JP4513745B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、電界効果トランジスタ(FET;field−effect transistor)、特に、有機物質を含有して成る半導体層を備えるFETに関する。
一般に、有機半導体を利用した薄膜有機FETは、有機半導体層が印刷法、スプレー法、インクジェット法等の簡便なプロセスで形成され得るので、無機半導体を用いたFETに比して格段に安価である。また、大面積で且つ軽薄な集積回路を平易に形成できる可能性があり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ICカード等への応用が期待されている。
近年、有機半導体のキャリア移動度が向上し、アモルファスシリコンに匹敵する程度の移動度を発現し得るものが見出されており、そのような高い移動度を有する有機半導体を用いたFETの実用化研究が盛んに進められている。具体的には、高移動度を発現する有機材料としては、ペンタセン、ポリアルキルチオフェン等が得られるようになっており、有機FETの開発に大きな進展が認められる。
ただし、これらの材料をもってしても、アモルファスシリコン並みの移動度が得られるのは、分子性の物質で且つ単結晶にしたときのみである。しかし、有機半導体層全体を単結晶で構成する場合、大面積で安価な集積回路を作製することは極めて困難である。一方、多結晶及び非晶質である高分子の有機半導体は、例えば結晶粒界でのキャリアの散乱による損失のため、単結晶の場合に比して移動度が桁違いに小さく、実用化に十分に耐え得るものではない。よって、多結晶化、換言すれば結晶欠陥の発生を抑制するために、有機半導体層中の不純物濃度を可能な限り低減すべく材料の精製に多大な労力が払われている。
このような不都合を解消すべく、FET構造におけるゲート絶縁膜の材料としてシアノエチルプルランを用いることにより、有機半導体層であるセクシチオフェン蒸着膜の移動度を向上させる提案がなされている(特許文献1参照)。
特許第2984370号公報
しかし、本発明者らは、シアノエチルプルランをゲート絶縁膜に用いた上記従来の有機FETの特性について詳細な検討を行ったところ、以下に示す問題点があること見出した。上述した特許文献1に記載の通り、シアノエチルプルランをゲート絶縁膜として用いるとドレイン電流を増大させ得るものの、ゲート電圧の変化に対するドレイン電流の増減の追従性(応答性)及び安定性が十分ではない。具体的には、本発明者らの追試によれば、ゲート電圧印加後、ドレイン電流が安定するまでに数十秒以上経過してしまうことが判明した。また、一旦緩やかに増加したドレイン電流が、時間の経過と共に減少に転じてしまうといった不安定な挙動が観測された。
ドレイン電流のゲート電圧に対する応答性、及び安定性がこのように不十分であると、ゲート電圧によってソース電極とドレイン電極間に流れる電流を所望に制御することが現実的に極めて困難となってしまい、要求されるトランジスタ特性を得ることが実質的に不可能となってしまう。言い換えれば、シアノエチルプルランをゲート絶縁膜に用いた従来の有機FETは、ドレイン電流の増大効果が著しく、従来の構成のままでは実用的な有機FETを実現できない懸念がある。
また、このような有機FET以外の従来の有機FETでも、有機半導体層の固有の特質として、一旦流通した電流が経時的に(例えば数秒〜数分で)徐々に減少してしまうという不都合があり、しかも、移動度が低いために十分なドレイン電流を得ることも極めて困難であった。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、ゲート電圧印加後のドレイン電流の経時的変化を抑え、長時間にわたって安定したドレイン電流を得ることができるFETを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは有機半導体層に接するゲート絶縁膜の物性に着目し鋭意研究を実施した結果、有機半導体層とゲート絶縁膜との「界面」又はその近傍に、絶縁性を担保させる目的ではなく且つドレイン電流を単に増大させる目的ではなく、ある特定の物質を介在させることにより、従来とは異なるドレイン電流−ゲート電圧特性が発現されることを見出した。本発明者らはこの知見に基づいて更に研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるFETは、基体の一側に形成されたゲート電極と、基体の一側に形成されたソース電極と、基体の一側に形成されたドレイン電極と、ゲート電極とソース電極及びドレイン電極との間に形成された絶縁層と、ソース電極及びドレイン電極の周囲(周辺)に形成された有機半導体層と、絶縁層と有機半導体層との間に被着されており、且つ、分子中にシアノ基を有する化合物を含有して成る改質層とを備えることを特徴とする。なお、基体がゲート電極を兼ねるものであってもよい。或いは、改質層が、絶縁層と有機半導体層との間に被着されており、且つ、分子中にシアノ基を有する化合物のみから成るものであってもよい。
