JP4517512B2 - 高純度シリカの製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ケイ酸ナトリウム水溶液からAl、Fe、Ti、Zr等の金属成分、Na、K等のアルカリ金属成分、U、Th等の放射性を有する不純物成分を極めて効率的に除去した高純度シリカの製造方法に関する。本発明の方法により得られる高純度シリカは、各種の触媒、電子部品封止用樹脂組成物の充填剤、石英ガラス又は特殊セラミックスの原料、半導体デバイス用シリコンの原料、塗料成分、充填剤、研磨剤等の各種機能材料として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリカの製造方法としては、ケイ酸ナトリウム水溶液を鉱酸やイオン交換樹脂を用いて中和する方法が一般的であったが、この方法では低コストなシリカが得られる反面、原料由来の金属不純物が混入するため、各種の触媒、電子部品封止用樹脂組成物の充填剤、石英ガラス又は特殊セラミックスの原料、半導体デバイス用シリコンの原料、塗料成分、充填剤、研磨剤等の高純度が要求される分野においては使用することができなかった。
【0003】
高純度シリカの製造方法としては、例えば、四塩化珪素を酸素と水素の雰囲気下、気相反応させて製造する方法、テトラエチルシリケート等のSiのアルコキシドを加水分解させて製造する方法等が知られている。これらの方法においては、精製された高価な材料を原料として用いるため、容易に高純度シリカが得られる反面、コストが高いという点で高純度シリカの使用が限定され、高純度シリカを汎用的に用いることができなかった。
【0004】
これに対し、安価なケイ酸ナトリウムを原料として用いた高純度シリカを製造する方法として種々の方法が提案されている。例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液をイオン交換樹脂と接触させて高純度なケイ酸水溶液を製造し、アンモニア水等で高純度なケイ酸水溶液からシリカを析出させて製造する方法(例えば、特開昭60−42217号公報、特開昭60−42218号公報、特開昭60−90811号公報等)、過剰の酸の存在下にてケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸を反応させて製造する方法(例えば、特開昭59−54632号公報、特開昭60−191016号公報、特開昭61−17416号公報等)、ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸の反応、あるいは析出したシリカを酸洗浄する際、過酸化水素やキレート剤の存在下にて行なう製造方法(例えば、特開昭61−178414号公報、特開昭62−12608号公報、特開平2−133311号公報等)等が挙げられる。しかしながら、ケイ酸ナトリウム水溶液をイオン交換樹脂と接触させて得た高純度ケイ酸水溶液を用いる方法ではケイ酸ナトリウム水溶液の濃度が約10重量%以下と低く、生産性が低いばかりか、操作が煩雑であり、イオン交換樹脂の再生にも課題があった。また、過剰の酸の存在下でケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸を反応させる方法ではTi成分やZr成分の除去が困難であり、その結果としてTi成分やZr成分が不純物として残存してしまい、高純度のシリカを得るにはさらに改良する必要があった。さらに、ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸の反応、あるいは析出したシリカを酸洗浄する際に過酸化水素やキレート剤を用いる方法ではTi成分の除去が難しく、十分に高純度なシリカを製造するには多段階の洗浄が必須であり、工程が煩雑となってしまうために、さらに改善する必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価なケイ酸ナトリウム水溶液を原料として用い、高純度シリカを容易に製造することが可能な方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高純度シリカを容易に製造するため、特にTi成分の除去を容易にすることが可能な技術開発に注力して鋭意検討を行った結果、ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸との反応によりシリカゲルの沈殿を生成させ、得られた沈殿を鉱酸で処理して不純物を抽出除去するシリカの製造方法において、ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸との反応及び/又は不純物の抽出除去をジエチレントリアミン五酢酸の存在下、又はジエチレントリアミン五酢酸と過酸化水素の存在下にて行なうことで容易に高純度シリカを製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明では、ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸との反応によるシリカゲルの沈殿の生成、及び/又は、得られた沈殿を鉱酸で処理する不純物の抽出除去を、ジエチレントリアミン五酢酸の存在下で行なうことが必須である。