JP7095665B2 - 耐火物構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、支持構造物の表面に不定形耐火物を設けた耐火物構造体に関する技術である。本発明は、その不定形耐火物を支持する支持材に特徴の一つがある。
耐火物構造体は、不定形耐火物の強度を向上させる目的で支持材が埋設される。
不定形耐火物用の支持材としては、金属製の金属支持材が一般的であるが、金属支持材の代わりとして、棒状の無機繊維質支持材(棒状成形体)を不定形耐火物内部に設置し不定形耐火物を保持する構成がある(特許文献1)。また、支持材として無機繊維質からなる耐熱繊維ロープを使用する構造体(特許文献2)もある。
特開2004-2171号公報 特開2014-145529号公報
しかし、特許文献1に記載のように、棒状成形体を金属配管(支持構造物)の表面(施工表面)に施工しても、金属配管からの棒状成形体の耐火物厚み方向への突出量が小さいため、不定形耐火物を支持する十分な支持力が得られないおそれがある。また、棒状成形体を耐火物構造体の外周側に施工した場合には、炉内のスケールにより棒状成形体が浸潤され、棒状成形体は十分な強度を維持できない。また、特許文献1に記載の方法は、不定形耐火物の内部に棒状成形体を所望の姿勢で設置するためには、施工時に不定形耐火物を流しこむ際、棒状成形体の形状が維持できるように、事前施工をする又は施工方法を別途考える必要がある。
また、特許文献2に記載の方法では、耐熱繊維ロープを支持材として使用する際に、耐熱繊維ロープを短く切断して使用する必要があると共に、その耐熱繊維ロープの端部を金属片でかしめて固定し且つ金属片を金属配管に溶接する必要がある。更に、金属片を介して設けた耐熱繊維ロープは、不定形耐火物の流し込み時に形状が変化しやすく、目的とする不定形耐火物位置に耐熱繊維ロープが埋設されていないおそれがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、簡易に目的とする配置位置に耐熱繊維ロープが不定形耐火物内に埋設された耐火物構造体を簡易に構成可能な技術を提供することを目的とする。
発明者は、不定形耐火物の内部に耐熱繊維ロープを耐火物厚み方向に固定可能な構造を検討し、それによって、耐熱繊維ロープの変形防止を可能とする支持材の設置方法を鋭意検討して、本発明を提案するものである。
課題解決のために、本発明の一態様の耐火物構造体は、支持構造物の表面である施工表面に被着した不定形耐火物と、上記不定形耐火物に埋設されて当該不定形耐火物を支持する支持材と、を有する耐火物構造体であって、上記支持材として、1又は2以上の耐熱繊維ロープを含み、ロープを引っ掛け可能な1又は2以上の掛止治具を有し、その掛止治具は、上記施工表面から突出し、上記耐熱繊維ロープは、その少なくとも一部が不定形耐火物の厚み方向に沿った方向に延在し、その延在するロープの上部位置若しくは下部位置の少なくとも一方が上記掛止治具に掛止されることでロープの延在方向が変更されており、上記耐熱繊維ロープは、上記施工表面側を基準として、少なくとも耐火物厚みの50%以上60%以下の範囲を延在する部分を有することを要旨とする。
また、本発明の他の態様は、予め設定した耐火物厚みを有する、上記記載の耐火物構造体の製造方法であって、上記施工表面を囲うように型枠を設置すると共に、ロープを掛止可能な掛止治具を上記施工表面に1又は2以上設置する工程と、耐熱繊維ロープの少なくとも一部を、型枠の上部側から底部側に延在させると共に、その延在させた耐熱繊維ロープの上部位置及び下部位置の少なくとも一方を上記掛止治具に掛止させることでロープの延在方向を変更させながら、当該耐熱繊維ロープを上記型枠内に配置する配置工程と、上記配置工程の後に、上記型枠内に不定形耐火物を流し込む工程と、を備えることを要旨とする。
本発明の態様によれば、耐火物厚み方向に延在させた状態の耐熱繊維ロープを不定形耐火物内に埋設させた耐火物構造体を、簡易に製造可能となる。
