JP4997389B2 - 水質浄化システム及び水質浄化方法 - Google Patents

水質浄化システム及び水質浄化方法 Download PDF

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Description

本願発明は、水の循環がおこなわれ難い湖、沼や池などの閉水域における水質の浄化システム及び水質浄化方法に関する。
貯留容積に比べて流入水量あるいは流出水量の少ない湖、沼や池などの閉水域は、湖水、沼水や池水(以下「湖水等」という。)の循環がおこなわれ難く、湖水等が澱む傾向にある。その上、都市生活空間に近い湖、沼や池などの閉水域では、生活廃水が流れ込んで湖水等を汚染し、また、都市生活空間から程遠い湖、沼や池などの閉水域であってもキャンプ場などから生活廃水が流れ込んで湖水等を汚染する。
そして、上述のような湖、沼や池などでは、汚染された湖水等を自然浄化する自浄能力を超える場合が生じ、汚染物質が蓄積されて、水の汚濁を表す指標であるBOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)およびSS(懸濁物質濃度)、プランクトンと関係するクロロフィルa濃度、富栄養価を示すTN(全窒素)やTP(全リン)などの量が増加して、水道の水源として不適になったり、レクリエーションの場としての水辺の環境の悪化につながることになる。そのため、全国各地の湖、沼や池などで水質浄化が試みられるようになり、湖水等の水質浄化に関する技術もかなり多く提案されている。
たとえば、特開2001−224907号公報に開示の技術は、設備費、運転費が安価で、湖沼・河川の水質浄化を安定した高い効率でおこなうことが可能な、コンパクト化を図った高度処理対応型の凝集沈殿・急速ろ過装置を提供することを目的としたものである。そして、その目的を達成するため、従来の凝集槽と沈殿槽を合体させ、凝集室の側方を沈殿室、下方を貯留室として区画し、凝集室の側面下方に沈殿室と連通するスロット部、凝集室の底面に貯留室と連通する連通口を有する仕切り板、及び沈殿室の方向に突き出した整流板を設け、沈殿室の上方には、該沈殿室の上澄み水を上向き流でろ過する砂ろ過室、膜ろ過室、生物ろ過室、活性炭吸着ろ過室のいずれかを設けたことを特徴としたものである。
また、特開2004−298817号公報に開示の技術は、湖水等に対して大気圧中の飽和溶存酸素濃度以上の酸素を溶存させて、水中に異常発生した植物性プランクトンを食用とする動物性プランクトンを活性化して増殖させることにより、水質の浄化を目的としたものである。図8は当該技術の模式図であり、この図8を基に特開2004−298817号公報に開示の技術を概説する。
この水質浄化装置100は、水上に設置された設置架台101と、設置架台101上に設置される気液混合装置102および圧力タンク103と、水中にあって気液混合装置102に連設される水中ポンプ104と、陸上にあって気液混合装置102に連設されるエアコンプレッサー105と、一端が圧力タンク103に連設し他端が水中に開放されている排出管106と、から構成されている。このような構成により、この水質浄化装置100は、水中ポンプ104により気液混合装置102内に吐出された水に、エアコンプレッサー105から送出される空気が気液混合装置102に介設された図示外の気泡発生多孔質ストーンを介して気液混合装置102内で混合され、圧力タンク103で加圧して排出管106の先端から排出し、その結果、大気圧中の飽和溶存酸素濃度以上の酸素を溶存させる、という目的を達成せしめるものである。
そして、特許第3360075号公報に開示の技術は、わずかなエネルギーで水面に広がる流れを起こし、多量の水を水底から水面に導き、水面を這うように流れる循環流を起こして、湖沼の自浄作用により水質浄化を図ることを目的としたものである。図9は当該技術の実施例に係る浮遊型省エネ浄水機の断面図であり、この図9を基に特許第3360075号公報に開示の技術を概説する。
浮遊型省エネ浄水機200はモーター201と、フロート202と、フロート付き起流羽根203と、から構成されていて、水面11に垂直に立てた回転軸204から水平方向に放射状に広げたフロート付き起流羽根203をフロート202により水面11に浮かべて回し、水面の水を跳ね上げることなく、フロート付き起流羽根203の回転の中心から放射状に流れる川を水面11上に起こして水を浄化するものである。
特開2001−224907号公報 特開2004−298817号公報 特許第3360075号公報
