JP4517831B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、ブローバイガスからオイルを分離するオイル分離構造を備える内燃機関に関する。
エンジンを作動させると、通常は、シリンダブロックとピストンの隙間やピストンリング等から、未燃ガス(ブローバイガス;BBG)がクランクケース内に漏れてくる。このブローバイガスをそのまま排出すると環境への負荷が大となり、またエンジン内部に滞留させておいたのではエンジン内部の腐食やオイルの劣化を招くこととなるため、ブローバイガスをインテークマニホールドに戻して燃焼させるシステム(ポジティブクランクケースベンチレーション;PCV)が従来から提案されている。
この構成において、ブローバイガスは通常、クランクケースからPCV通路等を介してインテークマニホールドに送られる。しかしながら、クランクケースの内部(クランク室)では多量のオイルが飛散しているので、クランクケースから供給されるブローバイガスにはオイルの粒子(オイルミスト)が多量に含まれている。この状態のブローバイガスをそのままインテークマニホールドに送ると、オイルの消費の悪化を招き、また、オイルが吸気中に再循環されることから排気ガスのHCが増加してしまう。また、このようなブローバイガス内のオイルミスト(あるいは燃焼生成物の粒子)が動弁系等に付着すると、デポジットが堆積してしまう。
従って、ブローバイガスに含まれるオイルミストを吸気側に送る前に分離するオイルセパレータ構造が、特許文献1で提案されている。この特許文献1では、フィルタや蛇行通路からなるオイル分離部をヘッドカバー上部に設け、このオイル分離部にブローバイガス入口を介してブローバイガスを導き、分離されたオイルをその自重によりオイル回収管の内部を落下させて下方の油溜まり容器にいったん貯溜し、それから溢れたオイルをロッカーアーム室からオイルパンに戻す構成が開示されている。
この特許文献1の構成では、前記ブローバイガス入口が前記オイル回収管と別々になっており、更にオイル回収管の下端が油溜まり容器の上口よりも所定距離だけ下側に位置している。従って、ブローバイガスがオイル回収管経由で噴き上げることがなく、オイル回収管内のオイルの逆流を防止でき、ブローバイガスのオイルの連れ出しが増えることを防止できるという。
特開平8−260936号公報(段落番号0017〜0020,0023)
しかしながら、前述のブローバイガスには通常、オイルミストのみならず水分も若干含まれている。特許文献1には水分について何ら記載がないが、特許文献1の構成では、ブローバイガス中の水分はオイル分離部によって分離され、オイルとともにオイル回収管内を通り、油溜まり容器に溜められると考えられる。即ち、油溜まり容器内にはオイルと水が混在した状態となる。
すると、エンジン停止中に、水はオイルとは異なり油溜まり容器から徐々に蒸発するので、油溜まり容器の液面が下がってしまう。そして、液面が前記オイル回収管の下面よりも下がると、開放されるオイル回収管の下端からオイル混じりのブローバイガスがオイル分離部に逆流して吸気側へ抜けてしまい、オイル分離部が本来の機能を果たさなくなってしまう。即ち、オイルの連れ出しが増加するので、オイル消費量の増加、排気ガスの悪化、吸気経路へのデポジットの堆積などの問題が生じてきてしまう。なお、エンジンが始動すれば、再度、オイル回収管よりオイルが供給されるが、時間あたりの供給量は微量であるため、前述のオイルの連れ出し状態が長く継続される。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
◆本発明の第1の観点によれば、以下のように構成する、内燃機関が提供される。ブローバイガスからオイルを分離するオイル分離室と、このオイル分離室でブローバイガスから分離されたオイルを回収する回収経路と、この回収経路の下流側に接続されるとともに上部に開放部を有する油溜めと、を備える。分離されたオイルは、前記回収経路から前記油溜めへ導入された後にオイルパンに戻されるよう構成する。エンジン構成部材には、その壁面に付着したオイルを前記開放部へ誘導する誘導面が設けられている。
これにより、油溜めには、ブローバイガスから回収されたオイルが導入されるほか、エンジン構成部材の壁面に付着したオイルも誘導面によって誘導され、開放部から導入される。従って、水分の蒸発などにより油溜めの液面が低下した場合でも、誘導面で誘導されたオイルが油溜めに補充されるので、液面を油溜め内で高く保つことができる。従って、回収経路が開放されてオイル分離室側へオイル混じりのブローバイガスが逆流することを防止できる。
