JP4511043B2 - アシル−acpチオエステラーゼの発現による大豆油中のステアレート含量の増加 - Google Patents

アシル−acpチオエステラーゼの発現による大豆油中のステアレート含量の増加 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、特に脂肪酸組成を変化させる植物、植物細胞及び種子の遺伝的修飾に関する。
【0002】
(背景)
大豆(Glycine max)は米国で現在栽培されている最も有用な作物の1つである(1996年に約160億ドル)。トウモロコシ(25%)及び小麦(22%)に次いで、大豆は1994年には米国の作物栽培面積の19%を占めている。しばしばミラクル作物と呼ばれているが、大豆は油、タンパク質及び全大豆産物の形態で非常に有用である。油及びタンパク質の品質に関する作物形質及び食物品質形質が大豆産業にとって重要である。
【0003】
多くの大豆が世界中のどこよりも米国で栽培されている(1996年には24億ブッシェル、世界の生産量の50%)。大豆1ブッシェル(60ポンド)は48ポンドのタンパク質ミールと11ポンドの油からなる。タンパク質ミールは大豆の主要成分であり、油、レシチン、トコフェロール、イソフラボン等も一緒に産生され、大豆に価値を加えている。大豆油は世界で使用されている主な食用油である(1993年には59.4×10メートルトンの40%)。これは米国の食用油の140億ポンドの70%を占める。油が広く使用されている主要食品分野は製パン及び揚げ物(40〜45%)、サラダ及び調理用油(40〜45%)、マーガリン及びショートニング(15〜20%)及び広範囲の加工食品である。特殊な用途のために他の植物油が開発されたことから、大豆の栽培面積及び生産が最近影響を受けている。大豆油が低コストで容易に入手できると、特殊な用途のため大豆の価値を高める優れた機会が与えられる。
【0004】
食用油脂は、化学的には直鎖の脂肪族脂肪酸を含むグリセロールのトリエステル(本明細書ではトリアシルグリセロールまたはトリグリセリド(TAG)とも呼ぶ)から構成されている。食用油脂の性質はTAG中に含まれる脂肪酸及びグリセロール骨格上のその分布に影響される。TAGの融点が室温以下であるときにはTAGは「油」と呼ばれる。室温を超える温度で融解するトリグリセリドは「脂」と呼ばれる。流動性と固形性の間に勾配が存在する。部分的に固化している非注入性トリグリセリドはしばしば「プラスチック脂」と呼ばれている。
【0005】
脂肪酸は約4〜24個の炭素鎖長を有する炭化水素鎖を有する有機酸である。脂肪酸は鎖長と二重結合の存在、数及び位置の点で相互に異なる。細胞では、脂肪酸は通常共有結合形態で存在し、カルボキシル部分は脂肪アシル基と呼ばれる。前記分子の鎖長及び飽和度はしばしば式CX:Y(ここで、Xは炭素数を示し、Yは二重結合の数を示す)により表される。
【0006】
通常、市販の大豆品種から誘導される油は約11%のパルミチン酸(C16:0)、4%のステアリン酸(C18:0)、21%のオレイン酸(C18:1)、56%のリノール酸(C18:2)及び10%のリノレン酸(C18:3)から構成されている。大豆油及びすべての油の脂肪酸組成により、その物理的及び化学的特性が大きく左右され、よってその用途が左右される。
【0007】
脂肪酸生合成は多数の生物の研究対象である。植物における脂肪酸生合成を検討するために、Ohlroggeら,Plant Cell,7:957−970(1995)、Ohlroggeら,Annu.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.,48:109−136(1997)及びSommervilleら,Science,252:80−87(1991)を参照されたい。
【0008】
上記したように、油の脂肪酸組成によりその物理的及び化学的特性が左右され、よってその用途が左右される。植物、特に植物種子中で大量の油を合成する植物種(例えば、大豆)は食用及び工業用油の重要なソースである。トリグリセリド中のそれぞれの位置の脂肪酸を各種組合せるとトリグリセリドの特性が変更される。例えば、脂肪アシル基がほとんど飽和脂肪酸であるときには、トリグリセリドは室温で固体である。しかしながら、一般的に、植物油は異なるトリグリセリドの混合物である傾向にある。従って、トリグリセリド油の特性は、該油を構成するトリグリセリドの組合せの結果であり、よって各脂肪酸組成により影響される。
【0009】
植物育種業者は、植物交雑により所望形質を導入し、その後所望形質を有する子孫を選択することにより各種植物種子油の収率及び脂肪酸組成をうまく変更できた。この技術の応用は、同一植物種で見られる形質に限定される。或いは、突然変異誘発因子と接触させても植物種子油の組成を変化させる形質を導入することができる。しかしながら、脂肪酸合成(FAS)は葉(葉緑体)及び種子組織(原色素体)を含めた多くの植物組織で起こることに注目することが重要である。よって、突然変異誘発方法により植物種子油の組成が所望通りに変更されることが時にはあり得るが、植物の他の組織においてFASを変更させる変化を起こすことは困難である。
【0010】
生合成または天然植物ソースから脂肪酸組成を得たり操作するために広範囲の新規植物油組成物及び/または改良手段が要望されている。突然変異誘発を伴うとしても植物育種はこの要望を十分に満たすことができず、新規な油の導入を提供することができない。
【0011】
例えば、カカオ脂はそのトリグリセリド組成により特定の所望品質(口あたり、鋭い融点等)を有する。カカオ脂は約24.4%のパルミテート(16:0)、34.5%のステアレート(18:0)、39.1%のオレエート(18:1)及び2%のリノレエート(18:2)を含む、従って、カカオ脂の場合、パルミテート−オレエート−ステアレート(POS)がトリグリセリド組成のほぼ46%を占め、ステアレート−オレエ−ト−ステアレート(SOS)及びパルミテート−オレエ−ト−パルミテート(POP)がトリグリセリド組成の残部の主要部分、それぞれ33%及び16%を占める。興味深い他の新規な油組成物はトリエルシン(3エルカ酸)またはトリグリセリド分子の各部分に中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含む。
【0012】
植物種子油は、トリアシルグリセロール(TAG)と呼ばれるグリセロール骨格のsn−1、sn−2及びsn−3位置でアシル化されている脂肪酸を含む。脂肪酸の位置特異性に限り、TAGの構造はグリセロール骨格に対する脂肪アシルCoA基質のアシル化に関与する酵素の特異性により決定される。例えば、多くの温帯及び熱帯作物種からの酵素は種子TAG中のsn−1またはsn−3位置に飽和または不飽和脂肪酸及びsn−2に不飽和脂肪酸のみを有する傾向にある。カカオのような幾つかの種の場合、TAG組成から、この傾向はsn−1位置が飽和脂肪酸でエステル化されるならばsn−3位置が飽和脂肪酸で明らかに優先的にアシル化されることを伴うことが示唆される。従って、Sat−Un−Sat(ここで、Sat=飽和脂肪酸、Un=不飽和脂肪酸)形態の構造化TAGが高率で存在する。
【0013】
トリグリセリド分子のsn−1及びsn−3位置でステアレートがエステル化され、sn−2位置に不飽和、特にオレエートを有するトリグリセリド分子が特に興味深い。前記SOS(ステアレート−オリエート−ステアレート)に富む植物油はカカオ脂と同様に特定の望ましい品質を有するが、他の構造化脂質と混合したときに追加の硬度を有する。SOS含有植物油は現在、熱帯域で栽培されている特定の樹木、例えばインドのサラノキ、アフリカのシアバターノキやインドネシアのイリッペ由来の比較的高価な油種子から抽出されている。SOSタイプの植物油のためのより安価でより便利に生育されるソースが望まれている。
【0014】
更に、ステアレート脂肪酸に富む植物油は室温で固体である傾向にある。そのような植物脂は、化学的水素化の必要なく直接ショートニング、マーガリン及び他の食用「スプレッド」製品に使用され得る。水素化は、所望の固形度が得られるまで分子状水素を不飽和脂肪酸トリグリセリドと反応させる方法である。固形度は通常固体脂肪指数(solid fat index;SFI、Official and Tentative Methods,American Oil Chemists’ Society,Cd 10−57(93),イリノイ州Champaign)により評価される。値は規定温度範囲50゜F、70゜F、80゜F、92゜F、100゜Fまたは104゜Fで膨張計(容積の増加)により測定される。水素化方法により、不飽和脂肪酸は部分的もしくは完全に飽和の脂肪酸に変換され、製品の熱及び酸化安定性が向上する。ヨウ素価(IV)は脂肪の不飽和度を表す。ヨウ素価が低いほど飽和度は高い。酸化安定性は油安定性指数(Official and Tentative Methods,American Oil Chemists’ Society,Cd 1b−87,イリノイ州Champaign)及び活性酸素方法(AOM、Official and Tentative Methods,American Oil Chemists’ Society,Cd 12h−92,イリノイ州Champaign)により測定され得る。化学的水素化に伴うコスト及び他の因子、例えばトランス脂肪酸の生成は、植物油を遺伝子操作して植物種子中のステアレート含量を増加させることにより避けることができる。
