JP4514740B2 - パチンコ遊技機、演出基板および演出基板に実行させるプログラム - Google Patents

パチンコ遊技機、演出基板および演出基板に実行させるプログラム Download PDF

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Description

この発明は、パチンコ遊技機、演出基板および演出基板に実行させるプログラムに関し、特に、不正な入賞を検出するパチンコ遊技機、そのパチンコ遊技機に搭載の演出基板およびその演出基板に実行させるプログラムに関する。
従来、パチンコ遊技機は、遊技球が入賞口に入賞すると、所定の賞球数(たとえば10個)の払い出しがおこなわれる。そして、顧客(遊技者)は獲得した賞球数に応じて、所望の景品を獲得することができる。したがって、いかに多くの遊技球を入賞口に入賞させることができるかによってより多くの景品を獲得することができる。入賞口への入賞は、一般的には入賞口に入賞した遊技球が所定位置を通過するのを入賞口検出部(スイッチ)が検出することによって判断する。
このようなパチンコ遊技機において、不正に賞球を得るため、遊技球が入賞口にいたるまでの釘を意図的に細工したり、磁石などによって遊技球を不正に入賞口へ誘導したり、電波などを用いて、実際には遊技球が入賞口に入賞していないにもかかわらず、入賞検出部(スイッチ)を誤作動させ、あたかも遊技球が入賞口に入賞したようにして、不正に賞球を獲得する、いわゆる不正行為が後を絶たないのが現状である。これによって、パチンコ店を営む店舗が被る損害も甚大なものになっている。
各店舗において、不正行為を監視するために、監視カメラを設置したり、従業員の数を増やしたりする対策が講じられてはいるが、不正行為自体が巧妙化し、監視カメラでは捉えきれなかったり、従業員に気づかれない場合が多く、十分に対応しきれないのが現状である。さらに、監視カメラの設置や従業員数の増加は、店舗の経費を圧迫するだけでなく、顧客に威圧感を与えることで、顧客に対して有意義にかつ楽しんで遊技をおこなわしめることができないという問題点があった。
また上記不正行為に対して、監視カメラや従業員の監視をすることなく、適正な入賞がないにもかかわらず、景品を得る不正を防止する遊技機に関するものが存在する(たとえば、下記特許文献1参照。)。これは、発射球を検出する検出手段を設け、検出手段によって検出された発射球の球数とセーフ球(入賞球)の球数との比率を求め、その結果、セーフ球の検出が異常であるか否かを判定するものである。
特開2002−52228号公報
しかしながら、上記特許文献1にかかる従来技術にあっては、発射球数を検出する必要があるだけでなく、発射球数検出に対しても細工された場合には、本当に異常であるか否かを正確に検出できないという問題点があった。また、上記特許文献1にかかる従来技術では、主基板を用いて発射球およびセーフ球の球数の検出をおこなう構成になっているが、通常、主基板のCPUはせいぜい8ビットCPUであり、多くの演算を高速で処理することには向いていない。したがって、複雑な制御を主基板におこなわせると、適切な処理結果が得られないおそれがあるという問題点があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、顧客の遊技中に、顧客の遊技の妨げになることなく、効率的かつ効果的に不正行為のおそれがあるパチンコ遊技機を検出・報知でき、あるいは不正行為を抑制することができるパチンコ遊技機、演出基板および演出基板に実行させるプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる演出基板は、パチンコ遊技機に設けられ演出基板であって、入賞があるごとに、入賞があったことを示す信号(以下「入賞信号」という)を前記パチンコ遊技機に設けられた主基板から受信する受信手段と、前記受信手段によって前記入賞信号が前記主基板から受信されたのちに、あらたな入賞信号を前記主基板から受信するまでの時間を逐次計時する計時手段と、前記計時手段によって計時された時間が、あらかじめ定められた第1の所定の時間よりも短い場合に、第1のカウンタのカウンタ値を1つアップするとともに、前記計時手段によって計時された時間が、前記第1の所定の時間よりも長い、あらかじめ定められた第2の所定の時間よりも長い場合に、第2のカウンタのカウンタ値を1つアップするカウンタ制御手段と、前記第1のカウンタおよび前記第2のカウンタのカウンタ値に基づいて、報知信号を生成する報知信号生成手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の発明にかかる演出基板は、請求項1に記載の発明において、前記報知信号生成手段は、前記第2のカウンタのカウンタ値に対する第1のカウンタのカウンタ値の比率が所定以上の場合に報知信号を生成することを特徴とする。
