JP4383629B2 - キースイッチ装置及びキーボード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、打鍵操作されるキースイッチ装置に関し、特に、電子機器の入力装置であるキーボードで好適に使用されるキースイッチ装置に関する。さらに本発明は、そのようなキースイッチ装置を多数備えたキーボードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ノート型パーソナルコンピュータやノート型ワードプロセッサ等の携帯用電子機器の分野では、機器の携帯性を向上させる目的で、キーボードを含む機器筐体の薄型化すなわち低背化を実現するための様々な技術が提案されている。特に、打鍵操作される多数のキースイッチ装置を備えたキーボードを低背化する際には、一定水準の操作性を確保するためにキースイッチ装置のストローク量を所定量に維持しつつ、キースイッチ装置の非操作(スイッチオフ)時及び押下げ操作(スイッチオン)時の全高を削減することが要求されている。
【0003】
低背型キーボードに使用できるキースイッチ装置は、一般に、ベースと、ベース上に配置されるキートップと、互いに連動してキートップをベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを備えて構成される。一対のリンク部材としては、側面視逆V字状に組合わされて、それらの第1端領域でベースに摺動可能に係合し、かつ第2端領域で互いに歯車状に噛み合うとともにキートップに回動自在に連結される、いわゆるギアリンク形式のもの(例えば特開平11−3628号公報参照)、側面視X字状に組合わされて交点で互いに回動可能に連結され、それらの第1端領域でベース又はキートップに摺動可能に係合し、かつ第2端領域でベース又はキートップに回動自在に連結される、いわゆるパンタグラフ形式のもの(例えば実開平5−66832号公報参照)、側面視X字状に組合わされて交点で互いに摺動可能に連結され、それらの第1端領域でベースに摺動可能に係合し、かつ第2端領域でキートップに回動自在に連結される、いわゆる変形パンタグラフ形式のもの(例えば特開平9−27235号公報参照)等が採用されている。
【0004】
キートップは、これらリンク部材が互いに連動することにより、ベースに対し実質的鉛直方向へ所定の姿勢を保持しつつ平行移動できる。キートップが昇降(打鍵)ストロークの下限位置に到達すると、一対のリンク部材はキートップの下に実質的に寝かせた平置状態で、ベースに設けた開口部に受容される。このような構成により、キートップの打鍵ストローク量を維持しつつ、キースイッチ装置の非操作時及び押下げ時の全高を低減することができる。
【0005】
例えば、上記したギアリンク形式のリンク部材を備えるキースイッチ装置では、各リンク部材は、互いに略平行に延びる一対の腕部を有し、それら腕部を含む端部領域すなわち第2端領域に、キートップに回動自在に係合する支軸が、第2端領域の回動軸線に沿ってそれぞれ外方へ延設される。第2端領域にはさらに、連動相手のリンク部材の対応の第2端領域に係合する連動部として、回動軸線に略直交する方向へ突出する1つ以上の歯が設けられる。
【0006】
他方、キートップには、各リンク部材の各腕部の支軸を回動自在に支持する4個の枢着部が設けられる。それら枢着部の各々は、各リンク部材の各腕部の支軸を回動自在に支持する軸受穴と、軸受穴に連通する切欠きとを備えた板状部材として、キートップの内面に突設される。それら枢着部の切欠きは、各リンク部材の支軸の太さに比べて小さい幅を有して、キートップの内面に略直交する方向へ互いに略平行に延設される。
【0007】
このキースイッチ装置を組立てる際には、まず一対のリンク部材を、それらの第1端領域でベースに係合させるとともに第2端領域で互いに噛合させて、ベースの開口部内に寝かせて平置状態に配置する。この状態(すなわちキートップのストローク下限位置に対応する状態)で、キートップの各枢着部を対応の各リンク部材の支軸に上から押付け、支軸をまず枢着部の切欠きに圧入して枢着部を弾性変形させつつ、軸受穴にスナップ式に嵌入する。この構成により、キースイッチ装置の組立てが容易になるとともに、キートップの成形型の構造が簡略化される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したギアリンク形式のリンク部材を備える従来のキースイッチ装置の構成では、キースイッチ装置を組立てる際にキートップの各枢着部を対応の各リンク部材の支軸に比較的容易に嵌着できるよう、組立完了時には各リンク部材の第2端領域(特に支軸先端)とベースの開口部の内周面との間に若干の隙間が形成されるようになっている。そしてこの隙間に起因して、一対のリンク部材はベースの開口部内においても水平方向へ僅かに変位できるので、キートップを嵌着する前に、両リンク部材がベースの開口部内で位置ずれを生じて、それぞれの連動部が互いに正確に噛合していない状態になる場合がある。このような噛合不良の状態でキートップを両リンク部材に嵌着すると、連動部の歯の変形や欠損が生じ、キースイッチ装置の打鍵操作感覚やストローク特性に悪影響を及ぼすことが懸念される。したがって、キートップの嵌着前に、リンク部材対の噛合不良を修正する必要がある。
【0009】
このようなキースイッチ装置を多数備えたキーボードを組立てる際には、通常、多数の開口部を備えた大判のベース(例えばスイッチパネルと称する)を用意し、個々のキースイッチ装置に対応する開口部にそれぞれ一対のリンク部材を前述したようにして受容した状態で、個々のキースイッチ装置のキートップを対応のリンク部材対に嵌着している。したがって、キートップの嵌着前に、全てのキースイッチ装置のリンク部材対の噛合不良を修正することが要求される。このような修正作業は従来、手作業に依存しているので、時間を消費するとともに作業者の熟練を要し、キースイッチ装置及びキーボードの製造コストを上昇させる要因となっているだけでなく、大量の製品に対し反復作業するうちには人為的な修正ミスが生じ得るものであった。
【0010】
また、従来のキースイッチ装置では、一対のリンク部材は、上記したギアリンク形式、パンタグラフ形式及び変形パンタグラフ形式のいずれの形式においても、各々がその第1端領域又は第2端領域に突設した支軸を介して、ベース及びキートップのいずれか一方に回動自在に連結されている。各リンク部材の支軸は、ベース又はキートップに設けた枢着部の軸受穴(又は溝)に嵌着される。この構成では、前述したように支軸の嵌入を容易にするとともに成形型の構成を簡略化するために、通常は枢着部に、軸受穴に連通する切欠きが設けられる。しかし、この切欠きの存在に起因して、軸受穴内で支軸のがたつきが生じ易くなり、結果として打鍵操作時のキートップのがたつき及びそれに伴う騒音が生じ易くなる課題があった。このような課題を解決するために、回動連結部における部材間すなわち支軸と枢着部との間の嵌合形態を過剰に密にしてしまうと、打鍵操作感覚が悪化することが懸念される。
【0011】
さらに、従来のキースイッチ装置では、上記したギアリンク形式、パンタグラフ形式及び変形パンタグラフ形式のいずれのリンク部材対を有するものにおいても、キートップは弾性部材によって常にベースから鉛直上方へ離れる方向へ付勢されており、打鍵操作時にこの上方付勢力に抗してキートップを押下げることにより、キートップの下方に設置されたスイッチ機構の電気接点が閉成される構成となっている。したがって、キートップへの押下げ力が解除されると、キートップはリンク部材対の案内の下で、弾性部材の付勢により初期位置すなわちストローク上限位置に復帰する。ここで、キートップの上限位置は、各リンク部材の摺動側の端部領域に突設した支軸が、この支軸に摺動自在に係合するベース又はキートップの摺動係合部の壁によって係止された時点で規定される。その結果、キートップが上限位置に復帰したときに、各リンク部材の摺動側の支軸とベース又はキートップの摺動係合部の壁との間に衝突音が生じる。キースイッチ装置におけるこのような部材間の衝突音は、特に静粛性を要する環境下でのキーボードの使用を考慮して、可及的に低減することが要求されている。
【0012】
