JP4517206B2 - パチンコ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技盤の遊技領域内に貫設された役物組付孔に対し、その前側から役物装置が装着されるパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機の遊技盤には、その遊技領域内において役物組付孔(ルータ孔とも呼ばれている)が貫設され、その役物組付孔には、その前側から役物装置が組み付けられるようになっているのが一般的である。また、役物装置はセンタ役物とも呼ばれ、中央部の開口窓に対し図柄表示装置が配設される装飾枠部材を主体として構成される形式の役物装置の他、開閉動作可能な羽根部材を有する可変入賞式の役物装置等がある。このような役物装置において、例えば、図柄表示装置の左右部において、役物装飾部材として装飾用照明具(ランプ、発光ダイオード等)を配設したり、あるいは、図柄表示装置に表示された各種の図柄に対応して合成樹脂製リーチ棒等の役物装飾部材を配設してパチンコ遊技を盛り立てるように構成することが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、役物装置において、装飾用照明具、合成樹脂製リーチ棒等の役物装飾部材を配設すると、役物装置自体が大型化する場合がある。役物装置が大型化すると、その大型化にともない、遊技盤の役物組付孔も大きく形成されることになる。遊技盤の役物組付孔が大きくなると、遊技盤の強度が低下される。さらに、遊技盤の遊技領域が狭くなり、他の入賞器、誘導釘等の配設が制限され、遊技領域の盤面構成の自由度が低下されるという不具合が生じる。
【0004】
この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑み、役物装置に関連する装飾枠部材を遊技盤の裏面側に装着可能にすることで、役物装置自体の大型化を抑制することができる役物装置を備えたパチンコ機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、遊技盤の遊技領域内に孔明け加工により貫設された役物組付孔の前側から役物装置として図柄透視用の開口窓を形成した装飾枠部材が装着される一方、遊技盤の裏側に前記開口窓の後方に整合する開口部を形成してパチンコ球誘導用の裏誘導樋として機能する枠形状の取付台が前記役物組付孔の開口外周囲に亘り装着され、この取付台の前記開口部に合わせた後側位置に図柄表示装置がその表示面を前記開口窓に臨ませた縦向き状態で着脱可能に装着され、さらに、遊技盤の遊技領域内に前記図柄表示装置の図柄を変動させる始動入賞器を設けてなるパチンコ機において、
前記装飾枠部材では、前記役物組付孔内に嵌合される方形状の周壁部内に前記開口窓が区画形成されるとともに、前記周壁部の左右両側壁部の後端から内向きに張り出して後ろ向きに屈曲する断面略L字形に形成された透明又は半透明な装飾レンズが取着され、また、前記周壁部の下壁部には前記始動入賞器への入賞個数を特定数だけ表示させるための保留球数表示部が段差状に形成されており、
前記取付台では、上側枠部と下側枠部と左右の側枠部により前記装飾枠部材の開口窓の後方に整合する開口部が形成されるとともに、左右の側枠部の外側にセーフ球用の側部球誘導路を有する側部球誘導樋が一体に形成される一方、上側枠部の中央部裏側に、前記図柄表示装置の上辺中央部を押込み係合する位置決め兼用の押片が形成されるとともに、下側枠部の左部と右部に、前記図柄表示装置の下側左部と下側右部を夫々ビス着固定するための取付用ボスが形成されており、
前記取付台の開口部に沿った左右縁部及び下縁部に亘り前記図柄表示装置の表示面に対する装飾照明部材が起立状態で着脱可能に装着され、
この装飾照明部材は、
前記取付台の下側枠部及び左右の側枠部に沿って略U字状に形成され、取付台の左右縁部及び下縁部に夫々形成されたボスにビス着固定されて前記装飾レンズと前記保留球数表示部の後側に位置する装飾用ランプ基板と、
該装飾用ランプ基板の左右の縦片部の前側に互いの先端が向かい合う横向き状態で配置接続された複数個の装飾ランプと、
