JPH10510438A - 植物ステアロイル−acpチオエステラーゼ配列および植物種子油のステアリン酸塩含量を増大させる方法 - Google Patents

植物ステアロイル−acpチオエステラーゼ配列および植物種子油のステアリン酸塩含量を増大させる方法

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JPH10510438A JP9513773A JP51377397A JPH10510438A JP H10510438 A JPH10510438 A JP H10510438A JP 9513773 A JP9513773 A JP 9513773A JP 51377397 A JP51377397 A JP 51377397A JP H10510438 A JPH10510438 A JP H10510438A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は植物チオエステラーゼ、特にステアロイル‐ACPに対して有意な活性を有する植物アシル‐ACPチオエステラーゼに関する。植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼを植物種子細胞中で発現させるのに有用なDNA構築物について記載する。このような構築物は、これをトランスジェニック植物中で発現させたとき他の植物組織と比較して種子組織中で優先的に植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼの発現を指令することができる調節要素の制御下に目的とする植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼをコードするDNA配列を含有する。また本発明は、植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼをコードするDNA配列を使用して植物種子細胞中で産生されるステアリン酸を改変する方法にも関する。本明細書に例示したステアロイル‐ACPに対する有意な活性を有する植物チオエステラーゼはマンゴスチンに由来している。改変されたステアリン酸濃度は、マンゴスチンチオエステラーゼを単独で、または天然のステアロイル‐ACPデサチュラーゼを低下させるアンチセンス構築物と組合わせて、植物種子中で発現させることによって得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼ配列 および植物種子油のステアリン酸塩含量を増大させる方法 序 利用分野 本発明は植物に対する遺伝子工学技術の応用に関する。特に本発明は、C18 :0‐ACPに対して実質的な活性を有する植物アシル‐ACPチオエステラー ゼ配列およびそのような配列を使用して植物種子油の18:0レベルを増大させ る方法に関する。 背景技術 脂肪酸は炭素約4〜24の炭化水素鎖を有する有機酸である。鎖の長さ、そし て二重結合の有無、数および位置が互いに異なる多くの種類の脂肪酸が知られて いる。細胞内では通常脂肪酸は共有結合型で存在しており、そのカルボキシル部 分は脂肪アシル基といわれている。これらの分子の鎖長と飽和度はCX:Yとい う式で表わされることが多く、この「X」は炭素の数を示し、「Y」は二重結合 (bands)の数を示す。 脂肪アシル基は多くの脂質の主要成分であり、その長い非極性炭化水素鎖のた めにこれらの脂質分子は水に不溶性である。この脂肪アシル基と他の因子との共 有結合の型はさまざまに変化し得る。たとえば、生合成反応においては、特別な 酵素反応に依存して、チオエステル結合を介してアシルキャリヤータンパク質( ACP)または補酵素A(CoA)に共有結合し得る。ろうの場合、脂肪アシル 基はエステル結合を介して脂肪アルコールに結合しており、トリアシルグリセロ ールの場合は3つの脂肪アシル基がエステル結合を介してグリセロール分子に結 合している。 植物における脂肪酸の産生は、プラスチド内でβ‐ケトアシル‐ACPシンタ ーゼIIIという酵素によって触媒される、アセチル‐CoAとマロニル‐ACP との反応によりブチリル‐ACPが生成することから始まる。アセチル‐ACP から炭素数16および18の脂肪酸に伸長するには以下の一連の反応の周期的作 用が含まれる。すなわち、まずマロニル‐ACPに由来する炭素2個の単位と縮 合されてβ‐ケトアシル‐ACPを形成し(β‐ケトアシル‐ACPシンターゼ )、ケト官能基が還元されてアルコールになり(β‐ケトアシル‐ACPレダク ターゼ)、脱水されてエノイル‐ACPを形成し(β‐ヒドロキシアシル‐AC Pデヒドラーゼ)、最後にこのエノイル‐ACPが還元されて伸長した飽和アシ ル‐ACPが生成する(エノイル‐ACPレダクターゼ)。β‐ケトアシル‐A CPシンターゼIはパルミトイル‐ACP(C16:0)までの伸長を触媒する が、β‐ケトアシル‐ACPシンターゼIIはステアロイル‐ACP(C18:0 )に至る最終伸長を触媒する。このFASによって産生される最も長鎖の脂肪酸 は、展型的には一般に炭素数18個の長さである。プラチスド内で起こるその後 の脂肪酸生化学工程は、Δ−9デサチュラーゼ(炭素数18のアシル‐ACPで あるステアリン酸エステルに対する活性が高いために「ステアロイル‐ACPデ サチュラーゼ」といわれることも多い)によって触媒される反応においてステア ロイル‐ACP(C18:0)が脱飽和されてオレオイル‐ACP(C18:1 )を形成するものである。 プラスチドにおける炭素鎖伸長はアシル基のグリセロール3‐リン酸への転移 によって、プラスチドの「原核生物性」脂質生合成経路に保持されているその結 果生成するグリセロ脂質とともに停止され得る。あるいは、新たに生成したアシ ル‐ACPを特定のチオエステラーゼが加水分解して遊離の脂肪酸とACPにす ることによって原核性経路が中断され得る。 次に遊離の脂肪酸はプラスチド包膜内で脂肪アシル‐CoAに変換され、細胞 質に輸送され、そこで、リン脂質、トリグリセリド、その他の中性脂質の形成を 担っている小胞体の「真核生物性」脂質生合成経路内に組み込まれる。脂肪アシ ルCoAが小胞体に輸送された後、次にトリグリセリド産生の連続工程が生じ得 る。たとえば、膜結合酵素の作用によってオレオイルアシル基が連続的に脱飽和 化される結果として、リノレオイルやα‐リノレノイルのような多不飽和脂肪ア シル基が生成する。トリグリセリドは、1‐、2‐および3‐アシル‐ACPト ランスフェラーゼ酵素、すなわちグリセロール‐3‐リン酸アシルトランスフェ ラーゼ、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼおよびジアシルグリセ ロールアシルトランスフェラーゼの作用によって形成される。植物細胞内の脂肪 酸組成は、遊離の脂肪酸のプールと、アシルトランスフェラーゼ活性の結果とし てトリグリセリド中に取込まれた脂肪酸(脂肪アシル基)とを反映している。 油脂の脂肪酸組成はその物理的性質と化学的性質、したがってその用途を決定 する。植物、特に種子中に大量の油脂を合成する植物種は食用と産業用の油脂の 重要な資源である。トリグリセリドの特性は、トリグリセリド中の異なる位置に おける脂肪酸のさまざまな組合わせによって変化する。たとえば、脂肪アシル基 がほとんど飽和脂肪酸であればそのトリグリセリドは室温で固体である。しかし 、一般に、植物油はいろいろなトリグリセリドの混合物である傾向がある。した がって、トリグリセリド油脂の特性はその油を構成するトリグリセリドの組合わ せの賜であり、そのトリグリセリド自体はそれぞれの脂肪酸組成の影響を受ける 。 たとえば、カカオ脂はそのトリグリセリド組成によって決まるいくつかの望ま しい品質(口当たり、シャープな融点など)をもっている。カカオ脂は約24. 4%のパルミチン酸(16:0)、34.5%のステアリン酸(18:0)、3 9.1%のオレイン酸(18:1)および2%のリノール酸(18:2)を含有 している。すなわち、カカオ脂の場合、パルミチン酸‐オレイン酸‐ステアリン 酸(POS)がトリグリセリド組成のほぼ50%を占め、残りの主要部はステア リン酸‐オレイン酸‐ステアリン酸(SOS)とパルミチン酸‐オレイン酸‐パ ルミチン酸(POP)で、それぞれトリグリセリド組成の39%、16%である 。その他興味のある新規な油脂組成として、トリエルシン(trierucin)(3つの エルカ酸)またはトリグリセリド分子の各位置に中鎖の脂肪酸を有するトリグリ セリドを含めてもよい。 また、特に興味深いのは、トリグリセリド分子のsn−1位とsn−3位でス テアリン酸がエステル化され、オレイン酸がsn−2にあるトリグリセリド分子 である。このようなSOS(ステアリン酸‐オレイン酸‐ステアリン酸)分子に 富む植物油はカカオ脂と同様に、いくつかの望ましい品質をもっているが、チョ コレートの基剤となる脂肪とブレンドしたときでさえもある程度の追加的な硬さ を示す。SOSを含有する植物油は現在、インドのサラノキ、アフリカのシアバ ターノキ、インドネシアのイリッペ(Illipe)の木のような熱帯地方で生育するあ る種の木に由来する比較的高価な脂肪種子から抽出されている。SOS型の植物 油のより安価でより手軽に生育できる資源が望まれる。 また、ステアリン酸脂肪酸含量の多い植物油は室温で固体である傾向がある。 このような植物性脂は、化学的に水素化する必要なく、ショートニング、マーガ リンその他の食物「スプレッド」製品に直接使用することができる。水素化は液 状油中の不飽和脂肪酸を飽和形に変換する処理法であり、この飽和形態により油 がマーガリンやショートニングへの応用に有用な固体の脂肪に変換される。