【0015】
更に、幾つかの植物組織は他の化合物を生成するための前駆物質としてC18脂肪酸を使用している。これらには、炭素鎖長が18以上の飽和長鎖脂肪酸が含まれる。通常大豆植物には微量のステアレートしか蓄積されないので、合成のためにステアレート脂肪酸の供給に依存する化合物の生成を増加させたい場合にはステアレート蓄積を増加させなければならない。
【0016】
上記した大豆油の脂肪酸組成は油機能の点で最適ではないとしばしば見做される。脂肪酸組成の制限は化学的水素化により部分的に解消され得るが、水素化方法の結果として生じたトランス脂肪酸は好ましくない健康作用を有するSat−Un−Satpectedである(Mensinkら,N.Eng.J.Med.,323:439−445(1990))。
【0017】
従来の植物育種方法により、大豆の脂肪酸組成は改良された。例えば、突然変異誘発により、植物育種業者は大豆油中に産生されるステアレート(C18:0)の量を増加させることができた。A6(ATCC受託番号No.97392,Hammond及びFehr,Crop Science,23:192(1983))と呼称される前記した高ステアレート系では、ステアレートレベルは総脂肪酸組成の最高約25重量%に達した。このような高ステアレート系を高レベルのパルミテート(16:0)を含む突然変異大豆系と更に交配させた。突然変異誘発により産生させた高ステアレートレベルの大豆系では高ステアレート含量と大豆収率は負の相関関係を示す(Hartmannら,Crop Science,37:124−127(1997))。従って、ステアレート含量を更に増加させる及び/または育種により高ステアレート系の種子収率を向上させる試みはこれまで不成功であった。
【0018】
Listら(J.Am.Oil.Chem.Soc.,73:729−732(1996))はマーガリン処方物中に遺伝子修飾した大豆油を使用することを記載している。大豆品種A6由来の高ステアレート油の24.7℃以上の温度での固体脂肪指数はマーガリンを作成するためには不十分であることが判明した。大豆油を綿実及び大豆ハードストックを混合すると、マーガンリンに処方するのに十分な固形分を有する混合物が得られた。
【0019】
大豆を主成分とする製品は主要な食物ソースであるが、この製品の栄養品質及び商品品質を改善すると大豆を主成分とする製品の価値が更に高められ得る。大豆油含量及び組成を変更させると、より高い栄養素含量及び高い安定性を有する製品が得られる。高いステアレート濃度を有する大豆油を作成することにより、食品用にポリ不飽和油を工業的に水素化する必要性が少なくなる。
【0020】
(発明の要旨)
本発明は、高レベルのステアレート(C18:0)を有する大豆油の産生方法に関する。この高レベルのステアレートを含む大豆油の産生方法は、大豆の種子組織においてC18:0を産生し得るアシル−ACPチオエステラーゼの発現を含む。特に、アシル−ACPチオエステラーゼは18:0アシル−ACP基質に対して実質的な活性を持ち、好ましくは16:0アシル−ACP基質に対して殆どまたは全く活性を持たない。
【0021】
前記方法は通常、5’→3’転写方向に作動的に連結した成分として、種子組織において機能性の転写開始領域、18:0アシル−ACP基質に対して実質的な活性を有するアシル−ACPチオエステラーゼをコードするDNA及び転写停止配列を含む構築物を含む大豆植物を生育させることを含む。
【0022】
大豆油のステアレート含量は、油中の脂肪酸部分の好ましくは約20%以上、より好ましくは約33%以上を占める。本発明の油はブレンド油製品を調製するためのブレンドソースとして使用され得、または食品を製造するためにも使用され得る。
【0023】
本発明の別の実施態様では、高い飽和脂肪酸組成を有する大豆油が提供される。本明細書には、50重量%以上の飽和脂肪酸組成を有する大豆油が例示されている。
【0024】
本発明の更に別の実施態様では、高い総飽和脂肪酸組成を有する新規な大豆油により、Sat−Un−Sat(飽和−不飽和−飽和)形態の構造化TAGの新規ソースが提供される。
【0025】
本発明は更に、食品並びにステアリン酸及びオレイン酸レベルが高く且つリノール酸及びリノレン酸レベルの低い新規な大豆(Glycine max)種子から通常の生育条件下で前記食品を製造する方法を提供する。この新規な大豆種子は、高ステアレート植物と低リノレネート植物を他花受粉して得られる大豆植物から産生される。変更された脂肪酸含量を有する大豆種子は複数の利点を有する。大豆油は、通常の大豆油に比して高レベルのステアリン酸、通常レベルのパルミチン酸及びオレイン酸、及び低レベルのリノール酸及びリノレン酸を有する。好ましくは、大豆油は約15%以上のステアリン酸組成、約45%以下のリノール酸組成及び約6%以下のリノレン酸組成を有する。前記した大豆種子から抽出した油は、通常の大豆種子から抽出した油に比して高い安定性及び優れた調理特性を有する。前記油は通常の大豆油に比して高レベルの固形分を有し、よってマーガリン、豆腐、大豆粉、豆乳及びショートニングのような食品を製造するのにより好ましい素材となる。油をエステル交換すると、存在する固形分量及び食品製造の際の油の有用性が更に高まり得る。変性大豆から製造した食品は通常の大豆から製造した食品に比してよりクリーミーなきめを呈する。通常の高ステアレート大豆油の場合マーガリンや他の大豆を主成分とする製品を製造するためにはハードストックを添加する必要があるが、本発明の油は添加剤を添加せずに使用することができる。
【0026】
新規な大豆油及び新規な油を含む大豆種子は多くの用途で使用される。
【0027】
(図面の簡単な説明)
図1は、マンゴスチンFatAタイプ−アシル−ACPチオエステラーゼクローン(Garm FatA1)の核酸及び翻訳アミノ酸配列である。Garm FatA1は18:1アシル−ACP基質に対して主要なチオエステラーゼ活性を示し、18:0基質に対して実質的な活性(18:1活性の約10〜20%)をも示し、16:0基質に対しては殆どまたは全く活性を示さない。
【0028】
(発明の詳細な説明)
本発明によれば、種子油中に総脂肪酸の割合として高レベルのステアレート(C18:0)を有する大豆植物を産生するための構築物及び方法が提供される。前記大豆植物の産生方法は、18:0−ACP基質に対して実質的な活性を持つ植物アシル−ACPチオエステラーゼ、好ましくは16:0−ACP基質に対して殆どまたは全く活性を持たない植物アシル−ACPチオエステラーゼ(以下、ステアロイル−ACPチオエステラーゼと呼ぶ)をコードするDNA配列及び転写停止配列に作動的に連結した、植物種子において機能性のプロモータ配列を含む発現構築物を用いて大豆植物を形質転換することを含む。前記した発現構築物により、形質転換大豆植物の種子油中のステアレート脂肪酸レベルは増加し得る。
【0029】
後記実施例に詳記するように、マンゴスチン(Garcinia mangostana)、Garm FatA1(援用により本明細書に含まれるとするHawkins及びKirdl,Plant Journal,13(6)743−752(1998)及び国際特許出願公開第96/36719号パンフレット)由来のアシル−ACPチオエステラーゼコード配列は、宿主細胞においてステアロイル−ACPチオエステラーゼを多く生成するトランスジェニック大豆植物を作成するための発現構築物に使用される。特に、前記構築物は、高レベルのC18:0脂肪アシル基を与えるべくトリアシルグリセロール(TAG)脂肪酸組成を変更するために植物種子細胞においてGarm FatA1チオエステラーゼを発現させるために使用される。更に、本発明の構築物は、高レベルのC18:0(ステアレート)脂肪酸を含む植物と共に植物遺伝子工学用途でも使用され得る。前記植物は、Knutzonら(Proc.Natl.Acad.Sci.,89:2624−2628(1992))に記載されている方法を用いるステアロイル−ACPデサチュラーゼのアンチセンス遺伝子調節により得ることができ、またステアロイル−ACPデサチュラーゼ遺伝子のセンス発現構築物を用いるコサプレッションにより、または一般的な突然変異及び植物育種プログラムによっても得ることができる。更に、大豆種子中のステアレートを増加させるための構築物及び方法は、高レベルのオレエート(C18:0)及び/または低レベルのリノレエート(C18:2)脂肪酸及び/またはリノレネート(18:3)を含む植物と共に植物遺伝子工学用途でも有用である。高レベルのオレエート及び/または低レベルのリノレエート及び/またはリノレネートを有する前記植物は遺伝子工学により、または一般的な突然変異及び植物育種プログラムにより得ることができる。