ところで、キーボードの組立工程として、上記したように全てのキースイッチ装置のキートップを対応のリンク部材対に嵌着した後に、各キートップに所要の文字や記号等の標示を印刷する手順を採る場合がある。この組立工程において、キーボードに組み込まれる多数のキースイッチ装置がそれぞれに形状や色の異なるキートップを有する場合には、印刷前の多種類のキートップを色別、形状別に在庫管理し、かつ部品供給することが要求される。さらに、例えばレーザ印刷用のキートップ材料はパッド印刷用のキートップ材料とは一般に異なるものであるから、そのような異種材料からなる多数のキートップを在庫として保有する場合は、色及び形状のみならず材料別の管理も必要となる。しかし、色及び形状が同一で材料の異なるキートップは、目視での識別が困難であり、それらが誤って混在した場合には、例えばパッド印刷用のキートップ材料にレーザ印刷を実施することは困難であるから、キーボードの組立工程に支障を来す危惧がある。
【0013】
したがって本発明の目的は、打鍵操作されるキートップを有したキースイッチ装置において、ギアリンク形式の一対のリンク部材にキートップを組付ける前に、それらリンク部材相互の噛合不良を確実かつ比較的容易に排除でき、以て組立工程を簡略化して製造コストを低減できるキースイッチ装置を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、打鍵操作されるキートップを有したキースイッチ装置において、キートップの打鍵操作感覚を悪化させることなく、ベース又はキートップと一対のリンク部材との回動連結部における部材間の隙間に起因するリンク部材のがたつきを抑制し、以て打鍵操作時に生じ得るキートップのがたつき及び騒音を可及的に低減できるキースイッチ装置を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、打鍵操作されるキートップを有したキースイッチ装置において、キートップの打鍵操作時に、特にキートップがストローク上限位置に復帰する瞬間の部材間の衝突音を可及的に低減できるキースイッチ装置を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、上記したようなキースイッチ装置を多数備え、組立作業性及び操作性に優れたキーボードを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ベースと、ベース上に配置されるキートップと、互いに連動してキートップをベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、一対のリンク部材の各々がその端部に設けた支軸でキートップに回動自在に連結されてなるキースイッチ装置において、ベースは、一対のリンク部材を受容可能な開口部を画成する内周面と、内周面に設けられ、内周面と開口部に受容した一対のリンク部材の各々の支軸との間の隙間を局部的に低減する突壁部分とを備えることを特徴とするキースイッチ装置を提供する。
【0019】
上記構成では、一対のリンク部材をベースの開口部に受容した状態で、それらリンク部材の各々の支軸とベースの内周面との間の隙間が、突壁部分によって局部的に低減される。この状態で、各リンク部材の支軸は、突壁部分を有するベースの内周面に接近及び離反する方向へ殆ど変位できなくなる。したがって、一対のリンク部材がギアリンク形式の場合、それらリンク部材にキートップを組付ける前の状態、すなわち両リンク部材をベースの開口部に受容した状態で、リンク部材相互の噛合不良が確実に防止される。
【0020】
また、請求項2に記載の発明は、ベースと、ベース上に配置されるキートップと、互いに連動してキートップをベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、一対のリンク部材の各々がその端部に設けた支軸でキートップに回動自在に連結されてなるキースイッチ装置において、キートップは、一対のリンク部材の各々の支軸が回動自在に係合する枢着部と、枢着部に近接して並置される当接板とを備え、一対のリンク部材の各々は、支軸の軸線方向端面に、当接板に当接される頂点を有し、頂点で、リンク部材自体と当接板との間に相対的に生じる弾性復元力により、当接板に押付けられることを特徴とするキースイッチ装置を提供する。
【0021】
上記構成では、一対のリンク部材の各々をキートップに回動自在に連結した状態で、各リンク部材の支軸が頂点で局所的に連結相手のキートップの当接板に圧力下で押付けられる。したがって、一対のリンク部材とキートップとの回動連結部における部材間に隙間がある場合にも、両リンク部材の支軸は常に圧力下で支持されるので、打鍵操作中のそれらリンク部材のがたつきが抑制される。
【0022】
また、請求項3に記載の発明は、ベースと、ベース上に配置されるキートップと、互いに連動してキートップをベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、一対のリンク部材の各々がその端部に設けた支軸でベースに摺動自在に連結されてなるキースイッチ装置において、ベースは、一対のリンク部材の各々の支軸が摺動自在に係合する摺動係合部と、摺動係合部から独立して形成され、基端を支点に弾性的に揺動できる緩衝片とを備え、緩衝片は、キートップが昇降ストロークの上限位置に達する直前に、基端の反対側の自由端で一対のリンク部材の各々に衝突して揺動することで、キートップの上昇動作に伴う一対のリンク部材の各々の支軸の、ベースに対する摺動動作を、キートップが昇降ストロークの上限位置に達する直前に徐々に制動する緩衝部として作用することを特徴とするキースイッチ装置を提供する。
【0023】
上記構成では、キートップが昇降ストロークの上限位置に達する直前に、緩衝片が各リンク部材の支軸の摺動動作を徐々に制動する。したがって、キートップの打鍵操作時に、キートップがストローク上限位置に復帰する瞬間の部材間の衝突音が可及的に低減される。
【0025】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキースイッチ装置を多数配列して構成されるキーボードを提供する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1は本発明の第1の実施形態によるキースイッチ装置10の分解斜視図、図2はキースイッチ装置10のキートップ取付前の組立平面図、図3はキースイッチ装置10のキートップの底面図である。キースイッチ装置10は、ベース12と、ベース12の主表面12a上に昇降方向へ移動可能に配置され、オペレータの手指で打鍵される操作面14aを有するキートップ14と、キートップ14をベース12上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材16と、キートップ14の昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構18とを備えて構成される。
【0027】
ベース12は、キートップ14によって遮蔽される略矩形の中心開口部20を備える枠状部材である。ベース12には、中心開口部20を画成する一対の対向内周面12bに沿って、二組の摺動係合部22が左右方向(図2)ヘ互いに離間して設けられる。各摺動係合部22は、ベース12の主表面12a及び内周面12bから突出する壁部分を有してL字状に伸び、この壁部分の内側に、主表面12aに略平行に延びる案内溝22aが形成される。各組を成す2個の摺動係合部22は、各々の案内溝22aをベース12の一対の内周面12bに沿った対応位置に配置する。さらに、各組で対応する側の摺動係合部22は、ベース12の1つの内周面12bに沿って左右方向へ整列配置される。各摺動係合部22には、一対のリンク部材16の各々がその後述する第1端領域で摺動自在に係合する。
【0028】
キートップ14は、略矩形平面形状を有する皿状の部材であり、操作面14aの反対側の内面14bに、二組の枢着部24が左右方向(図3)へ互いに並置して形成される。各枢着部24は、キートップ14の内面14bから直立状に突設される板状片からなり、板厚方向へ貫通する軸受穴24aと、内面14bに略直交する方向へ延びて軸受穴24aに連通する切欠き24bとが形成される。各組を成す2個の枢着部24は、キートップ14の内面14bの左右方向中央領域で、両者間に後述する各リンク部材16の一対の腕部26、28の末端領域を配置可能な距離だけ互いに離れて配置され、各々の軸受穴24aがその軸線方向へ互いに整列するように位置決めされる。さらに、各組で対応する側の枢着部24は、キートップ14の内面14b上で左右方向へ整列配置される。各枢着部24には、一対のリンク部材16の各々がその後述する第2端領域で回動自在に係合する。
【0029】