化学 的水素化に伴なうコストおよびトランス脂肪酸(trans fatty acid)の生成のよう な他の要因は、植物油を遺伝子操作により植物種子中でステアリン酸に富むよう にすれば回避することができる。 さらに、かなりの植物組織は他の化合物を作るのに前駆体として炭素数18の 脂肪酸を使用する。これら他の化合物は、炭素鎖長が18より長い飽和の長鎖脂 肪酸を含む。一般的な脂肪種子作物では通常ステアリン酸の蓄積はほとんどない ので、その合成がステアリン酸脂肪酸の供給に依存する化合物の産生を増大させ たいのであれば、ステアリン酸の蓄積を増大させる必要があろう。 このように、ある種の油脂製品の代替となる作物源および/または植物種子に 新しい脂肪酸組成を提供する手段を含め、各種の植物油の改変が望まれている。 図面の説明 図1は代表的なクラスI(FatA)チオエステラーゼとクラスII(FatB)チオエ ステラーゼのアミノ酸配列のアライメントを提供する。UcFatB1(配列番号1) はカリフォルニアゲッケイジュC12チオエステラーゼである。CcFatB1(配列 番号2)はショウノウC14チオエステラーゼである。CpFatB1(配列番号3) はCuphea palustrisC8およびC10チオエステラーゼである。CpFatB2(配列 番号4)はCuphea palustrisC14チオエステラーゼである。GarmFatA1(配列 番号5)はC18:0アシル‐ACP基質に対してもかなりの活性を有するマン ゴスチン18:1チオエステラーゼである。BrFatA1(配列番号6)はBrassicar apa(別名Brassica campestris)由来の18:1チオエステラーゼである。表 示のチオエステラーゼのすべてで同一のアミノ酸配列は黒く塗って示してある。 図2はマンゴスチンクラスIアシル‐ACPチオエステラーゼのcDNAクロ ーンであるGARM FatA1(配列番号7)の核酸配列と翻訳されたアミノ酸配列とを 示す。 図3はマンゴスチンクラスIアシル‐ACPチオエステラーゼのcDNAクロ ーンであるGARM FatA2(配列番号8)の核酸配列と翻訳されたアミノ酸配列とを 示す。 図4はnapin/マンゴスチンTE構築物pCGN5266で形質転換したアブラナ属(Br assica)の植物に由来するT2成熟プール種子の脂肪酸組成(重量%)分析のデ ータを示す。 図5は事象(events)5266-LP004-2と5266-SP30021-29に由来するT2未熟種子( half seed)の分析で得られた脂肪酸組成データ(重量%)を示す。 図6はセイヨウアブラナ(Brassica napus)BND11のステアロイル‐ACPデサ チュラーゼcDNAクローンの核酸配列と翻訳されたアミノ酸配列とを示す。 図7はセイヨウアブラナ(Brassica napus)BND9のステアロイル‐ACPデサチ ュラーゼcDNAクローンの核酸配列と翻訳されたアミノ酸配列とを示す。 発明の概要 本発明は植物のチオエステラーゼに関し、特に、18:0‐ACP基質に対し て実質的な活性を有しており、標的植物の種子中で植物アシル−ACPチオエス テラーゼの発現に基き標的植物種子油のC18:0含量を劇的に増大させること ができるものに関する。 18:0‐ACP基質に対して実質的な活性を有する植物アシル‐ACPチオ エステラーゼを植物種子細胞中で発現させるのに有用なDNA構築物について説 明する。このような構築物は、他の植物組織と比較して種子組織中で優先的に植 物アシル‐ACPチオエステラーゼの発現を指令することができる調節要素の制 御下に、植物アシル‐ACPチオエステラーゼをコードしているDNA配列を含 有している。このDNA構築物の少なくともひとつの要素は他の要素のうちの少 なくともひとつに対して異種であるか、または植物細胞内で見出されたとき、少 なくともひとつの要素がその植物細胞に対して異種である。本発明の構築物に使 用するのに特に重要なものは、マンゴスチン(Garcinia mangifera)から得られ るクラスIアシル‐ACPチオエステラーゼ、すなわちGarm FatA1である。 また別の態様においては、18:0‐ACP基質に対して実質的な活性を有す る植物のアシル‐ACPチオエステラーゼを発現させることができる第一のDN A構築物と、アンチセンスステアロイル‐アシルACPデサチュラーゼ配列を発 現させることができる第二のDNA構築物とを含有する宿主植物細胞が望ましい 。このような第一のDNA構築物は、このような構築物がトランスジェニック植 物で発現されるときに、他の植物組織と比較して種子組織内で優先的に植物アシ ル‐ACPチオエステラーゼの発現を指令することができる調節要素の制御下に 目的の植物アシル‐ACPチオエステラーゼをコードしているDNA配列を含有 している。第二のDNA構築物は、植物宿主細胞中で植物ステアロイル‐アシル ACPデサチュラーゼの転写を指令することができる調節要素の制御下に、アン チセンス方向で位置する植物ステアロイル‐アシルACPデサチュラーゼ要素を コードしているDNA配列を含有している。 別の態様において本発明は、植物のアシル‐ACPチオエステラーゼをコード しているDNA配列を使用して、植物種子によって産生されたトリグリセリド、 すなわち植物油の組成を改変する方法に関する。このような改変された油脂組成 物は、アシル‐ACPチオエステラーゼ単独の発現によって、または標的植物種 の天然のステアロイル‐ACPデサチュラーゼのレベルを低下させる第二の構築 物と組合わせたアシル‐ACPチオエステラーゼの発現によって得ることができ る。そのような改変された脂肪酸組成を有する植物および植物の一部、特に種子 と、そのような種子から抽出された油脂も本明細書中で意図するものである。 また、本発明においては、多重遺伝子ファミリーの異なる2種のクラスのデサ チュラーゼ遺伝子に由来する領域を提供する新規なアンチセンスデサチュラーゼ 植物発現構築物も提供される。この構築物をトランスジェニック植物種子で発現 させると、アンチセンス法によって植物種子内のステアリン酸レベルを増大させ るための改良された方法が得られる。この改良法の結果として高レベルのステア リン酸が得られ、また所望の亢進されたステアリン酸表現型を示す第一世代の形 質転換体が高い割合で得られる。 発明の詳細な説明 本発明によって植物内のステアリン酸(C18:0)の蓄積を亢進させるメカ ニズムが提供される。本明細書に記載する18:0‐ACP基質に対する実質的 な活性を有する植物アシル‐ACPチオエステラーゼは、少なくともいくつかの 植物種におけるステアリン酸の蓄積に関与しており、トランスジェニック植物種 子内で発現されるとステアリン酸脂肪酸のレベルを増加させることができる。さ らに、このような18:0‐ACPチオエステラーゼが植物のアシル‐ACPチ オエステラーゼのクラスI群の一員であることが示される。 クラスIタイプのチオエステラーゼは今日までに試験されたほとんどすべての 植物源で見出だされており、膜の生合成に必要とされる必須の「ハウスキーピン グ」酵素であることが示唆されている(Jonesら The Plant Cell(1995)7:359-3 71)。クラスIタイプのチオエステラーゼは主に18:1アシル‐ACP基質に 対して活性をもち、16:0基質に対してはそれより多少低い活性を示し、18 :0基質に対してはごくわずかまたはまったく活性を示さないことがすでに示さ れている。ベニバナ、Cuphea hookerianaおよびBrassica rapa(campestris)に 由来するクラスIチオエステラーゼ(主して18:1‐ACP基質に対して活性 をもっている)の例がすでに記載されている(国際公開公報第92/20236号および 第94/10288号)。すでに報告されているその他の18:1チオエステラーゼはAr abidopsis thaliana(Dormannら(1995)Arch.Biochem.Biophys.316:612-618) 、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(Loaderら(1993)Plant Mol.Biol.23:7 69-778)、およびコエンドロ(Dormannら(1994)Biochem.Biophys.Acta 1212:1 34-136)である。ダイズに由来するクラスIチオエステラーゼ(国際公開公報第9 2/11373号)は、E.coli(E.coli)で発現させると16:0‐ACP活性が10倍 、18:1‐ACP活性が96倍増大し、18:0‐ACP活性はそれより少な い(3〜4倍)増大を示すことが報告されている。 第二のクラスの植物チオエステラーゼ、すなわちクラスII(またはFatB)チオ エステラーゼには、短めの鎖長の脂肪酸、すなわちC8:0〜C14:0(中鎖 脂肪酸)およびC16:0を主に利用する酵素が包含される。クラスIIチオエス テラーゼは飽和脂肪酸を含有する基質の加水分解を触媒するのが好ましい。クラ スII(またはFatB)チオエステラーゼ遺伝子は、すでに、カリフォルニアゲッケ イジュ、ニレ、Cuphea hookeriana、Cuphea palustris、Cuphea lanceolata、ニ クズク、Arabidopsis thaliana、マンゴー、リーキおよびショウノウから単離さ れている。FatBチオエステラーゼ遺伝子は、本明細書に記載した遺伝子単離実験 でマンゴスチンでも同定された。FatB遺伝子のE.coliでの発現により、主として 16:0基質に対する加水分解活性が立証された。 後述の実施例で、マンゴスチン由来のクラスIアシル‐ACPチオエステラー ゼをコードする遺伝子の単離について記載する。2つの異なるタイプのクラスI チオエステラーゼ遺伝子が発見された。