JP4509954B2 - 配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、配線基板に係り、特に、差動信号を分岐する分岐配線を有する配線基板に係わる。
近年、パソコンが扱うデータが高精細画像など大容量になり、処理能力の向上が望まれている。そのため、CPUのクロック周波数の高速化が進み、かつ、周辺ICへのバス配線やクロック線、データ線などが高速かつ高密度になり、不要輻射ノイズ、すなわち、EMI(Electro Magnetic Interference)が問題となってきている。
また、デジタル機器において、システムのクロック信号やデータ信号の高調波成分が不要放射ノイズや伝導エミッションの直接的な要因となる。このような信号が引き起こす高周波電流が、システム内の導線、プリント基板、筐体に流れ込んだ場合の非意図的なアンテナの放射特性も、不要放射ノイズの要因となる。これらを、根源からなくすことが、これからのEMI対策に望まれている。
CPUと複数のメモリ間でデータを送受したり、電子機器によりディスプレイを駆動したりする場合、1つの送信側ICから複数の受信側ICを駆動することが多い。この場合、1本の信号配線を複数の配線に分岐する分岐配線が用いられる。分岐配線では、配線の分岐部等で信号が反射して高調波成分が重ね合わされることで、高調波ノイズが増大し、EMIの原因となる可能性がある。
そのため、分岐配線として、差動信号を伝送する差動信号線(例えば、小振幅差動信号を伝送するRSDS(Reduced Swing differential signal)配線)を用いる手法が、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))の駆動などに利用されるようになって来ている。一対の差動信号線間で電界が閉じるため、EMIが小さくなる。
なお、一般的にEMIを低減する手法として、シールドグラウンドを回路上に置くことにより、電磁界を外部に漏洩させない手法がある。例えば、スルーホールにより、シールドグラウンドと基板グラウンドを接続するという手法がある(特許文献1参照)。
特開2003−347692号公報
差動信号線において、信号の立ち上がりと立下りのアンバランス等でコモンモードノイズが生じると、グラウンド面をリターン電流が流れ、EMIの原因となる。この場合、分岐配線では分岐配線それぞれからのコモンモードノイズが重ね合わされて、EMIが増大する可能性がある。
上記に鑑み、本発明は分岐された差動配線での放射ノイズの低減を図った配線基板を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る配線基板は、第1の基板と、前記第1の基板に配置され、一対の差動信号を供給する送信素子と、前記第1の基板に配置され、前記差動信号が供給される接続点をそれぞれ有する一対のバス配線と、前記第1の基板に配置され、前記一対のバス配線それぞれの少なくとも一端と電気的に接続される終端抵抗と、前記第1の基板に配置され、前記バス配線から分岐されるN対の第1の分岐配線と、第2の基板と、前記第2の基板に配置され、前記N対の第1の分岐配線それぞれと電気的に接続されるN対の第2の分岐配線と、第3の基板と、前記第3の基板に配置され、前記N対の第2の分岐配線それぞれと電気的に接続されるN個の受信素子と、を具備し、前記第1の分岐配線のコモンモードインピーダンスZ1、前記第2の分岐配線のコモンモードインピーダンスZ2が次の関係(0.8・Z1≦Z2≦1.2・Z1)にあることを特徴とする。
分岐された差動配線での放射ノイズの低減を図った配線基板を提供できる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る配線基板100を表し、特に、第1、第2の配線基板110,120においては、第1の絶縁層111、122の上面図を示している。図2A〜図2Cは、第1の配線基板110の第2の絶縁層112〜第4の絶縁層114の上面を表す上面図である。図3A〜図3Cはそれぞれ、配線基板100を図1のA1−A2、B1−B2,C1−C2に沿って切断した状態を表す断面図であり、それぞれコプラナ線路、マイクロストリップ線路、ストリップ線路が表される。
配線基板100は、第1、第2、第3の配線基板110、120(120(1)〜120(N))、130を有する。ここで、Nは分岐の数である。なお、図1は、N=6の場合を表すが、分岐数は6に限られないので、以後もNによって分岐数を表すこととする。