また、請求項3の発明にかかる演出基板は、請求項1または2に記載の発明において、前記入賞信号が、同一の入賞口における入賞信号であることを特徴とする。
また、請求項4の発明にかかる演出基板は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記報知信号生成手段によって生成された報知信号を外部へ出力する出力手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項5の発明にかかる演出基板は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記報知信号生成手段によって生成された報知信号に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項6の発明にかかるパチンコ遊技機は、前記主基板と、請求項1〜5のいずれか一つに記載の演出基板と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項7の発明にかかるプログラムは、パチンコ遊技機に設けられ演出基板に実行させるプログラムであって、入賞があるごとに、入賞があったことを示す信号(以下「入賞信号」という)を前記パチンコ遊技機に設けられた主基板から受信する受信工程と、前記受信工程によって前記入賞信号が前記主基板から受信されたのちに、あらたな入賞信号を前記主基板から受信するまでの時間を逐次計時する計時工程と、前記計時工程によって計時された時間が、あらかじめ定められた第1の所定の時間よりも短い場合に、第1のカウンタのカウンタ値を1つアップするとともに、前記計時手段によって計時された時間が、前記第1の所定の時間よりも長い、あらかじめ定められた第2の所定の時間よりも長い場合に、第2のカウンタのカウンタ値を1つアップするカウンタ制御工程と、前記第1のカウンタおよび前記第2のカウンタのカウンタ値に基づいて、報知信号を生成する報知信号生成工程と、を前記演出基板に実行させることを特徴とする。
上記構成によれば、短い間隔で連続して検出された入賞が複数回生じ、その頻度が高い場合には、不正行為がおこなわれたおそれがあるとして、報知信号を生成し、センター制御装置へ通報することができる。これによって、通報を受けた店員が当該パチンコ遊技機まで出向き、目視により不正行為がおこなわれているか否かを判断させることができる。その際に、速やかにかつ顧客に気づかれずにおこなわせることができる。
また、不正行為がおこなわれたおそれがある場合に、パチンコ遊技機の演出を店員にしか分からないように変化させることで、不正行為のおそれがあるパチンコ遊技機を、店舗を巡回する店員に対し、容易にかつ顧客に気づかれることなく知らしめることができる。
また、演出基板を用いておこなうため、主基板に負担をかけることがなく、主基板による制御の妨げとなることがない。
本発明にかかるパチンコ遊技機、演出基板および演出基板に実行させるプログラムによれば、顧客の遊技中に、顧客の遊技の妨げになることなく、効率的かつ効果的に不正行為のおそれがあるパチンコ遊技機を検出・報知でき、あるいは不正行為を抑制することができるという効果を奏する。
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるパチンコ遊技機、演出基板および演出基板に実行させるプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(パチンコ遊技機の基本構成)
図1は、本発明のパチンコ遊技機の遊技盤の一例を示す正面図である。遊技盤101の下部位置に配置された発射部(図2参照)の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、図示を省略する複数の釘が設けられ、遊技球を各種の方向に向けて落下させるとともに、落下途中の位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、入賞口が配設されている。
遊技盤101の遊技領域103の中央部分には、図柄表示部104が配置されている。図柄表示部104としては、たとえば液晶表示器(LCD)が用いられる。なお、図柄表示部104としては、LCDに限らずCRTなどを用いることもできる。図柄表示部104の下方には、始動入賞させるための始動入賞口105が配設されている。図柄表示部104の左右には、それぞれ入賞ゲート106が配設されている。
入賞ゲート106は、遊技球の通過を検出し、始動入賞口105を一定時間だけ開放させる抽選をおこなうために設けられる。図柄表示部104の側部や下方などには普通入賞口107が配設されている。普通入賞口107に遊技球が入賞すると、普通入賞時の賞球数(たとえば10個)の払い出しをおこなう。遊技領域103の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