一方のマンゴスチンチオエステラーゼ遺 伝子(GarmFatA2)は、以前に他の植物組織で発見されたものに類似する、18: 1‐ACP特異的クラスIチオエステラーゼであることが本明細書で示されてい る。しかしながら、クローンGarmFatA1によって表わされる第二のタイプのマン ゴスチンクラスIチオエステラーゼ遺伝子が発見され、これは18:1‐ACP チオエステラーゼ活性を示す(E.coliで発現させると100倍増大)が、18: 0‐ACP基質に対しても実質的な活性を示す。このGarmFatA1の18:0活性 は18:1活性の約25%であるのに対して、今日までに分析されたほとんどの クラスIチオエステラーゼでは18:1活性が高度に優先されており、16:0 基質や18:0基質に対する検出可能な活性は18:1活性レベルの5%未満で ある。また、ほとんどの植物クラスIチオエステラーゼは16:0基質と18: 0基質に対してほぼ等しい活性を示すのに対して、本発明のGarmFatA1マンゴス チンチオエステラーゼは明らかに16:0基質よりも18:0基質の加水分解が 優先される。 したがって、この新規なマンゴスチンGarmFatA1チオエステラーゼクローンは 宿主細胞における18:1/18:0チオエステラーゼの産生に有用であり、特 にTAG脂肪酸組成を改変してC18:0脂肪アシル基のレベルを増加させるべ く植物種子細胞中で発現させるのに有用である。さらにこのマンゴスチンGarmFa tA1クローンは高レベルのC18:0(ステアリン酸)脂肪酸を含有する植物と ともに植物の遺伝子工学的応用に有用である。このような植物は、Knutzon らに より(Proc.Nat.Acad.Sci.(1992)89:2624-2628)記載されているようにアブ ラナ属(Brassica)の種子におけるステアロイル‐ACPデサチュラーゼのアンチ センス遺伝子調節によって得ることができ、またステアロイル‐ACPデサチュ ラーゼ遺伝子のセンス発現構築物を用いた同時抑制または通常の突然変異および 植物育種プログラムによって得ることもできる。 クラスIタイプの植物チオエステラーゼが18:0脂肪酸のin vivo蓄積に有 効であることが確認されると、18:0基質に対する実質的な活性を有するチオ エステラーゼタンパク質をコードしている遺伝子の他の植物源の可能性がいくつ か示唆される。ステアリン酸(エステル)はいくつかの天然植物種、特に熱帯植 物種で豊富に見出だされる。たとえば、マンゴスチン属の他の種、たとえばkoku mでは、その種子中にステアリン酸を含有するトリグリセリドが蓄積する。C1 8:0脂肪酸の他の天然植物源としては、マンゴー(Mangifera)科の植物、たと えばマンゴー、Butyrospermum(シアバターノキ)、Pentadesma(ナンキンハゼ )、Illipe(イリッペバター)、カカオノキ(Theobroma)(カカオ)、シマルバ( Simarouba)(パラダイスの木(tree of paradise))およびサラソウジュ(Shorea) (サラノキ)がある。 本明細書中に記載したステアリン酸レベルの変更に有用な植物アシル‐ACP チオエステラーゼDNA配列は、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチド断片 の形態のアミノ酸をコードしており、これらアミノ酸は植物の酵素反応条件下で 18:0アシル‐ACP基質に対して実質的な活性を示して18:0の遊離の脂 肪酸(すなわち、ステアリン酸)を形成する。この「酵素反応条件」とは、その 酵素が機能できるような環境でいかなる必要な条件(すなわち、温度、pH、阻 害物質の欠如といった要因)も有用であることを意味している。 当業者にはすぐに分かるように、抗体調製物、核酸プローブ(DNAおよびR NA)などを調製し使用してさまざまな植物源由来の「同種」または「関連する 」クラスIアシル‐ACPチオエステラーゼをスクリーニングし回収することが できる。典型的な場合、核酸プローブは検出を可能にするために(好ましくは放 射能で)標識される。ただし、酵素やその他の方法も使用できる。植物のチオエ ステラーゼ遺伝子は高度の配列相同性をもっていることが知られているので、 PCRまたはDNAハイブリダイゼーション法のような各種のDNAスクリーニ ング法を使用して関連するクラスIチオエステラーゼを同定することができる。 植物チオエステラーゼ遺伝子は核酸レベルで少なくとも約50%の配列が同一で ある。クラスIのチオエステラーゼのメンバー間では配列の同一性のパーセント は70〜80%と高く、クラスIIチオエステラーゼは、展型的には、少なくとも 60%の配列が同一である。 すなわち、別のステアロイル‐ACPチオエステラーゼを得るためには、興味 のある候補の植物源から調製したゲノムライブラリーやその他適当なライブラリ ーを、1種以上のクラスI植物チオエステラーゼに由来する保存配列でプローブ して相同な関連を同定する。次に、陽性のクローンを制限酵素消化および/また は配列決定によって分析する。ゲノムライブラリーを使用する場合、コーディン グ領域と、そのような植物源に由来するチオエステラーゼ遺伝子の転写調節要素 を提供する1種以上の配列を同定できる。プローブはまた、全体の配列よりかな り短くすることもできる。たとえばオリゴヌクレオチドを用いることができるが 、その長さは少なくとも約10個、好ましくは少なくとも約15個、さらに好ま しくは少なくとも20個のヌクレオチドであるべきである。比較のために短めの 領域を使用すると、長めの配列の場合よりも高度の配列同一性が要求される。ポ リメラーゼ連鎖反応(PCR)では短めのプローブが特に有用であることが多く 、特に、高度に保存されている配列を同定することができる場合には有用である 。(Gouldら PNAS USA(1989)86:1934-1938参照)。 長めの核酸断片をプローブとして使用する場合でも(>100bp)、特に完全 または大きいcDNA配列を使用する場合でも、標的サンプルから20〜50% の偏差でシグナル、すなわち相同な配列を得るために中程度に高いストリンジェ ンシーでスクリーニングすることができる(たとえば、37℃で50%のホルム アルデヒドを用いて洗浄は最小にする)。(スクリーニング技術に関するさらな る情報に関しては、Beltzら Methods in Enzymology(1983)100:266-285)を参 照されたい。) 関連するアシル‐ACPチオエステラーゼ配列が得られたら、その植物アシル ‐ACPチオエステラーゼを宿主細胞中で発現させてそのチオエステラーゼの活 性をさらに特徴付けすることができる。このようにして、本発明の方法で使用す るためにステアロイル‐ACPに対して実質的な活性を有する別の植物アシル‐ ACPチオエステラーゼを同定することができる。本明細書に示されているよう に、植物FAS複合体に利用可能な、ステアロイル‐ACPを好むチオエステラ ーゼの量を増大させることによって、ステアリン酸の割合を増加させることがで きる。さらに、利用可能なステアロイル‐ACPチオエステラーゼの量を増加さ せると共に植物FAS複合体に利用可能なステアロイル‐ACPデサチュラーゼ の量を減少させることによって、ステアリン酸の割合をさらに顕著に増加させる ことができる。 植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼをコードする核酸配列を、さまざ まな構築物中に、たとえばプローブとして使用してさらに別の配列を得ることが できる。あるいは、これらの配列を適当な調節配列と共に用いて、in vitroまた はin vivoでのこの酵素の回収または研究のために、目的とするそれぞれのチオ エステラーゼの宿主細胞内レベルを増加させてもよいし、または宿主細胞が植物 体、たとえば植物細胞、植物の一部(たとえば限定するわけではないが種子、切 り枝または組織など)および植物を含めて植物体である場合、ある種の用途に向 けて目的とするそれぞれのチオエステラーゼのレベルを低下させてもよい。 18:0アシル基に対して実質的な活性を有する本発明の植物アシル‐ACP チオエステラーゼをコードする核酸配列には、ゲノム配列またはcDNAもしく はmRNA配列が包含され得る。cDNA配列はプレプロセッシング配列(たと えば、トランジットペプチド配列)を含有していてもよく、していなくてもよい 。トランジットペプチド配列はタンパク質が所定のオルガネラに送達されるのを 促進し、そのオルガネラ中に入る際にアミノ酸部分から切り離されて「成熟」配 列を遊離させる。トランジットペプチド配列と成熟タンパク質コード配列とを含 有する前駆体としての植物アシル‐ACPチオエステラーゼDNA配列を、植物 細胞発現カセットに使用すると好ましい。種子ACPのトランジットペプチドの ような他のプラスチドトランジットペプチド配列は、本発明の植物ステアロイル ‐ACPチオエステラーゼを、目的とするいろいろなオルガネラに移動させるの に使用することができる。 また、上で述べたように、植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼの完全 なゲノム配列は、cDNAプローブのようなプローブでゲノムライブラリーをス クリーニングし、種子組織内で発現を調節する配列を単離することによって得る ことができる。このようにして、チオエステラーゼ構造遺伝子を含むかまたは含 まない各種DNA構築物に使用するために、植物ステアロイル‐ACPチオエス テラーゼの転写および翻訳開始領域、イントロンおよび/または転写終止領域を 得ることができる。 