JP6881403B2 - 支持材、耐火物構造体及び耐火物構造体の製造方法 - Google Patents

支持材、耐火物構造体及び耐火物構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、支持材で不定形耐火物が支持された耐火物構造体に関する技術であり、特に、支持材の構成に特徴を有する技術である。
製鉄所等において熱処理を行う加熱炉や熱設備では、耐熱のために耐火煉瓦や不定形耐火物が用いられる。
例えば、加熱炉におけるスキッドは、冷却水が流れる配管(支持体)の外周を覆うようにして不定形耐火物が設けられることで耐火物構造体を構成する。そして、外周側に位置する耐火物によって配管を熱から保護する。
従来の耐火物構造体は、配管(支持体)の表面から金属製支持材を突設し、その金属製支持材に不定形耐火物を支持させることで不定形耐火物を補強していた。ここで、金属製支持材は、スタッドやアンカーなどからなり、配管表面に溶接等で固定される。
また、耐火物支持材である金属製支持材の代わりとして、棒状の無機繊維質支持材を耐火物内部に設置して不定形耐火物を支持する方法が提案されている(特許文献1)。また、支持材として、金具に止められた無機繊維質からなるロープを使用する方法が提案されている(特許文献2)。
特開2004−2171号公報 国際公開2014/119632号
特許文献1に記載の耐火物構造体では、支持材としての棒状成形体を、耐火物の長手方向にプリテンションを掛けた状態で配置することを想定しているため、棒状成形体を配管表面に施工しても、耐火物厚み方向への支持材の突出量が小さい。このため、特許文献1に記載の棒状成形体では、耐火物を支持する十分な支持力が支持材に得られないおそれがある。また、耐火物の外周に棒状成形体を設けた場合には、炉内のスケールにより棒状成形体が浸潤され十分な強度を維持できないおそれがある。また、特許文献1に記載では、耐火物の内部に棒状成形体を設置するためには、耐火物構造体を形成するために不定形耐火物を流し込む際に、棒状成形体の形状を維持できるように事前施工をする必要がある。
また、特許文献2に記載の耐火物構造体では、無機繊維質なロープを支持材として使用する際にはロープを切断後、金属片でロープ端部をかしめ、その金属片を金属配管(支持体)に溶接する必要がある。この結果、特許文献2に記載の耐火物構造体では、耐火物の内部に無機繊維質以外に、熱膨張係数の大きい金属材料が埋設される。耐火物内に金属材料が埋設されている場合、その分、耐火物内部に発生する熱応力を下げることが出来ない。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、金属製の金具を用いなくても、支持材を簡易に不定形耐火物内に埋設でき、且つ耐火物厚み方向への支持材の突出量も簡易に稼ぐことが可能な支持材及びその支持材を用いた耐火物構造体を提供可能とすることを目的としている。
課題を解決するために、本発明の一態様の支持材は、支持体に巻き付け可能な長さの耐熱繊維ロープで構成される取付けロープと、上記取付けロープに対し巻き付け又は撚り合わせることで取り付けられると共に、上記取付けロープの軸方向とは異なる方向に延在する延在部を有する耐熱繊維ロープで構成される張出ロープとを有することを要旨とする。
また、本発明の他の態様の支持材は、耐火物構造体が使用される高温雰囲気で気化する材料で構成され、一端部が支持体表面に取り付けられて支持体表面から離れる方向に延びる突出体と、上記突出体に取り付けられる耐熱繊維ロープで構成される張出ロープと、を有することを要旨とする。
また、本発明の他の態様の支持材は、支持体に巻き付け可能な長さの耐熱繊維ロープで構成される取付けロープで構成され、取付けロープは、ロープの軸がロープの径方向に張り出す張出部分を有する形状に保持されている複数の小ロープで構成され、上記小ロープの端部同士を連結することで、上記支持体に巻き付け可能な長さを有することを要旨とする。
また、本発明の一態様は、支持材として上記の態様の支持材を用いた耐火物構造体であることを要旨とする。
本発明の態様によれば、簡易な構成によって、金属製の金具を用いなくても、支持材を簡易に不定形耐火物内に埋設でき、且つ耐火物厚み方向への支持材の突出量も簡易に稼ぐことが可能となる。
