JP2015137392A - ランスパイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】曲管部を有するランスパイプにおいて、高い耐久性を備え、しかも、生産性の効率向上との均衡の観点からも現実的に妥当なパイプを提供すること。【解決手段】直管部22と該直管部22から湾曲して延設される曲管部23とを有する金属製で円管状の芯金2と、該芯金2の外周面を被覆するキャスタブル3とを備え、溶湯処理剤を溶融金属Mに供給するランスパイプL1であって、前記曲管部23の曲率半径が大きい大径外側表面231aにのみ間隔を隔てて固設されかつ前記キャスタブル3に埋設された複数個のスタッド41を具備している。【選択図】図1

Description

本発明は溶鋼、溶鉄、溶融金属等の精錬処理工程で使用されるランすパイプに関する。
溶融金属の溶湯中に、酸素やアルゴン等のガスやその他の溶湯処理剤を吹き込む中空管状のランスパイプが広く知られている。
ランスパイプは、金属製で長尺円管状の芯金と、該芯金の外周面を被覆する耐火物層(以下、キャスタブルと記す)とを備えている。ランスパイプは、直管状のものの他に、側面視が略J字型ないしL字型の曲管状のランスパイプも存在する。耐火物としては、アルミナ‐シリカ系低セメントキャスタブル等が用いられている。
上述の曲管状のランスパイプは先端の湾曲した部分を金属溶湯に浸漬させて使用される。金属浴湯は高温なので、浴湯の熱がキャスタブルを介して芯金に伝導する。芯金の熱膨張率は前記キャスタブルと比較して大きいので、芯金は熱膨張しながらキャスタブルに応力を及ぼすと思われ、これによってキャスタブルに亀裂が発生すると考えられる。亀裂はランスパイプの使用中に、温度上昇に伴って更に拡大する。結果、キャスタブルが剥離、脱落し、芯金の温度は自身が溶融する程度にまで上昇し、ランスパイプは使用できなくなる。
そこで、ランスパイプの使用耐久性を高めるために、芯金等に網材を巻着させて該網材でキャスタブルを保持し、キャスタブルの剥離、脱落を防止する方法があった。
しかしながら、従来の網材によってもキャスタブルの剥離、脱落を完全に防止できず、耐久性の観点から不充分であるという問題点を有していた。
また、使用中のランスパイプは、酸素等のガスや浴湯処理剤吹込みによる反力作用や溶銑の振動等のさまざまな力を受ける。曲管状のランスパイプでは、浴湯中に浸漬された湾曲した曲管部分において係る力の影響を受け易く、しかも、曲管部分の曲率半径が大きい側の損傷が特に激しくなるという問題を有していた。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、更に高い耐久性を備えたランスパイプを提供し、しかも、生産性の効率向上との均衡の観点からも現実的に妥当なランスパイプを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明のランスパイプは、直管部と該直管部から湾曲して延設される曲管部とを有する金属製で円管状 の芯金と該芯金の外周面を被覆する耐火物層とを備え、溶湯処理剤を溶融金属に供給するランスパイプであって、前記曲管部の少なくとも曲率半径が大きい外側表面に間隔を隔てて固設されかつ前記耐火物層に埋設された複数個のスタッド、を具備しているものである。
本発明のランスパイプは、芯金と耐火物層と複数個のスタッドとを備えている。この芯金は、直管部と該直管部から湾曲して延設される曲管部とを有する金属製で円管状である。曲管部はその先端側がノズルとなっているもの、先端側がさらにL字型のように直管状に伸びているもの等を含む。耐火物層は、アルミナ−シリカ系低セメントキャスタブル等で構成されている。これら芯金及び耐火物層は従来の側面視が略J字型ないしL字型の曲管状のランスパイプの芯金及び耐火物層と同一である。
スタッドは、略V字型、Y字型、T字型等の基端部とこの基端部より延びかつ広がる先端部とを含む。スタッドの基端部が芯金に通常スポット溶接等されて固定されている。スタッドの先端部が耐火物層内に埋設されて一体化されている。