一対のリンク部材16は、互いに実質的同一の形状及び寸法を有し、それらの一端で互いに歯車状に連結されて側面視逆V字形態を呈し得るように組合わされる。各リンク部材16は、互いに平行に延びる一対の腕部26、28と、それら腕部26、28をそれぞれの基端で互いに連結する連結部30とを一体に備える。図示実施形態では、連結部30を含む端部領域をリンク部材16の第1端領域と定義し、両腕部26、28を含む端部領域をリンク部材16の第2端領域と定義する。各リンク部材16の第1端領域には、互いに離反する外側面から連結部30の反対側へ一対の支軸32がそれぞれ同軸状に突設される。また、各リンク部材16の第2端領域には、両腕部26、28の外側面から支軸32と同一側へ一対の支軸34がそれぞれ同軸状に突設される。さらに、各リンク部材16の一方の腕部26には、第2端領域の支軸34に近接する先端面に1枚の歯36が設けられ、他方の腕部28には、同様に支軸34に近接する先端面に2枚の歯38が設けられる。
【0030】
一対のリンク部材16の各々は、第1端領域に設けた支軸32を、ベース12の各摺動係合部22の案内溝22aに摺動自在に係合させ、かつ第2端領域に設けた支軸34を、キートップ14の各枢着部24の軸受穴24aに回動自在に嵌入して、ベース12とキートップ14との間に配置される。このとき一対のリンク部材16は、それぞれの一方の腕部26の1枚の歯36と、それぞれの他方の腕部28の2枚の歯38とが、連動部として互いに噛み合わされ、それにより、両腕部26、28の支軸34が共有する回動軸線40を中心として、互いに連動して回動できるようになっている。
【0031】
したがってキートップ14は、一対のリンク部材16がそれぞれの回動軸線40を中心に同期して反対方向へ揺動するとともに、それぞれの支軸32がベース12に沿って略水平方向へ摺動することにより、ベース12に対し略鉛直方向へ、操作面14aを主表面12aに略平行に配置した所定の略水平姿勢を保持しつつ平行移動する。キートップ14の打鍵ストロークすなわち昇降ストロークの上限位置は、一対のリンク部材16の各支軸32の相互接近方向への摺動が、ベース12の各摺動係合部22の案内溝22aを画成する壁部分によって係止された時点で規定される。キートップ14がこの上限位置から下降するに従い、一対のリンク部材16の各支軸32は、キートップ14の昇降方向に略直交する相互離反方向へ摺動する。キートップ14が昇降ストロークの下限位置に達すると、一対のリンク部材16はキートップ14の内面14b側に収容されるとともに、ベース12の中心開口部20に少なくとも部分的に受容される(図2)。
【0032】
図2及び図4に示すように、ベース12には、中心開口部20を画成する一対の対向内周面12bのそれぞれに、各内周面12bから中心開口部20の内方へ局部的に突出する2つの突壁部分42が設けられる。それら突壁部分42は、キートップ14が昇降ストロークの下限位置にあるとき、すなわち一対のリンク部材16をベース12の中心開口部20に受容したときに、両リンク部材16のそれぞれの第2端領域に設けた支軸34の軸線方向端面に近接して対向する配置及び寸法を有する。それにより、一対のリンク部材16がベース12の中心開口部20に受容されている間、ベース12の中心開口部20を画成する各内周面12bと、それに対向する各リンク部材16の各腕部26、28の支軸34との間の隙間が、各突壁部分42の位置で局部的に低減されることになる。
【0033】
キースイッチ装置10のスイッチ機構18は、一対の接点44(一方の接点44のみ図1に示す)を対向させて各々に担持する一対のシート基板46を有するシート状のスイッチ(本明細書でメンブレンスイッチと称する)48と、キートップ14とメンブレンスイッチ48との間に配置され、キートップ14の下降動作に伴い両接点44を閉じるように作用する作動部材50とから構成される。メンブレンスイッチ48の一対のシート基板46の間には、それらシート基板46を所定間隔に支持して両接点44を開状態に保持するスペーサ52(図4)が設置される。
【0034】
メンブレンスイッチ48の両シート基板46は、いずれも周知のフレキシブル印刷回路板の構成を有し、そのフィルム基体の表面に、互いに短絡可能な接点44が設けられる。それらシート基板46は、ベース12の下で支持板54上に支持され、両接点44は、ベース12の中心開口部20の略中心に位置決めされる。作動部材50は、ゴム材料から一体成形されたドーム状部材であり、ドーム頂部50aをキートップ14側に向けた姿勢で、ベース12の中心開口部20内に配置される。作動部材50は、無負荷時にはドーム頂部50aを上側のシート基板46の上方に離隔して配置する。作動部材50のドーム頂部50aの内面には、シート基板46に向かって延びる柱状の押圧部(図示せず)が形成される。
【0035】
一対のシート基板46に担持された接点44は、各シート基板46が本質的に有するこしにより、スペーサ52を介して通常は開状態に保持され、作動部材50の押圧部の下方に位置決めされる。作動部材50のドーム頂部50aにシート基板46に接近する方向への外力が加わると、作動部材50は弾性変形し、その押圧部が上側のシート基板46を外面から押圧することにより、一対の接点44を閉じる。なお、図示実施形態では作動部材50は、その下端のドーム開口端50bで、ベース12と上側のシート基板46との間に配置される可撓性を有するシート部材56に固定的に連結される。或いは、シート部材56を用いずに、作動部材50を上側のシート基板46に直接連結することもできる。
【0036】
キースイッチ装置10では、キートップ14に外力が加わらないときには、スイッチ機構18の作動部材50がドーム頂部50aの外面でキートップ14をベース12から鉛直上方へ離れた上限位置に付勢支持する。このときメンブレンスイッチ48は、一対の接点44が開いた状態にある。また、オペレータの打鍵操作によりキートップ14が押下げられたときには、作動部材50はキートップ14に上方への弾性付勢力を及ぼしつつ変形し、キートップ14が下限位置に達する直前に上側のシート基板46を外面から押圧して接点44を閉じる。キートップ14への押下げ力が解除されると、作動部材50が弾性的に復元し、キートップ14を上限位置へ復帰させるとともに、上側のシート基板46が復元して接点44が開く。
【0037】
上記構成を有するキースイッチ装置10を組立てる際には、まず支持板54の上にメンブレンスイッチ48、作動部材50及びベース12を上記した位置関係で載置する。次いで一対のリンク部材16を、各々の第1端領域の支軸32をベース12の対応の摺動係合部22に係合させ、さらに両者の第2端領域の歯36、38を互いに噛合させて、ベース12の中心開口部20内に寝かせた平置状態に受容配置する(図2)。このとき、各リンク部材16の第2端領域の支軸34は、その軸線方向端面で、ベース12の各内周面12bに設けた突壁部分42に近接かつ対向して配置される。この状態(すなわちキートップ14の昇降ストロークの下限位置に対応する状態)で、キートップ14の各枢着部24を対応の各リンク部材16の支軸34に上から押付け、支軸34をまず枢着部24の切欠き24bに圧入して枢着部24を弾性変形させつつ、軸受穴24aにスナップ式に嵌入する。
【0038】
ここでキースイッチ装置10においては、前述したように、ベース12の中心開口部20内に平置状態に配置した各リンク部材16の各腕部26、28の支軸34と、それに対向するベース12の各内周面12bとの間の隙間が、各突壁部分42の位置で局部的に低減されている。したがって、一対のリンク部材16の互いに連動する歯36、38同士が正確に噛合しない限り、各突壁部分42が障害物となって、それらリンク部材16をベース12の中心開口部20内に平置状態に配置することができない。また、一対のリンク部材16が一旦、ベース12の中心開口部20内に平置状態に配置されれば、各リンク部材16は中心開口部20内で支軸34の軸線方向へ殆ど変位できなくなり、その結果、それらの歯36、38同士の正確な噛合状態が維持される。
【0039】
しかも、ベース12の各内周面12b上で各突壁部分42は、各リンク部材16の支軸34に局所的に対向する形状を有しているので、キートップ14の各枢着部24を対応の各支軸34に上から押付ける際の障害物になることは回避される。したがって、突壁部分42を有しない従来構造と同程度に、キートップ14の各枢着部24を対応の各リンク部材16の支軸34に容易に嵌着することができる。このようにして、キートップ14の嵌着前に、両リンク部材16の歯36、38同士の噛合不良が生じることが確実かつ比較的容易に防止され、互いに正確に噛合した両リンク部材16にキートップ14を組付けることが可能になる。こうして組立てられたキースイッチ装置10は、一対のリンク部材16の適正かつ安定的な連動案内作用の下で、キートップ14の良好な打鍵操作感覚及びストローク特性を獲得することができる。
