JPH1139986A - キーボードスイッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型且つ薄型で組立の容易なリンク式キーボ
ードスイッチを提供する。 【解決手段】 キーボードスイッチ２１のベースフレー
ム２２に配置されるラバーアクチュエータ３４の近傍に
Ｘ方向とＹ方向のスライドガイド２７，２８を設ける。
キートップ２３の裏面には、スライドガイド２７，２８
にそれぞれ対応するすり割り付軸受２９，３０を設け
る。２本のリンク３１の下部回動軸３１ｂを、それぞれ
ベースフレーム２２のスライドガイド２７，２８の溝の
外側開放端から溝内へ挿入し、上部回動軸３１ａをベー
スフレームの台座３２，３３に載せ、その上にキートッ
プ２３を載せる。キートップ２３を下方へ押圧すれば、
軸受２９，３０にリンク３１の上部回動軸３１ａが嵌合
して組立が完了する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、キーボードスイ
ッチに関するものであり、特に、リンク式のキーボード
スイッチに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のキーボードスイッチは、ベースフ
レームに筒形のボスを上方へ向けて設け、キートップの
下面にステムを設けてボスへ挿入してあり、キートップ
のステムがボス内を摺動して昇降する構造のものが一般
的である。しかしながら、此種のキーボードスイッチ
は、キートップのストロークを確保し、且つキートップ
が揺動することなく円滑に昇降するためには、ボス並び
にステムにある程度の高さを必要とし、キーボードの高
さを薄型化することに限界がある。したがって、ノート
ブックサイズコンピュータ等の小型機器においては、よ
り薄型化されたＸリンク式のキーボードスイッチが使用
されることが多くなっている。

【０００３】図５は樹脂製のＸリンク式キーボードスイ
ッチ１を示し、２はベースフレーム、３はキートップで
あり、べースフレーム２を三層メンブレンスイッチ基板
４上に載せ、三層メンブレンスイッチ基板４の裏面側か
ら金属製補強パネル５をべースフレーム２にネジ止めし
ている。ベースフレーム２には、三層メンブレンスイッ
チ基板４のメーク接点（図示せず）が位置する円穴６を
挟んで、一方にはリンク支持用のすり割り付軸受７が並
設され、他方にはスライドガイド８が設けられている。
また、キートップ３の裏面にもベースフレーム２と同様
にすり割り付軸受９とスライドガイド１０が設けられて
いる。

【０００４】ベースフレーム２とキートップ３とを連結
する２本のリンク１１，１２は、両端に回動軸１１ａ，
１１ｂ，１２ａ，１２ｂを設けてあり、それぞれの中間
部に成形した回動軸１１ｃと軸受１２ｃとを嵌合させ
て、相互に回転可能に連結されている。

【０００５】一方のリンク１１の回動軸１１ａ，１１ｂ
は、キートップ３の軸受９とベースフレーム２のスライ
ドガイド８の長溝とに係合し、他方のリンク１２の回動
軸１２ａ，１２ｂはベースフレーム２の軸受７とキート
ップ３のスライドガイド１０の長溝とに係合してＸリン
ク機構を構成している。

【０００６】ベースフレーム２の円穴６には、円穴６と
ほぼ同一外径のコーン形ラバーアクチュエータ１３が挿
入されて三層メンブレンスイッチ基板４に載置され、キ
ートップ３はラバーアクチュエータ１３に支持されて昇
降範囲の上端に位置している。

【０００７】キートップ３を打鍵すると、２本のリンク
１１，１２はそれぞれ上下の軸受７，９に係合している
回動軸１１ａ，１２ａを支点として他端の回動軸１１
ｂ，１２ｂがスライドガイド８，１０に沿って外側へ移
動し、キートップ３は２本のリンク１１，１２によりベ
ースフレーム２に対して平行姿勢を維持して下降する。
そして、キートップ３の裏面のボス３ａがラバーアクチ
ュエータ１３を押圧して弾性変形させ、ラバーアクチュ
エータ１３を介して三層メンブレンスイッチ基板４のメ
ーク接点を押圧して導通させる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】コンピュータのキーボ
ードには、アルファニューメリックキーの他に種々のフ
ァンクションキーが配列されるが、ノートブックサイズ
コンピュータ等の小型キーボードは、ボード上のスペー
スが狭いことからファンクションキーの数が制約され、
キー数を増加するためにはキートップの平面寸法の小型
化が必要になる。

