JPH06285473A - 濁水の処理方法 - Google Patents

濁水の処理方法

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JPH06285473A
JPH06285473A JP9725193A JP9725193A JPH06285473A JP H06285473 A JPH06285473 A JP H06285473A JP 9725193 A JP9725193 A JP 9725193A JP 9725193 A JP9725193 A JP 9725193A JP H06285473 A JPH06285473 A JP H06285473A
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JP
Japan
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tank
liquid
silica
treatment
sludge
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Application number
JP9725193A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Nishimura
勤 西村
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】環境にやさしく、大量のスラッジを発生させる
ことなく、急速処理が可能であり、かつ濁度の除去効率
の高い濁水の処理方法を提供すること。 【構成】本発明の濁水の処理方法は、濁水を一次沈澱成
長槽に導き、該一次沈澱成長槽においてシリカの複合結
晶鉱物・非結晶鉱物を還元酸または中性酸で溶解して得
られるシリカ系凝集液を混合撹拌しフロックを形成する
と共に沈澱を成長させ、次いで該一次沈澱成長液を沈降
槽に導き固液分離し、次いで該沈降槽の上澄み液を二次
沈澱成長槽に導き前記シリカ系凝集液を混合攪拌しフロ
ックを形成すると共に沈澱を成長させ、次いで該二次沈
澱成長液を浮上分離処理又は高速沈降処理して固液分離
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は濁水の処理方法に関し、
詳しくはシリカ系凝集液を用いて濁水中に含有される汚
濁乃至懸濁物質を凝集し、常圧浮上、加圧浮上、高速沈
降させて固液分離する濁水の処理方法に関する。
【0002】
【発明の背景】丘陵地の表土を削り造成工事を行ってい
る箇所の雨水等の一次貯留池では、雨水排水に含まれる
土砂や微粒子(ベントナイト等の浮遊物)を十分に沈降
させることができず、濁ったままで放流される場合が多
い。このことは下流域での土砂の堆積原因となったり、
灌漑用水として用いられる場合は、圃場にそれらが堆積
して農業者とのトラブルの原因となったり、比較的沿岸
に近い地域にあっては海底への堆積が進み、生態系への
悪影響が認められ、社会問題にまで発展している。
【0003】また基礎工事現場等で発生する濁水には、
セメント、ベントナイト、土砂等が混入し、しかも強ア
ルカリ性を呈しているのが常である。更に土木排水のよ
うな濁水ではアルカリ土類金属を含有しpHが12以上
というような強アルカリを示すものもある。このため上
記のような濁度成分の問題以外にpH自体も問題になっ
ている。
【0004】このため近年濁水処理の開発が試みられて
いるが、従来の方法には問題点が多い。即ち、従来の濁
水処理をみると、流入濁水を溜池にためて土砂を沈降さ
せ、次いで上澄み液を凝集槽に導き、pH調整を行いな
がら、大量のAl系、Fe系凝集液を用い、大量の水酸
化アルミニウムや水酸化鉄の沈澱を生成させて、それら
の沈澱物に物理的に濁度成分を引っかけ、更に高分子凝
集剤を投与してフロック形状を大きくし、沈降法によっ
て固液分離する方法が採られていた。
【0005】しかし、従来の凝集沈降法のみでは、濁度
が十分に低下しないという問題があった。