本発明のランスパイプは、複数個のスタッドが芯金の曲管部の少なくとも曲率半径が大きい外側表面に間隔を隔てて固設されている。スタッドは曲率半径が大きい外側表面の全てを所定の間隔をおいて固設されているのが好ましい。さらには、耐火物層で覆われている全ての芯金の表面に多数固設されているものでも良い。スタッドを数多く使用すると、ランスパイプの耐久性を高める効果は増大する、しかし、作業時間が長くなりコストも増大する。耐久性の増大とコストの増大の二律背反の面を考慮すると、スタッドは芯金の曲管部の曲率半径が大きい外側表面にのみ設けるのが好ましい。さらに高い耐久性を必要とする場合は、曲管部の表面全てにスタッドを設けてもよい。更なる高い耐久性を必要とする場合は、芯金の表面全てにスタッドを設けてもよい。
ランスパイプは、例えば、芯金と芯金固設されたスタッドとをキャスタブルで覆って耐火物層とし、耐火物層内に埋設するように成型して製造される。耐火物層の内部に埋設されるスタッドの先端部はアンカーとして働き耐火物層と一体化され、スタッドが耐火物層より抜けが防止される。
また、上述した通り、曲管状のランスパイプは、湾曲した曲管部分を溶融金属中に浸漬させて使用されており、実際、曲管部分の曲率半径が大きい側の損傷が特に激しくなることが知られているが、以下の原因が考えられる。
高温熱の溶融金属中では、金属よりなる芯金とシリカ等を成分とするキャスタブルで構成された耐火物層とでは、熱膨張率の差がより顕著にあらわれるが、まず、係る熱膨張率の差に起因するものがある。
例えば略L字型の芯金の曲管部は、曲率半径が大きい大径側の曲管部分と小さい小径側の曲管部分とより成り、大径側の方が小径側よりも弧長が長い分だけ軸方向に沿って長くなる。大径側も小径側も同一金属の芯金なので同一の線膨張率を有しており、大径側の方が、膨張前の長さが長い分だけ伸びて変化する実際の長さが長くなると考えられる。よって、芯金の熱膨張によって耐火物層に及ぼされる引張り応力は、大径側の方がより大きくなり得る。当該部分の耐火物層に亀裂が生じ易くなって、剥離、脱落を招き易くなる。
また、上記した大径側の方が、弧長が長い分だけ当該部分の芯金を被覆する耐火物層全体の体積、重量が大きい。更に、溶融金属容器の底に向かって耐火物層脱落するのを相殺する芯金の管壁が、内側と異なって大径側には存在しない。上述したガス等の吹込みによる溶銑の振動等による力の作用も相まって、大径側の方が小径の側よりも大きな重力が作用してしまうという原因も考えられる。
ここで、本発明によれば、スタッドは、芯金の曲管部の少なくとも曲率半径が大きい外側表面に間隔を隔てて固設されているので、芯金の全長に亘ってスタッドを固設するよりも、該スタッドの芯金への溶接作業を省力化できる。しかもキャスタブルの剥離、脱落を最も招き易い部位について集中的に手当てしながら、耐久性能の担保も可能となる。
請求項2に係る本発明のランスパイプは、請求項1のランスパイプにおいて、前記スタッドは前記曲管部の前記曲率半径が大きい外側表面にのみ固設されているものである。なお、外側表面とは芯金の外周側の表面をいう。内側表面は芯金の内周表面をいう。また、曲率半径が大きいとは曲管部の遠心方向側をいう。
本発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、芯金の曲管部の曲率半径が大きい外側表面にのみにスタッドを溶接する最小限の作業を行うだけで、ランスパイプの当該部分のキャスタブルの剥離、脱落を効果的に防止できる。従って、耐久性をより高く求めつつもランスパイプの生産効率の向上が強く望まれる場合には、最も妥当なものを提供することができる。
請求項3に係る本発明のランスパイプは、請求項1のランスパイプにおいて、前記スタッドは前記曲管部の外側表面にのみ固設されているものである。
ランスパイプの曲管部分には、上述した溶銑の振動等による力の作用が直管部よりも大きく作用する。本発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、ランスパイプの曲管部の耐火物層の剥離、脱落を効果的に防ぎ、耐久性を担保できる。また、ランスパイプの製造工程において、芯金の曲管部の外側表面にのみスタッドを溶接する作業のみで済むので、生産効率の観点からも妥当なランスパイプを提供できる。
請求項4に係る本発明のランスパイプは、請求項1のランスパイプにおいて、前記スタッドは前記曲管部の外側表面および前記直管部の前記曲管部と隣接する外側表面部分にのみ固設されているものである。