第1の配線基板110は、例えば、プリント基板であり、層をなして配置される第1〜第4の絶縁層111〜114、保護層115,電源電極層(電源面)116,接地電極層(グラウンド面)117、駆動用IC141、差動信号配線142、差動信号バス配線143(143a,143b)、終端抵抗144、分岐信号配線145(145(1)〜145(N))、電源配線146,分岐電源配線147(147(1)〜147(N))、接地配線148(148(1)〜148(N))を有する。
第1〜第4の絶縁層111〜114は、層間での絶縁性を確保し、配線等を多層に配置するためのものであり、これらの上に配線等のための層が配置される。
第1の絶縁層111上には、紙面垂直方向の配線(分岐信号配線145、分岐電源配線147、接地配線148)が多い層が配置される。第2の絶縁層112上には、電源電極層(電源面)116および電源配線146の層が配置される。第3の絶縁層113上には、水平方向の配線(差動信号バス配線143a)が多い層が配置される。第4の絶縁層114上には、接地電極層(グラウンド面)117が配置される。水平方向と垂直方向の信号線を別の層に配置することで、配線の交差によるショートを防止している。
保護層115は、第1の絶縁層111上に配置される配線(例えば、差動信号配線142、差動信号バス配線143b)等を外界から保護するためのものである。
電源電極層(電源面)116は、第2の絶縁層112上に配置され、後述のレシーバIC131等に電源電圧を供給するための層である。電源電極層116は、差動信号配線(差動信号バス配線143および分岐信号配線145)の直下には配置されていない。第1の配線基板110でのコモンモードインピーダンスを調整するためである。なお、この詳細は後述する。
接地電極層117は、第4の絶縁層114上に配置され、レシーバIC131等を接地するための層である。また、接地電極層117は、分岐信号配線145からのコモンモードノイズによる放射を低減するために配置される。一対の分岐信号配線145が差動信号を伝達していることから、信号の伝達自体に接地電極層117は必ずしも必要ではない。しかし、波形の立ち上がり、立下りのアンバランス等で生じた同相成分のノイズによるコモンモードノイズが発生する可能性がある。コモンモードノイズは、小さな電流でも大きな放射を引き起こす原因となるため、接地電極層117を分岐信号配線145に対向して配置し、放射を低減している。
駆動用IC141(送信側IC)は、第1の絶縁層111上に配置され、後述のレシーバIC131を駆動するためのものであり、差動信号を出力する出力端を有し、差動信号出力素子として機能する。駆動用IC141から出力される信号は、例えば、所定のクロック周波数に基づくデジタル波形である。
差動信号配線142は、互いに略並列に近接して配置される1対の配線からなり、第1の絶縁層111上に配置され、駆動用IC141と、差動信号バス配線143とを電気的に接続する。
差動信号バス配線143(143a,143b)は、互いに略並列に近接して配置される1対の配線からなり、差動信号を伝送し、分岐信号配線145へと分岐するためのバス配線である。差動信号バス配線143a,143bはそれぞれ、第3の絶縁層113上および第1の絶縁層111上に配置され、スルーホールで互いに接続される。本実施形態では差動信号バス配線143aの右端に差動信号配線142が接続される接続点が配置される。
終端抵抗144は、第1の絶縁層111上に配置され、差動信号バス配線143bの左端に接続され、これを終端して、差動信号バス配線143の端部での信号の反射を低減する。なお、後述のように、差動信号バス配線143aの端部以外に差動信号配線142が接続される場合には、終端抵抗144は差動信号バス配線143の両端それぞれに配置される。
分岐信号配線145(145(1)〜145(N))は、第1の絶縁層111上に配置され、差動信号バス配線143と、後述のレシーバIC131とを接続するための配線である。分岐信号配線145は、N個のレシーバIC131それぞれ一対の差動入力端子に応じて、N対が配置される。
電源配線146は,第2の絶縁層112上に配置され、電源電極層116と分岐電源配線147とを接続するための配線である。
分岐電源配線147(147(1)〜147(N))は、第1の絶縁層111上に配置され、電源配線146と、後述のレシーバIC131とを接続するための配線である。分岐電源配線147は、N個のレシーバIC131に応じて、N本が配置される。
接地配線148(148(1)〜148(N))は,第1の絶縁層111上に配置され、スルーホールを通じて接地電極層117に接続される。接地配線148は、後述のレシーバIC131と接地電極層117とを電気的に接続する。
