JP4518706B2 - キースイッチ装置及びキーボード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、打鍵操作されるキースイッチ装置に関し、特に、電子機器の入力装置であるキーボードで好適に使用されるキースイッチ装置に関する。さらに本発明は、そのようなキースイッチ装置を多数備えたキーボードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ノート型やパームトップ型のパーソナルコンピュータ等の携帯用電子機器の分野では、機器の携帯性を向上させる目的で、キーボードを含む機器筐体の薄型化すなわち低背化を実現するための様々な技術が提案されている。特に、打鍵操作される多数のキースイッチ装置を備えたキーボードを低背化する際には、一定水準の操作性を確保するためにキースイッチ装置のストローク量を所定量に維持しつつ、キースイッチ装置の非操作(スイッチオフ)時及び押下げ操作(スイッチオン)時の全高を削減することが要求されている。
【0003】
低背型キーボードに使用できるキースイッチ装置は、一般に、ベースと、ベース上に配置されるキートップと、互いに連動してキートップをベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを備えて構成される。一対のリンク部材としては、側面視逆V字状に組合わされて、それらの第1端領域でベースに摺動自在に係合し、かつ第2端領域で互いに歯車状に噛み合うとともにキートップに回動自在に連結される、いわゆるギアリンク形式のもの(例えば特開平11−3628号公報参照)、側面視X字状に組合わされて交点で互いに回動可能に連結され、それらの第1端領域でベース又はキートップに摺動自在に係合し、かつ第2端領域でベース又はキートップに回動自在に連結される、いわゆるパンタグラフ形式のもの(例えば実開平5−66832号公報参照)、側面視X字状に組合わされて交点で互いに摺動可能に連結され、それらの第1端領域でベースに摺動可能に係合し、かつ第2端領域でキートップに回動自在に連結される、いわゆる変形パンタグラフ形式のもの(例えば特開平9−27235号公報参照)等が採用されている。
【0004】
キートップは、これらリンク部材対が互いに連動することにより、ベースに対し実質的鉛直方向へ所定の姿勢を保持しつつ平行移動できる。キートップが昇降(打鍵)ストロークの下限位置に到達すると、一対のリンク部材はキートップの下に実質的に寝かせた平置状態で、ベースに設けた開口部に少なくとも部分的に受容される。このような構成により、キートップの打鍵ストローク量を維持しつつ、キースイッチ装置の非操作時及び押下げ操作時の全高を低減することができる。
【0005】
例えば、上記したギアリンク形式のリンク部材対を備えるキースイッチ装置では、各リンク部材は、互いに略平行に延びる一対の腕部を有し、それら腕部を含む端部領域すなわち第2端領域に、キートップに回動自在に連結される回動支軸が、第2端領域の回動軸線に沿ってそれぞれ外方へ延設される。第2端領域にはさらに、相手方リンク部材の対応の第2端領域に係合する連動部として、回動軸線に略直交する方向へ突出する1つ以上の歯が設けられる。
【0006】
他方、キートップには、各リンク部材の各回動支軸に回動自在に係合する4個の回動係合部が設けられる。それら回動係合部の各々は、各リンク部材の各回動支軸を回動自在に受容支持する軸受穴と、軸受穴に連通する切欠きとを備えた板状部材として、キートップの内面所定位置に突設される。それら回動係合部の切欠きは、各リンク部材の回動支軸の太さに比べて小さい幅を有して、キートップの内面に略直交する方向へ互いに略平行に延設される。
【0007】
また、各リンク部材は、第2端領域の反対側の端部領域すなわち第1端領域に、ベースに摺動自在に連結される摺動支軸を、それぞれ外方へ延設して備える。他方、ベースには、各リンク部材の各摺動支軸に摺動自在に係合する4個の摺動係合部が設けられる。それら摺動係合部の各々は、各リンク部材の各摺動支軸を摺動自在に受容支持する案内溝を備えて、ベースの開口部の周縁所定位置に設置される。
【0008】
同様に、上記したパンタグラフ形式又は変形パンタグラフ形式のリンク部材対を備えるキースイッチ装置では、各リンク部材は、その第1端領域に延設した摺動支軸を介して、ベース又はキートップに設けた摺動係合部に摺動自在に連結されるとともに、その第2端領域に延設した回動支軸を介して、ベース又はキートップに設けた回動係合部に回動自在に連結される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のキースイッチ装置では、ギアリンク形式、パンタグラフ形式及び変形パンタグラフ形式のいずれのリンク部材対を有する場合にも、各リンク部材がその第1端領域又は第2端領域に突設した支軸を介して、ベース又はキートップに摺動自在又は回動自在に連結されている。この構成においては、キースイッチ装置の組立作業性及びキートップの打鍵操作感覚を向上させるために、リンク部材対の各支軸とベース及びキートップの各係合部との間に、所要の隙間が形成されている。
【0010】
例えば、前述したギアリンク形式のリンク部材対を備えるキースイッチ装置を組立てる際には、一対のリンク部材を、各々の第1端領域の摺動支軸をベースの対応の摺動係合部に係合させ、さらに両者の第2端領域の歯を互いに噛合させて、ベースの開口部内に寝かせた平置状態に配置する。このとき、各リンク部材の摺動支軸とベースの摺動係合部の案内溝との間には、迅速かつ安定した組立作業を実現するための僅かな隙間が形成されている。次に、キートップの各回動係合部を、対応の各リンク部材の回動支軸に上から押付けて、回動支軸を回動係合部の切欠きから軸受穴へとスナップ式に嵌入する。この状態で、各リンク部材の回動支軸とキートップの回動係合部の軸受穴との間には、軸受穴内で回動支軸が受ける回動抵抗を可及的に低減するべく僅かな隙間が形成されている。なお、このような摺動連結部及び回動連結部の構成は、パンタグラフ形式及び変形パンタグラフ形式のリンク部材対においても同様である。
【0011】
したがって従来のキースイッチ装置では、リンク部材対の各支軸とベース及びキートップの各係合部との間に不可避的に形成される隙間により、打鍵操作時のキートップのがたつきやそれに伴う騒音が生じ易くなる、という課題があった。こうした課題を解決するためには、リンク部材対の各支軸とベース及びキートップの各係合部との間に形成される隙間をさらに削減することが考えられる。しかしこの方策では、キースイッチ装置の組立作業性やキートップの打鍵操作感覚が悪化することが懸念される。しかも、所要の効果を得るためには、キースイッチ装置の各構成部品の成形精度を著しく高める必要が有り、結果として製造コストが高騰する危惧がある。
【0012】
