JP4512297B2 - 洗濯乾燥機および水冷式熱交換器 - Google Patents

洗濯乾燥機および水冷式熱交換器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯乾燥機および水冷式熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗濯,脱水および乾燥を行う洗濯乾燥機は、特開平11−347282号公報に記載されているように、送風機によって洗濯槽から吸い出した空気を水冷除湿する水冷式熱交換器と、除湿した空気を加熱して洗濯槽内に吹き込むヒータを備える。前記水冷式熱交換器は、洗濯槽から吸い出した湿潤空気を除湿する除湿ダクト内に冷却水を供給し、除湿ダクト内を流れる空気の流勢によって冷却水の水滴を跳ね上げて空気と冷却水の接触による熱交換(冷却除湿)効率を高めるように構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、洗濯乾燥機においては、水冷式熱交換器の下流側に空気を加熱するヒータが存在するために、熱交換器内で発生した水滴が循環空気に乗って前記ヒータの位置まで飛翔しないようにすることが必要である。
【0004】
熱交換器内で発生した水滴が該熱交換器内に止めるために該熱交換器内の出口部に水滴を落下させるための部屋を設けると熱交換器が大型化し、水滴遮蔽リブを設けると通風抵抗が増加して通風量が低下する問題がある。
【0005】
熱交換器と外槽が別部材で構成されているために熱交換器と外槽の間に空間が生じ洗濯乾燥機が大型化する問題がある。
【0006】
本発明の1つの目的は、空気と冷却水の接触面積を広めて熱交換(冷却除湿)効率を高めると共に水滴が空気に乗って下流側に飛翔するのを防止することにある。
本発明の他の目的は、更に、前述したような水冷式熱交換器(水冷除湿器)を小型に構成することにある。
本発明の他の目的は、更に、前述したような水冷式熱交換器(水冷除湿器)を小さな通風抵抗で実現することにある。
本発明の他の目的は、更に、前述したような洗濯乾燥機を小型に構成することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の洗濯乾燥機は、洗濯物を洗濯,脱水する洗濯槽内の空気を水冷式除湿器に循環させて冷却除湿することにより外槽の内側に位置する洗濯槽内の洗濯物を乾燥させる縦型洗濯乾燥機において、前記水冷式除湿器の空気を循環させる風路を前記洗濯乾燥機の外槽と一体に構成したことを特徴とする。
また、本発明の洗濯乾燥機は、洗濯物を洗濯,脱水する洗濯槽内の空気を水冷式除湿器に循環させて冷却除湿することにより洗濯槽内の洗濯物を乾燥させる洗濯乾燥機において、前記水冷式除湿器は、空気を循環させる風路に面する略垂直な壁面の上部に該壁面に冷却水を流し出して該壁面を伝わせて流下させる冷却水供給管と、前記壁面の冷却水流下領域に設けた冷却水流下面積拡大部材を備えたことを特徴とする。
また、本発明の洗濯乾燥機は、 洗濯物を洗濯,脱水する洗濯槽内の空気を水冷式除湿器に循環させて冷却除湿することにより洗濯槽内の洗濯物を乾燥させる洗濯乾燥機において、前記水冷式除湿器は、空気を循環させる風路に面する略垂直な壁面の上部に該壁面に冷却水を流し出して該壁面を伝わせて流下させる冷却水供給管と、冷却水を前記壁面の略垂直な距離より長い距離を流下させる部材を備えたことを特徴とする。
また、本発明の水冷式熱交換器は、通風路を流れる空気を冷却水に直に接触させて冷却する水冷式熱交換器において、前記通風路は、風路に面する略垂直な壁面の上部に該壁面に冷却水を流し出して該壁面を伝わせて流下させる冷却水供給管と、前記壁面の冷却水流下領域に設けた冷却水流下面積拡大部材を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯乾燥機の構成を示す模式図である。図2は、その水冷式除湿器(熱交換器)を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。
【0010】
この洗濯乾燥機は、衣類投入口1aを外蓋2によって開閉可能に覆った外枠1内に、上端開口3aを内蓋4で開閉可能に覆った外槽3を防振状態に懸垂して支持している。
【0011】