本発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、ランスパイプの生産効率をより高く求めつつもその耐久性向上が強く望まれる場合に、妥当なランスパイプを提供することができる。芯金の曲管部だけでなく、近接する直管部にもスタッドが溶接されているので、耐久性に劣るランスパイプの当該部分の信頼性がより高められるからである。
請求項5に係る本発明のランスパイプは、請求項1乃至4に記載のいずれかのランスパイプにおいて、さらに前記スタッドが固設された前記曲管部の外側表面又は前記スタッドが固設された前記曲管部の外側表面および前記直管部の前記曲管部と隣接する外側表面部分には、網材が巻着されかつ前記耐火物層に埋設されているものである。網材は二次元的に延びているため、芯金の外側表面に巻きつける作業で芯金に固定できる。しかも広い面積を覆うことが出来る。さらに網材は、耐火物層内に一体化しやすいため耐火物層からの分離に対する抵抗力が大きい。
本発明によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明による効果に加えて、ランスパイプの生産効率を求めつつもその耐久性向上が強く望まれる場合に、最も妥当なランスパイプを提供することができる。
前述したとおり、スタッドの先端部はアンカー作用を持ち、これに基づく係合作用により耐火物層の剥離、脱落を防止する。スタッドは、その複数個が間隔をおいて芯金に溶接されているので、不連続な溶接ポイントごとに脱落防止するものとなる。
ここで、不幸にもスタッドが固設されていない部分に亀裂が入った場合でも、各スタッドが金網等の網材を介して面状に連続しながら亀裂の拡大を抑制し、耐火物層の剥離、脱落を防止し、ランスパイプの耐用性を格段に向上させることができる。
本発明によれば、生産性の効率向上と使用耐久性向上との均衡を現実的に妥当に考慮したうえで、信頼性の高いランスパイプを提供することができる。
簡略に使用状態を示す実施形態1のランスパイプの断面図である。 図1のランスパイプにおいて曲管部を拡大した断面図である。 (a)図2のランスパイプのY−Y線端面図、(b)Y−Y線端面図である。 芯金の曲管部におけるスタッドと網材との係合を断面視において模式的に示す説明図である。 芯金の曲管部におけるスタッドと網材との係合をX方向視において模式的に示す説明図である。 第2実施形態のランスパイプについて、芯金に網材が巻着されてスタッドが固設される配置関係を示す断面図である。 第3実施形態のランスパイプについて、スタッドが固設される配置関係を示す断面図である。 第4実施形態のランスパイプについて、芯金に網材が巻着されてスタッドが固設される配置関係を示す断面図である。 第5実施形態のランスパイプについて、芯金に網材が巻着されてスタッドが固設される配置関係を示す断面図である。
以下、第1実施形態のランスパイプLについて説明する。図1は、簡略に使用状態を示す実施形態1のランスパイプの断面図、図2は、図1のランスパイプにおいて曲管部を拡大した断面図、図3(a)、(b)は、それぞれ図2のランスパイプのY−Y線、Y−Y線端面図、図4は、芯金の曲管部におけるスタッドと網材との係合を断面視において模式的に示す説明図である。
ランスパイプLは直管部12と該直管部12から延設される曲管部13とを有する略L字型をなしており、金属製で略L字型の長尺円管状の芯金2と、該芯金2の外側表面を被覆するキャスタブル3とを備えている。また、後述するとおり、芯金2の曲管部23の大径外側表面231aには複数のY字型のスタッド41が固設され、外側表面231には金網5が巻着されている。
芯金2は、ガス等が導入される導入口21から直線状に伸びる全長lの直管部22と、直管部22から湾曲して延設される曲管部23とを備えている。該曲管部23は、湾曲基端部分232からガスの吐出口となる先端吐出部分233に至る部分である。また、曲管部23は、中心軸方向Hに沿った断面視において中心角θの円弧をなす円弧部分234と直線状の直長部分235(全長l22)とよりなる。なお、図1においては、円弧部分234の弧長を便宜的にl21として記している。