本発明の目的は、打鍵操作されるキートップを案内支持するリンク部材対を有するキースイッチ装置において、キースイッチ装置の組立作業性やキートップの打鍵操作感覚を悪化させたり、製造コストを上昇させたりすることなく、ベース又はキートップとリンク部材対との摺動連結部又は回動連結部における部材間の隙間に起因する各リンク部材のがたつきを抑制し、以って、打鍵操作時に生じ得るキートップのがたつきやそれに伴う騒音を可及的に低減できるキースイッチ装置を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、上記したようなキースイッチ装置を多数備え、組立作業性及び操作性に優れたキーボードを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ベースと、ベース上に配置されるキートップと、互いに連動してキートップをベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、一対のリンク部材の各々が、ベース及びキートップのいずれか一方に摺動自在に連結される摺動部を有するとともに、摺動部の連結相手のベース又はキートップが、摺動部に摺動自在に係合する摺動係合部を有するキースイッチ装置において、一対のリンク部材の各々は、摺動部の近傍に形成されるスリットを有し、摺動部は、スリットの周辺でリンク部材に生じる弾性復元力により、連結相手のベース又はキートップの摺動係合部に常に押付けられていることを特徴とするキースイッチ装置を提供する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のキースイッチ装置において、一対のリンク部材の少なくとも一方は、キートップの昇降動作に伴うリンク部材の各々の摺動部の、ベース又はキートップの摺動係合部に対する摺動動作を、キートップが昇降ストロークの上限位置に達する前に徐々に制動する緩衝部を有するキースイッチ装置を提供する。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、ベースと、ベース上に配置されるキートップと、互いに連動してキートップをベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、一対のリンク部材の各々が、ベース及びキートップのいずれか一方に回動自在に連結される回動部を有するとともに、回動部の連結相手のベース又はキートップが、回動部に回動自在に係合する回動係合部を有するキースイッチ装置において、一対のリンク部材の各々の回動部と、ベース又はキートップの回動係合部とのいずれか一方が、連結相手の回動部又は回動係合部に少なくとも部分的に接触する球面状輪郭を有する回動支軸を備えることを特徴とするキースイッチ装置を提供する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のキースイッチ装置において、リンク部材の回動部と連結相手のベース又はキートップの回動係合部とは、リンク部材とベース又はキートップとの間に相対的に生じる弾性復元力により、回動支軸を介して互いに常に押付けられているキースイッチ装置を提供する。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、ベースと、ベース上に配置されるキートップと、互いに連動してキートップをベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、一対のリンク部材の少なくとも一方が、ベースに摺動自在に連結される摺動部を有するとともに、ベースが、摺動部に摺動自在に係合する摺動係合部を有するキースイッチ装置において、ベースは、スイッチ機構を担持する板金部材を具備し、摺動係合部は、板金部材に一体的に形成される立板部分と、立板部分に凹設される案内溝とを有し、少なくとも一方のリンク部材の摺動部が、摺動係合部の案内溝に、少なくとも部分的に嵌入されていることを特徴とするキースイッチ装置を提供する。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキースイッチ装置を多数配列して構成されるキーボードを提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1は本発明の第1の実施形態によるキースイッチ装置10の分解斜視図、図2はキースイッチ装置10のキートップ組付前の組立平面図、図3はキースイッチ装置10のキートップの底面図である。キースイッチ装置10は、ベース12と、ベース12の主表面12a上に昇降方向へ移動可能に配置され、オペレータに打鍵操作される操作面14aを有するキートップ14と、キートップ14をベース12上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材16と、キートップ14の昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構18とを備えて構成される。
【0021】
ベース12は、キートップ14によって遮蔽される略矩形の中心開口部20を備える枠状部材である。ベース12には、中心開口部20を画成する一対の対向内周面12bに沿って、二組(4個)の摺動係合部22がリンク摺動方向(図2で左右方向)ヘ互いに離間して設けられる。各摺動係合部22は、ベース12の主表面12a及び内周面12bから突出する壁部分を有し、この壁部分の内側に、主表面12aに略平行に延びる案内溝22aが形成される。各組を成す2個の摺動係合部22は、それぞれの案内溝22aをベース12の一対の内周面12bに沿った対応位置に配置する。さらに、各組で対応する側の摺動係合部22は、ベース12の1つの内周面12bに沿ってリンク摺動方向へ整列配置される。各摺動係合部22には、一対のリンク部材16の各々が、その第1端領域に設けた摺動部(後述する)にて摺動自在に連結される。
【0022】
キートップ14は、平面視で略矩形の皿状部材であり、操作面14aの反対側の内面14bに、二組(4個)の回動係合部24がリンク摺動方向(図3で左右方向)へ互いに並置して形成される。各回動係合部24は、キートップ14の内面14bから直立状に突設される板状片からなり、この板状片に、板厚方向へ貫通する軸受穴24aと、内面14bに略直交する方向へ延びて軸受穴24aに連通する切欠き24bとが形成される。各組を成す2個の回動係合部24は、キートップ14の内面14bのリンク摺動方向略中央領域で、両者間に後述する各リンク部材16の一対の腕部26、28の末端領域を挟持可能な距離だけ互いに離れて配置され、それぞれの軸受穴24aがその軸線方向へ互いに整列するように位置決めされる。さらに、各組で対応する側の回動係合部24は、キートップ14の内面14b上でリンク摺動方向へ互いに近接して整列配置される。各回動係合部24には、一対のリンク部材16の各々が、その第2端領域に設けた回動部(後述する)にて回動自在に連結される。
【0023】
一対のリンク部材16は、互いに実質的同一の形状及び寸法を有し、それらの一端で互いに歯車状に連結されて側面視逆V字形態を呈し得るように組合わされる。各リンク部材16は、互いに平行に延びる一対の腕部26、28と、それら腕部26、28をそれぞれの基端で互いに連結する連結部30とを一体に備える。図示実施形態では、連結部30を含む端部領域をリンク部材16の第1端領域と定義し、両腕部26、28を含む端部領域をリンク部材16の第2端領域と定義する。各リンク部材16の第1端領域には、互いに離反する外側面から連結部30の反対側へ、摺動部を構成する一対の摺動支軸32が互いに同軸状に突設される。また、各リンク部材16の第2端領域には、両腕部26、28の外側面から摺動支軸32と同一側へ、回動部を構成する一対の回動支軸34が互いに同軸状に突設される。さらに、各リンク部材16の一方の腕部26には、第2端領域の回動支軸34に近接する先端面に1枚の歯36が設けられ、他方の腕部28には、同様に回動支軸34に近接する先端面に2枚の歯38が設けられる。
【0024】
一対のリンク部材16の各々は、第1端領域に設けた摺動支軸32を、ベース12の各摺動係合部22の案内溝22aに摺動自在に係合させ、かつ第2端領域に設けた回動支軸34を、キートップ14の各回動係合部24の軸受穴24aに回動自在に嵌入して、ベース12とキートップ14との間に配置される。このとき一対のリンク部材16は、それぞれの一方の腕部26の1枚の歯36と、それぞれの他方の腕部28の2枚の歯38とが、連動部として互いに噛み合わされ、それにより、両腕部26、28の回動支軸34が共有する回動軸線40を中心として、互いに連動して回動できるようになっている。
