JP4510191B2 - 粉体・ガス吹き込み用ランスパイプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、混銑車及び取鍋等において、溶銑、溶鋼等の溶湯の表面上から、或いは溶湯内に浸漬させた状態で、溶湯処理に用いる粉体或いはガスを吹き込むためのランスパイプの耐火物部分を支持するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常このランスパイプは金属管を耐火物で被覆して保護した構造を有しており、その耐用期間は、主に被覆した耐火物に発生する横や縦方向の亀裂の進展具合によって左右される。この耐火物の亀裂は、高温になった場合の耐火物と金属管の熱膨張差により耐火物と金属管やスタッド先端部を起点として生じる。
【0003】
この金属管とスタッド或いは耐火物との熱膨張差をなくして亀裂発生を抑制するための耐火物保持手段として、実公昭56−1721号公報には有刺鉄線を鋼管に巻き付けることが開示されている。
【0004】
しかしながら、有刺鉄線では被覆した耐火物の保持力が弱く、被覆した不定形耐火物の厚みが大きい場合、例えば50mm以上になると、亀裂が発生し、剥離傾向が増して亀裂の大幅な抑制効果はなく、耐用性の向上を図れなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、ランスパイプを構成する金属管を被覆する耐火物の亀裂発生とそれによる剥離現象を抑制する耐火物の保持構造を提供し、これによってランスパイプの耐用性向上を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の粉体・ガス吹き込み用ランスパイプは、ランスパイプを構成する金属管を中心に棒状の金属部材を螺旋状に配設し、金属管ガス・粉体供給側の金属部材の上端部を、金属管に固着立植した保持部材の貫通孔に挿通させると共にその上端を鈎状に形成した掛止部とし、かつ掛止部と保持部材との間に間隙を確保することで遊嵌状態に保持させ、金属部材の下端を金属管に固着し、耐火物によって金属部材を埋めた状態で金属管を被覆した構造を有する。
【0007】
この構造によって、金属管と耐火物と耐火物保持部材との三者が熱によっておこす相互干渉を少なくすることで耐火物の亀裂発生とそれによる剥離現象を抑制することができた。すなわち、金属管の下端部分は、金属管に金属部材を固着しているため、耐火物も金属管に固着されているが、金属管の中間部から上部に亘っては、金属管と耐火物間の膨張差に応じて互いに拘束されることなく、その界面で自由に上下の滑動が可能となり、強度の弱い耐火物の亀裂発生が防止できる。なお、金属管と耐火物間の界面は、耐火物の金属管への接着力が弱く完全な固着状態になっていない。
【0008】
金属管に対し螺旋状に配設する棒状の金属部材としては、断面の差し渡し寸法、或いは径が4〜20mmの鋼材を用いることができる。金属部材を螺旋状に配設するのは、ストレート状金物と比較して、金属部材自身の膨張を分散しやすく、金属部材の膨張に起因する亀裂を抑制するためである。金属部材の断面の差し渡し寸法、或いは径が4〜20mmとしたのは、鋼材の寸法、或いは直径が小さすぎると、耐火物の拘束力が弱く剥離が発生しやすくなり、大きすぎると受熱した鋼材の膨張により耐火物が損傷しやすくなる。金属部材として使用する鋼材の断面形状は特に限定はなく、丸鋼の他、四角,三角,六角等の多角形による角材、或いは角材の捻れ捧を使用できる。
【0009】
金属部材を螺旋状に設ける螺旋間隔は50〜300mmの範囲が好ましく、間隔が大きすぎると耐火物への拘束力が低下し、狭すぎると金属部材が接近しすぎて逆に金属の膨張により亀裂が発生しやすくなる。
【0010】
さらに、金属管の耐火物被覆部分に螺旋状に配設された金属部材は、金属管に直接巻き付けず、被覆した不定形耐火物の中に埋設された状態、好ましくは、被覆した不定形耐火物のほぼ中央に位置するようにすることで、耐火物の保持力を向上させて剥離抑制ができる。
【0011】
またさらに、金属部材の上端部を、金属管に固着立植する保持部材の貫通孔を挿通して遊嵌状態に保持させるのは、不定形耐火物を保持している螺旋状の金属部材と金属管との相互干渉を最小限に抑える。その結果耐火物と金属管の熱膨張による相互移動を可能とし、耐火物の亀裂を抑制するためである。金属部材を挿通する貫通孔の形成方法は、特に限定されることなく、例えば、穿孔、凹部による挟み合わせ、保持部材の先端の円形等への曲げ込みによる空間、或いは保持部材先端に貫通孔を形成できるものを取り付ける等その他必要に合わせて選択すれば良い。金属部材の上端の掛止部の形状は鈎状とし、貫通孔からの抜け落ちを防止できるようにする。
