JP4511629B2 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Description

技術分野
[0001]
本発明は成膜対象物に薄膜を形成する成膜装置及び成膜方法に関するものである。
背景技術
[0002]
成膜装置は、真空蒸着法、スパッタリング法、物理蒸着法、化学蒸着法等の成膜法によって成膜対象物に薄膜を形成する。
[0003]
例えば、物理蒸着法の一つであるイオンプレーティング法を用いた成膜装置は、プラズマ発生器(プラズマ源)を備えており、減圧されたチャンバー内に設けられているハース(陽極)とプラズマ発生器との間でプラズマビームを発生させる。発生したプラズマビームは、ハース上に載置された成膜材料に照射され、成膜材料を加熱する。プラズマビームの照射によって成膜材料が加熱されると、成膜材料の粒子(以下「材料粒子」という。)が蒸発する(分離する)。
[0004]
ここで、本明細書、請求の範囲及び図面を通して、「材料粒子」といえば、材料粒子の塊(クラスター)に加え、気体状又はプラズマ状の、即ち分子状、原子団状、原子状又はこれらの電荷を帯びた粒子を含むものとする。材料粒子は、プラズマビームによってイオン化されているので、負電圧が印加されている成膜対象物に引き寄せられて成膜対象物の表面に付着する。このようにして、成膜対象物の表面に材料粒子が堆積し、薄膜が形成される。
[0005]
しかし、成膜材料から分離した材料粒子は、成膜対象物以外のチャンバー内壁面やハース近傍に設置されている部材等に付着し、それらの表面にも薄膜を形成する。以下の説明では、装置内部の成膜対象物以外の箇所に付着した材料粒子によって形成される薄膜を「付着膜」と呼んで、成膜対象物に形成される薄膜と区別する。
[0006]
付着膜は、装置の稼働時間が増加するにつれて、厚く成長する。成長した付着膜は遂には剥離・脱落する。脱落した付着膜がハース上に載置されている成膜材料の上に落下し、堆積すると、成膜材料の表面が盛り上がって隆起する。成膜材料の表面が隆起すると、プラズマビームが成膜材料の表面に対して均等に照射されなくなる。成膜材料の表面に均等にプラズマビームが照射されないと、材料粒子の成膜材料からの飛び出し方向にバラツキが大きくなる。結果、成膜対象物に対して均等に薄膜が形成されず、膜質に悪影響が及び、製品の歩留まりを悪化させる要因となる。
【0007】
一般的に、成膜装置の稼働時間が200時間を越えると、付着膜の剥離・脱落が発生しやすいと言われている。しかし、稼働時間が200時間に達する前であっても、プラズマ発生器を停止させてしまうと、装置内部に堆積した付着膜が剥離・脱落することを本願発明者らは経験している。この原因として、装置内部の温度変化が考えられる。プラズマ発生器が作動するとチャンバーの内部温度が上昇し、発生器が停止するとチャンバーの内部温度は低下する。この内部温度の変化に伴い、チャンバー内壁面やハース近傍の部材等が熱膨張・熱収縮する。この熱膨張・熱収縮が付着膜に作用することにより、付着膜の剥離・脱落が発生すると考えられる。
【0008】
要するに、付着膜の脱落を回避するためには、成膜装置を連続して稼動させる必要がある一方、その連続稼動時間は約200時間に制限される。そこで現在は、連続稼動時間200時間を目処に、プラズマ発生器の交換や装置内部の清掃等のメンテナンスを行っている。
【0009】
しかし、成膜装置を用いた成膜では、成膜装置の連続稼働時間を延ばすことが、膜質の安定化と成膜対象物(製品)の生産性向上につながる。また、プラズマ発生器の寿命は一般的に300時間と言われている。
【0010】
従って、付着膜の脱落をより長時間にわたって抑制し、成膜装置の連続稼動時間を300時間程度にまで延長することが望まれる。
【0011】
そこで特許文献1には、付着膜の剥離を抑制するために、真空成膜装置内の部品表面に金属溶射膜を形成する技術が開示されている。特許文献1によれば、溶射膜は一般的に表面が粗いので、付着膜と溶射膜との間で機械的結合が生じやすく、また、溶射膜と付着膜との接触面積が大となることから付着膜が剥離しにくくなり、付着膜の剥離が防止される。
【0012】
また、特許文献2には、蒸着源に相対する面に有機材料の付着を防ぐ発明が開示されている。
【特許文献1】
特開2003−342712号公報
特許文献2:特開2006−274398号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0013]