【0025】
したがってキートップ14は、一対のリンク部材16がそれぞれの回動軸線40を中心に同期して反対方向へ揺動するとともに、それぞれの摺動支軸32がベース12に沿って略水平方向へ摺動することにより、ベース12に対し略鉛直方向へ、操作面14aを主表面12aに略平行に配置した所定の略水平姿勢を保持しつつ平行移動する。キートップ14の打鍵ストロークすなわち昇降ストロークの上限位置は、一対のリンク部材16の摺動支軸32同士の相互接近方向への摺動が、ベース12の各摺動係合部22の案内溝22aを画成する壁部分によって係止された時点で規定される。キートップ14がこの上限位置から下降するに従い、両リンク部材16の摺動支軸32は、キートップ14の昇降方向に略直交する相互離反方向へ摺動する。キートップ14が昇降ストロークの下限位置に達すると、両リンク部材16はキートップ14の内面14b側に収容されるとともに、ベース12の中心開口部20に少なくとも部分的に受容される(図2)。
【0026】
本発明の特徴的構成として、各リンク部材16は、両摺動支軸32の近傍で連結部30に隣接形成される一対のスリット42を有する。それらスリット42は、リンク部材16の第1端領域にて、両腕部26、28に対応する対称位置で互いに平行に延設され、両摺動支軸32に隣接して開口する。その結果、各リンク部材16には、両腕部26、28の基端側に直線状に整列して、対応のスリット42により一対の揺動腕部44が形成され、各揺動腕部44の自由端に摺動支軸32が配置される。したがって、各摺動支軸32は、対応の揺動腕部44がその基端を中心として弾性的に揺動することにより、摺動支軸32自体の実質的軸線方向へ変位できる。
【0027】
なお、リンク部材16に形成される一対のスリット42は、好ましくは図示のように互いに同一の寸法と対称な形状とを有する。しかし、各摺動支軸32の実質的軸線方向への変位を許容できることを前提に、寸法の異なるスリット対や非対称形状のスリット対、又は1つのスリット42を、各リンク部材16に設けることもできる。
【0028】
各リンク部材16は、両揺動腕部44が弾性変形していない無負荷状態で、一対の摺動支軸32の軸線方向端面同士の距離が、ベース12の一組の摺動係合部22の案内溝22aを画定する側壁面(ベース12の内周面12bに略平行な面)同士の距離よりも、僅かに大きくなるように形成される。したがって、一対のリンク部材16を前述した適正配置でベース12に組付けると、各リンク部材16の一対の摺動支軸32は、それらの軸線方向端面で、連結相手であるベース12の摺動係合部22の案内溝22aの側壁面に押付けられる(図4参照)。それに伴い、一対の揺動腕部44がそれらの基端を中心として、両スリット42を収縮させる方向へ弾性的に揺動する。その結果、各リンク部材16の両摺動支軸32は、それらの軸線方向端面にて、対応のスリット42の周辺でリンク部材16に生じる弾性復元力、特に対応の揺動腕部44に生じる弾性復元力により、ベース12の両摺動係合部22の案内溝22aの側壁面に押付けられた状態になる。
【0029】
この状態で、キートップ14が前述した昇降動作を遂行すると、昇降ストロークの全域に渡って、各リンク部材16の一対の摺動支軸32は、それらの軸線方向端面で、連結相手であるベース12の摺動係合部22の案内溝22aの側壁面に常に押付けられた状態に維持されつつ、案内溝22aに沿って略水平方向へ摺動する。なお、キートップ14の昇降動作中にベース12とリンク部材16との間に生じ得る摩擦抵抗を軽減するために、図4に示すように、各摺動支軸32の軸線方向端面に局部的に隆起する突起46を形成し、この突起46が摺動係合部22の案内溝22aの側壁面に当接されるように構成することが有利である。
【0030】
キースイッチ装置10のスイッチ機構18は、一対の接点48(一方の接点48のみ図1に示す)を対向させて各々に担持する一対のシート基板50を有するシート状のスイッチ(本明細書でメンブレンスイッチと称する)52と、キートップ14とメンブレンスイッチ52との間に配置され、キートップ14の下降動作に伴い両接点48を閉じるように作用する作動部材54とから構成される。メンブレンスイッチ52の一対のシート基板50の間には、それらシート基板50を所定間隔に支持して両接点48を開状態に保持するスペーサ(図示せず)が設置される。
【0031】
メンブレンスイッチ52の両シート基板50は、いずれも周知のフレキシブル印刷回路板の構成を有し、そのフィルム基体の表面に、互いに短絡可能な接点48が設けられる。それらシート基板50は、ベース12の下で支持板56上に支持され、両接点48は、ベース12の中心開口部20の略中心に位置決めされる。作動部材54は、ゴム材料から一体成形されたドーム状部材であり、ドーム頂部54aをキートップ14側に向けた姿勢で、ベース12の中心開口部20内に配置される。作動部材54は、無負荷時にはドーム頂部54aを上側のシート基板50の上方に離隔して配置する。作動部材54のドーム頂部54aの内面には、シート基板50に向かって延びる柱状の押圧部(図示せず)が形成される。
【0032】
一対のシート基板50に担持された接点48は、各シート基板50が本質的に有するこしにより、スペーサ52を介して通常は開状態に保持され、作動部材54の押圧部の下方に位置決めされる。作動部材54のドーム頂部54aにシート基板50に接近する方向への外力が加わると、作動部材54は弾性変形し、その押圧部が上側のシート基板50を外面から押圧することにより、一対の接点48を閉じる。なお、図示実施形態では作動部材54は、その下端のドーム開口端54bで、ベース12と上側のシート基板50との間に配置される可撓性を有するシート部材58に固定的に連結される。或いは、シート部材58を用いずに、作動部材54を上側のシート基板50に直接連結することもできる。
【0033】
キースイッチ装置10では、キートップ14に外力が加わらないときには、スイッチ機構18の作動部材54がドーム頂部54aの外面でキートップ14をベース12から鉛直上方へ離れた上限位置に付勢支持する。このときメンブレンスイッチ52は、一対の接点48が開いた状態にある。また、オペレータの打鍵操作によりキートップ14が押下げられたときには、作動部材54はキートップ14に上方への弾性付勢力を及ぼしつつ変形し、キートップ14が下限位置に達する直前に上側のシート基板50を外面から押圧して接点48を閉じる。キートップ14への押下げ力が解除されると、作動部材54が弾性的に復元し、キートップ14を上限位置へ復帰させるとともに、上側のシート基板50が復元して接点48が開く。
【0034】
キースイッチ装置10を組立てる際には、まず支持板56の上にメンブレンスイッチ52、作動部材54(シート部材58を含む)、ベース12及び一対のリンク部材16を、前述した位置関係で組合わせて載置する。このとき、各リンク部材16の一対の摺動支軸32は、対応の揺動腕部44を弾性変形させながら、ベース12の裏側から連結相手の摺動係合部22の案内溝22aに嵌入される。また、一対のリンク部材16は、各々の歯36、38を互いに噛合させた状態で、ベース12の中心開口部20内に寝かせた平置状態に受容配置される(図2)。この状態(すなわちキートップ14の昇降ストロークの下限位置に対応する状態)で、キートップ14の各回動係合部24を対応の各リンク部材16の回動支軸34に上から押付け、回動支軸34をまず回動係合部24の切欠き24bに圧入して回動係合部24を弾性変形させながら、軸受穴24aにスナップ式に嵌入する。