【0012】
さらに、ランスパイプの金属管下部の粉体・ガスの吐出孔を基点として上方200〜500mmの範囲内(a)に、相互に間隔をおいて、V型又はY型例えばV型、Y型、T型等のスタッドを立植状態に取り付けることもできる。上部を遊嵌状態保持し螺旋状に配設した金属部材とこのスタッドの併設によって、さらにランスの耐用性を向上することができる。これは、スタッドを取り付けたことによって、このスタッドが耐火物を金属管に拘束することになり、高温において、耐火物と金属管の熱膨張差による応力の吐出孔部分への集中を避け、吐出孔の変形を防ぐことでランスの耐用低下を防ぐことができる。スタッドを取り付ける範囲は、広すぎると耐火物と金属管の熱膨張差によって生じる相互移動が困難となり、亀裂抑制効果が減少し、反対に狭すぎると、吐出孔の変形を防ぐことができないため、吐出口を基点として上方200〜500mmの間が望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例を示す図によって説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る耐火物の保持構造を、下方は断面図で示す図である。
【0015】
1はランスパイプの金属管であり、2は、このランスパイプの金属管1の下端近傍に形成された粉体とガスの吐出孔であり、3は、金属管1を中心にして、一定の間隙を設けて螺旋状に捲回された金属部材である。
【0016】
この金属部材3は、その詳細を示す図2に示されているように、その上端を係止できるように鈎状に形成した掛止部4を形成し、金属管1の上方位置に取り付けられた保持部材5によって、金属部材3を掛止保持し、その金属部材3の下方位置は、金属管によって遊嵌状態に保持されている。さらに、この金属部材3は、その下端6を金属管1に固着している。7は、金属管1の下端近傍に形成された粉体とガスの吐出孔2上方の200〜500mmの範囲(a)に配置されたスタッドを示す。この耐火物保持構造は、耐火物8で全金属部材3を埋めた状態で金属管1を被覆している。
【0017】
本発明のランスパイプを精錬に使用した結果、従来稼働初期から稼働中期にかけて見られた亀裂の発生が激減し、従来に比べ、約2倍の耐用性の向上が認められた。
【0018】
【発明の効果】
本発明のランスパイプによれば、上端部を遊嵌状態に保持した棒状の金属部材を螺旋状用いて耐火物を被覆するため、耐火物と金属管との熱による相互の膨張が干渉されず、相互移動が可能となり、ランスパイプ上下方向に耐火物と金属管の膨張差に起因する耐火物の亀裂損傷が改善されると共に、螺旋状設けた金属部材の保持力により耐火物の剥離も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る耐火物の保持構造を下方は断面図で示す。
【図2】 耐火物を被覆した状態を断面図で示す。
【符号の説明】
1 金属管
2 吐出孔
3 金属部材
4 掛止部
5 保持部材
6 金属部材の下端
7 スタッド
8 耐火物
Claims (2)
- ランスパイプを構成する金属管を中心に棒状の金属部材を螺旋状に配設し、金属管ガス・粉体供給側の金属部材の上端部を、金属管に固着立植した保持部材の貫通孔に挿通させると共にその上端を鈎状に形成した掛止部とし、かつ掛止部と保持部材との間に間隙を確保することで遊嵌状態に保持させ、金属部材の下端を金属管に固着し、耐火物によって金属部材を埋めた状態で金属管を被覆した粉体・ガス吹き込み用ランスパイプ。
- ランスパイプの金属管下部に設けた粉体・ガスの吐出孔を基点として上部に200〜500mmの範囲内に、間隔をおいてスタッドを立植した請求項1に記載の粉体・ガス吹き込み用ランスパイプ。
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JP31891999A JP4510191B2 (ja) | 1999-11-09 | 1999-11-09 | 粉体・ガス吹き込み用ランスパイプ |
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Family Applications (1)
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1999
- 1999-11-09 JP JP31891999A patent/JP4510191B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
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