上述した図柄表示部104は、特定の入賞口に遊技球が入賞したとき(始動入賞時)に、複数の図柄の表示の変動を開始させ、所定時間後に図柄が停止する。この停止時に特定図柄(たとえば「777」)に揃ったとき、大当たり状態となる。大当たり状態のとき、下方に位置する大入賞口109が一定の期間開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返し、入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す。
図2は、パチンコ遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。制御部200は、複数の制御部により構成されている。図示の例では、主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203とを有する。主制御部201は、パチンコ遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。演出制御部202は、遊技中の演出動作を制御する。賞球制御部203は、払い出す賞球数を制御する。
主制御部201は、ROM212に記憶されたプログラムデータに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行するCPU211と、CPU211の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM213、各検出部221〜224から各種データを受信するとともに、演出制御部202および賞球制御部203への各種データの送信をおこなうインタフェース(I/F)214などを備えて構成される。主制御部201は、たとえばいわゆる主基板によってその機能を実現する。
この主制御部201の入力側には、始動入賞口105に入賞した入賞球を検出する始動入賞口検出部221と、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出するゲート検出部222と、普通入賞口107に入賞した遊技球を検出する普通入賞口検出部223と、大入賞口109に入賞した入賞球を検出する大入賞口検出部224とがI/F214を介して接続されている。これらの検出部としては、近接スイッチなどを用いて構成できる。
この主制御部201の出力側には、大入賞口開閉部231が接続され、この大入賞口開閉部231の開閉を制御する。大入賞口開閉部231は、大当たり時に大入賞口109を一定期間開放する機能であり、ソレノイドなどを用いて構成される。この大当たりは、生成した乱数に基づき所定の確率で発生するようあらかじめプログラムされている。
演出制御部202は、ROM242に記憶されたプログラムデータに基づき、遊技中における演出制御をおこなう。この演出制御部202は、演出処理を実行するCPU241と、CPU241の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM243、主制御部201からの各種データの受信およびランプ制御部251への各種データの送信をおこなうインタフェース(I/F)244などを備えて構成される。演出制御部202は、たとえばいわゆる演出基板によってその機能を実現する。
この演出制御部202は、主制御部201から、入賞があったことを示す信号(入賞信号)を含む、遊技中である各種データをI/F244を介して受け取り、この遊技中における演出制御をおこなう。演出制御部202の出力側には、上述した図柄表示部(LCD)104と、ランプ制御部251がI/F244を介して接続されている。
演出制御部202は、図柄表示部(LCD)104に対しては、遊技中における演出内容、たとえば、図柄の移動表示や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)、および大当たり時の各種表示情報を生成してI/F244を介して出力する。演出制御部202は、ランプ制御部251に対しては、遊技盤101や台枠などに設けられている各種ランプ262に対する点灯制御などをおこなうデータをI/F244を介して出力する。
賞球制御部203は、ROM282に記憶されたプログラムデータに基づき、賞球制御をおこなう。この賞球制御部203は、賞球制御の処理を実行するCPU281と、CPU281の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM283、主制御部201からの各種データの受信および発射部292との各種データの送受信をおこなうインタフェース(I/F)284などを備えて構成される。賞球制御部203は、たとえばいわゆる賞球基板によってその機能を実現する。