所望の植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼ核酸配列が得られたら、さ まざまな方法でマニピュレートすることができる。配列が非コードフランキング 領域を含んでいる場合、このフランキング領域は切除したり突然変異を誘発させ るなどすることができる。すなわち、天然の配列に対してトランジション(変異 )、トランスバージョン(変異)、欠失および挿入を起こすことができる。また 、配列のすべてまたは一部を合成してもよい。構造遺伝子中の1個以上のコドン を変更して改変アミノ酸配列としてもよいし、または1個以上のコドン変異を導 入して構築や発現に関わる便利な制限部位その他の目的に当ててもよい。構造遺 伝子は、1個以上の便利な制限部位を導入したりするために合成のアダプター、 リンカーを使用してさらに改変してもよい。 本発明の植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼをコードしている核酸配 列またはアミノ酸配列は、天然ではない、すなわち「異種の」他の配列とさまざ まな方法で組合わせることができる。「異種の」配列とは、天然ではその植物ス テアロイル‐ACPチオエステラーゼと結合していない任意の配列を意味し、た とえば同じ植物に由来するが天然では互いに結合していない核酸配列との組合わ せがある。 本発明の植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼをコードするDNA配列 は通常このチオエステラーゼと関連している遺伝子配列の全部または一部と組合 わせて使用してもよい。成分部分として、DNAチオエステラーゼコード配列は 、5′から3′方向の転写に、宿主細胞内で転写と翻訳を促進することができる 転写開始制御領域、植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼをコードしてい るDNA配列、および転写・翻訳終止領域を有するDNA構築物中で組合わせら れ ている。 可能な宿主細胞としては、原核生物と真核生物の細胞がある。宿主細胞は目的 とする用途に応じて単細胞でも、多細胞の分化もしくは未分化生物体でもよい。 本発明の細胞は、野生型細胞に対して外来である植物ステアロイル‐ACPチオ エステラーゼを有することによって、これらと区別することができる。たとえば 、植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼをコードする組換え核酸構築物を 有することによって区別可能である。 宿主によって、ウイルス由来の領域を含めて、プラスミドまたは染色体遺伝子 など、調節領域は様々である。原核または真核の微生物、特に単細胞宿主で発現 させるには、広範囲の構成的または調節可能なプロモーターを使用できる。微生 物中での発現は植物酵素の入手容易な資源を提供することができる ほとんどの場合構築物は、植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼの産生 を改変し脂肪酸組成を改変する植物において、機能し得る調節領域をもっている 。植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼまたはその機能性断片をコードし ているオープンリーディングフレームは、その5′端で、チオエステラーゼ構造 遺伝子の5′上流側で天然に見られる野生型の配列のような転写開始調節領域に 、または植物組織中で天然に発現される遺伝子由来の異種調節領域につながって いる。有用な植物調節遺伝子領域の例としては、ノパリンシンターゼやオクトピ ンシンターゼのようなT‐DNA遺伝子、CaMV 35Sのような植物ウィルス遺伝子 に由来するもの、または天然の植物遺伝子に由来するものがある。 このような応用については、5′上流の非コード領域が種子の成熟中に調節さ れる他の遺伝子から得られるような場合には、ACPおよびnapin由来転写開始 制御領域のように植物胚組織で優先的に発現されるものが望ましい。そのような 「種子特異的プロモーター」は、「種子特異的転写調節」という名称の米国特許 第5,420,034号の教示に従って得られ、かつ使用することができる。種子組織で 優先的に発現される、すなわち、他の植物部分では検出できない転写開始領域は 、遺伝子産物の破壊効果または悪影響を最小にするために、脂肪酸改変にとって 望ましいと考えられる。 本発明のDNA構築物は調節転写終止領域も具備していてもよい。転写終止領 域は、植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼをコードするDNA配列また は別の遺伝子源の便利な転写終止領域(たとえば、天然において転写開始領域と 関連している転写終止領域)によって提供され得る。転写終止領域が異なる遺伝 子源に由来している場合、それはその終止領域の起源となった構造遺伝子の3′ 側に少なくとも約0.5kb、好ましくは約1〜3kbの配列を含有する。 その発現の増大または低下のために、目的とするDNA配列として植物ステア ロイル‐ACPチオエステラーゼを有する植物の発現または転写構築物は、非常 にいろいろな植物で、特に食用および工業用の植物油の生産に関係する植物で使 用することができる。最も好ましいのは温帯の脂肪種子作物である。目的の植物 としては、菜種(Canola変種および高エルカ酸変種)、ヒマワリ、ベニバナ、ワ タ、Cuphea、ダイズ、ラッカセイ、ココヤシおよびアブラヤシ、ならびにトウモ ロコシがあるがこれらに限定されるわけではない。組換え構築物を宿主細胞中に 導入する方法によっては他のDNA配列が必要となることがある。重要なことは 、本発明は双子葉類でも単子葉類でも同様に応用でき、新しいおよび/または改 良された形質転換技術および調節技術にすぐに適用できることである。 形質転換の方法は本発明にとって重大なものではない。現在では各種の植物形 質転換法が利用できる。より新しい方法が作物の形質転換に利用できるので、以 下ではそのような方法を直接適用し得る。たとえば、天然においてアグロバクテ リウム(Agrobacterium)感染に対して感受性をもつ多くの植物種は、Agrobacteri um仲介形質転換のトリパータイト(tripartite)またはバイナリーベクター法によ って首尾よく形質転換することができる。さらに、各種の単子葉または双子葉の 植物種の形質転換を可能にするマイクロインジェクション、DNA粒子衝撃(par ticle bombardment)、エレクトロポレーションの技術が開発されている。 DNA構築物を開発するには通常その構築物の様々な構成部分またはそれらの 断片を、細菌宿主(たとえばE.coli)内で複製が可能な都合のよいクローニング ベクター中に挿入する。数多くのベクターがあり、すでに文献に記載されている 。各クローニング後、プラスミドを単離し、制限、新たな断片の挿入、ライゲー ション、欠失、挿入、切除などでさらに操作して、所望の配列の構成部分を作り 上げることができる。構築が完了したら、宿主細胞の形質転換法に従ってさらに 操 作するために適当なベクターに移すことができる。 DNA構築物には通常、宿主中での発現に必要な調節領域を有しており形質転 換細胞の選択を可能にする構造遺伝子が含まれる。この遺伝子は、細胞毒性剤( たとえば抗生物質、重金属、毒素など)に対する耐性、栄養要求性の宿主に対し て原栄養性を提供する相補性、ウィルス性免疫、などを提供し得る。発現構築物 またはその構成部分を導入する異なる宿主種の数に応じて、1個以上のマーカー を使用し得る。この場合、異なる宿主には異なる選択条件を使用する。各種抗生 物質、除草剤などに対する耐性を提供する多数のマーカーが、形質転換された植 物細胞の選択に使用するためにたくさん開発されている。特別なマーカーの使用 は本発明にとって必須ではなく、個々の宿主およびその構築法に応じてあるマー カーまたは別のマーカーを使用することが好ましい。 上に述べた通り、DNA構築物を植物宿主中に導入する方法は本発明にとって 重大なものではない。効率的に形質転換できる方法であればいかなる方法を使用 してもよい。各種植物細胞形質転換法として、TiプラスミドやRiプラスミド を用いるもの、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、DNA粒 子衝撃、リポソーム融合、DNA衝撃などの使用がある。多くの場合、構築物は 一方または両側でT−DNAと接しているのが望ましく、特にレフトボーダーと ライトボーダーを有することが好ましく、さらにはライトボーダーをもっている のが望ましい。これは、特に構築物が形質転換の様式としてA.tumefaciensまた はA.rhizogenesを用いている場合に有用であるが、T−DNAボーダーは他の 形質転換モードで使用することもできる。 脂肪酸組成が改変された種子を産生することができるトランスジェニック植物 が得られたら、突然変異誘発法を含めて、従来の植物育種技術を使用して脂肪酸 組成をさらに操作することができる。あるいは、脂肪酸を改変する追加の外来D NA配列を遺伝子工学によって導入して脂肪酸組成をさらに操作してもよい。植 物宿主細胞内において植物ステアロイル‐ACPチオエステラーゼを発現させる と共に、他の目的の1個以上の配列を転写するかまたは転写・翻訳するために選 択してもよい。特に、用途によっては、植物ステアロイル‐ACPチオエステラ ーゼの発現と組合わせて、ステアロイル‐ACPデサチュラーゼの発現を低下 させるのが好ましいことがある。 また、ステアロイル‐ACPチオエステラーゼは異なる特異性をもつ他のチオ エステラーゼ遺伝子と組合わせて使用してもよい。