【0006】また、従来の方法において用いているAl
系、Fe系凝集液は、濁度成分、特に土木排水の濁度成
分を凝集する機能は極めて弱いため、実際に使用するに
際しては、大量使用しなければならず、このため投与し
たAl系、Fe系凝集剤に起因する大量のスラッジが発
生し、その処理コストも併せて負担せねばならない問題
がある。
【0007】更に、アルカリ土類金属を含有する高pH
の濁水の処理においては、従来、pH調整を行うために
硫酸を添加している。
【0008】濁水中のアルカリ土類金属がすでにイオン
化された状態で存在している場合には、pH調整のため
に添加された硫酸は、例えば C 2++SO4 2- =CaSO4 の反応によって難溶性 の硫酸化合物の白濁を直接生成す
る。
【0009】しかし、この反応は徐々に進行し、反応時
間が相当長く必要となる。このために濁度の処理時間が
長くなる問題がある。
【0010】一方、濁水中のアルカリ土類金属がイオン
化されずに金属として存在している場合には、pH調整
のために添加された硫酸はアルカリ土類金属を溶解しイ
オン化させ、硫酸カルシウム等の難溶性硫酸化合物の白
濁を生じさせる。このため硫酸を多く消費するという問
題のみならず、また前記イオン化のための時間が必要と
なるため、あるいは前記硫酸カルシウム等の生成反応時
間が長くかかるため、やはり濁度の処理時間が長くなる
問題がある。
【0011】このような問題に対して従来は全く解決策
が提案されておらず、依然としてpH調整後、pH調整
槽に一夜放置した後、凝集処理を行っていたのである。
【0012】また、pH調整槽に数時間滞留させただけ
で凝集処理を行った場合には凝集不十分で処理効率が大
幅に低下するという問題があった。
【0013】他方、従来のAl系凝集剤と高分子凝集剤
を併用した処理方法においては、別の大きな問題もあ
る。即ち、処理水中にアルミニウムや有機高分子が残留
し、これらが系外に放流された場合、生態系への影響が
危惧される。例えば魚類の呼吸器系にアルミニウム等が
付着し、酸欠を起こさせる問題が指摘されている。また
アルミニウムが土壌中に蓄積されると水酸化アルミニウ
ムとして存在するため、酸性雨がこれらを容易に溶解
し、アルツハイマー病の原因となることも指摘されてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、環境にやさしく、大量のスラッジを発生させること
なく、急速処理が可能であり、かつ濁度の除去効率の高
い濁水の処理方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討を重ねた結果、濁水中の汚濁物には粒
度の粗い重い汚濁物と溶解ベントナイトのように微小な
軽い汚濁物が含まれている点に着目し、沈澱成長槽を一
次沈澱成長槽と二次沈澱成長槽に分け、各々の成長槽に
シリカ系凝集液を別々に添加して粒度の粗い重い汚濁物
と微小な軽い汚濁物を分けて処理することによって濁度
が十分に除去できることを見いだし、本発明に至ったも
のである。
【0016】即ち、本発明に係る濁殿の処理方法は、濁
水を一次沈澱成長槽に導き、該一次沈澱成長槽において
シリカの複合結晶鉱物・非結晶鉱物を還元酸または中性
酸で溶解して得られるシリカ系凝集液を混合撹拌しフロ
ックを形成すると共に沈澱を成長させ、次いで該一次沈
澱成長液を沈降槽に導き固液分離し、次いで該沈降槽の
上澄み液を二次沈澱成長槽に導き前記シリカ系凝集液を
混合攪拌しフロックを形成すると共に沈澱を成長させ、
次いで該二次沈澱成長液を浮上分離処理又は高速沈降処
理して固液分離することを特徴とする。
【0017】本発明において、浮上分離処理としては、
常圧浮上処理又は加圧浮上処理が好ましい。
【0018】本発明において、常圧浮上処理というの
は、前記二次沈澱成長液を浮上分離槽に導き、該浮上分
離槽において加圧水を用いることなく微細な気泡を該分
離槽下部より直接吐出し、前記二次沈澱成長液中のフロ
ックに該気泡を付着させて、該フロックを浮上させて固
液分離することである。
【0019】また本発明において、加圧浮上処理という