外槽3内には、洗濯物を入れる洗濯槽5を回転可能に支持し、洗濯槽5内の底部には洗濯物を撹拌する撹拌翼6を回転可能に支持する。洗濯槽5は、側壁に遠心脱水および通風用の多数の小孔5aを有する。外槽3の底壁の外側に取り付けた電動駆動装置7は、前記洗濯槽5および撹拌翼6を回転駆動する。また、外槽3の底壁に開口した排水口3bは、排水電磁弁8を介して排水ホース9に接続する。
【0012】
洗濯槽5内の洗濯物を乾燥させる乾燥装置10は、外槽3内の空気を該外槽3の底に近い側壁に設けた吸い出し口3cから吸い出して水冷除湿し、次いで加熱した後に吹き込みノズル11から洗濯槽5の内に吹き込むことにより循環空気12を生成して洗濯物を乾燥させる。
【0013】
循環空気12を水冷除湿する水冷式除湿器(熱交換器)13は、外槽3と一体に成形されており,外槽3に形成した吸い出し口3cに接続されて該外槽3の側壁の背面に沿って略垂直立ち上がる姿勢の水冷除湿ダクト14と、この水冷除湿ダクト14の下流側である上部の壁面に冷却水15を流し出す冷却水流出口16aを有する冷却水供給管16と、前記壁面の冷却水流下領域に設けた冷却水流下面積拡大部材としての複数段の突条17を備える。
【0014】
図1においては、突条17を水冷除湿ダクト14の端面に図示しているが、実際には、図2に示すように、前後の広い側壁面に位置して循環通風路に対面するように設ける。この水冷除湿ダクト14は、外槽3の背面に沿って外枠1との間の狭い空間に設置することになるので、その通風路の断面形状は、奥行きを狭くした幅広の薄型形状に構成する。具体的には、水冷除湿ダクト14は、奥行き寸法が30mm程度、幅寸法が130mm程度、長さ寸法が500mm程度である。従って、冷却水は、循環空気12との接触面積を多くするために、幅(面積)の広い前後の壁面に沿って流下させるように流し出す。そして、複数段の突条17は、通風抵抗の増加を軽減するために3mm程度の高さ寸法で水冷除湿ダクト14の前後の壁面に略水平方向に伸びるようにジグザグに配置し、冷却水供給管16の冷却水流出口16aから壁面に沿うように流し出した冷却水15を該壁面に沿って且つ突条17によって水平方向にジグザグに案内しながら該壁面を伝って流下させる。
【0015】
そして、水冷除湿ダクト14の上端(下流)部には循環空気を生成する送風機18を接続し、この送風機18から送り出された循環空気12を加熱して前記吹き込みノズル11に送り込むヒータ19を備える。
【0016】
このように構成した洗濯乾燥機は、洗濯工程においては、洗濯槽5内に洗濯物を投入し、排水電磁弁8を閉じた状態で給水して外槽3に洗濯水を溜め、撹拌翼6を回転させて洗濯物を洗濯する。また、脱水工程においては、排水電磁弁8を開いて外槽3内の洗濯水を排水し、洗濯槽5を回転させて遠心脱水する。
【0017】
そして、乾燥工程では、排水電磁弁8を開いた状態で洗濯槽3および/または撹拌翼6を回転させると共に、送風機18を運転して外槽3内の空気を吸い出し口3cから吸い出して水冷除湿ダクト14内を通過させて水冷除湿した後にヒータ19で加熱して吹き込みノズル11から洗濯槽5内の洗濯物に向けて吹き込む循環空気12を生成する。
【0018】
洗濯槽5内で洗濯物から水分を奪って湿潤して水冷除湿ダクト14内を通過する循環空気12の水冷除湿は、冷却水供給管16の冷却水流出口16aから水冷除湿ダクト14の壁面に流れ出た冷却水15を該壁面を伝わせて且つ突条17によって水平方向にジグザグ状態に案内して該壁面の広い範囲に広げて流下させる(該壁面の略垂直な距離より長い距離を流下させる)ことにより、循環空気12が水冷除湿ダクト14内を通過するときに該水冷除湿ダクト14の壁面を伝って流下する冷却水15に広い面積で触れさせることにより実現する。
【0019】
循環空気12は、水冷除湿ダクト14内を高速度で上昇しているので、冷却水15が突条17の先端縁から溢れ出ると循環空気12に吹き上げられて水滴となって下流側に飛翔することになる。従って、冷却水15は、水冷除湿ダクト14の内壁面と突条17の上面によって形成される角部内を該突条17上に沿って溢れ出ないで流れる程度の流量とすることが望ましい。水冷除湿ダクト14内を上昇する循環空気12は、突条17の先端縁に衝突して該突条17の下流(上面)側で乱流することから該突条17の上面と壁面によって形成される角部を伝って流れる冷却水15と良く触れ合って熱交換し、効率良く冷却除湿することができる。
【0020】