第2の配線基板120(1)〜120(N)は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)基板であり、絶縁層121、保護層122を有し、その間に分岐信号配線125(125(1)〜125(N)))、分岐電源配線127(127(1)〜127(N)))、接地配線128(128(1)〜128(N))が配置される。
なお、第2の配線基板120は、第1の配線基板110と異なり、接地電極層を有しない。第2の配線基板120が接地電極層を有すると、その厚さが増大し、曲げが困難になるからである。
N対の分岐信号配線125はそれぞれ、N対の分岐信号配線145と接続される。
分岐電源配線127は、分岐電源配線137と、分岐電源配線147とを電気的に接続する。
接地配線128は、接地配線138と、接地配線148とを電気的に接続する。
第3の配線基板130は、例えば、ガラス基板であり、レシーバIC131(131(131(1)〜131(N))、分岐信号配線135(135(1)〜135(N))、分岐電源配線137(137(1)〜137(N))、接地配線138(138(1)〜138(N))が配置される。
レシーバIC131は、例えば、液晶ドライバICであり、第3の配線基板130上に、例えば、COG(Chip on Glass)で実装される。COGは、半導体のチップ(レシーバIC131)をガラス基板(第3の配線基板130)に直接実装する方法である。
分岐信号配線135は、レシーバIC131と分岐信号配線145とを電気的に接続する配線である。
分岐電源配線137は、レシーバIC131と分岐電源配線147とを電気的に接続する配線である。
接地配線138は、レシーバIC131と、接地配線128とを電気的に接続する配線である。
駆動用IC141からの信号が、差動信号バス配線143、分岐信号配線145,125、135を経由して、レシーバIC131に伝送され、その後、接地配線138、128,148を経由して、接地電極層117で終端される。
N個のレシーバIC131それぞれに応じて、差動信号バス配線143がN対の分岐信号配線145,125に分岐され、分岐信号配線145,125それぞれの特性インピーダンスに応じて、電流が流れる。
(等価回路モデル)
図4は、配線基板100の等価回路モデルを表す図である。
本図では、差動信号バス配線143のコモンモードインピーダンスをZ1xcoとし、分岐信号配線145、125,135それぞれのコモンモードインピーダンスをZ1yco、Z2co、Z3coとしている。
このとき、配線基板100からの放射を低減するためには、次の式(1)を満たすことが好ましい。
0.8×Z1yco≦Z2co≦1.2×Z1yco …(1)
ここで、コモンインピーダンスは、一対の差動信号配線(例えば、差動信号バス配線143および分岐信号配線145)に同相の電流が流れる場合のインピーダンスをいう。なお、差動インピーダンスは、一対の差動信号配線に逆相の電流が流れる場合のインピーダンスをいう。
一般にコモンモードインピーダンスが不連続な境界では反射が生じ、グラウンド(本実施形態では、接地電極層117)にそのリターン電流の不連続成分が流れる。本実施形態では式(1)を満たすことにより、分岐信号配線145、125間での反射が低減され、接地電極層117に流れるリターン電流が小さくなる。その結果、配線基板100内での共振が抑制され、ひいては配線基板100からの放射が低減される。
(比較例)
以下、比較例との対比により、本実施形態の有効性を説明する。
図5は、本発明の比較例に係る配線基板100Xを表す上面図であり、図1に対応する。図6A〜図6Cは、第1の配線基板110Xの第2の絶縁層112〜第4の絶縁層114の上面を表す上面図であり、図2A〜図2Cに対応する。図7A〜図7Cはそれぞれ、配線基板100Xを図5のA1−A2、B1−B2,C1−C2に沿って切断した状態を表す断面図であり、図3A〜図3Cに対応する。
比較例に係る配線基板100Xは、第1、第2、第3の配線基板110X、120(120(1)〜120(N))、130を有する。
図7B、図7Cに示されるように、配線基板100Xは、4層構成で上から1層目、3層目に信号層が、2層、4層目に電源層、グラウンド層が配置される。配線基板100Xは2層目に電源層が配置される。これに対して、図3B、図3Cに示したように配線基板100では2層目に電源層が配置されない。
以上のように,配線基板100Xでは、電源電極層(電源面)116Xが差動信号配線(差動信号バス配線143および分岐信号配線145)の直下にも配置されている。これ以外の点では、配線基板100Xは、配線基板100と本質的には同様であるので、詳細な説明を省略する。