のは、前記二次沈澱成長液を浮上分離槽に導き、該浮上
分離槽において該分離槽下部より飽和空気を溶解してな
る加圧水を放出し気泡を発生させ、該気泡を前記フロッ
クに付着させて該フロックを浮上させて固液分離するこ
とである。
【0020】更に本発明において高速沈降処理というの
は、高速沈降槽の上部に下向流路と上向流路を形成する
2種類の傾斜板を設け、該下向流路に前記二次沈澱成長
液を導入して、該下向流路用傾斜板に当接させてフロッ
クを該高速沈降槽下部に沈降させて固液分離する構成を
有する共に、分離水を上向流路用傾斜板に移行させ前記
下向流路で分離できなかった比較的小さいフロックを該
上向流路に導入して該上向流路用傾斜板に当接して該フ
ロックを前記沈降槽下部に沈降させスラッジと処理水に
固液分離をする処理方法である。
【0021】以下、本発明について詳細に説明する。
【0022】本発明の処理対象となる濁水は、粒度の粗
い重い汚濁物と溶解ベントナイトのように微小な軽い汚
濁物が含まれているものであれば特に限定されないが、
例えば丘陵地の表土を削り造成工事を行っている箇所の
雨水等の一次貯留池からオーバーフローした濁水(一次
貯留池で沈降しなかった土砂やベントナイト等の浮遊物
を含む)、また基礎工事現場等で発生するセメント、ベ
ントナイト、土砂等が混入し、しかも強アルカリ性を呈
している濁水、あるいは土木排水のようなpHが12以
上というような強アルカリを示しアルカリ土類金属を含
む濁水等が挙げられる。
【0023】本発明において、処理対象となる濁水の量
は大量の場合と、中量あるいは少量の場合とに分けて考
える必要があり、大量処理という場合は20m/Hr
を越える濁水を処理することを意味し、また中量あるい
は少量処理という場合は20m/Hr以下、好ましく
は3〜20m/Hrの濁水を処理することを意味す
る。
【0024】大量処理おいては、二次沈澱成長液を浮上
処理することが好ましく、中量あるいは少量処理におい
ては二次沈澱成長液を浮上処理したりあるいは高速沈降
処理することが好ましい。
【0025】次に本発明に用いられるシリカ系凝集液
は、シリカ系凝集液原料を還元酸又は中性酸(例えば希
硫酸)に溶解することによって得られる。また溶解した
後沈澱物を濾過してもよい。なお希硫酸を用いた場合、
沈澱物はCaSO4・2H2Oを主成分とするものであ
る。
【0026】シリカ系凝集液原料としては、シリカの複
合結晶鉱物・非結晶鉱物、例えば天然クリストバル石、
高炉スラグ等のようなSiO2を15〜95重量%含有
する鉱物が用いられるが、好ましくはSiOを15〜
50重量%含有する高炉スラグが用いられる。
【0027】シリカ系凝集液原料は、シリカ複合結晶鉱
物・非結晶鉱物を粉砕又は粉体化し、原料中に硫黄分を
含む場合はそれを酸化してまたは原料に活性炭を配合し
て用いられ、粉砕又は粉体化した後の粒径は5mm以下
が好ましく、4mm以下がより好ましく、更に希硫酸へ
の溶解速度を上昇させる上では、150メッシュ以下の
微粉末が好ましい。
【0028】
【実施例】次に、本発明に係る濁水の処理方法の実施例
を添付図面に基いて説明する。
【0029】(常圧浮上処理の例)図1は、本発明に係
る濁水の処理方法の一例を示すフロー図である。
【0030】図1において、1は濁水を貯留するための
貯留槽、2は濁水ポンプ、3は一次沈澱成長槽である。
4は攪拌機であり、180〜220rpmの回転数のも
のが好ましい。5は沈降槽である。6は二次沈澱成長
槽、7は攪拌機であり、130〜180rpmの回転数
のものが好ましい。8はスラッジ排出ラインである。
【0031】9はシリカ系凝集液を貯留するシリカ系凝
集液タンク、91、92はシリカ系凝集液注入ポンプで
ある。
【0032】10は浮上分離槽であり、11は該浮上分
離槽内に設けられる中空糸装置である。該浮上分離槽1
0は複数槽設けてもよい。また中空糸装置11は浮上分
離槽内に複数設けることができる。12は空気供給手
段、13は処理水排出ライン、14はスラッジ排出ライ
ンである。
【0033】以上の装置を用いて、大量の濁水を処理す