すなわち、本発明の態様によれば、不定形耐火物の保持に使用され支持材を、金属性支持材から無機繊維質な耐熱繊維ロープ状支持材に変更することで、不定形耐火物内部に発生する熱応力を低下させ不定形耐火物を長寿命化させることができる。また本発明の態様によれば、不定形耐火物が設ける面が平面での曲面でも関係なく、簡易な施工で、不定形耐火物の厚み方向に目的の配置で耐熱繊維ロープが配置され、しかも不定形耐火物を流し込んでも、その配置された耐熱繊維ロープの変形が抑制されるようにロープが掛止治具で拘束される。この結果、本発明の態様によれば、より不定形耐火物の長寿命化を図ることが可能となる。また、本発明の態様によれば、上記構成を採用することで、上記効果を奏しつつ、耐熱繊維ロープを自由に設置することが可能となると共に、複数本の耐熱繊維ロープをまとめて施工することが可能となり、施工時間を短縮することが可能となる。また、一本の耐熱繊維ロープを、不定形耐火物内に、従来に比べて大きいな3次元領域に配置可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る耐火物構造体を説明する模式的断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る耐火物構造体(但し不定形耐火物を省略している)を説明する模式的平面図である。 本発明に基づく実施形態に係る耐火物構造体の別例を説明する模式的断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る耐火物構造体の別例を説明する模式的断面図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る耐火物構造体の製造(施工)の一例を説明する模式的平面図である。 図5におけるフック及び横架材とロープとの関係の一例を示す斜視図である。 支持部の端部の取付け例を示す模式的正面図である。 支持部の端部の取付け例を示す模式的側面図である。 本発明に基づく実施形態に係る耐火物構造体の別例を説明する模式的断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る耐火物構造体の別例を説明する模式的断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る耐火物構造体の別例を説明する模式的断面図である。 ロープの配置例を示す模式的平面図である。 ロープの配置例を示す模式的平面図である。 プレキャストブロックの他の例を示す側面図である。 ロープの端部の配置例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、各部品の大きさや長さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状及び構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが出来る。
(耐火物構造体)
本実施形態の耐火物構造体は、図1に示すように、金属製の支持構造物1と、支持構造物1の表面に被着した不定形耐火物4と、不定形耐火物4に埋設されて当該不定形耐火物4を支持して補強する支持材とを有する。なお、図1における符号5は、耐火物構造体の施工(製造)のために使用される型枠5を示す。型枠5は、耐火物構造体が製造されれば、撤去される。また、図1では、支持材を構成する耐熱繊維ロープ3の端部3a,3bが不定形耐火物4から外部に出ている状態となっている。耐火物構造体の製造後、この外部に出ている耐熱繊維ロープ3の端部は、必要に応じて、切断すればよい。
図1では、支持構造物1として鉄板が例示され、支持構造物1の上面(表面)の全面が、不定形耐火物4を設ける施工表面1aとなっている場合を例示している。施工表面1aは、支持構造物1の上面(表面)の一部だけであってもよい。
施工表面1aは、平面に限定されず、球面や円筒面(図13参照)などの曲面であっても構わない。
(支持材)
本実施形態の支持材は、1又は2以上の耐熱繊維ロープ3からなる。
(掛止治具)
耐火物構造体は、1又は2以上の耐熱繊維ロープ3を引っ掛け可能な1又は2以上の掛止治具を有する。
掛止治具は、施工表面1aから突出するように配置される。各耐熱繊維ロープ3は、その少なくとも一部が不定形耐火物4の厚み方向に沿った方向に延在し、その延在するロープ3の上部位置若しくは下部位置の少なくとも一方が掛止治具に掛止されることで延在方向が変更されて不定形耐火物4内に配置されている。
