JP2011047353A - オイルミストセパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン停止時において、フィルタからオイルや水分等を強制的に除去し、目詰まり状態のフィルタが凍結することを未然に防止するオイルミストセパレータを提供する。
【解決手段】オイルミストセパレータ1に、その本体10に装着されたフィルタ9に対し、ポンプから供給された圧縮ガスの吐出が可能であり、且つ、圧縮ガスを作るためのガスをポンプへ補充するために、ガスを流入させることが可能なガスの吐出口を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】オイルミストセパレータ1に、その本体10に装着されたフィルタ9に対し、ポンプから供給された圧縮ガスの吐出が可能であり、且つ、圧縮ガスを作るためのガスをポンプへ補充するために、ガスを流入させることが可能なガスの吐出口を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンのクランク室と吸気通路とを連通するブローバイガス通路上に設けられるオイルミストセパレータに関する。
一般にエンジンでは、燃焼室よりクランクケース内へ漏出するブローバイガスを、吸気系配管に戻し、再燃焼させている。このブローバイガスは、クランクケース内においてオイルミストを含んだものとなり、このまま再燃焼させれば、排気ガスが大気汚染の原因となってしまう。また、オイルが、ブローバイガスと共に燃焼されることにより、無駄に消費されることになる。このため、吸気系配管に戻すブローバイガスからオイルミストを分離してクランクケース内に戻すことが行なわれている。
特許文献1に開示されている「オイルミスト分離回収装置」においては、円筒形状の外側容器の側面にガス流入管が設けられ、底面にオイル排出管が設けられている。この外側容器の上端の開口を閉じる蓋体の上面にはガス流出管が設けられている。外側容器に内嵌される内側容器の内部には、多数の貫通小孔が穿たれた上側板状部材と、金属多孔板であるフィルタ部材とが備えられている。前記流入管から外側容器を介して内側容器内に入ったガスに含まれるオイルミストは、フィルタ部材に付着して徐々に粒径が大きくなる。そして、粒径が大きくなったオイルは落下し回収されるが、残りのオイル分は、ガス流に運ばれて貫通小孔を通過し、高速で蓋体裏面に衝突して付着する。この蓋体裏面に付着したオイルは、徐々に粒径が大きくなって落下して回収される。
特許文献2に開示されている「粗粒化フィルタの再生方法」においては、複数の単繊維又は繊維糸が一平面上で長さ方向に平行に且つ互いに間隔をおいてすだれ状に配列されている。そして、定期的に又は運転休止時若しくは運転再開時に、例えば、複数の単繊維又は繊維糸を固定している縦方向の糸状係止部材に沿って気体を吹き付け、付着している液滴を除去して、粗粒化フィルタの再生が行われている。このため、目詰まりによる圧力損失や捕集効率の低下を防止することができるとされている。
特許文献1の装置では、フィルタ部材に捕集されたオイル分は、落下するものもあれば、ガスにより上方へ運ばれるものもあるが、フィルタ部材に捕集された状態で残るオイル分も多い。このオイル分には水分も含まれており、寒冷地において水分が凍ることにより、フィルタ部材の目詰まりが生じる虞がある。氷によりフィルタ部材が目詰まりした場合、エンジン始動から氷が融けるまでの間にクランクケース内の圧力が高まることになり、ガスケット破損等の原因になることもあり好ましいものではない。また、上側板状部材にはガス流の速度を高めるために小孔が穿設されているので、上側板状部材を通過する時に圧力損失が高まるという問題がある。
特許文献2の再生方法では、定期的に又は運転休止時若しくは運転再開時に、縦方向の糸状係止部材に沿って気体を吹き付けることにより、付着している液滴を除去することができるようになっている。しかし、ここで用いられるフィルタは、複数の単繊維又は繊維糸が一平面上で長さ方向に平行に且つ互いに間隔をおいてすだれ状に配列されているので、繊維に捕集された液滴は、容易に自然落下する大きさになるまでは繊維に付着したままである。このため、目詰まり状態となる虞がある。また、特許文献2には、気体を吹き付けて液滴を落下させる等、フィルタから液滴を除去する方法が複数提案されているが、その方法をオイルミストセパレータにどのように適用するか、具体的な構成の開示もなければ、示唆もない。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、エンジン停止時、フィルタからオイルや水分等を強制的に除去し、目詰まり状態のフィルタが凍結することを未然に防止するオイルミストセパレータを提供することにある。
