JP4248669B2 - L形同軸プラグコネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同軸ケーブルの先端に設けられるL形同軸プラグコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のL形同軸プラグコネクタは、同軸ケーブルの中心導体に接続された金属製のコンタクトピンと、同軸ケーブルの外部導体に接続されると共に、上記コンタクトピンを内部の絶縁性スペーサ(誘電体)によって自己の軸中心位置に保持する金属製の円筒とからなるプラグ部を、同軸ケーブルの先端にて、その同軸ケーブルの軸方向に対し直交する方向に配置して備えている。そして、上記プラグ部は、その根本が同軸ケーブルの先端部と一緒に射出成形の樹脂でモールドされることにより、同軸ケーブルの先端部に保持固定される。
【0003】
ここで、図3に示すように、この種のL形同軸プラグコネクタにおいて、プラグ部100を構成する円筒104と同軸ケーブル200の外部導体204との接続は、同軸ケーブル200にて外部導体204が露出された外部導体露出部分206に加締められる加締め部112が先端に設けられた金属製の接続片110を、円筒104の後端部(即ち、相手コネクタと接続される先端側とは反対側の端部)に、その円筒104に対して直角に伸びるように取り付けておき、その接続片110の加締め部112を、同軸ケーブル200の外部導体露出部分206に加締めるようにしていた。そして、プラグ部100を構成するコンタクトピン102と同軸ケーブル200の中心導体202との接続は、円筒104の後端部から突出したコンタクトピン102の後端部を、同軸ケーブル200の先端から伸びた中心導体202に半田付けや電気溶接などによって接続するようにしていた。
【0004】
尚、図3において、一点鎖線で囲んだ符号300の部分は、前述の射出成形による樹脂製の保護カバーであり、その保護カバー300によって、当該L形同軸プラグコネクタの内部が湿気やほこりなどから保護されると共に、プラグ部100が同軸ケーブル200の先端部にしっかりと保持固定される。
【0005】
また、図3に示した接続片110と同様の接続片を、円筒104の後端部からその軸方向に真っ直ぐ伸びるように取り付けておき、その接続片の加締め部を同軸ケーブル200の外部導体露出部分206に加締めた後で、その接続片を直角に折り曲げる場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のL形同軸プラグコネクタでは、保護カバー300があるために外観からでは分からないが、同軸ケーブル200の中心導体202が外部導体204に覆われない非シールド状態となっている。このため、外来ノイズを中心導体202及びコンタクトピン102に混入させてしまい易く、また逆に、中心導体202及びコンタクトピン102に伝送される高周波信号に起因した放射ノイズを、外部の電子機器などに与えてしまい易くなる。特に、近年では、数GHz(ギガヘルツ)帯のデジタル衛星放送が広く普及しつつあり、このようなデジタル衛星放送の高周波信号を屋内配線側のコネクタからテレビチューナ側のコネクタへ伝送させるために、上記従来のL形同軸プラグコネクタ付きの中継用同軸ケーブルを用いたならば、受信レベルの悪化を招く可能性が大きい。
【0007】
一方、実公平2−12691号公報には、プラグ部を構成する円筒と同軸ケーブルの外部導体とを接続させるための接続片の形状として、円筒とは反対側の先端に、同軸ケーブルの内部誘電体(内部絶縁体)と外部導体との間に挿入される円筒状の外部導体圧着受部が設けられると共に、その外部導体圧着受部と円筒との間の所定箇所を直角に折り曲げた際に、同軸ケーブルの先端から伸びた中心導体を包囲する空間ができ、更に、上記外部導体圧着受部の手前に上記空間を閉じるための蓋部が設けられたものとすることが記載されている。尚、上記公報では、このような接続片と円筒とを一体化し、それを外筒シェルと称している。
【0008】
そして、上記公報に記載のL形同軸プラグコネクタでは、図3に示したプラグコネクタのように中心導体が完全な非シールド状態とはならないものの、接続片を所定箇所で直角に折り曲げることにより中心導体を覆うシールド壁が形成されるようにしているため、そのシールド壁を全周に亘って同電位にすることができず、しかも、折り曲げによる隙間が生じるため、十分な電磁シールド性を得ることができない。
