JP4518489B2 - タイヤ成形用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ成形用の分割モールド金型に関し、特にトレッドの中央部に深くて細い溝を形成する当該金型を広幅としたときに起きるカジリを防ぐことを可能にする金型の構造に関する。
従来からタイヤ成形用の金型として二つ割モールド金型が用いられているが、深い溝を成形する場合に、型抜きの際に金型がタイヤに接触し、いわゆるブロック欠けが生じることが知られている。この問題に対して、下記特許文献1に示す解決方法が提案されている。特許文献1では、二つ割りモールドとほぼ同等に、コンパクトで安価な、方法を実現するために、複数のディスタンスピースを分割金型の1つとして加えている。複数のディスタンスピースは、これらを組み合わせることにより環状になって、タイヤのトレッドの中央領域に対応する内周面を形成するもので、放射方向に移動可能に設けられている。金型を開放する際、このディスタンスピースを放射方向に移動させることにより、中央領域に対応する内周面の突条をタイヤと干渉させることなく、タイヤから離脱させることができる(以下の記載において「センタースライド式」という場合には、上記ディスタンスピースを用いる方式を指す)。
図5は、この従来法(特許文献1)における分割モールド金型を例示するものである。
図5(a)はタイヤ加硫用金型1をその閉止した状態で示す図である。図5(a)に示すように、この金型1は、固定された環状の下部サイドピース10と、上下動して金型1の閉止(キャビティ78を形成)、開放を可能にする、環状の上部サイドピース20と、放射方向に移動可能な複数のディスタンスピース30とにより構成されている。複数のディスタンスピース30は周方向に組み合わさって環状をなすもので、トレッドの中央に深い溝を形成するための型である。下部サイドピース10、上部サイドピース20の内周面には、同一の螺旋ピッチでタイヤの中心軸の回りに螺旋状に傾斜してトレッド端に開口するラグ溝に対応した凸条71、72が形成されている。
図5(b)は上部サイドピース20が上昇し、金型を開放している状態を示したものである。上部サイドピース20が上昇するとディスタンスピース30のカムフォロア面35は金型の中心軸から遠ざかることができるので、ディスタンスピース30は、下部サイドピース10との間に働く付勢手段40により放射方向に押し出され、ガイドの案内でスライドする。
図6はディスタンスピース30の下部サイドピース10への取り付け状態を説明する平面図である。ディスタンスピース30は環状物を八等分した弧の形状をなしている。上部サイドピース20のカム面と当接するカムフォア面35はこのディスタンスピース30の中央部の区間Lに設けたフラット面により構成される。また、ディスタンスピース30は、各片に上記の閉止、開放動作に必要な手段として二個の放射方向移動ガイド部50と二個の付勢手段40を個別に設けている。
図7は図6のIV−IV’ 矢視を金型閉止時の状態で示した断面図である。図7において、上部サイドピース20の下降によりディスタンスピース30を金型の中心軸に向う方向に移動させ、最も内側に移動した状態を示している。このディスタンスピース30の移動に際しては、ディスタンスピース30のリング部33に設けた穴31と下部サイドピース10に設けたガイドピン42が滑合しているので、ディスタンスピース30は確実にガイドされる。さらに、スプリング41は、リング部33の金型の中心軸に近い内面34Aに当接してガイドピン42に沿って圧縮されるので、開放時にディスタンスピース30を中心軸から外に向う方向に付勢する力を蓄える。
図8は図6のV−V’ 矢視を金型閉止時の状態で示した断面図である。図8において、ディスタンスピース30に設けた段付長穴52が、下部サイドピース10に設けたヘッド付ピン51に滑合して設けられていて、金型閉止時は、ヘッド付ピン51は、段付長穴52の最も外側の位置で係合する。ディスタンスピース30の金型の中心軸に対する接近、離隔に際しては、これらの滑合が、もう一つの放射方向のガイド手段を構成している。また、長穴の段付面53はヘッド付ピン51のヘッドの下面と係合してディスタンスピース30の上下方向の動きを拘束する。
上記のように構成した複数のディスタンスピースを分割金型の1つとして用い、開放時に放射方向の引き抜きを行う、センタースライド式を採用することにより、二つ割モールド金型法によってタイヤセンター部に周方向溝を成形する場合に生じることがあったブロック欠けを防止することを可能にしている。ここで、金型の開閉時に、ディスタンスピース30と下部サイドピース10とが互いに摺動するため、摺動性を高め、耐久性を向上させる目的で下部サイドピース10の摺動面に表面処理を施している。
