JP4515623B2 - L形同軸プラグコネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同軸ケーブルの先端に設けられるL形同軸プラグコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のL形同軸プラグコネクタでは、図5に示すように、内部に同軸ケーブル200を固定するための固定片110が収納された保護ケース部300と、円筒形状をした円筒電極104、及び円筒電極104の軸中心に配置されたコンタクトピン102からなるプラグ部100とを備え、プラグ部100の軸方向と固定片110により固定される同軸ケーブル200の軸方向とが互いに直交するように、プラグ部100が配置されている。
【0003】
そして、プラグ部100を構成する円筒電極104と同軸ケーブル200の外部導体204との接続は、同軸ケーブル200にて外部導体204が露出された外部導体露出部分206に加締められる加締め部112が先端に設けられた金属製の固定片110を、円筒電極104の後端部(即ち、相手コネクタと接続される先端側とは反対側の端部)に、その円筒電極104に対して直角に伸びるように取り付けておき、その固定片110の加締め部112を、同軸ケーブル200の外部導体露出部分206に加締めるようにしていた。そして、プラグ部100を構成するコンタクトピン102と同軸ケーブル200の中心導体202との接続は、円筒電極104の後端部から突出したコンタクトピン102の後端部に設けられた端子(図示せず)に、同軸ケーブル200の先端から伸びた中心導体202をネジ止めする等して接続するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のL形同軸プラグコネクタでは、保護ケース部300の内部において、同軸ケーブル200の中心導体202が外部導体204に覆われておらず、非シールド状態となっている。このため、外来ノイズを中心導体202及びコンタクトピン102に混入させてしまい易く、また逆に、中心導体202及びコンタクトピン102に伝送される高周波信号に起因した放射ノイズを、外部の電子機器などに与えてしまい易くなる。特に、近年では、数GHz(ギガヘルツ)帯のデジタル衛星放送が広く普及しつつあり、このようなデジタル衛星放送の高周波信号を屋内配線側のコネクタからテレビチューナ側のコネクタへ伝送させるために、上記従来のL形同軸プラグコネクタ付きの中継用同軸ケーブルを用いたならば、受信レベルの悪化を招く可能性が大きい。
【0005】
そこで、本発明は、電磁シールド性に優れたL形同軸プラグコネクタを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明のL形同軸プラグコネクタは、同軸ケーブルを固定するケーブル固定部と、ケーブル固定部に固定された同軸ケーブルの中心導体と導通する金属製のコンタクトピン、及びコンタクトピンが軸中心に位置するよう配置され、同軸ケーブルの外部導体と導通する金属製の円筒電極からなるプラグ部と、同軸ケーブルとプラグ部との接続部分を保護する絶縁性の保護ケース部とを備えており、プラグ部は、ケーブル固定部に固定された同軸ケーブルの軸方向に対して直交する方向に向けて保護ケース部から突設されている。
【0007】
そして、特に本発明のL形同軸プラグコネクタでは、ケーブル固定部が、包囲部材と締付部材とからなり、同軸ケーブルの中心導体を保護する保護層と外部導体との間に包囲部材を挿入し、この包囲部材を、該包囲部材が挿入された同軸ケーブルと共に外周側から締付部材によって締め付けることにより、同軸ケーブルを当該コネクタに固定すると共に、包囲部材と外部導体とを密着させ、両者を確実に導通させるよう構成されている。
【0008】
しかも、ケーブル固定部の包囲部材及びプラグ部の円筒電極は、一端が包囲部材として使用され、他端が円筒電極として使用される外形L字型の筒状体からなる外部導体金具により構成されており、この外部導体金具の中空部分には、コンタクトピンを円筒電極の軸中心に保持すると共に、ケーブル固定部に固定された同軸ケーブルの中心導体を、コンタクトピンと当接する位置に導くガイド孔が形成された外形L字形の絶縁性のスペーサが保持されている。
【0009】