このような構成を有するFETによれば、絶縁層と有機半導体層との間に介在するように設けられた改質層が分子中にシアノ基を有する化合物(以下、「特定のシアノ基含有化合物」という)を含むことにより、経時的に安定したドレイン電流が得られることが確認された。
こうした作用効果が奏されるメカニズムの詳細については、未だ明らかになっていないものの、絶縁層と改質層の積層順を逆にした構造、つまり改質層と有機半導体層との間に絶縁層を設けた場合には有意な効果が得られなかったことに鑑みると、有機半導体層と改質層との界面における有機半導体層を構成する部材と特定のシアノ基含有化合物との相互作用によるものと考えられる。
より具体的には、本発明者らが、改質層を備えないFETつまりシリコンの熱酸化膜(SiO膜)から成る絶縁層上にペンタセン等から成る有機半導体層が直接形成されたFETに対し、後述する方法でドレイン電流−時間特性を測定したところ、時間の経過と共にドレイン電流が顕著に減少することが確認された。また、このようなドレイン電流の減少傾向は、ゲート電極に逆バイアスを印加することにより解消(復帰)することが判明した。これらより、ドレイン電流が流れると、有機半導体層のトラップ準位に電荷が捕獲され易くなり、その電荷によってチャネル内のキャリアがクーロン散乱を被ること主因となってドレイン電流が顕著に減少してしまうものと推定される。ただし、作用はこれらに限定されない。
これに対し、改質層に特定のシアノ基含有化合物が含まれると、有機半導体層のトラップ準位に捕獲され得る電荷が、有機半導体層と絶縁層との界面近傍から特定のシアノ基含有化合物へ注入されるような電荷移動が引き起こされるものと推測される。これにより、チャネル内のキャリアがクーロン散乱を受ける程度が激減され、もって経時的なドレイン電流の顕著な減少が防止されるものと考えられる。ただし、作用はこれに限定されない。
また、このような構造のFETの製造では、改質層の上に有機半導体層を結晶成長等させるが、この場合、改質層の上面がニュークリエーションのフィールドとなる。従来は、絶縁層がニュークリエーションフィールドであることから、有機半導体層の上記界面近傍での結晶性及び結晶の形態が従来と異なる様相を呈している可能性もあり、これが上述したドレイン電流の安定化に寄与している可能性もあると推定される。ただし、作用はこれらに限定されない。
本発明の電界効果トランジスタが備える改質層に含まれる特定のシアノ基含有化合物は、具体的には下記(化学式1)で表されるものである
Figure 0004513745
なお、式中、Rは炭素数kが1〜20のアルキレン基又はポリメチレン基を示し、該アルキレン基及び該ポリメチレン基はエーテル結合を有していてもよく、nは1〜2kの整数を示し、R、R、及びRは、それぞれ独立に炭素数が1〜20の有機基を示し且つR、R、及びRのうち少なくとも一つが炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数1〜20のアルキル鎖を有するアルキルアミノ基であり、MはSi、Ti及びAlのうち少なくとも一種の原子を示す。なお、MがSi又はTiのときはm=1であり、MがAlのときはm=0である。
本発明者らの知見によれば、特定のシアノ基含有化合物の種類及び改質層におけるその含有濃度によっては、有機半導体層から改質層中への電荷移動が過剰となる傾向にあることが推測される。こうなると、チャネル近傍の電荷状態が不安定となってしまい、その結果としてドレイン電流が不安定になるものと考えられる。
これに対し、特定のシアノ基含有化合物のうち(化学式1)で表されるものは、言わばシアノ基で変性されたシランカップリング剤であるが、これを改質層に用いることにより、改質層への過剰な電荷注入が適度に抑止され、その結果、チャネル近傍の電荷状態が不安定となることを抑制できるものと考えられる。
殊に、改質層は、特定のシアノ基含有化合物として2−シアノエチルトリエトキシシランを含有して成るものであるとより好ましい。2−シアノエチルトリエトキシシランは特定のシアノ基含有化合物のなかでも工業上利用性及び市場での入手が比較的簡易であると共に、これを用いることにより、ドレイン電流の安定性を十分に高めることが可能となる。