これまで、高純度シリカを製造するために用いられてきたキレート剤としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸、トリカルバリル酸、プロパン−1,1,2,3−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸等のポリカルボン酸、グリコール酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ピルビン酸、ジグリコール酸等のオキシカルボン酸、ニトリルトリ酢酸、ニトリロプロピオン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等のアミノポリカルボン酸(特開昭62−12608号公報等に記載)、エチレンジアミン四酢酸、チオリンゴ酸、シュウ酸、クエン酸、サリチル酸、クロモトロープ酸、タイロン、5−スルホサリチル酸、オキシン−5−スルホン酸(特開平2−74515号公報等に記載)等が提案されていたが、本発明で使用されるジエチレントリアミン五酢酸は、これまでに提案されていたキレート剤と比べて、特にTi成分の除去効率に優れた材料である。
【0009】
用いられるジエチレントリアミン五酢酸の量は特に限定されないが、SiO2の量に対して0.1〜10重量%の範囲が好ましい。ジエチレントリアミン五酢酸の量がSiO2の量に対して0.1重量%未満では、不純物の捕捉効果が不完全となり、その結果として不純物がシリカに混入してしまう場合があり、また、ジエチレントリアミン五酢酸の量がSiO2の量に対して10重量%を超える場合、不純物の除去効率は飽和しており、実用的でない。
【0010】
本発明の方法では、ジエチレントリアミン五酢酸の存在下で行なうことが必須であるが、さらに過酸化水素を、沈殿を生成させる反応の際あるいは抽出除去、さらにこれらの両方の工程において、共存させてもよい。用いられる過酸化水素の量は特に限定されないが、不純物の除去や実用性を考慮すれば、SiO2の量に対して0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
【0011】
本発明の方法に使用するケイ酸ナトリウム水溶液は特に限定されず、SiO2/Na2Oモル比が1〜4の市販のケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を使用すればよい。ケイ酸ナトリウム水溶液の濃度は特に限定されず、SiO2として10〜30重量%の範囲でよい。
【0012】
本発明の方法に使用する鉱酸の種類は特に限定することなく使用することができ、硝酸、硫酸、塩酸等を用いればよい。鉱酸の濃度は特に限定されず、例えば硫酸を使用する場合、その濃度は35〜45重量%の範囲でよい。
【0013】
本発明の方法においては、ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸との反応によりシリカゲルの沈殿を生成させる。この沈殿の製造方法は特に限定されないため、以下に好ましい実施態様について説明する。
【0014】
シリカゲルの沈殿は、上述のケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸とを混合してシリカゾルを生成させ、得られたシリカゾルをゲル化させて製造される。
【0015】
反応におけるケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸との混合方法は特に限定されず、例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸とを混合ノズルを用いて混合する方法、ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸をバッチ反応槽へ同時に添加して混合する方法等が挙げられる。シリカゾルを生成させる際のpHは特に限定されず、0.5〜2の範囲でよい。また、シリカゾルを生成させる際の温度は特に限定されず、10〜70℃の範囲、好ましくは30〜60℃の範囲でよい。
【0016】
上述の方法で製造したシリカゾルは、混合開始から約10分以内にゲル化し、シリカゲルの沈殿が生成する。この沈殿は、次の工程での鉱酸による処理を効率的に行なうため、通常行なわれる方法により粗砕される。粗砕された沈殿の大きさは特に限定されないが、洗浄効率、通液の容易さ、濾過性等の点を考慮すると、10〜30mmの範囲が好ましい。
【0017】
粗砕された沈殿は鉱酸で処理され、不純物が抽出除去される。なお、鉱酸による処理を行なう前に、水による処理を行なっても何ら差し支えない。この水による処理を行なうことにより、例えば、Na成分等を除去することが可能である。
【0018】