しかしながら、特開2001−224907号公報に開示の技術は、コンパクト化を図ったとはいっても、数人で持ち運ぶことができるほどではなく、装置も比較的大掛かりなものである。また、特開2004−298817号公報に開示の技術や特許第3360075号公報に開示の技術は、湖沼の自浄作用に期待した技術であって、自浄作用を補助する効果はあっても即効性にかける。
そこで、本願発明は、構成が簡単で、数人で持ち運ぶことができる携帯性に優れ、即効的に湖沼の水質浄化を極めて効率的に果たすことのできる水質浄化システム及び水質浄化方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願請求項に係る水質浄化システムは、閉水域の水質を浄化する水質浄化システムであって、前記水質浄化システムは、前記閉水域に浮遊して前記閉水域内に水底と水面間を循環する定循環流域を生ぜしめる循環装置と、前記閉水域の水中浮遊懸濁物質を凝集分離すると同時に溶存汚濁物質を収着・固定・分離する所定の凝集分離剤を前記閉水域の水とを混合攪拌して前記閉水域に投入する混合攪拌装置とからなり、前記循環装置は前記閉水域の所望の水面上にあって、該循環装置の下方の水を吸引するポンプ及び/又は吸込み部と、吸引した水を水平方向に吐出する吐出部とからなり、前記混合攪拌装置は、混合用の水を吸入する混合水吸入部、前記混合用の水と前記凝集分離剤とを攪拌して混合液を生産する攪拌部、及び前記混合液を排出する混合液排出部とがこの順に水平方向に連設され、前記攪拌部の上部には水面上に開放されて前記凝集分離剤が投入される凝集分離剤投入口とから構成される装置本体と、前記閉水域の水中に吊設される水中ポンプと、及び前記装置本体と前記水中ポンプとを連結する送水管と、から構成され、前記凝集分離剤は鉱物性微量元素を含み酸性領域においては陽イオン、アルカリ領域においては陰イオンとの間で両性のイオン交換能を有する天然鉱物の複合アルミナ・けい酸塩を主成分とすることを特徴とするものである。
そして、本願請求項に係る水質浄化システムは、請求項に記載の水質浄化システムであって、前記混合攪拌の前記装置本体は両端が開放された横倒パイプ形状を呈し、前記混合水吸入部の開放端の上部には、前記送水管の他端が連結される送水排出口が固着されていて、前記送水排出口から排出される前記混合用の水は前記混合液排出部の開放端に向けて吐出され、前記攪拌部には、前記送水排出口に対応する位置に前記混合用の水の吐出方向に直交するスリットが穿設された仕切り板が固着され、前記仕切り板の前記混合液排出部側には前記混合用の水の吐出方向に直交する第1の水流撹乱棒および第2の水流撹乱棒が所定の間隔をもって相互に直交するように固着されて前記攪拌部が形成され、前記仕切り板と前記第1の水流撹乱棒との間の上部には、その先端が水面上に開放されるパイプ状の前記凝集分離剤投入口が形成されている、ことを特徴とするものである。
さらに、本願請求項に係る水質浄化方法は、請求項または請求項に記載の水質浄化システムにおいて、前記循環装置を所定時間前記閉水域内で稼働させて、前記閉水域内に前記凝集分離剤を攪拌混合して、前記閉水域中の懸濁物質に対し、50〜300mg/リットルの範囲内で投入することを特徴とするものである。
さらに、本願請求項に係る水質浄化方法は、請求項に記載の水質浄化方法であって、前記凝集分離剤を攪拌混合して生成された水中に浮遊する凝固汚泥は回収され、回収された前記凝固汚泥に固化剤が添加・攪拌され、前記固化剤は前記凝固汚泥中の水分を吸収する多孔質のアッシュを有し、吸水後の前記アッシュは前記固化剤成分の水和化鉱物の水和反応により、速やかにエトリンガイドが生成されて前記凝固汚泥が固化され、固化後の前記凝固汚泥は廃棄処分されることを特徴とするものである。
本願発明に係る水質浄化システムは、循環装置と混合攪拌装置とを別体のものとしているため、数人で持ち運ぶことができる。また、水面と水底間に安定して循環する水の流れを作り、その循環流中に凝集分離剤と水とを混合攪拌した混合液を投入するため、混合液は循環流域内の水に満遍なく行き渡る。そして、凝集分離剤は循環流域内の水に速やかに作用して、浮遊懸濁物質は凝固汚泥を生成することとなる。
また、本願請求項に係る水質浄化システムでは、循環装置を所望の位置の水面上に設置し、この循環装置の構成は、該循環装置の下方の水を吸引するポンプ及び/又は吸込み部と吸引した水を水平方向に吐出する吐出部とからなる簡便な構造としている。そのため、この循環装置には、周知の技術を使用することができる。たとえば、水中ポンプを水中に吊設し、該水中ポンプの吸水部を該水中ポンプの下方に向けて吸込み部とし、該水中ポンプから排水管を水面まで立ち上げた後、水平方向に向けて該排水管の開放端を吐出部とする構成とすることにより循環装置とすることができる。また、特許第3360075号公報に開示の技術を循環装置として利用することもできる。