【０００９】しかしながら、Ｘ形に組み合わせたリンク
の中央にスイッチの接点部を配置したＸリンク式キーボ
ードスイッチは、スイッチ接点部の周囲四方に相応のス
ペースを要し、平面寸法を小型化することに困難性があ
る。

【００１０】また、組立に際しては、２本のリンクをＸ
形に連結し、一方のリンクの一端の回動軸をベースフレ
ームのスライドガイドの溝に挿入し、キートップをベー
スフレーム上で保持して２本のリンクの開き角度をキー
トップとベースフレームとの間隔に合わせ、他方のリン
クの一端の回動軸をキートップのスライドガイドの溝に
挿入するとともに、２本のリンクのそれぞれ他端の回動
軸をベースフレームとキートップのすり割り付軸受に嵌
着する手順となっており、組立工程が甚だ煩雑である。

【００１１】そこで、小型キーボードの多機能化の要求
に応じて、小型且つ薄型で組立の容易なキーボードスイ
ッチを提供するために解決すべき技術的課題が生じてく
るのであり、本発明は上記課題を解決することを目的と
する。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために提案するものであり、キーボードスイッ
チのベースフレームにキートップを昇降自在に装着し、
前記キートップを打鍵してスイッチ操作を行うキーボー
ドスイッチにおいて、ベースフレームに、リンクの一端
を係合させてリンクを一定範囲スライド自在に支持する
二組のスライドガイドを二方向に配設し、キートップの
下面に前記二組のスライドガイドとそれぞれ対応し、且
つ、前記スライドガイドよりも外周側に位置する軸受を
設け、両端に回動軸を設けたリンクの下部回動軸を前記
スライドガイドに挿入し、上部回動軸を前記スライドガ
イドに対応する前記キートップの軸受に挿入して、対応
関係にある各スライドガイドと軸受とをそれぞれリンク
結合し、キートップを昇降自在に支持したことを特徴と
するキーボードスイッチを提供するものである。また、
上記キートップの軸受にすり割りを成形して下端を開放
し、前記ベースフレームの各スライドガイドの外周側で
あって、前記キートップのすり割り付軸受に対向する位
置に、それぞれ前記リンクの上部回動軸を載架して位置
決めする台座を設け、前記ベースフレームの各スライド
ガイドにそれぞれリンクの下部回動軸を挿入し、上部回
動軸を前記台座に載架し、前記ベースフレーム上にキー
トップを載置して前記キートップを下方へ押圧すること
により、前記キートップのすり割り付軸受が前記リンク
の上部回動軸に圧接して弾性変形し、前記上部回動軸を
すり割り付軸受に圧入して組立られるようにしたキーボ
ードスイッチを提供するものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
図に従って詳述する。図１乃至図３はキーボードスイッ
チ２１を示し、２２はベースフレーム、２３はキートッ
プであり、べースフレーム２２を三層メンブレンスイッ
チ基板２４上に載せ、三層メンブレンスイッチ基板２４
の裏面側から金属製補強パネル２５をべースフレーム２
２に、図示しないネジによってネジ止めしている。

【００１４】ベースフレーム２２には、図１に示すよう
に、上から見てキートップ２３の中心からやや右下へ変
位した位置に、三層メンブレンスイッチ基板２４のメー
ク接点（図示せず）が位置する円穴２６を設け、円穴２
６の上側にＸ方向のスライドガイド２７を設け、円穴２
６の左側にＹ方向のスライドガイド２８を設けている。
二組のスライドガイド２７，２８は必ずしも直角に配置
する必要はなく、キートップの形状に応じて配置を変更
してもよいが、キートップの水平姿勢の安定度を考慮す
れば、ほぼ直角に近く配置したほうが有利である。