特開2002-254433号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されたセンタースライド式が適用される周方向の溝の幅は狭く、例えばタイヤ幅の1/10以内を適正条件としていたので、パターンの形成が制約されてしまう。実際に、テスト用に同一構造での広幅化をタイヤ幅の1/2という条件で試みたが、ディスタンスピースと下型(下部サイドピース)との間にカジリが発生して、作動不良や破損を起こした。
上記したディスタンスピースを広幅にした場合に起きるカジリは、ディスタンスピースが広くなることにより、金型閉止時に上型(上部サイドピース)から閉まる力を受けるときに、前に倒れようとするモーメントが大きくなることが原因であり、上記特許文献1に示された構成をそのまま広幅に適用しても、この前倒れのモーメントは抑制できない、ということを示している。また、上述した表面処理では摺動性の大幅な向上が不可能であるため、モーメントを受けて傾くことにより、下部サイドピースの骨部(溝形成部)に集中加重がかかると、表面処理が剥離してしまい、カジリが発生していた。このため、数カ月から1年程度で継続使用が不可能となり、補修が必要となっていた。
本発明は、トレッドの中央部に深くて細い溝を形成する場合に適応し得る上記した従来のセンタースライド式を採用する分割金型を広幅としたときにカジリが生じるという問題点に鑑み、これを解決するためになされたもので、その目的は、金型閉止時のディスタンスピースの前倒れに起因する下部サイドピースの骨部に対する集中荷重によるカジリの発生を防止し、下部サイドピースの耐久性を向上させることである。
請求項1に係る発明は、トレッド側部を成する上部サイドピース及び下部サイドピースと、該上部サイドピースと下部サイドピースとの間に配置されてトレッド中央部を成するとともに、前記上部サイドピースの上下動に伴い放射方向に移動する複数のディスタンスピースとを備えたタイヤ成形用金型において、前記下部サイドピースの骨部における前記ディスタンスピース側の表面に前記ディスタンスピースとの間の摺動性を高めるための合成樹脂からなる部材を、該部材の表面を露出した状態で埋設したことを特徴とするタイヤ成形用金型である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のタイヤ成形用金型において、前記骨部における前記ディスタンスピース側の表面を前記ディスタンスピースの内端エッジに対する逃げ面としたことを特徴とするタイヤ成形用金型である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のタイヤ成形用金型において、前記ディスタンスピースにおける前記下部サイドピース側に、前記ディスタンスピースの摺動ストロークの長さで開口するスロットを設け、該スロット中に前記ディスタンスピースを放射方向外方に付勢する付勢手段と、前記ディスタンスピースを案内するガイド手段を配置したことを特徴とするタイヤ成形用金型である。
請求項4に係る発明は、請求項3記載のタイヤ成形用金型において、前記付勢手段を組み込んだ部材を前記下部サイドピースの前記ディスタンスピース側に固定するとともに、該部材における前記ディスタンスピースとの摺動面に摺動性を高めるための合成樹脂プレートを設けたことを特徴とするタイヤ成形用金型である。
本発明によれば、下部サイドピースの骨部における前記ディスタンスピース側の表面に、前記ディスタンスピースとの間の摺動性を高めるための合成樹脂からなる部材を、該部材の表面を露出した状態で埋設したことで、下部サイドピースの骨部とディスタンスピースとの摺動面の摺動性が高まる。また、この部材は、表面処理とは異なり、荷重により剥離しないため、摺動性の高められた状態が長期間維持される。従って、金型閉止時のディスタンスピースの前倒れに起因する下部サイドピースの骨部に対する集中荷重によるカジリの発生を防止し、下部サイドピースの耐久性を向上させることができる。
本発明に係るタイヤ成形用金型を以下の実施形態に基づき説明する。
本発明に係るタイヤ成形用金型は、センタースライド式の分割金型構造を備えるという点で上記従来例(特許文献1に関する上記説明、参照)と基本的に変わりがない。従って、この実施形態においても両サイドピース(トレッド側部に対する金型)とディスタンスピース(トレッド中央部に対する金型)の3つのピースによりなる分割金型構造をもつ。上型サイドピースには動力が与えられ、閉止、開放状態の間で移動可能な構成である。ディスタンスピースは固定部(下型サイドピース)との間に働く開放用ばねにより付勢され、このばねの弾力によりディスタンスピースを上型サイドピースにカムフォロア面で接触させてディスタンスピースを上型サイドピースに従動して閉止、開放(引き抜き動作)させるという方式のものである。