上記問題を解決するために請求項1に記載のオイルミストセパレータの発明は、ブローバイガスを導入するガス導入口と、前記ブローバイガスからオイルミストを分離するフィルタと、分離されたオイルを排出するオイル排出口と、前記ブローバイガスを排出するガス排出口とを備えたオイルミストセパレータにおいて、前記フィルタに対して圧縮ガスを吐出するガス吐出手段が備えられたことを特徴とするものである。
上記構成によれば、ガスの吐出口から圧縮ガスをフィルタに吐出できるようにしたので、フィルタに捕集されたオイルや水分等を強制的に除去することができる。このため、寒冷地等において、細粒状態のオイルや水分等がフィルタに付着したまま凍結して、フィルタが目詰まり状態となることを未然に防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオイルミストセパレータにおいて、前記フィルタは、互いに平行に且つ間隔をおいて配列されたオイルミストを捕集するための捕集用繊維と、その捕集用繊維を集合体として結束するために、前記捕集用繊維の間隔よりも広い間隔で配置された結束用繊維とで構成されていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、吐出口から吐出されたガスは、捕集用繊維の配向方向に沿って流れるので、ガスの風圧が捕集用繊維に捕集されているオイルや水分等に対して効率よく作用する。このため、オイル等は、重力の作用も受けてフィルタから容易に除去される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のオイルミストセパレータにおいて、前記捕集用繊維及び結束用繊維は、撥水性処理及び撥油性処理が施されていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、凝集されたオイル等が圧縮ガスの風圧を受けて容易に分離される。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のオイルミストセパレータにおいて、前記フィルタに対する前記ガス吐出手段の吐出口は、前記フィルタの捕集用繊維の配向方向に向かって開口されていることを特長とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のオイルミストセパレータにおいて、前記フィルタに対する前記ガス吐出手段の吐出口は、前記フィルタの捕集用繊維の配向方向に向かって開口されていることを特長とするものである。
上記構成によれば、フィルタに捕集されたオイルや水分等は、繊維の配向方向に沿ってフィルタから容易に離脱される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のオイルミストセパレータにおいて、前記ガス吐出手段は前記圧縮ガスをつくるためのポンプを備え、前記吐出口とポンプとを連通する配管には、エンジン作動時に閉弁する常時開のストップバルブが設けられていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のオイルミストセパレータにおいて、前記ガス吐出手段は前記圧縮ガスをつくるためのポンプを備え、前記吐出口とポンプとを連通する配管には、エンジン作動時に閉弁する常時開のストップバルブが設けられていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、エンジン停止時、ストップバルブが開弁し、圧縮ガスが吐出口から吐出するようにした。このため、フィルタに捕集されたオイルの温度が低下して粘度が高まる前に、オイルに風圧を作用させることができるので、フィルタに捕集されたオイルや水分等を容易に除去するができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のオイルミストセパレータにおいて、前記圧縮ガスを生成するポンプは、ケースと、そのケース内を往復動するプランジャーと、そのプランジャーを一方の移動方向側に付勢するバネとを備え、そのバネの付勢力に抗してプランジャーの往動に供されるように、エンジンのオイルポンプの吐出側に連通された油圧室が設けられ、プランジャーの往動により圧縮ガスが生成されることを特徴とするものである。
上記構成によれば、オイルポンプから油圧室に供給されたオイルがプランジャーを押圧するので、タンク内のガスはプランジャーにより圧縮されて圧縮ガスとなる。そして、その圧縮ガスは、ストップバルブの開弁と同時に、フィルタに対して吐出される。また、エンジンが停止している間、オイルポンプも停止しているので、プランジャーに対するオイル圧はゼロとなる。すると、プランジャーはバネの力を受けてケース内のガスの容積を増やす方向に移動する。このプランジャーの移動により、開弁しているストップバルブを通って吸引されたガスがケース内に補充される。
