JP4510278B2 - 継目検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、継目検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、牛乳、清涼飲料水等の液体食品を収容する包装容器を製造する場合、例えば、可撓(とう)性の積層材料から成るウェブ状の包材をチューブ状にし、チューブ状の包材内に液体食品を充填しながら、所定の間隔ごとにシールを行い、シール部分で切断してブリック状の包装容器を形成するようにしている。
【0003】
前記ウェブ状の包材は、あらかじめ所定の量だけ巻かれてリールにされ、該リールが充填(てん)機にセットされる。前記リールは、幅の広い原反を所定の幅で切断することによって複数のロール状の包材にし、該ロール状の包材を、所定の長さずつ分割し、所定の径になるように巻き直すことによって形成される。
【0004】
この場合、設定された長さを有するリールは正尺として、各正尺を取った残りの設定された長さに満たないリールは端尺として形成される。また、包材に不良箇所があると、包材を切断することによって不良箇所を除去するようにしているが、この場合も、設定された長さに満たないリールが端尺として形成される。
そして、前記各端尺は、設定された長さになるようにスプライサによって接続され、所定の径を有するリールにされる。この種のリールを充填機にセットして包装容器を形成すると、包材と包材との継目の部分で不良品が発生する。そこで、前記継目を所定の継目検出装置によって検出し、継目の部分で形成された包装容器を不良品として生産ラインから除去するようにしている。
【0005】
図2は従来の継目検出装置の説明図である。
【0006】
図において、11は図示されない繰出機にセットされた繰出側のリールであり、包材17は、前記繰出機によってリール11から繰り出され、搬送ローラ13〜15によって案内された後、図示されない巻取機によって巻き取られて巻取側のリールになる。
【0007】
また、21は包材17の継目Spを検出する継目検出装置であり、該継目検出装置21は、軸22を中心にして揺動自在に配設されたレバー23、該レバー23の一端に固定された軸24を中心にして回転自在に配設された段差ローラ25、及び前記レバー23の他端と対向させて配設された検出手段としてのホトカプラ26を備え、該ホトカプラ26は、互いに対向させて配設された発光ダイオード27及びホトトランジスタ28から成り、発光ダイオード27及びホトトランジスタ28は図示されない制御部に接続される。前記段差ローラ25は自重で包材17を介して搬送ローラ14に押し当てられる。
【0008】
前記包材17の搬送に伴って段差ローラ25は回転させられるが、段差ローラ25と搬送ローラ14との間を包材17の継目Spのない部分が通過している間、前記レバー23の他端は発光ダイオード27とホトトランジスタ28との間に位置し、発光ダイオード27から放射された光はレバー23によって遮断され、ホトトランジスタ28に到達されない。したがって、ホトトランジスタ28はオフになり、前記制御部は継目Spを検出しない。
【0009】
また、継目Spにおいて、包材17の厚さは継目Spのない部分の2倍になるので、段差ローラ25と搬送ローラ14との間を継目Spが通過すると、段差ローラ25が持ち上げられ、それに伴ってレバー23が回動させられ、前記レバー23の他端は発光ダイオード27とホトトランジスタ28との間から離れる。したがって、発光ダイオード27によって放射された光は遮断されることなくホトトランジスタ28に到達されるので、ホトトランジスタ28はオンになり、制御部は継目Spを検出する。
【0010】
図3は従来の包材の継目の部分にマークを付与する方法を示す図、図4は従来の他の継目検出装置の説明図である。
【0011】
図3において、11は図示されない繰出機にセットされた繰出側のリール、12は図示されない巻取機にセットされた巻取側のリールである。包材17は、前記繰出機によってリール11から繰り出され、搬送ローラ13、15によって案内された後、前記巻取機によって巻き取られてリール12になる。
【0012】
31は、包材17を接続し、継目Spを形成するスプライサ、32は、包材17の搬送方向における継目Spより下流側において、リール12と対向させて配設され、スプライサ31からの信号を受けて包材17に図示されないマークを付与するマーカである。
【0013】