このような水冷式除湿器13によれば、水冷除湿ダクト14は、内壁面に沿って且つ突条17によって水平方向にジグザグ状態に案内されながら該壁面を伝って流下する冷却水15に広い範囲で循環空気12を良く触れさせて熱交換し、効率良く冷却除湿することができる。しかも、水冷除湿ダクト17の内壁面に設ける突条17は、背丈の低いものであるので、通風抵抗の増加を軽減することができ、また、下流側に飛翔するような水滴の発生を防止することもできる。従って、水冷式除湿器13の大型化も避けることができる。更に,水冷式除湿器13が外槽3と一体に成形されることにより,無駄な空間が排除され洗濯乾燥機の小型化が図れる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態を図3を参照して説明する。図3は、この第2の実施の形態における水冷式除湿器(熱交換器)を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。この第2の実施の形態は、水冷除湿ダクトの壁面に多段に設ける突条を2列に配列した構成に特徴がある。第1の実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0022】
この第2の実施の形態における水冷式除湿器13は、水冷除湿ダクト14内の前後の壁面を仕切り板20によって縦割りに2分割し、分割した2つの領域のそれぞれに略水平方向に伸びる突条17をジグザグ状態に多段に配置し、冷却水供給管16の冷却水流出口16a,16bから各列の壁面に沿うように流し出した冷却水15を該壁面に沿って且つ突条17によって水平方向にジグザグ状態に案内しながら該壁面を伝って流下させる構成である。
【0023】
このような水冷式除湿器13は、突条17に沿った冷却水15の流下路が2系統となるので、流下させる冷却水15の総量が同一であれば、各流下路に流す冷却水15の流量を1/2にすることができ、従って、各突条17の背丈を低くして通風抵抗の増加を大幅に軽減することができる。
【0024】
次に、本発明の、第3の実施の形態を、図4を参照して説明する。図4は、この第3の実施の形態における水冷式除湿器を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。この第3の実施の形態は、水冷除湿ダクトの壁面に多段に設ける突条を3列に且つ傾斜させて配列した構成に特徴がある。前述した実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0025】
この第3の実施の形態における水冷式除湿器13は、水冷除湿ダクト14内の前後の壁面に水平方向に対して約20度の角度で傾斜して伸びる突条17を3列にジグザグ状態に多段に配置し、冷却水供給管16の冷却水流出口16a,16b,16cから各列の壁面に沿うように流し出した冷却水15を該壁面に沿って且つ突条17によって斜めにジグザグ状態に案内しながら該壁面を伝って流下させる構成である。また、各列の突条17は、隣の列の突条17の傾斜によって開いた領域に各列の閉じるように傾斜した側を入り込むように配列して突条17の配列密度を高めるようにしている。
【0026】
このような水冷式除湿器13は、突条17に沿った冷却水15の流下路が3系統となるので、流下させる冷却水15の総量が同一であれば、各流下路に流す冷却水15の流量を1/3にすることができ、しかも、傾斜した突条17は冷却水15が流下し易いことから、各突条17の背丈を更に低くして通風抵抗の増加を大幅に軽減することができる。しかも、突条17が傾斜していることから該突条17の下流に発生する乱流が縦長の渦となることから、通風抵抗が一層小さくなる。また、各列の突条17は、入り組むように配列したことによって配列密度が高くなり、冷却水15の流下面積が広がって熱交換(冷却除湿)効率を高めることができる。
【0027】
次に、本発明の、第4の実施の形態を、図5を参照して説明する。図5は、この第4の実施の形態における水冷式除湿器を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。この第4の実施の形態は、冷却水流下面積拡大部材をパンチングメタルで形成した構成に特徴がある。前述した実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0028】