差動インピーダンスは、一対の差動信号配線(例えば、分岐信号配線145)間に逆相の信号を流すことを前提とするから、これらの差動配線間で電気力線が閉じ、グラウンド面(例えば、接地電極層117)の配置の影響を比較的受けにくい。一方、コモンモードインピーダンスは、一対の差動信号配線(例えば、分岐信号配線145)間に同相の信号を流すことを前提とするから、差動信号配線とグラウンド面(例えば、接地電極層117)間に電気力線が生じる。このため、グラウンド面と差動信号配線間の距離により、コモンモードインピーダンスが大きく変化する。
スペクトラムドメイン法を用いたシミュレータにより、比較例での差動インピーダンス、コモンモードインピーダンスを算出した。
例えば、図7Aにおいて、分岐信号配線125の幅w1および接地配線128の幅w2を100μm、一対の分岐信号配線125間の距離d2を110μm、分岐信号配線125と接地配線128間の距離d2を110μm、絶縁層121をポリイミド(比誘電率ε=3.3)とする。すると差動インピーダンスZ2dfが144Ω、コモンモードインピーダンスZ2coが87Ωとなる。
図7Bにおいて、分岐信号配線145の幅w3を100μm、一対の分岐信号配線145間の距離d3を100μm、分岐信号配線145と接地電極層117の厚み方向の距離t3を180μmとする。すると差動インピーダンスZ1ydfが99Ω、コモンモードインピーダンスZ1ycoが49Ωとなる。
図7Cにおいて、分岐信号配線143の幅w4を100μm、一対の分岐信号配線143間の距離d4を100μm、分岐信号配線143と電源電極層116X間の厚み方向の距離t4および分岐信号配線143と接地電極層117間の厚み方向の距離t4の双方を180μmとする。すると差動インピーダンスZ1xdfが79Ω、コモンモードインピーダンスZ1xcoが32Ωとなる。
図8は、比較例に係る配線基板100Xにおいて、コモンモードインピーダンスの不連続等により生じた接地電極層117内の高周波電流を表す模式図である。
駆動用IC141からの信号S0が分岐信号配線145(6)で分岐され信号S06となり、この信号S06が信号配線間(例えば、分岐信号配線145、125間)で反射されることで、リターン電流S16が発生し、接地配線128(6)および接地電極層117に流れる。
即ち、第1の配線基板110Xと第2の配線基板120のコモンモードインピーダンスZ1yco、Z2coが異なると、これらの境界で信号が反射される。この結果、第2の配線基板120の接地配線128と第1の配線基板110Xの接地電極層(グラウンド面)117にリターン電流が流れる。
また、第1の絶縁層111上の分岐信号配線145は第2の絶縁層112上の電源電極層(電源面)116Xに近いため、分岐信号配線145、125でのコモンモードインピーダンスの不連続によるリターン電流は電源電極層116Xにも流れる。そのため、第1の配線基板110の第2層(電源電極層116X)と第4層(接地電極層117)の両方に水平方向の電流勾配が生じる。これらは6対の分岐信号配線145すべてに生じるので、それらが足し合わされ、電源電極層116X(電源グラウンド面)に大きな高周波電流が流れ、配線基板100X全体でλ/4共振が生じる可能性が高くなる。
(本実施形態と比較例の対比)
本実施形態において、放射が低減するメカニズムについて説明する。
図3Aにおいて、分岐信号配線125の幅w1および接地配線128の幅w2を100μm、一対の分岐信号配線125間の距離d2を100μm、分岐信号配線125と接地配線128間の距離d2を110μm、絶縁層121をポリイミド(比誘電率ε=3.3)とする。すると差動インピーダンスZ2dfが144Ω、コモンモードインピーダンスZ2coが87Ωとなる。
図3B、図3Cに示したように、配線基板100は、4層構成で上から1層目、3層目に信号層が、2層目には電源層がなく、4層目にグラウンド層が配置される。配線基板100、100Xは、2層目での電源層の配置の有無が異なる。
図3Bにおいて、分岐信号配線145の幅w3を100μm、一対の分岐信号配線145間の距離d3を110μm、分岐信号配線145と接地電極層117の厚み方向の距離t3を180μmとする。すると差動インピーダンスZ1ydfが105Ω、コモンモードインピーダンスZ1ycoが82Ωとなる。
図3Cにおいて、分岐信号配線143の幅w4を100μm、一対の分岐信号配線143間の距離d4を110μm、分岐信号配線143と接地電極層117間の厚み方向の距離t4を180μmとする。すると差動インピーダンスZ1xdfが79Ω、コモンモードインピーダンスZ1xcoが43Ωとなる。