前記装飾用ランプ基板の下横片部の前側に前向き状態で配置接続された複数個の保留球数表示ランプとを有し、
前記左右の装飾ランプが前記装飾レンズの左側縁と右側縁に夫々指向した状態で照明し得るとともに、前記保留球数表示ランプが前記装飾レンズの下辺部に形成された保留球数表示部の後側に指向した状態で照明し得るように構成したパチンコ機を提供する。
したがって、遊技盤の裏面の役物組付孔の近傍に装着された取付台に対し、役物装置に関連する役物装飾部材が装着されるため、役物装飾部材の取り付けが原因となって役物装置が大型化したり、遊技盤の役物組付孔が大きくなる不具合を防止することができる。
【0006】
また、取付台に対し役物装置に係る図柄表示装置や、役物装飾部材としての装飾用照明具が装着されることで、役物装置に対し、図柄表示装置や役物装飾部材としての装飾用照明具を装着する必要性が解消される。このため、図柄表示装置や装飾用照明具の取り付けが原因となって役物装置が大型化する不具合を解消することができるとともに、遊技盤の役物組付孔が大きくなる不具合も解消することができる。また、図柄表示装置の左右両側部において装飾用照明具を装着した場合においても、役物装置や役物組付孔が左右方向に拡大される不具合を防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
この発明の実施の形態1を図1〜図7にしたがって説明する。パチンコ機全体を前面から表した図6において、パチンコ機1の木枠2の前側には、前枠3が開閉可能に装着されている。前枠3の裏面には、その開口部の周縁部において図示しないベース枠が組み付けられ、そのベース枠の枠内には遊技盤10が着脱可能に装着されている。遊技盤10の前面の周縁部には案内レール11が配設され、その案内レール11の内側の遊技領域12には、その略中央部に役物装置としての装飾枠部材31が装着されている。
【0008】
また、遊技盤10の遊技領域12には、装飾枠部材31の上部左右両側方に位置して左右の風車器20がそれぞれ装着され、装飾枠部材31の下部寄りの左右両側方に位置して左右の一般入賞器21が装着されている。さらに、遊技盤10の遊技領域12には、その装飾枠部材31の直下に位置して始動入賞器22が装着され、その始動入賞器22の下方に位置して大入賞口25を備えたアタッカ装置24が装着されている。また、遊技盤10の遊技領域12の左右両側部には、そのアタッカ装置24の左右両側部上方に位置して左右のサイド装飾部材19がそれぞれ装着されている。さらに、遊技盤10の遊技領域12の最下部にはアウト口29を構成する口金具28が装着されている。
【0009】
図7に示すように、遊技盤10の遊技領域12の略中央部には、装飾枠部材31に対応する役物組付孔13がルータ等による孔明け加工によって形成されている。また、遊技盤10には、役物組付孔13の他、左右の風車器20に対応する組付孔14、左右の一般入賞器21に対応する組付孔15、始動入賞器22に対応する組付孔16、アタッカ装置24に対応する組付孔17、左右のサイド装飾部材19に対応する組付孔18及びアウト口29の口金具28に対応する組付孔30等が、ルータ等による孔明け加工によってそれぞれ形成されている。
【0010】
遊技盤10の役物組付孔13には、遊技盤10の前側から装飾枠部材31が装着されるようになっている。図2〜図4に示すように、装飾枠部材31は、装飾性を有する前面装飾部32と、その前面装飾部32の背面側において開口窓33を構成するように突設された周壁部34とを備えている。図4に示すように、装飾枠部材31の周壁部34の左右両側壁部には、透明、又は半透明でかつレンズとして機能する装飾レンズ35が設けられている。また、図3に示すように、周壁部34の下壁部には、始動入賞器22の入賞口に流入したパチンコ球を特定数(例えば、最大で4個)だけ表示するための保留球数表示部36が段差状に設けられている。すなわち、装飾枠部材31は、その前面装飾部32が遊技盤10の前面に当接する位置まで、その周壁部34が役物組付孔13の前側から嵌挿される。そして、前面装飾部32の周縁部の複数箇所に設けられた取付孔を通してビス等が遊技盤10の前面にねじ込まれることで、装飾枠部材31が装着されるようになっている。