沈殿中の不純物を抽出除去する際に使用する鉱酸は特に限定されず、硝酸、硫酸、塩酸等が例示される。この抽出除去において用いられる鉱酸の種類は、先述した沈殿を生成させる反応において用いられる鉱酸と同じ種類であっても、異なる種類のものを用いてもいずれであってもよい。また、鉱酸の量は特に限定されず、SiO2に対して0.01〜1倍当量の範囲でよい。鉱酸による処理の方法は特に限定されず、例えば、粗砕されたシリカゲルの沈殿を充填槽に仕込み、処理液を循環させて行なう方法、粗砕された沈殿をバッチ反応槽に仕込み、処理液を入れ、攪拌しながら行なう方法等が挙げられる。処理時の温度は特に限定されないが、不純物の抽出除去の効率を考慮すると、50〜90℃の範囲が好ましい。また、処理時間は特に限定されず、数〜数十時間程度でよい。なお、鉱酸の処理による不純物の抽出除去操作は、必要に応じて数回繰り返してもよい。
【0019】
鉱酸で処理して不純物を抽出除去されたシリカゲルの沈殿は水で洗浄される。洗浄水の量は特に限定されず、鉱酸で処理して抽出除去された不純物が系外へ除去できる量でよい。
【0020】
上述の方法で本発明の高純度シリカが製造できる。
【0021】
高純度シリカは、その用途に適した粉体物性へ制御することを目的として、必要に応じて熟成処理を行なってもよい。熟成処理とは、アルカリ性雰囲気下にて加熱し、高純度シリカの1次粒子を成長させ、高純度シリカの比表面積を下げる処理のことである。熟成処理の方法は特に限定されず、例えば、高純度シリカを充填槽に仕込み、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の粉末又は水溶液、アンモニア等の気体又は水溶液で調製したアルカリ水溶液を循環させて行なう方法、高純度シリカをバッチ反応槽に仕込み、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の粉末又は水溶液、アンモニア等の気体又は水溶液を入れ、攪拌しながら行なう方法等が挙げられる。金属カチオンの混入を防ぐという点では、アンモニア等の気体又は水溶液を用いてアルカリ性雰囲気に調整し、このアルカリ水溶液を用いて熟成処理を行なうことが好ましい。熟成処理のpH、温度、時間は、目的とするシリカの粉体物性(1次粒子径、比表面積等)によって適宜調整される。一般的には、熟成時の温度は30〜90℃の範囲、好ましくは70〜90℃の範囲でよく、熟成時のpHは7〜11の範囲、好ましくは8〜10の範囲でよい。熟成時間は数〜数十時間で十分である。熟成後、アルカリ成分を除去するために、水で洗浄される。洗浄水の量は特に限定されず、アルカリ成分が除去される量でよい。
【0022】
高純度シリカは、乾燥後、粉砕され、シリカ粉末となる。乾燥方法は特に限定されず、静置乾燥機、バンドドライヤー、パドルドライヤー、流動乾燥機等の乾燥機を用いて乾燥すればよい。粉砕方法は特に限定されず、衝撃式粉砕機やジェット式粉砕機を用いて粉砕すればよい。
【0023】
上述の方法で本発明の高純度シリカが製造できる。
【0024】
本発明の方法により製造された高純度シリカは、各種の触媒、電子部品封止用樹脂組成物の充填剤、石英ガラス又は特殊セラミックスの原料、半導体デバイス用シリコンの原料、塗料成分、充填剤、研磨剤等の高純度が要求される分野での用途が期待される。
【0025】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、ケイ酸ナトリウム水溶液を原料として用いるため、低コストである。また、シリカゲルの沈殿の生成及び/又は不純物の抽出除去を、ジエチレントリアミン五酢酸の存在下で又はジエチレントリアミン五酢酸と過酸化水素の存在下で行なうことで不純物を効率的に除去することができ、容易に高純度シリカを製造できる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
実施例1
SiO2濃度が25重量%、Na2O濃度が8重量%のケイ酸ナトリウム水溶液と、40重量%の硫酸水溶液とを混合ノズルを用いて混合し、SiO2濃度が17重量%、pHが0.8のシリカゾルを製造した。シリカゾルは約5分後にゲル化し、シリカゲルの沈殿が生成した。得られた沈殿は約10mmの大きさに粉砕した。なお、沈殿の含水率は59重量%であった。
【0028】
上述の方法で得られたシリカゲルの沈殿10kg(乾燥シリカベースでは4.1kg)を直径(内径)150mm、長さ800mmの円筒状カラムに充填し、カラム下部よりイオン交換水を通水させ、カラム上部より流れ出るオーバーフロー水の導電率が1μS/cmとなるまで水洗浄した。
上述の方法で得られた水洗浄したシリカゲルの沈殿1.1kgをバッチ反応槽へ投入し、更に水を1.5kg、35重量%の塩酸水溶液を0.3kg、ジエチレントリアミン五酢酸を4g、35重量%の過酸化水素水溶液を9g添加し、攪拌しながら90℃に昇温し、90℃で3時間、酸洗浄処理を行なった。
【0029】
酸洗浄処理後、ヌッチェにて固液分離し、水で洗浄し、110℃の温度で静置乾燥して高純度シリカを得た。
【0030】
得られたシリカの不純物量を表1に示す。なお、不純物の分析は、以下の方法に従って行なった。シリカに硫酸、フッ化水素酸を添加し、加熱して蒸発乾固した後、不純物成分を硝酸及び水に溶解させ、不純物量をICPで定量した。尚、他の実施例、比較例も同様にして不純物を分析した。
【0031】
【表1】