本発明に基づく第1実施形態に係る支持材を説明する斜視図である。 取付けロープの取付け例を説明する図である。 支持体としての配管に支持材を取り付けた状態を説明する図である。 張出ロープの取付けをより強固とする例を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る耐火物構造体を説明する図である。 ロープの芯材を高熱で気化する材料で構成される場合を説明する図である。 ロープのヤーンが高熱で気化する材料で被覆されている場合を説明する図である。 異形の小部品を説明する図である。 異形の小部品から取付けロープを構成する説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る耐火物構造体を説明する図である。 耐火物を分割する構造例を説明する図である。 実施例における取付けロープの取付け例と評価について説明する。 実施例の試験を説明する図である。 張出ロープの試験片形状を示めす図であって、(a)がリング形状の場合、(b)〜(d)が螺旋状の場合を示したものである。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各部品の大きさや長さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状及び構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが出来る。
耐火物構造体は、金属製の配管などからなる支持体と、支持体の表面に被着した不定形耐火物と、不定形耐火物に埋設されて当該不定形耐火物を支持・補強する支持材とを有する。
以下の説明では、耐火物構造体としてスキッドを想定し、支持体が金属製の配管からなる場合を例に挙げて説明する。本実施形態の耐火物構造体は、スキッドに限定されない。
(第1実施形態)
<支持材>
本実施形態の耐火物構造体用の支持材1は、図1に示すように、取付けロープ2と、張出ロープ3とを有する。
取付けロープ2は、耐熱繊維ロープで構成され、その長さが配管に巻き付け可能な長さとなっている。
取付けロープ2は、複数の耐熱繊維ロープから構成されていても良い。この場合、複数本の耐熱繊維ロープの端部同士を撚り合わせることで支持体に巻き付け可能な長さとなるように調整する。
取付けロープ2は例えば、図2に示すように、配管10の周方向に巻き付けたロープの一端部2a側に対し、他端部2b側を複数周巻き付けることで取り付ける。この場合、巻き付けは3周以上が好ましい。配管10への取付けロープ2の取付けはこれに限定されない。取付けロープ2の両端部同士を結んだり捻ったりして取り付けても良いし、取付けロープ2の一部を接着剤で配管に接着したり、取付けロープ2の端部同士を樹脂製の結束具で連結したりしても良い。ただし、金属製の結束具以外で連結する。なお、図2では、取付けロープ2に取り付けられている複数の張出ロープ3を省略している。
また、張出ロープ3も、耐熱繊維ロープで構成され、図1や図3のように、取付けロープ2に対し巻き付けたり撚り合わせたりことで取付けロープ2にそれぞれ取り付けられると共に、取付けロープ2の一端部側若しくは両端部を余らせて、取付けロープ2の軸方向とは異なる方向に延在して延在部3aを構成させる。
なお、張出ロープ3は、例えば図1に示すように、取付けロープ2に沿って間隔を開けて複数本、取付けロープ2に取り付けられている。
このとき、図4に示すように、樹脂性の結束バンド20で、張出ロープ3における巻き付け部分を覆うように取り付けたり、張出ロープ3における撚り合わせた部分を、リング形状の樹脂製クリップ21で止めたりすることで、張出ロープ3が取付けロープ2から更に外れ難くするようにしても良い。高熱で気化する樹脂を溶かして塗ることで、張出ロープ3を取付けロープ2に固定されるようにしても良い。
ここで、本実施形態において、「高熱で気化する」とは耐火物構造体が使用される高温雰囲気で気化することを指す。ここで言う「高熱」とは、常温よりも高く、耐火物構造体が使用される高温雰囲気よりも低い温度である。例えば高温とは、300℃以上を指す。高熱とは、100℃とか200℃でも構わない。高温で気化とは、耐火物構造体が加熱炉や熱設備で加熱される前には、樹脂(固形材料)が気化せず、加熱炉や熱設備での高温の温度雰囲気では気化することを指す。ここで、高熱で気化する固形材料は、樹脂に限定されず、他の材料であってもよい。