【0040】
なお、ベース12の突壁部分42がキートップ14の枢着部24に対する障害物にならないようにするためには、例えば図2に示すように、軸線40に直交する方向の支軸34の断面形状よりも、同方向の突壁部分42の断面形状が小さくなるように形成することが望ましい。また、図4に示す角柱状の突壁部分42に限らず、図1に示すような円柱状の突壁部分42を採用することもできる。さらに、図5(a)に示す均一厚みの突壁部分42に限らず、図5(b)に示すように下方へ向かって厚みが漸増する突壁部分42を採用することもできる。このような漸増厚みの突壁部分42によれば、そのテーパ面42aでキートップ14の枢着部24を中心開口部20内に円滑に案内できるので、支軸34よりも大きく、例えば内周面12bの全体に突壁部分42を形成しても、枢着部24に対する障害物になることは回避される。
【0041】
図6は、上記したキースイッチ装置10を多数配列して構成された本発明の一実施形態によるキーボード60を示す。キーボード60では、前述した各キースイッチ装置10におけるベース12、メンブレンスイッチ48、支持板54、及び作動部材50を固定したシート部材56がいずれも、キーボード60に組み込まれる全てのキースイッチ装置10に対して共通する大判のベース12′、メンブレンスイッチ48′、支持板54′、及び多数の作動部材50を固定したシート部材56′として形成される。なお、各キースイッチ装置10における一対のリンク部材16は、図示省略する。また、前述したドーム状の作動部材50を有するスイッチ機構18の構成は、それ自体公知のものであり、本発明に係るキースイッチ装置10及びキーボード60は、上記以外の様々な構成を有するスイッチ機構を採用することができる。
【0042】
キーボード60を組立てる際には、ベース12′の多数の開口部20′に、個々のキースイッチ装置10のリンク部材対16をそれぞれ前述したようにして受容した状態で、全てのキースイッチ装置10のキートップ14を順次対応のリンク部材対16に上から押付けて嵌着する。このとき、各キートップ14を嵌着する前に、全てのキースイッチ装置10のリンク部材対16は、前述したように作業者の熟練を要することなく比較的容易に正確に相互噛合した状態に保持されるので、噛合修正作業が不要になるとともにキーボード60の製造コストの上昇が抑制され、以て、組立作業性及び操作性に優れたキーボード60を提供することができる。
【0043】
図7は、本発明の第2の実施形態によるキースイッチ装置70を示す。キースイッチ装置70は、キートップ72及びリンク部材74の構成以外は、図1に示すキースイッチ装置10と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。すなわちキースイッチ装置70は、ベース12と、ベース12の主表面12a上に昇降方向へ移動可能に配置され、オペレータの手指で打鍵される操作面72aを有するキートップ72と、キートップ72をベース12上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材74(一方のリンク部材74のみ図示)と、キートップ72の昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構18とを備えて構成される。
【0044】
キートップ72は、略矩形平面形状を有する皿状の部材であり、図3に示すキートップ14と同様に、操作面72aの反対側の内面72bに、二組の枢着部76が左右方向へ互いに並置して形成される。各枢着部76は、キートップ72の内面72bから直立状に突設される板状片からなり、板厚方向へ貫通する軸受穴76aと、内面72bに略直交する方向へ延びて軸受穴76aに連通する切欠き76bとが形成される(図8)。各組を成す2個の枢着部76は、キートップ72の内面72bの左右方向中央領域で、両者間に後述する各リンク部材74の一対の腕部78、80の末端領域を配置可能な距離だけ互いに離れて配置され、各々の軸受穴76aがその軸線方向へ互いに整列するように位置決めされる。さらに、各組で対応する側の枢着部76は、キートップ72の内面72b上で左右方向へ整列配置される。各枢着部76には、一対のリンク部材74の各々がその後述する第2端領域で回動自在に係合する。
【0045】
一対のリンク部材74は、互いに実質的同一の形状及び寸法を有し、図2に示す一対のリンク部材16と同様に、それらの一端で互いに歯車状に連結されて側面視逆V字形態を呈し得るように組合わされる。各リンク部材74は、互いに平行に延びる一対の腕部78、80と、それら腕部78、80をそれぞれの基端で互いに連結する連結部82とを一体に備える。図示実施形態では、連結部82を含む端部領域をリンク部材74の第1端領域と定義し、両腕部78、80を含む端部領域をリンク部材74の第2端領域と定義する。各リンク部材74の第1端領域には、互いに離反する外側面から連結部82の反対側へ一対の支軸84がそれぞれ同軸状に突設される。また、各リンク部材74の第2端領域には、両腕部78、80の外側面から支軸84と同一側へ一対の支軸86がそれぞれ同軸状に突設される。さらに、各リンク部材74の一方の腕部78には、第2端領域の支軸86に隣接する先端面に1枚の歯(図示せず)が設けられ、他方の腕部80には、同様に支軸86に隣接する先端面に2枚の歯(図示せず)が設けられる。
【0046】
一対のリンク部材74の各々は、第1端領域に設けた支軸84を、ベース12の各摺動係合部22の案内溝22aに摺動自在に係合させ、かつ第2端領域に設けた支軸86を、キートップ72の各枢着部76の軸受穴76aに回動自在に嵌入して、ベース12とキートップ72との間に配置される。このとき一対のリンク部材74は、それぞれの一方の腕部78の1枚の歯と、それぞれの他方の腕部80の2枚の歯とが、連動部として互いに噛み合わされ、それにより、両腕部78、80の支軸86が共有する回動軸線を中心として、互いに連動して回動できるようになっている。
【0047】
したがってキートップ72は、一対のリンク部材74がそれぞれの支軸86を中心に同期して反対方向へ揺動するとともに、それぞれの支軸84がベース12に沿って略水平方向へ摺動することにより、ベース12に対し略鉛直方向へ、操作面72aを主表面12aに略平行に配置した所定の略水平姿勢を保持しつつ平行移動する。キートップ72の打鍵ストロークすなわち昇降ストロークの上限位置は、一対のリンク部材74の各支軸84の相互接近方向への摺動が、ベース12の各摺動係合部22の案内溝22aを画成する壁部分によって係止された時点で規定される。キートップ72がこの上限位置から下降するに従い、一対のリンク部材74の各支軸84は、キートップ72の昇降方向に略直交する相互離反方向へ摺動する。キートップ72が昇降ストロークの下限位置に達すると、一対のリンク部材74はキートップ72の内面72b側に収容されるとともに、ベース12の中心開口部20に実質的に受容される。
【0048】
キースイッチ装置70は、キートップ72の良好な打鍵操作特性を確保するために、リンク部材74の第2端領域の各支軸86を、キートップ72の各枢着部76の軸受穴76aに隙間嵌め状態で嵌入している。したがってそのままでは、従来のキースイッチ装置と同様に、切欠き76bの存在に起因して軸受穴76a内で支軸86のがたつきが生じ易くなくなることが懸念される。このような懸念を解消するために、キースイッチ装置70では、キートップ72に、二組の枢着部76のそれぞれに近接して並置される計4個の当接板88を設置している。各当接板88は、リンク部材74の各腕部78、80に対して各枢着部76の反対側すなわち外側で、各枢着部76に略平行に離間して、かつ軸受穴76aに軸線方向へ重畳して配置される。各当接板88は、好ましくはキートップ72と同一の材料からなり、キートップ72の内面72bに直立状に一体形成される。
【0049】
他方、リンク部材74の第2端領域に設けた各支軸86は、その回動軸線上に頂点86aを有して円錐状に延出する軸線方向端面を備える。リンク部材74の両腕部78、80の支軸86を、キートップ72の対応の枢着部76の軸受穴76aに嵌入すると、各支軸86はその頂点86aで、対応の枢着部76の外側に位置する当接板88に当接される。このとき、各支軸86と各当接板88との間に相互押圧力が生じるように、各支軸86の寸法及び各当接板88の位置を設定する。それにより、リンク部材74の両腕部78、80とキートップ72の対応の当接板88との少なくともいずれかが、それぞれの基端を支点として弾性的に撓曲される。その結果、各リンク部材74は、その両腕部78、80とキートップ72の対応の当接板88との間に相対的に生じる弾性復元力により、各腕部78、80の支軸86がその回動軸線上の頂点86aで局所的に、キートップ72に一体形成した各当接板88に押付けられることになる。