さらに、改質層は、特定のシアノ基含有化合物の含有濃度が好ましくは83質量%未満、より好ましくは5〜50質量%のものであることが望ましい。
この含有濃度が83質量%以上であると、一定のゲート電圧を継続的に印加したときに、ドレイン電流が経時的に極端に増大/減少する傾向にあり、その結果、ドレイン電流の変化幅が顕著に大きくなってしまう。これは、特定のシアノ基含有化合物が適度に希釈された状態で改質層に含まれることにより、有機半導体層から改質層への過剰な電荷注入が抑制されるためと考えられる。また、この含有濃度が5〜50質量%であると、ドレイン電流の変動をより一層抑制できると共に、有機半導体層の移動度が有意且つ十分に高められる傾向にあり、ドレイン電流を十分に増大できる。
またさらに、改質層は、厚さが好ましくは0.5〜500nm、より好ましくは0.5〜100nmのものであると好適である。
この厚さが、0.5nm未満となると、厚さの面内均一性が十分に高められた改質層を形成させることが困難となる傾向にある。ただし、層厚が均一であることが望ましいが、改質層にはピンホール等の微小な欠陥部位が生じていても構わない。
一方、本発明者らは、上述した過剰な電荷注入が生じ得ると考えられる条件、具体的には従来のようにシアノエチルプルランを絶縁層に用い、そのシアノエチルプルラン膜の厚さを種々変化させ、その上にペンタセンから成る有機半導体層を被着せしめた構造を有する有機FETを作製した。そして、得られた各有機FETについて、後述する静電容量−ゲート電圧特性を測定した。また、一定のドレイン電圧を印加した状態でドレイン電流の経時変化を測定した。
それらの結果、ゲート電極に負バイアスのゲート電圧を印加した時の静電容量が、正バイアスのゲート電圧を印加した状態の静電容量の2倍を超える値となるようなFETの場合、ドレイン電流の変動が十分に抑えられず、そのときのシアノエチルプルランの膜厚は、1000nm程度であることが確認された。これに基づくと、改質層の厚さがおそらく500nm程度を超えると、FETにおける静電容量のゲート電圧依存性を十分に低く抑え難くなり、ドレイン電流の変動を十分に防止できない傾向にあると想定される。これは、改質層の厚さが過度に大きくなると、上述したような改質層への過剰な電荷注入が生じ易くなることが主因の一つと推定される。
すなわち、下記(数式1)で表される関係を満たすと好適である。
max≦Cmin×2
式中、Cminは当該FETの静電容量−ゲート電圧特性における静電容量の最小値を示し、Cmaxは当該FETの静電容量−ゲート電圧特性における静電容量の最大値を示す。
ここで、本発明における「静電容量−ゲート電圧特性」(いわゆるC−V特性)は、ゲート電極に10Vから−10Vまでの負バイアスを連続的に印加し、そのときに測定されるソース電極又はドレイン電極とゲート電極との間の静電容量を1Hz〜1kHzの測定周波数で測定することにより得られるものである。なお、Cminは通常はゲート電極に正バイアスがかかるときに得られる静電容量である。また、この特性を測定する際のFETの構成としては、ゲート電極がソース電極又はドレイン電極と対向するように配置されていてもいなくてもいずれでもよい。
或いは、ドレイン電流−ゲート電圧特性から求められるドレイン電流の変化率曲線が極値を有するもの、一次微分が実質的に正のもの、又は、ゲート電圧を印加してから10秒経過後の変化率が1を超えるものであると有用である。
ここで、本発明における「ドレイン電流−時間特性」(いわゆるI−t特性)は、ゲート電11極に一定のゲート電圧を継続的に印加した状態で、印加開始(t=0)から10秒経過する間に連続的又は断続的に測定されるドレイン電流の変化を表すものである。また、「ドレイン電流の変化率曲線」とは、そうして得られた「ドレイン電流−ゲート電圧特性」における電流値をt=0における電流値に規格化して得られる曲線を示す。さらに、「一次微分が実質的に正」であるとは、「ドレイン電流の変化率曲線」において、ドレイン電流の変化率が有意に減少することなく線形又は非線形に増加する状態を表す。
ドレイン電流の変化率曲線がこのような特質を呈するような関数形で表される場合に、ドレイン電流の経時的な変動幅の絶対値を十分に小さく抑制できることが確認された。
さらにまた、絶縁層は、表面又は表層部に水酸基が導入されたものであると更に好ましい。改質層を溶液の塗布によって形成させた塗膜の乾燥処理等によって絶縁層上に定着させる場合、絶縁層の表面又は表層部に予め水酸基(−OH)が導入されていると、改質層の絶縁層への固着性がより高められるので好ましい。