高熱で気化する樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂などの合成樹脂や天然樹脂が例示できる。
耐熱繊維ロープは、複数の無機質繊維で構成される。無機質繊維は、例えば、ガラスウール、岩綿、スラグウール、石綿、セラミック繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維などから構成すれば良い。加熱炉での使用を考えると、アルミナ繊維やシリカ繊維が好ましい。
耐熱繊維ロープは、例えば、複数本の無機質繊維を撚ることでヤーンを形成し、複数本のヤーンを撚り合わせてロープ状に加工することで構成される。中央部に芯材が配置される構成であっても良い。耐熱繊維ロープの構造は特に限定はない。
<耐火物構造体>
上記のような支持材1は、支持体である配管10に取付けロープ2を周方向に巻き付けることで、配管10に取り付けられる(図3、図5参照)。取付けロープ2の巻き付けは、配管10表面に沿って螺旋状に複数周巻き付けても良い。
配管10に巻き付けた取付けロープ2は、上述のように、配管10に接着剤で固着しても良いし、樹脂製の結束材で固定しても良い。結束材は高熱で気化性の樹脂で構成される材料でもよい。また、取付けロープ2の端部側に長めの張出ロープ3を設けておき、その張出ロープ3を配管10に巻き付けて結わくことで取り付けるようにしても良い。
なお、図5では、配管10に一つの支持材1を取り付けた状態を例示しているが、複数の支持材1を配管10に取り付けることが好ましい。
この状態では、取付けロープ2に巻き付けや結わくなどによって取り付けられている張出ロープ3には、支持体である配管10表面から離れる方向に、まっすぐ若しくは蛇行しながら延在する延在部3aが形成された状態となっている。
次に、配管10の外周に型枠50を設置して、型枠50内に、常温且つ流動状の不定形耐火物4をゆっくりと流し込む(図5)。そして、養生して不定形耐火物4が固化したら、型枠50を外すことで耐火物構造体としてのスキッドとなる。
<耐熱繊維ロープの変形例>
ここで、耐熱繊維ロープを、図6(a)に示すように、芯材30と複数のヤーン31で構成する場合、芯材30として、高熱で気化する樹脂を用いることが好ましい。
また図7(a)のように、耐熱繊維ロープを構成する1本以上のヤーン31が、高熱で気化する樹脂31bで被覆されていてもよい。図7(a)は、全てのヤーン31が、ヤーン本体31aを樹脂31bで被覆されてなる例であるが、一部のヤーン31だけが樹脂31bを設けた状態としても良い。また、芯材30を有するヤーン31の一部を高熱で気化する樹脂で被覆させておいても良い。
この場合、耐火物構造体を加熱炉(熱雰囲気)に設けられ、耐火物構造体に熱応力が負荷される環境において、ロープを構成し且つ高熱で気化する樹脂30、31bの部分が気化することで、ロープ内に空隙が形成される。
芯材30が高熱で気化する樹脂の場合、図6(b)のように、樹脂30の気化によってロープの中央部に空洞が形成される。この結果、ロープのヤーン31が熱膨張する際に、外周側のヤーン31が中央の空洞部に向けて熱膨張する。これによって、ロープの膨張によって発生する耐火物4への熱応力が緩和(低下)される。この結果、スキッドの長寿命化に繋がる。
同様に、図7(a)のように、各ヤーン31を高温で気化する樹脂31bでコーティングした場合も、図7(b)のように、気化によって樹脂31bで被覆したヤーン本体31aの外周に空隙が出来る。つまりロープ内に空隙が出来る結果、ロープの膨張による耐火物4への熱応力が緩和され、スキッドの長寿命化に繋がる。
<取付けロープ2の変形例>
ここで、取付けロープ2を、複数の小ロープ2Aから構成し、小ロープ2Aの端部同士を撚り合わせるなどによって順次連結することで、支持体である配管10に巻き付け可能な長さの取付けロープとしても良い(図9)。