図1は、この実施形態のタイヤ成形用金型の概略構成を示す図である。同図はタイヤ成形用金型100をその閉止した状態で示す図である。この金型100は、固定された環状の下型サイドピース110と、上下動(図中、矢示)する環状の上型サイドピース120と、放射方向に移動(図中、矢示)可能な複数のディスタンスピース130とにより構成されている。
複数のディスタンスピース130はトレッドの中央に深い溝を形成(図2中のパターン部132に形成)するための型で、周方向に組み合わさって環状をなすものである。また、ディスタンスピース130は、放射方向に移動し開放状態となるので、そのための付勢手段140を備える。この手段は、下型サイドピース110に固設したガイドピン142にディスタンスピース130のリング部133に設けた穴を滑合し、リング部133に一端を、その他端を下型サイドピース110に取り付けた開放用ばね141により、ディスタンスピース130に下型サイドピース110との間にばね力を働かせるものである。この付勢手段140によって、ガイドピン142の案内でディスタンスピース130を放射方向にガイドし移動させる。なお、後述するようにディスタンスピース130の移動は別にガイド手段を設けているので、それによっても拘束される。
図1に示す閉止状態、即ちキャビティ178を形成する状態から上型サイドピース120が上昇すると、ディスタンスピース130のカムフォロア面134が係合状態を解かれて付勢手段140によりディスタンスピース130が放射方向に押し出され、金型の中心軸から遠ざかることができ、開放状態に移行する。
上記したセンタースライド式の分割金型構造において、ディスタンスピース130が広幅になると、ディスタンスピース130のスライドを可能とするために採用した機構、構造によっては、上型サイドピース120から閉止時にカムフォロア面134を介して動力を受ける際に、前に倒れようとするモーメントが大きくなる。このモーメントは、上記従来例の分割金型構造による場合には、上述のようにディスタンスピース130と下型サイドピース110の間に発生するカジリの原因になる。
そこで、この実施形態では、カジリの発生をなくための第1の解決方法として、発生するモーメントを抑制する方法をとる。このために、まずディスタンスピース130をスライドさせるため必要なガイド手段や付勢手段を組み込むために設けるスロットをできるだけ小さくする。このようにして、スロットを設けたために減る受圧面積(ディスタンスピース130を受ける下型サイドピース110の面積)をできるだけ小さくし、発生するモーメントが大きくなるのを抑制する。
また、力が作用する点を一致させることによってもモーメントを抑制できるので、ディスタンスピース130に加わる力が作用するガイド手段と開放時に引き抜き力を与える付勢手段を同じ場所に配置する。
こうしたモーメントを抑制する条件を上記従来例(特許文献1)において見ると、図6に示すようにディスタンスピースの移動ガイド部50と引き抜き力を与える付勢手段40は別々の位置にあり、上記したモーメントを抑制できる条件であるスロットをできるだけ小さくすることや、力が作用する点を一致させるという条件を満たしていない。
本実施形態では、この条件を満たす構成として、Tスロット構造を採用する。Tスロット構造は、ガイド手段と付勢手段を一緒に組み込むことが可能なスロットを実現するものである。
図2は、Tスロット構造を採用したディスタンスピースの一例を示すものである。また、図3は、図2の矢視I-I'を示す図である。
図2は、ディスタンスピース130の金型内面を正面から見た図で、トレッド中央のパターン部132に深い溝を形成するための型を持っている。なお、図2中、Tスロット160の部分は断面図として示している。また、図3についてもTスロットの部分を断面図として示しており、図にはスロット内に組み込まれた付勢手段140の部分を示している。
Tスロット160は下型サイドピース110側に設ける。ディスタンスピース130は、その摺動面135で下型サイドピース110上面に接してスライド(図2の面に垂直、図3の面に平行に摺動)するが、その摺動面の一部に摺動ストロークの長さでTスロット160を開口し、開口部以外の面で下型サイドピース110に摺接し、そこがディスタンスピース130を支える支持面、即ちディスタンスピース130に加わる力を受ける受圧面となる。
したがって、この面積を大きくすることにより、モーメントが大きくなるのを抑制することができ、ここに、Tスロット構造を採用した理由がある。