【0011】
図1に示すように、遊技盤10の裏面には、役物組付孔13の近傍において取付台51が装着されている。取付台51は、役物組付孔13の4周縁部に沿う上側枠部52、下側枠部53及び左右の側枠部54を備えて略方形の枠状に形成されている。この取付台51は、その左右の側枠部54から張り出された取付フランジ57、並びに下側枠部53の左右両端部寄りの取付部58において、ビス、タッカ等によって遊技盤10の裏面に装着されている。また、この実施の形態1において、取付台51の左右の側枠部54には、取付フランジ57の下方に連続して側部球誘導樋56が一体に張り出されている。この側部球誘導樋56には、一般入賞器21の入賞口に流入したパチンコ球を案内するための側部球誘導路55が形成されている。これによって、取付台51はパチンコ球を誘導する裏誘導樋としても機能するようになっている。
【0012】
取付台51には、その下側枠部53と左右の側枠部54とにわたって、役物装置に関連する役物装飾部材としての装飾ランプ65を備えた装飾用ランプ基板63を装着するための役物装飾用取付部が設けられている。この実施の形態1において、下側枠部53の略中央部及び左右の側枠部54の上部寄り部分の計3箇所に形成された取付用ボス61と、左右の側枠部54の下部寄り部分に形成された左右の両位置決め用ボス62によって役物装飾用取付部が構成されている。
【0013】
装飾用ランプ基板63は、取付台51の下側枠部53及び左右の側枠部54に沿って略U字状に形成されている。そして、装飾用ランプ基板63は、各取付用ボス61及び位置決め用ボス62上に設置されかつ位置決め用ボス62の位置決めピンによって位置決めされる。この状態において、図3に示すように、装飾用ランプ基板63を通してビス67が各取付用ボス61にそれぞれねじ込まれることで、装飾用ランプ基板63が位置決めされて装着されるようになっている。図1と図4に示すように、装飾用ランプ基板63の左右の両側板部63aには、装飾枠部材31の装飾レンズ35に覆われる位置において、左右各複数(図1では左右各4つ)の装飾ランプ65が組み付けられている。また、図1と図3に示すように、装飾用ランプ基板63の下板部63bには、保留球表示部36に対する複数(図1では4つ)の保留球表示ランプ(LED等も含む)66が組み付けられている。
【0014】
また、この実施の形態1において、取付台51には、装飾用ランプ基板63の裏面側に所要の間隔を隔てて図柄表示装置40を装着するための表示装置取付部が設けられている。この実施の形態1において、表示装置取付部は、コーナ壁部74、当接壁部75、取付用ボス71、位置決め用ボス72及び位置決め兼用押片73を備えている。
【0015】
コーナ壁部74は、図1に向かって左側の側枠部54の下端部と下側枠部53の左端部とのコーナ部において、図柄表示装置40の左下部を当接支持するように略L字状に突設されている。また、当接壁部75は、下側枠部53の図1に向かって右側において、図柄表示装置40の下面を当接支持するように略平板状に突設されている。取付用ボス71及び位置決め用ボス72は、コーナ壁部74及び当接壁部75の下面にそれぞれ隣接して突設されている。位置決め兼用押片73は、上側枠部52の中央部に突設され、その先端部には、図3に示すように、下方に向けて直角状に押部73aが形成されている。
【0016】
図柄表示装置40は、液晶表示器、ドットマトリクス表示器、7セグメント表示器等よりなり、その前面の表示面41には、抽選図柄(特別図柄)が表示されるようになっている。図1と図3に示すように、図柄表示装置40は、略方形に形成され、その上部の中央部には、位置決め兼用押片73の押部73aが差し込まれる凹部42が後側面から前側近傍にわたって凹設されている。また、図柄表示装置40の下面の左右両端部寄りには、取付用ボス71及び位置決め用ボス72の先端面に向けて張り出す左右一対の取付片43が略垂下状に形成されている。
【0017】