また、前記オイル分離室で異常が生じる等して圧力損失が過大となった場合は、油溜めのオイルがオイル分離室側に逆流することもあり得るが、本発明の構成ではオイルパンではなく油溜めの少量のオイルが逆流するのみであるから、オイルが吸気側に大量に噴出してエンジンを損傷させる事態を回避できる。
◆本発明の第2の観点によれば、以下のように構成する、内燃機関が提供される。ブローバイガスからオイルを分離するオイル分離室と、このオイル分離室でブローバイガスから分離されたオイルを回収する回収経路と、この回収経路の下流側に接続されるとともに上部に開放部を有する油溜めと、を備える。分離されたオイルは、前記回収経路から前記油溜めへ導入された後にオイルパンに戻されるよう構成する。前記油溜めは上部に開放部を備え、オイルジェットから噴射されたオイルが前記開放部から前記油溜めに入るように構成した。
これにより、油溜めには、ブローバイガスから回収されたオイルが導入されるほか、噴射されたオイルジェットから噴射されたオイルが開放部から導入される。従って、水分の蒸発などにより油溜めの油面が低下した場合でも、オイルが油溜めへ供給されて補充されるので、油面を油溜め内で高く保つことができる。従って、回収経路が開放されてオイル混じりのブローバイガスがオイル分離室側へ逆流することを防止できる。
また、前記オイル分離室で異常が生じる等して圧力損失が過大となった場合は、油溜めのオイルがオイル分離室側に逆流することもあり得るが、本発明の構成ではオイルパンではなく油溜めの少量のオイルが逆流するのみであるから、オイルが吸気側に大量に噴出してエンジンを大きく損傷させる事態を回避できる。
◆前記の内燃機関においては、前記油溜めは、エンジン構成部材の内側の側壁面に設けられていることが好ましい。
これにより、側壁面に付着したオイルを当該側壁面に伝わらせて油溜めへ導入させることができるから、より多くの量のオイルを安定的に油溜めへ補充することができる。従って、油溜めの油面が高い状態を、より安定的に保つことができる。
◆前記の内燃機関においては、前記油溜めを構成する壁部の少なくとも一部が、前記エンジン構成部材の側壁面よりエンジン内方側へ張り出して設けられていることが好ましい。
これにより、側壁面を伝ったオイルが容易に開放部から油溜め内に導入されるから、油溜めの油面が高い状態を、より安定的に保つことができる。
◆前記の内燃機関においては、前記回収経路は、前記油溜めの前記開放部を通さずに、前記油溜めを構成する壁部を貫通させて、その下流端を前記油溜めの内部に位置させていることが好ましい。
これにより、開放部を回収経路が通過しないので、開放部を広くすることができ、油溜めへのオイルの補充が一層容易になる。
◆前記の内燃機関においては、前記油溜めの開放部は、チェーンケース、クランクケース、又はヘッドカバーのうち何れかの内部空間に開口されていることが好ましい。
これにより、オイルが多量に飛散しあるいは安定して供給される部分に油溜めの開放部が設置されることとなるから、油溜めへのオイルの補充を容易とできる。
◆前記の内燃機関においては、前記油溜めがチェーンケース又はクランクケースに設けられ、前記オイル分離室がヘッドカバーの内部空間、または、同等以上の高さがある外部に設けられていることが好ましい。
これにより、回収経路の上流端と下流端との間で大きな高低差を作り出すことができるから、オイル分離室で圧力損失が多少生じた場合でも、回収経路内をオイルが上方へ逆流してオイル分離室側へ噴き上げることを防止できる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は第1実施形態の内燃機関の全体的な構成を示した縦断面図、図2はチェーンケースを内面側から見た図である。
〔第1実施形態〕
図1に縦断面図が示されるガスヒートポンプ用エンジンは、シリンダブロック31にシリンダヘッド32を組み付け、このシリンダヘッド32の上面にヘッドカバー33を固定している。
このヘッドカバー33は鋳物製とされており、下側が開放された形状に構成されている。また、ヘッドカバー33は、その一部が上側に膨出された形状とされ、この膨出部の内部にフィルタ室(オイル分離室)2を形成している。このフィルタ室2には、不織布からなるフィルタ3を収容可能に構成されている。