本発明によれば、フィルタに捕集されたオイルや水分等を強制的に除去することができ、フィルタの目詰まりを未然に防止することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化したオイルミストセパレータの第1実施形態を図1〜図8を用いて説明する。
以下、本発明を具体化したオイルミストセパレータの第1実施形態を図1〜図8を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のオイルミストセパレータ1は、本体10が、ナイロン66等の耐熱性樹脂よりなるシリンダヘッドカバー(図示せず)の一部に一体形成され、中空の直方体状に形成されている。本体10の下壁部12の一方の端部には、ガス導入口16を有する筒状部17が形成され、その筒状部17とは反対側に位置する上壁部11の端部には、ガス排出口18を有するエルボ状の連結部19が形成されている。この連結部19にはPCVバルブ20(PCV=Positive Crankcase Ventilation)が連結される。後述のように、ブローバイガスは、ガス導入口16から本体10内に流入し、その本体10内においてガス排出口18の方向へ流れる。そして、オイル等が除去されたブローバイガスが、このPCVバルブ20を介して図示しないエンジンの吸気系に還元される。
また、ガス導入口16とは反対側の下壁部12の他方の端部には、オイル排出口21を有するオイル排出部22が形成されている。このオイル排出部22の内部には、ブローバイガスから分離されたオイル等を一時的に溜めるための貯留部23が設けられ、その貯留部23の下方には、流出口30を介して貯留部23と連通する弁室31が設けられている。弁室31には逆止弁24が配置されている。
図5に示すように、弁室31の下端には、流出口30を塞ぐ位置から下がった逆止弁24を支持する止板32が設けられている。オイル排出口21は、この止板32に形成されている。なお、逆止弁24には複数の脚部33が設けられているので、図5(b)に示すように、逆止弁24は止板32の上面から浮いた状態で支持される。このように、貯留部23に溜まったオイル等は、逆止弁24と止板32との間の隙間を通って、オイル排出口21から排出される。
なお、貯留部23よりも下流側に位置する本体10の内底面は斜面部13となっており、オイル等が、貯留部23側へ流れ落ちるようになっている。
貯留部23及びオイル排出口21等の上方において、上壁部11には、吐出口25を有するエルボ状の連結部26が形成されている。この連結部26は、符号Aより先の図示を省略した後述するガス用配管50を介してプランジャーポンプ60(以下、単にポンプ60という)に連結されている。図2に示すように、吐出口25は本体10の幅方向(紙面の左右方向)に延長されている。
貯留部23及びオイル排出口21等の上方において、上壁部11には、吐出口25を有するエルボ状の連結部26が形成されている。この連結部26は、符号Aより先の図示を省略した後述するガス用配管50を介してプランジャーポンプ60(以下、単にポンプ60という)に連結されている。図2に示すように、吐出口25は本体10の幅方向(紙面の左右方向)に延長されている。
また、図1に示すように、本体10の下壁部12には、2枚のバッフルプレート15がガス流入方向に沿う所定間隔をおいて立設され、上壁部11には、2枚のバッフルプレート15の中間位置に、1枚のバッフルプレート14が垂下されている。ガス導入口16から導入されたブローバイガスが、バッフルプレート15、14、15により上下方向に蛇行され、そのバッフルプレート15、14、15を迂回する際、ブローバイガスに含まれる比較的大きな粒状のオイルや水分等が、バッフルプレート15、14、15に順次付着してブローバイガスから分離される。
下流側のバッフルプレート15の更に下流側で、且つ、貯留部23と吐出口25との間には、図3に示すフィルタ9が設けられ、その下端において、貯留部23上部の段部27に支持されている。このフィルタ9により、ブローバイガスに含まれる細粒状のオイル等が捕集される。
図4に示すように、フィルタ9は、上下方向に沿って所定間隔で配置された捕集用繊維40と、捕集用繊維40を平行な集合体として結束するための結束用繊維41とで全体として簾状に形成されている。結束用繊維41どうしの間隔は、捕集用繊維40を集合体として結束することが可能な限りにおいて、捕集用繊維40どうしの間隔よりも広くなっている。また、結束用繊維41は捕集用繊維40よりも細いものが用いられている。