ここで、厚み方向に沿った方向とは、施工表面1aに直交する方向のほか、厚み方向に斜めに向かう方向も含む意味である。以下の説明では、厚み方向に沿った方向を厚み方向と記載する場合もある。
施工表面1aからの支持材の高さが、不定形耐火物4の厚みHの60%未満では不定形耐火物4が十分に保持できないことが一般的に知られている。そのため、耐熱繊維ロープ3は、施工表面1a側を基準として不定形耐火物4の厚みの50%以上60%以下の範囲を少なくとも延在している部分を有するように、不定形耐火物4の厚み方向に延在させる。好ましくは、30%以上70%以下の範囲を延在するように耐熱繊維ロープ3を設定する。
<第1実施形態>
第1実施形態は、図1及び図2に示すように、掛止治具としてフック2を用いた例である。
第1実施形態では、複数のフック2が、施工表面1aに固定されている。フック2は1個であってもよい。複数のフック2は、例えば、平面視で格子状など等間隔で整列した配置パターンでも良いし、ランダムな配置パターンでもよい。
そして、耐熱繊維ロープ3(以下、単にロープ3とも記載する)が、図1に示すように、延在方向の途中部分(下部位置3c)をフック2に引っ掛けることで、不定形耐火物4の厚み方向にV字状に配置された場合を例示している。この例では、ロープ3の一端部3aが、型枠5の上端部に固定されて、不定形耐火物4の厚み方向に沿った方向に斜め下方に延在し、フック2に引っ掛けることで延在方向が変更されて、その変更点が下部位置3cとなる。更に、ロープ3は、斜め上方に延在し、ロープ3の端部3bが型枠5の上端部に固定されている。
このようにして、複数本のロープ3を同様に、不定形耐火物4の厚み方向にV字状等の配置パターンで設置した後に、型枠5内に不定形耐火物4を流し込む。そして、所定の養生後に型枠5を撤去することで、耐火物構造体が製造される。
ここで、施工表面1aからのフック2の張出量h1(高さ)は、フック2の熱膨張により不定形耐火物4に亀裂が発生するリスクを加味し、不定形耐火物4の厚みHの50%以下とすることが好ましい。より好ましくは、張出量h1は、不定形耐火物4の厚みの20%以下である。
上記のようにロープ3を、不定形耐火物4内を不定形耐火物4の厚み方向に延在するようにV字状に配置しても、両端部3a,3b及び延在方向の下部位置3c(変更点)が拘束されていることで、ロープ3の配置の変位が抑制される。このため、型枠5内に不定形耐火物4を流し込む際に、ロープ3の配置形状の変動を小さく抑えることができる。すなわち、所望の位置にロープ3を埋設させることができる。このことは、不定形耐火物4の長寿命化に繋がる。
また、一本のロープ3を例えば、不定形耐火物4における対向する側面間に簡易に配置することも可能である。このことからも、簡易に不定形耐火物4内にロープ3を配置出来ることが分かる。
また、図2に示すようにロープ3の配置の自由度は高い。符号3cは、ロープ3の延在方向の下部位置(引っ掛け位置)を表す。ロープ3は、例えば、平面視、格子状に配置する(不図示)。もっとも、複数のロープ3の配置パターンには限定はない。
例えば、一つのフック2に対し、複数のロープ3を引っ掛けて各ロープ3の延在方向を変更するような構成であって良い(図6参照)。
ここで、図1では、ロープ3の端部3a,3bを、型枠5の上端部に、図示しない接着剤や結束具で固定する例を示しているが、図15のように、型枠5の上部位置に切欠き5aを形成し、その切欠き5aにロープ3の端部を通して、ロープ3の端部を止めても良い。また、型枠5にロープ3が通過可能な穴を開口してロープ3の端部を通して止めても良い。この場合、製造された耐火物構造体において、ロープ3の端部は、不定形耐火物4の側面に位置する。また、ロープ3の端部は、型枠5の側面に固定しても良い。
図1では、ロープ3を、不定形耐火物4の厚み方向へ、V字状に配置する場合を示した。しかし、ロープ3の配置パターンはこれに限定されない。例えば、図3に示すように、不定形耐火物4の厚み方向に延在し、その延在方向の下部位置3cとなる部分を一つにフック2に引っ掛けて、ロープの延在方向を水平方向変え、更に他のフック2(図3中、左側のフック)に引っ掛けて上方に延在するように方向転換させた形状としてもよい。
また、図3では、型枠5の上部位置に横架材6を設け、その横架材6に、上方に延在するロープ3の上部位置3dを引っ掛けて、ロープの延在方向を下方に変更する場合を例示している。