この第4の実施の形態における水冷式除湿器13は、水冷除湿ダクト14内の前後の壁面に沿って微小間隙を介在させてパンチングメタル21を設置し、冷却水供給管16の3つの冷却水流出口16a,16b,16cから水冷除湿ダクト14内の壁面に沿って冷却水15を流し出し、水冷除湿ダクト14の壁面とパンチングメタル21の間の微小間隙の毛細管力によって冷却水15を該微小間隙の全域に拡散するように流下させる構成である。パンチングメタル21は、多数の開口21aを有し、冷却水15は開口21a内で風路に露出して循環空気12と接触することにより該循環空気12を冷却除湿する。また、冷却水15は、パンチングメタル21をも冷却することから該パンチングメタル21に接触する循環空気12を冷却除湿する。
【0029】
水冷除湿ダクト14内を流れる循環空気12は、パンチングメタル21の開口21aによる段差によって乱流するが、パンチングメタル21を薄い鋼材で形成することにより、この乱流による通風抵抗の増加を極めて小さくすることができる。
【0030】
なお、この第4の実施の形態における冷却水流下面積拡大部材は、パンチングメタル21の代りにエキスパンダーメッシュやガーゼ等を用いても同様な効果を期待することができる。パンチングメタル21は、熱抵抗とならないように熱伝導性に優れた金属とすることが好ましいが、コストや錆等の問題がある場合には樹脂等の素材に変えることもできる。
【0031】
次に、本発明の第5の実施の形態を図6を参照して説明する。図6は、この第5の実施の形態における水冷式除湿器の一部を拡大して示す斜視図である。この第5の実施の形態は、水冷除湿ダクトの内壁に設ける突条を螺旋状に形成した構成に特徴がある。前述した実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0032】
この実施の形態における水冷式除湿器13は、水冷除湿ダクト14内の4つの壁面に連続した螺旋状の突条17を設け、冷却水を、壁面を伝わせて螺旋状に流下させる構成である。
【0033】
この第5の実施の形態は、水冷除湿ダクト14内の4つの壁面を冷却水流下面として利用することができるので、冷却水と循環空気の接触面積を大きくすることができる。突条17は、複数条の螺旋形状に構成することもできる。
【0034】
次に、本発明の、第6の実施の形態を、図7を参照して説明する。図7は、この第6の実施の形態における水冷式除湿器の一部を拡大して示す斜視図である。この第6の実施の形態は、水冷除湿ダクト内を仕切って2つの風路を形成し、各風路の内壁面に螺旋状の突条を設けた構成に特徴がある。前述した実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0035】
この実施の形態における水冷式除湿器13は、水冷除湿ダクト14内を仕切り板22によって縦割りの2つの風路に分割し、各風路内の4つの壁面に連続した螺旋状の突条17を設け、冷却水を、壁面を伝わせて螺旋状に流下させる構成である。
【0036】
この第6の実施の形態は、水冷除湿ダクト14内を仕切って2つの風路を形成し、各風路の4つの壁面を冷却水流下面として利用することができるので、冷却水と循環空気の接触面積を大きくすることができる。突条17は、複数条の螺旋形状に構成することもできる。
【0037】
なお、前述した第5,第6の実施の形態における螺旋状の突条17は、水冷除湿ダクト14の壁面に沿って挿入した通水用のスパイラルホースに変えることもできる。
【0038】
次に、本発明の、第7の実施の形態を、図8を参照して説明する。図8は、この第7の実施の形態における水冷式除湿器の一部を拡大して示す斜視図である。この第7の実施の形態は、水冷除湿ダクトの壁面を伝って該壁面の下端部に流下した冷却水が該水冷除湿ダクトに流入する循環空気によって吹き上げられて下流まで飛翔する水滴が発生しないように該水冷除湿ダクトの下端部に排水案内凸部を設けた構成に特徴がある。前述した実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0039】
この実施の形態において、水冷式除湿器13は、水冷除湿ダクト14の下端部を外槽3に設けた吸い出し口3cに接続している。吸い出し口3cから水冷除湿ダクト14の下端に水平方向に流れ込む循環空気12は、略垂直状態の水冷除湿ダクト14の下端部において該水冷除湿ダクト14に沿って略垂直に上昇するように方向転換する。この方向転換部位に面する水冷除湿ダクト14の内側の、壁面の下端縁まで冷却水15を流下させると、冷却水15は壁面の下端縁から風路内に垂れ落ちることになり、循環空気12に吹き上げられることによって水滴を飛翔させる。排水案内凸部23は、水冷除湿ダクト14の内側の、壁面の下部に突条17に沿って流下する冷却水15を両端部に仕切り板24によって形成した通風の陰部に導き、流速の速い循環空気12に曝される形態で垂れ落ちることがないように構成する。