以上より、配線構造が異なるとコモンモードインピーダンスが変化することがわかる。本実施形態と比較例では、電源電極層116の配置が異なることから、インピーダンス、特にコモンモードインピーダンスZ1yco、Z1xcoが相違している。
比較例の断面形状と比べて、本実施形態では、第1の配線基板110における垂直方向の分岐信号配線145のコモンモードインピーダンス(図3B)と第2の配線基板120の分岐信号配線125のコモンモードインピーダンス(図3A)が近い値であることがわかる。
既述のように、第2の配線基板120は、第1の配線基板の電源電極層116、接地電極層117に対応する電極層(特に、分岐信号配線125と対向する導体層)を有しない。第1の実施形態では、第1の配線基板において、分岐信号配線145が配置された領域に電源電極層116、接地電極層117を配置しないか、あるいはできるだけ距離を離して配置している。この結果、第1の実施形態では、第1、第2の配線基板でのインピーダンスの決定要素を揃えることで(電源電極層116、接地電極層117の影響の低減)、インピーダンス、特に、コモンモードインピーダンスを近づけている。
図9は、本実施形態に係る配線基板100において、接地電極層117を流れる高周波電流を表す模式図である。
図9において、第2の配線基板120上には差動の分岐信号配線(差動信号線)125と接地配線(グラウンド線)128と分岐電源配線127が略並列に敷設されている。分岐信号配線125のコモンモードインピーダンスのアンバランスにより生じたリターン電流は分岐信号配線125と対向するグラウンドがないことから、接地配線128を伝送する。図9の点線は、リターン電流を示す。
第2の配線基板120と第1の配線基板110では層構成が異なる。第2の配線基板120と第1の配線基板110の境界部で差動インピーダンス、コモンモードインピーダンスの不連続が生じる。第2の配線基板120上の差動信号配線(分岐信号配線125)のコモンモード電流に対応し、コモンモードインピーダンスの不連続に起因するリターン電流が第2の配線基板120上では接地配線128を伝送し、第1の配線基板110上では4層目の接地電極層(グラウンド面)117を伝送する。
この接地電極層117を流れるコモンモード電流は、図9のN対の分岐信号配線135(1)〜135(6)に対応して,第1の配線基板110と第2の配線基板120の境界部の基板端に存在し,6箇すべての分岐でほぼ同時に生じる。それらの電流はグラウンド線の引き出し部から差動信号線に向かうため、分岐前配線143bと同じ水平方向に生じる。
図9の第1の配線基板110の端に図示した点線の位置のグラウンド面にいっせいに電流が生じるため、経路の長いグラウンド電流が生じる。また、それらコモンモード電流は近くの電源面にも影響を及ぼす。
差動信号バス配線143bにおいて、波形の立ち上がり、立下りのアンバランスなどにより生じたコモンモード電流については、直下にグラウンド面、電源面があるので、差動信号バス配線143bの直下の電源グラウンド面にリターン電流が流れる。
これらより、第1、第2の配線基板110,120にコモンモードインピーダンスの不連続が生じている場合に、電源グラウンド面において、基板端部と基板中央の両者に電流が生じることにより、大きな高周波電流ループが生じる。このループが大きな不要放射磁界ノイズを引き起こす。
図8においても、図9と同様に、第2の配線基板120上には分岐信号配線(差動信号線)125と接地配線(グラウンド線)128と分岐電源配線127が略並列に敷設されている。しかし、図8において、第2の配線基板120と第1の配線基板110では層構成が異なるが、本実施形態ではコモンモードインピーダンスを合致させる。すると、第2の配線基板120と第1の配線基板110の境界部において、図9において生じていた基板端の水平方向のリターン電流が図8においては生じなくなる。
そのため、第1の配線基板110においても差動配線と略並行にグラウンド電流が流れる。そして、差動信号バス配線143bのグラウンド面のリターン電流経路に連続的につながる。図8の高周波電流ループは図9に比べると小さいため、図8の方が不要放射磁界ノイズが低減する。特に、基板の長手方向をλ/4とする共振周波数である200MHzにおいて、図10、図11より放射磁界ノイズが低減していることがわかる。
本実施形態では、分岐信号配線145、125でのインピーダンス不連続による反射が生じないため、リターン電流(水平方向の高周波電流)が生じない。言い換えると、第1の配線基板110内の水平方向の差動信号バス配線143と垂直方向の分岐信号配線145において、水平方向の高周波電流勾配が生じない。そのため、配線基板100で共振は起こらないため、放射強度が低減される。