賞球制御部203は、接続される払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。また、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータなどからなる。賞球制御部203は、この払出部291に対して、各入賞口(始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイドなどを駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主基板、演出基板、賞球基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
(パチンコ遊技機の基本動作)
上記構成によるパチンコ遊技機の基本動作の一例を説明する。主制御部201のCPU211により遊技中の制御がおこなわれ、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を賞球制御部203に出力し、賞球制御部203は、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。
また、始動入賞口105に遊技球が入賞するごとに、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、図柄表示部104の図柄を変動表示させ、停止させることを繰り返す。大当たりの発生が決定している時には、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、所定の図柄で揃えて停止させる。このとき同時に、大入賞口109を開放する制御をおこなう。演出制御部202は、大当たり発生期間中、および大当たり発生までの間のリーチ時や、リーチ予告時などには、図柄表示部104に対して、図柄の変動表示に加えて各種の演出表示をおこなう。このほか、各種役物に対して特定の駆動をおこなったり、ランプ262の表示状態を変更するなどの演出をおこなう。
そして、大当たり発生時には、大入賞口109が複数回開放される。1回の開放が1ラウンドとして、たとえば15回のラウンドが繰り返し実行される。1ラウンドの期間は、遊技球がたとえば10個入賞したとき、あるいは所定期間(たとえば30秒)とされている。この際、賞球制御部203は、大入賞口109に対する球技球1個の入賞あたり15個の賞球数で払い出しをおこなう。大当たり終了後は、この大当たり状態が解除され、通常の遊技状態に復帰する。
(演出制御部の機能的構成)
図3は、演出制御部(演出基板)およびその周辺の機能的構成を示すブロック図である。図3において、演出制御部(演出基板)202は、入賞信号受信部301と、第1タイマー303、第2タイマー304を含む入賞間隔計時部302と、カウンタ制御部305と、第1カウンタ306と、第2カウンタ307と、報知信号生成部308と、報知信号出力部309と、演出実行部310とを含む構成となっている。
入賞信号受信部301は、入賞があるごとに、入賞があったことを示す信号である入賞信号を主制御部(主基板)201から受信する。入賞信号は、遊技球が入賞口に入賞し、所定箇所を通過すると発生する信号であり、入賞球1球に対して1回発生する。受信する入賞信号には、複数ある入賞口のうちのどの入賞口に遊技球が入って入賞したかに関する情報を含んでいてもよい。この入賞信号は賞球制御部203へ送信される。この入賞信号を、演出制御部202の入賞信号受信部301は、その都度受信する。入賞信号受信部301は、具体的には、たとえば主制御部201から一方的に入賞信号を受信するように演出制御部202に設けられたI/F244によってその機能を実現する。
入賞間隔計時部302は、入賞間隔、すなわち入賞信号受信部301によって入賞信号が主制御部201から受信されたのちに、あらたな入賞信号を主制御部201から受信するまでの時間を逐次計時する。入賞間隔計時部302は、具体的には、たとえばROM242まはたRAM243に記憶されたプログラムをCPU241が実行することによってその機能を実現する。
入賞間隔計時部302は、より具体的には、たとえば第1タイマー303、第2タイマー304を用いて逐次入賞信号の受信間隔を計時する。第1の入賞信号を受信すると、第1タイマー303の計時を開始し、つぎに第2の入賞信号を受信すると、第1タイマー303の計時を終了するとともに、第2タイマー304の計時を開始する。さらに第3の入賞信号を受信すると、第2タイマー304の計時を終了するとともに、再び第1タイマー303の計時を開始する。以後、第1タイマー303と第2タイマー304を交互に用いて入賞信号の受信間隔を計時する。第1タイマー303、第2タイマー304は、具体的には、たとえば、CPU241のクロック信号に基づいて入賞信号の受信間隔を計時することができる。