【0040】
仕切り板24には排水口24aを形成し、陰部に溜った冷却水15を吸い出し口3cの底壁面に沿って外槽3内に流入させる。
【0041】
水冷除湿ダクト14の下端部をこの実施の形態のように構成することにより、下流まで飛翔して障害となる水滴の発生を防止することができる。
【0042】
次に、本発明の、第8の実施の形態を、図9を参照して説明する。図9は、この第8の実施の形態における水冷式除湿器の縦断側面図である。この第8の実施の形態は、水冷除湿ダクト内に風路に沿って熱交換板を設置し、この熱交換板の表面に突条を設けた構成に特徴がある。前述した実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0043】
この実施の形態における水冷式除湿器13は、水冷除湿ダクト14内の前後方向の略中間位置に金属製の熱交換板25を垂直状態に設置し、水冷除湿ダクト14内を前後に2分割するように縦割りしている。この熱交換板25は、後側(図中右側)の壁面に前述した実施の形態と同様な突条17を設け、熱交換板25の下端部は、外槽3の側壁に設けた吸い出し口3cに向けて湾曲させて案内部25aを形成する。この案内部25aには、突条17を設けない。そして、冷却水供給管16の冷却水流出口16aから前記後側の壁面上に冷却水15を流し出すように構成する。
【0044】
このような水冷式除湿器13は、吸い出し口3cから流入する循環空気12を熱交換板25の下端部25aによって前後の流路に円滑に分流させる。そして、後側の流路に分流した循環空気12は、前述した実施の形態における循環空気12と同様に、突条17に沿って流下する冷却水15と該冷却水15によって冷却された熱交換板25に触れさせて冷却除湿する。また、前側の流路に分流した循環空気12は、冷却水15によって冷却された熱交換板25に触れさせて冷却除湿する。
【0045】
熱交換板25の後側の壁面を流下する冷却水15は、案内部25aの後側の、空間の両端部を流れ落ちるように構成することにより、下流側まで飛翔する水滴が発生するのを防止する。
【0046】
次に、本発明の、第9の実施の形態を、図10を参照して説明する。図10は、この第9の実施の形態における水冷式除湿器の一部を拡大して示す斜視図である。この第9の実施の形態は、水冷除湿ダクト内を前後に2分割するように風路に沿って熱交換板を設置し、この熱交換板の表面に突条と開口部を,下端部に2分割された流路に円滑に分流させるための空間を設けた構成に特徴がある。前述した実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0047】
この実施の形態における水冷式除湿器13は、水冷除湿ダクト14内の前後方向の略中間位置に金属製の熱交換板25を垂直状態に設置し、水冷除湿ダクト14内を前後に2分割するように縦割りしている。この熱交換板25は、後側(図中右側)の壁面に前述した実施の形態と同様な突条17と開口部26を設け、熱交換板25の下端部には、前述した実施の形態と同様に水滴の飛翔を防ぐ排水案内凸部23を設けている。排水案内凸部23より下側の熱交換板25は取り除かれ、冷却水供給管16の冷却水流出口16aから前記後側の壁面上に冷却水15を流し出すように構成する。
【0048】
このような水冷式除湿器13は、水冷除湿ダクト14の下端部を外槽3に設けた吸い出し口3cに接続している。吸い出し口3cから水冷除湿ダクト14の下端に水平方向に流れ込む循環空気12は、略垂直状態の水冷除湿ダクト14の下端部において該水冷除湿ダクト14に沿って略垂直に上昇するように方向転換する。この方向転換部位に流れ込む循環空気12の速度分布を一様に回復させるための空間28を設ける。この空間28によって前後の流路に循環空気12を円滑に分流させる。そして、後側の流路に分流した循環空気12は、前述した実施の形態における循環空気12と同様に、突条17に沿って流下する冷却水15と該冷却水15によって冷却された熱交換板25に触れさせて冷却除湿する。また,突条17に沿う循環空気12の一部は突条17の下部に位置する開口部26を通り抜け,突条17の下面の冷却を促進させる。また、前側の流路に分流した循環空気12は、冷却水15によって冷却された熱交換板25に触れさせて冷却除湿する。