【0030】
本明細書に記載されているようにステアレートレベルを変更するための発現構築物を作成するために有用な植物アシル−ACPチオエステラーゼDNA配列は、植物酵素反応性条件下で18:0遊離脂肪酸(すなわち、ステアレート)を形成すべく18:0アシル−ACP基質に対して実質的な活性を持つが16:0−ACPに対して殆どまたは全く活性を持たないタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド断片の形態のアミノ酸をコードする。「酵素反応性条件」は、酵素を機能させる環境中で使用可能な必要条件(すなわち、温度、pH及び阻害物質の欠如等の因子)を意味する。
【0031】
18:0遊離脂肪酸(すなわち、ステアレート)を形成するために18:0−ACP基質に対して実質的な活性を持つが16:0−ACPに対して殆どもしくは全く活性を持たないアシル−ACPチオエステラーゼ酵素をコードするDNA配列は当業界で公知であり、上掲のHawkins及びKridl(1998)及び国際特許出願公開第96/36719号パンフレットに記載されている。ここに記載されており、本発明で使用されるGarm FatA1 DNA配列はC18:1アシル−ACP基質に対して優先的な活性を示し、またC18:0アシル−ACP基質に対して実質的な活性(18:1活性の約25%)も示す。対照細胞の活性に比してC16:0活性は僅かしか増加せず、16:0活性は18:1活性の約3%である。
【0032】
発現構築物を作成する場合、適切な配向で及び適宜適切なリーディングフレーム内にDNA配列を与えるように各種DNA断片を操作し得る。このために、DNA断片を連結するためにアダプターまたはリンカーを使用してもよく、有利な制限サイトの付与、余分なDNAの除去、制限サイトの除去等のために他の操作を含めてもよい。この目的のために、インビトロ突然変異誘発、プライマー修復、制限、アニーリング、切除、連結等が使用され得、ここには挿入、欠失または置換(例えば、トランジションやトランスバーション)が含まれ得る。
【0033】
通例、前記構築物は植物において機能性である調節領域を含み、この調節領域は植物ステアロイル−ACPチオエステラーゼを修飾産生し、脂肪酸組成を変更する。植物ステアロイル−ACPチオエステラーゼまたはその機能性断片をコードするオープンリーディングフレームは、その5’末端でチオエステラーゼ構造遺伝子の5’上流に本来存在する野生型配列のような転写開始調節領域または植物組織において本来発現される遺伝子に由来する異種調節領域に連結している。有用な植物調節遺伝子領域の例には、T−DNA遺伝子(例えば、ノパリンまたはオクトピンシンターゼ)、植物ウイルス遺伝子(例えば、CaMV 35S)または天然植物遺伝子に由来するものが含まれる。
【0034】
5’上流非コード領域が種子成熟中に調節される他の遺伝子に由来するような用途では、ACP、ナピン及びβ−コングリシニン7Sサブユニット転写開始コントロール領域のような植物胚組織で優先的に発現され、(Brounら,Plant Journal,13(2):201−210(1998)及び米国特許出願第08/898,038号明細書に記載されている)Lesquerellaヒドロキシラーゼプロモーター及びステアロイル−ACPデサチュラーゼプロモーター(Slocombeら,Plant Physiol.,104:1167−1176(1994))が望ましい。前記「種子特異的プロモータ」は、発明の名称が「種子特異的転写(Seed-Specific Transcriptional Regulation)」の米国特許第5,420,034号明細書及びChenら,Proc.Natl.Acad.Sci.,83:8560−8564(1986)の教示に従って入手、使用され得る。種子組織において優先的に発現する、すなわち別の植物部分では検出され得ない転写開始領域が遺伝子産物の破壊または悪影響を最小限とすべく脂肪酸を修飾するために望ましいと考えられる。
【0035】
調節転写停止領域は、本発明のDNA構築物においても与えられ得る。転写停止領域は、植物ステアロイル−ACPチオエステラーゼをコードするDNA配列または異なる遺伝子ソースに由来する便利な転写停止領域、例えば転写開始領域と本来関連している転写停止領域により与えられ得る。当業者は、植物細胞において転写を停止し得る慣用の転写停止領域を本発明の構築物において使用し得ることを認識している。本明細書に記載しているように、植物種子細胞において優先的に発現するDNA配列に由来する転写停止配列が本発明の発現構築物で使用される。
【0036】
形質転換方法は本発明において臨界的でない。各種の植物形質転換方法が現在利用可能である。より新しい方法が作物を形質転換するために使用可能であるので、これらの方法が直接適用され得る。例えば、本来アグロバクテリウム感染に対して感受性の多くの植物種はアグロバクテリウム媒介形質転換の三部分または二部分ベクター方法によりうまく形質転換され得る。更に、各種の単子葉または双子葉植物種を形質転換し得るマイクロインジェクション、DNA粒子衝撃及びエレクトロポレーションの技術も開発されている。
【0037】
DNA構築物の作成において、通常構築物またはその断片の各種成分が細菌宿主(例えば、大腸菌)において複製し得る一般的なクローニングベクターに挿入される。多数のベクターが文献に記載されている。各クローニング後、プラスミドを単離し、更に制限、新規断片の挿入、連結、欠失、挿入、切除等の操作に付されて、所望配列を有する成分が特別に作成される。構築物が完成したら、この構築物は宿主細胞の形質転換方法に従って更に操作するために適当なベクターに転移され得る。
【0038】
通常、DNA構築物と共に、宿主細胞における発現のために必要な調節領域を有し、形質転換細胞を選択するための構造遺伝子が含まれている。遺伝子は、細胞毒性物質、例えば抗生物質、重金属、毒素等に対する耐性、栄養要求性宿主に対してプロトトロピーを与える相補性、ウィルス免疫性等を与え得る。発現構築物またはその断片が導入された異なる宿主の数に依存して、1つ以上のマーカーが使用され得、異なる宿主に対して別々の選択条件が使用される。形質転換植物細胞を選択するために多数のマーカー、例えば各種抗生物質、除草剤等に対して耐性を付与するマーカーが開発されている。使用する特定マーカーは本発明において必須ではなく、特定の宿主及び構築方法に依存して1つ以上のマーカーが好ましい。
【0039】
上記したように、DNA構築物を植物宿主に導入する方法は本発明において臨界的でない。効率的に形質転換する任意の方法を使用することができる。植物細胞の形質転換方法のための各種方法には、Ti−またはRi−プラスミドの使用、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、DNA粒子衝撃、リポソーム融合等が含まれる。多くの場合、構築物が1面または両面にT−DNAボーダーを有すること、特に左及び右ボーダーを有すること、更には右ボーダーを有するが望ましい。これは構築物が形質転換用モデルとしてA.tumefaciensまたはA.rhizogenesを使用した場合に特に有用であるが、T−DNAボーダーは他の形質転換モデルで有用であり得る。
【0040】
各種の大豆細胞の形質転換方法が既に公知である。大豆形質転換方法の例は、例えばChristouらの米国特許第5,015,580号明細書及びHincheeらの米国特許第5,416,011号明細書に記載されている。これらの特許明細書の全文が援用により本明細書に含まれるとする。
【0041】
変更した脂肪酸組成を有する種子を産生し得るトランスジェニック植物が得られたら、突然変異誘発を含めた一般的な植物育種方法を脂肪酸組成を更に操作するために使用され得る。或いは、DNA配列を修飾する別の外来脂肪酸を遺伝子工学により導入して、脂肪酸組成を更に操作させ得る。
【0042】
植物宿主細胞での植物ステアロイル−ACPチオエステラーゼの発現とともに、対象とする1以上の他の配列の転写または転写と翻訳を提供することを選択することができる。詳細には利用分野によっては、植物ステアロイル−ACPチオエステラーゼの発現とともにステアロイル−ACPデサチュラーゼの発現を低下させることが好ましい場合がある。
【0043】
対象とする複数の核酸配列の併用効果に関して形質転換植物を提供したい場合には代表的には、それぞれについて別個の核酸構築物を提供する。上記のような構築物は、転写または転写および翻訳調節制御領域を有する。その構築物は、得られる生成物がそれのゲノムに組み込まれる両方の特徴を有する植物である限りにおいて、単一のトランスフォーメーションベクター中への2個の転写カセットの含有によるそのような形質の導入、2つの発現構築物の同時トランスフォーメーション、第2の遺伝子についての発現ベクターとともに1個の構築物を発現する植物組織を用いる再トランスフォーメーションなどの同一もしくは異なる方法によって、あるいは伝統的な植物育種法によるトランスジェニック植物の交配によって宿主細胞に導入することができる。