そして、本願請求項に係る水質浄化システムの混合攪拌装置は、装置本体、水中ポンプ、及び装置本体と水中ポンプを連結する送水管、から構成されているため、他に駆動装置を必要とせずに、水中ポンプから吐出される混合用水の水勢により凝集分離剤と混合用の水は迅速に攪拌され混合される。
また、装置本体は、混合水吸入部、攪拌部及び混合液排出部がこの順に水平方向に連設された構成となっていて、攪拌部の上部は水面上に開放されて凝集分離剤投入口が形成されている。装置本体をこのようなきわめて簡単な構成としていることから、装置本体自体をコンパクト化することができ、故障も少なく、メンテナンスも容易な装置とすることができる。なお、装置本体は金属製であってもよいが、合成樹脂製とすることにより、軽くて丈夫で、かつ、腐食に強い装置本体とすることができる。
さらに、本願請求項に係る水質浄化システムの凝集分離剤は、鉱物性微量元素を含み酸性領域においては陽イオン、アルカリ領域においては陰イオンとの間で両性のイオン交換能を有する天然鉱物の複合アルミナ・けい酸塩を主成分としている。このため以下に示す効果を生ずる。
(1)複合アルミナ・けい酸は多分の鉱物性微量元素を含み、汚濁排水中に溶出して触媒的な役割を果たし、汚濁排水中に溶存する金属類を収集または析出固定分離させる。すなわち、鉱物性微量元素は酸化触媒として働き、水溶性有機物を不溶性物質に変えて析出し凝固体として収集するとともに、汚濁排水中の有機物酸化触媒と作用して、その一部が塩となって化合し、不溶性物質に変じて凝固体を形成する。
(2)また、複合アルミナ・けい酸は両性のイオン交換能を有することから、汚濁排水が酸性であってもアルカリ性であっても凝集分離性能を発揮するため、汚濁排水のpH処理は不要であり、さらに、凝集分離処理後の分離水は略中性を呈することから分離水のpH処理も不要である。
(3)この一連の化学変化は下記の高分子化(Al(OH)・Si)された結果のものと思料される。
Al・nSiO→Al(OH)・Si
(4)さらに、複合アルミナの主成分である酸化アルミニウムは溶水中において下記の化学変化によりコロイド状の水酸化アルミニウム(Al(OH))とイオン化された重縮合アルミニウム(Al(OH))となり、浮遊懸濁物質の粒子間の電位低下を促して、粒子を崩壊・微粒子化し疎水性の凝固体を形成する。
Al→Al(OH)+Al(OH)
また、本願請求項に係る水質浄化システムにおける混合攪拌装置の装置本体は、全体として両端が開放された横倒パイプ形状としている。パイプ形状はその断面が方形や楕円形であってもよいが、経済性やパイプとパイプ内を貫流する水との抵抗を軽減する観点から、さらには強度の点から、円形であることが望ましい。さらに、攪拌部は、仕切り板、第1の水流撹乱棒および第2の水流撹乱棒が配設されていて、短時間に凝集分離剤と水とを強制攪拌して混合液を生産することができるため、経時的な凝集分離剤の+イオン濃度の低下を防ぐとともに、凝集分離剤と水分が均等に交ざらずに部分的に出来るかたまり、いわゆる継粉、の発生を防止することができる。
さらに、本願請求項に係る水質浄化方法では、循環装置を所定時間稼動させて閉水域内に定循環流域を生起させ、この生起された循環流域中に凝集分離剤と閉水域の水で混合した混合液を投入することとしている。このため、閉水域内を循環流域としてのブロックに分けて水質浄化を図ることができ、循環流域の容積を調整しながら混合液を投入することによって、その効果を確認しつつ有効に水質浄化を図ることができ経済的である。なお、定循環流域を生起させるための所定時間は、循環装置の性能及び対象とする循環流域の容積にも拠るが、概ね数日間を要する。
また、本願請求項に係る水質浄化方法では、凝集分離剤を50〜300mg/リットルの範囲内で投入することとしている。この投入量は汚濁濃度によって多少の増減があるが、凝集分離剤を攪拌混合して定循環流中に投入すると、1分ないし2分というきわめて短時間で汚濁物質は析出凝固して沈降分離し始め、上澄み水と凝固汚泥は完全に分離する。また、分離した凝固汚泥は崩壊または溶解することがなく安定性が高く、一部は水中に沈殿するが、多くは水面および水中を浮遊する。
そして、本願請求項に係る水質浄化方法または本願請求項1又は2に係る水質浄化システムでは、水面および水中に浮遊する凝固汚泥を回収し、回収した凝固汚泥に所定の固化剤を所要量添加して攪拌し、固化後の凝固汚泥を廃棄することとしている。回収した凝固汚泥を放置しておくと、凝固汚泥中の有機物が腐敗し、異臭を発するようになるが、所定の固化剤を混入することにより、これを防止することができる。したがって、廃棄作業自体が楽になり、作業者に負担をかけることもなければ、また、長期間放置しておいても、周囲環境に悪影響を及ぼすことがないため、作業時間を柔軟に設定することができる。さらには、凝固汚泥中の水分が吸水されて固化されるから、そのまま植物の肥料にすることもでき、廃棄処分に適したものとなる。