【0009】
そこで、本発明は、電磁シールド性に優れたL形同軸プラグコネクタを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた本発明のL形同軸プラグコネクタは、中心導体と外部導体とがその順に露出された同軸ケーブルの先端部に設けられるものであり、同軸ケーブルの軸方向に対してほぼ直角に屈曲した前記中心導体の先端に接続された金属製のコンタクトピンと、該コンタクトピンを軸中心位置に収容すると共に、前記同軸ケーブルの外部導体に接続される金属製の円筒と、からなるプラグ部を、前記同軸ケーブルの軸方向に対して直交する方向に備える。
【0011】
ここで特に、本発明のL形同軸プラグコネクタは、一対の絶縁性部材と、金属製の一対のシールドカバー部材とを備えている。
一対の絶縁性部材の各端面には、前記中心導体及び該中心導体に接続された前記コンタクトピンの根本部分を埋設可能な保持溝が夫々形成されており、この一対の絶縁性部材は、前記保持溝に前記中心導体及び前記コンタクトピンの根本部分を埋設した状態で互いの前記端面が合わせられることにより、前記円筒に挿通されて前記コンタクトピンを前記円筒の軸中心位置に保持させる円柱部と、該円柱部の後端面から伸びて前記中心導体を包囲するL字状の脚部とからなる絶縁性のスペーサを成す。また、一対のシールドカバー部材は、互いの端面が合わせられることにより、前記同軸ケーブルにて前記外部導体が露出された外部導体露出部分に各自の内面が密着した状態で、該外部導体露出部分と前記スペーサの脚部とを包囲する。
【0012】
そして更に、本発明のL形同軸プラグコネクタは、加締め部とカバー部とからなる金属製の連結保持部材を備えている。
この連結保持部材の加締め部は、断面形状が前記一対のシールドカバー部材を包囲可能なU字状に形成されており、前記同軸ケーブルの外部導体露出部分と前記スペーサの脚部とが前記一対のシールドカバー部材により包囲された状態で、該一対のシールドカバー部材に加締められる。また、連結保持部材のカバー部は、加締め部の前記同軸ケーブルにおける先端側の端部から、該加締め部の軸方向に対して直交する方向へ延出しており、その先端部が、前記円筒にて前記スペーサの円柱部が挿通される方の後端部に嵌合される。
【0013】
そして、本発明のL形同軸プラグコネクタでは、連結保持部材の加締め部を前記一対のシールドカバー部に加締めると共に、連結保持部材のカバー部の先端部と前記円筒の後端部とを嵌合させることにより、同軸ケーブルの外部導体と前記円筒との接続と、前記中心導体の前記シールドカバー部材による電磁シールドとがなされる。そして更に、本発明のL形同軸プラグコネクタでは、連結保持部材全体を覆うように樹脂製の保護カバーが固着されている。
【0014】
このようなL形同軸プラグコネクタの同軸ケーブルへの組み付けは、例えば、次のように行われる。
(1):まず、組み付け対象の同軸ケーブルは、中心導体と外部導体とがその順に露出するように、予め剥離加工を施しておく(図3参照)。
【0015】
(2):次に、同軸ケーブルの先端部から伸びた中心導体の先端に、コンタクトピンを接続し、更に、その中心導体を同軸ケーブルの軸方向に対しほぼ直角に曲げる。これにより、コンタクトピンは同軸ケーブルの軸方向に対し直交する方向を向くこととなる。尚、コンタクトピンは、中心導体を曲げてから接続しても良い。
【0016】
(3):そして、一対の絶縁性部材の各保持溝に中心導体及びコンタクトピンの根本部分が入るようにして、その一対の絶縁性部材の端面同士を合わせることにより、円柱部とL字状の脚部とからなるスペーサを形成させ、更に、そのスペーサの脚部と同軸ケーブルの外部導体露出部分とを包囲するように、一対のシールドカバー部材の端面同士を合わせる。
【0017】
(4):次に、連結保持部材の加締め部を、一対のシールドカバー部材に加締める。これにより、一対のシールドカバー部材は、各自の内面が同軸ケーブルの外部導体露出部分に密着すると共に、互いの端面同士が密着した状態で保持されることとなり、また、その一対のシールドカバー部材によって、一対の絶縁性部材同士が円柱部と脚部とからなるスペーサの形状に保持されることとなり、更に、その一対の絶縁性部材からなるスペーサの円柱部からは、コンタクトピンが突出した状態となる。