しかしながら、本願発明者らの行った実験によれば成膜装置内の部品に金属溶射膜を形成しても、付着膜の剥離は十分に抑制されなかった。また、連続稼働時間が200時間を超える前においても、付着膜の剥離・脱落が認められる場合もあった。
[0014]
また、成膜材料が酸化マグネシウム(MgO)である場合、金属溶射膜上に形成された付着膜は金属溶射膜ごと剥離・脱落してしまう。従って、稼動時間が200時間を超える前に付着膜が剥離・脱落する蓋然性が極めて高い。
[0015]
尚、付着膜の剥離・脱落は、上述したイオンプレーティング法を用いた成膜装置に限らず、種々の成膜装置において発生する共通の問題である。
[0016]
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、付着膜の原因となる材料粒子の少なくとも一部を捕捉し、かつ、捕捉した材料粒子の剥離・脱落を長時間にわたって防止することを可能にする成膜装置を提供することである。
課題を解決するための手段
[0017]
上記の目的を達成するべく、本発明にかかる成膜装置は、プラズマ発生手段からチャンバー内に導入されるプラズマビームを成膜材料に入射させることにより、前記成膜材料から分離された材料粒子を成膜対象物に付着させて膜を形成する成膜装置であって、
前記チャンバー内に配置される前記成膜材料を収納する成膜材料収納手段と、
前記チャンバー内に設けられた板部材に、前記プラズマビームの入射側に所定の隙間を介して配されたメッシュ部材により前記材料粒子を捕捉する捕捉手段と、を有し、
前記捕捉手段の前記メッシュ部材の前面は、前記成膜材料収納手段に収納されている前記成膜材料が配置されている領域の上方であり、当該領域の内側に立って、かつ、前記プラズマビームの下流側に対応する当該領域内の位置で、前記プラズマビームと相対して配置されることを特徴とする。
発明の効果
[0018]
本発明によれば、付着膜の原因となる材料粒子の少なくとも一部を捕捉し、かつ、捕捉した材料粒子の剥離・脱落を長時間にわたって防止することが可能な成膜装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【図1】本発明の実施形態にかかる成膜装置の概略構造を示す模式的断面図である。
【図2A】図1に示す捕捉機構の分解斜視図である。
【図2B】捕捉機構を取り付けた状態を示す側面図である。
【図2C】捕捉機構を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】ハースの周囲を取り囲むように捕捉機構を配置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の成膜装置の実施形態について詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0021】
以下の説明では、成膜材料から蒸発する材料粒子を特に「金属材料粒子」という。尚、本発明の成膜装置は、金属を成膜材料とする成膜装置に限られるものではない。
【0022】
本実施形態で対象とする金属膜は特許文献2では、隣接する原子同士が強く結びついており、下地から剥がれ難く、問題とされていなかった材料である。
【0023】
図1は、本実施形態の成膜装置の概略構造を示す模式的断面図である。本実施形態における成膜装置は、成膜法としてイオンプレーティング法によって成膜を行うものとする。尚、本発明の趣旨は、成膜法としてイオンプレーティング法に限定されるものではなく、他の成膜法を適用することが可能である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の成膜装置は、チャンバー1及びプラズマ発生器2を有する。チャンバー1は、一対の前面部及び背面部と、一対の側面部と、一対の天面部及び底面部と、から構成される箱状の容器である。成膜装置の稼動時には、不図示の排気装置によってチャンバー1内が排気され、高真空状態に保たれる。尚、図1には、一対の前面部1A及び背面部1Cと、側面部1Eと、一対の天面部1B及び底面部1Dとが図示され、側面部1Eと対をなす一方の側面部は図示されていない。
【0025】
チャンバー1の底面部1Dには、成膜材料4が載置される載置台を有するハース3が設けられている。ハース3内に成膜材料4が収納されている。説明をわかりやすくするために、図1において、成膜材料4はハース3上で盛り上がったように記載されているが、通常、成膜材料4はハース3内に完全に納まるように収納されている。
【0026】