更に、保護ケース部から突設されたケーブル固定部、及び該ケーブル固定部に固定された同軸ケーブルの固定端近傍を、保護部材が包囲するようにされている。
このように、本発明のL形同軸プラグコネクタによれば、同軸ケーブルの中心導体とプラグ部のコンタクトピンとの接続を行うスペーサ、即ち同軸ケーブルの先端部から露出してコンタクトピンに接続される中心導体は、同軸ケーブルの外部導体と同電位になる外部導体金具により完全に包囲されるため、優れた電磁シールド効果を得ることができる。その結果、外来ノイズが中心導体及びコンタクトピンを介して伝送される信号に混入したり、また逆に、中心導体及びコンタクトピンを介して伝送される高周波信号に起因した放射ノイズを、外部の電子機器などに与えてしまうことを確実に低減することができる。
【0010】
また、本発明のL形同軸プラグコネクタによれば、ケーブル固定部への同軸ケーブルの固定端が、保護部材にて包囲されているため、この固定端に同軸ケーブルを屈曲させようとする力が集中することを防止でき、その結果、固定端での中心導体や外部導体の破損(断線)を防止することができるだけでなく、同軸ケーブルの固定端や締付金具が、外部に露出することがないので、装置の見栄えを向上させることができる。
また更に、本発明のL型同軸プラグコネクタでは、外部導体金具が、面対称な形状に半割してなる一対のシールド片からなると共に、保護ケース部が、保護ケース部内からプラグ部を外部に露出させるために設けた挿通孔が一方の側に位置するよう半割された一対のケース片からなり、外部導体金具のプラグ部の外径と挿通孔の孔径とを同寸法に形成されている。
このため、本発明のL型同軸プラグコネクタによれば、一対のシールド片からなる外部導体金具の合わせ部が確実に閉じられるため、プラグ部での保持力や外部導体金具のシールド効果を良好に保つことができる。
【0011】
なお、保護部材は、請求項2記載のように、同軸ケーブルを挿通可能な筒状に形成されていることが望ましい。また、その材質としては、同軸ケーブルの固定端を保護できる程度の強度を有していれば樹脂製,金属製又はその他のものであってもよく、例えば熱収縮チューブ等を用いてもよい。
【0012】
そして、このように保護部材を筒状に形成した場合、請求項3記載のように、保護部材の一端,及び保護ケース部のケーブル固定部が突出した部分の周縁部に、保護部材と前記保護ケース部とを一体化するための係合部を形成することが望ましい。この場合、予め保護部材に挿通させた同軸ケーブルを、ケーブル固定部に固定し、その後、同軸ケーブルに沿って保護部材を保護ケース部に当接するまで移動させ、係合部を係合させるだけで、保護部材を、保護ケース部と簡単に一体化させることができる。
【0013】
但し、締付部材が、部分的にでも同軸ケーブルの外周から大きく突出していると、締付部材を保護部材の内部に収納することが困難になるため、締付部材は、請求項4記載のように、締付後の外周形状が多角形となるものであることが望ましい。
【0015】
また、コンタクトピンは、スペーサに埋め込んだ状態で一体に成形してもよいが、これらを別体に構成する場合には、請求項5記載のように、スペーサを、面対称な形状に半割してなる一対のスペーサ片にて構成し、中空に形成された内部には、コンタクトピンと係合してコンタクトピンを位置決めする係合突起を形成すればよい。この場合、スペーサ内の所定位置にコンタクトピンが配置された状態に簡単に組み立てることができる。
【0016】
更に、請求項6記載のように、上述の一対のケース片,及び一対のスペーサ片を、それぞれの組合せ相手との当接面に形成された凹凸を互いに係合させることで一体に固着されるよう構成すれば、各部品を接着剤等を用いることなく、簡単且つ精度よく組み立てることができる。
【0017】
また、請求項7記載のように、上述一対のケース片,及び一対のスペーサ片を、それぞれヒンジを介して一体に形成すれば、部品点数を減らすことができ、部品の管理や組立作業を容易化できる。
ところで、コンタクトピンには、請求項8記載のように、ガイド孔に導かれた中心導体を挟持して、中心導体との導通を図る挟持部が一体に形成されていることが望ましい。この場合、中心導体とコンタクトピンとの導通をより確実なものとすることができるため、装置の信頼性を向上させることができる。
【0018】