る場合について説明する。
【0034】貯留槽1に貯められた濁水を濁水ポンプ2
で定量ずつ一次沈澱成長槽3に送液する。一次沈澱成長
槽3においてシリカ系凝集液タンク9よりシリカ系凝集
液注入ポンプ91によって定量的に送られるシリカ系凝
集液が混合され、攪拌機4で十分に混合攪拌される。
【0035】混合液は沈降槽5に送られ、該沈降槽5に
おいて、粒度の粗い重い汚濁物がスラッジとしてスラッ
ジ排出ライン8を介して除去される。
【0036】次いで該沈降槽5のオーバーフロー液は二
次沈澱成長槽6に送られる。該二次沈澱成長槽6におい
てシリカ系凝集液タンク9よりシリカ系凝集液注入ポン
プ92によって定量的に送られるシリカ系凝集液が混合
され、攪拌機7で十分に混合攪拌される。
【0037】混合液は常圧浮上処理を施すために浮上分
離槽10に導かれ、溶解ベントナイトのように微小な軽
い汚濁物が除去される。
【0038】該浮上分離槽10内に設けられる中空糸装
置11は例えば図2に示す構成を有したものが用いられ
る。
【0039】即ち、図2において、110は空気導入管
であり、該空気導入管110には複数の透孔が設けられ
た中空糸111の一端が空気導通可能に固定され、また
該固定された一端を基点として空気導入管110の周囲
に渦巻き状に仕切部材112を介して固定されている。
仕切部材112は空気導入管110の回りに放射状に形
成されており、かかる仕切部材112に中空糸111を
固定するための固定溝を設けることによって、1本の中
空糸111を空気導入管110の周囲に巻く際に規則正
しく巻くことができる。また巻き込んだ後に溶着等の方
法で中空糸111を固定溝に固定することも好ましいこ
とである。
【0040】113は両端開口の筒体であり、両端で前
記仕切部材112に固定されている。該筒体113は本
実施例では透明樹脂で形成されているが格別限定されな
い。なお114は空気導入管110の外周に設けられる
支持部材で、仕切部材112を固定する機能も果たす。
【0041】このようにして中空糸装置11を構成する
ための要素となる1段のモジュール115が形成され
る。かかるモジュール段を複数連結して、中空糸モジュ
ール(例えば20段を1モジュールとして)を形成する
ことができる。従って、空気の必要供給量が少ない場合
には段数を少なくすればよいし、また必要供給量が多い
場合には段数を多くすればよい。
【0042】なお中空糸装置11を形成する方法は、上
記の態様に限定されず、例えば複数の段数のモジューを
段毎に作成することなく一体に形成してもよい。
【0043】以上の構成を有する中空糸装置11は浮上
分離槽10内にY方向を液面に向かって配置する。従っ
て中空糸装置11に空気を送るとY方向から微細気泡が
放出される。
【0044】本発明において中空糸装置には分離槽下部
で槽内の水の循環を生じるためのドラフトを設けること
が好ましい。また中空糸装置11は浮上分離槽10内の
全面に微細空気を送るために多数設けることができる。
配置及び個数は適宜変更することができる。
【0045】空気供給手段12、例えばコンプレッサー
から中空糸装置11に送られると微細気泡が浮上分離槽
10内に発生し、フロックはその気泡が付着してそれ自
体浮力が大きくなって浮上する。
【0046】フロックの中には、浮上分離槽10内で沈
降して気泡と接触しないものも多少存在するため、沈降
したフロックを浮上させる手段を浮上分離槽10内に設
けることも好ましい。
【0047】本発明においては、空気供給手段12とし
て用いられるコンプレッサーから加圧エアーが供給され
ているが、微細気泡が浮上分離槽10内に発生する際に
は圧力損失によって加圧状態にはなく常圧浮上となり、
また処理水を駆動水として利用して加圧水を浮上分離槽
10内に放出する構成でもないので、後述の加圧浮上と
区別される。
【0048】浮上したフロックはスラッジとなり、図示
しないスラッジ掻き寄せ機によって排出され、スラッジ
排出ライン14を介して系外に排出される。処理水は浮
上分離槽10の中間部より処理水排出ライン13を介し
て排出される。