なお、本実施形態では、捕集用繊維40及び結束用繊維41は、摩擦係数の小さなセラミック繊維が用いられている。そして、このセラミック繊維には、必要に応じて撥水性処理及び撥油性処理が施されている。このため、捕集用繊維40に捕集され、徐々に粒径が増大したオイルや水分等からなる粒子は、捕集用繊維40を伝って容易に落下することができる。この時、捕集用繊維40及び結束用繊維41に対して、更に表面を平滑にしたりするための滑落性処理が施されれば、上記の作用を増すことができる。
また、本実施形態のセラミック繊維に替えて、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等とすることもできる。それらの繊維に対して、必要に応じて、撥油性及び撥水性処理を施したり、更に滑落性処理を施したりすることは、セラミック繊維の場合と同様である。
次に、図6〜図8を用いて、ガス吐出手段としての吐出口25に連結されたポンプ60を有する回路の構成とその作用とを説明する。
図6に示すように、ポンプ60には、筒状のケース61の内部をガス室63と油圧室62とに仕切ると共に、往復動可能なプランジャー64が配置されている。ガス室63と油圧室62とのそれぞれの容積は、プランジャー64の移動に伴い変化する。ガス室63には、プランジャー64を油圧室62側に向かって付勢するコイル状のバネ65が配置されている。
図6に示すように、ポンプ60には、筒状のケース61の内部をガス室63と油圧室62とに仕切ると共に、往復動可能なプランジャー64が配置されている。ガス室63と油圧室62とのそれぞれの容積は、プランジャー64の移動に伴い変化する。ガス室63には、プランジャー64を油圧室62側に向かって付勢するコイル状のバネ65が配置されている。
ポンプ60のオイル用孔67には、オイル作動回路56が連結され、オイルポンプ54により、オイルがオイルタンク55から油圧室62に供給される。そして、オイルポンプ54からオイル供給回路57を介してエンジンへ供給されるオイルの一部が油圧室62に供給されるようになっている。
ポンプ60の上方のガス用孔66は、連結部26にガス用配管50を介して連結され、そのガス用配管50にはストップバルブ51が接続されている。このストップバルブ51は、常時開のソレノイドバルブであり、エンジンを制御するECU52により制御され、エンジンが作動している間、ソレノイド53が作動して閉弁される。
図6に示す状態は、エンジン作動の状態であり、ストップバルブ51が閉弁されると共に、オイルポンプ54が作動している。従って、油圧室62には所定圧力のオイルが供給されるので、プランジャー64はバネ65の付勢力に抗して押し上げられている。この時、ガス室63内のガスは、ストップバルブ51が閉弁しているため、圧縮されている。
図7に示すように、エンジン停止時には、ストップバルブ51は開弁するので、ガス室63内の圧縮ガスは一気にガス用配管50内を流れ、吐出口25から本体10内に吐出される。このため、オイルポンプ54の作動は停止し、オイル作動回路56中のオイルの圧力は徐々に低下する。
そして、プランジャー64は、自重とバネ65の付勢力により、油圧室62内のオイルをオイル用孔67から排出しながら下降して、図8に示す位置に到達する。この時、ガス室63内の容積の増大に伴い負圧が生じ、吐出口25からブローバイガスを含むガスが吸引される。やがて、最大限に容積を増大したガス室63をガスが満たすこととなる。そして、次にエンジンが作動状態となった時、ストップバルブ51が閉弁され、オイルポンプ54が作動するので、プランジャー64の上昇に伴いガス室63はガスを閉じ込めたまま容積を減少する。その容積の減少に伴い、圧縮ガスが作られる。
このように、圧縮ガスが、エンジン停止時、一気に吐出口25から吐出されるので、吐出口25の直下にあるフィルタ9に捕集されていたオイル等は、風圧を受けて、捕集用繊維40の間から飛ばされたり、捕集用繊維40を伝ったりして落下する。
一方、本体10内において、ブローバイガスが流れることによる負圧(エンジンの吸気圧)で閉じていた逆止弁24は、エンジン停止に伴うブローバイガスの流通の停止と共に開弁状態となろうとするが、フィルタ9の直下に配置されている貯留部23にもストップバルブ51の開弁による風圧が作用するので、開弁が促進される。即ち、逆止弁24がオイルの粘着力等により流出口30を密着状態で塞いでいる場合であっても、風圧の作用で開弁がスムーズに行われる。