たとえば、種子の発生中にラ ウロイル‐ACPチオエステラーゼ(国際公開公報第92/20236号)とステアロイ ル‐ACPチオエステラーゼの両者を発現するトランスジェニック脂肪種子作物 はラウリン酸とステアリン酸の両者に富んだ油脂を産生する。同様に、種子の発 生中にパルミトイル‐ACPチオエステラーゼ(国際公開公報第95/13390号)と ステアロイル‐ACPチオエステラーゼの両者を発現するトランスジェニック脂 肪種子作物はパルミチン酸とステアリン酸の両者に富んだ油脂を産生する。これ らのチオエステラーゼ遺伝子構築物はトランスジェニック植物のゲノム中で互い にライゲートされていてもよいし、ライゲートされていなくてもよい。逆に、い ずれか一方のチオエステラーゼ遺伝子をもつ植物とそれ以外のチオエステラーゼ 遺伝子をもつ植物とを生成せしめた後、2種それぞれのタイプの植物を交配する ことによって同じトランスジェニック植物中でチオエステラーゼ遺伝子を組合わ せてもよい。そのような交配用の親植物を選択することにより、種子の油脂中の 所望の脂肪酸の相対比をさらに操作することが可能である。 目的とする2種以上の核酸配列の組合せの効果を有する形質転換植物を得たい 場合には、通常、別々の核酸構築物をそれぞれ用意する。これらの構築物は上述 したように、転写または転写・翻訳調節制御領域を含有している。これらの構築 物は、両者の特徴がそのゲノムに組み込まれた植物が得られる限りにおいて、従 来の植物育種法によりトランスジェニック植物を交配させることによる、そのよ うな特徴の導入を含めて、同じかまたは異なる方法によって宿主細胞中に導入で きる。 ステアロイル‐ACPデサチュラーゼの量を減らすことによって、飽和脂肪酸 の割合を増加させることができる。ステアロイル‐ACPデサチュラーゼを減少 させるアンチセンス、トランスウィッチ(transwitch)、リボザイムその他の技術 を用いることによって植物細胞に利用可能なステアロイル‐ACPデサチュラー ゼの量を減少させて、ラウリン酸(C12:0)、ミリスチン酸(C14:0) 、パルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)、アラキドン酸( C 20:0)、ベヘン酸(C22:0)およびリグノセリン酸(C24:0)の1 種以上のような飽和体の割合を高める。菜種では、ステアロイル‐ACPデサチ ュラーゼを低下させると、ステアリン酸レベルと飽和体総量とが増加する(Knut zonら(1992)Proc.Nat.Acad.Sci 89:2264-2628)。本発明により、ステアロ イル‐ACPデサチュラーゼのアンチセンス低減に使用して、得られ得るステア リン酸の割合と増大したステアリン酸の特徴を発現する一次形質転換体の割合と を、両方とも増加させることができる新規な構築物も提供される。 特に重要なのは、ステアリン酸のレベルまたはパルミチン酸とステアリン酸の レベルが増加したトリグリセリドの生産である。また、そのような飽和体をいろ いろな範囲の量で生産することが望ましい。すなわち、低めおよび高めのレベル のステアリン脂肪酸を有する植物細胞が意図される。たとえば、油脂を含めて、 ステアリン酸レベルが10%の脂肪酸組成物、ステアリン酸レベルが適当な60 %までであるようにした組成物、その他改変した脂肪酸組成物が意図される。 ステアリン酸の割合が増加した油脂が望ましい。ステアリン酸の重量割合が天 然レベルからその25倍までの範囲で増加したものが望ましい。DNA構築物の さまざまな側面(たとえば、プロモーターの選択、コピー数など)および従来の 育種法を操作することによって、当業者はステアリン酸のレベルをさらに高くす ることができよう。種子組織における植物ステアロイル‐ACPチオエステラー ゼの発現と植物ステアロイル‐ACPデサチュラーゼ配列とを組合わせることに よって、菜種その他の植物種でステアリン酸の割合を増加させることができる。 C.tinctoriusのステアロイル‐ACPデサチュラーゼ遺伝子のDNA配列、な らびにトウゴマ(Ricinus)科、アブラナ(Brassica)科およびSimmondsia科植物由 来のステアロイル‐ACPデサチュラーゼ遺伝子のDNA配列は、国際公開公報 第91/13972号に見られる。 本発明を一般的に説明して来たが、例示の目的でのみ挙げるものであって本発 明を限定する意図はない以下の実施例を参照すると、本発明をさらによく理解で きるであろう。 実施例 実施例1 マンゴスチンチオエステラーゼ遺伝子配列 Stratagene ZapcDNA合成キット(Stratagene,La Jolla,CA)に記載の方法 を用いて、熟したマンゴスチンの果実から得た種子からcDNAバンクを調製す る。RNA単離に使用したマンゴスチン組織の油脂分析によると18:0レベル は約50%である。あまり熟してないマンゴスチンの果実から得た種子の油脂分 析によると18:0レベルは20〜40%である。WebbとKnappのCTABDN A単離法(Plant Mol.Biol.Reporter(1990)8:180-195)を改変してマンゴスチ ンの種子から全RNAを単離する。緩衝液は次の通り。 REC: 50 mM TrisCl pH 9,0.7 M NaCl,10 mM EDTA pH 8,0.5% CTAB。 REC+: 使用直前にB‐メルカプトエタノールを1%まで加える。 RECP: 50 mM TrisCl pH 9,10 mM EDTA pH 8,0.5% CTAB。 RECP+:使用直前にB‐メルカプトエタノールを1%まで加える。 1gの組織を抽出するには、液体窒素で破砕した組織にREC+を10ml、PVP Pを0.5g加え、ホモジナイズする。ホモジナイズした材料を12000rpm で10分間遠心分離する。上清をミラクロス(miracloth)を通して3mlの冷クロ ロホルム上に注ぎ、再びホモジナイズする。12,000RPMで10分間遠心分 離した後、上相を採取しその容量を測定する。同量のRECP+を加え、得られた混 合物を室温で20分間静置する。この試料を10,000rpmで20分間の遠心 分離を2度行い、各遠心後その上清を棄てる。得られたペレットを1MのNaC l(DEPC)0.4mlに溶解し、同量のフェノール/クロロホルムで抽出する 。エタノール沈殿の後、このペレットをDEPC水1mlに溶解する。 cDNA合成のクローニング方法は簡単にいうと次の通りである。第一鎖cD NA合成は、Stratagene指示マニュアルに従い、これをRobinsonら(Methods in Molecular and Cellular Biology(1992)3:118-127)に従って多少修正する。 特に、ポリ(A)+RNA5μgの代わりにLiClで沈殿させた全RNAを約 57μg用い、反応混合物は37℃ではなく45℃で1時間インキュベートした 。 ライブラリースクリーニング用のプローブは、保存された植物アシル‐ACP チオエステラーゼ領域に対するオリゴヌクレオチドを用いてマンゴスチンのcD NAからPCRによって調製する。プローブのGarm2とGarm106は次のオリゴヌク レオチドを用いて調製する。下記ヌクレオチドのヌクレオチド塩基コードは次の 通り。 A=アデニン、C=シトシン、 T=チミン、U=ウラシル、 G=グアニン、S=グアニンまたはシトシン、 K=グアニンまたはチミン、W=アデニンまたはチミン、 M=アデニンまたはシトシン、R=アデニンまたはグアニン、 Y=シトシンまたはチミン、 B=グアニン、シトシンまたはチミン、 H=アデニン、シトシンまたはチミン、 N=アデニン、シトシン、グアニンまたはチミン。Garm2 プライマー4874は保存されたペプチドV/L/A W/S/Y V/A M M N(ここでは一文字アミノ酸コードを使用し、アミノ酸間のスラッシュは その位置のアミノ酸として可能性のあるものが複数あることを示している)に対 する可能なコード配列に相当するように設計したセンスプライマーである。プラ イマー4875はペプチドD/E Y R R E Cに対する可能なコード配 列に相当するように設計したアンチセンスプライマーである。Garm106 プライマー5424はペプチドE/D H/R Y P K/T W G Dに 対する可能なコード配列に相当するように設計したセンスプライマーである。プ ライマー5577はペプチドT E W R K/P Kに対する可能なコード 配列に相当するように設計したアンチセンスプライマーである。 プローブとして使用するために上記の反応で得られたDNA断片をクローニン グによってまたはさらにPCRによって増幅し、ランダムまたは特異的プライミ ングによって放射能標識する。 約800,000個のプラークを製造業者の指示に従って平板培養する。スク リーニングのために、プラークフィルターを50%ホルムアミド、5×SSC、 10×Denhardt's、0.1%(w/v)SDS、5mM Na2EDTA、0.1m g/mlの変性サケ精子DNA中、室温で予めハイブリダイズする。Garm2とGarm106 のプローブ混合物とのハイブリダイゼーションは、上記と同じ緩衝液に10%( w/v)の硫酸デキストランとプローブを加えて室温で行う。Stratagene Zapc DNA合成キット指示書に記載の通りにしてプラークの精製とファージミド切り 出しを実施した。 約90個のアシル‐ACPチオエステラーゼクローンが同定され、これをDN Aの配列決定および/またはPCR分析によりチオエステラーゼのタイプについ て分類した。分析したクローンのうち少なくとも28個がクラスI(FatA)タイ プであり、59個がクラスII(FatB)タイプであった。FatAタイプのクローンの 2つのサブクラスが観察された。主要なタイプをGarmFatA1と命名し、第二のサ ブクラスの単一のクローンをGarmFatA2と命名した。