横架材6は、紐形状の部品であって、型枠5の上部位置若しくは型枠5の上方において、横方向に延びるように配置されている。図3では、対向する型枠5間に掛け渡されるように配置されている。なお、横架材6は、水平に配置されている必要は無く、傾いて横方向に延在していても良い。横架材6の上下方向の傾きは、ロープが引っ掛け可能であれば、特に限定されない。
横架材6の、施工表面1aからの高さは、耐火物厚みHの60%以上が好ましい。
紐形状の横架材6は、例えば、針金から構成される。図3では、横架材6の端部が型枠5を貫通するように設けた例を示す。
横架材6は、例えば平面視、格子状に配置する(図5参照)。
そして、不定形耐火物4を上下に延在するロープ3の上部位置3dを横架材6の上部位置を通過するように引っ掛けることで、ロープ3の延在方向を下方に方向転換させる。
この構成では、不定形耐火物4を上下に延在する部分の下部位置がフック2によって、下方から上方に延在方向が方向転換され、不定形耐火物4を上下に延在する部分の上部位置3dが横架材6によって、上方から下方に延在方向が方向転換されるようにして、ロープ3が不定形耐火物4内に配置されることなる。
なお、横架材6に引っ掛けるロープ3の箇所(上部位置3dを構成)を、図4のように、複数箇所としても良い。
この場合、一本のロープ3における、不定形耐火物4を上下に延在する部分が複数形成され、その配置パターン通りに不定形耐火物4内にロープ3を配置することが出来る。
上記のようにロープ3を配置したら、不定形耐火物4を型枠5内に流し込む。その後、上記横架材6を不定形耐火物4から引き抜くことで除去から、不定形耐火物4の養生を行う。ここで、横架材6を抜いたことで形成される不定形耐火物4内の穴は、不定形耐火物4自体の重さや加振によって塞ぐことが可能である。また、不定形耐火物4は粘性が高いため、横架材6を抜いても、ロープ3の位置は余り変更されない。また、不定形耐火物4流し込み時の変形をより抑制するために、耐熱繊維ロープ3として、樹脂等で硬化させたロープ3を使用するようにしても良い。
ここで、紐状の横架材6として、可燃性の樹脂からなる紐を使用し、不定形耐火物4の使用時の熱によってその紐を燃焼させて除去させるようにしてもよい。
また、ロープ3の端部を、横架材6に結わくことなどによって、当該横架材6に固定しても良い。
また、図3及び図4では、横架材6が型枠5内を横断するように配置する場合を例示しているが、横架材6を、型枠5の上方に配置して使用しても良い。この場合、配置したロープ3の上部位置が不定形耐火物4よりも上方に位置する。製造した耐火物構造体において、不定形耐火物4の上方に張り出したロープ部分は、必要に応じて切断すればよい。
複数の横架材6を配置する例を、平面図である図5に示す。
この例では、矩形の枠体7に、複数の紐状の横架材6を格子状に設けたものである。そして、枠体7を、型枠5の上部位置に取り付ける。そして、上下に延在させるロープ3における、下部位置3cをフック2に引っ掛け、上部位置3dを横架材6に引っ掛けて、上記のように各ロープ3を上下にジグザグ状に配置した例である。
図5の例では、平面視において、型枠5に対し枠体7を45度傾けて設置して、平面視における型枠5と枠体7の干渉部分を少なくしている。枠体7に設けた各横架材6の高さは、型枠5の上端部よりも低くても良いし、型枠5の上方位置でも良い。枠体7は、予め型枠5の一部として作製しておいてもよい。
このとき、図6のように、一つのフック2に複数のロープ3を引っ掛けるようにしてロープ3を配置してもよい。
ここで、枠体7に対する紐状のロープ3に端部は、例えば図7及び図8のように、枠体7の外面に横架材6を巻きつける円筒体8を設け、その円筒体8への横架材6の巻取具合によって、各横架材6の張力を調整する。この場合には、不定形耐火物4の流し込みの後に、横架材6を巻き取って回収する。
また、不定形耐火物4の流し込み後、横架材6に関しては、耐熱繊維ロープ3を切断し格子状材料を取り除く方法、格子状材料を焼却する方法や格子状材料を破壊する方法、不定形耐火物4内部で溶解する方法が考えられる。格子状材料が不定形耐火物4内部に存在する場合は、設置した格子状材料は不定形耐火物4の流し込み後に、不定形耐火物4の外に引き抜くことで不定形耐火物4内部から格子状金枠を取り除くことが可能である。