また、円筒電極は、保護ケース部から露出していてもよいが、請求項9記載のように、保護ケース部を、円筒電極の外周面を被覆する形状に形成することが望ましい。この場合、円筒電極のバネ性が強化されるため、ジャックに装着された際の保持力を、より一層向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のL形同軸プラグコネクタ各部の正面図(破断面を含む)であり、図2は、本体各部の構成を表す斜視図、図3は、同軸ケーブルに装着した時の外観及び内部構造を表す図であり、(a)は平面図、(b)はそのa−a断面図、(c)は底面図、(d)側面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のL形同軸プラグコネクタ(以下、単に「プラグコネクタ」という)は、同軸ケーブルの固定に用いるケーブル包囲部2、円筒状に形成された円筒電極4a及びその軸中心に配置されたコンタクトピン4bからなるプラグ部4、ケーブル包囲部2とプラグ部4との接続部分を保護する樹脂製の保護ケース部6からなるプラグ本体8と、ケーブル包囲部2を用いて同軸ケーブルを固定する際に、ケーブル包囲部2を外周から加締めるために用いられるリング状に形成されたフェルール10と、同軸ケーブルを挿通可能な筒状に形成され、ケーブル包囲部2,フェルール10により固定された同軸ケーブルの固定端を包囲する保護部材としてのブーツ11とからなる。
【0021】
そして、ケーブル包囲部2とプラグ部4とは、その保護ケース部6からの突出方向が互いに直交するように配置されており、ケーブル包囲部2の先端の外周面には、このケーブル包囲部2に取り付けられた同軸ケーブルをフェルール10にて加締めた時に、フェルール10がケーブル包囲部2から脱落することを防止するためのフランジ2aが設けられている。
【0022】
また、ブーツ11の一端には、その内周面に向けて突出した突条11aが設けられており、一方、保護ケース部6には、ケーブル包囲部2が突出した側の端部の外周面に、ブーツ11の突条11aと係合して、ブーツ11をプラグ本体8に固定するための係合溝7が形成されている。
【0023】
なお、ケーブル包囲部2が本発明における包囲部材、フェルール10が締付部材に相当し、両者を合わせたものがケーブル固定部に相当する。また、突条11a及び係合溝7が本発明における係合部に相当する。
図2及び図3(b)に示すように、ケーブル包囲部2とプラグ部4の円筒電極4aとは、外形がL字形の筒状体を構成する金属製(例えば、黄銅製)の外部導体金具12により一体に構成されており、保護ケース部6に外部導体金具12を収納した際に、保護ケース部6から突出する外部導体金具12の両端部分が、それぞれケーブル包囲部2、及び円筒電極4aとして用いられている。但し、外部導体金具12は、自身を面対称な形状に半割してなる一対のシールド片12a,12bにより構成されている。
【0024】
そして、外部導体金具12のケーブル包囲部2側の端部では、先端の内径が同軸ケーブルの中心導体を保護する絶縁性の保護層の直径とほぼ同じ大きさに形成され、先端から離れるほど内径が除々に大きくなるように形成されている。
次に、外部導体金具12内の中空部分には、コンタクトピン4bの根本部分を保持し、コンタクトピン4bが円筒電極4aの軸中心に位置するよう保持するための絶縁材料からなるスペーサ14が設けられている。このスペーサ14は、外部導体金具12の内部形状に従って、ケーブル包囲金具2側にも延設されL字形に屈曲した形状をしており、このケーブル包囲部2側に延設された部分には、ケーブル包囲部2に固定される同軸ケーブルの中心導体を挿通し、この中心導体をコンタクトピン4bの根本部分に導くガイド孔16が形成されている。
【0025】
また、スペーサ14に保持されるコンタクトピン4bの根本部分には、ガイド孔16を介して導かれた中心導体を挟持する挟持部18が一体に形成されている。
そして、スペーサ14は、外部導体金具12と同様に、自身を面対称な形状に半割してなる一対のスペーサ片14a,14bからなり、両者はヒンジ14cを介して一体に連結され、開閉自在に構成されていると共に、両スペーサ片14a,14bを閉じた時に互いに当接する当接面には、互いの合わせ位置を決定すると共に、両スペーサ片14a,1bを閉じた状態を保持するための互いに係合する複数対のピン(凸部)と穴(凹部)とが形成されている(図示せず)。また、一方のスペーサ片14bには、コンタクトピン4bを決められた位置に保持するための係合突起20が形成されている。