【0018】
(5):次に、上記スペーサの円柱部を、それから突出したコンタクトピンと共に円筒の後端部(即ち、相手コネクタと接続される先端側とは反対側の端部)に挿通して、プラグ部を完成させると共に、そのコンタクトピン及びスペーサの円柱部を収容した円筒の後端部と、連結保持部材のカバー部の先端部とを嵌合させる。
【0019】
(6):最後に、円筒の根本部分から同軸ケーブルの外部被覆へ至るまでの部分を、射出成形の樹脂でモールドする。これにより、連結保持部材全体を覆うように樹脂製の保護カバーが固着され、本L形同軸プラグコネクタが完成する。
以上のような本発明のL形同軸プラグコネクタでは、同軸ケーブルの先端部から露出してコンタクトピンに接続される中心導体が、同軸ケーブルの外部導体と同電位になる一対のシールドカバー部材によって完全に包囲されるため、優れた電磁シールド効果が得られる。
【0020】
ところで、本発明のL形同軸プラグコネクタにおいて、連結保持部材のカバー部の先端部と円筒の後端部とを簡単且つ確実に係合させるには、請求項2に記載の構成を採用すれば良い。
即ち、請求項2に記載のL形同軸プラグコネクタにおいて、連結保持部材のカバー部は、その断面が前記円筒の外周面に密着可能な円弧状に形成されていると共に、該カバー部の先端部の内壁面には突起が形成されている。また、前記円筒の後端部には、カバー部側の突起よりも幅が広く、且つ、当該円筒の端から軸方向に延びた第1の切れ目と該第1の切れ目の終端から当該円筒の周方向に延びた第2の切れ目とからなる係合用切り込みが形成されている。そして、カバー部の先端部と円筒の後端部とは、前記突起が前記係合用切り込みの第1の切れ目を通って第2の切れ目に入ることにより、互いに係合される。つまり、このL形同軸プラグコネクタでは、カバー部の先端部と円筒の後端部とを、前記突起と前記第1の切れ目とが合う位置で嵌合させ、その後、カバー部と円筒とを互いにねじって、前記突起が前記第2の切れ目に入るようにするだけで、その両者をしっかりと係合させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。尚、図1は、本実施形態のL形同軸プラグコネクタの外観及び内部構造を表す図であり、(A)はその外観を表し、(B)はその内部構造を表し、(C)は(B)の右方向からみた側面を表している。また、図2は、本実施形態のL形同軸プラグコネクタの組付状態を表す斜視図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、本実施形態のL形同軸プラグコネクタ(以下、単に「プラグコネクタ」という)は、中心導体202と外部導体204とがその順に露出された同軸ケーブル200の先端部に設けられるものであり、同軸ケーブル200の軸方向に対してほぼ直角に屈曲した中心導体202の先端に接続される金属製(例えば、ベリリウム銅製)のコンタクトピン10と、該コンタクトピン10を軸中心位置に収容すると共に、同軸ケーブル200の外部導体204に接続される円筒20とからなるプラグ部30を、同軸ケーブル200の軸方向に対して直交する方向に備えている。尚、円筒20もコンタクトピン10と同じ金属で形成されている。
【0023】
また、本実施形態のプラグコネクタは、中心導体202及びそれに接続されたコンタクトピン10の根本部分を埋設可能な保持溝42が各自の端面に形成されると共に、その保持溝42に中心導体202及びコンタクトピン10の根本部分を埋設した状態で互いの前記端面が合わせられることにより、円筒20に挿通されてコンタクトピン10を円筒20の軸中心位置に保持させる円柱部44と、該円柱部44の後端面から伸びて中心導体202を包囲するL字状の脚部46とからなるスペーサ40を成す一対の絶縁性部材40a,40bと、互いの端面が合わせられることにより、同軸ケーブル200にて外部導体204が露出された外部導体露出部分206に各自の内面が密着した状態で、該外部導体露出部分206と上記スペーサ40の脚部46とを包囲する一対のシールドカバー部材50a,50bとを備えている。
【0024】