【0044】
ステアロイル−ACPデサチュラーゼの量を低下させることで、飽和脂肪酸のパーセントが増加する。アンチセンス、トランスイッチ(transwitch)、リボザイムまたは何らかの他のステアロイル−ACPデサチュラーゼ低下法を用いて、植物細胞が利用可能なステアロイル−ACPデサチュラーゼの量を低下させることで、ステアリン酸(C18:0)、アラキドン酸(C20:0)、ベヘン酸(C22:0)およびリグノセリン酸(C24:0)のうちの1以上などの飽和酸のパーセントが高くなる。菜種では、ステアロイル−ACPデサチュラーゼが減ることで、ステアリン酸レベルと総飽和酸が上昇する(Knutzon et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci 89: 2264-2628)。
【0045】
特に興味深いものは、ステアリン酸レベルが高いトリグリセリド類の産生である。さらに、各種範囲のステアリン酸を産生が望ましい。そこで、ステアリン酸脂肪酸類レベルが相対的に低いおよび高い植物細胞が想到される。例えば、ステアリン酸レベル10%を有するオイルなどの脂肪酸組成物ならびにステアリン酸レベルが約60%以下となるようにした組成物その他のそのような調整脂肪酸組成物が想到される。
【0046】
以下の実施例にさらに詳細に記載されているように、植物種子組織でのステアロイル−ACPチオエステラーゼの発現を指向させるよう構築物を得る。そのような発現構築物によって、形質転換大豆植物の種子から得られるオイル中18:0レベルを上昇させることができる。
【0047】
Garn FatA1を発現するようトランスフォーメーションされた大豆におけるステアリン酸のレベル上昇は、非形質転換対照植物からの種子で得られるレベルと比較して4倍〜約13倍の範囲である。さらに、利用可能なステアロイル−ACPチオエステラーゼの量増加とともに植物FAS複合体が利用可能なステアロイル−ACPデサチュラーゼの量低下によって、ステアリン酸のさらに顕著なパーセント上昇を得ることができる。DNA構築物の各種側面(例:プロモーターの選択、コピー数など)および伝統的な育種法を駆使することで、当業者であればかなり高いステアリン酸レベルを得ることができる。種子組織における植物ステアリル−ACPチオエステラーゼの発現またはステアロイル−ACPデサチュラーゼの発現低下または両方の組合せによって、ステアリン酸パーセントの上昇を大豆で得ることができる。さらに、調整チオエステラーゼコードDNA配列は、種子組織におけるステアリン酸レベルを上昇させることができる。そのような調整チオエステラーゼ配列は、PCT特許出願WO96/36719に記載の方法に従って得ることができる。
【0048】
驚くべきことに、β−コングリシニン7SサブユニットプロモーターからのGarm FatA1DNA配列を発現するようトランスフォーメーションされたT2大豆系からの種子のオイルでは、総脂肪酸組成物の蛋白として53%以下のステアリン酸レベルが得られる。さらに、β−コングリシニン7SサブユニットプロモーターからのGarm FatA1DNA配列を発現する最初の形質転換系のオイル中では、個々の種子から得られるステアリン酸のレベル上昇は、約14重量%〜約53重量%の範囲である。さらに、ナピン(napin)誘導プロモーターからのGarm FatA1DNA配列を発現するトランスジェニック大豆植物では、T2大豆系の個々の種子において約20重量%〜約45重量%の範囲のステアリン酸レベル上昇が蓄積される。非形質転換対照大豆の個々の種子のオイルから得られるステアリン酸のレベルは、約4重量%〜約6重量%の範囲である。多くの用途において好ましいオイル組成物は、大豆油の成分として33重量%以上のステアリン酸脂肪酸類を含む。
【0049】
さらに、本発明のステアリン酸レベルが高くなっている形質転換大豆系はさらに、飽和脂肪酸の総レベルにおける上昇をも示す。ステアリン酸レベルが高くなっている形質転換大豆系では、アラキドン酸(20:0)およびベヘン酸(22:0)のレベルも高くなっている。20:0における上昇は、非トランスジェニック対照大豆系の種子オイルから得られる20:0のレベルの約3倍〜約11倍の範囲である。22:0における上昇は、非トランスジェニック対照大豆系の種子油から得られる22:0レベルの約2倍〜約5倍の範囲である。
【0050】
そのように、種子組織においてステアロイル−ACTチオエステラーゼを発現するようトランスフォーメーションされた大豆系では、総飽和脂肪酸(16:0、18:0、20:0および22:0)は、重量パーセントとして30%以上の総脂肪酸、好ましくは50重量%を超える総脂肪酸を含む。場合によっては、約65重量%を超える総飽和脂肪酸レベルを得ることができる。
【0051】
本発明の新規大豆油組成物においては含まれる総飽和脂肪酸量が増加し、新規なSat−Un−Sat形の構造のTAG源が提供される。ステアリン酸が約33重量%を超えるオイル組成物の場合、Sat−Un−Sat形のTAGはステアリン酸−飽和−ステアリン酸形のTAGとしての総TAG組成物を25%以上含むことができる。高オレイン酸大豆系を利用することで、ステアリン酸−オレイン酸−ステアリン酸形のTAGを高い割合で含む大豆オイルを製造することができることは明らかである。そのような高オレイン酸大豆油の例は、PCT特許出願WO97/40698に記載されている。
【0052】
本発明はさらに、食品ならびに通常の成長条件下で、ステアリン酸およびオレイン酸レベルが高くリノール酸およびリノレン酸レベルが低い新規な大豆[Glycine max]種子からのそれの製造方法を提供する。その新規大豆種子は、高ステアリン酸植物と低リノレン酸植物との他家受粉から得られる大豆植物によって生産される。脂肪酸含有量が調整された大豆種子には複数の利点がある。その大豆オイルでは、通常の大豆オイルと比較して、ステアリン酸レベルが高く、パルミチン酸およびオレイン酸のレベルは通常通りであり、リノール酸およびリノレン酸のレベルは低下している。好ましくはその大豆オイルは、約15%を超えるステアリン酸組成、約45%以下のリノール酸組成ならびに約6%以下のリノレン酸組成を有する。その大豆種子から抽出されるオイルは、標準的な大豆種子から抽出されるオイルと比較して、安定性が高く調理特性において優れている。当該オイルは通常の大豆オイルと比較して固体レベルが高いことから、マーガリン、豆腐、大豆粉、豆乳およびショートニングなどの食品製造においてより好ましい材料となる。そのオイルのエステル交換によってさらに存在する固体量を高めることができ、食品製造におけるオイルの利用性を高めることができる。調整大豆から製造される製造される食品は、通常の大豆から製造される食品よりクリーミーなきめを示す。通常の高ステアリン酸大豆油はマーガリンおよび他の大豆製品の形成に硬化物(hardstock)を加える必要があるが、本発明のオイルは補助剤を加えることなく用いることができる。
【0053】
新規な脂肪酸組成物を含む本発明の大豆油組成物は、本明細書または「飽和トリグリセリド類を含む食品(Food Products Containing Triglycerides)」という名称のPCT出願であるPCT/US97/0607(引用によってその全内容が本明細書に含まれるものとする)に記載されているように使用に先だって化学修飾を行う必要なく、多くの利用分野で用いることができる。本発明の大豆油は、食品製造で使用して、調理用途または加熱用途を容易にすることができる。
【0054】
本発明の方法によって製造される大豆油は、水および大豆油を含む乳濁液の形成において用いることができる。該大豆油は、乳濁液形成に先だってエステル交換によって処理することができる。本明細書で使用される場合のエステル交換とは、脂肪のグリセリド構造の再配列プロセスを指す。エステル交換は、脂肪酸自体が調整されることなくグリセロール分子上で脂肪酸を再配列する化学反応によって達成される。乳濁液は好ましくは、約70体積%〜約90体積%の大豆オイル、10体積%〜約30体積%の水を含むことができる。水系乳濁液はさらにマーガリンと定義することができる。本明細書で使用される場合の「マーガリン」という用語は、固体であってしかも25℃で展延可能なオイルおよび水を含む食用乳濁液を指す。
【0055】