すなわち、図1と図3に示すように、図柄表示装置40は、その凹部42に位置決め兼用押片73の押部73aが差し込まれながら、図柄表示装置40の左下部のコーナ部がコーナ壁部74に当接されかつ同図柄表示装置40下面が当接壁部75に当接された状態で設置される。この状態で、図柄表示装置40の左右一対の取付片43が取付用ボス71及び位置決め用ボス72の先端面に押し当てられ、位置決め用ボス72の位置決めピンによって位置決めされる。ここで、左右一対の取付片43を通してビス77が各取付用ボス71にそれぞれねじ込まれることで、取付台51の表示装置取付部に図柄表示装置40が位置決めされて装着されるようになっている。図3と図4に示すように、取付台51の表示装置取付部に対し図柄表示装置40が装着されることで、その前面の表示面41の周縁部が、装飾枠部材31の周壁部34の先端部に当接する。この状態において、図柄表示装置40の表示面41が装飾枠部材31の開口窓33に露出され、開口窓33をとおして表示面41が視認可能となっている。
【0018】
また、この実施の形態1において、図1に示すように、取付台51には、その上側枠部52の上部の左右両端部に位置して風車用基板取付部が形成され、その取付部には風車器20を照明するためのランプを有する風車用ランプ基板81が装着されている。さらに、取付台51には、その側部球誘導樋56の後面の略中央部に位置して入賞器用基板取付部が形成され、その取付部には一般入賞器21を照明するためのランプを有する入賞器用ランプ基板83が装着されている。
【0019】
前記したように役物装飾用取付部、表示装置取付部等を備えた取付台51は、ABS樹脂等の合成樹脂の射出成形によって一体成形することが可能である。また、取付台51、装飾用ランプ基板63、風車用ランプ基板81、入賞器用ランプ基板83及び図柄表示装置40を一体状に組み付けて裏取付台ユニットを構成することも可能である。なお、図柄表示装置40は、遊技盤10の裏面に対し、取付台51が装着された後、その取付台51に装着することもできるし、あらかじめ、取付台51に装着することもできる。
【0020】
図5に示すように、遊技盤10の裏面には、取付台51の下方に隣接して下側誘導樋ユニット90が装着されている。この下側誘導樋ユニット90は、下部誘導樋91主体として構成されている。下部誘導樋91の左右両側部には、左右のサイド装飾部材26に設けられた入賞口に入ったパチンコ球及び前記した取付台51の側部球誘導路55を流下するパチンコ球を誘導案内する側部球誘導路92が形成されている。これら側部球誘導路92はその上端開口部が取付台51の側部球誘導路55の下端開口部にそれぞれ連通するとともに、側部球誘導路92の下端開口部は、図示しない裏セット機構の下部集合樋に連通している。
【0021】
下部誘導樋91の中央部には、始動入賞器22の入賞口に入ったパチンコ球を遊技盤10の裏面側において誘導案内するための中央球誘導路(図示しない)が形成されている。また、下部誘導樋91の裏面側の略中央部には、大小異なる大きさの2つの制御基板、この実施の形態1では、図示しないメイン制御基板に接続される大小異なる中継回路基板96、98を択一的あるいは共に装着するための中継基板取付部95、97がそれぞれ後方に向けて突出された状態で形成されている。中継基板取付部95又は97には、中継回路基板96又は98がそれぞれ位置決めされて装着されるようになっている。
【0022】
下部誘導樋91の中央部に装着された、中継回路基板96(又は中継回路基板98)にコネクタを介して延出された接続線の延出側の端末部にはコネクタプラグが設けれれている。そして、これら接続線の各コネクタプラグが、装飾用ランプ基板63、風車用ランプ基板81、入賞器用ランプ基板83及び図柄表示装置40にそれぞれ設けられたレセプタブルに対し差し込まれることで、中継回路基板96に対し、装飾用ランプ基板63、風車用ランプ基板81、入賞器用ランプ基板83及び図柄表示装置40がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。
【0023】