【0049】混合液の流入量によって、随時浮上分離槽
10の数を増していくことができる。
【0050】次に中量あるいは少量の濁水処理の場合
は、上記において沈降槽5に上向流式傾斜板を配置する
ことが好ましい。また装置全体をオンサイド型可搬式に
形成することも好ましい。 (加圧浮上処理の例)図3は本発明に用いられる加圧浮
上処理方法の一例を示すフロー図である。なお浮上分離
槽の前工程は図1と同じであるのでその説明を省略す
る。
【0051】図3において、21は該浮上分離槽10内
に設けられる加圧水吐出部である。22は加圧ポンプで
あり、23はエアーを取り込むためのエジェクターであ
り、24は加圧タンク、25は空気逃し弁であり、26
は減圧弁である。
【0052】浮上分離槽10の底部より処理水は加圧ポ
ンプ22によって、加圧タンク24に送られる。途中の
エジェクター23においてエアーを吸い込み、その吸い
込まれたエアーはヘンリーの法則に従い、加圧水の中に
飽和まで溶解される。
【0053】エアーを溶解した加圧水は、減圧弁26に
より、圧力を調節され、浮上分離槽10底部に設けられ
る加圧水吐出部21に送られ、浮上分離槽10内に放出
される。
【0054】放出された加圧水は、減圧されるため、溶
解していたエアーは、微細気泡となって顕在化し、浮上
分離槽10内において、フロックに付着する。気泡が付
着したフロックは浮力が大きくなるので浮上する。
【0055】浮上したフロックはスラッジとしてスラッ
ジ排出ライン14を介して排出され、フロックを分離し
た処理水は、処理水排出ライン13を介して排出され
る。
【0056】(高速沈降処理の例)高速沈降処理は中量
又は少量の濁水の処理に適用することが好ましい。
【0057】図4は本発明に用いられる高速沈降処理方
法の一例を示すフロー図である。なお高速沈降槽の前工
程は図1に示す浮上分離槽の前工程と同じであるのでそ
の説明を省略する。
【0058】図4において、30は高速沈降槽であり、
31は上向流路用と下降流路用傾斜板であり、該傾斜板
31によって傾斜板式下向流路32と傾斜板式上向流路
33が形成される。また34はスラッジ返送ポンプ、3
5はスラッジ排出バルブ、36はスラッジ貯槽、37は
スラッジ貯槽36の上澄水を高速沈降槽30又は図示し
ない排水ピットに戻すための排水ラインである。
【0059】高速沈降槽30に導かれた凝集液は、高速
沈降槽30の側端部で高速沈降槽30の下部よりスラッ
ジ返送ポンプ34によって送られるスラッジと混合さ
れ、凝集フロック化が更に進行し、沈澱性の極めて優れ
たフロック群に成長する。
【0060】次にこの混合液は傾斜式下向流路32に流
入し、傾斜板31の作用でフロック群と液体とに分離さ
れ、フロック群は高速沈降槽30下部に下降し、分離液
は傾斜板式上向流路33に移行する。傾斜板式下向流路
32で分離できなかった比較的小さなフロックは、傾斜
板式上向流路33の傾斜板31に当接して沈降除去され
る。
【0061】沈降したフロック群はスラッジとなってス
ラッジ排出バルブ35で引き抜かれ、スラッジ貯槽36
に貯められ、濃縮されてポンプ361でスラッジ排出ラ
イン14を介して引き抜かれ必要により脱水される。
【0062】なお高速沈降槽30内に沈降したスラッジ
を掻き寄せるのに汚泥掻き寄せ機を取り付けることも好
ましい。また、底面からのスラッジの排出をスムースに
したりスラッジが固まらないように底面でかき混ぜるた
めの攪拌手段を取り付けてもよい。
【0063】高速沈降槽30で分離された処理水は処理
水排出ライン13を介して排出される必要により処理水
の濁度を1ppm未満とする場合は凝集液注入比、p
H、フロック分離プロセス等を調節することにより行う
ことができる。更に、濁水の性状により、システム、プ
ロセスを適宜に組み替えて適応できる。
【0064】以上の実施例において、浮上処理を適宜組
み合わせてもよいし、また浮上処理と高速沈降処理を組
み合わせてもよい。
【0065】
【実験例】以下、実験例により、本発明の効果を例証す
る。
【0066】実験例1 (シリカ系凝集液の製造)高炉スラグ(Ca塩基度1.