本願発明で使用する固化剤は、多孔質のアッシュを有していて、このアッシュの多孔質に有機質、臭気等が短時間で吸収される。そして、凝固汚泥中の水分を吸収したアッシュは固化剤成分の水和化鉱物によって水和反応が起こり、速やかにエトリンガイドが生成する。エトリンガイドの生成は土質の含水比を低下させる等の働きがあるため、アッシュと土粒子に妨げられることなくエトリンガイドの生成が進み、その結晶は針状結晶で、アッシュと土粒子とを包囲しながら土質を迅速に固化していく。
図1は、実施例に係る水質浄化システムの全体図である。 図2は、凝集分離剤混合攪拌装置の全体図、図2(a)は混合攪拌装置の平面図、図2(b)は混合攪拌装置の側面図、図2(c)は混合攪拌装置のC−C矢視断面図である。 図3は、混合攪拌装置の作用説明図である。 図4は、循環装置の概略全体図である。 図5は、凝集分離剤の反応メカニズムの説明図である。 図6は、凝集分離剤投入前後の水質分析結果を示すグラフであり、図6(a)はCOD、SSおよびクロロフィルaに関する分析結果、図6(b)はTNおよびTPに関する分析結果である。 図7は、固化剤の反応メカニズムの説明図である。 図8は、特開2004−298817号公報に開示の技術の模式図である。 図9は、特許第3360075号公報に開示の技術に係る浮遊型省エネ浄水機の断面図である。
1 水質浄化システム
10 湖沼
11 水面
12 水底
20 混合攪拌装置
21 装置本体
22 混合水吸入部
23 攪拌部
24 混合液排出部
25 仕切り板
26 スリット
27 第1の水流撹乱棒
28 第2の水流撹乱棒
29 凝集分離剤投入口
30 水中ポンプ
31 連結管
40 循環装置
41 吸込み部
42 吐出部
52 凝固汚泥
本願発明を実施するための最良の形態に係る実施例について、図1ないし図7に基づいて説明する。図1は、実施例に係る水質浄化システムの全体図であり、図2は、混合攪拌装置の全体図、図2(a)は混合攪拌装置の平面図、図2(b)は混合攪拌装置の側面図、図2(c)は混合攪拌装置のC−C矢視断面図であり、図3は、混合攪拌装置の作用説明図であり、図4は、循環装置の概略全体図であり、図5は、凝集分離剤の反応メカニズムの説明図であり、そして、図6は、凝集分離剤投入前後の水質分析結果を示すグラフであり、図6(a)はCOD、SSおよびクロロフィルaに関する分析結果、図6(b)はTNおよびTPに関する分析結果、図7は、固化剤の反応メカニズムの説明図である。
図1ないし図4において、符号1は実施例に係る水質浄化システム、符号10は湖沼、符号11は水面、符号12は水底、符号20は混合攪拌装置、符号21は装置本体、符号22は混合水吸入部、符号23は攪拌部、符号24は混合液排出部、符号25は仕切り板、符号26はスリット、符号27は第1の水流撹乱棒、符号28は第2の水流撹乱棒、符号29は凝集分離剤投入口、符号30は水中ポンプ、符号31は送水管、符号32は送水排出口、符号40は循環装置、符号41は吸込み部、符号42は吐出部、符号52は凝固汚泥である。
水質浄化システム1は大別して、混合攪拌装置20と、循環装置40と、凝集分離剤と、から構成されるが、まず、水質浄化システム1を構成する混合攪拌装置20および循環装置40について説明する。
混合攪拌装置20は、装置本体21と、水中ポンプ30と、装置本体21と水中ポンプ30とを連結する送水管31と、から構成されていて、装置本体21は水面11に浮かんだ状態に設置され、水中ポンプ30は水中に吊設されている。装置本体21は、概ね中空円筒を横に寝かせた状態の形状を呈していて、その両端は開放されて、一端は混合水吸入部22を形成し、他端は混合液排出部24を形成していて、混合水吸入部22と混合液排出部24の間に攪拌部23が形成されている。また、装置本体21の中心軸は水面11と略一致するようになっている。すなわち、装置本体21の下半分は水中に没し、上半分は水面上に浮上している。実施例においては、装置本体21はその直径を330mm、長さを1140mmとしている。また水中ポンプは呼び径2吋のものを使用している。
混合水吸入部22の開放端の上部には、他端を水中ポンプ30に連設された送水管31の一端が挿着される送水排出口32が、混合水吸入部22の開放端に直交して固着されている。すなわち、送水排出口32の吐出方向は、水平かつ装置本体21の中心軸に平行となっている。
攪拌部23は装置本体21内に形成されていて、混合水吸入部22から混合液排出部24へ向けて所定の間隔をもって順に、仕切り板25、第1の水流撹乱棒27、第2の水流撹乱棒28が装置本体21内に挿着されている。仕切り板25は、混合水吸入部22の開放端に固着された送水排出口32に対応する位置にあって、装置本体21内の上半分を仕切るように挿着されていて、仕切り板25には水平方向に口を開いたスリット26が貫設されている。