ここで、上記横架材6は、ロープ3を引っ掛ける掛止治具で構成するが、製造された不定形耐火物4には存在しない部品である。
上記の耐熱繊維ロープ3は、張力をもって配置させる方が、耐火材の流し込みの際の変位が抑えられるため好ましい。もっとも、耐熱繊維ロープ3の多少の緩みをもって配置させても構わない。延在方向の下部位置3cや上部位置3d、つまりロープの延在方向の変化点が掛止治具で拘束されているため、その間の耐熱繊維ロープ3に多少の緩みがあっても、耐火材流し込みの際の変位は小さい。
<第2実施形態>
第2実施形態では、図9に示すように、掛止治具として、耐熱繊維ロープ3が通過可能な穴若しくは切欠きが形成されたプレキャストブロック10を有する場合の例である。図9の例では、プレキャストブロック10に、ロープ3を通過させる穴10aが開口している場を例示している。
プレキャストブロック10は、施工表面1aに載置されることで、施工表面1aから突出した状態で設定される。プレキャストブロック10の下面を、接着剤で施工表面1aに固定してもよい。
穴10a若しくは切欠きの位置h3は、施工表面1aを基準として、不定形耐火物4の厚みHの40%以下及び60%以上の少なくとも一方の高さに設定されていることが好ましい。好ましくは、30%以下及び70%以上の少なくとも一方の高さに設定される。
プレキャストブロック10の穴10aは、支持材を設置したい部位に穴10aをあけておく。図9の例では、上下に延在するロープ3の上部位置3eを掛止するために使用するため、不定形耐火物4の厚みの60%以上の位置に対しプレキャストブロック10の穴10aを設定する。
図9の例では、上下に延びるロープ3の下部位置をフック2に引っ掛けて延在方向の変更を行い、上下に延びるロープ3の下部位置をプレキャストブロック10の穴10aに通すことで、当該穴10aにロープ3を掛止させて、ロープ3の延在方向を下側に変更するようにしている。
使用するキャストブロックは、図10のように、複数使用しても問題ない。図10の例では、ロープ3の端部3bをフック2に結わくことで固定する例を示している。
ここで、プレキャストブロック10を施工表面1aに載置した状態だけでは、不定形耐火物4の流し込みの際に、プレキャストブロック10に対し必要以上の位置が変化する可能性がある。これに対し、図9や図10の場合には、プレキャストブロック10の穴10aを通過するロープ3の前後がフック2に掛止される結果、ロープ3の張力によってプレキャストブロック10に施工表面1aに押しつける荷重が付加させる。このため、不定形耐火物4の流し込みの際に、プレキャストブロック10が必要以上に位置変化することが抑制される。
また、図11に示すように、プレキャストブロック10の下部に穴10aを開口して、上下に延在するロープ3の下部位置を通過させるようにしても良い。この場合、このプレキャストブロック10の下部の穴10aがフック2の代わりとなる。
プレキャストブロック10の下部に穴10aは、不定形耐火物4の厚みの40%以下の位置に設けることが好ましい。40%より高い部位では耐熱繊維ロープ3と施工表面1aのなす角度が小さくなってしまうため、不定形耐火物4の支持が困難になるおそれがある。
また、図11のように、プレキャストブロック10の下部に穴10aを開口して、上下に延在するロープ3の下部位置3fを通過させる構成の場合、不定形耐火物を流し込んだ際にプレキャストブロック10が浮き上がる可能性があるため、プレキャストブロック10の上部位置にプレート11を設置し、プレキャストブロック10の上昇を抑制する必要がある。このとき、プレート11には、不定形耐火物4を流し込むための開口部を少なくとも1つ形成しておく。
<その他の構成>
ここで、図12や図13のように、不定形耐火物4内に配置したロープ3の端部3a,3b同士を、結んだり樹脂製の結束具などで連結したりして連結しても良い。なお、図13は、支持構造体が鋼管の場合の例であり、円筒状の施工表面1aに沿って、プレキャストブロック10を円周方向に沿って配置し、隣り合うプレキャストブロック10に設ける穴10aの位置を違いに違えた例である。この場合、径方向が不定形耐火物4の厚み方向となる。