また更に、本実施形態のプラグコネクタは、同軸ケーブル200の外部導体204と円筒20とを電気的に接続させると共に、上記一対のシールドカバー部材50a,50bを互いに密着した状態に保持するために、加締め部60とカバー部70とからなる連結保持部材80を備えている。尚、この連結保持部材80と上記一対のシールドカバー部材50a,50bは、共に同じ金属(例えば、りん青銅)によって形成されている。
【0025】
そして、このプラグコネクタにおいては、円筒20の根本部分から同軸ケーブル200の外部被覆208に至るまでの部分が、射出成形の樹脂でモールドされており、これにより、連結保持部材80全体を覆うように樹脂製の保護カバー90が固着されている。
【0026】
ここで、図1(A)及び図2に示すように、円筒20には、径方向に弾性を持たせるため、その先端(図にて左側の端)から軸方向に所定長さのスリット20aが形成されている。また、図1(B)及び図2に示すように、一対の絶縁性部材40a,40bの各々において、スペーサ40の円柱部44となる部分の端部周囲には、その円柱部44の円筒20内における収容位置を決定するためのフランジ48が設けられている。
【0027】
一方、図2に示すように、一対の各シールドカバー部材50a,50bの端面には、その端面同士が合わせられた際に、同軸ケーブル200の外部導体露出部分206と上記一対の絶縁性部材40a,40bからなるスペーサ40の脚部46とを密着状態で包囲する空間ができるように、溝52が設けられている。また、各シールドカバー部材50a,50bの端面には、互いの合わせ位置を決定するために、ピン54と穴56とが設けられている。つまり、シールドカバー部材50a側に設けられたピン54がシールドカバー部材50b側に設けられた穴56(図示されず)に挿入されると共に、シールドカバー部材50b側に設けられたピン54(図示されず)がシールドカバー部材50a側に設けられた穴56に挿入されることにより、両シールドカバー部材50a,50bが所定の位置でずれることなく合わせられる。
【0028】
一方また、図1(B),(C)及び図2に示すように、連結保持部材80の加締め部60は、その断面形状が上記一対のシールドカバー部材50a,50bを包囲可能なU字状に形成されている。そして、この加締め部60は、同軸ケーブル200の外部導体露出部分206と上記一対の絶縁性部材40a,40bからなるスペーサ40の脚部46とが、一対のシールドカバー部材50a,50bにより包囲された状態で、上記一対のシールドカバー部材50a,50bに加締められる。
【0029】
また、図1(B),(C)及び図2に示すように、連結保持部材80のカバー部70は、加締め部60の同軸ケーブル200における先端側の端部から、その加締め部60の軸方向に対して直交する方向へ延出しており、その断面形状は、円筒20の外周面に密着可能な円弧状に形成されている。詳しく説明すると、カバー部70は、後端部が閉塞された有底円筒の軸方向に、一対のシールドカバー部材50a,50bを合わせてなる円柱の直径よりも幅が広い切れ目70aを設けた形状を成しており、その閉塞されていない方(開口された方)の先端部が、円筒20の後端部(図にて右側の端部)に嵌合される。そして、換言すれば、このカバー部70の閉塞された後端部と切れ目70aとが合致する位置から、加締め部60が伸びている。
【0030】
また更に、図2に示す如く、上記カバー部70の先端部における内壁面(内側の壁面)には、外側からの叩き出しによる突起70bが形成されている。尚、図2では、図示の都合上、突起を示す符号70bの引き出し線が、カバー部70の外側から伸びている。
【0031】
そして、円筒20の後端部には、上記カバー部70側の突起70bよりも幅が広いL字形の係合用切り込み20bが形成されている。つまり、この係合用切り込み20bは、円筒20の端から軸方向に延びた第1の切れ目K1と、その第1の切れ目K1の終端から円筒20の周方向に延びた第2の切れ目K2とからなっており、上記カバー部70の先端部と当該円筒20の後端部とは、カバー部70側の突起70bが上記係合用切り込み20bの第1の切れ目K1を通って第2の切れ目K2に入ることにより、互いに係合される。
【0032】
このような本実施形態のプラグコネクタは、例えば次のような手順で同軸ケーブル200の先端部に組み付けられる。尚、組み付け対象の同軸ケーブル200は、図2に示す如く中心導体202と外部導体204とがその順に露出するように、予め剥離加工を施しておく。また、図2において、符号209は、同軸ケーブルの内部絶縁体である。