GarmFatA1クローンC14-4(pC GN5252)のDNA配列と翻訳されたアミノ酸配列(配列番号7)を図2に示す。F atA2クローンC14-3のDNA配列と翻訳されたアミノ酸配列(配列番号8)を図 3に示す。 図2のGarm FatA1クローンのE.coliでの発現用の構築物は以下のようにして調 製する。PCR突然変異誘発により、アミノ酸49(SacI)(これは推定された 成熟タンパク質のアミノ末端の近くにある)とタンパク質コード領域の終止コド ンの後(BamHI)に制限部位を挿入する。この成熟タンパク質コード領域をSacI/ BamHI断片としてpBC SK(Stratagene; La Jolla,CA)に挿入してpCGN5247を得る 。これはマンゴスチンチオエステラーゼをlacZ融合タンパク質として発現するの に使用できる。 16:0、18:0および18:1アシル‐ACP基質を用いたマンゴスチン クラスIチオエステラーゼクローンGarmFatA1に対するチオエステラーゼ活性ア ッセイの結果は次の通りである。 アシル‐ACPチオエステラーゼ活性(cpm/分) GarmFatA1クローンはC18:1アシル‐ACP基質に対して優先的な活性を示 し、またC18:0アシル‐ACP基質に対しても実質的な活性を示す(18: 1活性の約25%)。観察されたC16:0活性は対照細胞の活性と比べて多少 増大しただけであり、18:1活性の約3%に過ぎない。 E.coliにおけるGarmFatA2チオエステラーゼの発現および得られたチオエステ ラーゼ活性のアッセイでは、アシル‐ACP基質としてC18:1が極めて好ま しいことが示された。16:0および18:0アシル‐ACP基質に対するチオ エステラーゼ活性はほぼ同等であり、観察された18:1活性の5%未満である 。 クラスIIタイプのマンゴスチンチオエステラーゼクローンのE.coliでの発現で は、他のアシル‐ACP基質と比べて16:0が非常に好ましいことが示された 。実施例2 植物形質転換法 A.アグロバクテリウム仲介形質転換 アグロバクテリウムにより仲介されるアブラナ(Brassica)の形質転換に使用で きる方法はRadkeらにより記載されている[Theor.Appl.Genet.(1988)75:685- 694; Plant Cell Reports(1992)11:499-505]。 トランスジェニックArabidopsis thaliana植物は、Valverkensらにより記載さ れたアグロバクテリウム仲介形質転換によって得ることができる[Proc.Nat.Ac ad.Sci.(1988)85:5536-5540]。 B.粒子衝撃 目的とするDNA配列は、少なくともプロモーター領域、目的とする遺伝子お よび終止領域を含む発現カセットとして、たとえば欧州特許出願第332855号およ び1988年7月27日に出願された同時係属中の米国特許出願第07/225,332号 に記載されている粒子衝撃を介して植物ゲノム中に導入することができる。 簡単に述べると、0.5mM〜3mMの範囲の大きさのタングステンまたは金の粒 子を発現カセットのDNAで被覆する。このDNAは水性混合物または乾燥した DNA/粒子沈殿物の形態でよい。衝撃の標的として使用する組織は子葉外植片 、茎葉分裂組織(shoot meristems)、未成熟小葉または葯由来でよい。 DNAで被覆した粒子による組織の衝撃はBiolisticsパーティクルガン(Dupon t; Wilmington,DE)を用いて行う。粒子をバレル内でバレル口から1cm〜14cm の範囲のいろいろな距離のところに置く。衝撃する組織はストップ板の下に置く 。試験は組織から20cmまでの距離で行う。発射の瞬間、ナイロンネットまたは ナイロンネットと10mM〜300mMの範囲のメッシュとの組合わせで組織を保護 する。 衝撃の後、Atreyaらの方法(Plant Science Letters(1984)34:379-383)に従 って植物を再生することができる。簡単に述べると、胚軸組織または子葉切片を MS培地(MurashigeとSkoog,Physio.Plant.(1962)15:473)(子葉切片の場合 はMSに6‐ベンジルアデニン(BA)2.0mg/lを追加)に載せ、1週間25 ±2℃の暗所中でインキュベートした後、次いで冷白色螢光(6.8W/m2) 下に移す。培養10日目に小植物を滅菌土壌を収容したポットに移し、3〜5日 間日陰に置き、最後に温室に移植する。 トランスジェニックと推定される茎葉を根付かせる。外因性DNAの植物ゲノ ム中への組み込みは当業者に公知のさまざまな方法で確認できる。実施例3 植物種子内でのGarm FatA1チオエステラーゼ発現用構築物 napin発現カセットpCGN1808は米国特許第5,420,034号(引用により本明細書に 含まれているものとする)に記載されている。pCGN1808は、抗生物質耐性マーカ ーではなく発現配列のみがpCGN1557(McBrideとSummerfelt(1990)Plant Mol.B iol.14:269-276)のようなバイナリーベクターに移動できるように、隣接する制 限部位をもつように改変されている。制限部位KpnI、NotIおよびHindIIIを含有 する合成オリゴヌクレオチドをアニールし、pCGN1808の唯一のHindIII部位でラ イゲートして、HindIII部位がひとつだけ回復されるようにする。得られたプラ スミドpCGN3200は、配列解析によって確認されるように、napin3′調節配列の 3′末端に唯一のHindIII制限部位、NotI制限部位およびKpnI制限部位をもって いる。 pCGN3200をHindIIIとSacIで消化し、HindIIIとSacIで消化したpIC19R(Marshら (1984)Gene 32:481-485)とライゲートすることによって大半のnapin発現カセ ットをサブクローニングしてpCGN3212を作製する。鋳型としてのpCGN3200および SacI部位の両側にある2つのプライマーを用いるPCRならびにnapin5′プロ モーターとpCGN1808構築物に由来するpCGN3200のpUC骨格との接合によって、nap inプロモーター領域の5′側の末端配列を再構築する。前方のプライマーは制限 部位ClaI、HindIII、NotIおよびKpnIならびに(EcoRV部位に由来する)napin5 ′配列のヌクレオチド408〜423を含有しており、反対のプライマーはその 5′プロモーター中の唯一のSacI部位を含むnapin配列718〜739の相補体 を含有している。PCRは、Perkin Elmer/Cetus thermocyclerを用いて製造業 者の説明書に基づいて実施した。このPCR断片を平滑末端の断片としてHincII で消化したpUC8(VieiraとMessing(1982)Gene 19:259-268)中にサブクローニン グしてpCGN3217とする。napinインサートを横切るpCGN3217の配列により、誤っ たヌクレオチドがPCRによって導入されていないことが分かる。このpCGN3217 中のnapin5配列を、ClaIおよびSacIで消化し、ClaIおよびSacIで消化したpCGN3 212にライゲートすることによってnapin発現カセットの残りとライゲートする。 得られた発現カセットpCGN322IをHindIIIで消化し、napin発現配列をゲル精製し 、HindIIIで消化したpIC20H(March、上掲)にライゲートする。最終の発現カセッ トはpCGN3223であり、アンピシリン耐性環境下で、pCGN1808に見られるのと実質 的に同じ1.725napin5′および1.265 3′調節配列をもっている。 その調節領域の側面にはHindIII、NotIおよびKpnI制限部位があり、5′および 3′非コード領域の間には唯一のSalI、BglII、PstIおよびXhoIクローニング部 位が配置されている。pCGN3223はまた国際公開公報公報第92/20236号(引用によ り本明細書に含まれているものとする)にも記載されている。 マンゴスチンアシル‐ACPチオエステラーゼクローンpCGN5252(Garm FatA 1)をPstIとXhoIで消化し、PstI/XhoIで消化したpCGN3223中にクローニングし て、napinプロモーター由来の転写制御用に配置されたマンゴスチンチオエステ ラーゼコード領域を含有するpCGN5253を得る。pCGN5252中のPstI部位はクローニ ングベクター中でcDNAクローンの5′端に位置し、XhoI部位は3′非翻訳領 域中のヌクレオチド1233〜1238に位置している。 アグロバクテリウムによって仲介される植物の形質転換では、pCGN5253をAsp7 18で消化し、Asp718で消化したpCGN1578(植物形質転換用バイナリーベクター) 中にクローニングしてクローンpCGN5255を得る。このバイナリーベクター中にna pin5′/garm FatA1/napin3′のリピートを挿入するためにはpCGN5253をAsp71 8で消化し、napin5′/Garm FatA1/napin3′領域をゲル精製する。次に、ゲル 精製した断片をAsp718で消化したpCGN5255中にライゲートしてクローンpCGN5266 を得る。 pCGN5255をAgrobacterium tumefaciensのEHA101株に形質転換し、これ を用いてセイヨウアブラナ(Brassica napus)の高オレイン酸株を形質転換する。 pCGN5266をAgrobacterium tumefaciensのEHA101株に形質転換し、これを 用いてセイヨウアブラナのQuantum種(B.napus variety Quantum)(SP30021)と セイヨウアブラナ(B.napus)の低リノレン酸株Q04(LP004)を形質転換する。