【0026】
次に、保護ケース部6は、プラグ部4の突出方向を上下方向として、上下に2分割してなる一対のケース片6a,6bからなり、両者はヒンジ6cを介して一体に連結され、開閉自在に構成されている。そして、両ケース片6a,6bの長手方向の一端には、ケース片6a,6bを閉じた時に、外部導体金具12のケーブル包囲部2側端部を挿通するための挿通孔を形成する半円形の切欠き部22がそれぞれ形成されている。また、一方のケース片6bには、外部導体金具12のプラグ部4側端部を挿通するための挿通孔24が形成されており、この挿通孔24の内径は、外部導体金具12のプラグ部4側端部(即ち円筒電極4a)の外径と同じ大きさに形成されている。更に、両ケース片6a,6bを閉じた時に互いに当接する当接面には、互いの合わせ位置を決定すると共に、ケース片6a,6bを閉じた状態に保持するための互いに係合する4対のピン26と穴28とが設けられている。
【0027】
このように構成された本実施形態のプラグコネクタのうち、プラグ本体8は、次のようにして組み立てられる。
まず、挟持部18が一体に形成されたコンタクトピン4bを、スペーサ片14aの係合突起20に沿って配置することでスペーサ14に固定し、この状態で両スペーサ片14a,14bを閉じ合わせて固定することにより、スペーサ14にコンタクトピン4bを保持させる。
【0028】
次に、このスペーサ14を挟み込むようにしてシールド片12a,12bを閉じ合わせることにより、外部導体金具12内にスペーサ14を保持する。
最後に、この外部導体金具12のプラグ部4側端を、ケース片6bに形成された挿通孔24にケースの内側から外側に向けて挿通させた後、両ケース片6a,6bを閉じ合わせることで、図1に示すプラグ本体8が組み立てられる。
【0029】
ここで、プラグ本体8への同軸ケーブル200の組み付け手順について説明する(図3(b)参照)。
まず、同軸ケーブル200にフェルール10及びブーツ11を挿通させ、プラグコネクタが固定される側の先端に、中心導体202を露出させる。
【0030】
その後、その同軸ケーブル200の中心導体202及び絶縁層203がケーブル包囲部2によって包囲されるように、ケーブル包囲部2を、同軸ケーブルの端面から絶縁層203と外部導体204との間に挿入する。但し、絶縁層203と外部導体204との間にアルミ箔テープ等からなるシールド層が形成されている場合には、このシールド層と外部導体204との間にケーブル包囲部2を挿入する。
【0031】
この時、同軸ケーブル200の先端に露出した中心導体202を、外部導体金具12内部のスペーサ14に形成されたガイド孔16に挿入して、挟持部18に挟持させる。これにより、中心導体202とコンタクトピン4bとの導通が確立する。
【0032】
なお、この作業は、プラグ本体8が組上がった状態で行ってもよいし、分解された状態で、その組立と並行して行ってもよい。
次に、フェルール10を、同軸ケーブル200に沿って移動させ、ケーブル包囲部2が挿入された同軸ケーブル200の端部の外周部分に配置し、リング部分の内径が小さくなるように加締めを行う。但し、この加締めの際には、フェルール10の一部が特別に突出しないように、特別の冶具を用いて外周形状が多角形となるように変形させる。
【0033】
これにより、同軸ケーブル200は、絶縁層203がケーブル包囲部2の外壁に接触した状態で締め付けられ、ケーブル包囲部2の先端部に強力に保持されると共に、外部導体204と外部導体金具12、ひいては円筒電極4aとの導通が確立する。
【0034】
最後に、ブーツ11を同軸ケーブルに沿ってプラグ本体8側に移動させ、ブーツ11の突条11aと、保護ケース部6に形成された係合溝7とを係合させることにより、ブーツ11をプラグ本体8と一体化させる。これにより、図3に示すように、同軸ケーブル200の固定端やフェルール10は、ブーツ11によって包囲された状態となる。
【0035】