【0033】
まず、同軸ケーブル200の先端部から伸びた中心導体202の先端に、コンタクトピン10の後端部を加締めや電気溶接などによって接続し、更に、その中心導体202を同軸ケーブル200の軸方向に対しほぼ直角に曲げる。これにより、コンタクトピン10は、図2に示す如く同軸ケーブル200の軸方向に対し直交する方向を向くこととなる。尚、コンタクトピン10は、中心導体202を曲げてから接続しても良い。
【0034】
そして、図2の一点鎖線矢印で示すように、一対の絶縁性部材40a,40bの各保持溝42に中心導体202及びコンタクトピン10の根本部分が入るようにして、その一対の絶縁性部材40a,40bの端面同士を合わせることにより、円柱部44とL字状の脚部46とからなるスペーサ40を形成させ、更に、そのスペーサ40の脚部46と同軸ケーブル200の外部導体露出部分206とを包囲するように、一対のシールドカバー部材50a,50の端面同士を合わせる。
【0035】
次に、連結保持部材80を、上記一対のシールドカバー部材50a,50bを合わせてなる円柱の先端部が切れ目70aからカバー部70内に入るようにして、同軸ケーブル200の先端部に被せると共に(図2の点線矢印・参照)、その連結保持部材80の加締め部60が一対のシールドカバー部材50a,50bに当接した状態とする。
【0036】
そして、連結保持部材80の加締め部60を、一対のシールドカバー部材50a,50bに加締める。これにより、一対のシールドカバー部材50a,50bは、各自の内面が同軸ケーブル200の外部導体露出部分206に密着すると共に、互いの端面同士が密着した状態で保持されることとなり、また、その一対のシールドカバー部材50a,50bによって、一対の絶縁性部材40a,40b同士が円柱部44と脚部46とからなるスペーサ40の形状に保持されることとなり、更に、そのスペーサ40の円柱部44からは、コンタクトピン10が突出した状態となる。
【0037】
次に、図2の二点鎖線矢印で示すように、上記スペーサ40の円柱部44を、それから突出したコンタクトピン10と共に円筒20の後端部に圧入して、そのスペーサ40のフランジ48が円筒20の後端部に当接した状態にすることにより、プラグ部30を完成させ、更に、円筒20の後端部と連結保持部材80のカバー部70の先端部とを嵌合及び係合させる。尚、この両者の嵌合及び係合は、まず、円筒20の後端部とカバー部70の先端部とを、カバー部70側の突起70bと円筒20側の第1の切れ目K1とが合う位置で嵌合させ、次に、円筒20とカバー部70とを互いにねじって、上記突起70bが円筒20側の第2の切れ目K2に入るようにすることで行う。
【0038】
最後に、円筒20の根本部分から同軸ケーブル200の外部被覆208に至るまでの部分を、射出成形の樹脂でモールドする。これにより、連結保持シールド部材80全体を覆うように樹脂製の保護カバー90が固着され、本実施形態のプラグコネクタが完成する。
【0039】
以上のような本実施形態のプラグコネクタでは、一対のシールドカバー部材50a,50bが同軸ケーブル200の外部導体露出部分206に密着して外部導体204と同電位になり、その一対のシールドカバー部材50a,50bが、同軸ケーブル200の先端部から露出してコンタクトピン10に接続される中心導体202を完全に包囲することとなるため、優れた電磁シールド効果が得られる。
【0040】
また、本実施形態のプラグコネクタでは、円筒20側にL字形の係合用切り込み20bを設けると共に、連結保持部材80のカバー70側に突起70bを設けるようにしているため、そのカバー部70の先端部と円筒20の後端部とを簡単且つ確実に係合させることができる。そして、上記公報に記載のプラグコネクタのように大きな金具を折り曲げるといった作業が不要であり、組み付け性に優れている。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、同軸ケーブル200の外部導体露出部分206が、図2の如く同軸ケーブル200の外部被覆208を剥離した部分であったが、外部導体露出部分206としては、外部導体204を外部被覆208の上にめくり上げ、その外部導体204が外部被覆208を覆った部分としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のL形同軸プラグコネクタの外観及び内部構造を表す図である。
