設置して用いるようにしてもよい。この場合には、現在打設中以外の挿通孔4には蓋5を被せて、濁水の流出を防止する。このような水槽を用いることにより、水槽3の一度の固定に対して本体2の位置をずらすだけで次打設用のセッティングが完了するので、盛り替えの手間が少なく、また濁水の容量も大きく確保できるため、ケーシング打設作業を効率的に進めることができる。
また、掘削ずりの移送手段はバキューム車に限定されず、移送可能なタンクを備える物であればいかなるものでも使用できる。また、掘削ずりを回収装置から移送用タンクに移す手段は、バキューム車による吸引に限らず、例えば、容器内に沈降した掘削ずりを手作業で移すようにしてもよい。
また、濁水の分別を補助する手段として、アウターウォール23の上側に濁水を排出するための排水孔(メッシュ、スリット等を含む)を設けてもよい。この排水孔から排出された濁水は、オーバーフローした濁水とともに下方の水槽によって受け止められる。
また、攪拌部材35の態様は図6に示すような板状部材に限定されず、容器内の掘削ずりの停滞、固結を阻止する可動式有体物であれば、いかなるものでも採用でき、排出孔への流動を促すものであることがより好ましい。
また、容器13の底板21は、図6に示すような水平なものに限定されず、掘削ずりが排出孔26に向かって流動しやすいように底板上面に傾斜を付けてもよい。
また、掘削施工で用いるケーシングは、図2及び図3に示す桟橋施工で用いる鋼管杭に限らず、鋼管矢板や掘削ケーシングなどのパイプ類であってもよい。
(産業上の利用可能性)
本発明の回収装置を適用可能な掘削施工は、図2及び図3に示すような桟橋施工に限定されず、掘削ずりと濁水が排出されるあらゆる掘削施工現場に適用可能である。
1 掘削ずり・濁水回収装置(掘削ずり・濁水分別装置)
2 本体
3 水槽(濁水受け)
4 挿通孔
5 蓋
6 桟橋パネル
7 ケーシング
8 掘削装置
11 挿通孔
13 円形容器
17 ポケット(スライム溜り)
19 スライム排出管
21 底板(底部)
22 インナーウォール(内側の壁体)
23 アウターウォール(外側の壁体)
24 蓄積空間
26 排出孔
31 リングギア(回転体)
33 リングギア固定具
34 案内溝
35 攪拌部材(スライム攪拌板)
36 モーターシャフトのギア
37 モータ
38 リング部
39 ギア部
41 濁水用排出孔
43 メッシュ
51 吸引ホース
53 バキューム車
61 メインフレーム
63 ガイドフレーム(ケーシングガイド用フレーム)
65 連結部材
67 ガイドパイプ
68 挿通孔
69 連結金具
81 回転駆動装置(掘進機)
83 排土キャップ
85 ダウンザホールハンマ
87 飛散防止カバー
91 ハンマシャフト
93 掘削ビット
101 ホッパー
103 コンベア
105 斜面

Claims (4)

  1. ケーシングをガイドする導材にセットして用いられ、掘削施工で生じる掘削ずりと濁水を分別しその双方又は一方を回収するための装置であって
    掘削に伴って排出される掘削ずりと濁水を一時的に収容するための容器を具備し、掘削ずりと濁水を分別し主として掘削ずりを排出する本体と、
    前記本体の容器から溢れることで分別された濁水を貯留する水槽と、を有しており、
    前記水槽が受け皿をなすように、該水槽の上に前記本体が設置され、
    掘削施工で生じる掘削ずりと濁水が、前記ケーシングの周囲に沿って落下して、前記本体の容器内に降り注ぐようになっている、ことを特徴とする掘削ずり・濁水回収装置。
  2. 前記容器内に沈み込んだ掘削ずりを排出するための排出孔が該容器に形成されている請求項1に記載の掘削ずり・濁水回収装置。
  3. ケーシングを用いた掘削施工で生じる掘削ずりと濁水を分別しその双方又は一方を処理する方法において、
    掘削に伴って排出される掘削ずりと濁水を、請求項1に記載の回収装置の容器に収容し、比重差により容器下方に沈み込んだ掘削ずりを、移送用タンクに移して移送することを特徴とする掘削ずり・濁水処理方法。
  4. 前記容器から溢れて水槽に受け止められた濁水を濁度軽減処理設備に送水することを特徴とする請求項3に記載の掘削ずり・濁水処理方法。
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