ところで、仕切り板25と第1の水流撹乱棒27との間には上端および下端が開放された凝集分離剤投入口29が貫設されていて、凝集分離剤投入口29の上端は水平にカットされ、凝集分離剤投入口29の下端は斜めにカットされている。そして、斜めにカットされている凝集分離剤投入口29の下端は装置本体21を貫通して固着されているが、斜めにカットされた長いほうの先端は装置本体21の略中心軸まで達し、その面は混合水吸入部22方向に向けられて仕切り板25を形成している。すなわち、仕切り板25と凝集分離剤投入口29は一体の中空円筒から形成されている。また、斜めにカットされている凝集分離剤投入口29の短いほうの下端と、装置本体21の内壁とは略同一レベルとなっている。実施例においては、凝集分離剤投入口29の直径を230mmとしている。
第1の水流撹乱棒27および第2の水流撹乱棒28は、細径のパイプであって、第1の水流撹乱棒27は、装置本体21を装置本体21の中心軸を通って垂直方向に貫通し、第2の水流撹乱棒28は、装置本体21を装置本体21の中心軸を通って水平方向に貫通している。すなわち、正面視において、第1の水流撹乱棒27と第2の水流撹乱棒28は、互いに直交していることになる。実施例においては、第1の水流撹乱棒27および第2の水流撹乱棒28を直径40mmのパイプとしていて、第1の水流撹乱棒27は、仕切り板25から混合液排出部24に向けて480mm離間した位置に、第2の水流撹乱棒28は、さらに第1の水流撹乱棒27から200mm離間した位置に挿着されている。
そして、混合液排出部24は、仕切り板25、第1の水流撹乱棒27および第2の水流撹乱棒28から構成される攪拌部23に連設されているが、混合液排出部24には何ら付帯する構成要素はなく、開放端がそのまま混合液排出部24となる。
本実施例における循環装置40は、前述のように、水中ポンプを水中に吊設し、該水中ポンプの吸水部を該水中ポンプの下方に向けて吸引部とし、該水中ポンプから排水管を水面まで立ち上げた後、水平方向に向けて該排水管の開放端を吐出部とする構成とすることもできるが、本実施例においては、有限会社センサ研究所の商品名「バイオファン」を使用している。このバイオファンは「背景技術」で取り上げた「特許文献3」に相当するものであるが、図9の装置とは些かその構成が異なっているので、図4を基に概説する。なお、図4においては、図9と同一の要素については同一の符号を付している。
循環装置40は、モーター201(正確には、符号201はモーターを格納する格納庫のカバーである。)と、フロート202と、フロート付き起流羽根203と、から構成されている。循環装置40は、フロート202とフロート付き起流羽根203により水面11上に浮遊する。モーター201によりフロート付き起流羽根203が水面上を水平方向に回転すると、循環装置40の下方の水はこの回転により吸引されるとともに、水平方向に放射状に吐出される。すなわち、フロート付き起流羽根203の回転により、循環装置40の下部には吸込み部41が形成され、循環装置40の水平部には吐出部42が形成される。
つぎに、水質浄化システム1に使用される凝集分離剤について説明する。
前述のように、この凝集分離剤は、鉱物性微量元素を含み酸性領域においては陽イオン、アルカリ領域においては陰イオンとの間で両性のイオン交換能を有する天然鉱物の複合アルミナ・けい酸塩を主成分としている。本実施例においては、ジェック化学株式会社の商品名「JECクリーン」/ミクニエコシステム株式会社の商品名「スカイクリーン」を使用している。
スカイクリーンは見掛け比重が1.62の白色の微粉末であり、弱アルカリ性を呈する。そして、その成分組成は、酸化けい素(SiO)50%、酸化カルシウム(CaO)20%、酸化アルミニウム(Al)20%、酸化鉄(Fe)5%、微量元素他5%となっている。また、JECクリーン/スカイクリーンの主剤は天然鉱物の複合アルミナ・けい酸塩であり、アルミナ・けい酸塩はイオン交換能を有し、酸性領域においては陽イオン、アルカリ領域においては陰イオンと両性の交換能をもっている。
ここで、JECクリーン/スカイクリーンの閉水域中における浮遊懸濁物質を凝集分離させる反応メカニズムについて、図5を基に説明する。図5において、符号51は浮遊懸濁物質、符号52は凝固汚泥であり、「−」はマイナスの電荷、「+」はプラスの電荷である。