【図2】 実施形態のL形同軸プラグコネクタの組付状態を表す斜視図である。
【図3】 従来のL形同軸プラグコネクタとその問題を説明する説明図である。
【符号の説明】
10…コンタクトピン 20…円筒 20b…係合用切り込み 30…プラグ部 40a,40b…一対の絶縁性部材 40…スペーサ 42…保持溝 44…円柱部 46…L字状の脚部 48…フランジ 50a,50b…一対のシールドカバー部材 52…溝 60…加締め部 70…カバー部 70b…突起 80…連結保持部材 90…保護カバー 200…同軸ケーブル 202…中心導体 204…外部導体 206…外部導体露出部分 208…外部被覆
Claims (2)
- 中心導体と外部導体とがその順に露出された同軸ケーブルの先端部に設けられ、
前記同軸ケーブルの軸方向に対してほぼ直角に屈曲した前記中心導体の先端に接続された金属製のコンタクトピンと、該コンタクトピンを軸中心位置に収容すると共に、前記同軸ケーブルの外部導体に接続される金属製の円筒と、からなるプラグ部を、前記同軸ケーブルの軸方向に対して直交する方向に備えたL形同軸プラグコネクタであって、
前記中心導体及び該中心導体に接続された前記コンタクトピンの根本部分を埋設可能な保持溝が各自の端面に形成され、前記保持溝に前記中心導体及び前記コンタクトピンの根本部分を埋設した状態で互いの前記端面が合わせられることにより、前記円筒に挿通されて前記コンタクトピンを前記円筒の軸中心位置に保持させる円柱部、及び該円柱部の後端面から伸びて前記中心導体を包囲するL字状の脚部からなるスペーサを成す一対の絶縁性部材と、
互いの端面が合わせられることにより、前記同軸ケーブルにて前記外部導体が露出された外部導体露出部分に各自の内面が密着した状態で、該外部導体露出部分と前記スペーサの脚部とを包囲する金属製の一対のシールドカバー部材とを備えると共に、
断面形状が前記一対のシールドカバー部材を包囲可能なU字状に形成され、前記同軸ケーブルの外部導体露出部分と前記スペーサの脚部とが前記一対のシールドカバー部材により包囲された状態で、該一対のシールドカバー部材に加締められる加締め部、及び
該加締め部の前記同軸ケーブルにおける先端側の端部から、該加締め部の軸方向に対して直交する方向へ延出すると共に、その先端部が、前記円筒にて前記スペーサの円柱部が挿通される方の後端部に嵌合されるカバー部、
からなる金属製の連結保持部材を備え、
前記連結保持部材の加締め部を前記一対のシールドカバー部材に加締めると共に、前記連結保持部材のカバー部の先端部と前記円筒の後端部とを嵌合させることにより、前記同軸ケーブルの外部導体と前記円筒との接続と、前記中心導体の前記シールドカバー部材による電磁シールドとがなされ、
更に、前記連結保持部材全体を覆うように樹脂製の保護カバーが固着されていること、を特徴とするL形同軸プラグコネクタ。 - 請求項1に記載のL形同軸プラグコネクタにおいて、
前記連結保持部材のカバー部は、その断面が前記円筒の外周面に密着可能な円弧状に形成されていると共に、該カバー部の先端部の内壁面には、突起が形成されており、
前記円筒の後端部には、前記突起よりも幅が広く、且つ、当該円筒の端から軸方向に延びた第1の切れ目と該第1の切れ目の終端から当該円筒の周方向に延びた第2の切れ目とからなる係合用切り込みが形成されており、
前記カバー部の先端部と前記円筒の後端部とは、前記突起が前記係合用切り込みの第1の切れ目を通って第2の切れ目に入ることにより、互いに係合されること、を特徴とするL形同軸プラグコネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10948899A JP4248669B2 (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | L形同軸プラグコネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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