【0035】
このように、上記構成を有するキースイッチ装置10では、キートップ14の昇降ストロークの全域に渡って、各リンク部材16の一対の摺動支軸32がそれらの軸線方向端面で、リンク部材16自体が生じる弾性復元力により、連結相手であるベース12の摺動係合部22の案内溝22aの側壁面に常に押付けられた状態に維持される。したがって、キートップ14の打鍵操作中に生じ得る摺動係合部22の案内溝22a内での摺動支軸32のがたつきが効果的に防止される。この構成では、ベース12やリンク部材16の寸法精度があまり高くない場合であっても、リンク部材16の両揺動腕部44の弾性変形によって寸法誤差を相殺することができる。そのため、キースイッチ装置10の各構成部品の成形精度を必要以上に高める必要が無く、製造コストの上昇が回避される。
【0036】
特に、摺動支軸32の軸線方向端面に局部的に形成した突起46が、摺動係合部22の案内溝22aの側壁面に当接される構成とした場合は、摺動支軸32と案内溝22aとの間の動摩擦力は最小限に抑制される。したがって、キートップ14の打鍵操作感覚に実質的に影響を及ぼすことなく、各リンク部材16の摺動支軸32のがたつきを防止することができる。
【0037】
また、上記したように、キースイッチ装置10を組立てる際には、各リンク部材16の一対の揺動腕部44を弾性変形させながら、各摺動支軸32をベース12の摺動係合部22の案内溝22aに嵌入させればよいので、組立作業性を損なうことはない。また、各リンク部材16の摺動支軸32が対応の摺動係合部22に一旦嵌入されると、両揺動腕部44の弾性復元力下で摺動支軸32と摺動係合部22との間に生じる静摩擦力により、各リンク部材16がベース12上の所定位置に実質的に保持されるので、その後のキートップ組付作業が容易になる。
【0038】
したがって、キースイッチ装置10によれば、その組立作業性やキートップ14の打鍵操作感覚を悪化させたり、製造コストを上昇させたりすることなく、ベース12と一対のリンク部材16との摺動連結部における部材間の隙間に起因する各リンク部材16のがたつきが抑制され、以って、打鍵操作時に生じ得るキートップ14のがたつきやそれに伴う騒音が可及的に低減される。
【0039】
ところで、キースイッチ装置10では、オペレータによる打鍵操作時に、キートップ14への押下げ力が解除されると、キートップ14は一対のリンク部材16の案内下で、弾性部材54の付勢により初期位置すなわちストロ−ク上限位置に復帰する。ここで、キートップ14のストローク上限位置は、前述したように各リンク部材16の摺動支軸32の摺動動作がベース12の各摺動係合部22の壁部分によって係止された時点で規定されるので、キートップ14がストローク上限位置に達した瞬間に、これら構成部材間の衝突音が騒音として生じる傾向がある。図5及び図6は、このような部材間衝突音を効果的に低減可能な変形例によるリンク部材16を示す。
【0040】
図示の変形例によれば、リンク部材16の各揺動腕部44(一方の揺動腕部44のみ図示)の外側面に、揺動腕部44の基端領域から摺動支軸32の外周面に向かって徐々に隆起する傾斜壁面60が、各摺動支軸32に隣接して形成されている。傾斜壁面60は、キートップ14の昇降動作に伴う各リンク部材16の摺動支軸32の、ベース12の摺動係合部22に対する摺動動作を、キートップ14が昇降ストロークの上限位置に達する前に徐々に制動する緩衝部として作用する。
【0041】
詳述すれば、キートップ14が打鍵ストロークの下限位置にあるときに、リンク部材16の各摺動支軸32に隣接する傾斜壁面60は、ベース12の対応の摺動係合部22の壁部分から離隔して配置される。キートップ14が下限位置から上限位置へ移動するに従い、リンク部材16の各傾斜壁面60が対応の摺動係合部22の壁部分に徐々に接近する。そして、キートップ14が上限位置に達する前に、リンク部材16の各傾斜壁面60が対応の摺動係合部22の壁部分に衝突する。このとき各揺動腕部44は、近傍のスリット42を縮小する方向へさらに弾性的に揺動できるので、キートップ14は、その上昇動作を制動されながら、最終的に上限位置に到達する。
【0042】
ここで、リンク部材16の傾斜壁面60とベース12の摺動係合部22の壁部分との衝突は、互いに摺動しながら徐々に接触圧力が高まるような形態で生じる。したがって、各傾斜壁面60は、リンク部材16の摺動支軸32の摺動動作、すなわちキートップ14の上昇動作を徐々に制動すると同時に、キートップ14がストローク上限位置に復帰する瞬間、すなわち各摺動支軸32がその外周面で対応の摺動係合部22の壁部分に衝突するときの、それら部材間の衝突音を低減するように作用する。なお、このような部材間衝突音低減効果は、キースイッチ装置10に組込まれる一対のリンク部材16の少なくとも一方が、上記した変形例によるリンク部材16の構成(傾斜壁面60)を有することにより、確保できることが理解されよう。
【0043】
図示しないが、上記構成を有するキースイッチ装置10を多数配列することにより、電子機器の入力装置である薄型すなわち低背型のキーボードを構成することができる。このキーボードでは、前述したキースイッチ装置10におけるベース12、メンブレンスイッチ52、支持板56、及び作動部材54を固定したシート部材58がそれぞれ、キーボードに組み込まれる全てのキースイッチ装置10に対して共通する大判のベース、メンブレンスイッチ、支持板、及び多数の作動部材54を固定したシート部材として形成される。なお、前述したドーム状の作動部材54を有するスイッチ機構18の構成は、それ自体公知のものであり、本発明に係るキースイッチ装置10及びキーボードは、上記以外の様々な構成を有するスイッチ機構を採用することができる。
【0044】
このような構成のキーボードを組立てる際には、大判のベースを裏返しに配置して、その多数の開口部に、個々のキースイッチ装置10のリンク部材対16を重力作用で落とし込むようにして、複数対のリンク部材16を大判ベースに組付ける工程を採用できる。この場合、各リンク部材16は、回動支軸34を含む第2端領域で開口部内に落ち込む一方で、第1端領域では、摺動支軸32が大判ベースの各開口部に形成される摺動係合部22から外れた状態に置かれる。そこで、適当なローラやプレートを用いて、全てのリンク部材16の摺動支軸32を大判ベースの対応の摺動係合部22に強制的に押し込むことにより、前述したようにして全てのキースイッチ装置10のリンク部材対16が大判ベースの適正位置に組み付けられる。このようにして、組立作業性及び操作性に優れたキーボードが提供される。
【0045】
なお、リンク部材16の摺動支軸32をリンク部材16自体の弾性復元力下でベース12の摺動係合部22に押付けることにより、リンク部材16及びキートップ14の打鍵操作時のがたつきを排除する上記した構成は、図示実施形態のようなギアリンク形式のリンク部材に限らず、パンタグラフ形式や変形パンタグラフ形式等の他の形式のリンク部材を有するキースイッチ装置にも適用できる。このような適用では、一対のリンク部材の各々が、ベース及びキートップのいずれか一方に摺動自在に連結される摺動部(例えば摺動支軸)を有するとともに、摺動部の連結相手のベース又はキートップが、摺動部に摺動自在に係合する摺動係合部を有するキースイッチ装置において、各リンク部材は、摺動部の近傍に形成されるスリットを有し、摺動部は、スリットの周辺でリンク部材に生じる弾性復元力により、連結相手のベース又はキートップの摺動係合部に常に押付けられていることが特徴となる。