以上説明したように、本発明の有機FETによれば、特定のシアノ基含有化合物を含有して成る改質層を備えるので、ゲート電圧印加後のドレイン電流の経時的変化を抑え、長時間にわたって安定したドレイン電流を得ることが可能となる。
[図1]図1は本発明によるFETの構成の要部を示す模式断面図である。
[図2]図2は実施例1及び比較例1で得た各有機FETのドレイン電流−時間特性を示すグラフである。
[図3]図3は図2に示すドレイン電流を初期値(電圧印加時のドレイン電流)に規格化して得たドレイン電流値の経過時間に対する変化率を示すグラフである。
[図4]図4は実施例2及び比較例2で得た各有機FETのドレイン電流−時間特性を示すグラフである。
[図5]図5は図4に示すドレイン電流を初期値(電圧印加時のドレイン電流)に規格化して得たドレイン電流値の経過時間に対する変化率を示すグラフである。
[図6]図6は実施例3の有機FETのドレイン電流−時間特性を示すグラフである。
[図7]図7は実施例3の有機FETのドレイン電流−時間特性を示すグラフである。
[図8]図8は比較例3で得た有機FETのドレイン電流−時間特性を示すグラフである。
符号の説明
1 有機FET(FET)
2 基板(基体、ゲート電極)
4 複合層
6 ソース電極
8 ドレイン電極
10 有機半導体層
41 ゲート絶縁膜(絶縁層)
43 改質層
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、上下左右等の位置関係は、図面の位置関係に基づくものとする。
図1は、本発明によるFETの構成の要部を示す模式断面図である。有機FET(電界効果トランジスタ)1は、基板2(基体)上に絶縁体から成るゲート絶縁膜41(絶縁層)及び改質層43で構成される複合層4がこの順に形成され、更にその上に一定の間隔をおいて配置されたソース電極6及びドレイン電極8を有しており、且つ、これらの電極6,8の上方及び間に有機半導体層10が形成されたものである。
なお、有機半導体層10の配置は図示に限定されず、例えば、改質層43上に有機半導体層10が形成されており、且つ、その有機半導体層10上に一定間隔でソース電極6及びドレイン電極8が形成された構造の有機FET等も本発明のFETに含まれる。
図1における基板2は、例えばポリシリコン、ドープトSi等の導電性部材から成り、基板とゲート電極とを兼ねるものである。ただし、ガラス材、セラミックス材、プラスチック材等の絶縁性基板を用いてもよく、この場合には、ソース電極6、ドレイン電極8、及び有機半導体層10との絶縁が担保されるようにゲート電極を別途設ければよい。また、有機半導体層10の材質は、チャネル構造が実現されるような半導体特性を有する有機物であれば特に制限されず、例えば、ペンタセン、テトラセンといった直列配置された4つ又は5つ以上のオルト縮合ベンゼン環から成る多環体(アセン)、ポリアルキルチオフェン、チオフェンオリゴマー等を利用できる。
また、ゲート絶縁膜41は、適宜の誘電率を発現する各種材料から構成され、具体的な材料としては、例えばSiO、Al、Si、TiO等の無機誘電体、ポリイミド、マイラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート等の有機高分子、等が挙げられる。
改質層43は、後述する特定のシアノ基含有化合物から成るもの、又は、マトリクス材(母体材料)となるポリマー中に特定のシアノ基含有化合物が溶解、分散、又は混合された状態で固化されたものである。マトリクス材用のポリマーとしては、後述する特定のシアノ基含有化合物との相溶性、分散性、又は混合性に優れ、さらには必要に応じて溶剤への溶解性及びその溶液の塗布性に優れるものであれば特に制限されず、例えば、アクリル系樹脂等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの重合体が好ましく、より具体的には、ポリメチル(メタ)アクリレート(PMMA)、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリn−プロピル(メタ)アクリレート、ポリn−ブチル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ)アクリレート、ポリターシャリーブチル(メタ)アクリレート等のポリアルキル(メタ)アクリレートや、多官能(メタ)アクリレートのポリマー、変性(メタ)アクリレートのポリマー等が挙げられる。