このとき、各小ロープ2Aを、図8に示すように、ロープの軸がロープの径方向に張り出す張出形状の部分を有する形状に保持された構造とすることが好ましい。形状保持は例えば、硬化剤で硬化させるなど、公知の方法で実現すればよい。張出の形状は、特に限定されず、らせん形状やジクザグ状に蛇行した形状であってもよい。径方向への張出の幅が、例えばロープの直径の5倍以上10倍以下となるように設計する。
また、以上のような複数の小ロープ2Aは、一方向に向けて連結させても良いが、図9に示すように、2方向(2次元方向)に向けて連結して、網状に構成してもよい。そして、配管表面を覆うように、網状の取付けロープを巻き付けて支持材とする。
上記小ロープ2Aで取付けロープを構成する場合には、必ずしも張出ロープ3を設けなくても構わない。小ロープ2Aが張出ロープ3の役割を備える。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態と同様の部材には同一の符号を付して説明する。
本実施形態の支持材1は、図10に示すように、棒状又は板状等の突出体6と、突出体6の外周に巻き付けたりガイドされたりすることで突出体6に取り付けられる耐熱繊維ロープで構成される張出ロープ3とを有する。
突出体6は、高温で気化する固形材料(樹脂)で構成される。この突出体6に巻き付けるように張出ロープ3を取り付けて支持材を構成する。突出体6にスリットや穴を設け、そのスリットや穴にロープを通すことで、そのスリットや穴によって張出ロープ3を突出体6に取り付けるようにしても良い。
突出体6は、例えば外形形状が円筒形状や錐体形状などになっている。突出体6は、内部に中空を有すると共に上記中空を外気に連通する開口が複数形成されていることが好ましい。開口は、溶融状体の不定形耐火物4が流れ込み可能な大きさとする。例えば、突出体6は、メッシュ状(網状)の布状体を筒状に丸めることで形成する。この場合、内部に中空を有すると共に上記中空を外気に連通する開口が複数形成された構造となる。
<耐火物構造体>
支持体である配管10表面に、突出体6の一端部を固定して、当該突出体6を配管10から突出した状態とする(図10)。配管10への突出体6の固定方法は、接着剤で固定しても良いし、突出体6の一端部を一時的に溶融させて配管10表面に固着させたりしても良い。金属製の金具を使用しないで配管10表面に固定する。
次に、配管10の外周に型枠50を設置して、型枠50内に常温且つ流動状の不定形耐火物4をゆっくりと流し込む。そして、養生し不定形耐火物4が固化したら、型枠50を外すことで耐火物構造体としてのスキッドとなる。
ここで、第1実施形態のように張出ロープ3を設けた場合、張出ロープ3自体の剛性によっては、耐火物4の流し込みによる負荷で、張出ロープ3が流し方向に変形して耐火物4内に埋設される。このため、ロープの変形を小さくするためには、張出ロープ3自体の剛性を高くすることが好ましい。
これに対し、第2実施形態では、張出ロープ3が、突出体6に取付けさせることで、配管10の径方向(耐火物4の厚み方向)への突出長さを稼ぐことが出来ると共に、耐火物4の流し込みによる張出ロープ3の変形を抑えることも可能となる。すなわち、張出ロープ3に剛性を付与しなくても、張出ロープ3の変形を抑制出来ると共に配管10からの突出量を大きく設定できる。
また、突出体6内の中空部にも、耐火物4が流れ込み、突出体6が気化しても大きな空洞が耐火物4内に形成されることが防止されると共に、気化によって形成された空隙が、張出ロープ3が耐火物4から押された際に、耐火物4に付与する熱応力を緩和する働きをする。
ここで、第1実施形態の支持材1と第2実施形態の支持材1を併用しても構わない。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。
第1及び第2実施形態と同様の部材には同一の符号を付して説明する。
第3実施形態では、図11に示すように、板状の樹脂で構成される複数の隔壁9を用意し、その複数の隔壁9を、配管10の周方向に並べて配置する。各隔壁9は、配管10すなわち耐火物4の軸方向に沿って延びるように設ける。
各隔壁9は、内径側の端面が配管10に固定されている。固定は例えば接着剤で行う。隔壁9を構成する樹脂は高熱で気化する樹脂とする。また、隔壁9の厚みは1mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以下である。耐火物間の隙間が必要以上に形成されないようにするためである。