図14に、プレキャストブロック10に穴10aの代わりに切欠き10bを設けた例を示す。図14では、プレキャストブロック10の両端部に切欠き10bを設けているが、切欠き10bは片側だけでも構わない。また、図11などに例示するプレキャストブロック10では、高さ方向の一方だけに穴10aが開口しているが、長手方向の両端部に穴10aを開口して、上部掛止用のプレキャストブロック10と下部掛止用のプレキャストブロック10の両方に適用可能としても良い。もっとも、図11などに記載の上部掛止用のプレキャストブロック10を、上下反転して使用すれば、下部掛止用のプレキャストブロック10として流用可能である。
また、横架材6の配置間隔やプレキャストブロック10の配置間隔は、密集しすぎていると、配置したロープ3が支持材として作用しずらくなるため、最低でも不定形耐火物4の厚みの半分以上のピッチで設置するのが好ましい。逆に、間隔が広すぎる際には支持力が低減してしまうおそれがあるため、間隔を広げても不定形耐火物4の厚みの4倍以内とするのが好ましい。
図1及び図2のような鋼板からなる支持構造体の上面に耐火物を施工することを想定して、木枠で容器を作成した。容器の底面にはフックを設置し、容器の上面には格子状の金枠(図5参照)を横架材として設置した。格子状の金枠は針金を直交するように組み合わせて作成した。針金の張りが不足している際には、図7のように、端部に設けた円筒体8に針金を巻き付け、張力を与えた。格子状金枠の上部位置に耐熱繊維ロープを這わせ、格子状金枠の隙間から木枠のフック2に耐熱繊維ロープ3を固定した。
そして、耐熱繊維ロープ3を設置した木枠に不定形耐火物4を流し込んだ。このとき、耐熱繊維ロープ3を変形せず形状維持が可能であった。また、格子状金枠が接触する部位の耐熱繊維ロープ3を切断することで、格子状金枠を不定形耐火物4から取り外すことができた。
また、不定形耐火物4の上部位置にロープ3が現れないよう、不定形耐火物4の厚みの70%の部位に格子状に組んだ針金を設置した。その後、ロープ3を設置した木枠に不定形耐火物4の流し込みを行った。流し込みを行った際に、ロープ3の変化などは生じなかった。また、不定形耐火物4の内部にロープ3の端部を設置することができた。また、各針金の端部を木枠の外に出しておくことで、不定形耐火物4の流し込み後に各針金を回収することが可能であった。ここで、針金を回収する作業が困難であれば、高温で気化する樹脂や水溶性の物質を使用し格子状の物質を横架材として作成する方法も考えられる。
格子状金枠の代わりに穴10aが開いているプレキャストブロック10に耐熱繊維ロープ3を通した。この実施例では不定形耐火物4施工厚みの20%と80%の部位に穴10aが開いているプレキャストブロック10を用いた。耐熱繊維ロープ3にプレキャストブロック10を複数通し、プレキャストブロック10の穴10a開き部が20%と80%を交互に設置し、耐熱繊維ロープ3をV字に施工した。
不定形耐火物4の流し込みを行ったがロープに大きな変化は表れなかった。使用するプレキャストブロック10の形状は、不定形耐火物4流し込み時の勢いで転倒リスクを軽減するためには、プレキャストブロック10が押さえつけられる面の接触面積が大きくなるよう設計するのが好ましい。また、流し込んだ不定形耐火物4をしっかりとプレキャストブロック10で保持するためには、耐熱繊維ロープ3を通さない部位において穴10a開き部を作成し空隙を大きくすることで、空間部位に不定形耐火物4が流れ込み、保持力が向上するよう設計することが好ましい。
1 支持構造物
1a 施工表面
2 フック(掛止治具)
3 耐熱繊維ロープ(支持材)
3a,3b 端部
3c、3f 下部位置
3d、3e 上部位置
4 不定形耐火物
5 型枠
6 横架材
7 枠体
10 プレキャストブロック(掛止治具)
10a 穴
10b 切欠き
11 プレート

Claims (10)

  1. 支持構造物の表面である施工表面に被着した不定形耐火物と、上記不定形耐火物に埋設されて当該不定形耐火物を支持する支持材と、を有する耐火物構造体であって、
    上記支持材として、1又は2以上の耐熱繊維ロープを含み、
    ロープを引っ掛け可能な2以上の掛止治具を有し、その掛止治具は、上記施工表面から突出し、
    上記耐熱繊維ロープは、その少なくとも一部が不定形耐火物の厚み方向に沿った方向に延在し、その延在するロープの上部位置若しくは下部位置の少なくとも一方が上記掛止治具に掛止されることでロープの延在方向が変更されており、