図10、図11はそれぞれ、第1の実施形態および比較例での放射強度の水平成分および垂直成分の周波数依存性の例を表すグラフである。図10,11の実線および破線のグラフが第1の実施形態および比較例に対応する。図10、図11を比較することで、特に200MHzでの放射強度が水平方向、垂直方向とも低減していることが判る。
第1の実施形態および比較例で、第1の配線基板110の長さL0を160mm、比誘電率εを4.8とすると、λ/4共振時の共振周波数fは次の式(2)で表される。
f=V/λ …(2)
=(3×10/√4.8)/(0.16×4)
=214MHz
ここで、V:配線上での信号の伝達速度
λ:信号の波長
以上から、本実施形態では、第1の配線基板110(より正確には、差動信号バス配線143)の長さL0をλ/4とする共振が低減していることがわかる。200MHz近傍は、駆動用IC141から出力される差動信号のクロック周波数の6次高調波程度に相当する。このように、比較的低次の高調波成分をノイズ源にもつ周波数帯で放射を低減することは有効である。
λ/4の共振を低減するためには、分岐信号配線145,125,とりわけ、末端の分岐信号配線145(6),125(6)でのコモンモードインピーダンスを一致させることが有効である。
(第1の変形例)
上記実施形態では、分岐位置が6:0の一筆書き配線について述べた。即ち、上記実施形態では、差動信号バス配線143の端部に差動信号配線142が接続され、差動信号バス配線143および差動信号配線142が全体として1対の差動信号配線を構成する。このような一筆書き配線の場合、分岐信号配線145の分岐位置によって信号の反射量が異なるため、紙面水平方向の放射強度が大きくなりやすい。
図12は、本発明の第1の変形例に係る配線基板100Aを表す上面図であり、図1に対応する。
ここでは、分岐信号配線145の分岐位置の中間に、差動信号バス配線143への差動信号配線142の接続位置が配置されるT字配線が示される(図12では3:3の分岐比)。T字配線の場合、差動信号配線142の接続位置に関して、分岐信号配線145の分岐位置の対称性が高い。従い、それぞれの分岐位置で反射が起こっても左右での反射が打ち消しあい、水平方向の放射強度が小さくなる。そのため、配線基板自体は同一であっても、差動信号配線142の接続位置が差動信号バス配線143の端部となる一筆書き配線よりλ/4共振が起こりにくくなり、低周波側での放射強度が抑えられる。
なお、分岐信号配線145、125のコモンモードインピーダンスを一致させることによる放射強度の低減手法は、分岐6:0(一筆書き配線)、分岐5:1、分岐4:2、分岐3:3(T字配線)のいずれにおいても有効である。一般的には、分岐N:0,分岐(N−1):1,…分岐(N−k):k、…、分岐N/2:N/2、…、分岐0:Nに適用できる。
(第2の変形例)
図13は、本発明の第2の変形例に係る配線基板100Bを表す上面図であり、図1に対応する。図14A〜図14Cは、第1の配線基板110Bの第2の絶縁層112〜第4の絶縁層114の上面を表す上面図であり、図2A〜図2Cに対応する。
本変形例では、電源電極層(電源面)116Bが分岐信号配線145の直下に配置されない。一方、電源電極層(電源面)116Bが差動信号バス配線143の直上には配置される。また、第1の実施形態に示される電源配線146に対応する配線は有さず、電源電極層116Bに分岐電源配線147が直接的に接続される。
図14A〜図14Cについて説明する。
差動配線がクロック配線だけでなく、データ配線も含み、第1の配線基板110上を何対も並走する場合がある。その場合、分岐前の差動信号バス配線143と分岐後の分岐信号配線145間に電源層が配置されないと、配線どうしのカップリングが生じ、クロストークが生じる。このクロストークは信号線のノイズ源となり、EMIの原因となる。図14Aに示すように、差動信号バス配線143bと分岐信号配線145(6)の間に電源電極層(電源面)116Bを配置することにより、互いのカップリングを除去することができ、クロストークを低減することができる。
しかし、第1の実施例を満たすように、層方向に分岐後の分岐信号配線145のみが存在する場所では、電源電極層(電源面)116Bを配置せず、第1の配線基板110と第2の配線基板120間のコモンモードインピーダンスの不連続をなくすことにより、基板端のインピーダンス不連続による水平方向のグラウンド面のリターン電流を低減できる。
また、第1の配線基板110から第3の配線基板130への電源供給は、図14Aの電源層と図2Aの電源層を比較することにより、図14Aの場合は図2Aの場合よりも電源端が基板端に近く、差動信号バス配線143bを横切らないため、電源層から直接ビアホールで第2の配線基板120を通過する電源線を通して供給できる。