図4において、11は、マーカ32(図3)によってマークが付与され、図示されない繰出機にセットされた繰出側のリール、12は図示されない巻取機にセットされた巻取側のリールである。包材17は、前記繰出機によってリール11から繰り出され、搬送ローラ13〜15によって案内された後、前記巻取機によって巻き取られてリール12になる。
【0014】
また、33は包材17に付与されたマークを検出するマーク検出センサであり、該マーク検出センサ33によってマークが検出されると、検出信号がオンになり、図示されない制御部は包材17の継目Spを検出する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の継目検出装置においては、段差ローラ25を備えた継目検出装置21の場合、包材17を搬送するのに伴ってレバー23に振動が発生したり、段差ローラ25が跳ね上がったりすることがあるが、レバー23に発生した振動、又は段差ローラ25の跳上りによってホトトランジスタ28がオンになると、継目Spのない部分であるにもかかわらず、継目Spを誤って検出してしまう。
【0016】
また、前記継目検出装置21、及びマーク検出センサ33を備えた継目検出装置のいずれにおいても、包材17の搬送速度を高くすると、ホトトランジスタ28がオンになる時間及び検出信号がオンになる時間、すなわち、継目Spを検出する時間がその分短くなり、継目Spを精度良く検出することができない。
【0017】
本発明は、前記従来の継目検出装置の問題点を解決して、継目を誤って検出することがなく、継目を精度良く検出することができる継目検出装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の継目検出装置においては、包材の縁の端面に押し当てられた第1の電極と、前記包材の長手方向において、第1の電極と所定の距離を置いて配設され、包材の縁の端面に押し当てられた第2の電極と、包材の長手方向における第1、第2の電極間が、包材を介して電気的に接続されるかどうかに基づいて継目を検出する継目検出処理手段とを有する。
【0019】
本発明の他の継目検出装置においては、さらに、前記継目検出処理手段は、包材の搬送状態において継目を検出する。
【0020】
本発明の更に他の継目検出装置においては、さらに、第1、第2の電極はリールの端面に押し当てられる。
【0021】
本発明の更に他の継目検出装置においては、さらに、前記第1、第2の電極のうちの少なくとも第2の電極は径方向に移動させられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の第1の実施の形態における継目検出装置の説明図である。
【0024】
図において、11は図示されない繰出機にセットされた繰出側のリール、12は図示されない巻取機にセットされた巻取側のリールであり、包材17は、前記繰出機によってリール11から繰り出され、搬送ローラ13〜15によって案内された後、前記巻取機によって巻き取られてリール12になる。前記包材17は、例えば、包装容器を形成したときの内側の外側にかけてポリエチレン層、アルミ箔(はく)層、接着剤層、紙基材、及びポリエチレン層を順に積層することによって形成された積層体から成る。
【0025】
また、51は包材17の継目Spを検出する継目検出装置であり、該継目検出装置51は、包材17の搬送方向における2箇所に、回転自在に配設されたローラ状の第1、第2の電極52、53、電源54及び検出手段としての電流センサ55を備え、前記第1の電極52、電源54、電流センサ55及び第2の電極53が直列に接続されるとともに、前記電流センサ55は図示されない制御部に接続される。前記第1、第2の電極52、53は、導電性の高い金属によって形成され、包材17の縁の端面に図示されないスプリング等の付勢手段によって押し当てられ、包材17が搬送されるのに伴って、回転させられる。本実施の形態においては、包材17の一方の縁の端面に第1の電極52が、他方の縁の端面に第2の電極53が押し当てられるようになっているが、包材17の一方の縁に第1、第2の電極を押し当てることもできる。
【0026】
また、前記第1、第2の電極52、53は、包材17の搬送方向、すなわち、長手方向において、互いに所定の距離Lを置いて配設される。包材17の搬送方向における継目Spの長さをmとしたとき、
L>m
にされる。そして、前記第1、第2の電極52、53の軸方向長さをHとし、包材17の厚さをdとしたとき、
H>d
にされる。
【0027】