別形態として、本発明の調整脂肪酸組成物を含む大豆種子を用いて豆乳を得ることができる。豆乳は、大豆種子を選択する段階、大豆と水とを接触させて混合物を形成する段階、混合物を加熱する段階、混合物を粉砕する段階、固体を除去して豆乳を形成する段階によって製造することができる。固体の除去は、濾過、沈殿および遠心などの方法(これらに限定されるものではないが)によって行うことができる。加熱段階は、豆腐形成に好適な温度まで、好ましくは加熱以前のトリプシン阻害剤活性と比較して約80%以上液体中でトリプシン阻害剤を失活させるだけの温度まで、最も好ましくは約90℃〜約100℃の温度まで混合物を加熱する段階を有することができる。トリプシン阻害剤活性は簡便には、リウらの報告(Lie and Markakis (1989), Cereal Chem 66(5): 415-422)に記載の比色法を用いて定量することができる。
【0056】
本発明の新規大豆オイル組成物を含む大豆種子は、豆腐の製造において使用することができる。豆腐は、本発明のオイル組成物を有する大豆オイルを含む大豆種子を選択する段階、該種子を水と接触させて混合物を形成する段階、混合物を加熱する段階、混合物を粉砕する段階、固体を除去して濾液を形成する段階、凝固剤を加える段階、ならびに濾液を冷却して豆腐を形成する段階によって製造することができる。使用される凝固剤は、グルコノ−δ−ラクトン、レモンジュース、海塩、硫酸カルシウムまたは塩化マグネシウムであることができるが、これらに限定されるものではない。固体の除去は、濾過、沈殿および遠心などの方法によって行うことができるが、これらに限定されるものではない。加熱段階は、豆腐形成に好適な温度まで、好ましくは加熱以前のトリプシン阻害剤活性と比較して約80%以上液体中でトリプシン阻害剤を失活させるだけの温度まで、最も好ましくは約90℃〜約100℃の温度まで混合物を加熱する段階を有することができる。トリプシン阻害剤活性は簡便には、リウらの報告(Lie and Markakis (1989), Cereal Chem 66(5): 415-422)に記載の比色法を用いて定量することができる。冷却段階は、豆腐形成に好適な温度まで、より好ましくは約0℃〜約25℃まで濾液を冷却する段階を有することができる。
【0057】
大豆粉も、本発明のオイル組成物を含む大豆種子から製造することができる。大豆粉の製造方法は、大豆種子を選択する段階および該種子を粉砕して大豆粉を製造する段階を有するものである。好ましくは大豆種子は、高レベルのステアリン酸を含む大豆油を含むものである。粉砕段階は、ホイール、乳棒と乳鉢、プレートおよび刃を用いた粉砕など(これらに限定されるものではないが)の大豆粉の生産に好適な手段によって行うことができる。
【0058】
本発明の大豆オイルはさらに、ショートニングの製造に用いることもできる。本明細書で使用される場合、「ショートニング」という用語は、各種食品の構造、きめおよび摂食特性に関連する機能的効果を提供する天然には通常は可塑性である脂肪を指す。本発明の大豆オイルに基づいて製造されるショートニングは、最終食品製造物に付加的機能を与えるために用いられる乳化剤(21C.F.R.172から選ばれる)又は界面活性剤を含んでいてもよい。本発明の大豆オイルに基づいて製造されるショートニングは、採取製品のSFCに従って最終混合物の物性および機能性を調整または増加させることができると考えられる各種硬化物(各種一般的な食油を原料とする完全に水素化されたトリグリセリド類)を含むこともできる。乳化されているか否かを問わず本発明の大豆油に基づく最終ショートニング組成物の可塑性および結晶構造は、制御下の結晶化およびボーテーション(votation)として知られる比重低下のプロセスによってさらに変えることができる。そのプロセスでは、上記で多様に記載されている溶融ショートニングをかき面式熱交換機を通して供給し、配向的に、通常は最も機能的な結晶形で結晶化させる。このプロセスの際に通常は、固化する製品中にガスをホイップして、ショートニング製品の比重従ってそれの可塑性を調節する。それは主として、最終的なショートニングの取り扱い特性を高め、各種食品系への取り込みをさらに良好にできるようにするために行う。乳化剤は一般的には、ショートニングの製造に好適ないかなる材料であっても良く、このましくは21C.F.R.§172に従って食品添加物として承認された乳化剤であり、さらに好ましくはモノグリセリドである。本発明の新規大豆油を使用することで、乳化剤添加レベルを低減して、同等の固体を得るべく水素化によって得られる標準的な大豆に基づくショートニングで必要と考えられるものと同じ機能的効果を得ることができると考えられる。
【0059】
大豆種子、オイルおよびそれからの製品は、各種動物飼料分野での用途などの当業界で公知の多くの別用途で使用することもできる。
【0060】
以上本発明についてその概要を説明したが、以下の実施例を参照することで本発明をさらに容易に理解できよう。これら実施例は単に説明を目的として記載されているものであって、本発明を限定するものではない。
【0061】
実施例
実施例1:植物発現ベクター構築
植物ベクターを構築して、各種種子促進プロモーターを利用して大豆種子中でGarcinia mangostanaからのアシル−ACPチオエステラーゼのFatA類(Garm Fat A1, Hawkins and Kridl (1998) supraおよびPCT特許出願WO96/36719)の一つの発現を制御する。
【0062】
植物トランスフォーメーション構築物pWRG5374を取得して、ナピンプロモーターを利用して大豆種子の胚組織でGarm FatA1を発現させる。ホーキンスらの報告(Hawkins and Kridl (1998) supra)に記載のナピン5’/Garm FatA1/ナピン3’を含むDNA断片を、CAMV35S(Gardner et al (1981) Nucleic Acids Res. 9: 2871-2888)プロモーターによって活動する選択可能なマーカーβ−グルクロニダーゼ(GUS, Jefferson et al., Proc. Natl. Acad. Sci.(1986) 83: 8447-8451)を含むベクターにクローニングする。GUS遺伝子は、大豆リブロース−ビス−リン酸カルボキシラーゼ(RuBisCo)小サブユニット(Grandbastien et al. (1986) Plant Mol. Biol. 7: 451-466)ssuL由来の未翻訳リーダー配列および大豆RuBisCo(Berry-Lowe (1982) Jour. Mol. Appl. Genet. 1: 483-498)SpA由来の翻訳停止配列を含む。GUS選択可能マーカーを利用するベクターの例は、欧州特許0301749B1に記載されており、該特許は引用によって本明細書に含まれる。得られる発現構築物pWRG5374はナピン5’/Garm FatA1/ナピン3’配列ならびにインジゴブルー染色によるトランスジェニック選択のための35S−ssuL/GUS/SpA3’を含む。
【0063】
β−コングリシニン7Sサブユニットプロモーターから発現されるGarm FatA1コード配列を含む大豆トランスフォーメーション構築物pWRG5378を以下のようにして得た。Garm FatA1コード配列およびナピン3’ポリ−A停止配列を、プラスミドpCGN5253(Hawkins and Kridl (1998) supraに記載)から得た。β−コングリシニンの大豆α’サブユニット(soy 7s, (Chen et al., (1986), Proc. Natl. Acad. Sci., 83: 8560-8564))からの異種プロモーターの下流に、Garm FatA1コード配列およびナピン3’配列を挿入することで、大豆発現プラスミドpWRG5375を構築した。soy7sプロモーターを含む941bpのBamHI−XhoI断片を、KpnIによる部分消化およびSalIによる完全消化によって得られるプラスミドpCGN5253からの5186bpの断片と連結した。さらに、DNA配列5’−GATCGTAC−3’を有する8bpのBamHI−KpnIアダプターを用いて、soy7sプロモーター断片からのBamHI部位とpCGN5253からのKpnI部位とを融合させた。得られたプラスミドはpWRG5375と称した。soy7s/Garm FatA1/ナピン3’を含むプラスミドpWRG5375からの3477bpのSacII断片を、トランスジェニック大豆植物の選択のためにβ−グルクロニダーゼ(GUS)マーカーカセット(上記)を含む6135bpの断片に連結した。GUS遺伝子の転写がGarm FatA1コード配列のものと同じ方向となるようにsoy7s/Garm FatA1/ナピン3’カセットを挿入した。得られた8329bpのプラスミドはpWRG5378と称した。
【0064】
実施例2:Garm FatA1構築物による大豆トランスフォーメーション
プラスミドpWRG5374とpWRG5378をNotIで消化させ、キメラTGarm FatA1コード配列とGUS発現カセットの両方を含む直線断片をHPLCによって精製した。得られた直線DNA断片を、マッカベらの方法(McCabe et al. (1988) Bio/Technology 6: 923-926)によって大豆(Asgrow種A5403)に安定に導入した。