この実施の形態1は上述したように構成される。したがって、図1、図3及び図4に示すように、遊技盤10の裏面には、その役物組付孔13の周囲において取付台51が装着され、この取付台51の役物装飾用取付部としての各取付用ボス61及び位置決め用ボス62に対し、役物装飾部材としての複数の装飾ランプ65を有する装飾用ランプ基板63が位置決めされて装着される。このようにして、取付台51に対し装飾ランプ65を有する装飾用ランプ基板63が装着されることで、役物装置としての装飾枠部材31に対し、役物装飾部材としての装飾ランプ65を有する装飾用ランプ基板63を取り付ける必要性が解消される。このため、装飾用ランプ基板63の取り付けが原因となって装飾枠部材31が大型化する不具合を解消することができるとともに、遊技盤10の役物組付孔13が大きくなる不具合も解消することができる。
【0024】
また、装飾用ランプ基板63の大きさ、形状においては、役物組付孔13に制限されることなく設定可能となり、装飾用ランプ基板63の大きさ、形状等の設定の自由度が増大する。さらに、装飾用ランプ基板63を適宜に大きく形成することで、その装飾用ランプ基板63に対するランプ回路、回路素子、装飾ランプ65等の配設スペースの確保が容易となり、その配設の自由度が増大する。さらに、装飾用ランプ基板63に対し、視認し易い大きさの管理番号を付記するスペースの確保も容易となる。また、この実施の形態1において、図2と図3に示すように、装飾用ランプ基板63に対し保留球表示ランプ66を組み付けることでも、装飾枠部材31に対し保留球表示ランプ66を組み付けるスペースを確保する必要性を解消することができ、装飾枠部材31の小型化において有効である。
【0025】
また、遊技盤10の役物組付孔13に対し、その前側(表側)から装飾枠部材31が装着され、遊技盤10の裏面に対しては取付台51、装飾用ランプ基板63、図柄表示装置40を主体とする裏取付台ユニットが装着される。そして、装飾用ランプ基板63や図柄表示装置40対する配線接続作業において、中継回路基板96から延出された各接続線のコネクタプラグが装飾用ランプ基板63、図柄表示装置40等のレセプタブルに対し差し込まれることで、容易にかつ手早く正確に行うことができる。このように配線接続作業が遊技盤10の裏面側だけで処理できるのは、遊技盤10の表側で役物組付孔13に装飾枠部材31を差し入れる際に各接続線が邪魔にならない点でも好ましい。このため、パチンコ機1の組立工程において、遊技盤10の表側に対しては、装飾枠部材31を前記各接続線に関係することなく容易に行うことができる。この結果、遊技盤10の表側に対する装飾枠部材31等の各部品の組み付け作業と、遊技盤10の裏側に対する取付台51、装飾用ランプ基板63、図柄表示装置40等の各部品の組み付け作業とを平行して行うことが可能となり、1台のパチンコ機1の組み立てに要する時間を短縮化することができる。
【0026】
さらに、取付台51の表示装置取付部に対し図柄表示装置40が装着されることで、役物組付孔13よりも外形が大きい図柄表示装置40の組み付けが可能となる。言い換えると、装飾枠部材31に図柄表示装置40を取り付けた場合には、役物組付孔13の大きさを少なくとも図柄表示装置40よりも大きく形成する必要性が生じる。これに対し、取付台51に図柄表示装置40を装着することで、その図柄表示装置40に係わることなく役物組付孔13の大きさを設定可能となり、役物組付孔13を可及的に小さくすることができる。
【0027】
パチンコ遊技の際、遊技盤10の遊技領域12上に発射されたパチンコ球は誘導釘(図示しない)に誘導案内されながら遊技領域12の下方に向けて流れる。始動入賞器22の入賞口にパチンコ球が流入すると、そのパチンコ球がセンサによって検出され、その検出信号がメイン制御基板に送られる。すると、メイン制御基板から制御信号が図柄表示装置40に出力される。メイン制御基板から出力される制御信号に基づいて図柄表示装置40の表示面41に表示された図柄が変動し、設定時間後に停止する。これによって図柄表示装置40の表示面41には、制御信号に基づく図柄が表示される。
【0028】