プラズマ発生器2は背面部1Cの下部に設けられている。プラズマ発生器2は、ハース3に収納されている成膜材料4を照射するプラズマPを発生させる。成膜材料4は、プラズマPの照射によって加熱され、加熱された成膜材料4から金属材料粒子が蒸発する(金属材料粒子が成膜材料から分離する)。
【0027】
ここで、プラズマ発生器2はシート状のプラズマPを発生させて、成膜材料4にプラズマPを照射する。成膜材料4は円形形状を有しており、シート状のプラズマPが成膜材料4に照射されると、成膜材料4のある直径方向に対応する部分が加熱され、金属の材料粒子(金属材料粒子)が成膜材料4から分離する。
【0028】
ここで、プラズマPが成膜材料4に入射する入射方向の幅をWとする。この入射方向の幅Wと、成膜対象物10の幅(両端)と、を結ぶことにより定められる領域を材料粒子の移動領域Xを呼ぶこととする。図示しない回転機構によりハース3内の成膜材料4は回転しており、シート状のプラズマPが成膜材料4に照射されると、金属材料粒子は成膜材料4から均一に分離する。分離した金属材料粒子はプラズマビームの照射によってイオン化されている。
【0029】
チャンバー1の天面部1Bには、成膜対象物10を把持する把持装置11が設けられている。成膜装置が稼動時には、把持装置11によって把持されている成膜対象物10に負電圧が印加される。よって、成膜材料4から分離した金属材料粒子の多くは、負電圧が印加されている成膜対象物10に引き寄せられて上昇し、成膜対象物10の表面に付着し、堆積する。以上によって、成膜対象物10の表面に所望の薄膜が形成される。
【0030】
一方で、成膜材料4から分離した金属材料粒子の一部は、成膜対象物10に向かって移動領域X内を上昇することなく、金属材料粒子の移動領域Xの範囲外となる他の方向に向かう。そこで、本実施形態の成膜装置には、チャンバー1内に、移動領域Xの範囲外の方向に向かう金属材料粒子を捕捉する捕捉機構15が設けられている。捕捉機構15は、チャンバー1の前面部1Aからハース3に近接する方向に延在するブラケット8と、ブラケット8の先に装着された捕捉板6と、捕捉板6の表面(捕捉面6A(図2Aを参照))に装着された多孔質部材としてのメッシュ部材5とから構成されている。捕捉板6の表面(捕捉面6A)にメッシュ部材5が保持される。この場合、捕捉板6は、メッシュ部材5を保持するための保持部材として機能する。
【0031】
図2Aは、捕捉機構15の構造を示す分解斜視図である。ブラケット8は、平面形状が略長方形の板材であり、ブラケット曲部8A、8Bは、それぞれ反対方向に折り曲げられた曲部部材として構成されている。ブラケット曲部8Bには、穴部8C、8Dが設けられている。ブラケット8は、これら穴部8C、8Dに挿入されたネジ12A、12Bをチャンバー1の前面部1Aに設けられているネジ穴(不図示)に螺合させることによって、チャンバー1に着脱可能に固定されている(図1参照)。
【0032】
再び図2Aを参照する。ブラケット曲部8Aには、捕捉板6が着脱可能に固定されている。具体的には、捕捉板6の裏面(ブラケット曲部8Aと対向する面)には捕捉板6とブラケット8のブラケット曲部8Aとを装着、固定するためのインサートナット7(図1を参照)が設けられており、ブラケット曲部8Aに設けられた穴部8E、8Fに挿入されたネジ9A、9Bをインサートナット7に螺合させることによって、捕捉板6がブラケット曲部8Aに着脱可能に固定されている。
【0033】
ここで、図1に示されているように、ブラケット8のブラケット曲部8Aに装着、固定された捕捉板6は、ハース3近傍の材料粒子の移動領域Xの範囲外に配置されている。換言すれば、捕捉板6はブラケット8によって支持され、上記位置に配置されている。より具体的には、捕捉板6は、ハース3の上方であって、かつ、ハース3の上方の材料粒子の移動領域Xと重複しない領域に保持されている。ブラケット8の長さや角度などが捕捉板6を上記位置に保持可能なるように設定されていることは勿論である。
【0034】
再び図2Aを参照すると、捕捉板6の表面(捕捉面6A)には、メッシュ部材5が、溶接又はネジにより取付けられている。図2Bに於いて、メッシュ部材5はネジ12C、12Dにより捕捉板6と隙間を設けて取り付けられている。メッシュ部材5の具体的な構成としては、例えば、直径1.21mmの金属製又は樹脂製の繊維や線材を格子状に編んで、一辺が1.33mmの正方形の網目を多数形成したメッシュ部材5が取り付けられている。もっとも、メッシュ部材5の形状や寸法等は上記に限定されない。例えば、網目の一辺を0.5mm〜3.0mmとしても同様の効果が得られる。また、メッシュ部材5を構成する繊維や線材の直径を0.3mm〜2.0mmとしても同様の効果が得られる。さらには、パンチングメタルのように、薄板に複数の穴が設けられたものも本発明の実施形態におけるメッシュ部材に含まれる。