【0046】
図7及び図8は、本発明の第2の実施形態によるキースイッチ装置70を示す。図9はキースイッチ装置70のキートップ組付前の組立平面図、図10はキースイッチ装置70のキートップの底面図である。キースイッチ装置70は、キートップ及びリンク部材の構成以外は、図1に示すキースイッチ装置10と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。すなわちキースイッチ装置70は、ベース12と、ベース12の主表面12a上に昇降方向へ移動可能に配置され、オペレータの手指で打鍵される操作面72aを有するキートップ72と、キートップ72をベース12上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材74と、キートップ72の昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構18とを備えて構成される。
【0047】
キートップ72は、平面視で略矩形の皿状部材であり、操作面72aの反対側の内面72bに、二組(4個)の回動係合部76がリンク摺動方向(図10で左右方向)へ互いに並置して形成される。各回動係合部76は、キートップ72の内面72bから直立状に突設される板状片からなり、この板状片に、板厚方向へ窪む球面状の軸受面76aが形成される。各組を成す2個の回動係合部76は、キートップ72の内面72bのリンク摺動方向略中央領域で、両者間に後述する各リンク部材74の一対の腕部78、80の末端領域を挟持可能な距離だけ互いに離れて配置され、それぞれの軸受面76aが互いに正対して整列するように位置決めされる。さらに、各組で対応する側の回動係合部76は、キートップ72の内面72b上でリンク摺動方向へ互いに近接して整列配置される。各回動係合部76には、一対のリンク部材74の各々が、その第2端領域に設けた回動部(後述する)にて回動自在に連結される。
【0048】
一対のリンク部材74は、互いに実質的同一の形状及び寸法を有し、それらの一端で互いに歯車状に連結されて側面視逆V字形態を呈し得るように組合わされる。各リンク部材74は、互いに平行に延びる一対の腕部78、80と、それら腕部78、80をそれぞれの基端で互いに連結する連結部82とを一体に備える。図示実施形態では、連結部82を含む端部領域をリンク部材74の第1端領域と定義し、両腕部78、80を含む端部領域をリンク部材74の第2端領域と定義する。各リンク部材74の第1端領域には、互いに離反する外側面から連結部82の反対側へ、摺動部を構成する一対の摺動支軸84が互いに同軸状に突設される。
【0049】
また、各リンク部材74の第2端領域には、両腕部78、80の外側面から摺動支軸84と同一側へ、回動部を構成する一対の回動支軸86が互いに同心状に突設される。回動支軸86は、球面状輪郭を有する突起であり、その略半球状の外面86aが、連結相手のキートップ72の回動係合部76に設けた球面状の軸受面76aに実質的に一致する曲率を有する。さらに、各リンク部材74の一方の腕部78には、第2端領域の回動支軸86に近接する先端面に1枚の歯88が設けられ、他方の腕部80には、同様に回動支軸86に近接する先端面に2枚の歯90が設けられる。
【0050】
一対のリンク部材74の各々は、第1端領域に設けた摺動支軸84を、ベース12の各摺動係合部22の案内溝22aに摺動自在に係合させ、かつ第2端領域に設けた回動支軸86を、キートップ72の各回動係合部76に回動自在に嵌入して、ベース12とキートップ72との間に配置される。このとき一対のリンク部材74は、それぞれの一方の腕部78の1枚の歯88と、それぞれの他方の腕部80の2枚の歯90とが、連動部として互いに噛み合わされ、それにより、両腕部78、80の回動支軸86が共有する回動軸線92を中心として、互いに連動して回動できるようになっている。
【0051】
前述したキースイッチ装置10と同様に、キースイッチ装置70では、キートップ72に外力が加わらないときには、スイッチ機構18の作動部材54がドーム頂部54aの外面でキートップ72をベース12から鉛直上方へ離れた上限位置に付勢支持する。このときメンブレンスイッチ52は接点開成状態にある。また、オペレータの打鍵操作によりキートップ72が押下げられたときには、作動部材54はキートップ72に上方への弾性付勢力を及ぼしつつ変形し、キートップ72が下限位置に達する直前にメンブレンスイッチ52を接点閉成状態に移行させる。キートップ72への押下げ力が解除されると、作動部材54が弾性的に復元し、キートップ72を上限位置へ復帰させるとともに、メンブレンスイッチ52が接点開成状態に戻る。
【0052】
キースイッチ装置70を組立てる際には、まず支持板56の上にメンブレンスイッチ52、作動部材54(シート部材58を含む)、ベース12及び一対のリンク部材74を、前述した位置関係で組合わせて載置する。このとき、各リンク部材74の一対の摺動支軸84は、ベース12の裏側から連結相手の摺動係合部22の案内溝22aに僅かな隙間を介して嵌入される。また、一対のリンク部材74は、各々の歯88、90を互いに噛合させた状態で、ベース12の中心開口部20内に寝かせた平置状態に受容配置される(図9)。この状態(すなわちキートップ72の昇降ストロークの下限位置に対応する状態)で、キートップ72の各回動係合部76を対応の各リンク部材74の回動支軸86に上から押付けて、回動係合部76を回動支軸86の略半球状の外面86aに沿って摺動させることにより徐々に弾性変形させながら、軸受面76aに回動支軸86をスナップ式に嵌入する。
【0053】
このように、第2実施形態によるキースイッチ装置70では、各リンク部材74の回動部に、連結相手のキートップ72の回動係合部76に少なくとも部分的に接触する球面状輪郭を有する回動支軸86が突設される。他方、キートップ72の回動係合部76には、連結相手のリンク部材74の回動支軸86の外面86aと実質的同一の曲率を有する軸受面76aが凹設される。したがって、キートップ72が昇降動作を遂行する間に、各リンク部材74の回動支軸86は、キートップ72の回動係合部76の軸受面76a内で、面接触しつつ摺動して心出し状態に安定的に保持される。その結果、キートップ72の打鍵操作中に生じ得る回動係合部76内での回動支軸86のがたつきが効果的に防止される。
【0054】
また、上記したように、キースイッチ装置70の組立工程において、キートップ72の各回動係合部76を対応の各リンク部材74の回動支軸86に上から押付けてスナップ式に嵌着する際に、回動係合部76は、回動支軸86の略半球状の外面86aに沿って漸次的に弾性変形する。したがってキースイッチ装置70では、例えば図1のキースイッチ装置10における回動連結部(回動係合部24及び回動支軸34)の構成に比べて、組立工程中の弾性変形に起因して回動係合部76に生じ得る劣化(例えば塑性変形による白化)を効果的に抑制することができる。その結果、組立工程に起因して生じ得る回動係合部76内での回動支軸86のがたつきが防止される。
【0055】
なお、この観点では、回動係合部76に、キートップ72の内面72b(図10)に略直交する方向へ延設されて軸受面76aに連通する導入溝76bを形成することが有利である(図11参照)。導入溝76bは、回動係合部76を回動支軸86に押付けてスナップ式に嵌着する際に、回動支軸86を軸受面76aに正確に案内するとともに、回動係合部76の変形量を一層低減するように作用する。
【0056】