図柄表示装置40の表示面41に表示された図柄、例えば、表示面41に表示された3つの図柄が「7」「7」「7」となって停止した場合、大当たりとなる。すると、アタッカー装置24の大入賞口25が開く。大入賞口25にパチンコ球が10個入るか、あるいは、30秒経過すると、大入賞口25は閉じる。大入賞口25の開放時において、その大入賞口25に設定されている特定領域にパチンコ球が入ると、大入賞口25は前記設定条件において、一旦閉じた後、再び開く。前記大入賞口25が最大16回、開閉を繰り返すことで、大当りのパチンコ遊技が終了する。
【0029】
また、前記したように大当たりとなった場合、装飾用ランプ基板63の装飾ランプ65を点滅させることで、その装飾ランプ65の点滅によって装飾枠部材31の開口窓33の両側部の装飾レンズ35が照明・非照明の状態となり、大当たり時のパチンコ遊技の迫力感や緊迫感等を増大させることができる。また、図柄表示装置40の表示面41に表示された3つの図柄のうち、2つの図柄が「7」「7」となって停止し、リーチ状態となったときに、装飾用ランプ基板63の装飾ランプ65を点滅させることで、遊技者に対し大当たりの期待感を増大させることができ、パチンコ遊技の面白味等を向上させることができる。
【0030】
また、パチンコ遊技の際、始動入賞器22の入賞口にパチンコ球が流入し、その検出信号がメイン制御基板に送られ最大で4個までメモリーされる。そして、そのパチンコ球のメモリー数に対応する数だけ装飾用ランプ基板63の保留球表示ランプ66が点灯される。この保留球表示ランプ66の点灯が、装飾枠部材31の保留球表示部36において確認可能となる。
【0031】
また、この実施の形態1において、取付台51には、一般入賞器21の入賞口に流入したパチンコ球を案内するための側部球誘導路55を有する側部球誘導樋56が一体に形成され、パチンコ球を誘導する裏誘導樋としても機能するようになっている。このため、遊技盤10の裏面に対し、一般入賞器21の入賞口に流入したパチンコ球を案内するための専用の裏誘導樋を個別に製作して配設する必要性が解消される。また、形式が異なるパチンコ機においては、その遊技盤の裏面に装着される取付台51の側部球誘導樋56に対応する位置に、入賞器が配設されないこともある。この場合においても、取付台51を使用することが可能であり、取付台51を共通化してコスト低減を図ることが可能となる。
【0032】
(実施の形態2)
次に、この発明の実施の形態2を図8と図9にしたがって説明する。図8と図9に示すように、この実施の形態2においても、遊技盤10の役物組付孔13に対し、その前側(表側)から役物装置としての装飾枠部材31が装着されている。また、遊技盤10の裏面には、取付台51、役物装飾部材としての装飾ランプ65を有する装飾用ランプ基板63、図柄表示装置40を主体とする裏取付台ユニットが装着されてる。
【0033】
装飾枠部材31の開口窓33を構成する周壁部34の左右の壁部の奥側端と、取付台51の左右の側枠部54との間において、その前側には、左右のワープ通路101を形成する左右のワープ樋100が配設され、その左右のワープ樋100の後側には、装飾レンズ35が配設されている。この装飾レンズ35は、装飾用ランプ基板63の左右の装飾ランプ65の側方及び前方を覆う側板部と前板部を備えて断面略L字状に形成されている。また、左右のワープ樋100と、装飾レンズ35は、それぞれ透明又は半透明の合成樹脂より形成されている。そして、左右のワープ樋100の前面は、装飾枠部材31の開口窓33の左右両側部においてそれぞれ視認可能に露出している。また、装飾レンズ35の前板部に対向する取付台51の左右の側枠部54の部分には、装飾ランプ65が発する光を装飾レンズ35の前板部に向けて反射する反射面54aが設けられている。
【0034】
また、この実施の形態2において、左右のワープ樋100及び左右の装飾レンズ35は、装飾枠部材31側に装着されている。また、左右のワープ樋100の上部は、装飾枠部材31の前面装飾部32の上部左右両側部までそれぞれ延出されて開口し、その開口部をワープ入口102としている。さらに、左右のワープ樋100の下部は、装飾枠部材31の開口窓33の左右両側部の下部まで延出されて開口し、その開口部をワープ出口103としている。この実施の形態2のその他の構成は、実施の形態1と略同様にして構成されるため、その説明は省略する。