また、アクリル系以外の別の樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとこれ以外のモノマーとの共重合体を例示できる。具体的には、アクリルアミド類のポリマー、芳香族ビニル化合物のポリマー等が挙げられる。さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、各種のポリ炭酸エステル(ポリカーボネイト)類、ポリウレタン類、エポキシ樹脂等を例示できる。
特定のシアノ基含有化合物も分子中にシアノ基を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、上述の下記(化学式1)で表されるシアノ基で変性されたシランカップリング剤が上げられる。
Figure 0004513745
Figure 0004513745
このような材料として、例えば下記(化学式2)等で表されるようなシアノアルキル基含有ポリマー等が挙げられる。
Figure 0004513745
ここで、(化学式1)中、Rは炭素数kが1〜20のアルキレン基又はポリメチレン基を示し、該アルキレン基及び該ポリメチレン基はエーテル結合を有していてもよく、nは1〜2kの整数を示し、R、R、及びRは、それぞれ独立に炭素数が1〜20の有機基を示し且つR、R、及びRのうち少なくとも一つが炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数1〜20のアルキル鎖を有するアルキルアミノ基であり、MはSi、Ti及びAlのうち少なくとも一種の原子を示す。なお、MがSi又はTiのときはm=1であり、MがAlのときはm=0である。
また、(化学式2)中、Rの少なくとも一つは、シアノエチル基等のシアノアルキル基、シアノアルコキシアルキル基(エーテル結合を含んでいてもいなくてもよい)、等のシアノ化有機基であり、残りは水素原子を示す。さらに、nは1〜20の整数である。
これらのなかでは、(化学式1)で表されるもの、及び、Rのうち少なくとも一つがシアノエチル基である(化学式2)で表されるポリマー(シアノエチルプロラン)が好ましく、(化学式1)で表されるもののうち2−シアノエチルトリエトキシシランが特に好ましい。
また、改質層43は、マトリクス材としてのポリマーを含んでいなくともよいが、それを含んでいるものも好適に用いることができる。その場合、特定のシアノ基含有化合物の含有濃度は、好ましくは50質量%未満、より好ましくは5〜25質量%とされる。さらに、改質層43の厚さd1は特に制限が無いものの、0.5〜500nmであると好ましく、0.5〜100nmであるとより好ましい。
或いは、改質層43の厚さd1は、ゲート絶縁膜41の厚さd2との関係で適宜設計されてもよく、例えば、下記(数式2)で表される関係を満たすように設けられていると好ましい。
d2×0.0005≦d1≦d2×10
改質層43の厚さd1は、下記(数式3)で表される関係を満たすように設けられているとより好ましい。
d2×0.0005≦d1≦d2×1
このように構成された有機FET1を製造する手順の一例について説明する。まず、基板2としてn型シリコン基板(例えばバルク抵抗率:10Ωcm程度)を用意し、この基板2に適宜の熱酸化を施し、例えば200nm程度の厚さの熱酸化膜(SiO膜)から成るゲート絶縁膜41を形成させる。
次に、上述したマトリクス材用のポリマー及び特定のシアノ基含有化合物を、又は、シアノ基含有化合物のみを、適宜の有機溶剤に溶解せしめて成る溶液を調整する。有機溶剤としては、それらのポリマー及び特定のシアノ基含有化合物との相溶性又は分散性に優れるものであれば特に限定されず、例えばアルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、芳香族化合物、石油エーテル等や、場合によってはポリマーと同種のモノマー、例えば(メタ)アクリル酸エステル類、芳香族ビニル化合物等を用いることができる。
次いで、このようにして調製した溶液を用いて改質層43を形成せしめる。その際の具体的な方法としては、例えば以下の二種の方法を例示できる。
第一の方法においては、まず、上述したように調製した溶液を基板2のゲート絶縁膜41上に塗布する。溶液の塗布方法としては、スピンコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、ディップコート等の塗布法を適宜用いることができる。こうしてゲート絶縁膜41上に形成された塗膜を、例えば60〜200℃程度で例えば10分から10時間程度減圧乾燥させて改質層43を得る。このとき、塗布用の調製溶液はマトリクス材用のポリマーを含んでいてもよい。