具体的には上記フィルタ3は、不織布で構成された所定の厚み(数ミリメートル〜数十ミリメートル)のフィルタ材を上下方向に積層させ、全体として略直方体のブロック状に構成している。フィルタ3の水平方向の大きさはフィルタ室2よりも若干大きくなっており、フィルタ3がフィルタ室2に嵌め込まれて設置されることにより、フィルタ3の側縁とフィルタ室2の内壁との間が密着されてシールされ、ブローバイガスがフィルタ3と内壁との間を通過しないようになっている。
フィルタ室2の天井面からは補強リブ4・4a・・・が下向き突出状に設けられている。この補強リブ4・4a・・・は、ヘッドカバー33の鋳造時に一体に形成される。この補強リブのうちの一部4aは、下方への突出量を増大させて、その下端面が前記フィルタ3の上面に接当するように構成されている。この結果、フィルタ3の上面とフィルタ室2の天井面との間に、上下方向の隙間が形成されている。
また図1に示すように、ヘッドカバー33の内部にはガス通路6が形成されている。この構成で、図示しないプッシュロッド挿通孔等を介して前記ヘッドカバー33の内部空間へ導入されたブローバイガスは、上記ガス通路6を通じて、前記フィルタ室2の天井面とフィルタ3の上面との間の空間へ導かれる。
図1に示すように、前記ヘッドカバー33の内部にはフィルタ支持部材7が固定される。このフィルタ支持部材7は、フィルタ室2の下側を閉鎖して下側のロッカー室20と上側の前記フィルタ室2とを区画するバッフルプレート9と、そのバッフルプレート9の上面に例えば溶接で固定される隙間形成板10と、により構成される。
この隙間形成板10は、多数の孔14を穿孔したプレートを、水平部と垂直部とが交互に現れるように段状に折り曲げて形成している。そして隙間形成板10は、前記バッフルプレート9をヘッドカバー33に取り付けたときに、その上面がフィルタ3の下面に接当し、フィルタ3を下側から支持するように構成されている。この結果、フィルタ3はフィルタ室2の内部で、前記バッフルプレート9に対して上下方向の隙間を形成するように支持される。
前記バッフルプレート9の直ぐ上の位置において、ヘッドカバー33の側壁にはオイル排出口11が形成される。更に、ヘッドカバー33の内部にはガス排出路15が形成され、このガス排出路15は、ヘッドカバー33に形成したガス排出口12に連通される。
内燃機関の側部には鋳物製のチェーンケース34が固定され、このチェーンケース34の内部には、クランクシャフトの回転をカムシャフトへ伝達して回転させるための図略のタイミングチェーンが収納されている。なお、タイミングチェーンの下端は、潤滑のため、オイルパン内のオイルに浸されるような配置となっている。
上記チェーンケース34の内部には、少量のオイルを貯溜できる油溜め16が設けられている。図1や図2に示すように、この油溜め16はチェーンケース34の内側の側壁面にポケット状に形成されている。また、油溜め16の上部には、チェーンケース34の内部空間に対して開放する開放部17を備えている。
図1に示すように、ポケット状の油溜め16の内面壁18は、チェーンケース34の内壁面35よりも若干エンジン内部側に張り出した形状となっている。また、この油溜め16の配設位置は、前記オイル排出口11よりも下方の位置に設定されている。
そして、前記ヘッドカバー33に形成されたオイル排出口11にはオイル回収管(回収経路)19の一端が接続される。このオイル回収管19はエンジン外部の配管とされ、その他端は、チェーンケース34を外側から貫通して前記油溜め16の内部に突入し、当該油溜め16の底部に開口させている。
次に、上記の実施形態でのブローバイガス及びオイルの流れを、図3を参照して説明する。即ち、オイルミスト混じりのブローバイガスは図3のハッチング付き矢印で示すように、クランクケースからプッシュロッド挿通孔等の図示しない経路を経由してヘッドカバー33内に導入され、前記ガス通路6を通過して、フィルタ室2の上側の空間(フィルタ3の上面とフィルタ室2の天井面との間の空間)に導かれる。その後、ブローバイガスはフィルタ3の上面から内部に入って下方へ流れ、それに伴って、ブローバイガスに含まれるオイルミストがフィルタ3に捕集される。オイルミストを取り除かれたブローバイガスは、図3の白抜き矢印で示すようにフィルタ3の下面から下に抜け、ガス排出路15及びガス排出口12を経由して、エンジンの吸気側(エアクリーナ)へ戻される。
一方、フィルタ3によって捕集されたオイルミストはフィルタ3の内部を自重により降下して下面から抜け、油滴となってバッフルプレート9上に落下し、オイル排出口11からオイル回収管19を通じて前記油溜め16にいったん導入される。そして、前記開放部17から溢れたオイルは、チェーンケース34内を落下して、図略のオイルパンへ戻される。