実施例2
実施例1と同様の方法で得られた水洗浄したシリカゲルの沈殿1.1kgをバッチ反応槽へ投入し、更に水を1.5kg、35重量%の塩酸水溶液を0.3kg、ジエチレントリアミン五酢酸を12g、35重量%の過酸化水素水溶液を27g添加し、実施例1と同様の方法で酸洗浄処理、固液分離、水洗浄、乾燥して高純度シリカを得た。得られたシリカの不純物量を表1に示す。
【0032】
実施例3
実施例1と同様の方法で得られた水洗浄したシリカゲルの沈殿1.1kgをバッチ反応槽へ投入し、更に水を1.5kg、35重量%の塩酸水溶液を0.3kg、ジエチレントリアミン五酢酸を12g添加し、攪拌しながら80℃に昇温し、80℃で3時間、酸洗浄処理を行なった。
【0033】
酸洗浄処理後、実施例1と同様の方法で固液分離、水洗浄、乾燥して高純度シリカを得た。得られたシリカの不純物量を表1に示す。
【0034】
実施例4
SiO2濃度が25重量%、Na2O濃度が8重量%のケイ酸ナトリウム水溶液とジエチレントリアミン五酢酸と過酸化水素を含有する40重量%の硫酸水溶液を混合ノズルを用いて混合し、SiO2濃度が17重量%、ジエチレントリアミン五酢酸の濃度が0.5重量%、過酸化水素の濃度が0.5重量%、水溶液pHが0.8のシリカゾルを製造した。シリカゾルは約5分後にゲル化し、シリカゲルの沈殿が生成した。得られた沈殿は約10mmの大きさに粉砕した。なお、沈殿の含水率は59重量%であった。
上述の方法で得られたシリカゲルの沈殿を実施例1と同様の方法で水洗浄、酸洗浄処理、固液分離、水洗浄、乾燥して高純度シリカを得た。得られたシリカの不純物量を表1に示す。
【0035】
実施例5
実施例4と同様の方法で得られた水洗浄したシリカゲルの沈殿1.1kgをバッチ反応槽へ投入し、更に水を1.5kg、35重量%の塩酸水溶液を0.3kg、ジエチレントリアミン五酢酸を4g投入し、実施例1と同様の方法で酸洗浄処理、固液分離、水洗浄、乾燥して高純度シリカを得た。得られたシリカの不純物量を表1に示す。
【0036】
比較例1
SiO2濃度が25重量%、Na2O濃度が8重量%のケイ酸ナトリウム水溶液と40重量%の硫酸水溶液を混合ノズルを用いて混合し、SiO2濃度が17重量%、pHが0.8のシリカゾルを製造した。シリカゾルは約5分後にゲル化し、シリカゲルの沈殿が生成した。得られた沈殿は約10mmの大きさに粉砕した。なお、沈殿の含水率は59重量%であった。
【0037】
上述の方法で得られたシリカゲルの沈殿10kg(乾燥シリカベースでは4.1kg)を直径(内径)150mm、長さ800mmの円筒状カラムに充填し、カラム下部よりイオン交換水を通水させて、カラム上部より流れ出るオーバーフロー水の導電率が1μS/cmとなるまで水洗浄した。
【0038】
得られたシリカの不純物量は、Al:1、Ba:34、Ca:1、Fe:3、K:1、Mg:1、Na:12、Sn:1、Ti:104、Zr:72(単位はいずれもppm)と多量に残存していた。
【0039】
比較例2
実施例1と同様の方法で得られた水洗浄したシリカゲルの沈殿1.1kgをバッチ反応槽へ投入し、さらに水を1.5kg、35重量%の塩酸水溶液を0.3kg、35重量%の過酸化水素水溶液を9g添加し、実施例1と同様の方法で酸洗浄処理、固液分離、水洗浄、乾燥した。不純物量は、Fe:1、Na:2、Ti:68、Zr:50(単位はいずれもppm)であった。
【0040】
比較例3
実施例1と同様の方法で得られた水洗浄したシリカゲルの沈殿1.1kgをバッチ反応槽へ投入し、さらに水を1.5kg、35重量%の塩酸水溶液を0.3kgを投入し、実施例1と同様の方法で酸洗浄処理、固液分離、水洗浄、乾燥した。得られたシリカの不純物量を表1に示す。
【0041】
比較例4
実施例1と同様の方法で得られた水洗浄したシリカゲルの沈殿1.1kgをバッチ反応槽へ投入し、さらに水を1.5kg、35重量%の塩酸水溶液を0.3kg、エチレンジアミン四酢酸を12g、35重量%過酸化水素水溶液を27g投入し、実施例1と同様の方法で酸洗浄処理、固液分離、水洗浄、乾燥した。得られたシリカの不純物量を表1に示す。
Claims (3)
- ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸との反応によりシリカゲルの沈殿を生成させ、得られた沈殿を鉱酸で処理して不純物を抽出除去して高純度シリカを製造する方法において、ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸との反応及び/又は不純物の抽出除去を、ジエチレントリアミン五酢酸の存在下で行なうことを特徴とする高純度シリカの製造方法。
- ケイ酸ナトリウム水溶液と鉱酸との反応及び/又は不純物の抽出除去を、ジエチレントリアミン五酢酸及び過酸化水素の存在下で行なうことを特徴とする請求項1に記載の高純度シリカの製造方法。
- 不純物を抽出除去した後に、熟成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高純度シリカの製造方法。
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