【0049】
熱交換板25の後側の壁面を流下する冷却水15は、排水案内凸部23より熱交換板25の両端部を流れ落ちて吸い出し口3cによって形成した通風の陰部27に導かれ、流速の速い循環空気12に曝されることなく吸い出し口3cの底壁面に沿って外槽3内に流入する。このように構成することにより、下流側まで飛翔する水滴が発生するのを防止する。
【0050】
次に、本発明の、第10の実施の形態を、図11を参照して説明する。図11は、この第10の実施の形態における水冷式除湿器を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図である。この第19の実施の形態は、水冷除湿ダクト内に風路に沿って熱交換板を設置し、この熱交換板の表面に垂直方向に伸びる複数の突条を横方向に並べて配置した構成に特徴がある。前述した実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0051】
この実施の形態における水冷式除湿器13は、熱交換板25の表面に略垂直方向に伸びる複数本の突条17を間隔をあけて横方向に並べて設置し、各突条17の間に冷却水供給管16の複数の冷却水流出口16aから冷却水15を流下させる構成である。
【0052】
この第10の実施の形態は、突条17の本数を多くすことによって冷却水15と循環空気12の接触面積を大きくして熱交換性能を高めることができる。
【0053】
次に、本発明の、第11の実施の形態を、図12を参照して説明する。図12は、この第11の実施の形態における水冷式除湿器を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図である。この第11の実施の形態は、水冷除湿ダクト内に風路に沿って熱交換板を設置し、この熱交換板の表面にシャワー状に冷却水を流し込む構成に特徴がある。前述した実施の形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
【0054】
この第11の実施の形態における水冷式除湿器13は、熱交換板25の表面に略垂直方向に伸びる複数本の突条17を、間隔をあけて横方向に並べて設置し、各突条17の間に冷却水供給管16の1つの冷却水流出口16aから冷却水15をシャワー状(扇形に広がるように)に流出させて各突条17の間に流し込んで流下させる構成である。
【0055】
この実施の形態も、突条17の本数を多くすことによって冷却水15と循環空気12の接触面積を大きくして熱交換性能を高めることができる。
【0056】
前述した各実施の形態における突条17は、これと同様な水路を構成する凹条に変えることもできる。また、熱交換板25の両面に突条17または凹条を設けて冷却水15と循環空気12の接触面積を更に大きくすることもできる。また,熱交換板25の表面に細かな凹凸や多孔性の面を設けることにより冷却水15の濡れ拡がりが拡大し,循環空気12との接触面積を大きくすることができる。なお、熱交換板25および突条17は、熱抵抗にならないように、熱伝導性に優れた金属とすることが望ましいが、コストや錆等の問題がある場合には、樹脂等の素材に変えることができる。
【0057】
また、前述した各実施の形態における冷却水供給管16の冷却水流出口16aからの冷却水15の吐出方向は冷却水供給管16の真下方向より水冷除湿ダクト14の内壁側あるいは熱交換板25側に向けて吐出させることにより、循環空気12に吹き上げられて水滴が飛翔するのを更に防止することができる。
【0058】
そして、このような水冷式除湿器(熱交換器)は衣類乾燥機や食器洗浄乾燥機等に用いることができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、風路に面する略垂直な壁面の上部に該壁面に冷却水を流し出して該壁面を伝わせて流下させる冷却水供給管と、前記壁面の冷却水流下領域に設けた冷却水流下面積拡大部材を設けたことによって、空気と冷却水の接触面積を広めて熱交換(冷却除湿)効率を高めると共に水滴が空気に乗って下流側に飛翔するのを防止することができる。
また、冷却水の流下面積を広めることによって水冷式熱交換器(水冷除湿器)を小型に構成することができる。
また、通風路に吐出する部材を小さくして水冷式熱交換器(水冷除湿器)の通風抵抗を小さくすることができる。