このように、入賞間隔計時部302は、第1タイマー303と第2タイマー304の2つのタイマーを用いて入賞信号の受信間隔を計時したが、これに限定されるものではない。1つのタイマーで実現してもよく、3つ以上のタイマーで実現してもよい。また、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109ごとにそれぞれ第1タイマー303と第2タイマー304を設けて、各入賞口における入賞信号の受信間隔を計時するようにしてもよい。さらには複数設けられた始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109のそれぞれに対して第1タイマー303と第2タイマー304を設け、それぞれの入賞口ごとに入賞信号の受信間隔を計時するようにしてもよい。
カウンタ制御部305は、入賞間隔計時部302によって計時されたそれぞれの時間が、あらかじめ定められた所定の時間よりも短い場合に、第1カウンタ306のカウンタ値を1つアップする。また、カウンタ制御部305は、入賞間隔計時部302によって計時された時間が、あらかじめ定められた所定の時間よりも長い場合に、第2カウンタ307のカウンタ値を1つアップする。カウンタ制御部305は、具体的には、たとえばROM242またはRAM243に記憶されたプログラムをCPU241が実行することによってその機能を実現する。
すなわち、カウンタ制御部305は、第1タイマー303、第2タイマー304によって計時された時間が所定時間t1(具体的には、たとえばt1=「3秒」)よりも短い場合は、カウンタアップ信号を第1カウンタ306へ出力する。また、カウンタ制御部305は、第1タイマー303、第2タイマー304によって計時された時間が所定時間t2(具体的には、たとえばt2=「15秒」)よりも長い場合は、カウンタアップ信号を第2カウンタ307へ出力する。所定時間t1およびt2は、遊技球を連続発射した場合に、通常、連続して入賞する間隔の平均値に基づいて決めるようにするとよい。所定時間t1およびt2は任意に変更することできるようにしてもよい。
第1カウンタ306および第2カウンタ307は、カウンタ制御部305からのカウンタアップの指示によってその数値(カウンタ値)を一つアップして保持する。第1カウンタ306および第2カウンタ307は、具体的には、たとえばRAM243によってその機能を実現する。
第1カウンタ306および第2カウンタ307は、すべての入賞信号に対して一つ設けてもよく、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109ごとにそれぞれ設けてもよい。すなわち、カウントアップの対象とするのは、任意の入賞口に入賞した後のつぎの入賞が、いずれの入賞口におけるものであってもよく、任意の入賞口と同一あるいは関連付けした入賞口におけるものであってもよいということである。この場合、上記所定時間t1およびt2を長く設定するとよい。同一の入賞口に連続して入賞する間隔の平均値は、すべての入賞口のいずれかに連続して入賞する間隔の平均値よりも長くなると考えられるからである。
第1カウンタ306および第2カウンタ307が複数設けられた場合は、カウンタ制御部305は、それぞれの第1カウンタ306および第2カウンタ307に対して上記各入賞口ごとの入賞信号に基づいて、該当する第1カウンタ306および第2カウンタ307に対してカウンタアップ信号を出力する。
報知信号生成部308は、第1カウンタ306のカウンタ値が所定値になった場合に、報知信号を生成する。報知信号生成部308は、具体的には、たとえばROM242または243に記憶されたプログラムをCPU241が実行することによってその機能を実現する。
報知信号生成部308は、常に第1カウンタ306および第2カウンタ307を監視し、第1カウンタ306および第2カウンタ307に保持されているそれぞれのカウンタ値に基づいて報知信号を生成する。より具体的には、報知信号生成部308は、第2カウンタ307のカウンタ値に対する第1カウンタ306のカウンタ値の比率が所定以上の場合に報知信号を生成する。上記比率は、たとえば10%であり、この比率は任意に変更することもできる。
報知信号生成部308によって生成される信号には、どのパチンコ遊技機かに関するパチンコ遊技機ID情報と、どのような不正行為のおそれがあるかについての情報(たとえば、どの入賞口に集中して入賞しているか、あるいはすべての入賞口にまんべんなく入賞しているかなどの情報)を含む。
また、上記報知信号には、大当たり中や確率変動中などの情報を含んでいてもよく、これらの大当たり中や確率変動中などの情報に基づいて、大当たり中や確率変動中以外の通常時と比べて不正行為のおそれがあるかについて判断した結果に関する情報を含んでいてもよい。大当たり中や確率変動中は入賞が集中していても正常である場合があるため、大当たり中や確率変動中以外の通常時とは異なる条件で、不正行為のおそれがあるかについて判断するのがよい。