【0050】
このように、キースイッチ装置70においては、キートップ72の各枢着部76の軸受穴76aに隙間嵌め状態で嵌入されたリンク部材74の各支軸86が、その頂点86aで、キートップ72の打鍵ストロークの全範囲に渡って常に当接板88に圧力下で当接される。したがって、枢着部76に切欠き76bを設けているにも関わらず、支軸86は当接板88によって弾性的に支えられるので、軸受穴76a内での支軸86のがたつきが効果的に防止される。しかも、支軸86はその回動軸線上の頂点86aで局所的に支持されるので、支軸86と当接板88との間の動摩擦力は最小限に抑制され、キートップ72の打鍵操作感覚に殆ど影響を及ぼさない。その結果、キースイッチ装置70によれば、キートップ72の打鍵操作感覚を悪化させることなく、キートップ72の枢着部76と一対のリンク部材74の支軸86との間の隙間に起因するリンク部材74のがたつきが抑制され、以て打鍵操作時に生じ得るキートップ72のがたつき及び騒音が可及的に低減される。
【0051】
上記構成に加えて、或いはその代わりに、図9に示すように、リンク部材74の第1端領域に設けた支軸84が、その中心軸線上に頂点84aを有して円錐状に延出する軸線方向端面を備える構成とすることもできる。この構成では、リンク部材74の両支軸84を、ベース12の対応の摺動係合部22の案内溝22aに挿入すると、各支軸84はその頂点84aで、キートップ72の打鍵ストロークの全範囲に渡って常に各案内溝22aの内壁に圧力下で当接される。このような構成によっても、キートップ72の打鍵操作感覚を悪化させることなく、リンク部材74のがたつきを抑制することができる。なお、上記構成において、支軸84、86の頂点84a、86aは、支軸84、86の中心軸線から外れた位置に形成することもできる。
【0052】
また、図10に示すように、リンク部材74の第1端領域に設けた支軸84が、その軸線方向の一部分に、ベース12の摺動係合部22の案内溝22aに密に嵌合可能な大径部分90を有する構成とすることもできる。この構成では、リンク部材74の両支軸84を、対応の摺動係合部22の案内溝22aに挿入すると、各支軸84はその大径部分90で局所的に、キートップ72の打鍵ストロークの全範囲に渡って常に各案内溝22aの内壁に当接される。このような構成においても、大径部分90の軸線方向長さを可及的に小さくすれば、キートップ72の打鍵操作感覚を実質的に悪化させることなく、リンク部材74のがたつきを抑制することができる。また、大径部分90の軸線方向長さを適宜選択することにより、キートップ72の昇降動作の円滑さを調節することもできる。
【0053】
さらに、図11に示すように、リンク部材74の両腕部78、80の外面に、第2端領域の支軸86を包囲するようにして、局所的に凹凸面92を形成することもできる。このとき、リンク部材74の各腕部78、80が、その凹凸面92の突起部分の頂点で、両腕部78、80と対応の枢着部76との間に相対的に生じる弾性復元力により、キートップ72の打鍵ストロークの全範囲に渡って常に枢着部76の表面に圧力下で当接されるように、凹凸面92の形状及び寸法を適宜設定する。このような構成においても、凹凸面92の面積を可及的に小さくしたり、凹凸の粗さを可及的に粗くすなわち突起部分の個数を可及的に小さくしたりすれば、キートップ72の打鍵操作感覚を実質的に悪化させることなく、リンク部材74のがたつきを抑制することができる。また、凹凸面92の面積や凹凸の粗さを適宜選択することにより、キートップ72の昇降動作の円滑さを調節することもできる。
【0054】
さらに、図12及び図13に示すように、リンク部材74の両腕部78、80の外面に、第2端領域の支軸86に隣接して局所的に突起94を形成するとともに、キートップ72の両枢着部76の互いに対向する面に、軸受穴76a及び切欠き76bに隣接する面取り部分96を形成することもできる。このとき、リンク部材74の各腕部78、80が、その突起94で、両腕部78、80と対応の枢着部76との間に相対的に生じる弾性復元力により、キートップ72の打鍵ストロークの全範囲に渡って常に面取り部分96に圧力下で当接されるように、突起94及び面取り部分96の形状及び寸法を適宜設定する。このような構成においても、突起94と面取り部分96との相互接触面積を可及的に小さくすれば、キートップ72の打鍵操作感覚を実質的に悪化させることなく、リンク部材74のがたつきを抑制することができる。また、突起94の形状及び寸法を適宜選択することにより、キートップ72の昇降動作の円滑さを調節することもできる。
【0055】
なお、リンク部材74の支軸84、86を構成部材間の相対的弾性復元力下で押え付けることによりリンク部材74のがたつきを排除する上記した種々の構成は、ギアリンク形式のリンク部材に限らず、パンタグラフ形式や変形パンタグラフ形式等の他の形式のリンク部材を有するキースイッチ装置にも適用できる。このような適用では、一対のリンク部材の各々はその端部領域に、ベース及びキートップのいずれか一方に回動自在に連結される支軸を備え、少なくとも支軸がその一部分で局所的に、リンク部材自体と連結相手のベース又はキートップとの間に相対的に生じる弾性復元力により、ベース又はキートップに押付けられる構成となる。また、上記した種々の構成は、それぞれ単独でも所期の作用効果を奏するが、幾種類かを組合せて使用することにより、がたつき抑制効果が一層向上することは理解されよう。
【0056】
さらに、上記した第2の実施形態によるキースイッチ装置は、図6に示すような、多数のそれらキースイッチ装置を組み込んで備えるキーボードを構成できる。このような構成を有するキーボードは、良好な打鍵操作感覚を維持しつつ、打鍵操作時のキートップのがたつき及びそれに伴う騒音が少ない、優れた操作性を有するものとなる。
【0057】
図14は、本発明の第3の実施形態によるキースイッチ装置100を示す。キースイッチ装置100は、ベース102の構成以外は、図1に示すキースイッチ装置10と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。すなわちキースイッチ装置100は、ベース102と、ベース102の主表面102a上に昇降方向へ移動可能に配置されるキートップ14と、キートップ14をベース102上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材16と、キートップ14の昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構18とを備えて構成される。
【0058】
図14及び図15に示すように、ベース102は、キートップ14によって遮蔽される略矩形の中心開口部104を備える枠状部材である。ベース102には、中心開口部104を画成する一対の対向内周面102bに沿って、二組の摺動係合部106が左右方向(図14)ヘ互いに離間して設けられる。各摺動係合部106は、ベース102の主表面102a及び内周面102bから突出する壁部分を有し、この壁部分の内側に、主表面102aに略平行に延びる案内溝106aが形成される。各組を成す2個の摺動係合部106は、各々の案内溝106aをベース102の一対の内周面102bに沿った対応位置に配置する。さらに、各組で対応する側の摺動係合部106は、ベース102の1つの内周面102bに沿って左右方向へ整列配置される。各摺動係合部106の案内溝106aには、一対のリンク部材16の各々の第1端領域に設けた支軸32が摺動自在に挿入される。なお、ベース102では、1つのリンク部材16の両支軸32に係合する一対の摺動係合部106の各々に、中心開口部104の上方に延出する張出壁部分106bが形成される。
【0059】
ベース102にはさらに、各組を成す2個の摺動係合部106の張出壁部分106bの間に、中心開口部104を画成する他の対向内周面102c(図16)の略中央位置から中心開口部104の上方へ延出する緩衝片108がそれぞれ形成される。それら緩衝片108は、各々の基端でベース102に一体的に連結されるとともに、他端の自由端領域で、両摺動係合部106に支軸32を係合させた対応のリンク部材16の第1端領域の上方へ延出する。各緩衝片108は、その基端を支点に、隣合う張出壁部分106bから独立して弾性的に揺動できるようになっている。