前記包材17の搬送に伴って第1、第2の電極52、53は回転させられるが、第1、第2の電極52、53間を包材17の継目Spのない部分が通過している間、第1、第2の電極52、53は、包材17を構成するアルミ箔層によって電気的に接続され、前記第1の電極52、電源54、電流センサ55及び第2の電極53によって閉ループが形成されてアルミ箔層内を電流が流れる。その結果、電流センサ55によって電流が検出され、電流検出信号がオンになり、前記制御部の継目検出処理手段は継目Spを検出しない。
【0028】
また、第1、第2の電極52、53間を継目Spが通過している間、前記アルミ箔層が継目Spにおいて不連続であるので、第1、第2の電極52、53は電気的に接続されない。したがって、前記第1の電極52、電源54、電流センサ55及び第2の電極53によって閉ループが形成されず、アルミ箔層内を電流は流れない。その結果、電流センサ55によって電流が検出されず、電流検出信号がオフになり、前記継目検出処理手段は継目Spを検出する。
【0029】
このように、前記継目検出処理手段は、包材17の搬送状態において、包材17の長手方向における第1、第2の電極52、53間が、包材17を介して電気的に接続されるかどうかに基づいて継目Spを検出する。
【0030】
そして、前記第1、第2の電極52、53が包材17の縁の端面に押し当てられるので、包材17を搬送するのに伴って第1、第2の電極52、53に振動が発生したり、第1、第2の電極52、53が跳ね上がったりすることがない。また、前記第1、第2の電極52、53の軸方向長さHが包材17の厚さdより大きいので、包材17が波打っても、前記第1、第2の電極52、53を包材17の縁の端面に確実に押し当てることができる。したがって、継目Spのない部分であるにもかかわらず、継目Spを誤って検出してしまうことがない。
【0031】
また、前記第1、第2の電極52、53間の距離Lが継目Spの長さmより十分に大きいので、第1、第2の電極52、53間を継目Spが通過している間は電流検出信号が継続的にオフになる。したがって、継目Spを検出する時間が長くなり、継目Spを精度良く検出することができる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0033】
図5は本発明の第2の実施の形態における継目検出装置の説明図である。
【0034】
図において、60はリール、61は包材17の図示されない継目を検出する継目検出装置であり、該継目検出装置61は、リール61の端面における2箇所に配設されたピン状の第1、第2の電極62、63、電源54及び検出手段としての電流センサ55を備え、前記第1の電極62、電源54、電流センサ55及び第2の電極63が直列に接続されるとともに、前記電流センサ55は図示されない制御部に接続される。前記第1、第2の電極62、63は、導電性の高い金属によって形成され、リール60の端面に押し当てられる。本実施の形態においては、リール60の一方の端面に第1、第2の電極62、63が配設されるが、一方の端面に第1の電極62を、他方の端面に第2の電極63を配設することもできる。
【0035】
前記第1の電極62はリール60の径方向における最も内側の固定された位置に置かれる。また、前記第2の電極63は図示されない移動機構によって移動自在に配設される。
【0036】
ところで、前記第1、第2の電極62、63をリール60の端面における2箇所に押し当てると、リール60を構成する包材17の長手方向における2箇所において、前記第1、第2の電極62、63が包材17の端面に押し当てられたことになる。そこで、第1の電極62をリール60の径方向における最も内側の固定された位置に置き、前記第2の電極63をリール60の径方向における最も内側の位置から最も外側の位置まで径方向に移動させると、第1の電極62を包材17の一端に置き、第2の電極63を包材17の長手方向において第1の電極62の近傍から徐々に離すことと等価になる。
【0037】
したがって、第1、第2の電極62、63間に、包材17の長手方向において、継目が存在していない場合、第1、第2の電極62、63は、包材17を構成するアルミ箔層によって電気的に接続され、前記第1の電極62、電源54、電流センサ55及び第2の電極63によって閉ループが形成されてアルミ箔層内を電流が流れる。その結果、電流センサ55によって電流が検出され、電流検出信号がオンになり、前記制御部の継目検出処理手段は継目を検出しない。
【0038】