より具体的には、大当たり中や確率変動中は、異常を報知するしきい値を上げて、大当たり中や確率変動中以外の通常時よりも異常を報知しづらくすることが考えられる。また、通常時と同様に報知するとともに、あわせて、現在は大当たり中あるいは確率変動中である旨を報知することで従業員に不正行為であるか否かをよりわかりやすくすることもできる。
また、大当たり中や確率変動中に関する情報は、報知信号に含めず、別信号として出力するようにしてもよい。したがって、従業員は上記報知信号と、当該別信号である大当たり中あるいは確率変動中に関する情報の両方に基づいて、不正行為のおそれがあるか否かについて判断するようにしてもよい。
報知信号出力部309は、報知信号生成部308によって生成された報知信号を外部へ出力する。外部とは、たとえば、図3に示すように、センター制御装置300やランプ制御部251を示す。報知信号出力部309は、具体的には、たとえば演出制御部202に設けられている、センター制御装置300やランプ制御部251と接続されたI/F244によってその機能を実現する。
センター制御装置300へ出力されると、センター制御装置300は、センター制御装置300の近傍の従業員にその旨を通知するとともに、無線受信機などを装着した従業員に対して、該当するパチンコ遊技機を特定してその旨を通知する。無線受信機などを装着した従業員は、顧客に気がつかれないように当該パチンコ遊技機へ向かい、実際に不正行為がおこなわれているかどうか目視することができる。
演出実行部310は、報知信号生成部308によって生成された報知信号に基づいて、所定の演出を実行する。演出実行部310は、具体的には、たとえばROM242またはRAM243に記憶されたプログラムをCPU241が実行することによってその機能を実現する。
所定の演出とは、たとえば図柄表示部(LCD)104の表示において特定の表示をおこなうことができる。通常出現しないキャラクターを出現させたり、通常出現するキャラクターを通常とは異なる出現の仕方をさせたりすることがその一つである。また、図柄表示部(LCD)104の輝度を変えたり、色を変えるようにしてもよい。いずれにせよ、当該パチンコ遊技機の前を通過した際に、従業員がその状態に気がつくようにしてあればよい。
また、顧客がその状態に気がつかないような演出でもよく、また、顧客が容易に気がつく演出であってもよい。顧客が容易に気がつく演出にすることによって、不正行為を効率的に抑止することができる。
(演出制御部の処理手順)
つぎに、演出制御部202の処理手順の内容について説明する。図4は、演出制御部(演出基板)の処理手順を示すフローチャートである。
図4のフローチャートにおいて、演出制御部202は、カウンタ(第1カウンタ306、第2カウンタ307)をリセットする(ステップS401)。これによって第1カウンタ306、第2カウンタ307のカウンタ値は「0」になる。つぎに、入賞信号(第1の入賞信号)を受信したか否かを判断する(ステップS402)。ここで、入賞信号を受信するのを待って、受信した場合(ステップS402:Yes)は、第1タイマー303の計時を開始する(ステップS403)。
その後、つぎの入賞信号(第2の入賞信号)を受信したか否かを判断する(ステップS404)。ここで、入賞信号を受信するのを待って、受信した場合(ステップS404:Yes)は、第1タイマー303の計時を終了する(ステップS405)とともに、第2タイマー304の計時を開始する(ステップS406)。これによって、第1の入賞信号が受信されてから第2の入賞信号が受信されるまでの間隔を第1タイマー303によって得ることができる。
つぎに、第1タイマー303の時間、すなわち第1の入賞信号が受信されてから第2の入賞信号が受信されるまでの間隔が所定時間t1よりも短いか否かを判断する(ステップS407)。ここで、第1タイマー303の時間が所定時間t1よりも短い、すなわち第1タイマー303の時間<所定時間t1の場合(ステップS407:Yes)は、ステップS412へ移行する。
ステップS407において、第1タイマー303の時間が所定時間t1よりも短くない、すなわち第1タイマー303の時間≧所定時間t1の場合(ステップS407:No)は、つぎに、第1タイマー303の時間が所定時間t2(t2>t1)よりも長い、すなわち第1タイマー303の時間>所定時間t2の場合(ステップS408:Yes)は、第2カウンタ307のカウンタ値を1つアップする(ステップS409)。
その後、第2カウンタ307のカウンタ値に対する第1カウンタ306のカウンタ値の比率が所定以上であるか否かを判断する(ステップS410)。ここで、第2カウンタ307のカウンタ値に対する第1カウンタ306のカウンタ値の比率が所定以上である場合(ステップS410:Yes)は、所定の報知信号を生成し(ステップS411)、必要に応じて生成された報知信号を出力し、一連の処理を終了する。