【0035】
したがって、この実施の形態2においても、取付台51に対し装飾ランプ65を有する装飾用ランプ基板63が装着されることで、役物装置としての装飾枠部材31に対し、役物装飾部材としての装飾ランプ65を有する装飾用ランプ基板63を取り付ける必要性が解消される。このため、装飾用ランプ基板63の取り付けが原因となって装飾枠部材31が大型化する不具合を解消することができるとともに、遊技盤10の役物組付孔13が大きくなる不具合も解消することができる等の効果がある。
【0036】
特に、この実施の形態2において、装飾枠部材31の開口窓33の左右の壁部の奥側には、ワープ通路101をそれぞれ有する左右のワープ樋100が装着されている。このため、遊技盤10の裏側に左右のワープ通路を配設するスペースを確保する必要性が解消される。また、左右のワープ樋100は、透明又は半透明に形成され、その各前面は、装飾枠部材31の開口窓33の左右両側部においてそれぞれ視認可能に露出している。このため、ワープ樋100のワープ入口102からワープ通路101に流入したパチンコ球がワープ樋100を透してパチンコ機の前方から視認可能となる。すなわち、従来では、遊技盤10の裏側にワープ通路101が配設され、そのワープ通路101を流れるパチンコ球の存在が確認不能となる不具合があるのに対し、この実施の形態2では、その不具合が解消される。
【0037】
また、この実施の形態2において、左右のワープ樋100の後側に隣接して左右の断面略L字状の装飾レンズ35が装着されている。このため、装飾枠部材31を左右方向に拡大することなく電飾機能をもたせることが可能となり、装飾枠部材31が左右方向に大型化したり、役物組付孔13が左右方向に大きくなる不具合が生じない。また、パチンコ遊技の際、装飾用ランプ基板63の装飾ランプ65を点灯させることで、その装飾ランプ65の光が断面略L字状の装飾レンズ35の側板部及び前板部を透して出射される。この装飾レンズ35の前板部を透して出射される光によって左右のワープ樋100が照明されるため、ワープ通路101を流れるパチンコ球の存在がより一層明らかとなる。また、ワープ樋100が透光程度(透明度)が相当低い半透明材料で形成され、非照明の状態では、球の確認がほとんどできない場合であっても、装飾ランプ65で照明することによって、少なくとも球のシルエットが視認可能となる。
【0038】
また、パチンコ遊技の際、大当たりとなった場合、装飾用ランプ基板63の装飾ランプ65を点滅させることで、その装飾ランプ65の点滅によって装飾レンズ35の側板部及び前板部が照明・非照明の状態となり、大当たり時のパチンコ遊技の迫力感や緊迫感等を増大させることができる。さらに、リーチ状態となったときにも、装飾用ランプ基板63の装飾ランプ65を点滅させることで、遊技者に対し大当たりの期待感を増大させることができ、パチンコ遊技の面白味等を向上させることができる。
【0039】
なお、前記実施の形態1及び2において、役物装置が装飾枠部材31によって構成され、その開口窓33に対応する位置において、取付台51に図柄表示装置40が装着される場合を例示したが、これに限定するものではない。例えば、開閉動作可能な羽根部材を有する可変入賞式の役物装置であってもよい。また、役物装置に関連する役物装飾部材としては、装飾ランプ65、LED等の装飾用照明具に限定するものではない。例えば、可動リーチ棒、可動キャラクタ部材等の役物装飾部材であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、役物装置に関連する役物装飾部材を遊技盤の裏面側に装着可能にすることで、役物装置自体の大型化や、役物組付孔の大型化を抑制することができる。このため、遊技盤の遊技領域に対する他の入賞器、風車器、誘導釘等の配設の自由度が損なわれたり、遊技盤の強度が低下される等の不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の取付台に対する装飾用ランプ基板、図柄表示装置等の配設状態を示すパチンコ機の裏面側から示す背面図である。