第1の実施形態では、差動信号バス配線143および分岐信号配線145の双方に対して、電源電極層116が配置されていない。この場合、差動信号バス配線143と分岐信号配線145間での干渉により、伝送ノイズが生じる可能性がある。
本変形例では、差動信号バス配線143の直上にのみ電源電極層(電源面)116Bを配置することにより、差動信号バス配線143と分岐信号配線145間での干渉を低減し、かつ、第1の配線基板110の端での高周波電流の増大によるλ/4共振を低減できる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施の形態を詳細に説明する。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る配線基板100Cの第1の配線基板110Cの断面を表す断面図である。図16A〜図16Cは、第1の配線基板110Cの第2の絶縁層112〜第4の絶縁層114の上面を表す上面図である。
本実施形態では、接地電極層117を第1の配線基板110Cの最外層に配置し、かつ第4の絶縁層114と接地電極層117との間に第5の絶縁層(誘電体)118を配置している。
接地電極層117は、第1の配線基板110Cの最外層に配置されていることから、第1の配線基板110Cが外部の雑音から保護するシールド層として機能する。また、第4の絶縁層114と接地電極層117との間に第5の絶縁層(誘電体)118を配置することで、分岐信号配線145と接地電極層117間の距離t3aを増大させている。その結果、分岐信号配線145のコモンモードインピーダンスZ1ycoが増大し、式(1)の条件を満たすことが容易となる。
第1の実施形態では、電源電極層(電源面)116を分岐信号配線145の直下に配置せず、また接地電極層117を分岐信号配線145から最も遠い層に配置している。この結果、分岐信号配線145、125のコモンモードインピーダンスZ1yco、Z2coをほぼ一致させている。
しかし、第1の配線基板110が薄い場合には、第1の配線基板110の最も遠い配線層に接地電極層117を配置したとしても、インピーダンスのマッチングが不十分となる可能性がある。即ち、分岐信号配線145のコモンモードインピーダンスZ1ycoが、分岐信号配線125のコモンモードインピーダンスZ2coより小さくなる。
その場合、既成の配線基板の全体の厚みより厚くした位置に接地電極層117を配置することで、式(1)が満足される可能性がある。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施の形態を詳細に説明する。
図17A〜図17Cは、本発明の第3の実施形態に係る配線基板100Dの第1の配線基板110Dの第2の絶縁層112〜第4の絶縁層114の上面を表す上面図である。また、図18は、メッシュ化接地電極層117Bを分岐信号配線145と対比して表す上面図である。なお、配線基板100Dの上面は第1の実施形態の図1と同様なので、記載を省略している。
本実施形態では、接地電極層が2つの領域(メッシュ化されていない非メッシュ化接地電極層117A、メッシュ化されたメッシュ化接地電極層117B)に区分される。メッシュ化接地電極層117Bが、分岐信号配線145に対応するように配置される。接地電極層の少なくとも一部をメッシュ化することで、分岐信号配線145のコモンモードインピーダンスZ1ycoを調整している。
メッシュ化接地電極層117Bは、開口部51および導体部52を有する。即ち、接地電極層は、複数の開口部51を設けることで、メッシュ化される。一方、導体部52は、2つの方向A1,A2の配線を交差させたものと観念することが可能である。即ち、導体部52には、分岐信号配線145の配線方向A0と異なる方向A1,A2の電流が流れうる。言い換えれば、メッシュ化接地電極層117Bでは、分岐信号配線145の配線方向A0に流れる電流が制限される。
複数の開口部51を分岐信号配線145の配線方向A0と異なる方向A1,A2に配置することで、導体部52での配線方向A1,A2が実現されている。
本実施形態の手法は、接地電極層を分岐信号配線145と最も遠い層に配置しても、分岐信号配線145のコモンモードインピーダンスZ1ycoが式(1)を満たさない場合に有効である。
分岐信号配線125のコモンモードインピーダンスZ2coに対して、分岐信号配線145のコモンモードインピーダンスZ1ycoが大きすぎる場合には、第1の配線基板110のより内層に接地電極層117を配置することで、コモンモードインピーダンスZ1ycoを低減できる。