なお、ここでは、組み付け対象の同軸ケーブル200の絶縁層203と外部導体204との間にケーブル包囲部2を挿入しているが、予め組み付け対象の同軸ケーブル200を、中心導体202と外部導体204とがその順に露出するよう剥離加工を施しておき、同軸ケーブル200の外部導体露出部分を、ケーブル包囲部2の内部に挿入し、ケーブル包囲部2の外周面にフェルール10を直接接触させた状態で加締めを行うことにより組み付けてもよい。
【0036】
以上説明したように本実施形態のプラグコネクタでは、プラグ部4の円筒電極4aとしても用いられる外部導体金具12が、同軸ケーブル200の外部導体204に密着してこれと同電位になり、同軸ケーブル200の先端部から露出してコンタクトピン4bに接続される中心導体202を完全に包囲することになるため、優れた電磁シールド効果が得られる。
【0037】
また、本実施形態のプラグコネクタでは、外部導体金具12のプラグ部4側端部の外径と、これを挿通する挿通孔24の孔径とが同寸法とされているので、一対のシールド片12a,12bを組合せてなる外部導体金具12の合わせ部を、強力に密着させることができ、プラグ部4での保持力や外部導体金具12のシールド効果を良好に保つことができる。
【0038】
更に、本実施形態のプラグコネクタでは、プラグ本体8への同軸ケーブル200の固定端が、ブーツ11にて包囲されているため、この固定端に同軸ケーブル200を屈曲させようとする力が集中することを防止でき、その結果、固定端での中心導体202や外部導体204の破損(断線)を防止することができるだけでなく、同軸ケーブル200の固定端やフェルール10が、外部に露出することがないので、当該プラグコネクタの見栄えを向上させることができる。
【0039】
また更に、本実施形態のプラグコネクタでは、保護ケース部6が円筒電極4aの外周面を被覆するように構成されているため、円筒電極4aが外周方向に向けて変形した時に、これに抗して元の形状に戻ろうとするバネ性が強化される。従って、当該プラグコネクタをジャックに装着した際に、円筒電極4aがジャックを強力に保持し、ジャックから外れにくくなるため、使用時の信頼性を向上させることができる。
【0040】
また、本実施形態のプラグコネクタでは、スペーサ14,保護ケース部6を、開閉自在な構成とするために一対の部材で構成しているが、いずれもヒンジを介して一体成形されているため、部品点数が少なく、部品の管理や組立作業を容易に行うことができる。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、ケーブル包囲部2の形状は、単純な円筒形に限らず、同軸ケーブルの挿入を容易にしたり、フェルール10を装着した時の同軸ケーブルの外部導体204との密着性を向上させるため、図4(a)に示すケーブル包囲部32のように、先端部分に切れ目32aを設け、先端部分の弾性力を向上させたものを用いてもよい。
【0042】
また、例えば、同軸ケーブルの剥離加工状態を表す姿図(好ましくは実寸大の姿図)やその加工寸法を、ケース片6a,6bの側面に予め形成しておくようにしてもよい。そして、このようにすれば、使用者は、取扱説明書を見ることなく同軸ケーブルを正しく加工することができるようになり、その作業性を向上することができる。
【0043】
更に、上記実施形態では、保護ケース部6から円筒電極4aの外周面が保護ケース部6によって被覆されているが、図4(b)に示すように、保護ケース部6から円筒電極4aを露出させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のL形同軸プラグコネクタの破断図を含む外観図である。
【図2】 プラグ本体の詳細構成を表す斜視図である。
【図3】 実施形態のL形同軸プラグコネクタが同軸ケーブルに固定された状態を表す平面図,断面図,背面図,側面図である。
【図4】 他の実施形態の構成を表す説明図である。
【図5】 従来のL形同軸プラグコネクタとその問題を説明する説明図である。
【符号の説明】
2,32…ケーブル包囲部、2a…フランジ、4…プラグ部、4a…円筒電極、4b…コンタクトピン、6…保護ケース部、6a,6b…ケース片、6c,14c…ヒンジ、7…係合溝、8…プラグ本体、10…フェルール、11…ブーツ、11a…突条、12…外部導体金具、12a,12b…シールド片、14…スペーサ、14a,14b…スペーサ片、16…ガイド孔、18…挟持部、20…係合突起、22…切欠き部、24…挿通孔、26…ピン、28…穴、32a…切れ目、200…同軸ケーブル、202…中心導体、203…絶縁層、204…外部導体