なお図2に示すように、前記チェーンケース34の内壁面35には誘導リブ21・21が突出形成されている。この誘導リブ21・21は前記油溜め16の前記開放部17を挟んで一対で設けられるとともに、両誘導リブ21・21が逆ハ字状をなすように斜状に配置されている。
この誘導リブ21・21は、前記の内壁面35を伝って落下するオイルを受けるとともに、そのオイルを前記油溜め16の開放部17に向かうように誘導するように構成されている。なお本実施形態では、チェーンケース34がエンジン構成部材に相当し、上記誘導リブ21の上面が誘導面に相当する。
この構成で、前記エンジンの運転時には、チェーンケース34内のチェーンによってオイルが巻き上げられて飛散され、そのオイルスプラッシュの一部が前記開放部17から油溜め16に直接入って補充される。また、オイルスプラッシュはチェーンケース34の内壁面35に多量に付着し、その一部が、開放部17から油溜め16内に直接落下する。あるいはオイルは、誘導リブ21・21上に落下し、斜状の誘導リブ21・21上を流れて前記開放部17から油溜め16の内部に入ることになる。
即ち、前記エンジンの運転時には、前記油溜め16には、ブローバイガスから前記フィルタ3によって分離されたオイルがオイル回収管19を経由して貯溜されるのであるが、そのほかにも、チェーンケース34の内壁面に付着したオイルが誘導リブ21・21によって集められ、油溜め16に常時供給されることになる。
従って、ブローバイガスに含まれる水分がオイルとともに分離されて油溜め16に貯溜され、その水がエンジン停止中に蒸発して油溜め16の液面が低下したとしても、エンジン始動後、タイミングチェーンにより巻き上げられ、チェーンケース34の内壁面35に付着したオイルが、当該油溜め16に補充されるから、油溜め16の油面は、すぐに図3に示すように前記内面壁18の上端ギリギリの高さに保たれることとなる。従って、仮に、液面がオイル回収管19の下端部を下回ってオイル回収管19が開放してしまうことがあっても、エンジン始動後すぐに油溜め16の液面高さは回復するため、ブローバイガスのオイル回収管19を通じた流出は最小限に抑制される。
また、本実施形態では、フィルタ室2をヘッドカバー33内に配置する一方、油溜め16はチェーンケース34に配置している。この結果、オイル回収管19の下端から上端(オイル排出口11)までの高さの差を十分に確保し、オイル回収管19内で形成される油柱を上下に長くすることができる。従って、前記フィルタ3の部分で多少の圧力損失が生じ、クランクケース内の圧力が相対的に上昇したとしても、上記の油柱による圧力を上回ることはない。これは、オイル回収管19内のオイルの逆流(フィルタ室2へのオイルの噴出)を防止できることを意味する。
ただし、フィルタ3に異物が目詰まりする等の異常が発生した場合は、フィルタ3の圧力損失が過大となってクランクケース内の圧力が大きく上昇し、油溜め16のオイルがオイル回収管19を介してフィルタ室2へ逆流する可能性もゼロではない。しかしながらこの場合でも、油溜め16の容量はオイルパンに比較して極めて小さいので、フィルタ室2へ逆流するオイルの量を少なくでき、エンジン吸気側へオイルが大量に噴出する事態を回避できる。
以上に示すように本実施形態の内燃機関は、ブローバイガスからオイルを分離するフィルタ室2と、このフィルタ室2でブローバイガスから分離されたオイルを回収するオイル回収管19と、このオイル回収管19の下流側に接続される油溜め16と、を備える。そしてオイルは、オイル回収管19から前記油溜め16へ導入された後にオイルパンに戻されるよう構成している。油溜め16は上部に開放部17を備え、また、エンジン構成部材としてのチェーンケース34の内壁面35には、当該内壁面35に付着したオイルを前記開放部17へ誘導する誘導リブ21が形成されている。
従って、油溜め16の油面が(水分の蒸発などの)何らかの事情で低下しても、チェーンケース34に付着したオイルが誘導リブ21によって誘導されて開放部17から油溜め16に補充される。従って、油溜め16の油面は安定して高い位置に保たれ、オイル回収管19の端部の開放(即ち、オイル回収管19内でのブローバイガスの逆流)を防止できる。
また、本実施形態の内燃機関では、前記油溜め16は、チェーンケース34の内側の側壁面(内壁面35)に設けられている。従って、チェーンケース34の内壁面35に付着して当該内壁面35を伝って落下したオイルを、誘導リブ21で効率よく集めて油溜め16に供給できる。この結果、油溜め16の油面を安定して高い位置に維持することができる。