ディスタンスピース130の一片に対して、図2に示す例では、Tスロット160を2箇所に対称性を持って設け、それぞれにはスロット内に配置するガイド手段と付勢手段を同一構成で組み込む。
各Tスロット160のT型のスペースに組み込む要素の1つは、ディスタンスピース130のガイド手段であり、ガイド手段は下型サイドピース110に固設した六角穴付きボルト151とこれに係合するディスタンスピース側に設けた放射方向の案内面(段部)を持つガイド部153よりなる。図示の例では、Tスロット160内の両側にそれぞれ立てた六角穴付きボルト151の片側でガイド部153の案内面(段部)に該ボルトのヘッド上下面と軸側面が係合する形態をとる。この機構がガイド及びストッパとして働き、ディスタンスピース130を放射方向にガイドしながら移動させ、所定位置で停止させる役目を果たすことにより、ディスタンスピース130の閉止、開放(引き抜き)時のスライド動作を確保する。
各Tスロット160のT型のスペースに組み込むもう1つの要素は、ディスタンスピース130の付勢手段140である。付勢手段140は、図2の断面図に示すように、Tスロット160のT型スペースの中央に設け、ディスタンスピース130を放射方向(図2の面に垂直方向)に付勢する。付勢手段140の要素は、図3に示すように、下型サイドピース110に固定したガイドピン142と、ガイドピン142に係合するディスタンスピース130側のリング部133と、下型サイドピース110とリング部133の間に働くスプリング141よりなる。
本例では図3に示すように、付勢手段140を組み込んだ部材143を下型サイドピース110上に固設するという方法を採用するが、この場合、部材143に組み込まれた付勢手段140がTスロット160内で所定位置に配設されるように位置決めをする必要がある。部材143には、その基部にガイドピン142を固定し、基部から延長する筒部をスプリング141のケースとしている。また、ガイドピン142にはディスタンスピース130側のリング部133を挿通する。リング部133には、開放(引き抜き)方向に働くスプリング141の端部を取り付け、スプリング力によりリング部133をストッパとして働くガイドピン142のヘッド部に向けて付勢する。なお、部材143においてリング部133の動作範囲にはスペースがあるが、それを除く部分はディスタンスピース130と接するので、その面は摺動面となる。
付勢手段140の動作は、図3に示す開放状態、即ちスプリング141により付勢されたリング部133がガイドピン142のヘッド部に当接した状態から、上型サイドピース120が下降すると、ディスタンスピース130のカムフォロア面137の係合により上型サイドピース120からの動力を受けスプリング141の力に抗してディスタンスピース130が金型の中心軸に向けてスライドし、閉止状態に移行する。また、開放時には、上型サイドピース120が上昇し、上型サイドピース120からの動力が解除されると、開放用スプリング141の力により開放(引き抜き)方向に移動する。
また、カジリの発生をなくための第2の解決方法として、ディスタンスピース130の前倒れによりその端部エッジが他の金型に接触してカジリが発生することになるので、接触する可能性がある他の金型の面を逃がすことにより、未然にカジリを防止する方法をとる。
この方法による対応を必要とするのは、次のような場合である。即ち、スライドするディスタンスピース130のモーメントを大きくしないためには、摺動性を高めることが必要である。そのために摺動部分に給油をすることが可能で有効な方法であり、下型サイドピース110上をスライドするディスタンスピースの摺動面135には、給油をすることができるので、この方法を用いる。しかし、タイヤと接触する可能性のある金型部分には、タイヤに少しでも油がつくと不良品となってしまうので、金型同士が接触する可能性があるディスタンスピース130の先端エッジ138と下型サイドピース110の骨部(溝形成部)115には給油をすることができない、という理由による。
したがって、閉止、開放(引き抜き)動作において、モーメントの影響によりディスタンスピース130の先端エッジ138がカジル可能性のある下型サイドピース110の骨部115に、図3に示すように、角度を付けて(テーパ状にして)逃げ面とすることにより、多少の前倒れが発生しても金型の金属同士がカジラないようにする。このようにすれば、タイヤと接触する可能性がある金型への給油を避けてもカジリが生じることがなく、タイヤへの油の付着も起きないので、不良品の発生を防ぐことができる。
また、カジリの発生をなくための第3の解決方法は、ディスタンスピース130の摺動部分に摺動性の高い樹脂を用いる方法である。金属同士の摺動では、閉止時に上型サイドピース120が下降する時の衝撃などにより上記したTスロット構造をとったとしても、カジリが解決できないケースも生じる。