また、第二の方法においては、まず、ゲート絶縁膜41を有する基板2を上述したように調製した溶液中に浸漬する。こうして得られた塗膜を例えば70〜200℃程度で例えば10分〜10時間程度加熱処理し、ゲート絶縁膜41と反応せしめてゲート絶縁膜41に固着させ、改質層43を形成させる。このとき、改質層43の形成に先立って、ゲート絶縁膜41が形成された基板2面を予め熱水処理してゲート絶縁膜41の表面又は表層部に水酸基を適宜導入させておくと好ましい。こうすれば、加熱処理時の上記塗膜とゲート絶縁膜41との反応性がより高められ、改質層43の固着性が向上される。次に、改質層43を形成させるための加熱処理終了後、その表面の洗浄を行うことにより改質層43に含まれる又は付着している未反応の特定のシアノ基含有化合物を除去することが好ましい。
さらに、Au等の金属蒸着等によりソース電極6及びドレイン電極8を形成させる。その後、上述した有機半導体層10の材料を蒸着法等により両電極6,8の周囲に例えば厚さが50nm程度となるように被着せしめて有機半導体層10を形成させ、有機FET1を得る。ここで、チャネル長は例えば20μm程度とされ、チャネル幅は例えば5mm程度とされる。
なお、改質層43上に有機半導体層10が設けられ且つその上にソース電極6及びドレイン電極8が形成された前述したような構成の有機FET1を作製するには、溶液塗布及び塗膜の加熱処理によって改質層43を形成させた後、有機半導体層10を蒸着せしめ、その上に金属蒸着によって両電極6,8を形成させればよい。
そして、そのようにして得られる上述した構成の有機FET1は、上述の下記(数式1)で表される関係を満たすものであると好適である。
max≦Cmin×2
式中、Cminは有機FET1の静電容量−ゲート電圧特性における静電容量の最小値を示し、Cmaxは有機FET1の静電容量−ゲート電圧特性における静電容量の最大値を示す。
或いは、有機FET1は、ドレイン電流−時間特性から求められるドレイン電流の変化率曲線が極値を有するもの、一次微分が実質的に正のもの、又は、ゲート電圧を印加してから10秒経過後の変化率が1を超えるものであると特に有用である。
このように構成された有機FET1によれば、改質層43に特定のシアノ基含有化合物が含まれるので、有機半導体層10に発現するトラップ準位に捕獲され得る電荷が、有機半導体層10とゲート絶縁膜41との界面近傍から特定のシアノ基含有化合物へ注入されるような電荷移動が生起され得る。これにより、もしトラップ準位に電荷が捕獲されていたら、それによりチャネル構造内部のキャリアが被るであろうクーロン散乱が激減される。よって、有機FET1において、経時的なドレイン電流の顕著な減少が生じることを十分に防止できる。
また、特定のシアノ基含有化合物が(化学式1)で表されるものであると、有機半導体層10から改質層43への電荷移動が過度に促進されて、チャネルに有意量のホールが形成されるといった不都合が生じることを抑止し易くなる。よって、チャネル近傍の電荷状態を安定に保つことができ、それにより、従来に比してドレイン電流の変動を格別に防止できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ゲート絶縁膜として約400nmの熱酸化膜を形成させたゲート電極を兼ねる高ドープのn型シリコン(バルク抵抗:10Ωcm)基板を準備し、これを25mm×10mmの矩形板状に切り出した。一方、PMMA及び信越化学工業(株)製CR−S(シアノエチルプルラン−Sタイプ)からなるポリマー混合物を溶媒(アセトン:メチルエチルケトン:アセトニトリル=2:1:1)にポリマー分が1wt%の濃度になるように溶解させ、溶液を得た。これをシリコン基板片に回転数1000rpmでスピンコートしたのち、80℃で1時間減圧乾燥を行い、改質層を得た。このとき得られた改質層の厚さは50nmであった。
それから、その改質層の上に有機半導体層材料であるペンタセンを0.1nm/秒の成膜速度となるように蒸着せしめ、厚さ約50nmの有機半導体層を形成させた。さらに、その上に厚さ約100nmのAu膜を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成させて有機FETを得た。なお、チャネル長を20μmとし、チャネル幅を5mmとした。また、本実施例1では、10%エタノール溶液に溶解せしめたPMMA及びCR−Sの量を適宜変化させ、改質層におけるCR−Sの含有濃度が種々異なる(9質量%、23質量%、50質量%、83質量%、及び100質量%;なお、100質量%のものはPMMA=0質量%、すなわちCR−Sのみで改質層が形成されて成る。)複数の有機FETを作製した。
〈比較例1〉