【0035】
いずれの場合も、メッシュ部材5と捕捉板6の捕捉面6Aとの間には、材料粒子を捕捉するために予め定められた距離の隙間が設けられている。メッシュ部材5は、捕捉面6Aよりも若干面積が大きく、メッシュ部材5を適宜弛ませて捕捉面6Aに溶接することによって、またはネジ12C、12Dにより捕捉面6Aとの間に所定の隙間を設けてある。もっとも、メッシュ部材5と捕捉板6との固定方法は、リベット等でもよい。
【0036】
以上の構造を備えた本実施形態の成膜装置では、シート状のプラズマPの照射による加熱によって成膜材料4から蒸発した金属材料粒子のうち、成膜対象物10の方向とは異なる方向に向かう金属材料粒子の大部分がメッシュ部材5に付着し、捕捉される。さらに、単に付着するだけではなく、金属材料粒子はメッシュ部材5に絡みつくように付着する。加えて、捕捉面6Aとメッシュ部材5との間には隙間が設けられているので、その隙間に金属材料粒子が入り込み、さらにメッシュ部材5に絡みつく。互いに絡みついた金属材料粒子は、分子間結合力により、平坦面に付着した金属材料粒子に比べて剥離し難くなる。
【0037】
以上のように、成膜対象物10の方向とは異なる方向に向かう金属材料粒子の大部分が捕捉板6(メッシュ部材5)によって捕捉され、かつ、捕捉された金属材料粒子はメッシュ部材5から剥離・脱落し難い。よって、従来の成膜装置に比べて、付着膜の剥離・脱落が発生する連続稼動時間限界が長くなる。さらに、捕捉機構15を構成しているブラケット8はチャンバー1に対して着脱可能であり、捕捉板6はブラケット8に対して着脱可能なので、メンテナンス性にも優れている。
【0038】
次に、上記の捕捉機構15を備えた成膜装置における成膜手順を図1の参照により説明する。プラズマ発生器2によりシート状のプラズマPが成膜材料4に照射されると、成膜材料4から材料粒子が分離して、成膜材料4と対向する位置に配された成膜対象物10の表面に分離した材料粒子が付着し、堆積する。 図1に示した成膜装置のチャンバー1が不図示の排気手段によって排気された後、チャンバー1に内に不図示の搬送手段により、成膜対象物10が把持装置11上に搬送されて来て、把持装置11上に配置される。
【0039】
成膜対象物10に対向する位置には、成膜材料4を納めたハース3が配置されている。
【0040】
次に、プラズマ発生器2はプラズマPを発生する。そして、プラズマPは、プラズマ発生器2から出力されるプラズマPの出口部の近傍に配置されている不図示のプラズマ収束手段の磁場と、成膜材料4が収容されているハース3の収容面に対して底面部1D側に配置されている不図示の磁場発生手段により形成される磁場と、により導かれ、ハース3内の成膜材料4に入射する。尚、ハース3は通常浮動電位に維持されているが、プラズマ発生器2は負電位に維持されており、プラズマ発生器2からハース3に向かうプラズマは高エネルギーに状態になっている。
【0041】
ハース3に高エネルギー状態のプラズマが入射すると、成膜材料4から材料粒子が分離され、分離した材料粒子が移動領域Xを上昇して成膜対象物10に堆積し、成膜される。
【0042】
膜厚は、例えば、不図示の膜厚検知手段により検知することが可能である。あるいは、プラズマPを照射するタイミングにより、膜厚を制御することが可能である。所望の膜厚が成膜されたことを見計らって、プラズマ発生器2でのプラズマ発生を停止する。成膜装置は、不図示の制御部を備え、制御部は、成膜対象物10に成膜する膜厚を制御することことが可能である。
【0043】
本実施形態においては、図2Cに示すように、捕捉板6に装着、固定されたメッシュ部材5は成膜材料4が収納されているハース3の上方であり、かつ高エネルギー状態のプラズマがプラズマ発生器2からチャンバー1内に導入される方向の下流側に、プラズマの導入方向に相対するように配置されている。メッシュ部材5を配置した部分に最も激しく付着膜が成膜するため、図2Cに示すメッシュ部材5の配置は、付着膜の成膜を効果的に除去することが可能になる。ここで、参照番号13は成膜領域の周囲に配置されたシールドである。
【0044】
次いで、不図示の搬送手段で把持装置11から成膜対象物10を受け取りチャンバー1の外に出す。
【0045】
上記に於いては、高エネルギー状態の粒子としてはプラズマを使ったが、電子よりなる電子ビームを使ってもよい。
【0046】