芯金2の前記曲管部23の外側表面231であって、その湾曲において円弧部分234の曲率半径が大きい側(r)の大径外側表面231aには、複数のY字型のスタッド41が取付けられている。該スタッド41は、先端の両方の係止開腕部41aを半径方向外側に向け、取付基部41bを前記大径外側表面231aに溶接して取付けられている。また、複数の前記スタッド41は、前記大径外側表面231aの周方向に沿って3列をなし、軸方向Hに沿って芯金の2が湾曲し始める大径湾曲基端部分232aから大径先端吐出部分233aに至る部分に取付けられている。より詳しくは、ランスパイプLの使用状態において鉛直方向真下に配置する部位に、前記湾曲基端部分232から少し湾曲が進んだ部分から、前記先端吐出部分233に至る少し手前部分にかけて、軸方向Hに沿って、所定の間隔を隔てて1列取付けられている。また、当該1列を中心にして、左右に中心角45度程度の間隔を隔てて周方向に沿って2列取付けられており、合計3列をなす。
また、芯金2の曲管部23の前記外側表面231には金網5が巻付けられている。その結果、前記スタッド41が取付けられた前記大径外側表面231aにおいては、溶接された各スタッド41の係止開腕部41aの先端部分は、該金網5の鉄線51と所々で係止している。
前記キャスタブル3はセラミック耐火物からなる。バインダ(無機系バインダまたは有機系バインダ)を含む流動性をもつスラリー状の耐火物で、芯金2の全長に亘ってその外側表面を被覆し、その状態で乾燥固化させたものである。
キャスタブル3は、前記曲管部23の大径外側表面231aにおいては、前記各スタッド41とこれに係止する金網5とを埋込み、これらがキャスタブル3の外側に露出しないような充分な肉厚tを有している。しかも芯金2の全長に亘って均一な肉厚tを有しているので、ランスパイプLは芯金2のほぼ相似大形に形成されている。また、前記キャスタブル3は、前記スタッド41の前記係止開腕部41aの下側に形成されるアンカー部41c(芯金2の大径外側表面231aに近接する部分)にも充填されている。
次に、第1の実施形態のランスパイプの使用状態について説明する。図1において、ランスパイプLは、容器Nに収容された溶融金属Mの液中に、吐出口14を有する曲管部13を浸漬させて使用される。導入口11からは図示しないガス等が吹き込まれる。「ガス」としては、溶融金属M中で酸化反応を行わせるための酸素ガスや、溶湯処理剤を搬送する媒体として、或いは溶融金属Mの撹拌や温度制御等のために吹き込まれるアルゴン等の不活性ガスや窒素ガスを例示することができる。吹き込まれたガスは、芯金2の中空部に形成される流通経路を経由して吐出口14(先端吐出部分233)から溶融金属M中に吐出される。
ここで、使用中のランスパイプLの溶融金属Mに浸漬されている曲管部13は、ガス導入による反力作用や溶銑の振動等による力を大きく受ける部分である。当該曲管部13には、芯金2の曲管部23の前記外側表面231をキャスタブル3で覆った曲管被覆層33が相当する。
また、キャスタブル3の曲管被覆層33のうち大径に湾曲する側の大径外側表面被覆層331aの下方には、該被覆層331aが、剥離、脱落し、溶融金属Mの容器Nの底に向かって沈降しようとするのを相殺する芯金2の前記大径外側表面231aを形成する管壁が存在しない。よって、前記振動等に起因して働く重力は、小径外側表面被覆層331bの場合よりも大きくなる。
また、芯金2の前記円弧部分234においては、大径円弧表面234aの方が小径円弧表面234bよりも弧長が長い。これらの大径又は小径の各円弧表面234a、234bは、それぞれキャスタブル3の大径又は小径の各円弧表面被覆層334a、334bに覆われている。そして弧長の差異に起因して、大径側の被覆層334aの方が体積、重量が大きくなる。よって、前記曲管被覆層33のうち大径外側表面被覆層331aには、小径外側表面被覆層331bよりも重力が大きく働く。
同時にガスの吹き出し中には、ガスが酸素の場合には、溶融金属Mに含まれる一部分の成分が酸化反応を起こして発熱し、ただでさえ高温の溶融金属Mの温度が更に上昇し、キャスタブル3を介して芯金2に伝熱され、キャスタブル3と芯金2とが、それぞれに異なる熱膨張率で膨張する。そして、芯金2の曲管部23の前記大径又は小径の各円弧表面234a、234bの弧長の長短に起因して、大径外側表面231aの方が、小径外側表面231bよりも、膨張前の元の弧長が長い分だけ膨張する(伸びる)実際の長さが長くなると考えられる。よって、曲管部23が熱膨張によってキャスタブル3の曲管被覆層33に及ぼす引張り応力は、更なる温度上昇に伴って膨張長さの差異が大きくなるにつれて、大径外側表面被覆層331aの方がより大きくなり得るので、当該被覆層331aに亀裂Cが生じ易くなると考えられる。