そして、支持材1として第1実施形態で説明した支持材1を採用し、その取付けロープ2を各隔壁9に取り付けさせたものである。図11では、小ロープ2Aで構成される取付けロープによって支持材1が構成される場合を例示している。
取付けロープ2の隔壁9への取付けは、例えば取付けロープ2を通過可能な穴やスリットを形成して、その穴やスリットにロープを取り付けさせればよい。この場合、取付けロープ2は張出ロープ3も兼ねる。
板状の樹脂で構成される隔壁9を用いて施工することで、不定形耐火物4を一定のサイズのブロックに分割して保持することが可能となる。そして、使用時に隔壁9が気化して、各ブロックの耐火物4間に隙間が形成され、耐火物4内部に発生する熱応力を軽減することが可能となる。
以上のように、本実施形態では、耐熱繊維ロープを金属製の金具で固定する代わりに、撚る又は巻きつけることなどにより耐熱繊維ロープで構成される支持材1を容易に耐火物4内に埋設可能となると共に、耐火物4の厚み方向へ突出した部分を簡易に設けることが出来る。
また、本実施形態では、樹脂で構成される突出体6に張出ロープ3を巻き付けるなどで当該張出ロープ3を突出体6に取り付ける。この構成によれば、張出ロープ3の剛性が低くても、簡易に、張出ロープ3による耐火物4の厚み方向への張出量を大きく設定できる結果、耐火物厚み方向への支持材1の突出量を稼ぐことが出来る。
また支持材1の一部を高熱で気化する材料で構成することで、支持材1から耐火物4への熱応力が緩和して、スキッドの長寿命化に繋がる。
アルミナ繊維からなる耐熱繊維ロープを配管に巻き付け且つ取付けロープ2の両端部を単純に巻きつけることで、耐熱繊維ロープが、どの程度の荷重まで保持することが出来るか、図12に示す概念図の方法で調査を行った。
今回の試験では外径Φ100mmの金属製の配管10の外周に、Φ5のアルミナ繊維からなる取付けロープ2を巻きつけた。配管10の上部位置において、取付けロープ2の一端部を、ロープの他端部側に3周螺旋状に巻き付けることで、取付けロープ2を固定した。そして、巻き付けた部位と反対側である配管下部位置でロープ2に荷重を与え、耐熱繊維ロープからなる取付けロープ2の保持力を測定した。
今回の試験では30kgまで荷重を与えたが、巻き付けた部位がすべったり、ほどけたりすることはなかった。また、巻き数を2巻きに変更し、再度試験を行った結果、25kgで巻き付けた部位がほどけ、取付けロープ2が配管10から落下した。このことから、与える荷重に応じて巻き付け回数を変更するだけで、耐火物4を支えるのに十分な保持力が得られることが確認できた。
また、耐熱繊維ロープの形状維持性を確認するため、図13に示す装置を使用し調査を行った。
試験は、アクリル管内部に約0.7kgの流動性を有する耐火物を充填し、300mm下部に試験片(張出ロープ3)を設置する。その後、アクリル管の下端開口を閉じていた仕切り板を取り外し、試験片に向けて耐火物を落下させて接触させる。この時に生じた試験片先端部側の変形量を比較した。
今回の試験で用いた試験片(張出ロープ3)の形状を図14に示す。
図14(a)は、張出ロープ3をリング形状に成形して一端側を固定した場合である。図14(b)は、張出ロープ3を螺旋状に成形して軸を取り付け面に平行に配置し一端を固定した場合である。図14(c)は張出ロープ3を螺旋状に成形して軸を取り付け面に平行に配置し一端側の中央位置で固定した場合である。図14(d)は、張出ロープ3を螺旋状とし、軸を取り付け面に平行に配置すると共に中央部に樹脂製の棒体を介装させた場合である。
なお、上記の4つの試験片形状において、試験片に硬化材の塗布なし、酢酸ビニル樹脂を塗布、エポキシ樹脂を耐熱繊維ロープ内部に設置した場合の3条件でそれぞれ測定を行った。
その結果、図14(a)〜(c)の場合、硬化材なしの試験片では20mm以上の変形が生じた。それに比べ、酢酸ビニル樹脂を塗布した試験片は10mm程度の変形しか生じなかった。このことから、耐熱繊維ロープ表面に樹脂を塗布することで、形状維持性が向上することを確認できた。 また、図14(d)のように、エポキシ樹脂製の棒体を試験片の中央部に設置した場合、試験片は全く変形しなかった。