一般に水中の浮遊懸濁物質51はマイナスに帯電していて、その表面はマイナスの電荷で覆われている(図5(a))。そのため、浮遊懸濁物質51同士は互いに反発して凝集することなく水中を浮遊する。一方、凝集分離剤はプラスの電荷を有していて(図5(b))、このプラスの電荷は浮遊懸濁物質51の表面のマイナスの電荷に引き寄せられ、浮遊懸濁物質51の表面は電気的に中和した状態となる(図5(c))。
前述したように、本願発明では、天然鉱物の複合アルミナ・けい酸塩を主成分とする凝集分離剤を使用しており、この凝集分離剤に含まれる酸化アルミニウムがコロイド状の水酸化アルミニウム(Al(OH))とイオン化された重縮合アルミニウム(Al(OH))となり、この重縮合アルミニウムにより浮遊懸濁物質51の表面が電気的に中和される。そして、電気的に中和した状態となった浮遊懸濁物質51は、互いに結合して大きな凝固汚泥52を形成する(図5(d))。
つぎに、水質浄化システム1の動かし方について、説明する。
水質浄化システム1を使用する水質浄化方法は以下の工程からなる。すなわち、
ステップ1:混合攪拌装置20を所定時間、湖沼10で稼働させて、凝集分離剤を所定量投入して攪拌混合する。
ステップ2:凝集分離剤を攪拌混合して生成された水中に浮遊する凝固汚泥20を回収する。
ステップ3:回収した凝固汚泥20に固化剤を添加して攪拌し、固化させる。
ステップ4:固化した凝固汚泥20を廃棄処分する。
まず、ステップ1について説明する。
循環装置40を閉水域に浮かべさせて自由に移動できるような状態で稼動すると、循環装置40の下方の水は吸引され、水平方向に吐出される。所定時間、循環装置40を稼動させることにより、水面と水底間には、図1の矢印に示すような定循環流域が生ずる。この循環流域は垂直方向の循環流Vと水平方向の循環流Hからなる。
定循環流域が形成された後、混合液排出部24を循環流Hの流れる方向に向けて混合攪拌装置20をセットし、水中ポンプ30を稼動させ、凝集分離剤を凝集分離剤投入口29から投入する。
水中ポンプ30の稼動により、混合水吸入部22の開放端の上部に固着された送水排出口32から水が勢いよく吐出され、仕切り板25に衝突する。仕切り板25に衝突した水は、一部が仕切り板25に跳ね返されて下に落ち、装置本体21内の水と混ざり合って渦を引き起こす。また、仕切り板25に衝突した水の一部は、スリット26を貫通するが、貫通する際に仕切り板25の混合液排出部24側で渦を発生させる(図3(a))。
送水排出口32からは次々に水が吐出されるため、装置本体21内には、混合水吸入部22から混合液排出部24へ向かう水の流れが生じ、凝集分離剤と水は、攪拌混合され、かつ、渦巻きながら混合液排出部24へ向かう(図3(b))。そして、垂直方向に固着された第1の水流撹乱棒27により、この凝集分離剤と水が混合された混合液はさらにかく乱されて混合液排出部24へ向かい、その後、水平方向に固着された第2の水流撹乱棒28により再度かく乱されて混合液排出部24から混合攪拌装置20外へ排出される(図3(c))。
装置本体21により満遍なく攪拌され混合された凝集分離剤は、混合液排出部24から排出されて、循環流Hに投入される。凝集分離剤が循環流Hに投入されると、1分ないし2分という短時間で汚濁物質は析出凝固して凝固汚泥52が形成されて沈降分離し始め、水と凝固汚泥52は完全に分離する。
ここで、水質浄化システム1についておこなった実験について説明する。
実験は千葉県佐倉市にある大野調整池でおこなった。この大野調整池は掘り込め形式の調整池であり、集水面積は273ha、容積は3515m、面積は1423mである。なお、大野調整池は比較的容積の小さい池であるため、大野調整池全体を一つの循環流域とした。
まず、循環装置40(商品名「バイオファン」)を4週間稼動させて、定循環流域を生起させ、大野調整池内の水質状態が均一になった後、混合攪拌装置20を稼動させて前述の凝集分離剤(商品名「JECクリーン」/「スカイクリーン」)を投入した。投入する凝集分離剤の量は魚などの水中生物の生存に配慮して凝集分離剤濃度が75mg/リットルとなるようにした。この実験の結果を図6に示す。
図6は、凝集分離剤の投入前と投入後を比較したものである。凝集分離剤の投入前と投入後では、CODおよびSSはそれぞれ32.5mg/リットルから3.0mg/リットルおよび174mg/リットルから8.0mg/リットルに減少し、その除去率はそれぞれ90.7%および95.4%となっていて、水質浄化効果が優れていることが証明された(図6(a))。また、栄養塩として、TN、TPおよびBODはそれぞれ4.5mg/リットルから1.2mg/リットル、0.44mg/リットルから0.14mg/リットルおよび7.2mg/リットルから1.8mg/リットルに減少し、その除去率はそれぞれ73.3%、68.2%および75.0%となった(図6(b))が、これは、水中生物の生存に配慮した比較的低い凝集分離剤濃度によるものと考えられる。そして、クロロフィル濃度は119μg/リットルから13μg/リットルに減少し、その除去率は89.1%となった(図6(a))が、これは凝固汚泥となって池の中に存在しているものと考えられる。