15、粉体粒度150メッシュ以下)42.5gを1N
(1規定)の希硫酸1リットルで溶解してシリカ系凝集
液(SiO2濃度約12000ppm)を作成した。
【0067】この要領で必要量をシリカ系凝集液タンク
内に作成した。 (濁水の条件) 濁水量 158m/Hr(大量処理) 濁水性状 表1に示す。 (使用した装置の説明)図1に示す装置を用いた。主要
機器の仕様は以下の通りである。
【0068】一次沈澱成長槽 6m 沈降槽 75m(沈澱池) 二次沈澱成長槽 6m 浮上分離槽 30m 中空糸装置 10基(10モジュール) (90φ×20段1モジュール) (シリカ系凝集液の添加量) 一次沈澱成長槽への添加量 180リットル/Hr 二次沈澱成長槽への添加量 180リットル/Hr (処理の結果)表1に示す。
【0069】分析はJIS K 0102に基いて行っ
た。なおT−Feは全Fe量を示している。
【0070】比較実験例1 実験例1において、一次沈澱成長槽及び沈降槽を削除す
ると共に、シリカ系凝集液をPAC(ポリ塩化アルミニ
ウム)に代え、添加量は500ppm(Alとし
て90ppm)とした。
【0071】処理の結果を表1に示す。
【0072】比較実験例2 実験例1において、二次沈澱成長槽及び浮上分離槽を削
除すると共に、シリカ系凝集液をPAC(ポリ塩化アル
ミニウム)に代え、添加量は500ppm(Al
として90ppm)とした。
【0073】処理の結果を表1に示す。
【0074】比較実験例3 実験例1において、一次沈澱成長槽及び沈降槽を削除す
る以外は同様にして実験を行った。
【0075】処理の結果を表1に示す。
【0076】比較実験例4 実験例1において、二次沈澱成長槽及び浮上分離槽を削
除する以外は同様にして実験を行った。
【0077】処理の結果を表1に示す。
【0078】
【表1】 実験例2 実験例1において、常圧浮上処理を図3に示す加圧浮上
処理に代えた以外は同様にして実験を行った。
【0079】その結果を表2に示す。
【0080】
【表2】 実験例3 実験例1において、濁水の量を3m/Hr(少量処
理)に代えた。これに対応して各機器の仕様も以下のよ
うに代えた。
【0081】一次沈澱成長槽 25リットル 沈降槽 1000リットル(上向流式傾斜板付
き) 二次沈澱成長槽 75リットル 浮上分離槽 500リットル 中空糸装置 1基(90φ×20段1モジュール) (シリカ系凝集液の添加量) 一次沈澱成長槽への添加量 3リットル/Hr 二次沈澱成長槽への添加量 3リットル/Hr (処理の結果)表3に示す。
【0082】分析はJIS K 0102に基いて行っ
た。
【0083】
【表3】 実験例4 実験例3(少量処理)において、常圧浮上処理を図3に
示す加圧浮上処理に代えて以外は同様にして実験を行っ
た。
【0084】その結果を表4に示す。
【0085】
【表4】 実験例5 実験例3(少量処理)において、浮上分離槽を図4に示
す高速沈降槽に代えて以外は同様にして実験を行った。
【0086】 高速沈降槽容量 1000リットル その結果を表5に示す。
【0087】
【表5】 実験例6 実験例1(大量処理)において、濁水を土木排水濁水に
代え、実験条件も以下のように変更した。 (土木排水濁水の条件) 濁水量 20m/Hr(中量処理) 濁水性状 表6に示す。 (使用した装置の説明)図1に示す装置を用いた。主要
機器の仕様は以下の通りである。
【0088】一次沈澱成長槽 200リットル 沈降槽 7m 二次沈澱成長槽 200リットル 浮上分離槽 4m 中空糸装置 3基(3モジュール) (90φ×20段1モジュール) (シリカ系凝集液の添加量) 一次沈澱成長槽への添加量 80リットル/Hr 二次沈澱成長槽への添加量 20リットル/Hr (処理の結果)表6に示す。
【0089】分析はJIS K 0102に基いて行っ
た。
【0090】比較実験例5 実験例6において、二次沈澱成長槽及び浮上分離槽を削