【0065】
形質転換大豆植物は、1mM X−Gluc(Clontech)、0.1M NaPO(pH7.0)、0.5mMフェロシアン化カリウムを用いる種子組織のインジゴブルー染色によって確認される。
【0066】
実施例3:脂肪酸組成分析
pWRG5374またはpWRG5378でトランスフォーメーションした大豆系の種子から、脂肪酸組成物を分析した。トランスジェニックおよび対照大豆系のそれぞれの種子1〜5個を、組織ホモジナイザー(Pro Scientific)を用いて個別に粉砕してオイル抽出に供した。粉砕大豆種種子からのオイルを、トリヘプタデカノインを含む(0.50mg/mL)ヘプタン1.5mLで終夜抽出した。抽出したオイル200μLずつを、ナトリウムメトキシドの純粋メタノール溶液500μLを加えることでメチルエステルに誘導体化した。その誘導体化反応は、50℃で20分間進行させた。10%(w/v)塩化ナトリウム500μLとヘプタン400μLを同時に加えることで反応停止した。ヘキサンに抽出された取得脂肪酸メチルエステルを、ヒューレットパッカード(Hewlett Packard)6890型GCでのガスクロマトグラフィー(GC)によって分割した。GCにスペルコワックス(Supelcowax)250カラム(30m、内径0.25mm、薄膜厚0.25μm)(Supelco, Bellefornte, PA)を取り付けた。カラム温度は注入口で175℃とし、温度を速度40℃/分で175℃から245℃から175℃へとプログラムした。インジェクター温度および検出器温度はそれぞれ250℃および270℃とした。
【0067】
当初の形質転換5374大豆系の種子油からの脂肪酸組成分析の結果を表1に示してある。最初の形質転換体からの複数の種子についてオイル組成分析を行った場合には平均を示してある。ナピンプロモーターからのGarm FatA1を発現するトランスジェニック大豆植物の種子では、ステアリン酸(C18:0)レベルが、非形質転換対照植物の種子オイルから得られるレベルより大幅に高くなっていた。ステアリン酸の増加は主としてオレイン酸を犠牲にしたものであり、それより程度は低いがリノレン酸およびパルミチン酸をも犠牲にしたものであって、それらはいずれもトランスジェニック系では低下していた。さらに、C18:0を超える試験を行った飽和酸全てにおいて増加が認められた。
【0068】
【表1】
Figure 0004511043
【0069】
特定のT2系も、種子オイルにおいてステアリン酸増加とパルミチン酸、オレイン酸およびリノレン酸レベル低下の傾向を示している(表2)。さらに、T2 5374大豆系の種子(T3種子)では、脂肪酸メチルエステルの約45%という高いステアリン酸レベルが認められる。これらのレベルは、T1世代での約34%から増加している。それに対してGarm FatA1導入遺伝子を含まないゼロ代は、脂肪酸メチルエステルの約4.5%をステアリン酸として含有している。
【0070】
【表2】
Figure 0004511043
【0071】
形質転換5378大豆植物についての脂肪酸組成分析の結果を表3に示してある。7SプロモーターからのGarm FatA1を発現するようトランスフォーメーションされた大豆植物の種子では、非形質転換対照植物の種子で認められるレベルよりステアリン酸レベルが高かった。T1 5378トランスジェニック大豆の種子オイルでは、脂肪酸の約53%という高いレベルのステアリン酸が得られたが、非形質転換対照植物では約4%というレベルが認められた。
【0072】
【表3】
Figure 0004511043
【0073】
選択されたT2大豆系のT3種子では、総脂肪酸組成の約53%という高いステアリン酸増加が得られ(表4)、それはT1 5378大豆系からの種子オイルから得られるレベルと同様であった。さらに、5374大豆植物と同様に、パルミチン酸、オレイン酸およびリノール酸の低下がT2およびT3の両方の種子オイルで認められた。さらに、C18:0を超える飽和酸の増加はT2およびT3の両方の代でも認められる。
【0074】
【表4】
Figure 0004511043
【0075】
上記の結果は、18:0アシル−ACP基質に対してかなりの活性を有し大豆植物の種子組織でC18:0を産生する能力を有するアシル−ACPチオエステラーゼの発現によって、大豆の種子オイル中におけるステアリン酸レベルを高めることが可能であることを示している。
【0076】
実施例4:高ステアリン酸大豆オイルの組成
この特定の場合、ステアリン酸が約24%以上でリノレン酸が約3%以下、好ましくは約2.5%以下という独特の脂肪酸組成で、大豆種Hartz H4152(HS−2とも称される)が開発された。H4152は、高ステアリン酸含有量の大豆系(H90−127−113、HS−1とも称される)と低リノレン酸含有量の系(N85−2176)との間での交配に由来するものであった。H90−127−113は、Hartz種H5668と大豆系A6との間の交配に由来するHartz種である。A6は、アイオワ州立大学(Hammond, E. G. and W. R. Fehr, 1983, Registration of A6 germplasm line of soybean, Crop Sci. 23: 192-193)が1981年に発表したステアリン酸種子含有量の高い(28.1%)大豆突然変異体である。A6系における高ステアリン酸含有量は、単一の劣性遺伝子fas−aによって調整されることが明らかになっている(Graef, G. L., W. R. Fehr, and E. G. Hammond, 1985 Inheritance of three stearic acid mutants of soybean. Crop Sci. 25: 1076-1079)。N85−2176は、低リノレン酸種子含有量のために選択されるノースカロライナ州立大学から発表されたものである。
【0077】
H90−127−113とN85−2176との間の交配からのF種子を11月と12月に温室で成長させた。2月に、胚と対生のF種子の少量を取り、ガスクロマトグラフィーを用いて脂肪酸組成についてハーツ・シード社(Hartz Seed Co.)の研究室で分析した。ステアリン酸レベルが高くリノレン酸レベルが低いことからF種子27番を選択し、温室で成長させた。植物27番からのF種子を次の夏にシュツットガルト(AR)の圃場に植えた。所望の脂肪酸組成を有する農業経済的に望ましいF植物10本を選択し、その植物からのF代の列をその夏にシュツットガルトで植えた。農業経済的に望ましい同形の単独植物20本を列番号4から選択した。その20本の植物のF代をプエルトリコのサンタイザベル(Santa Isabel)で冬季苗床で単一列にて植えた。均一な単一列10列を収穫してまとめた。得られた種子を次の夏の間シュツットガルト(AR)で約809m(0.2エーカー)のブリーダーインクリース(breeder increase)で成長させて、Hartz種H4152の基礎を形成した。
【0078】
【表5】
Figure 0004511043
【0079】
高ステアリン酸大豆オイルの組成は、リノール酸およびリノレン酸脂肪酸含有量が低く、オレイン酸およびステアリン酸脂肪酸含有量が高いという点で独特である。これによって、酸化分解に対するオイルの安定性が高くなり、しかもトリグリセリド組成が変化することで、一般の大豆オイルで認められる融点より高い融点を有する化合物が形成される。高ステアリン酸大豆オイルの融点は室温以下であるが、オイルを室温で保存する際には結晶化する固体脂肪が存在する。
【0080】
実施例5:高ステアリン酸大豆オイルの安定性
【0081】
【表6】
Figure 0004511043
【0082】
固有安定性は、酸素との相対的反応性の計算値であり、値が高いほど酸化を受けやすいことを示している(M. Erickson and N. Frey, Food Technology, 50: 63-68 (1994))。ヨウ素値は元素状ヨウ素との反応性の計算値であり、値が高いほど反応性が高いことを示している(Official and Tentative Methods, American Oil Chemist’s Society, Cd 1b-87, Champaign, IL)。活性酸素法分析法は、調理時に遭遇する熱分解をシミュレーションするものであり、値が高いほど熱安定性が高いことを表している(Official and Tentative Methods, American Oil Chemist’s Society, Cd 12-57(93), Champaign, IL)。高ステアリン酸オイルにおいて飽和およびモノ不飽和脂肪酸が増加し、多価不飽和脂肪酸が減少していることで、一般の大豆オイルと比較して熱安定性が高くなっている。一般の大豆油と比較して高ステアリン酸大豆オイルの熱安定性が高いことは、固有安定性およびヨウ素値の計算値に基づいた予測と一致するものである。