なお、本実験において、形成された凝固汚泥52の多くは水面に浮上するか、水中を漂うことが確認された。これは、混合攪拌装置20により凝集分離剤は水とともに空気も一緒に攪拌されるため、凝固汚泥52は空気成分を含むことによるものと考えられる。さらに、形成された凝固汚泥52が湖沼10に生息する魚の餌となることが確認された。これは、凝固汚泥52が栄養塩も含むためと考えられる。
この餌としての凝固汚泥52の安全性が確認できれば、水底に沈降した一部の凝固汚泥52は水中生物13の餌となる一方、水面に浮上するか、水中を漂う凝固汚泥52は容易に回収することができる。したがって、本願発明に係る水質浄化システムは、閉水域に生息する魚をも取り込んだ閉水域全体からなる水質浄化システムとなる。
また、上記JECクリーン/スカイクリーン80mg/リットルを他の汚水又は濁水において実証した結果を比較例として、表1に示す。表1は、比較例として、上記JECクリーン/スカイクリーンを前記同様、河川水及びトンネル工事濁水に使用した場合の例を示すものである。この表から解るように、JECクリーン/スカイクリーンは酸性領域(河川水)においてもアルカリ領域(トンネル工事濁水)においても有効にその性能を発揮していることが分かる。したがって、池の汚水だけでなく、河川汚水、工事濁水が滞留する閉水域環境にも有効である。
Figure 0004997389
つぎに、ステップ2について説明する。
ステップ2では、「凝集分離剤を攪拌混合して生成された水中に浮遊する凝固汚泥20を回収する。」こととしている。前述したように、一部の凝固汚泥52は湖沼10の底に沈殿するが、多くの凝固汚泥52は水面に浮上するか、水中を漂う。湖沼10の底に沈殿した凝固汚泥52は湖沼10に生息する魚の餌となるため、回収する必要はなく、水面および水中に浮遊する凝固汚泥20のみを回収する。この水中に浮遊する凝固汚泥20は網等で容易にすくい上げることができる。
ステップ3では「回収した凝固汚泥20に固化剤を添加して攪拌し、固化させる。」こととしている。本願発明で使用される固化剤は、多孔質のアッシュおよび水和化鉱物を含み、このアッシュの多孔質に有機質、臭気等が短時間で吸収され、水分を吸収したアッシュは固化剤成分の水和化鉱物による水和反応によって速やかにエトリンガイドが生成されて、土質は迅速に固化される。
固化された凝固汚泥20は、ステップ4により廃棄処分される。
ここで、ステップ3で使用される固化剤について説明する。
前述のように、この固化剤は、凝固汚泥中の水分を吸水する多孔質のアッシュと吸水したアッシュに対して水和反応を生ぜしめる水和化鉱物とを含むものである。
本実施例においては、固化剤にジェック化学株式会社の商品名「JECコート」/ミクニエコシステム株式会社の商品名「Mコート」を使用している。このJECコート/Mコートは、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化カリ、酸化ナトリウム、三酸化硫黄を成分としていて、処理後の凝固汚泥のPH値を中性域に維持し、凝固汚泥の水分に溶け込んでいる臭気物質を成分中のポーラス面に吸収し、重金属系イオン等の有害物質も成分内部に封じ込めて再溶出を防止する。そして、これらの効果は、有機物質が存在していてもほとんど影響を受けることはない。
さらに、ステップ4として、この固化された凝固汚泥を埋め立て等に使用した場合には、上述の水和反応で生じた水和物が土粒子の鉱物などと反応(ポゾラン反応)し、より強固な処理地盤を結成する。そして、その形状は無数の粒子構造(多孔質粒子)をもち、また包囲したアッシュ及び土粒子の水分を飽和状態に保持する性質を持つため、透水性、保水性に優れ、自然の地盤の強度に近くなるという特性を有するとされている。
ここで、固化剤「JECコート」/「Mコート」の反応メカニズムについて、図7を基に説明する。図7において、符号522は凝固汚泥52中の土粒子、符号524は凝固汚泥52中の水分であり、符号54はアッシュ、符号56はエトリンガイドである。
固化剤「JECコート」/「Mコート」と凝固汚泥52の化学反応は以下の順序によっておこなわれる。すなわち、
(1)凝固汚泥52は有機質、有害物質、臭気を含んだ土粒子522と多量の水分524からなっている(図7(a))。
(2)この凝固汚泥52に固化剤を所要量混入すると、多孔質のアッシュ54に有機質、臭気、水分等が短時間で吸収される(図7(b))。