    上記耐熱繊維ロープは、2以上の上記掛止治具に掛止されることで、不定形耐火物の厚み方向に沿った方向に、ロープの延在方向が2回以上変更され、
    上記耐熱繊維ロープは、上記施工表面側を基準として、少なくとも耐火物厚みの50%以上60%以下の範囲を延在する部分を有することを特徴とする耐火物構造体。
  2. 上記掛止治具として、上記施工表面に固定されたフックを有し、上記耐熱繊維ロープは、上記フックに引っ掛けられることで延在方向が変更されており、
    上記施工表面からの上記フックの張出量が、耐火物厚みの50%以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載した耐火物構造体。
  3. 上記掛止治具として、上記耐熱繊維ロープが通過可能な穴若しくは切欠きが形成されたプレキャストブロックを有し、上記プレキャストブロックは、上記施工表面から突出した状態に配置され、
    上記耐熱繊維ロープは、上記耐熱繊維ロープの穴若しくは切欠きを通過して、延在方向が変更されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した耐火物構造体。
  4. 上記穴若しくは切欠きは、上記施工表面側を基準として、耐火物厚みの40%以下及び60%以上の少なくとも一方の高さに設定されていることを特徴とする請求項3に記載した耐火物構造体。
  5. 予め設定した耐火物厚みを有する、請求項1に記載の耐火物構造体の製造方法であって、
    上記施工表面を囲うように型枠を設置すると共に、ロープを掛止可能な掛止治具を上記施工表面に2以上設置する工程と、
    耐熱繊維ロープの少なくとも一部を、型枠の上部側から底部側に延在させると共に、その延在させた耐熱繊維ロープの上部位置及び下部位置の少なくとも一方を上記掛止治具に掛止させることでロープの延在方向を変更させながら、当該耐熱繊維ロープを上記型枠内に配置する配置工程と、
    上記配置工程の後に、上記型枠内に不定形耐火物を流し込む工程と、
    を備え
    上記配置工程で、耐熱繊維ロープを、2以上の上記掛止治具に掛止されることでロープの延在方向を2回以上変更することで、型枠の上部側から底部側に向けて延在させると共に型枠の底部側から上部側に向けて延在させて配置する、
    ことを特徴とする耐火物構造体の製造方法。
  6. 上記掛止治具として、上記施工表面に固定されたフックを有し、
    上記耐熱繊維ロープを、上記フックに引っ掛けることで延在方向を変更しながら配置し、
    上記施工表面からの上記フックの張出量が、耐火物厚みの50%以下である、
    ことを特徴とする請求項5に記載した耐火物構造体の製造方法。
  7. 上記掛止治具として、上記耐熱繊維ロープが通過可能な穴若しくは切欠きが形成されたプレキャストブロックを有し、
    上記プレキャストブロックを、上記施工表面から突出した状態に配置し、
    上記耐熱繊維ロープを、上記プレキャストブロックの穴若しくは切欠きに通過させて、ロープの延在方向を変更させながら配置することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載した耐火物構造体の製造方法。
  8. 上記プレキャストブロックを上記施工表面上に配置した際、上記穴若しくは切欠きの位置が、上記施工表面を基準として、耐火物厚みの40%以下及び60%以上の少なくとも一方の高さに位置することを特徴とする請求項7に記載した耐火物構造体の製造方法。
  9. 上記配置工程において、上記型枠の上部位置若しくは型枠よりも上方に、横方向に延びる紐形状の横架材を1又は2以上設け、上記耐熱繊維ロープの上部位置を上記横架材に引っ掛けることで、ロープの延在方向を下方に変更することを特徴とする請求項5~請求項8のいずれか1項に記載した耐火物構造体の製造方法。
  10. 上記型枠内に不定形耐火物を流し込んだ後に、上記横架材は、上記不定形耐火物から除去されることを特徴とする請求項9に記載した耐火物構造体の製造方法。
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