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、エンジン停止に伴ってポンプ60から流出する圧縮ガスを、吐出口25からフィルタ9に吐出させるようにしたので、フィルタ9に捕集されたオイルや水分等を強制的に除去することができる。このため、寒冷地等において、細粒状態のオイルや水分等がフィルタ9に付着したまま凍結して、フィルタが目詰まり状態となることを未然に防止することができる。また、エンジン作動に伴って、その吐出口25からポンプ60へガスを補充することができるようにした。このため、次の圧縮ガスの吐出に備え、ポンプにガスを補充するためのガス供給回路を別途設けることなく、容易に補充することができる。
(1)上記実施形態では、エンジン停止に伴ってポンプ60から流出する圧縮ガスを、吐出口25からフィルタ9に吐出させるようにしたので、フィルタ9に捕集されたオイルや水分等を強制的に除去することができる。このため、寒冷地等において、細粒状態のオイルや水分等がフィルタ9に付着したまま凍結して、フィルタが目詰まり状態となることを未然に防止することができる。また、エンジン作動に伴って、その吐出口25からポンプ60へガスを補充することができるようにした。このため、次の圧縮ガスの吐出に備え、ポンプにガスを補充するためのガス供給回路を別途設けることなく、容易に補充することができる。
(2)上記実施形態では、板状のフィルタ9の上端部に圧縮ガスを吐出するようにしたので、フィルタ9上のオイルや水分等は下方への風圧により捕集状態から解かれ、重力の作用も加わり、フィルタ9の内外を落下する。このため、フィルタ9から除去されたオイル等を、オイル排出口からエンジン内へ戻すことを容易に行うことができる。
(3)上記実施形態では、エンジン停止時、ECU52の制御により閉弁していたストップバルブ51が開弁し、圧縮ガスが吐出口25から一気に吐出するようにした。このため、フィルタ9に捕集されたオイルの温度が低下して粘度が高まる前に、オイルに風圧を作用させることができるので、フィルタ9に捕集されたオイルや水分等を容易に除去するができる。
(4)上記実施形態では、オイルポンプ54から油圧室62に供給されたオイルの圧力を受けるプランジャー64により、ガス室63内のガスを圧縮して圧縮ガスを作るようにした。このため、その圧縮ガスを、ストップバルブ51の開弁と同時に、フィルタ9に対して一気に吐出させることができる。また、エンジンが停止の間、プランジャー64は、自重とバネの付勢力とによりガス室63の容積を増やす方向に移動する。このため、このプランジャー64の移動によりガス室63に負圧が生じ、開弁しているストップバルブ51を介して吐出口25から吸引されたガスでガス室63を充填することができる。
(5)上記実施形態では、吐出口25から吐出された圧縮ガスは、上下方向に沿って互いに間隔をおいて配列された捕集用繊維40の配向方向に沿って流下するので、ガスの風圧が繊維に捕集されているオイルや水分等に対して効率よく作用する。このため、オイル等を、捕集用繊維40の間で吹き飛ばしたり、捕集用繊維40を伝わせたりしながら、重力の作用も加えてフィルタ9から容易に除去することができる。
(6)上記実施形態では、凝集により粗粒化して落下したオイル等の後に残った細粒状態のオイル等は、撥水性及び撥油性を有する捕集用繊維40に対して付着力が弱いので、圧縮ガスの風圧を受けて容易に落下する。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図9を用いて説明する。本実施形態においては、第1実施形態の本体10を、長手方向を中心に90度回転した姿勢とした上で、オイル排出部22の位置を端部側に異ならせたのみで、その他の点は同様である。従って、構成の異なる部分を中心に説明し、同様の部分の説明は省くものとする。
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図9を用いて説明する。本実施形態においては、第1実施形態の本体10を、長手方向を中心に90度回転した姿勢とした上で、オイル排出部22の位置を端部側に異ならせたのみで、その他の点は同様である。従って、構成の異なる部分を中心に説明し、同様の部分の説明は省くものとする。
図9に示すように、吐出口25を有する連結部26は、フィルタ9の直上ではなく、フィルタ9の横端部91に対向して配置されている。また、オイル排出口21を有するオイル排出部22は、その貯留部23が本体10の上壁93まで至る空間94となり、その空間94が、フィルタ9の横端部91とは反対側の横端部92の外側に位置するように配置されている。