CR−Sを用いずに塗布溶液を調製したこと、すなわち特定のシアノ基含有化合物を含まないPMMAのみから成る層をゲート絶縁膜上に形成させたこと以外は実施例1と同様にして有機FETを得た。つまり、この比較例1のFETにおける絶縁層上の層はPMMA100質量%のものである。
溶媒としてアセトニトリル:N,N’−ジメチルホルムアミド=1:1のものを用いたこと、及びスピンコート後の減圧乾燥条件を120℃且つ1時間としたこと以外は実施例1と同様にして、改質層の厚さが種々異なる(10nm、29nm、98nm(二つ)、1100nm)有機FETを作製した。なお、このときの改質層におけるCR−Sの含有濃度は100質量%に固定した。また、厚さ10nmのものはチャネル長を50μmとした。
〈比較例2〉
ゲート絶縁膜を設けなかったこと以外は、実施例2の改質層の厚さが1100nmのものと同様にして、つまり絶縁層として1100nmのCR−Sの層を形成させたこと以外は実施例2と同様にして有機FETを作製した。
実施例1と同様のシリコン基板片を沸騰水中に5時間放置した。次いで、その各シリコン基板片を2−シアノエチルトリエトキシシランの10質量%エタノール溶液に1時間浸漬させ、その溶液を100℃に加熱した状態で1時間保持することにより、脱水重合反応を生起させた。その後、その各シリコン基板片をエタノールで洗浄し、未反応の2−シアノエチルトリエトキシシランを除去した後、80℃で1時間減圧乾燥を行い、改質層を得た。このとき得られた改質層の厚さは1〜2nmであった。
〈比較例3〉
2−シアノエチルトリエトキシシランを用いずに塗布溶液を調製したこと以外は実施例3と同様にして有機FETを得た。
〈特性評価1〉
実施例1及び比較例1で得た各有機FETについて上述した方法によりドレイン電流−時間特性(I−t特性)を測定した。結果をグラフ化して図2に示す。同図中に質量%単位で記した数値は、改質層におけるCR−Sの含有濃度を示す。また、図3は、初期値(電圧印加時のドレイン電流)に規格化したドレイン電流値の変化、つまりドレイン電流の経過時間に対する変化率を示すグラフである。
これらの結果より、絶縁層上にCR−Sを含む改質層が存在することにより、ドレイン電流の増大が認められる。また、ゲート電圧印加から10秒オーダー程度の間では、ドレイン電流の変化率は初期値に比して−0.5〜1.2程度の範囲に収まり得ることが判明した。また、図3に示す如く、CR−S濃度が83質量%以上であると、ドレイン電流の変化率を示すグラフにおいて極大値が認められる。しかし、5〜50質量%であると、ドレイン電流の変化率を示すグラフにおいて極大値が認められず、その変動幅が比較的縮小されることが理解され、絶対値も適度に高められることが判明した。さらに、比較例1の有機FETは、ドレイン電流が小さく、またCR−S濃度が83%以上では短時間でのドレイン電流の変化が格段に大きく、極大値を示した後の減少傾向も顕著であることが確認された。
〈特性評価2〉
実施例2及び比較例2で得た各有機FETについて上述した方法によりドレイン電流−時間特性を(I−t特性)を測定した。結果を図4に示す。同図中にnm単位で記した数値は、改質層の厚さ(比較例2は絶縁層としてのCR−S層の厚さ)を示す。また、図5は、初期値(電圧印加時のドレイン電流)に規格化したドレイン電流値の変化、つまりドレイン電流の経過時間に対する変化率を示すグラフである。
これらの結果より、実施例2の有機FETは比較例2のものに比してドレイン電流の変化率が格段に軽減されることが理解される。また、改質層の厚さが1100nmの場合には、ゲート電圧印加から100秒経過後の変化率が比較的大きくなり、それと他の厚さの改質層を有する有機FETでの結果とを考慮すると、実施例2の場合においては、改質層の厚さが500nm程度となると、ドレイン電流の経時的な変化率(幅)が比較的増大してしまう傾向にあることが想定される。
〈特性評価3〉
実施例3及び比較例3で得た各有機FETについて上述した方法によりドレイン電流−時間特性(I−t特性)を測定した。なお、ゲート電圧及びドレイン電圧が共に−10Vとなるような条件で測定を行った。図6及び図7は、実施例3の有機FETのドレイン電流−時間特性(I−t特性)を示すグラフであり、両図は横軸のダイナミックレンジが互いに異なるものである。これらの結果より、本発明による実施例3の有機FETは、ゲート電圧を印加してから12時間経過した後でも、初期値に比して+30%程度の極めて小さいドレイン電流変化率を発現することが確認された。
一方、図8は比較例3で得た有機FETのドレイン電流−時間特性(I−t特性)を示すグラフである。図8における横軸のダイナミックレンジは15秒程度であり、図6及び図7と比較すると、比較例3の有機FETは極短時間でのドレイン電流の変化率が桁違いに大きいことが理解される。