したがって、キースイッチ装置70によれば、その組立作業性やキートップ72の打鍵操作感覚を悪化させたり、製造コストを上昇させたりすることなく、キートップ72と一対のリンク部材74との回動連結部における部材間の隙間に起因する各リンク部材74のがたつきが抑制され、以って、打鍵操作時に生じ得るキートップ72のがたつきやそれに伴う騒音が可及的に低減される。
【0057】
上記した球面状の軸受面76a及び任意の導入溝76bを有する回動係合部76の構成は、キートップ72を所望の樹脂材料から一体成形した後に、成形型からキートップ72を脱離する際にも、有効に作用する。通常、キートップ72の脱型時には、成形された回動係合部76が、軸受面76aの成形面を有する型部分から剪断方向へ強制的に脱離されるので、回動係合部76に必然的に弾性変形が生じる。このとき上記したように、軸受面76a及び任意の導入溝76bによって回動係合部76の弾性変形動作が緩和されるので、回動係合部76の劣化(例えば塑性変形による白化)が抑制され、製品としてのキートップ72の歩留りが改善される。
【0058】
ただし、キートップ72の脱型時に生じ得る回動係合部の変形を考慮しなくても良い場合は、例えば図12(a)及び(b)に示すように、回動支軸86の略半球状の外面86aに対応しない直方体状の軸受面94a、96aを有する回動係合部94、96を採用することもできる。図12(a)に示す回動係合部94は、その軸受面94aの平坦領域でリンク部材74の回動支軸86の頂点に当接されるとともに、軸受面94aの開口縁で回動支軸86の所望部位に環状に当接される。また、図12(b)に示す回動係合部96は、その軸受面96aではリンク部材74の回動支軸86に接触しないものの、軸受面96aの開口縁で回動支軸86の所望部位に環状に当接される。
【0059】
いずれの構成においても、キートップ72の昇降ストロークの全域に渡って、リンク部材74の回動支軸86は、キートップ72の回動係合部94、96の軸受面94a、96a内で心出し状態に安定的に保持され、その結果、回動係合部94、96内での回動支軸86のがたつきが効果的に防止される。特にこれらの構成では、図7の構成に比べて、回動支軸86の外面86aと回動係合部94、96の軸受面94a、96aとの接触面積が縮小されるので、キートップ72の打鍵操作感覚を向上させることができる。
【0060】
キースイッチ装置70においては、各リンク部材74の回動支軸86と連結相手のキートップ72の回動係合部76とが、キートップ72とリンク部材74との間に相対的に生じる弾性復元力により、回動支軸86の外面86aを介して互いに常に押付けられている構成とすることが有利である。この場合、キートップ72及びリンク部材74を、いずれの回動係合部76及び腕部78、80も弾性変形していない無負荷状態で、一対の回動支軸86の外面86a間の最大距離が、対応する一組の回動係合部76の軸受面76a間の最大距離よりも、僅かに大きくなるように形成すればよい。
【0061】
この構成によれば、一対のリンク部材74を前述した適正配置でキートップ72に組付けると、各リンク部材74の一対の回動支軸86は、それらの外面86aで、連結相手であるキートップ72の回動係合部76の軸受面76aに押付けられ、それに伴い、キートップ72の各回動係合部76と対応のリンク部材74の各腕部44とが相対的に、それぞれの基端を支点として弾性的に撓曲される。その結果、各リンク部材74の両回動支軸86は、両腕部78、80及び両回動係合部76のうちの少なくともいずれか一部材に生じる弾性復元力により、キートップ72の両回動係合部76の軸受面76aに押付けられた状態になる。
【0062】
この状態で、キートップ72が前述した昇降動作を遂行すると、昇降ストロークの全域に渡って、各リンク部材74の一対の回動支軸86は、それらの外面86aで、連結相手であるキートップ72の回動係合部76の軸受面76aに常に押付けられた状態に維持されつつ、摺動式に回動する。したがって、キートップ72の打鍵操作中に生じ得る回動係合部76内での回動支軸86のがたつきが一層効果的に防止される。この構成では、キートップ72やリンク部材74の寸法精度があまり高くない場合であっても、回動連結部の弾性変形によって寸法誤差を相殺することができる。そのため、キースイッチ装置70の各構成部品の成形精度を必要以上に高める必要が無く、製造コストの上昇が回避される。
【0063】
図13及び図14は、上記したキースイッチ装置70における回動連結部の変形例を示す。この変形例では、キートップ72の内面72bに形成した二組(4個)の回動係合部76の各々に、板厚方向へ突出する球面状輪郭を有する回動支軸98が形成される。各組を成す2個の回動係合部76は、キートップ72の内面72b上で、それぞれの回動支軸98の略半球状の外面98aが互いに正対して整列するように位置決めされる。また、各リンク部材74の第2端領域には、両腕部78、80の外側面に、回動部を構成する球面状の軸受面100が互いに同心状に凹設される。各軸受面100は、連結相手のキートップ72の回動係合部76に設けた回動支軸98の外面98aに実質的に一致する曲率を有する。各リンク部材74は、その一対の軸受面100にて、キートップ72の一組の回動係合部76の回動支軸98に回動自在に連結される。
【0064】
このような構成によっても、キースイッチ装置70の組立作業性やキートップ72の打鍵操作感覚を悪化させたり、製造コストを上昇させたりすることなく、キートップ72と一対のリンク部材74との回動連結部における部材間の隙間に起因する各リンク部材74のがたつきを効果的に抑制することができる。
【0065】
上記した第2の実施形態によるキースイッチ装置70は、前述したキースイッチ装置10と同様にして、多数のそれらキースイッチ装置70を組み込んで備えるキーボードを構成できる。このような構成を有するキーボードは、良好な打鍵操作感覚を維持しつつ、打鍵操作時のキートップ72のがたつき及びそれに伴う騒音が少ない、優れた操作性を有するものとなる。
【0066】
なお、キートップ72と一対のリンク部材74との回動連結部におけるがたつきを、球面状輪郭を有する回動支軸86、98の介在によって排除する上記した構成は、図示実施形態のようなギアリンク形式のリンク部材に限らず、パンタグラフ形式や変形パンタグラフ形式等の他の形式のリンク部材を有するキースイッチ装置にも適用できる。このような適用では、一対のリンク部材の各々が、ベース及びキートップのいずれか一方に回動自在に連結される回動部を有するとともに、回動部の連結相手のベース又はキートップが、回動部に回動自在に係合する回動係合部を有するキースイッチ装置において、各リンク部材の回動部と、ベース又はキートップの回動係合部とのいずれか一方が、連結相手の回動部又は回動係合部に少なくとも部分的に接触する球面状輪郭を有する回動支軸を備えることが特徴となる。
【0067】
図15及び図16は、本発明の第3の実施形態によるキースイッチ装置110を示す。図17はキースイッチ装置110のキートップ組付前の組立平面図である。キースイッチ装置110は、ベースの構成以外は、図7に示すキースイッチ装置70と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。すなわちキースイッチ装置110は、ベース112と、ベース112の主表面112aの上方に昇降方向へ移動可能に配置され、オペレータの手指で打鍵される操作面72aを有するキートップ72と、キートップ72をベース12上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材74と、キートップ72の昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構18とを備えて構成される。