【0083】
実施例6:大豆オイルの固体プロファイル
【0084】
【表7】
Figure 0004511043
【0085】
固体は、ディラトメトリーを用いた固体脂肪係数によって評価した。値は所定温度でのサンプル中の固体パーセントを表す。エステル交換ステアリン酸オイルは、エリクソンの方法(Erickson, Practical Handbook of Soybean Processing and Utilization, American Oil Chemists’ Society Press, Champaign IL, 1995)に従ってエステル交換によって製造した。それとは対照的に、ステアリン酸レベルが高く、パルミチン酸およびリノレン酸レベルが通常であり、オレイン酸およびリノール酸レベルが低い大豆オイルA6には、24.7℃以上の温度で存在する固体はなかった。
【0086】
実施例7:大豆食品での高ステアリン酸大豆の利用
A.豆腐および豆乳を得るため、高ステアリン酸大豆50gを水150gに終夜浸漬し、排液した。大豆を水で洗浄した。沸騰水185gを加え、混合物を裏ごしした。水315gを加え、混合物を100℃で10分間加熱した。おから(濾過固体)を抽出して(Juiceman Junior装置(Salton Maxim, Mt. Prospect, IL))、豆の外皮を取った。この熱豆乳は固体分が約8%のはずであった。堅い豆腐を得るため、グルコノ−δ−ラクトン(Aldrich, Milwaukee, WI)1.5gを加えた。液体を軽く撹拌しながら90℃で15〜20分間凝固させた。その液を冷却して豆腐を形成した。
【0087】
B.豆乳を得るため、高ステアリン酸大豆150gを水500mLに浸漬し、排液した。浸漬した大豆を水で洗浄した。豆を2等分した。各部分を混合機(Oster混合機, Sunbeam, Delray Beach, FL)中、最も高速で1.5分間にわたって水400mLとともに粉砕した。この2等分からの合わせたスラリーを手作業で布濾過した。固体残渣を廃棄した。濾液を95℃で10分間加熱して豆乳を得た。豆腐を得るため、熱豆乳を約75℃まで冷却し、硫酸カルシウムまたはグルコノ−δ−ラクトンのいずれか5gを加えた、混合物を30分間放置して凝乳を形成し、それが絹ごし豆腐となった。堅い豆腐を得るため、熱凝乳を破壊し、鋳型に入れ、圧縮して乳清を放出させた。
【0088】
高ステアリン酸オイル大豆から得られた豆腐は、標準的な対照大豆から得られた豆腐より堅くクリーミーな軟度を有していた。
【0089】
実施例8:ベーク食品での全脂肪大豆粉の使用
標準的な工業的プロトコール(Practical Handbook of Soybean Processing and Utilization, American Oil Chemists’ Society Press, Champain IL, 1995)を用いて、高ステアリン酸大豆を加工して全脂肪大豆粉を得た。その粉を高レベル(15〜20%)でベーク製品に加えて、ベーク製品のきめに影響を与えることなく蛋白含有量を増すことができる。高ステアリン酸大豆から得られる粉は、キャンディー、グレービー、ソース、冷凍デザート、パスタ、肉製品およびベーク品などの一連の食品に使用することができる。
【0090】
実施例9:高ステアリン酸大豆オイルを用いたマーガリンの製剤
【0091】
【表8】
Figure 0004511043
【0092】
オイルを電子レンジで65℃まで加熱した。小麦粉を取ってオイル相に加え、その直後にオイル相を、電子レンジで50℃まで加熱しておいた残りの成分と混合した。2相を合わせ、60℃に維持したディスパーマット(Dispermat)ユニット(VMA-Getzmann, Germany)で2000rpmにて20分間混合した。得られたマーガリンを1ポンド容器に充填し、40℃下に置いて結晶化させた。1日後および4週間にわたる長期保存後に冷蔵から取り出した際、マーガリン製品は容易に展延することができた。得られたマーガリンは、優れた室温安定性と優れた香味放出および構造を示した。
【0093】
実施例10:エステル交換高ステアリン酸オイルを用いた万能ショートニングの製剤
CRISCO(Proctor and Gamble, Cincinnati, OH)などの市販のショートニングは、完全に水素化された綿実油成分とモノグリセリドなどの乳化剤とを合わせた水素化大豆オイルから構成されている。大豆油ベースストック(basestocks)は15重量%を超える、多くの場合25重量%を超えるトランス脂肪酸含有量を有する。エステル交換高ステアリン酸大豆オイルは十分な固体を有することから、完全水素化綿実油およびモノグリセリドと混合すると、ボーテーション(脂肪の急速な冷却および加工、Weiss, T. J., Food oils and Their Uses, Avi Publishing Co., Westport, CT, 1983)および結晶化の際にCRISCO製品と同様のきめおよび軟度を与える。その製剤に窒素を加えて、製品の最終的な密度および剛性を調節する。15%超のガスは、窒素付加以前の密度と比較してショートニング密度の15%低下に相当する。
【0094】
【表9】
Figure 0004511043
【0095】
実施例11:貯蔵期間試験
コストおよび消費者による許容性向上の点から、部分水素化オイルより非水素化オイルの方が好ましい。しかしながら、非水素化オイルの貯蔵安定性が短いことで、その食品での利用は大きく制限される。エステル交換高ステアリン酸大豆オイルをポテトチップ悪臭分析で用いて、フライ食品製造における利用可能性を確認した。
【0096】
【表10】
Figure 0004511043
【0097】
悪臭分析は、62℃でのシャール(Schaal)オーブン試験(Warner, K. and Eskin, N. M., Methods to Assess Quality and Stability of Oils and Fat-Containing Foods, American Oil Chemists’ Society Press, Champaign, IL, 1995)を用いて行った。望ましくない臭気を検出するのに要する期間が延長したことで示されるように、エステル交換高ステアリン酸オイルは安定性を顕著に高めることが明らかになった。
【0098】
本明細書に記載の全ての刊行物および特許出願は、本発明が関係する当業者の技術水準を示すものである。全ての刊行物および特許出願は、それら刊行物または特許出願それぞれが引用によって組み込まれていることを具体的かつ個別に示しているのと同程度に、引用によって本明細書に含まれるものとする。
【0099】
以上、本発明について理解を深めることを目的として例示および実施例によってある程度詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲内であれば一定の変更および修正を行うことが可能であることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マンゴスチンFatAタイプ−アシル−ACPチオエステラーゼクローン(Garm FatA1)の核酸及び翻訳アミノ酸配列である。

Claims (34)

  1. 転写の5’ないし3’方向に:大豆種子細胞において機能性のプロモーターおよびGarm FatA1チオエステラーゼをコードするDNA配列を有し、ここに、該Garm FatA1チオエステラーゼは、16:0-ACPと比較すると、18:0-アシル-アシル-キャリア蛋白質(ACP)に対して高い相対活性を有し、該大豆種子からの大豆油中の総肪酸が20%を超えるステアレートを含むことを特徴とする導入された核酸配列を含む大豆種子。
  2. 該大豆種子からの大豆油中の該脂肪酸が、33重量%を超えるステアレートを含む請求項1記載の大豆種子。
  3. 16:0、18:0、20:0、および22:0を含む該脂肪酸が、重量のパーセンテージとして、総脂肪酸の少なくとも30パーセントを含む請求項1記載の大豆種子。
  4. 16:0、18:0、20:0、および22:0を含む該脂肪酸が、重量のパーセンテージとして、総脂肪酸の少なくとも50パーセントを含む請求項1記載の大豆種子。
  5. Garm FatA1トランスジーンを含有しないヌル子孫と比較すると、18:0を超える飽和脂肪酸パーセンテージが増加される請求項1記載の大豆種子。
  6. ステアレートレベルが、非形質転換対照植物からの種子と比較して4倍ないし13倍の間、増加される請求項1記載の大豆種子。
  7. 転写の5’ないし3’方向において:大豆種子細胞において機能性のプロモーターおよびGarm FatA1チオエステラーゼをコードするDNA配列を有し、ここに、該Garm FatA1チオエステラーゼは、18:1-アシル-ACP活性の10-20%である18:0-アシル-アシル-キャリア蛋白質(ACP)に対する活性を有し、該大豆種子からの大豆油中の総脂肪酸は20%を超えるステアレートを含むことを特徴とする導入された核酸配列を含む大豆種子。