以上から、硬化剤の塗布に比べ、樹脂製の固形物を耐熱繊維ロープの内側に固定する方が、張出ロープ3の変形を抑制できることを確認できた。
1 支持材
2 取付けロープ
2A 小ロープ
2a、2b 端部
3 張出ロープ
3a 延在部
4 不定形耐火物
6 突出体
9 隔壁
10 配管
30 芯材
31 ヤーン
31a ヤーン本体
31b 樹脂
50 型枠

Claims (11)

  1. 支持体と、上記支持体に被着した不定形耐火物と、上記不定形耐火物に埋設されて当該不定形耐火物を支持する支持材とを有する耐火物構造体に用いられる上記支持材であって、
    上記支持材は、
    上記支持体に巻き付け可能な長さの耐熱繊維ロープで構成される取付けロープと、
    上記取付けロープに対し巻き付け又は撚り合わせることで取り付けられると共に、上記取付けロープの軸方向とは異なる方向に延在する延在部を有する耐熱繊維ロープで構成される張出ロープとを有することを特徴とする支持材。
  2. 支持体と、上記支持体に被着した不定形耐火物と、上記不定形耐火物に埋設されて当該不定形耐火物を支持する支持材とを有する耐火物構造体に用いられる上記支持材であって、
    上記支持材は、
    上記耐火物構造体が使用される高温雰囲気で気化する固形材料で構成され、一端部が上記支持体表面に取り付けられて上記支持体表面から離れる方向に延びる突出体と、
    上記突出体に取り付けられる耐熱繊維ロープで構成される張出ロープと、を有することを特徴とする支持材。
  3. 上記突出体は、内部に中空を有すると共に上記中空を外気に連通する開口が複数形成されていることを特徴する請求項2に記載した支持材。
  4. 上記突出体は、複数の開口を有する布状体を筒状に丸めた形状から構成されていることを特徴とする請求項3に記載した支持材。
  5. 支持体と、上記支持体に被着した不定形耐火物と、上記不定形耐火物に埋設されて当該不定形耐火物を支持する支持材とを有する耐火物構造体に用いられる上記支持材であって、
    上記支持材は、上記支持体に巻き付け可能な長さの耐熱繊維ロープで構成される取付けロープを有し、
    上記取付けロープは、ロープの軸がロープの径方向に張り出す張出部分を有する形状に保持されている複数の小ロープで構成され、
    上記小ロープの端部同士を連結することで、上記支持体に巻き付け可能な長さを有することを特徴とする支持材。
  6. 上記耐熱繊維ロープは、中央部の芯材と、耐熱繊維で構成されるヤーンで構成され、
    上記芯材は、上記耐火物構造体が使用される高温雰囲気で気化する固形材料で構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した支持材。
  7. 上記耐熱繊維ロープは耐熱繊維で構成される複数のヤーンを有し、複数のヤーンの少なくとも1本は、上記耐火物構造体が使用される高温雰囲気で気化する固形材料で被覆されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した支持材。
  8. 支持材として請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した支持材を用いた耐火物構造体。
  9. 支持体は配管であることを特徴とする請求項8に記載した耐火物構造体。
  10. 請求項1又は請求項5に記載の支持材を用いた耐火物構造体の製造方法であって、
    取付けロープを支持体の外周に巻き付けることで支持材を支持体に支持させると共に、その外周側に型枠を配置し、
    上記配置した型枠内に不定形耐火物を流し込むことを特徴とする耐火物構造体の製造方法。
  11. 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の支持材を用いた耐火物構造体の製造方法であって、
    上記突出体の一端部を支持体の表面に固定させると共に、上記支持体の外周側に型枠を配置し、
    上記配置した型枠内に不定形耐火物を流し込むことを特徴とする耐火物構造体の製造方法。
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