【0060】
図16に示すように、キートップ14が打鍵ストロークの下限位置にあるときに、ベース102に設けた一対の緩衝片108の各々は、対応のリンク部材16の第1端領域から上方へ離れた位置で無負荷状態に置かれる(図16(a))。キートップ14が下限位置から上限位置へ移動するに従い、両リンク部材16の第1端領域は対応の摺動係合部106に沿って相互接近方向へ移動し、それに伴って各リンク部材16の連結部30が対応の緩衝片108に徐々に接近する。そして、キートップ14が上限位置に達する直前に、各リンク部材16の連結部30が対応の緩衝片108の自由端領域に衝突する(図16(b))。それにより各緩衝片108は、その基端を支点に弾性変形して自由端領域が上方へ揺動する。
【0061】
このように、キースイッチ装置100では、打鍵操作に際しキートップ14への押下げ力が解除されて、キートップ14がストローク下限位置から、両リンク部材16の案内の下で作動部材50の弾性復元力により初期位置すなわちストローク上限位置に復帰するときに、各リンク部材16の第1端領域の支軸32がその外周面で対応の摺動係合部106の壁に衝突して係止される直前に、各リンク部材16の連結部30が対応の緩衝片108の自由端領域に衝突する。このとき各緩衝片108は、その基端を支点に弾性的に揺動し、それにより各リンク部材16のさらなる揺動動作、すなわち第1端領域の支軸32のさらなる摺動動作を徐々に制動する緩衝部として作用する。その結果、キートップ14がストローク上限位置に復帰する瞬間、すなわち各支軸32がその外周面で対応の摺動係合部106の係止壁に衝突するときの、それら部材間の衝突音が低減される。
【0062】
キースイッチ装置100においては、キートップ14の昇降動作及び打鍵操作感覚に及ぼす影響を最小限にするために、上記したようにキートップ14がストローク上限位置に復帰する直前に、各リンク部材16の連結部30が対応の緩衝片108の自由端領域に衝突するように構成することが肝要である。なお各緩衝片108は、ベース102と同一の樹脂材料でベース102に一体成形でき、また各緩衝片108の形状及び寸法を適宜設定することにより、衝突音の低減効果を最適化できる。
【0063】
図17は、上記した緩衝片108に代わる他の緩衝部を備えた変形例によるベース110の主要部を示す。ベース110は、緩衝部の構成以外は、上記したベース102と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。ベース110では、各摺動係合部106の案内溝106aの側壁面、すなわち対応のリンク部材16の第1端領域に設けた支軸32の軸線方向端面に対向する壁面が、ベース110の内周面110bに対して僅かに傾斜する傾斜壁面112として形成されている。1つのリンク部材16の両支軸32に係合する一対の摺動係合部106において、これら傾斜壁面112は、両者間の距離が、中心開口部104を画成する1つの内周面110cに隣接する部位で最大となり、かつ内周面110cから最も離れた案内溝106aの係止壁に隣接する部位で最小となるように延設される。また、それら傾斜壁面112間の最小距離は、リンク部材16の両支軸32の軸線方向端面間の距離よりも僅かに小さく設定される。
【0064】
上記構成を有するベース110の傾斜壁面112は、ベース102における緩衝片108と同様に、部材間の衝突音を低減する緩衝部として作用する。詳述すれば、図18に示すように、キートップ14(図14)が打鍵ストロークの下限位置にあるときに、各リンク部材16の第1端領域に設けた各支軸32の軸線方向端面は、ベース110の対応の摺動係合部106の傾斜壁面112から側方へ離れた位置に置かれる(図18(a))。キートップ14が下限位置から上限位置へ移動するに従い、両リンク部材16の第1端領域は対応の摺動係合部106に沿って相互接近方向へ移動し、それに伴って各リンク部材16の支軸32の軸線方向端面が対応の傾斜壁面112に徐々に接近する。そして、キートップ14が上限位置に達する直前に、各リンク部材16の支軸32がその軸線方向先端で対応の傾斜壁面112に衝突する(図18(b))。
【0065】
このように、ベース110では、キートップ14がストローク下限位置から、両リンク部材16の案内の下で作動部材50(図14)の弾性復元力によりストローク上限位置に復帰するときに、各リンク部材16の第1端領域の支軸32がその外周面で摺動係合部106の壁に衝突して係止される直前に、各支軸32がその軸線方向先端で対応の傾斜壁面112に衝突する。ここで、支軸32と傾斜壁面112との衝突は、互いに摺動しながら徐々に接触圧力が高まるような形態で生じる。したがって各傾斜壁面112は、各リンク部材16のさらなる揺動動作、すなわち第1端領域の支軸32のさらなる摺動動作を徐々に制動する緩衝部として作用し、その結果、キートップ14がストローク上限位置に復帰する瞬間、すなわち各支軸32がその外周面で対応の摺動係合部106の係止壁に衝突するときの、それら部材間の衝突音が低減される。
【0066】
なお、上記した傾斜壁面112による緩衝作用を補助するために、図19に示すように、リンク部材16の第1端領域の支軸32の基端近傍に、支軸32の径方向に延びてその外周面に局部的に開口するスリット114を形成することが好ましい。スリット114を設けた支軸32は、対応の傾斜壁面112に衝突したときに、支軸32の基端の連結部分を支点に弾性的に揺動できるようになり、それにより、部材間の衝突音が一層効果的に低減される。
【0067】
図20は、さらに他の緩衝部を備えたベース120の主要部を示す。ベース120は、緩衝部の構成以外は、前述したベース102と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。ベース120では、各摺動係合部106の案内溝106aの係止壁122、すなわち中心開口部104を画成する1つの内周面120cから最も離れた壁122に隣接して、緩衝壁124が形成されている。それら緩衝壁124は、各々の上端で対応の摺動係合部106に一体的に連結されるとともに、下方の自由端領域で、両摺動係合部106に支軸32を係合させた対応のリンク部材16(図14)の側方に配置される。また、各緩衝壁124の内壁面124aは、隣合う係止壁122の内壁面122aよりも案内溝106a内に突出して、すなわちベース120の内周面120cに近接して配置される(図21)。各緩衝壁124は、その基端を支点に、隣合う係止壁122から独立して弾性的に揺動できるようになっている。
【0068】
上記構成を有するベース120の緩衝壁124は、ベース102における緩衝片108と同様に、部材間の衝突音を低減する緩衝部として作用する。詳述すれば、図21に示すように、キートップ14(図14)の昇降動作に伴って移動する各リンク部材16の第1端領域の各支軸32は、キートップ14がストローク下限位置から所定距離の範囲にある間は、ベース120の対応の摺動係合部106の緩衝壁124から離れた位置に置かれる(図21(a))。キートップ14が下限位置から上限位置へ移動するに従い、両リンク部材16の第1端領域は対応の摺動係合部106に沿って相互接近方向へ移動し、それに伴って各リンク部材16の支軸32が対応の緩衝壁124に徐々に接近する。そして、キートップ14が上限位置に達する直前に、各リンク部材16の支軸32がその外周面で対応の緩衝壁124に衝突する(図21(b))。それにより各緩衝壁124は、その基端を支点に弾性変形して自由端領域が図示矢印α方向へ揺動する。
【0069】
このように、ベース120では、キートップ14がストローク下限位置から、両リンク部材16の案内の下で作動部材50(図14)の弾性復元力によりストローク上限位置に復帰するときに、各リンク部材16の第1端領域の支軸32がその外周面で対応の摺動係合部106の係止壁122に衝突して係止される直前に、各支軸32の外周面が対応の緩衝壁124に衝突する。このとき各緩衝壁124は、その基端を支点に弾性的に揺動し、それにより各リンク部材16のさらなる揺動動作、すなわち第1端領域の支軸32のさらなる摺動動作を徐々に制動する緩衝部として作用する。その結果、キートップ14がストローク上限位置に復帰する瞬間、すなわち各支軸32がその外周面で対応の摺動係合部106の係止壁122に衝突するときの、それら部材間の衝突音が低減される。
【0070】