【００１５】キートップ２３の裏面には、ベースフレー
ム２２の二組のスライドガイド２７，２８にそれぞれ対
応する二組のすり割り付軸受２９，３０を成形し、ベー
スフレーム２２の円穴２６に対応するボス２３ａを垂設
している。

【００１６】図５に示した従来のキートップ３において
は、側壁と後壁と天面との三面からなる立体構造のスラ
イドガイド１０を一体的に射出成形するためにスライド
機構を有する成形金型を必要とし、金型コストが高く、
また、成形サイクル時間が長くなるので生産コストが高
いが、本実施形態のキートップ２３のスライドガイド形
状では成形金型にスライド機構は不要であり、金型コス
トの低下と成形サイクル時間の短縮により生産コストが
低下する効果がある。

【００１７】ベースフレーム２２のスライドガイド２
７，２８は、図２に示すように、ベースフレーム２２か
ら立上がって、それぞれ外側へベースフレーム２２と平
行に延びている。先端部は下方へ垂下してベースフレー
ム２２との間隔が縮小し、一旦挿入したリンク３１の回
動軸がスライドガイド２７，２８から離脱しないように
形成してある。

【００１８】また、ベースフレーム２２には、キートッ
プ２３の軸受２９，３０と対向する位置に、リンク３１
の位置決め用台座３２，３３を設けている。この台座３
２，３３は、後述する組立工程においてスライドガイド
２７，２８に挿入したリンク３１の上端部を載置してリ
ンク３１とキートップ２３との組付けを容易にするもの
である。

【００１９】図４に示すように、リンク３１は梯子形構
造であり、左右上端部を連結するキートップ側の回動軸
３１ａと、左右下端部から外側に突出するベースフレー
ム側の回動軸３１ｂとを有している。リンク３１の回動
軸３１ａ，３１ｂの左右ピッチは、それぞれキートップ
２３の軸受２９，３０のピッチと、ベースフレーム２２
のスライドガイド２７，２８のピッチにほぼ合致してい
る。

【００２０】キーボードスイッチ２１の組立手順は、先
ずベースフレーム２２を三層メンブレンスイッチ基板２
４の所定位置に載置し、メンブレンスイッチ基板２４の
裏面に補強パネル２５を当てて補強パネル２５とベース
フレーム２２とをネジ（図示せず）にて締結する。

【００２１】次に、２本のリンク３１の下部回動軸３１
ｂを、それぞれベースフレーム２２のスライドガイド２
７，２８の溝の開放端に当てて、リンク３１を溝内へ押
圧すると、スライドガイド２７，２８が弾性変形して下
部回動軸３１ｂが溝内へ挿入される。

【００２２】続いて、ラバーアクチュエータ３４をベー
スフレームの円穴２６に載せるとともに、スライドガイ
ド２７，２８へ装着したリンク３１を円穴２６の中心方
向へスライドさせて上部を外側に倒し、上部回動軸３１
ａの中間部を台座３２，３３に載せる。

【００２３】次に、キートップ２３をベースフレーム２
２の位置に合わせて上方からベースフレーム２２上に置
くと、キートップ２３のすり割り付軸受２９，３０がベ
ースフレーム２２の台座３２，３３上にあるリンク３１
の上部回動軸３１ａに載る。

【００２４】そして、キートップ２３を上方から下方へ
押圧すれば、上部回動軸３１ａに圧接したすり割り付軸
受２９，３０が弾性変形し、すり割り付軸受２９，３０
に上部回動軸３１ａが嵌合して組立が完了するので、従
来のＸリンク式キーボードスイッチよりも、組立手順が
極めて簡単である。

【００２５】組立を完了したキーボードスイッチ２１の
キートップ２３を打鍵すると、リンク３１の下部回動軸
３１ｂは、スライドガイド２７，２８の溝内をそれぞれ
内側へ摺動してキートップ２３は水平姿勢を維持して下
降する。そして、キートップ２３の裏面のボス２３ａが
ラバーアクチュエータ３４を押圧して弾性変形させ、ラ
バーアクチュエータ３４を介して三層メンブレンスイッ
チ基板２４のメーク接点を押圧して導通させる。