尚、捕捉機構15を使用することにより、MgOに成膜において、捕捉板6上に80mmの付着膜の堆積があった状態でも、付着膜の剥離・脱落の伴う生産性の悪化は生じなかった。これは、当業者の予測を超えた顕著な効果である。
【0047】
上述の実施形態では、メッシュ部材5を備えた捕捉機構15が1つの場合について説明した。しかし、捕捉機構15の数は、1つの場合に限定されず、複数の捕捉機構15を設けることもできる。例えば、図3に示すように、成膜材料4を収容するハース3の周囲の領域(この領域を「成膜材料の載置エリア」ともいう)に、ハース3を取り囲むようにメッシュ部材5が取り付けられている複数の捕捉機構を配置することもできる。ここで、メッシュ部材5は成膜材料の載置エリアを囲むシールドを兼ねており、メッシュ部材5は成膜材料の載置エリアを囲む面に取り付けられている。または、ブラケット8と同様に、折り曲げられた単一のまたは複数の捕捉機構によって、成膜材料の載置エリアをメッシュ部材5が取り囲むようにしてもよい。もっとも、載置される成膜材料へのプラズマビームの照射や成膜対象物への材料粒子の付着が妨げられることのないように、捕捉板の形状、位置および寸法などを最適化することが望ましい。
【0048】
また、本実施形態では、イオンプレーティング法を用いた成膜装置を例として説明したが、成膜方法としては、この例に限定されず、例えば、スパッタ法、真空蒸着法等の成膜方法にも適用可能である。先に説明したイオンプレーティング法では、下向きに向いた成膜対象物10の面に下方に載置された成膜材料が堆積するいわゆるデポアップの場合について説明した。しかし、本発明の趣旨は、このケースに限定される訳ではない。スパッタ法においては、上方を向いた成膜対象物10の面に上方から飛来する成膜材料粒子が堆積するデポダウンでの成膜も可能であるし、垂直方向に配設された成膜対象物10の一面に水平方向から飛来する成膜材料粒子が堆積する態様の成膜も可能である。このような場合には、捕捉板及びメッシュ部材は、ターゲット近傍の且つ材料粒子の移動領域の範囲外に配置すると良い。
【0049】
チャンバー1の内面にメッシュ部材5を貼りめぐらさなくとも、上記のように材料粒子が分離して来る部分の近傍で且つ材料粒子の移動領域外に、捕捉機構15を配置することにより、付着膜に係わる問題を実用上解決できるとともに、交換する部分が小型で且つ軽量であるので、メンテナンスの負担が減少するといる効果がある。
【0050】
本実施形態に拠れば、付着膜の原因となる材料粒子の少なくとも一部を捕捉し、かつ、捕捉した材料粒子の剥離・脱落を長時間にわたって防止することが可能な成膜装置を提供することが可能になる。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態を添付図面の参照により説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々な形態に変更可能である。
【0052】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【0053】
本願は、2007年5月30日提出の日本国特許出願特願2007ー143408を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。

Claims (2)

  1. プラズマ発生手段からチャンバー内に導入されるプラズマビームを成膜材料に入射させることにより、前記成膜材料から分離された材料粒子を成膜対象物に付着させて膜を形成する成膜装置であって、
    前記チャンバー内に配置される前記成膜材料を収納する成膜材料収納手段と、
    前記チャンバー内に設けられた板部材に、前記プラズマビームの入射側に所定の隙間を介して配されたメッシュ部材により前記材料粒子を捕捉する捕捉手段と、を有し、
    前記捕捉手段の前記メッシュ部材の前面は、前記成膜材料収納手段に収納されている前記成膜材料が配置されている領域の上方であり、当該領域の内側に立って、かつ、前記プラズマビームの下流側に対応する当該領域内の位置で、前記プラズマビームと相対して配置されることを特徴とする成膜装置。
  2. 請求項1に記載の成膜装置を使用して、MgO膜を成膜する工程を有することを特徴とする成膜方法。
JP2009516337A 2007-05-30 2008-05-28 成膜装置及び成膜方法 Active JP4511629B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
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