そこで、ディスタンスピース130がスライドする下型サイドピース110の摺動面に、摺動性が高い材料を用いる。この場合、タイヤ加硫用の金型に用いる材料であるから、耐熱性も要求されることになり、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等のような摺動性が高くかつ耐熱性に優れた材料が適している。この樹脂をプレート材として金属摺動面に固定する。
摺動性が高い樹脂を用いる場合には、摺動性を高めるために行う給油をしなくても良いので、特に給油をするとタイヤへの油の付着の心配がある摺動部分に用いることが有効である。本実施形態においては、図3に示すように、Tスロット160を受ける下型サイドピース110側の部材143上面の摺動面に高摺動性樹脂プレート162を設ける例を示している。
また、摺動性が高い樹脂を下型サイドピース110の骨部115に設けることが好適である。即ち、下型サイドピース110の平面図である図4に示すように、骨部115の基端部の上面に高摺動性樹脂プレート163を、その上面を露出した状態で埋設してもよい。これにより、骨部115の上面に角度を付けることなく、カジリの発生を防止できるようになる。
以上のように、Tスロット構造を採用し、またカジリの発生をなくすことを可能にする上記した第2及び第3の方法に従う手段を組み合わせて用いることにより、広幅のディスタンスピース130において発生するモーメントを最小限に抑制し、カジリのない広幅センタースライド式の連続生産における耐久性を飛躍的に向上させることが可能になる。連続生産の実験結果においてもカジリの発生がないことが確かめられており、また、広幅化の実現により、パターン制約がより少なくなるので、細くて深い溝を有したセンターブロックにおいて広く多様な種類のパターンの部分割モールドでの生産を可能にする。さらに、下型サイドピース100の耐久性が数倍向上した。また、従来は、ガジリが発生した場合は、下型サイドピース100補修又は新設する必要があったが、本実施形態では、定期的にプレート163のみを交換することで済むため、メンテナンス費用も大幅に削減できる。
本発明に係るタイヤ成形用金型の実施形態の概略構成を示す図である。 Tスロット構造を採用したディスタンスピースの一例を示す図である。 ディスタンスピースの一例を示す図2の矢視I-I'を示す図である。 下型サイドピースの平面図である。 センタースライド式の分割モールド金型の概略構成とその動作を示す図である。 ディスタンスピースの下部サイドピースへの取り付け構造を示す図である。 図6のIV−IV’ 矢視を金型閉止時の状態で示した断面図である。 図6のV−V’ 矢視を金型閉止時の状態で示した断面図である。
符号の説明
100…タイヤ成形用金型、110…下型サイドピース、115…骨部、120…上型サイドピース、130…ディスタンスピース、163…高摺動性樹脂プレート。

Claims (4)

  1. トレッド側部を成する上部サイドピース及び下部サイドピースと、該上部サイドピースと下部サイドピースとの間に配置されてトレッド中央部を成するとともに、前記上部サイドピースの上下動に伴い放射方向に移動する複数のディスタンスピースとを備えたタイヤ成形用金型において、
    前記下部サイドピースの骨部における前記ディスタンスピース側の表面に前記ディスタンスピースとの間の摺動性を高めるための合成樹脂からなる部材を、該部材の表面を露出した状態で埋設したことを特徴とするタイヤ成形用金型。
  2. 請求項1記載のタイヤ成形用金型において、
    前記骨部における前記ディスタンスピース側の表面を前記ディスタンスピースの内端エッジに対する逃げ面としたことを特徴とするタイヤ成形用金型。
  3. 請求項1又は2記載のタイヤ成形用金型において、
    前記ディスタンスピースにおける前記下部サイドピース側に、前記ディスタンスピースの摺動ストロークの長さで開口するスロットを設け、該スロット中に前記ディスタンスピースを放射方向外方に付勢する付勢手段と、前記ディスタンスピースを案内するガイド手段を配置したことを特徴とするタイヤ成形用金型。
  4. 請求項記載のタイヤ成形用金型において、
    前記付勢手段を組み込んだ部材を前記下部サイドピースの前記ディスタンスピース側に固定するとともに、該部材における前記ディスタンスピースとの摺動面に摺動性を高めるための合成樹脂プレートを設けたことを特徴とするタイヤ成形用金型。
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