また、第1、第2の電極62、63間に、包材17の長手方向において、継目が存在している場合、前記アルミ箔層が前記継目において不連続であるので、第1、第2の電極62、63は電気的に接続されない。したがって、前記第1の電極62、電源54、電流センサ55及び第2の電極63によって閉ループが形成されず、アルミ箔層内を電流は流れない。その結果、電流センサ55によって電流が検出されず、電流検出信号がオフになり、前記継目検出処理手段は継目を検出する。
【0039】
なお、前記包材17はポリエチレン層、アルミ箔層、接着剤層、紙基材、及びポリエチレン層の積層体から成るので、第2の電極63を径方向に移動させたとき、第2の電極63は、ポリエチレン層、アルミ箔層、接着剤層、紙基材及びポリエチレン層に順次接触することになる。したがって、第1、第2の電極62、63間に、包材17の長手方向において、継目が存在しない場合、前記電流検出信号は、オン及びオフの繰り返しになり、パルス波形を有することになる。第2の電極63の移動に伴って、第1、第2の電極62、63間に、包材17の長手方向において、継目が存在すると、前記電流検出信号は継続的にオフになる。したがって、パルス波形が継続的にオフになるときの第2の電極63の位置に継目が存在することが分かる。
【0040】
このように、リール60を固定したまま、包材17を搬送することなく継目を検出することができるので、継目検出装置の構造を簡素化することができる。また、継目が存在すると、前記電流検出信号は継続的にオフになるので、継目を検出する時間が長くなり、継目を精度良く検出することができる。
【0041】
本実施の形態においては、第1の電極62は、リール60の径方向における最も内側の固定された位置に置かれるようになっているが、第1の電極62を第2の電極63と同様に径方向において移動させることもできる。
【0042】
前記各実施の形態においては、包材17にアルミ箔層が形成され、該アルミ箔層内を電流が流れるようになっているが、アルミ箔層に代えて金属層(例えば、スチール層)、導電性樹脂層等の導電層を形成し、該導電層内を電流が流れるようにすることもできる。また、前記各実施の形態においては、アルミ箔層はシート状に形成されたアルミニウムを積層することによって形成されるが、蒸着等によってアルミ層を形成することもできる。
【0043】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、継目検出装置においては、包材の縁の端面に押し当てられた第1の電極と、前記包材の長手方向において、第1の電極と所定の距離を置いて配設され、包材の縁の端面に押し当てられた第2の電極と、包材の長手方向における第1、第2の電極間が、包材を介して電気的に接続されるかどうかに基づいて継目を検出する継目検出処理手段とを有する。
【0045】
この場合、前記第1、第2の電極が包材の縁の端面に押し当てられるので、包材を搬送するのに伴って第1、第2の電極に振動が発生したり、第1、第2の電極が跳ね上がったりすることがない。したがって、継目のない部分であるにもかかわらず、継目を誤って検出してしまうことがない。
【0046】
また、前記第1、第2の電極間を継目が通過している間は継目が検出され続けるので、継目を検出する時間が長くなり、継目を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における継目検出装置の説明図である。
【図2】従来の継目検出装置の説明図である。
【図3】従来の包材の継目の部分にマークを付与する方法を示す図である。
【図4】従来の他の継目検出装置の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における継目検出装置の説明図である。
【符号の説明】
17 包材
51、61 継目検出装置
52、62 第1の電極
53、63 第2の電極
60 リール
Sp 継目
Claims (4)
- (a)包材の縁の端面に押し当てられた第1の電極と、
(b)前記包材の長手方向において、第1の電極と所定の距離を置いて配設され、包材の縁の端面に押し当てられた第2の電極と、
(c)包材の長手方向における第1、第2の電極間が、包材を介して電気的に接続されるかどうかに基づいて継目を検出する継目検出処理手段とを有することを特徴とする継目検出装置。 - 前記継目検出処理手段は、包材の搬送状態において継目を検出する請求項1に記載の継目検出装置。
- 第1、第2の電極はリールの端面に押し当てられる請求項1に記載の継目検出装置。
- 前記第1、第2の電極のうちの少なくとも第2の電極は径方向に移動させられる請求項3に記載の継目検出装置。
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