ステップS408において、第1タイマー303の時間が所定時間t2よりも長くない、すなわち第1タイマー303の時間≦所定時間t2の場合(ステップS408:No)は、ステップS414へ移行する。同様に、ステップS410において、第2カウンタ307のカウンタ値に対する第1カウンタ306のカウンタ値の比率が所定以上でない場合(ステップS410:No)も、ステップS414へ移行する。
ステップS407において、第1タイマー303の時間が所定時間t1よりも短い、すなわち第1タイマー303の時間<所定時間t1の場合(ステップS407:Yes)は、ステップS412へ移行し、第1カウンタ306のカウンタ値を1つアップする(ステップS412)。その後、第1カウンタ306のカウンタ値が所定値nに達した場合(ステップS413:Yes)は、ステップS411へ移行し、所定の報知信号を生成し(ステップS411)、必要に応じて生成された報知信号を出力し、一連の処理を終了する。ここでは、第1カウンタ306のカウンタ値が所定値nに達した場合は、第2カウンタ307のカウンタ値との比率とは無関係に報知信号を生成するものである。
一方、ステップS413において、第1カウンタ306のカウンタ値が未だ所定値nに達していない場合(ステップS413:No)は、ステップS414へ移行し、つぎの入賞信号(第3の入賞信号)を受信するのを待つ(ステップS414)。
ここで、入賞信号を受信するのを待って、受信した場合(ステップS414:Yes)は、第2タイマー304の計時を終了する(ステップS415)とともに、第1タイマー303の計時を開始する(ステップS416)。これによって、第2の入賞信号が受信されてから第3の入賞信号が受信されるまでの間隔を第2タイマー304によって得ることができる。
つぎに、第2タイマー304の時間、すなわち第2の入賞信号が受信されてから第3の入賞信号が受信されるまでの間隔が所定時間t1よりも短いか否かを判断する(ステップS417)。ここで、第2タイマー304の時間が所定時間t1よりも短くない、すなわち第2タイマー304の時間≧所定時間t1の場合(ステップS417:No)は、つぎに、第2タイマー304の時間が所定時間t2(t2>t1)よりも長い、すなわち第2タイマー304の時間>所定時間t2の場合(ステップS418:Yes)は、第2カウンタ307のカウンタ値を1つアップする(ステップS419)。
その後、ステップS410と同様に、第2カウンタ307のカウンタ値に対する第1カウンタ306のカウンタ値の比率が所定以上であるか否かを判断する(ステップS420)。ここで、第2カウンタ307のカウンタ値に対する第1カウンタ306のカウンタ値の比率が所定以上である場合(ステップS420:Yes)は、所定の報知信号を生成し(ステップS411)、必要に応じて生成された報知信号を出力し、一連の処理を終了する。
ステップS418において、第2タイマー304の時間が所定時間t2よりも長くない、すなわち第2タイマー304の時間≦所定時間t2の場合(ステップS418:No)は、ステップS404へ移行し、つぎの入賞信号(第4の入賞信号)を受信するのを待つ。以後、ステップS404以降の各処理を繰り返しおこなう。同様に、ステップS420において、第2カウンタ307のカウンタ値に対する第1カウンタ306のカウンタ値の比率が所定以上でない場合(ステップS420:No)も、ステップS404へ移行する。
ステップS417において、第2タイマー304の時間が所定時間t1よりも短い場合(ステップS417:Yes)は、ステップS421へ移行し、第1カウンタ306のカウンタ値を1つアップする(ステップS421)。その後、第1カウンタ306のカウンタ値が所定数nに達した場合(ステップS422:Yes)は、ステップS411へ移行し、所定の報知信号を生成し(ステップS411)、必要に応じて生成された報知信号を出力し、一連の処理を終了する。ここでも、第1カウンタ306のカウンタ値が所定数nに達した場合は、第2カウンタ307のカウンタ値との比率とは無関係に報知信号を生成するものである。
ステップS422において、第1カウンタ306のカウンタ値が未だ所定数nに達していない場合(ステップS422:No)は、ステップS404へ移行し、つぎの入賞信号(第4の入賞信号)を受信するのを待つ(ステップS404)。以後、ステップS404以降の各処理を繰り返しおこなう。
以上説明した実施の形態の構成では、演出制御部(演出基板)202が、主制御部(主基板)201から出力される入賞信号を連続して受信し、その入賞信号の受信の間隔に基づいて、不正行為のおそれがあるか否かを判断するため、発射球を検出する必要がない。また、顧客に知られることなく、不正行為のおそれのあるパチンコ遊技機を特定することができる。