Claims (9)
- 同軸ケーブルを固定するケーブル固定部と、
該ケーブル固定部に固定された同軸ケーブルの中心導体に接続される金属製のコンタクトピン、及び該コンタクトピンが軸中心に位置するよう配置され、前記同軸ケーブルの外部導体に接続される金属製の円筒電極からなるプラグ部と、
前記同軸ケーブルと前記プラグ部との接続部分を保護する絶縁性の保護ケース部と
を備え、前記プラグ部の軸方向と前記ケーブル固定部に固定された同軸ケーブルの軸方向とが互いに直交するよう配置されたL形同軸プラグコネクタであって、
前記ケーブル固定部は、前記保護ケース部から突設され、前記同軸ケーブルの中心導体を保護する保護層と外部導体との間に挿入される金属製の包囲部材と、該包囲部材を、該包囲部材が挿入された同軸ケーブルと共に外周側から締め付けて、該包囲部材と前記同軸ケーブルの外部導体とを密着させる締付部材とからなり、
前記ケーブル固定部の包囲部材及び前記プラグ部の円筒電極は、一端が前記包囲部材として使用され、他端が前記円筒電極として使用される外形L字型の筒状体からなる外部導体金具により構成され、
該外部導体金具の中空部分には、前記コンタクトピンを前記円筒電極の軸中心に保持すると共に、前記ケーブル固定部に固定された同軸ケーブルの中心導体を、前記コンタクトピンと当接する位置に導くガイド孔が形成された外形L字形の絶縁性のスペーサが保持され、
更に、前記ケーブル固定部、及び該ケーブル固定部に固定された同軸ケーブルの固定端近傍を包囲する保護部材を設け、
また更に、前記外部導体金具は、該外部導体金具を面対称な形状に半割してなる一対のシールド片からなると共に、
前記保護ケース部は、該保護ケース部内から前記プラグ部を外部に露出させるために設けた挿通孔が一方の側に設けられるよう該保護ケース部を半割してなる一対のケース片からなり、
前記外部導体金具の円筒体側端部の外径と前記挿通孔の孔径とを同寸法に形成したことを特徴とするL形同軸プラグコネクタ。 - 前記保護部材は、同軸ケーブルを挿通可能な筒状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のL形同軸プラグコネクタ。
- 前記保護部材の一端、及び前記保護ケース部の前記ケーブル固定部が突出した部分の周縁部に、前記保護部材と前記保護ケース部とを一体化するための係合部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のL形同軸プラグコネクタ。
- 前記締付部材は、締付後の外周形状が多角形となることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載のL形同軸プラグコネクタ。
- 前記スペーサは、該スペーサを面対称な形状に半割してなる一対のスペーサ片からなり、中空に形成された内部には、前記コンタクトピンと係合して該コンタクトピンを位置決めする係合突起が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載のL形同軸プラグコネクタ。
- 前記一対のケース片,及び一対のスペーサ片は、それぞれの組合せ相手との当接面に形成された凹凸を互いに係合させることにより、一体に固着されていることを特徴とする請求項5記載のL形同軸プラグコネクタ。
- 前記一対のケース片,及び一対のスペーサ片は、それぞれヒンジを介して一体に形成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のL形同軸プラグコネクタ。
- 前記コンタクトピンには、前記ガイド孔に導かれた前記中心導体を挟持する挟持部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7いずれか記載のL形同軸プラグコネクタ。
- 前記保護ケース部は、前記円筒電極の外周面を被覆する形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8いずれか記載のL形同軸プラグコネクタ。
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