【００２６】キートップ２３の押圧を解除すれば、ラバ
ーアクチュエータ３４が原形に復元することにより、キ
ートップ２３はラバーアクチュエータ３４に支持されて
浮上する。このとき、リンク３１は、キートップ２３に
係合している上部回動軸３１ａがキートップ２３と一体
に上昇し、下部回動軸３１ｂはスライドガイド２７，２
８内をそれぞれ外側へ摺動して、キートップ２３は水平
状態を維持しつつ上方待機位置に戻る。

【００２７】尚、この発明は上記の実施形態に限定する
ものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の
改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたもの
に及ぶことは当然である。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のキーボー
ドスイッチは、ベースフレームのスイッチ接点部の二方
にスライドガイドを配置しているので、スイッチ接点部
の周囲四方にリンクのスライドガイド並びに軸受を配置
した従来のＸリンク式キーボードスイッチに比較して、
ベースフレームの占有面積及びキートップの平面積を削
減でき、昇降ストロークを犠牲にすることなく、薄型且
つ小型のリンク式キーボードスイッチを提供できる。

【００２９】また、請求項２記載のキーボードスイッチ
は、ベースフレームの二組のスライドガイドにリンクを
係合させて、キートップを所定位置に載せて押しつけれ
ば、キートップとリンクとが連結されるので、ベースフ
レームとキートップのそれぞれにスライドガイドと軸受
とを設けた従来のＸリンク式キーボードスイッチとは異
なり、リンクの組付け、及びベースフレームとキートッ
プとの連結を簡単容易に行え、生産性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のキーボードスイッチの実施形態を示
し、キートップの天面を切欠した平面断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線矢視断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ階段線矢視断面図である。

【図４】リンクを示し、（ａ）は正面図、（ｂ）は側面
図、（ｃ）はＡ−Ａ線矢視断面図である。

【図５】従来のキーボードスイッチを示し、（ａ）は平
面断面図、（ｂ）は、Ａ−Ａ線矢視断面図である。

【符号の説明】

２１ キーボードスイッチ ２２ ベースフレーム ２３ キートップ ２４ 三層メンブレンスイッチ基板 ２５ 補強パネル ２６ 円穴 ２７，２８ スライドガイド ２９，３０ すり割り付軸受 ３１ リンク ３２，３３ 台座 ３４ ラバーアクチュエータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キーボードスイッチのベースフレームに
   キートップを昇降自在に装着し、前記キートップを打鍵
   してスイッチ操作を行うキーボードスイッチにおいて、 ベースフレームに、リンクの一端を係合させてリンクを
   一定範囲スライド自在に支持する二組のスライドガイド
   を二方向に配設し、キートップの下面に前記二組のスラ
   イドガイドとそれぞれ対応し、且つ、前記スライドガイ
   ドよりも外周側に位置する軸受を設け、両端に回動軸を
   設けたリンクの下部回動軸を前記スライドガイドに挿入
   し、上部回動軸を前記スライドガイドに対応する前記キ
   ートップの軸受に挿入して、対応関係にある各スライド
   ガイドと軸受とをそれぞれリンク結合し、キートップを
   昇降自在に支持したことを特徴とするキーボードスイッ
   チ。
2. 【請求項２】 上記キートップの軸受にすり割りを成形
   して下端を開放し、前記ベースフレームの各スライドガ
   イドの外周側であって、前記キートップのすり割り付軸
   受に対向する位置に、それぞれ前記リンクの上部回動軸
   を載架して位置決めする台座を設け、 前記ベースフレームの各スライドガイドにそれぞれリン
   クの下部回動軸を挿入し、上部回動軸を前記台座に載架
   し、前記ベースフレーム上にキートップを載置して前記
   キートップを下方へ押圧することにより、前記キートッ
   プのすり割り付軸受が前記リンクの上部回動軸に圧接し
   て弾性変形し、前記上部回動軸をすり割り付軸受に圧入
   して組立られるようにした請求項１記載のキーボードス
   イッチ。