【図2】同じく役物装置としての装飾枠部材と、役物装飾部材としての装飾ランプとの関係をパチンコ機の表面側から示す正面図である。
【図3】同じく図2のIII−III線に基づく断面図である。
【図4】同じく図2のIV−IV線に基づく断面図である。
【図5】同じく遊技盤の裏面に対する取付台及び下側誘導樋ユニットの配設状態を示す遊技盤の背面図である。
【図6】同じくパチンコ機全体を示す正面図である。
【図7】同じく遊技盤に対する役物組付孔並びに各種の組付孔の配設状態を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2の役物装置としての装飾枠部材と、役物装飾部材としての装飾ランプとの関係をパチンコ機の表面側から示す正面図である。
【図9】同じく図8のIX−IX線に基づく断面図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機
10 遊技盤
12 遊技領域
13 役物組付孔
22 始動入賞器
31 装飾枠部材(役物装置)
33 開口窓
34 周壁部
35 ランプカバー部
36 保留球数表示部
40 図柄表示装置
41 表示面
51 取付台
52 上側枠部
53 下側枠部
54,54 側枠部
55,55 側部球誘導路
56,56 側部球誘導樋
61,62 ボス
63 装飾用ランプ基板
65 装飾ランプ(装飾用照明具)
66 保留球数表示ランプ
71,71 取付用ボス
73 押片

Claims (1)

  1. 遊技盤の遊技領域内に孔明け加工により貫設された役物組付孔の前側から役物装置として図柄透視用の開口窓を形成した装飾枠部材が装着される一方、遊技盤の裏側に前記開口窓の後方に整合する開口部を形成してパチンコ球誘導用の裏誘導樋として機能する枠形状の取付台が前記役物組付孔の開口外周囲に亘り装着され、この取付台の前記開口部に合わせた後側位置に図柄表示装置がその表示面を前記開口窓に臨ませた縦向き状態で着脱可能に装着され、さらに、遊技盤の遊技領域内に前記図柄表示装置の図柄を変動させる始動入賞器を設けてなるパチンコ機において、
    前記装飾枠部材では、前記役物組付孔内に嵌合される方形状の周壁部内に前記開口窓が区画形成されるとともに、前記周壁部の左右両側壁部の後端から内向きに張り出して後ろ向きに屈曲する断面略L字形に形成された透明又は半透明な装飾レンズが取着され、また、前記周壁部の下壁部には前記始動入賞器への入賞個数を特定数だけ表示させるための保留球数表示部が段差状に形成されており、
    前記取付台では、上側枠部と下側枠部と左右の側枠部により前記装飾枠部材の開口窓の後方に整合する開口部が形成されるとともに、左右の側枠部の外側にセーフ球用の側部球誘導路を有する側部球誘導樋が一体に形成される一方、上側枠部の中央部裏側に、前記図柄表示装置の上辺中央部を押込み係合する位置決め兼用の押片が形成されるとともに、下側枠部の左部と右部に、前記図柄表示装置の下側左部と下側右部を夫々ビス着固定するための取付用ボスが形成されており、
    前記取付台の開口部に沿った左右縁部及び下縁部に亘り前記図柄表示装置に対する装飾照明部材が起立状態で着脱可能に装着され、
    この装飾照明部材は、
    前記取付台の下側枠部及び左右の側枠部に沿って略U字状に形成され、取付台の左右縁部及び下縁部に夫々形成されたボスにビス着固定されて前記装飾レンズと前記保留球数表示部の後側に位置する装飾用ランプ基板と、
    該装飾用ランプ基板の左右の縦片部の前側に互いの先端が向かい合う横向き状態で配置接続された複数個の装飾ランプと、
    前記装飾用ランプ基板の下横片部の前側に前向き状態で配置接続された複数個の保留球数表示ランプとを有し、
    前記左右の装飾ランプが前記装飾レンズの左側縁と右側縁に夫々指向した状態で照明し得るとともに、前記保留球数表示ランプが前記装飾レンズの下辺部に形成された保留球数表示部の後側に指向した状態で照明し得るように構成したことを特徴とするパチンコ機。
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