【0068】
ベース112は、スイッチ機構18を担持する板金部材からなる。すなわちベース112は、図1のキースイッチ装置10における支持板56と同様に、メンブレンスイッチ52の両シート基板50をそれらの下方から担持するとともに、両シート基板50及びその上に配置されるシート部材58を介して、作動部材54及び一対のリンク部材74を支持する。
【0069】
ベース112には、主表面112a上で仮想矩形輪郭の頂点位置に、二組(4個)の摺動係合部114がリンク摺動方向(図17で左右方向)ヘ互いに離間して設けられる。各摺動係合部114は、ベース112の主表面112aから直立状に突出する立板部分114aを有し、この立板部分114aの一面に、主表面112aに略平行に延びる案内溝114bが形成される。各組を成す2個の摺動係合部114は、それぞれの立板部分114aが、ベース112の主表面112a上で両者間に各リンク部材74の第1端領域を挟持可能な距離だけ互いに離れて配置され、それぞれの案内溝114bが互いに正対して整列するように位置決めされる。さらに、各組で対応する側の摺動係合部114は、それぞれの案内溝114bがリンク摺動方向へ直線状に整列するように配置される。各摺動係合部114には、一対のリンク部材74の各々が、その第1端領域に設けた摺動支軸84にて摺動自在に連結される。
【0070】
ベース112の各摺動係合部114は、例えばプレス機械により、板金部材の所定位置に立板部分114aの輪郭3辺を打ち抜いて、立板部分114aを主表面112a側に折曲することにより、ベース112に一体的に形成される。また案内溝114bは、例えばプレス機械により、各立板部分114aの一表面(ベース主表面112aに隣接する)に凹設される。
【0071】
メンブレンスイッチ52の両シート基板50及びシート部材58には、ベース112の各摺動係合部114に対応する位置に、例えばプレス機械により貫通穴116が形成される。したがって各摺動係合部114は、立板部分114aが貫通穴116を通ってシート部材58の上方に突出し、それにより案内溝114bがシート部材58の上方に位置決めされる。このとき、メンブレンスイッチ52の両接点48(図1)は、ベース112の4個の立板部分114aを結ぶ仮想矩形輪郭の略中心に位置決めされる。
【0072】
各リンク部材74の第1端領域に設けた一対の摺動支軸84は、それぞれの軸線方向端面に、局部的に隆起する突起84aを付加的に有する。各摺動支軸84は、この突起84aにて、ベース112に設けた対応の摺動係合部114の案内溝114bに密接状態に圧入される。したがってキースイッチ装置110では、キートップ72が昇降動作する間、各リンク部材74の摺動支軸84は、その突起84aを連結相手の摺動係合部114の案内溝114bに摺動自在に係合させた状態を維持しつつ、ベース112上で水平方向へ案内される。なお、各摺動支軸84の突起84aは、球面状輪郭を有することが好ましく、この場合、連結相手のベース112の摺動係合部114は、突起84aの外面の曲率に実質的に等しい曲率の球面状断面を有する案内溝114bを備えることが有利である。
【0073】
キースイッチ装置110を組立てる際には、まずベース112の上にメンブレンスイッチ52、作動部材54(シート部材58を含む)及び一対のリンク部材74を、前述した位置関係で組合わせて載置する。このとき、各リンク部材74の一対の摺動支軸84を、シート部材58の上方からベース112の対応の摺動係合部114に押付けて、立板部分114aを弾性変形させながら、それぞれの突起84aを案内溝114bにスナップ式に嵌入する。
【0074】
このように、第3実施形態によるキースイッチ装置110では、各リンク部材74の摺動支軸84が、その突起84aにて、連結相手のベース112の摺動係合部114の案内溝114bに密接状態に圧入される。ここで、ベース112は、比較的剛性の高い板金部材からなるので、ベース112に一体的に形成される摺動係合部114の案内溝114bは、その寸法精度を比較的容易に確保でき、しかもリンク部材組付作業に上記した圧入方式を採用したから、連結相手の摺動支軸84の突起84aとの間の隙間を可及的に削減できる。その結果、キートップ72の打鍵操作中に生じ得る摺動係合部114の案内溝114b内での摺動支軸84のがたつきが効果的に防止される。
【0075】
したがって、キースイッチ装置110によれば、その組立作業性やキートップ72の打鍵操作感覚を悪化させたり、製造コストを上昇させたりすることなく、ベース112と一対のリンク部材74との摺動連結部における部材間の隙間に起因する各リンク部材74のがたつきが抑制され、以って、打鍵操作時に生じ得るキートップ72のがたつきやそれに伴う騒音が可及的に低減される。
【0076】
特に、キースイッチ装置110によれば、前述した第1及び第2実施形態によるキースイッチ装置10、70におけるベース12を省略したので、キートップの打鍵ストローク量を維持しつつ、キースイッチ装置110の非操作時及び押下げ操作時の全高を低減することができる。或いは、キースイッチ装置110の全高を維持しつつ、キートップ72の高さ方向寸法を増加させることにより、キースイッチ装置110の意匠性を向上させることもできる。また、部品点数の削減により、キースイッチ装置110の製造コストを削減することができる。
【0077】
キースイッチ装置110においては、板金部材からなるベース112に、一対のリンク部材74の動作を補助的に支持する一対の補助支持片118を設けることができる(図16)。各補助支持片118は、各組を成す2個の摺動係合部114の略中間位置で、ベース112の主表面112aから斜めに突設され、両補助支持片118の自由端が互いに正対するように位置決めされる。補助支持片118は、摺動係合部114の立板部分114aと同様に、例えばプレス機械により、ベース112の所定位置に補助支持片118の輪郭を打ち抜いて主表面112a側に折曲することにより、ベース112に一体的に形成される。各補助支持片118は、メンブレンスイッチ52の両シート基板50及びシート部材58に形成された貫通穴(図示せず)を通って、シート部材58の上方に突出する。
【0078】
一対の補助支持片118は、それらの上面で、キートップ72の昇降ストロークの全域に渡って、対応するリンク部材74の連結部82の下面に摺動式に接触する。その目的で、各補助支持片118は、リンク部材74の連結部82の移動軌跡に倣う蛇行形状を有する。それにより、キートップ72の打鍵操作中に生じ得るリンク部材74自体のがたつきが一層効果的に抑制され、キートップ72のがたつきやそれに伴う騒音が可及的に低減される。
【0079】
上記した第3の実施形態によるキースイッチ装置110は、前述したキースイッチ装置10と同様にして、多数のそれらキースイッチ装置110を組み込んで備えるキーボードを構成できる。このような構成を有するキーボードは、良好な打鍵操作感覚を維持しつつ、打鍵操作時のキートップ72のがたつき及びそれに伴う騒音が少ない、優れた操作性を有するものとなる。
【0080】
なお、ベース112と一対のリンク部材74との摺動連結部におけるがたつきを、板金部材からなるベース112を採用することによって排除する上記した構成は、図示実施形態のようなギアリンク形式のリンク部材に限らず、パンタグラフ形式や変形パンタグラフ形式等の他の形式のリンク部材を有するキースイッチ装置にも適用できる。このような適用では、一対のリンク部材の少なくとも一方が、ベースに摺動自在に連結される摺動部を有するとともに、ベースが、摺動部に摺動自在に係合する摺動係合部を有するキースイッチ装置において、ベースは、スイッチ機構を担持する板金部材を具備し、摺動係合部は、板金部材に一体的に形成される立板部分と、立板部分に凹設される案内溝とを有し、少なくとも一方のリンク部材の摺動部が、摺動係合部の案内溝に、少なくとも部分的に圧入されていることが特徴となる。