また,水冷式除湿器が外槽と一体に成形されることにより,無駄な空間が排除され洗濯乾燥機を小型に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における洗濯乾燥機の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示した洗濯乾燥機の水冷式除湿器(熱交換器)を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における水冷式除湿器を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における水冷式除湿器を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。
【図5】本発明の第4の実施の形態における水冷式除湿器を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。
【図6】本発明の第5の実施の形態における水冷式除湿器の一部を拡大して示す斜視図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態における水冷式除湿器の一部を拡大して示す斜視図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態における水冷式除湿器の一部を拡大して示す斜視図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態における水冷式除湿器の縦断側面図である。
【図10】本発明の第9の実施の形態における水冷式除湿器の一部を拡大して示す斜視図である。
【図11】本発明の第10の実施の形態における水冷式除湿器を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。
【図12】本発明の第11の実施の形態における水冷式除湿器を拡大して示す縦断正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。
【符号の説明】
3…外槽、5…洗濯槽、6…撹拌翼、13…水冷式除湿器(熱交換器)、14…水冷除湿ダクト、15…冷却水、16…冷却水供給管、17…突条、26…開口部、27…陰部、28…空間。

Claims (6)

  1. 洗濯物を洗濯,脱水する洗濯槽内の空気を水冷式除湿器に循環させて冷却除湿することにより洗濯槽内の洗濯物を乾燥させる洗濯乾燥機において、
    前記水冷式除湿器は、空気を循環させる風路に面する略垂直な壁面の上部に該壁面に冷却水を流し出して該壁面を伝わせて流下させる冷却水供給管と、前記壁面の冷却水流下領域に設けた冷却水流下面積拡大部材と、該部材の下部に設けられ前記流下された冷却水を、外槽の側壁に設けた吸出し口で形成した通風の陰部に導くように、前記路の両端部に案内する排水案内凸部を備えたことを特徴とする洗濯乾燥機。
  2. 洗濯物を洗濯,脱水する洗濯槽内の空気を水冷式除湿器に循環させて冷却除湿することにより洗濯槽内の洗濯物を乾燥させる洗濯乾燥機において、
    前記水冷式除湿器は、空気を循環させる風路に面する略垂直な壁面の上部に該壁面に冷却水を流し出して該壁面を伝わせて流下させる冷却水供給管と、冷却水を前記壁面の略垂直な距離より長い距離を流下させる部材と、該部材の下部に設けられ前記流下された冷却水を、外槽の側壁に設けた吸出し口で形成した通風の陰部に導くように、前記路の両端部に案内する排水案内凸部を備えたことを特徴とする洗濯乾燥機。
  3. 請求項1に記載の洗濯乾燥機において、前記冷却水流下面積拡大部材は、前記壁面に設けた複数段の突条によって構成したことを特徴とする洗濯乾燥機
  4. 請求項3に記載の洗濯乾燥機において、前記突条は、ジグザグに配列したことを特徴とする洗濯乾燥機
  5. 請求項1に記載の洗濯乾燥機において、前記冷却水流下面積拡大部材は、パンチングメタルやエキスパンダーメッシュまたはガーゼなどの細目状部材または多数の小孔を設けた部材によって構成したことを特徴とする洗濯乾燥機
  6. 請求項1に記載の洗濯乾燥機において、前記冷却水流下面積拡大部材は、前記壁面に垂直方向に伸びるように設けた複数の突条を横方向に並べて配置したことを特徴とする洗濯乾燥機
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