また、本実施形態の内燃機関においては、油溜め16の内面壁18が、前記チェーンケース34の内壁面35よりエンジン内方側へ張り出して設けられている。従って、開放部17を広くできるとともに、前記の内壁面35を伝って落下するオイルを張出し状の内面壁18の内側(即ち、油溜め16の内部)に容易に誘導することができるから、油溜め16の油面を高い位置に一層安定して維持することができる。
更に、本実施形態の内燃機関においては、オイル回収管19は、(油溜め16の前記開放部17を通過せずに)エンジン外部からチェーンケース34を貫通して、その下流端を前記油溜め16の内部に位置させている。従って、チェーンケース34の内壁面35のオイルが開放部17を通過して油溜め16に誘導される際に、前記オイル回収管19が邪魔にならない(開放部17を広くできる)から、オイルの油溜め16への補充が一層容易となる。
また、本実施形態の内燃機関においては、前記油溜め16はチェーンケース34に設けられている。従って、チェーンが駆動することによってオイルは巻き上げられてチェーンケース34内の内壁面35に大量に付着することとなるから、オイルを油溜め16に容易に且つ安定的に補充できる。また、エンジン停止時においても、直前のエンジン運転時において飛散され内壁面35に付着したオイルを油溜め16に補充することができる。更に、チェーンケース34の内部空間は例えばシリンダヘッド32等と比べてレイアウト上の余裕が比較的大きいので、油溜め16を設けてもエンジンのコンパクト性を良好に保つことができる。
また、本実施形態の内燃機関では、前記油溜め16はチェーンケース34に設けられる一方、フィルタ室2はヘッドカバー33の内部空間に設けられている。従って、オイル回収管19の上流端と下流端との間で大きな高低差を作り出すことができ、オイル回収管19に形成される油柱を上下に長くできる。よって、例えばフィルタ3の圧力損失に伴い、フィルタの上流側とクランクケース内の圧力差が若干増加し、油溜め16の油面が下側に押されたとしても、上記の油柱の圧力を上回ることはなく、オイル回収管19内をオイルが上方に逆流することはない。
〔第2実施形態〕
図4には第2実施形態の内燃機関が示され、この第2実施形態では、前述の油溜め16をヘッドカバー33の内部空間に設置している。油溜め16は、上部を開放部17とした小さな容器状に形成されるとともに、シリンダヘッド32上に設置されている。
一方、オイル排出口11は、ヘッドカバー33にではなく、ロッカー室20とフィルタ室2とを区画する前記バッフルプレート9に設けられている。このバッフルプレート9には、オイル排出口11に向かうにつれて下降する傾斜部22・22が形成されている。なお本実施形態では、バッフルプレート9がエンジン構成部材に相当し、前記傾斜部22の下面が誘導面に相当する。
前記オイル排出口11にオイル回収管19が接続され、このオイル回収管19は下方に向けて延出されている。そしてオイル回収管19は、油溜め16の開放部17を通過して、その下端を油溜め16の内部に位置させている。
この第2実施形態でも、前記エンジンの運転時には、前記油溜め16に、ブローバイガスから前記フィルタ3によって分離されたオイルがオイル回収管19を経由して貯溜される。そしてそのほかにも、潤滑のためにロッカー室20に供給されてその天井面(バッフルプレート9の下面)に付着したオイルが、斜状に形成した前記傾斜部22の下面を自重により伝うことで油溜め16側に誘導され、開放部17を通過して油溜め16に落下する。
即ち、バッフルプレート9の下面のオイルが開放部17経由で油溜め16へ常時供給されるので、油溜め16にオイルを絶えず一杯にすることができる。従って、油溜め16の油面の低下を防止でき、オイル回収管19の下端が開放されてロッカー室20内のブローバイガスがフィルタ室2側に逆流することを防止できる。
以上に本発明の好適な複数の実施形態を説明したが、上記の実施形態は更に以下のように変更することもできる。
(1)誘導リブ21や傾斜部22でオイルを油溜め16へ誘導する構成に限定されず、例えば油溜め16の開放部17に向けてオイルジェットプラグを配置し、噴射されたオイルが開放部17から油溜め16に補充される構成としても良い。この構成によっても、油溜め16の油面を常時高く保つことができる。