また、不自然な入賞が連続して発生したことを顧客にあえて知らしめることによって、不正行為を効果的に抑止することができる。
なお、本実施の形態で説明したパチンコ遊技機の演出基板の制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムを前記演出基板などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
以上のように、本発明は、パチンコ遊技機、スロット遊技機、その他各種遊技機に関し、特に、主基板の他に演出基板を備え、当該演出基板を用いて、不正行為の抑止を目的とするパチンコ遊技機に適している。
本発明のパチンコ遊技機の遊技盤の一例を示す正面図である。 パチンコ遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。 演出制御部(演出基板)およびその周辺の機能的構成を示すブロック図である。 演出制御部(演出基板)の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
101 遊技盤
103 遊技領域
104 図柄表示部
105 始動入賞口
107 普通入賞口
109 大入賞口
200 制御部
201 主制御部(主基板)
202 演出制御部(演出基板)
203 賞球制御部(賞球基板)
211,241,281 CPU
212,242,282 ROM
213,243,283 RAM
214,244,284 インタフェース(I/F)
251 ランプ制御部
300 センター制御装置
301 入賞信号受信部
302 入賞間隔計時部
303 第1タイマー
304 第2タイマー
305 カウンタ制御部
306 第1カウンタ
307 第2カウンタ
308 報知信号生成部
309 報知信号出力部
310 演出実行部

Claims (6)

  1. パチンコ遊技機に設けられた演出基板であって、
    入賞があるごとに、入賞があったことを示す信号(以下「入賞信号」という)を前記パチンコ遊技機に設けられた主基板から受信する受信手段と、
    前記受信手段によって前記入賞信号が前記主基板から受信されたのちに、あらたな入賞信号を前記主基板から受信するまでの時間を逐次計時する計時手段と、
    前記計時手段によって計時された時間が、あらかじめ定められた第1の所定の時間よりも短い場合に、第1のカウンタのカウンタ値を1つアップするとともに、前記計時手段によって計時された時間が、前記第1の所定の時間よりも長い、あらかじめ定められた第2の所定の時間よりも長い場合に、第2のカウンタのカウンタ値を1つアップするカウンタ制御手段と、
    前記第2のカウンタのカウンタ値に対する第1のカウンタのカウンタ値の比率が所定以上の場合に報知信号を生成する報知信号生成手段と、
    を備えたことを特徴とする演出基板。
  2. 前記入賞信号は、同一の入賞口における入賞信号であることを特徴とする請求項に記載の演出基板。
  3. 前記報知信号生成手段によって生成された報知信号を外部へ出力する出力手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の演出基板。
  4. 前記報知信号生成手段によって生成された報知信号に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の演出基板。
  5. 前記主基板と、請求項1〜4のいずれか一つに記載の演出基板と、を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
  6. パチンコ遊技機に設けられた演出基板に実行させるプログラムであって、
    入賞があるごとに、入賞があったことを示す信号(以下「入賞信号」という)を前記パチンコ遊技機に設けられた主基板から受信する受信工程と、
    前記受信工程によって前記入賞信号が前記主基板から受信されたのちに、あらたな入賞信号を前記主基板から受信するまでの時間を逐次計時する計時工程と、
    前記計時工程によって計時された時間が、あらかじめ定められた第1の所定の時間よりも短い場合に、第1のカウンタのカウンタ値を1つアップするとともに、前記計時手段によって計時された時間が、前記第1の所定の時間よりも長い、あらかじめ定められた第2の所定の時間よりも長い場合に、第2のカウンタのカウンタ値を1つアップするカウンタ制御工程と、
    前記第2のカウンタのカウンタ値に対する第1のカウンタのカウンタ値の比率が所定以上の場合に報知信号を生成する報知信号生成工程と、
    を前記演出基板に実行させることを特徴とするプログラム。
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