本発明は、電界効果トランジスタ(FET;field−effect transistor)、特に、有機物質を含有して成る半導体層を備えるFETに利用できる。

Claims (8)

  1. 基体の一側に形成されたゲート電極と、
    前記基体の前記一側に形成されたソース電極と、
    前記基体の前記一側に形成されたドレイン電極と、
    前記ゲート電極と前記ソース電極及び前記ドレイン電極との間に形成された絶縁層と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極の周囲に形成された有機半導体層と、
    前記絶縁層と前記有機半導体層との間に被着されており、且つ、分子中にシアノ基を有する化合物を含有して成る改質層と、
    を備える電界効果トランジスタであって、
    前記分子中にシアノ基を有する化合物が下記式:
    Figure 0004513745
    (式中、R は炭素数kが1〜20のアルキレン基又はポリメチレン基を示し、該アルキレン基及び該ポリメチレン基はエーテル結合を有していてもよく、nは1〜2kの整数を示し、R 、R 、及びR は、それぞれ独立に炭素数が1〜20の有機基を示し且つR 、R 、及びR のうち少なくとも一つが炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数1〜20のアルキル鎖を有するアルキルアミノ基であり、MはSi、Ti及びAlのうち少なくとも一種の原子を示し、MがSi又はTiのときはm=1であり、MがAlのときはm=0である)、
    で表されるものである、電界効果トランジスタ。
  2. 基体の一側に形成されたゲート電極と、
    前記基体の前記一側に形成されたソース電極と、
    前記基体の前記一側に形成されたドレイン電極と、
    前記ゲート電極と前記ソース電極及び前記ドレイン電極との間に形成された絶縁層と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極の周囲に形成された有機半導体層と、
    前記絶縁層と前記有機半導体層との間に被着されており、且つ、分子中にシアノ基を有する化合物を含有して成る改質層と、
    を備える電界効果トランジスタであって、
    前記分子中にシアノ基を有する化合物が下記式:
    Figure 0004513745
    (式中、R は炭素数kが1〜20のアルキレン基又はポリメチレン基を示し、該アルキレン基及び該ポリメチレン基はエーテル結合を有していてもよく、nは1〜2kの整数を示し、R 、R 、及びR は、それぞれ独立に炭素数が1〜20の有機基を示し且つR 、R 、及びR のうち少なくとも一つが炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数1〜20のアルキル鎖を有するアルキルアミノ基であり、MはSi、Ti及びAlのうち少なくとも一種の原子を示し、MがSi又はTiのときはm=1であり、MがAlのときはm=0である)、
    で表されるものである、電界効果トランジスタ。
  3. 前記改質層は、前記分子中にシアノ基を有する化合物が2−シアノエチルトリエトキシシランのものである、
    請求項1又は2に記載の電界効果トランジスタ。
  4. 前記改質層は、前記分子中にシアノ基を有する化合物の含有濃度が50質量%未満のものである、
    請求項1記載の電界効果トランジスタ。
  5. 前記改質層は、厚さが0.5〜500nmのものである、
    請求項1記載の電界効果トランジスタ。
  6. 下記式:
    max≦Cmin×2、
    min:当該電界効果トランジスタの静電容量−ゲート電圧特性における静電容量の最小値、
    max:当該電界効果トランジスタの静電容量−ゲート電圧特性における静電容量の最大値、
    で表される関係を満たす請求項1又は2に記載の電界効果トランジスタ。
  7. ドレイン電流−時間特性から求められるドレイン電流の変化率曲線が極値を有するもの、一次微分が実質的に正のもの、又は、ゲート電圧を印加してから10秒経過後の変化率が1を超えるもの、
    である請求項1又は2に記載の電界効果トランジスタ。
  8. 前記絶縁層は、表面又は表層部に水酸基が導入されたものである、請求項2記載の電界効果トランジスタ。
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