なお、この(1)の場合も、前記の第1実施形態のように、チェーンケース34等の内壁面35に油溜め16を設けることが望ましい。前記開放部17の若干上側を狙ってオイルジェットを噴射することにより、そのオイルを内壁面35を伝わらせて油溜め16へ落下させることができ、オイルをより確実に油溜め16に供給できるからである。同じ理由から、更に前記の誘導リブ21を設ける方が好ましい(ただし、誘導リブ21を省略しても差し支えない)。
(2)上記実施形態ではオイル分離室としてフィルタ室2を設け、不織布フィルタ3によりオイルを分離する構成としたが、これに限らず、他の構成のフィルタを設置することもできる。また、フィルタ室2の代わりに、フィルタを用いない衝突法のオイル分離室(例えば、特許文献1の蛇行通路を内部に備えるもの)、遠心分離室などを構成しても良い。
(3)オイルの回収経路としては、上記のオイル回収管19のようにパイプ状に構成することに限定せず、例えば、ヘッドカバー33、シリンダブロック31やシリンダヘッド32に形成した油孔であっても良い。
(4)油溜め16の配設位置としては、チェーンケース34内やヘッドカバー33内に設ける場合に限定せず、例えば、クランクケース内に設けても良い。クランクケースやチェーンケース34等のオイルの飛散が激しい箇所に油溜めを設置することで、油溜めへのオイルの補給が容易になり、ブローバイガスの逆流を確実に防止できる。なお、開放部17が前述のエンジンの内部空間に開放されていれば、油溜め16の容積の大半は外部、外壁面側に配置しても同等の効果を得ることが出来る。
(5)誘導リブ21・21は一対で設けず、単独で斜状に設けても良い。また、リブ状に設ける必要もなく、例えば樋状に構成しても良い。
(6)図4の第2実施形態において、油溜め16の容器を前記ヘッドカバー33の側壁に近接させて設置しても良いし、ヘッドカバー33の側壁に、第1実施形態に示すようなポケット状の油溜めと誘導リブを形成しても良い。
第1実施形態の内燃機関の全体的な構成を示した縦断面図。 チェーンケースを内面側から見た図。 第1実施形態におけるブローバイガス及びオイルの流れを示す説明図。 第2実施形態におけるブローバイガス及びオイルの流れを示す説明図。
符号の説明
2 フィルタ室(オイル分離室)
16 油溜め
17 開放部
19 オイル回収管(回収経路)
21 誘導リブ
33 ヘッドカバー
34 チェーンケース(エンジン構成部材)
35 内壁面

Claims (5)

  1. ブローバイガスからオイルを分離するオイル分離室と、
    このオイル分離室でブローバイガスから分離されたオイルを回収する回収経路と、
    この回収経路の下流側に接続されるとともにチェーンケースの内部空間に設けられ上部に開放部を有する油溜めと、を備え、
    分離されたオイルは前記回収経路から前記油溜めへ導入された後にオイルパンに戻されるよう構成するとともに、
    前記チェーンケースには、その壁面に付着したオイルを前記開放部へ誘導する誘導面が設けられ、
    前記チェーンケースの内壁面には、誘導リブが突出形成されることを特徴とする内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関であって、
    前記チェーンケースの内壁面には、前記油溜めの前記開放部を挟んで一対の前記誘導リブが突出形成され、
    逆ハ字状をなすように斜状に配置された一対の前記誘導リブの上面が前記誘導面に相当することを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関であって、
    前記油溜めの開放部は、前記チェーンケースの内側の側壁面に開口し、
    前記油溜めを構成する壁部の一部が、前記チェーンケースの側壁面よりエンジン内方側へ張り出して設けられているとともに、前記油溜めを構成する壁部の他の一部が、前記チェーンケースの側壁面よりエンジン外方側へ張り出して設けられていることを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の内燃機関であって、
    前記回収経路は、前記油溜めの前記開放部を通さずに、前記油溜めを構成する壁部を貫通させて、その下流端を前記油溜めの内部に位置させていることを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の内燃機関であって、
    記オイル分離室がヘッドカバーの内部空間、または、同等以上の高さがある外部に設けられていることを特徴とする内燃機関。
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