【0081】
上記した種々の実施形態の構成は、それぞれに単独で所期の効果を奏するものであるが、幾つかの実施形態の構成を組合わせることによって、一層顕著で格別の作用効果が奏されることは理解されよう。例えば、第3実施形態における板金部材からなるベース112の構成に、第1実施形態におけるスリット付のリンク部材の構成を組合わせることにより、キースイッチ装置110の各構成部品の成形精度を必要以上に高める必要が無くなり、製造コストの上昇が回避される。
【0082】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、打鍵操作されるキートップを案内支持するリンク部材対を有するキースイッチ装置において、キースイッチ装置の組立作業性やキートップの打鍵操作感覚を悪化させたり、製造コストを上昇させたりすることなく、ベース又はキートップとリンク部材対との摺動連結部又は回動連結部における部材間の隙間に起因する各リンク部材のがたつきを抑制することが可能になる。したがって本発明によれば、打鍵操作時に生じ得るキートップのがたつきやそれに伴う騒音を可及的に低減できるキースイッチ装置が提供される。また、このようなキースイッチ装置を多数備えるキーボードは、組立作業性及び操作性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるキースイッチ装置の分解斜視図である。
【図2】図1のキースイッチ装置におけるキートップ組付前の状態を示す組立平面図である。
【図3】図1のキースイッチ装置で使用されるキートップの底面図である。
【図4】図2に対応する図で、ベースの一部分及び一方のリンク部材を示す拡大底面図である。
【図5】図1のキースイッチ装置におけるリンク部材の変形例の主要部分を示す斜視図である。
【図6】図5のリンク部材をベースに組付けた状態で示す部分拡大断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態によるキースイッチ装置の組立断面図である。
【図8】図7のキースイッチ装置の線VIII−VIIIに沿った断面図で、作動部材を省略して示す。
【図9】図7のキースイッチ装置におけるキートップ組付前の状態を示す組立平面図である。
【図10】図7のキースイッチ装置で使用されるキートップの一部切欠底面図である。
【図11】図10のキートップに形成される回動係合部の変形例を示す部分拡大斜視図である。
【図12】(a)及び(b)はそれぞれ、図10のキートップに形成される回動係合部の他の変形例を、回動支軸と共に示す部分拡大断面図である。
【図13】図10に対応する底面図で、第2の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるキートップの変形例を示す。
【図14】図9に対応する一部切欠平面図で、第2の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるリンク部材の変形例を示す。
【図15】本発明の第3の実施形態によるキースイッチ装置の組立断面図である。
【図16】図15のキースイッチ装置の線XVI−XVIに沿った断面図で、作動部材を省略して示す。
【図17】図15のキースイッチ装置におけるキートップ組付前の状態を示す一部切欠組立平面図である。
【符号の説明】
10、70、110…キースイッチ装置
12、112…ベース
14、72…キートップ
16、74…リンク部材
18…スイッチ機構
22、114…摺動係合部
24、76…回動係合部
32、84…摺動支軸
34、86、98…回動支軸
36、38、88、90…歯
42…スリット
44…揺動腕部
52…メンブレンスイッチ
54…作動部材
60…傾斜壁面
Claims (6)
- ベースと、該ベース上に配置されるキートップと、互いに連動して該キートップを該ベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、該キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、前記一対のリンク部材の各々が、前記ベース及び前記キートップのいずれか一方に摺動自在に連結される摺動部を有するとともに、該摺動部の連結相手の該ベース又は該キートップが、該摺動部に摺動自在に係合する摺動係合部を有するキースイッチ装置において、
前記一対のリンク部材の各々は、前記摺動部の近傍に形成されるスリットを有し、該摺動部は、該スリットの周辺で該リンク部材に生じる弾性復元力により、連結相手の前記ベース又は前記キートップの前記摺動係合部に常に押付けられていることを特徴とするキースイッチ装置。 - 前記一対のリンク部材の少なくとも一方は、前記キートップの昇降動作に伴う該リンク部材の各々の前記摺動部の、前記ベース又は該キートップの前記摺動係合部に対する摺動動作を、該キートップが昇降ストロークの上限位置に達する前に徐々に制動する緩衝部を有する請求項1に記載のキースイッチ装置。
- ベースと、該ベース上に配置されるキートップと、互いに連動して該キートップを該ベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、該キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、前記一対のリンク部材の各々が、前記ベース及び前記キートップのいずれか一方に回動自在に連結される回動部を有するとともに、該回動部の連結相手の該ベース又は該キートップが、該回動部に回動自在に係合する回動係合部を有するキースイッチ装置において、
前記一対のリンク部材の各々の前記回動部と、前記ベース又は前記キートップの前記回動係合部とのいずれか一方が、連結相手の該回動部又は該回動係合部に少なくとも部分的に接触する球面状輪郭を有する回動支軸を備えることを特徴とするキースイッチ装置。 - 前記リンク部材の前記回動部と連結相手の前記ベース又は前記キートップの前記回動係合部とは、該リンク部材と該ベース又は該キートップとの間に相対的に生じる弾性復元力により、前記回動支軸を介して互いに常に押付けられている請求項3に記載のキースイッチ装置。
- ベースと、該ベース上に配置されるキートップと、互いに連動して該キートップを該ベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、該キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、前記一対のリンク部材の少なくとも一方が、前記ベースに摺動自在に連結される摺動部を有するとともに、該ベースが、該摺動部に摺動自在に係合する摺動係合部を有するキースイッチ装置において、
前記ベースは、前記スイッチ機構を担持する板金部材を具備し、前記摺動係合部は、該板金部材に一体的に形成される立板部分と、該立板部分に凹設される案内溝とを有し、前記少なくとも一方のリンク部材の前記摺動部が、該摺動係合部の該案内溝に、少なくとも部分的に嵌入されていることを特徴とするキースイッチ装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のキースイッチ装置を多数配列して構成されるキーボード。
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