実施例4 マンゴスチンチオエステラーゼを発現するトランスジェニック植物の 分析 A.5255形質転換体の分析 pCGN5255形質転換体由来のプールした分離性成熟種子を、国際公開公報公報第 92/20236号に記載のようにしてGC(ガス・クロマトグラフィー)によって分析 して脂肪酸組成を測定する。分析した22の植物において、18:0(ステアリ ン酸)レベルは2.8から14.2重量%の範囲であり、一方形質転換してない 植物におけるバックグラウンドレベルは2.2%であった。別の形質転換体のプ ールした種子サンプルを分析したところ形質転換体5255-29で16.6重量%の 18:0レベルが検出された。16:0脂肪酸のレベルはGarm FatA1チオエステ ラーゼの発現によって影響されない。 トランスジェニック植物5255-20および5255-3由来の未熟種子を同様に分析し て個々の種子で得られた18:0脂肪酸のレベルを測定した。5255-20では1 8:0脂肪酸含量が22.6重量%までの未熟種子が得られ、5255-3では18: 0脂肪酸含量が10.0重量%までの未熟種子が得られた。他の5255トランスジ ェニックで同様なデータが得られ、5255-29の未熟種子では26.6%まで、525 5-19の未熟種子では15%までの18:0脂肪酸レベルが確認された。 最高値を示した未熟種子植物を生育して成熟させ、T3プールした種子の脂肪 酸組成を分析した。形質転換体5255-29からの選択において、プールした種子で 26%までのステアリン酸レベルが観察された。5255-20のT3プール由来の未 熟種子の個体は39%のステアリン酸含量を示した。たったひとつの遺伝子座に トランスジーンを含有する5255-3由来の選択では、T3プールした種子は、挿入 がホモ接合である場合に期待されるのと同様に、種子を選択したもとの未熟種子 と同じステアリン酸含量(11%)であった。この特徴はメンデルの法則に従っ て遺伝されており、ステアリン酸レベルは維持されている。 B.5266形質転換体の分析 pCGN5266形質転換体由来のプールした分離性成熟種子を、国際公開公報公報第 92/20236号に記載のようにしてGCによって分析して脂肪酸組成を測定する。最 高のステアリン酸レベルを示すものを含めて各変種でそれぞれ10個の形質転換 体について得られたこれらのアッセイの結果を、脂肪酸組成の重量%として図4 に示す。これまでに分析した植物において18:0レベルは約4〜22重量%の 範囲であり、一方形質転換してない植物におけるバックグラウンドレベルは1. 4%(QO4)および1.8%(Quantum)であった。 トランスジェニック植物5266-LP004-2および5266-SP30021-29由来の未熟種子 を同様に分析して個々の種子で得られた18:0脂肪酸のレベルを測定した。分 析したもので最高レベルのステアリン酸を含有する10の種子で得られた脂肪酸 組成データを図5に示す。5266-LP004-2では、18:0脂肪酸含量が33.13 重量%までの未熟種子が得られ、5266-SP30021-29では、18:0脂肪酸含量が 38.86重量%までの未熟種子が得られた。他の5266トランスジェニックで同 様なデータが得られた。実施例5 アブラナ属(Brassica)のステアロイル‐ACPデサチュラーゼのアン チセンス調節用構築物 セイヨウアブラナ(Brassica napus)のステアロイル‐ACPデサチュラーゼク ローンを次のようにして単離した。セイヨウアブラナ(Brassica napus)の品種 2 12/86の半成熟(授粉後30日)の種子から単離したRNAからcDNAライブ ラリーを構築した。このライブラリーの構築にはラムダUni-ZAP(Stratagene)ベ クターキットを製造業者の指示に従って使用したが、次のように修正した。すな わち、cDNA合成には全RNAを100μg使用し、第一鎖cDNA合成は4 2℃で行なった。このcDNAライブラリーを、Brassica campestrisから単離 したデルタ‐9デサチュラーゼ遺伝子のコード領域(Knutzonら(1992)Proc.Na tl.Acad.Sci.89:2624-2628)を用いてスクリーニングした。このプローブとハ イブリダイズした42個のクローンから部分DNA配列を得た。これらのクロー ンは5つのクラスに分類された。各クラスの最大クローンからDNA配列を得た 。BND9とBND16は最も密接に関連しており、cDNAクローンの78.6%がこ のクラスであった。BND11およびBND53は関連しており、cDNAクローンの19 %がこのクラスであった。 デサチュラーゼ遺伝子の主要クラスBND9およびBND11の両者に相同なアンチセ ンスRNAを生成させるためにアンチセンス遺伝子を構築した。HindIIIおよびP vuII酵素を用いて、BND9のコード領域の大部分を含有する断片を切り出した。D NAポリメラーゼIのクレノウ断片とデオキシヌクレオチドを用いて末端をフィ ルインした。napin発現カセットを含有するプラスミドpCGN3223をBglIIで直線化 し、その末端をDNAポリメラーゼIのクレノウ断片とデオキシヌクレオチドを 用いてフィルインした。3223ベクターとBND9断片とをライゲートしてpCGN7826と した。pCGN7826をXhoIで消化し、その末端をDNAポリメラーゼIのクレノウ断 片とデオキシヌクレオチドを用いてフィルインした。BglIIおよびPvuII で消化 後BND11から単離したフィルイン断片をpCGN7826にライゲートしてpCGN7690を得 た。pCGN7690はBND9およびBND11のmRNAの双方に相同なアンチセンス転写体 の発現用に配置されたnapinプロモーターを含有している。このアンチセンス遺 伝子を、Asp718を用いてpCGN7690から切り出し、Asp718で消化したバイナリー植 物形質転換ベクターpCGN1559PASS中にクローニングしてpCGN7696を得た。pCGN15 59PASSはMcBrideら(上掲)に記載されたものと同様なバイナリーベクターであ り、pCGN1559のリンカー領域を、次の制限消化部位:Asp718/AscI/PacI/XbaI/Ba mHI/SwaI/Sse8387(PstI)/HindIIIを含有するリンカー領域で置換することによっ てpCGN1559から調製される。AscI、PacI、SwaIおよびSse8387には8塩基の制限 認識部位があり、AscI、PacIはNew England BioLabsから、SwaIはBoehringer Ma nheimから、Sse8387は宝(日本)から入手可能である。実施例6 アンチセンスデサチュラーゼ構築物を発現するトランスジェニック植 物の分析 pCGN7696を含有する約70種のトランスジェニック植物を生成させた。50個 の種子のプールをガスクロマトグラフィーを用いて分析して種子油脂の脂肪酸組 成を測定した。これらのトランスジェニック植物からプールした種子のステアリ ン酸の平均レベルは7.7%であった。植物7696-31からプールした種子は14 .7%(重量)のステアリン酸を含有しており、植物7696-54からプールした種 子は14.1%のステアリン酸を含有しており、植物7696-69からプールした種 子は11.4%のステアリン酸を含有しており、植物7696-36からプールした種 子は11.3%のステアリン酸を含有しており、植物7696-45からプールした種 子は9.5%のステアリン酸を含有していた。比較として、形質転換してない対 照植物からプールした種子の含有するステアリン酸は3.0%未満である。また 、napinプロモーターの制御下にBND9デサチュラーゼ配列のみを含有するアンチ センス構築物を有する20個のトランスジェニック植物からプールした種子では 平均3.6%のステアリン酸が観察された。このデータが示しているように、二 重アンチセンスデサチュラーゼ遺伝子構築物pCGN7696は、単一の遺伝子構築物と 比較して高いステアリン産生を示す。これらの結果は別のデータにより確認され る。すなわち、7696形質転換体の14.7%と比較してBND9形質転換体からプー ルした種子で観察された最高のステアリン酸レベルは7.6%であった。同様に 、7696形質転換体で得られた29%までのレベルと比較してBND9形質転換体で観 察された単一種子の最高のステアリン酸レベルは10.1%であった。 単一種子の油脂組成の分離分析により、7696-54および7696-31は2つのT−D NA遺伝子座をもっているのに対し、7696-36、7696-69および7696-45は単一の T−DNA遺伝子座をもっていることが示唆された。個々の種子を分析して個々 の形質転換体についてステアリン酸の範囲を測定した。7696-54および7696-31に 由来する単一種子のステアリン酸レベルは2〜29重量%の範囲であり、単一遺 伝子座植物に由来する単一種子はステアリン酸含量が2〜20重量%であった。実施例7 アンチセンスデサチュラーゼ構築物およびマンゴスチンチオエステラ ーゼ構築物の両者を含有する植物の交配と分析 5255形質転換体および7696形質転換体に由来するT2種子の未熟種子分析を使 用して、ステアロイル‐ACPチオエステラーゼおよびアンチセンスデサチュラ ーゼの特徴の組合わせに関して交配すべき個々の形質転換体を選択した。望まし いレベルの18:0および/または望ましい数のGarmFatA1遺伝子インサートが 観察された残存する未熟種子からトランスジェニック植物を成長させた。