なお、上記した緩衝壁124に代えて、図22に示すように、各摺動係合部106の係止壁122から側方へ突出する緩衝壁126を設けることもできる。この場合、各緩衝壁126はその自由端領域に、隣合う係止壁122の内壁面122a(図21)よりも案内溝106a内に突出して、すなわちベース120の内周面120cに近接して配置される隆起部分126aが形成される。なお、いずれの緩衝壁124、126も、対応のリンク部材16の寸法及び形状に影響を及ぼさないように形成されることが望ましい。したがって図23に示すように、各摺動係合部106の係止壁122から離れた位置に、さらに大きな弾性変形領域を有する緩衝壁128を形成することが有利である。
【0071】
図24は、上記したようにキースイッチ装置のベースに緩衝部を設ける代わりに、例えば図1のキースイッチ装置10において、作動部材50を担持してベース12の下方に配置されるシート部材56に緩衝部を設ける構成を示す。この構成では、シート部材56の上面の、ベース12の各摺動係合部22の案内溝22aに対応する位置に、それぞれ高摩擦層130が形成されている。各高摩擦層130は、対応の摺動係合部22の案内溝22a内で、キートップ14のストローク上限位置を規定する摺動係合部22の係止壁132に近接して配置される(図25)。
【0072】
各高摩擦層130は、シート部材56の上面に例えばシリコン接着剤等の、乾燥時に高摩擦面を形成し得る材料を塗布することによって形成できる。この場合、シート部材56に作動部材50を固定するために使用される接着剤と同一の接着剤を使用して、作動部材50を固定する前の接着剤塗布工程で同時に高摩擦層130を形成することが、製造作業を簡略化できる点で有利である。
【0073】
上記構成を有するシート部材56の高摩擦層130は、前述したベース102における緩衝片108と同様に、部材間の衝突音を低減する緩衝部として作用する。詳述すれば、図25に示すように、キートップ14(図14)の昇降動作に伴って移動する各リンク部材16の第1端領域の各支軸32は、キートップ14がストローク下限位置から所定距離の範囲にある間は、対応の摺動係合部22の案内溝22a内でシート部材56上の高摩擦層130から離れた位置に置かれる(図25(a))。キートップ14が下限位置から上限位置へ移動するに従い、両リンク部材16の第1端領域は対応の摺動係合部22に沿って相互接近方向へ移動し、それに伴って各リンク部材16の支軸32が対応の高摩擦層130に徐々に接近する。そして、キートップ14が上限位置に達する直前に、各リンク部材16の支軸32がその外周面で対応の高摩擦層130に乗り上げる(図25(b))。
【0074】
したがって、キートップ14がストローク下限位置から、両リンク部材16の案内の下で作動部材50の弾性復元力によりストローク上限位置に復帰するときに、各リンク部材16の第1端領域の支軸32がその外周面で対応の摺動係合部22の係止壁132に衝突して係止される直前に、各支軸32の外周面が対応の高摩擦層130に乗り上げる。このとき各高摩擦層130は、対応の支軸32に対して高い動摩擦力を発揮し、それにより各リンク部材16のさらなる揺動動作、すなわち第1端領域の支軸32のさらなる摺動動作を徐々に制動する緩衝部として作用する。その結果、キートップ14がストローク上限位置に復帰する瞬間、すなわち各支軸32がその外周面で対応の摺動係合部22の係止壁132に衝突するときの、それら部材間の衝突音が低減される。
【0075】
なお、キートップ14がストローク上限位置に復帰する瞬間の部材間の衝突音を低減する上記した種々の緩衝部の構成は、ギアリンク形式のリンク部材に限らず、パンタグラフ形式や変形パンタグラフ形式等の他の形式のリンク部材を有するキースイッチ装置にも適用できる。このような適用では、一対のリンク部材の各々はその端部領域で、ベース及びキートップのいずれか一方に摺動自在に連結されるものであって、キートップの上昇動作に伴うそれらリンク部材の各々の端部領域の、ベース及びキートップのいずれか一方に対する摺動動作を、キートップが昇降ストロークの上限位置に達する直前に徐々に制動する緩衝部を備える構成となる。また、上記した種々の緩衝部は、それぞれ単独でも所期の作用効果を奏するが、幾種類かを組合せて使用することにより、部材間衝突音の低減効果が一層向上することは理解されよう。
【0076】
さらに、上記した第3の実施形態によるキースイッチ装置100は、図6に示すような、多数のそれらキースイッチ装置100を組み込んで備えるキーボードを構成できる。このような構成を有するキーボードは、各キースイッチ装置100の打鍵操作時に、キートップがストローク上限位置に復帰する瞬間の部材間の衝突音を可及的に低減でき、特に静粛性を要する環境下で有利に使用できるものとなる。
【0077】
図26及び図27は、キートップ識別部を有した本発明の関連技術(第4の実施形態)によるキースイッチ装置のキートップ140を示す。このキースイッチ装置は、キートップ140の構成以外は、前述した本発明の第1〜第3の実施形態によるキースイッチ装置10、70、100や、他の公知のキースイッチ装置と同様の構成を有することができる。この場合、キートップをベース上で昇降方向へ案内支持する案内支持部材として、前述した種々のリンク部材の代わりに、入れ子式摺動部材を有するキースイッチ装置にも適用できる。
【0078】
キートップ140は、略矩形平面形状を有する皿状の部材であり、図3に示すキートップ14と同様に、操作面140aの反対側の内面140bに、二組の枢着部142が左右方向へ互いに並置して形成される。それら枢着部142には、例えば図示しない一対のリンク部材をそれらの端部領域で回動自在に係着できる。キートップ140はさらに、内面140bの外周縁に沿って形成される環状の底面140cを有し、底面140c上に、キートップ140の品種の識別を可能にする識別部144が形成される。それら識別部144は、底面140cに凹設される矩形凹部から構成される。
【0079】
キートップ140の識別部144は、キートップ140自体の色、形状、材料等の種々の構成内容(品種)を示す指標として機能する。したがって、図27及び図28(a)、(b)に示すように、品種の異なるキートップ140、140′、140″に対し、識別部144の個数、位置、深さ等の設置形態を適宜選択して形成すれば、多数のキートップ140、140′、140″が混在していても、識別部144の設置形態を1つずつ判定することにより、それらキートップ140、140′、140″の品種を正確に識別することができる。識別部144の設置形態の判定方法としては、目視、CCDカメラによるパターン認識、超音波照射による深さ判別等の、公知の方法を実施できる。
【0080】
このように、キートップ140を有するキースイッチ装置によれば、例えばレーザ印刷用及びパッド印刷用といった異種材料を含む多品種のキートップ140を在庫として保有する場合に、それらキートップ140の色、形状、材料を、キートップ成形後の品種別仕分けの段階、仕分けられたキートップを適宜抽出する組立作業の段階等のいずれの段階においても、正確かつ比較的容易に識別することができる。したがって、キースイッチ装置の生産性が向上する利点が得られる。
【0081】
なお、キートップ140に設けられる識別部144は、上記した矩形凹部に限らず円形凹部等の他の形状を採用でき、また、図29に示すような貫通穴からなる識別部146を採用することもできる。いずれにしても、キートップ140の外観や操作性に著しい影響を与えない箇所に、所要の識別部を設けることが望ましい。
【0082】
さらに、上記した第4の実施形態によるキースイッチ装置は、図6に示すような、多数のそれらキースイッチ装置を組み込んで備えるキーボードを構成できる。このような構成を有するキーボードは、各キースイッチ装置の組立工程において、異なる材料からなるキートップ140を正確かつ比較的容易に識別できるので、キーボードの生産性が向上する利点がある。
【0083】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、打鍵操作されるキートップを有したキースイッチ装置において、ギアリンク形式の一対のリンク部材にキートップを組付ける前に、それらリンク部材相互の噛合不良を確実かつ比較的容易に排除でき、以てキースイッチ装置の組立工程を簡略化して製造コストを低減することが可能になる。また、このようなキースイッチ装置を多数備えるキーボードは、組立作業性及び操作性に優れたものとなる。
【0084】