フィルタ9に対して、オイル排出口21と吐出口25とがこのように配置された本実施形態のオイルミストセパレータ2では、吐出口25から吐出された圧縮ガスは、フィルタ9を横端部91から横端部92へ抜けるように流れる。そして、そのガスの流れと共にフィルタ9から分離されたオイル等は、空間94へ飛び出した後に貯留部23に落下して一時的に溜められる。
この時、横端部91から横端部92へのガスの抜けがよくなるように、フィルタ9を形成する捕集用繊維40の方向を左右方向に沿うように配置することが好ましい。
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第1、第2実施形態のオイルミストセパレータ1、2を、本体10の一部をシリンダヘッドカバーと一体化することなく単体の装置として形成すること。
・ オイル作動回路56に図示しない方向制御弁とその方向制御弁に連結したドレン回路を設けること。この時、エンジンが停止となった後、オイルの圧力が急に下がって圧縮ガスの圧力が下がることを防止するため、タイマーにより所定時間をカウントしてから方向制御弁を作動させ、油圧室62のオイルがドレン回路を経てオイルタンク55に流出できるようにする。
・ ポンプ60として、プランジャーポンプ以外のポンプ、例えばダイヤフラムポンプを用いること。
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第1、第2実施形態のオイルミストセパレータ1、2を、本体10の一部をシリンダヘッドカバーと一体化することなく単体の装置として形成すること。
・ オイル作動回路56に図示しない方向制御弁とその方向制御弁に連結したドレン回路を設けること。この時、エンジンが停止となった後、オイルの圧力が急に下がって圧縮ガスの圧力が下がることを防止するため、タイマーにより所定時間をカウントしてから方向制御弁を作動させ、油圧室62のオイルがドレン回路を経てオイルタンク55に流出できるようにする。
・ ポンプ60として、プランジャーポンプ以外のポンプ、例えばダイヤフラムポンプを用いること。
1,2…オイルミストセパレータ、9…フィルタ、16…ガス導入口、18…ガス排出口、21…オイル排出口、25…吐出口、40…捕集用繊維、41…結束用繊維、51…ストップバルブ、54…オイルポンプ、60…ポンプ、61…ケース、62…油圧室、64…プランジャー、65…バネ。
Claims (6)
- ブローバイガスを導入するガス導入口と、前記ブローバイガスからオイルミストを分離するフィルタと、分離されたオイルを排出するオイル排出口と、前記ブローバイガスを排出するガス排出口とを備えたオイルミストセパレータにおいて、前記フィルタに対して圧縮ガスを吐出するガス吐出手段が備えられたことを特徴とするオイルミストセパレータ。
- 前記フィルタは、互いに平行に且つ間隔をおいて配列されたオイルミストを捕集するための捕集用繊維と、その捕集用繊維を集合体として結束するために、前記捕集用繊維の間隔よりも広い間隔で配置された結束用繊維とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のオイルミストセパレータ。
- 前記捕集用繊維及び結束用繊維は、撥水性処理及び撥油性処理が施されていることを特徴とする請求項2に記載のオイルミストセパレータ。
- 前記フィルタに対する前記ガス吐出手段の吐出口は、前記フィルタの捕集用繊維の配向方向に向かって開口されていることを特長とする請求項2又は3に記載のオイルミストセパレータ。
- 前記ガス吐出手段は前記圧縮ガスをつくるためのポンプを備え、前記吐出口とポンプとを連通する配管には、エンジン作動時に閉弁する常時開のストップバルブが設けられていることを特徴とする請求項4に記載のオイルミストセパレータ。
- 前記圧縮ガスを生成するポンプは、ケースと、そのケース内を往復動するプランジャーと、そのプランジャーを一方の移動方向側に付勢するバネとを備え、そのバネの付勢力に抗してプランジャーの往動に供されるように、エンジンのオイルポンプの吐出側に連通された油圧室が設けられ、プランジャーの往動により圧縮ガスが生成されることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のオイルミストセパレータ。
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---|---|---|---|
JP2009198098A JP2011047353A (ja) | 2009-08-28 | 2009-08-28 | オイルミストセパレータ |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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