ここで芯金2の大径外側表面231aには、複数のY字型のスタッド41が所定の間隔を置いてそれぞれ溶接されている。該スタッド41は、前記アンカー部41cに充填されたキャスタブル3が大径外側表面231aから剥離し、溶融金属M中に沈降しようとするのを、前記係止開腕部41aにて保持する。つまり、曲管被覆層33の特に、大径外側表面被覆層331aにおける前述した各スタッド41の溶接ポイントごとの剥離、脱落が効果的に防止される(図4参照)。
また、各スタッド41の係止開腕部41aの先端部分が前記金網5の鉄線51と所々で係止しており、各スタッド41は金網5を介して芯金2の前記大径側外側表面231aの曲面に沿って連設されている。よって、前記大径外側表面231aの曲面を被覆する大径外側表面被覆層331aは、スタッド41及び金網5によって面状に保持される(図5参照)。よって、それぞれの溶接ポイントから離れた部分に亀裂Cが生じかけてもその拡大が抑制されて、一層、剥離、脱落が効果的に防止され、ランスパイプLの耐久性能向上を図れる。
ここで、上述したランスパイプLは、上記のスタッド41を溶接し、金網5を巻着した芯金2を型枠内に固定して、型枠内にキャスタブル耐火物を流し込む等の周知の施工方法で製造される。芯金2にスタッド41を溶接する際には、前記曲管部23の外側表面231において大径外側表面231aにのみにスタッドを溶接する最小限の作業を行うだけよいので、生産効率が向上する。
なお、スタッド41は、軸方向Hに沿って3列固設される形態について示したが、曲率半径が大きい(本実施形態ではr)側の外側表面231aに固設されていれば本第1の実施形態の範囲内で、列数に限られない。また、スタッドの係止開腕部41aが軸方向Hに沿って開腕する例を記載したが、これに限らず接線方向でもよく、また、軸方向Hに開腕するスタッドと、接線方向に開腕するものとの混合でもよく、この点については、後述する他の実施形態についても同様である。
次に、第2及び第3の各実施形態のランスパイプL、Lについて説明する。図6及び図7は、それぞれ第2及び第3の各実施形態のランスパイプについて、芯金に網材が巻着されてスタッドが固設される配置関係を示す断面図である。なお、以下の他の実施形態の説明では、第1実施形態のランスパイプLの各部分に対応する同一部分については、同一の符号を付して説明する。また、スタッドは略V字形のもの(スタッド42)について説明する。
第2実施形態のランスパイプLは、第1実施形態のランスパイプLと比較して、芯金2に対するスタッド42の配置は同じで、金網5を巻付ける配置が異なる実施形態である。すなわち、金網5は、芯金2の前記曲管部23の外側表面231でなく、前記直管部22の外側表面にのみ巻着されている。
この構成によれば、使用中のランスパイプLにおいてキャスタブルの剥離、脱落を最も招き易い部位(芯金2の大径外側表面231aを覆うキャスタブルの大径外側表面被覆層331a)には、スタッド42の配設により対策が講じられている。また、該スタッド42の芯金2への溶接作業は最小限で済むので効率的に製造できる。
そして、金網5は、第1実施形態のように、必ずしも芯金2の前記外側表面231に巻付けなくともよい。第2実施形態では、スタッド42が溶接されていない直管部22の外側表面に巻着された形態を示した。該金網5は、剥離、脱落しそうな直管被覆層32を保持する機能を有する。ランスパイプの製造時における芯金2への金網5の巻着作業は、溶接作業と比較すると容易である。よって、スタッドの溶接個所を増すよりは容易に、ランスパイプLの全長に亘ってキャスタブルの剥離、脱落防止を図れる。
第3実施形態のランスパイプLは、第2実施形態のランスパイプLと比較して、芯金2に対してスタッド42のみを同じく配置し、金網5が巻着されていない実施形態である。この構成によれば、上記の実施形態2と比較して更に金網5を巻き付ける作業が不要なので、製造効率の向上が図れる。スタッド42が取付けられているので耐久性は担保されており、ランスパイプの製造効率の向上が最優先で強く望まれる場合には、最も妥当なものを提供することができる。