また本発明によれば、打鍵操作されるキートップを有したキースイッチ装置において、キートップの打鍵操作感覚を悪化させることなく、ベース又はキートップに設けられるリンク枢着部と一対のリンク部材の支軸との間の隙間に起因するリンク部材のがたつきを抑制し、以て打鍵操作時に生じ得るキートップのがたつき及び騒音を可及的に低減することが可能になる。また、このようなキースイッチ装置を多数備えるキーボードは、操作性に優れたものとなる。
【0085】
さらに本発明によれば、打鍵操作されるキートップを有したキースイッチ装置において、特にキートップがストローク上限位置に復帰する瞬間の部材間の衝突音を可及的に低減することが可能になる。また、このようなキースイッチ装置を多数備えるキーボードは、静粛性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるキースイッチ装置の分解斜視図である。
【図2】図1のキースイッチ装置におけるキートップ装着前の状態を示す組立平面図である。
【図3】図1のキースイッチ装置で使用されるキートップの底面図である。
【図4】図2の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】(a)図1のキースイッチ装置における突壁部分を示す断面側面図、及び(b)変形例による突壁部分を示す断面側面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるキーボードの一部切欠き斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態によるキースイッチ装置の断面側面図である。
【図8】図7のキースイッチ装置で使用されるキートップの部分拡大図である。
【図9】第2の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるリンク部材の変形例を示す部分拡大図である。
【図10】第2の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるリンク部材の他の変形例を示す部分拡大図である。
【図11】第2の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるリンク部材のさらに他の変形例を示す部分拡大図である。
【図12】第2の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるリンク部材及び枢着部の変形例を示す部分拡大図である。
【図13】図12のリンク部材及び枢着部の組立時の状態を示す断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態によるキースイッチ装置の組立断面図である。
【図15】図14のキースイッチ装置で使用されるベースの斜視図である。
【図16】図14のキースイッチ装置における緩衝部の作用を示す部分拡大断面図で、キートップの(a)ストローク下限位置及び(b)ストローク上限位置に対応する状態を示す。
【図17】第3の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるベースの変形例を底面側から示す部分斜視図である。
【図18】図17のベースにおける緩衝部の作用を示す部分拡大底面図で、キートップの(a)ストローク下限位置及び(b)ストローク上限位置に対応する状態を示す。
【図19】図17のベースと共に使用できるリンク部材の変形例の部分平面図である。
【図20】第3の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるベースの他の変形例を示す部分斜視図である。
【図21】図20のベースにおける緩衝部の作用を示す図で、キートップの(a)ストローク中間位置及び(b)ストローク上限位置に対応する状態を示す。
【図22】第3の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるベースのさらに他の変形例を示す部分斜視図である。
【図23】第3の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるベースのさらに他の変形例を示す部分斜視図である。
【図24】第3の実施形態によるキースイッチ装置で使用できるシート部材の変形例を示す斜視図である。
【図25】図24のシート部材における緩衝部の作用を示す図で、キートップの(a)ストローク下限位置及び(b)ストローク上限位置に対応する状態を示す。
【図26】 本発明の関連技術(第4の実施形態)によるキースイッチ装置で使用されるキートップの底面図である。
【図27】図26のキートップの側面図である。
【図28】変形例によるキートップの側面図で、(a)1つの識別部を有する例、及び(b)深さの異なる2つの識別部を有する例を示す。
【図29】他の変形例によるキートップの部分拡大底面図である。
【符号の説明】
10、70、100…キースイッチ装置
12、102、110、120…ベース
12b、102b、110b…内周面
14、72、90…キートップ
16、74…リンク部材
18…スイッチ機構
20、104…開口部
22、106…摺動係合部
24、76、92…枢着部
32、34、84、86…支軸
36、38…歯
42…突壁部分
48…メンブレンスイッチ
50…作動部材
60…キーボード
88…当接板
108…緩衝片
112…傾斜壁面
124、126、128…緩衝壁
130…高摩擦層
144、146…識別部
Claims (4)
- ベースと、該ベース上に配置されるキートップと、互いに連動して該キートップを該ベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、該キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、前記一対のリンク部材の各々がその端部に設けた支軸で前記キートップに回動自在に連結されてなるキースイッチ装置において、
前記ベースは、前記一対のリンク部材を受容可能な開口部を画成する内周面と、該内周面に設けられ、該内周面と該開口部に受容した該一対のリンク部材の各々の前記支軸との間の隙間を局部的に低減する突壁部分とを備えることを特徴とするキースイッチ装置。 - ベースと、該ベース上に配置されるキートップと、互いに連動して該キートップを該ベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、該キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、前記一対のリンク部材の各々がその端部に設けた支軸で前記キートップに回動自在に連結されてなるキースイッチ装置において、
前記キートップは、前記一対のリンク部材の各々の前記支軸が回動自在に係合する枢着部と、該枢着部に近接して並置される当接板とを備え、
前記一対のリンク部材の各々は、前記支軸の軸線方向端面に、前記当接板に当接される頂点を有し、該頂点で、該リンク部材自体と該当接板との間に相対的に生じる弾性復元力により、該当接板に押付けられることを特徴とするキースイッチ装置。 - ベースと、該ベース上に配置されるキートップと、互いに連動して該キートップを該ベース上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、該キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点を開閉するスイッチ機構とを具備し、前記一対のリンク部材の各々がその端部に設けた支軸で前記ベースに摺動自在に連結されてなるキースイッチ装置において、
前記ベースは、前記一対のリンク部材の各々の前記支軸が摺動自在に係合する摺動係合部と、該摺動係合部から独立して形成され、基端を支点に弾性的に揺動できる緩衝片とを備え、
前記緩衝片は、前記キートップが昇降ストロークの上限位置に達する直前に、前記基端の反対側の自由端で前記一対のリンク部材の各々に衝突して揺動することで、前記キートップの上昇動作に伴う前記一対のリンク部材の各々の前記支軸の、前記ベースに対する摺動動作を、該キートップが該昇降ストロークの該上限位置に達する直前に徐々に制動する緩衝部として作用することを特徴とするキースイッチ装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のキースイッチ装置を多数配列して構成されるキーボード。
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