除すると共に、シリカ系凝集液をPAC(ポリ塩化アル
ミニウム)に代え、添加量は2000ppm(Al
として360ppm)とした。
【0091】処理の結果を表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、環境にやさしく、大量のスラッジを発生させ
ることなく、濁水の除去効率の高い濁水の処理方法を提
供できる。
【0094】また本発明によれば、アルカリ濁水中に溶
解しているアルカリ土類金属とシリカが結合してカルシ
ウムシリケートを形成し、シリカが急速にゲル化して凝
集沈澱を生成するため、従来のAl系凝集液(例えばP
AC)を用いた方法に比べ、急速処理が可能となる効果
がある。
【0095】更に本発明により、表土侵食した雨水や土
木工事による濁水の急速処理が簡潔な方法で可能となる
ばかりでなく、その処理効果も極めて高く、しかも毎時
数千トンに達する処理規模の大型化や、毎時1トン程度
の処理規模の小型化にも対応することが可能であり、更
に、低いコストと容易なメンテナンスでこの処理を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る濁水の処理方法の一例を示すフロ
ー図
【図2】中空糸浮上分離装置の一例を示す斜視図
【図3】本発明に用いられる加圧浮上処理方法の一例を
示すフロー図
【図4】本発明に用いられる高速沈降処理方法の一例を
示すフロー図
【符号の説明】
1:貯留槽 2:濁水ポンプ 3:一次沈澱成長槽 4:攪拌機 5:沈降槽 6:二次沈澱成長槽 7:攪拌機 8:スラッジ排出ライン 9:シリカ系凝集液タンク 91,92:シリカ系凝集液ポンプ 10:浮上分離槽 11:中空糸装置 110:空気導入管 111:中空糸 112:仕切部材 113:筒体 114:支持部材 12:空気供給手段 13:処理水排出ライン 14:スラッジ排出ライン 21:加圧水吐出部 22:加圧ポンプ 23:エジェクター 24:加圧タンク 25:空気逃し弁 26:減圧弁 30:高速沈降槽 31:傾斜板 32:傾斜板式下向流路 33:傾斜板式上向流路 34:スラッジ返送ポンプ 35:スラッジ排出バルブ 36:スラッジ貯槽 37:排出ライン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】濁水を一次沈澱成長槽に導き、該一次沈澱
    成長槽においてシリカの複合結晶鉱物・非結晶鉱物を還
    元酸または中性酸で溶解して得られるシリカ系凝集液を
    混合撹拌しフロックを形成すると共に沈澱を成長させ、
    次いで該一次沈澱成長液を沈降槽に導き固液分離し、次
    いで該沈降槽の上澄み液を二次沈澱成長槽に導き前記シ
    リカ系凝集液を混合攪拌しフロックを形成すると共に沈
    澱を成長させ、次いで該二次沈澱成長液を浮上分離処理
    又は高速沈降処理して固液分離することを特徴とする濁
    水の処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09327601A (ja) * 1996-06-12 1997-12-22 Maezawa Ind Inc 固液分離方法及び装置
JP2008173572A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Nishimatsu Constr Co Ltd 濁水処理方法
JP2013068001A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Yokoyama Kiso Koji:Kk 掘削ずり・濁水の回収装置及び処理方法
KR102440990B1 (ko) * 2022-03-10 2022-09-06 영원환경기술(주) 축산폐수 처리장치 및 처리방법

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