次に、第4及び第5の各実施形態のランスパイプL、Lについて説明する。図8及び図9は、それぞれ第4及び第5の各実施形態のランスパイプL、Lについて、芯金に網材が巻着されてスタッドが固設される配置関係を示す断面図である。
第4実施形態のランスパイプLは、第1実施形態のランスパイプLと比較して、芯金2に対するスタッド42の配置が異なり、金網5を巻付ける配置は同じ場合の実施形態である。すなわち、スタッド42は、芯金2の前記曲管部23の外側表面231の全周(大径外側表面231a及び小径外側表面231b)に亘って等間隔で取付けられている。なお、周方向の取付け間隔は第1実施形態と同じなので、合計8列(中心角45度、図示せず)のスタッド42が軸方向Hに沿って取付けられている。また、各スタッド42の軸方向Hの配置間隔等は、第1実施形態のランスパイプL等と同じである。
ランスパイプの曲管部分13は、上述した通り、当該部分の全部が溶融金属M中に浸漬される部分なので、溶銑の振動等による力を大きく受ける部分である。ここで、前記曲管部分13に対応するキャスタブル3の曲管被覆層33は、その内周面の全周に亘って、金網5によって面状に連接された各スタッド42に保持される。よって、曲管被覆層33の剥離、脱落を防いで、ランスパイプLの耐久性がより高められている。芯金2の曲管部23の外側表面231にのみスタッド42を溶接する作業のみで済むので、生産効率の観点からも妥当なランスパイプを提供できる。
第5実施形態のランスパイプLは、第4実施形態のランスパイプLと比較して、芯金2に対するスタッド42の配置、金網5を巻付ける配置が共に異なる実施形態である。すなわち、各スタッド42は、芯金2の前記曲管部23のみでなく、直管部22であって曲管部と隣接する外側表面部分221に亘っても配置されている。また、金網5は、曲管部及び前記曲管部と隣接する各外側表面231、221について、全てのスタッド42を覆うように巻き付けられている。
第5実施形態のランスパイプLでは、その生産効率を一定水準求めつつも、耐久性向上が強く望まれる場合に、妥当なものを提供することができる。芯金2の曲管部23だけでなく、近接する直管部22(曲管部と隣接する外側表面部分221)にもスタッドが溶接されているので、耐久性が問題視されるランスパイプの当該部分の信頼性がより高められるからである。
なお、第5実施形態においては、芯金2の曲管部23の外側表面231及び曲管部と隣接する外側表面部分221の全周に亘ってスタッド42が配設される形態を示したが、大径側の各外側表面231a、221aのみでもよい。また、曲管部と隣接する外側表面部分221を超えた直管部22にスタッド42が配設される場合を除くものでない。
また、第4及び第5の各実施形態のランスパイプL、Lにおいて、金網5が巻着されていなくてもよく、金網5を巻着する配置についても、第2実施形態で述べたとり、スタッド42の配設位置によらない。
〜L:ランスパイプ
2:芯金
22:直管部
221:曲管部と隣接する外側表面
23:曲管部
231:外側表面
231a:大径外側表面
3:キャスタブル
41、42:スタッド
41a:係止開腕部
41c:アンカー部

Claims (5)

  1. 直管部と該直管部から湾曲して延設される曲管部とを有する金属製で円管状の芯金と該芯金の外周面を被覆する耐火物層とを備え、溶湯処理剤を溶融金属に供給するランスパイプであって、
    前記曲管部の少なくとも曲率半径が大きい外側表面に間隔を隔てて固設されかつ前記耐火物層に埋設された複数個のスタッド、
    を具備することを特徴とするランスパイプ。
  2. 前記スタッドは前記曲管部の前記曲率半径が大きい外側表面にのみ固設されている請求項1に記載のランスパイプ。
  3. 前記スタッドは前記曲管部の外側表面にのみ固設されている請求項1に記載のランスパイプ。
  4. 前記スタッドは前記曲管部の外側表面および前記直管部の前記曲管部と隣接する外側表面部分にのみ固設されている請求項1に記載のランスパイプ。
  5. さらに前記スタッドが固設された前記曲管部の外側表面又は前記スタッドが固設された前記曲管部の外側表面および前記直管部の前記曲管部と隣接する外側表面部分には、網材が巻着されかつ前記耐火物層に埋設されている請求項1乃至4に記載のランスパイプ。
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