(3)吸水したアッシュ54は固化剤中の成分である水和化鉱物によって水和反応が起こり、速やかにエトリンガイド56が生成される。エトリンガイド56の生成は土質の含水比を低下させる等の働きがあるため、アッシュ54と土粒子522に妨げられることなく進行する。エトリンガイド56の結晶は針状結晶で、アッシュ54と土粒子522とを包囲しながら土質を迅速に固化していく(図7(c))。
(4)さらに、固化したアッシュ54と土粒子522との混合物を埋め戻し土とともに埋め立て等に使用した場合には、上述の水和反応で生じた水和物が土粒子の鉱物等と反応し(ポゾラン反応)、より強固な処理地盤を結成する(図7(d))。その形状は無数の粒子構造(多孔質粒子)をもち、また包囲したアッシュ54および土粒子522の水分を飽和状態に保持する性質を持つため、透水性、保水性に優れ、自然の地盤の強度に近くなる。
また、JECコート/Mコートを他の凝固汚泥において実証した結果を、比較例として表2に示す。表2は、比較例として、上記JECコート/Mコートを前記同様にして、重金属(pb:鉛)に汚染された土壌に使用した場合の例を示すものである。この表から解るように、15,000mg/kgのpbを含有する重金属汚染土壌の場合に、JECコート/Mコートを使用しない場合は、pb溶出量は0.13mg/lであり、PHは5.6の酸性を示すのに対し、JECコート/Mコートを所定量添加した場合には、pb溶出量は0.005mg/l以下であり、PHも略中性を示している。したがって、JECコート/Mコートで処理した凝固汚泥は、廃棄処分に適したものとなる。
Figure 0004997389

Claims (4)

  1. 閉水域の水質を浄化する水質浄化システムであって、
    前記水質浄化システムは、前記閉水域に浮遊して前記閉水域内に水底と水面間を循環する定循環流域を生ぜしめる循環装置と、
    前記閉水域の水中浮遊懸濁物質を凝集分離すると同時に溶存汚濁物質を収着・固定・分離する所定の凝集分離剤を前記閉水域の水とを混合攪拌して前記閉水域に投入する混合攪拌装置とからなり、
    前記循環装置は前記閉水域の所望の水面上にあって、該循環装置の下方の水を吸引するポンプ及び/又は吸込み部と、吸引した水を水平方向に吐出する吐出部とからなり、
    前記混合攪拌装置は、混合用の水を吸入する混合水吸入部、前記混合用の水と前記凝集分離剤とを攪拌して混合液を生産する攪拌部、及び前記混合液を排出する混合液排出部とがこの順に水平方向に連設され、前記攪拌部の上部には水面上に開放されて前記凝集分離剤が投入される凝集分離剤投入口とから構成される装置本体と、前記閉水域の水中に吊設される水中ポンプと、及び前記装置本体と前記水中ポンプとを連結する送水管と、から構成され、
    前記凝集分離剤は鉱物性微量元素を含み酸性領域においては陽イオン、アルカリ領域においては陰イオンとの間で両性のイオン交換能を有する天然鉱物の複合アルミナ・けい酸塩を主成分とすることを特徴とする水質浄化システム。
  2. 前記混合攪拌の前記装置本体は両端が開放された横倒パイプ形状を呈し、
    前記混合水吸入部の開放端の上部には、前記送水管の他端が連結される送水排出口が固着されていて、前記送水排出口から排出される前記混合用の水は前記混合液排出部の開放端に向けて吐出され、
    前記攪拌部には、前記送水排出口に対応する位置に前記混合用の水の吐出方向に直交するスリットが穿設された仕切り板が固着され、前記仕切り板の前記混合液排出部側には前記混合用の水の吐出方向に直交する第1の水流撹乱棒および第2の水流撹乱棒が所定の間隔をもって相互に直交するように固着されて前記攪拌部が形成され、
    前記仕切り板と前記第1の水流撹乱棒との間の上部には、その先端が水面上に開放されるパイプ状の前記凝集分離剤投入口が形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の水質浄化システム。
  3. 請求項または請求項に記載の水質浄化システムにおいて、
    前記循環装置を所定時間前記閉水域内で稼働させて、前記閉水域内に前記凝集分離剤を攪拌混合して、前記閉水域中の懸濁物質に対し、50〜300mg/リットルの範囲内で投入することを特徴とする水質浄化方法。
  4. 前記凝集分離剤を攪拌混合して生成された水中に浮遊する凝固汚泥は回収され、
    回収された前記凝固汚泥に固化剤が添加・攪拌され、
    前記固化剤は前記凝固汚泥中の水分を吸収する多孔質のアッシュを有し、吸水後の前記アッシュは前記固化剤成分の水和化鉱物の水和反応により、速やかにエトリンガイドが生成されて前記凝固汚泥が固化され、
    固化後の前記凝固汚泥は廃棄処分されることを特徴とする請求項に記載の水質浄化方法。
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