  8. 転写の5’ないし3’方向において:大豆種子細胞において機能性のプロモーターおよびGarm FatA1チオエステラーゼをコードするDNA配列を有し、ここに、該Garm FatA1チオエステラーゼが、18:1活性の25%である18:0-アシル-アシル-キャリア蛋白質(ACP)に対する活性を有し、該大豆種子からの大豆油中の総脂肪酸が20%を超えるステアレートを含むことを特徴とする導入された核酸配列を含む大豆種子。
  9. 転写の5’ないし3’方向において:大豆種子細胞において機能性のプロモーターおよびGarm FatA1チオエステラーゼをコードするDNA配列を有し、ここに、18:1-アシル-アシル-キャリア蛋白質(ACP)は、14:0-アシル-ACP、16:0-アシル-ACP、および18:0-アシル-ACPに対して該Garm FatA1チオエステラーゼについての好ましい基質であり、該大豆種子からの大豆油中の総脂肪酸は20重量%を超えるステアレートを含むことを特徴とする導入された核酸配列を含む大豆種子。
  10. 転写の5’ないし3’方向に:大豆種子細胞において機能性のプロモーター;Garm FatA1チオエステラーゼをコードするDNA配列;および転写終止配列を有する導入された核酸配列を含む大豆種子を収集することを含み、ここに、18:1-アシル-アシル-キャリア蛋白質(ACP)は、14:0-アシル-ACP、16:0-アシル-ACP、および18:0-アシル-ACPに対して該Garm FatA1チオエステラーゼについての好ましい基質であり、該大豆種子からの大豆油中の総脂肪酸は20重量%を超えるステアレートを含むことを特徴とする高ステアレート大豆油を生産する方法。
  11. 転写の5’ないし3’方向で:大豆種子細胞において機能性のプロモーター;Garm FatA1 チオエステラーゼをコードするDNA配列;および転写終止配列を有する導入された核酸配列を含み、ここに、該大豆種子は、大豆種子油中に含有された総脂肪酸の成分として発現された、33重量パーセント以上のステアレートを含有することを特徴とする大豆種子。
  12. 50重量パーセント以上のステアレートを含む請求項11記載の大豆種子。
  13. 該DNA配列が、配列番号:2を含むアミノ酸配列をコードする請求項11記載の種子。
  14. 大豆種子細胞において機能性の該プロモーターが、該大豆種子細胞において優先的に発現される請求項11記載の大豆種子。
  15. 転写の5’ないし3’方向に:大豆細胞において機能性のプロモーター;Garm FatA1 チオエステラーゼをコードするDNA配列;および転写終止配列を有する導入された核酸配列を含み、ここに、該大豆種子は、大豆種子油中の総脂肪酸の成分として発現された33重量パーセントおよび53重量パーセントの間のステアレートを含有することを特徴とする大豆種子。
  16. 該DNA配列が、配列番号:2を含むアミノ酸配列をコードする請求項15記載の種子。
  17. 該種子が、大豆種子油中に含有された総脂肪酸の成分として発現された33重量パーセントおよび53重量パーセントの間のステアレートを含有する請求項15記載の大豆種子。
  18. 大豆種子において見受けられる総脂肪酸の成分としてのステアレートを増加させる方法であって:
    DNA構築体をそのゲノムに組み込んだ大豆植物を成長させることを含み、ここに、該構築体は、転写の5’ないし3’方向に、大豆植物種子細胞において機能性のプロモーター、Garm FatA1 チオエステラーゼをコードするDNA配列、および大豆細胞において機能性の転写停止領域を含み、ここに、該大豆の種子は、大豆種子油中に含有された総脂肪酸の成分として発現された33重量パーセント以上のステアレートを含有することを特徴とする該方法。
  19. 該DNA配列が、配列番号:2を含むアミノ酸配列をコードする請求項18記載の方法。
  20. 大豆植物種子細胞において機能的な該プロモーターが、該大豆種子において優先的に発現される請求項18記載の方法。
  21. (a)転写の5’ないし3’方向に、大豆植物種子細胞において機能性のプロモーター、Garm FatA1 チオエステラーゼをコードするDNA配列、および大豆細胞において機能性の転写停止領域を含む構築体によって形質転換された大豆植物を成長させ、ここに該大豆種子の種子は、大豆種子油中に含有された総脂肪酸の成分として発現された33重量パーセント以上のステアレートを含有し;次いで(b)該大豆植物から該大豆種子を取り出すことを特徴とする増加したステアレート組成を有する大豆種子を生産する方法。
  22. 該Garm FatA1 チオエステラーゼが、C18:1 アシル-ACP基質に対する該Garm FatA1 チオエステラーゼの活性の25%であるC18:0 アシル-ACP基質に対する活性を有する請求項21記載の方法。
  23. 該Garm Fat A1 チオエステラーゼが、C18:1 アシル-ACP基質に対する該Garm FatA1 チオエステラーゼの活性の3%であるC16:0 アシル-ACP基質に対する活性を呈する請求項21記載の方法。
  24. さらに、該大豆種子から油を単離することを含む請求項21記載の方法。
  25. (a)転写の5’ないし3’方向で、大豆植物種子細胞において機能性のプロモーター、C18:0 アシル-ACP基質に対して活性を有するGarm FatA1チオエステラーゼ蛋白質をコードするDNA配列、ここに、C18:0 アシル-ACP基質に対して性を有する該アシル-ACP チオエステラーゼ蛋白質は、C18:1 アシル-ACP基質に対する該アシル-ACP チオエステラーゼ蛋白質の活性の25%である活性を呈し、および大豆細胞において機能性の転写停止領域を含む構築体によって形質転換された大豆植物を成長させ;次いで、(b) 該大豆植物から、該大豆種子を取り出すことを特徴とする20%よりも大きなステアレート組成を有する大豆種子を生産する方法。
  26. さらに、該大豆種子から油を単離することを特徴とする請求項25記載の方法。
  27. 該大豆種子が、33重量パーセント以上のステアレートを含む請求項25記載の方法。
  28. (a)転写の5’ないし3’方向に、大豆植物種子細胞において機能性のプロモーター、Garm FatA1 チオエステラーゼをコードするDNA配列、および大豆細胞において機能性の転写停止領域を含む構築体によって形質転換された大豆植物を成長させ、ここに、該大豆種子の種子は、大豆種子油中に含有された総脂肪酸の成分として発現された33重量パーセントおよび53重量パーセントの間のステアレートを含有し;次いで(b) 該大豆植物から該大豆種子を取り出すことを特徴とする増加したステアレート組成を有する大豆種子を生産する方法。
  29. 大豆種子に由来する油であって、該種子は、転写の5’ないし3’方向に:大豆植物細胞において機能性のプロモーター;Garm FatA1 チオエステラーゼをコードするDNA配列;および転写終止配列を有するDNA構築体を含み、かつ該種子は、大豆種子油中に含有される総脂肪酸の成分として発現された33重量パーセント以上のステアレートを含有することを特徴とする該油。
  30. DNA配列が、配列番号: 2を含むアミノ酸配列をコードする請求項29記載の油。
  31. 該油が、飽和-不飽和-飽和形態中に25パーセント以上の該総脂肪酸を含む請求項29記載の油。
  32. 大豆種子に由来する油であって、該種子は、転写の5’ないし3’方向に:大豆植物細胞において機能性のプロモーター;Garm FatA1 チオエステラーゼをコードするDNA配列、および転写終止配列を有するDNA構築体を含み、かつ該種子は、大豆種子油中に含有された総脂肪酸の成分として発現された33重量パーセントのステアレートないし約53重量パーセントのステアレートを含有することを特徴とする該油。
  33. DNA配列が、配列番号: 2を含むアミノ酸配列をコードする請求項32記載の油。
  34. 大豆種子に由来する油であって、該種子は、転写の5’ないし3’方向に:大豆植物細胞において機能性のプロモーター;C18:0 アシル-ACP基質に対して活性を有するGarm FatA1チオエステラーゼ蛋白質をコードするDNA配列、ここに、該Garm FatA1チオエステラーゼ蛋白質は、C18:1 アシル-ACP基質に対する該Garm FatA1チオエステラーゼ蛋白質の活性の25%である活性を呈し;および転写終止配列を含み、ここに、該種子は、大豆種子油中に含有される総脂肪酸の成分として発現された33重量パーセント以上のステアレートを含有することを特徴とする該油。
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