交配実 験用に選択した5255-3、5255-19、5255-29および5255-20ならびに7696-31、7696 -36、7696-45および7696-54の代表的な未熟種子の18:0含量を下記表1に示 す。 先に示したトランスジェニック植物の各種F1交配体のデータを表2に示す。 選択したF1交配体の種子の未熟種子分析によって観察された最高のステアリン 酸レベルを、全脂肪酸に対する重量%として示す。 上記結果が示しているように、各トランスジーンに由来する多重遺伝子座植物 の交配体および単一遺伝子座植物の交配体でステアリン酸含量が30%を越える (47%にもなる)未熟種子が数多く存在している。アンチセンスデサチュラー ゼとマンゴスチンTEの組合わせによってヘミ接合体の親のどちらよりも高レベ ルのステアリン酸が得られる。いくつかの場合、F1はホモ接合体の親のいずれ かでそれまでに見られたよりも高レベルのステアリン酸を有しており、これら遺 伝子が相乗的に作用していることを示唆している。実施例8 アンチセンスデサチュラーゼおよびマンゴスチンチオエステラーゼ構 築物を含有する構築物による形質転換およびトランスジェニック植物分析 アンチセンスステアロイル‐ACPデサチュラーゼ遺伝子およびステアロイル チオエステラーゼ遺伝子の両者を含有するトランスジェニック植物を得るために 上述した別々の形質転換および植物育種の代わりとして、アンチセンスステアロ イル‐ACPデサチュラーゼ遺伝子およびステアロイルチオエステラーゼ遺伝子 の両者を含有する単一の構築物での形質転換によって、前記のようなトランスジ ェニック植物を得ることができる。そのような構築物のひとつはバイナリー形質 転換ベクターpCGN7748である。pCGN7748はアンチセンスデサチュラーゼBND9およ びBND11遺伝子をもつnapin発現カセットのコピーを2つ含有しており、また、ス テアロイル‐ACPデサチュラーゼ遺伝子プロモーターの調節制御下にアンチセ ンスデサチュラーゼBND9およびBND11遺伝子を含有する発現カセットのコピーを 1つ、そして、マンゴスチンチオエステラーゼ遺伝子発現用のnapin発現カセッ トのコピーを1つ含有している。 pCGN7859を得るために、pCGN7690(実施例5参照)から得たnapin/アンチセ ンスBND9/アンチセンスBND11遺伝子のコピーを2つAsp718断片として、Asp718 で消化したバイナリーベクターpCGN1559PASSにクローニングしてpCGN7748を構築 した。Asp718を用いてpCGN5253(実施例3参照)からnapin/マンゴスチンチオ エステラーゼ遺伝子を切り出し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片と4種の dNTPを用いて末端をフィルインした。得られた末端平滑化DNA断片をSwaI 消化pCGN7859にクローニングしてプラスミドpCGN7743を得た。pCGN7690から得た BND9/BND11を含有するDNA断片をSalIおよびXhoIで切り出し、DNAポリメラ ーゼIのクレノウ断片とヌクレオチドdCTPおよびTTPで処理し、BamHIで 消化しDNAポリメラーゼIのクレノウ断片とヌクレオチドdGTPおよびdA TPで処理しておいたpCGN5207のデサチュラーゼ発現カセットにライゲートした 。[pCGN5207はBrassica rapaのステアロイル‐ACPデサチュラーゼ遺伝子の 約1.5Kbの5′調節領域と1.3kBの3′調節領域を含有している(Knutzon ら(1992)Proc.Nat.Acad.Sci.89:2624-2628)。pCGN5207中でこれらの5′調 節領域と3′調節領域はBamHI-PstI-NotI-XbaI-NaeI-EcoRI-ClaI制限部位を含有 するポリリンカーによって分離されている。] デサチュラーゼ発現カセットに BND9/BND11断片を挿入して得られたクローンはpCGN7745であった。pCGN7745のSm aI断片をSse8387で消化したpCGN7743(DNAポリメラーゼIのクレノウ断片と 4種すべてのdNTPで処理した後)にクローニングしてpCGN7748を得た。 pCGN7748をAgrobacterium tumefaciensのEHA101株に形質転換し、これを用い てセイヨウアブラナ(B.napus)のQuantum変種(SP30021)を形質転換する。 pCGN7748で形質転換した植物からT2プールした種子を分析して脂肪酸組成を 測定し、以下の脂肪酸組成プロフィール(脂肪酸の重量%)を得た。 これらの結果が示しているように、マンゴスチンチオエステラーゼクローンGa rmFatA1を使用して、トランスジェニック植物から得られる種子油脂の18:0 含量を増大させることができ、そのような種子から破砕と脂肪酸抽出手順を経て 30重量%を越えるステアリン酸含量を有する改良された植物油脂を得ることが できる。さらに、アンチセンスデサチュラーゼ構築物と共にマンゴスチンチオエ ステラーゼを発現する植物では、18:0のレベルをさらに増大することができ 、植物種子油脂中の脂肪酸の合計%の50%を越えるまでにできる。 本明細書中に挙げた刊行物および特許出願はすべて本発明が属する分野の当業 者の技術水準を示すものである。刊行物および特許出願のすべては、個々の刊行 物または特許出願を個別に特定して参考として含まれていると示したように、引 用によって本明細書に含まれているものとする。 以上、明確に理解できるように実例および実施例をもって本発明を詳細に説明 してきたが、添付の請求の範囲の範囲内で多少の変更および修正をなし得ること は自明であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 9/00 C12R 1:91) (72)発明者 ラスナー,マイケル ダブリュ. アメリカ合衆国 95616 カリフォルニア 州,デイヴィス,ファルコン アヴェニュ ー 721

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 5′から3′方向への転写において、植物種子細胞内で機能し得るプロモ ーター、C18:0アシル‐ACP基質に対して実質的な活性を有しC16:0 アシル‐ACP基質に対してほとんどまたはまったく活性をもたないアシル‐A CPチオエステラーゼタンパク質をコードしているDNA配列、および植物細胞 内で機能し得る転写終止領域を含んでいるDNA構築物がゲノム内に組み込まれ ている植物を生育することからなる、植物種子トリグリセリド中の18:0脂肪 酸のレベルを増大させる方法。 2. 前記植物が脂肪種子作物植物である、請求項1記載の方法。 3. 前記脂肪種子作物植物がアブラナ科(Brassica)の植物である、請求項2記 載の方法。 4. 前記チオエステラーゼコード配列がマンゴスチン植物由来である、請求項 1記載の方法。 5. 前記DNA配列が図2に示すマンゴスチンGarmFatA1チオエステラーゼを コードしている、請求項4記載の方法。 6. 前記プロモーターが植物種子組織中で優先的に発現する遺伝子由来である 、請求項1記載の方法。 7. 前記植物種子トリグリセリドがC18:0脂肪アシル基を少なくとも20 モル%含む、請求項1記載の方法。 8. 前記植物種子トリグリセリドがC18:0脂肪アシル基を少なくとも30 モル%含む、請求項1記載の方法。 9. 前記植物がそのゲノム中に組み込まれた第二のDNA構築物を有しており 、前記第二のDNA構築物が前記植物に対して天然のステアロイル‐ACPデサ チュラーゼ遺伝子のアンチセンス発現を提供する、請求項1記載の方法。 10. 前記植物種子トリグリセリドがC18:0脂肪アシル基を少なくとも4 0モル%含む、請求項9記載の方法。 11. 前記植物が脂肪種子アブラナ科(Brassica)植物であり、前記チオエステ ラーゼコード配列がマンゴスチン植物由来であり、前記第二のDNA構築物 がpCGN7696である、請求項9記載の方法。 12. 全脂肪酸中に20モル%以上のステアリン酸を含んでおり、前記ステア リン酸はトリグリセリド分子の少なくともひとつの位置にとり込まれており、前 記植物の野生型の種子は脂肪酸中に5.0モル%未満のステアリン酸を含有する 、植物種子。 13. 脂肪酸中に約30モル%以上のステアリン酸を含んでいる、請求項12 記載の種子。 14. 脂肪酸中に約40モル%以上のステアリン酸を含んでいる、請求項12 記載の種子。 15. 油脂のアシル基の20モル%以上がステアリン酸のアシル基であり、前 記油脂は請求項12記載の種子から誘導される、植物種子油。 16. 油脂のアシル基の40モル%以上がステアリン酸のアシル基であり、前 記油脂は請求項12記載の種子に由来する、植物種子油。 17. 全脂肪酸中に20モル%以上のステアリン酸を含んでいる、アブラナ科 (Brassica)の種子。 18. 全脂肪酸中に40モル%以上のステアリン酸を含んでいる、アブラナ科 (Brassica)の種子。 19. 油脂のアシル基の20モル%以上がステアリン酸のアシル基であり、前 記油脂は請求項17記載のアブラナ科(Brassica)の種子に由来する、植物種子油 。 20. 油脂のアシル基の40モル%以上がステアリン酸のアシル基であり、前 記油脂は請求項18記載のアブラナ科(Brassica)の種子に由来する、植物種子油 。
JP9513773A 1995-09-29 1996-09-30 植物ステアロイル−acpチオエステラーゼ配列および植物種子油のステアリン酸塩含量を増大させる方法 Pending JPH10510438A (ja)

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