一方、コモンモードインピーダンスZ1ycoの増大は、分岐信号配線145と接地電極層第2の間の距離の増大、または接地電極層117のメッシュ化により実現できる。メッシュ化接地電極層117BでのコモンモードインピーダンスZ1ycoは導体部52と開口部51(導体部52のない場所)での平均的な値となる。このため、メッシュ化接地電極層117Bの導体部52での配線幅、配線ピッチを調整することで、コモンモードインピーダンスZ1ycoを適宜に設定できる。
ここで、メッシュ化接地電極層117Bでの配線方向A1,A2を分岐信号配線145の配線方向A0と異ならせることが好ましい(配線方向A0に対して、長方形でなくひし形になるようにする)。接地電極層(グラウンド面)SWのリターン電流の回りこみが低減される。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施の形態を詳細に説明する。
図19は、本発明の第4の実施形態に係る配線基板100Eを表す上面図である。図20A〜図20Cは、第1の配線基板110Eの第2の絶縁層112〜第4の絶縁層114の上面を表す上面図であり、図2A〜図2Cに対応する。
本実施形態では、図1の実施例と比較すると、2つの点が異なる。1つは第1の配線基板110上の分岐信号配線145Eの配線長Lを短くしていること、言い換えると分岐前の差動配線143bを基板端に近づけていることである。2つめは、図20Aに示すように,電源層を差動配線直下で除去せず、全面電源層のままにしていることである。
図21を用いてリターン電流の流れを説明する。第1の配線基板110と第2の配線基板120のコモンモードインピーダンスの不連続により、基板端に水平方向の電流S36が流れる。次に、もともと分岐前の差動信号バス配線143での信号の立ち上がりと立下りのアンバランスなどにより、コモンモード電流が生じていた場合、差動信号バス配線143直下のグラウンド面をリターン電流が流れる。
図19の実施例のように、分岐信号配線145の基板側端から差動信号バス配線143への距離Lを短くすることにより、基板端を流れるコモンモードインピーダンスの不一致により生じる電流と、もともと差動信号バス配線143の直下を流れていた電流の位置をほぼ一致させることが容易になる。その結果、水平方向の高周波電流のループ面積が低減される。この高周波電流ループの小さい方が共振周波数が高周波化され、放射強度を小さくすることができる。
基板端と差動信号バス配線143との距離Lであるが、少なくとも差動信号バス配線143の作る電磁界分布が及ぶ範囲にグラウンド面が十分あるように基板端を置くとよい。すなわち、差動信号バス配線143の配線間距離の5倍以上基板端から離れた位置に差動信号バス配線143を置くとよい。また、この場合、電源線もあるので、差動信号バス配線143を電源線より基板端から内側に置くことになる。このため、電源線幅の左右10倍の距離と差動信号バス配線143の配線間距離の5倍以上を足した距離だけ,基板端から離れた位置に差動信号バス配線143を配置するとよい。
(まとめ)
上記実施形態では、コモンモードインピーダンスの不連続による反射を低減することで不要放射ノイズの低減を図っている。特に、第1の配線基板110の基板端での信号の反射を低減することで、基板端での接地電極層(グラウンド面)117での高周波電流勾配を抑制している。その結果、第1の配線基板110での共振、ひいては不要放射ノイズが低減される。
本手法が特に有効な場合について述べる。分岐信号配線145、125,135、およびレシーバIC131でのコモンモードインピーダンスを合致させることで、信号の反射を抑えることができる。
しかし、レシーバIC131の入力部では、ICのパッド部、入力容量も含め、コモンモードインピーダンスをあわせることは困難である。そして、レシーバIC131の入力部で反射が起こった場合、差動信号配線142、差動信号バス配線143、分岐信号配線145、125,135、の全体の配線長で共振が起きる可能性がある。この共振周波数が駆動用IC141からの差動信号のクロック周波数の10次以内のときには、配線基板100からの放射が増大する可能性がある。このときの最低次の共振は駆動用IC141で電流が最大、レシーバIC131で電流が最小となるλ/2共振であると考えられる。
T字配線においては、分岐信号配線145の配線長が長く、上記の共振周波数が比較的低周波の場合に本手法が有効となる。また、一筆書き配線においては、分岐信号配線145の配線長が短かかったとしても、駆動用IC141から最も遠いレシーバIC131までの距離が長く、上記の共振周波数が比較的低周波の場合に本手法が有効となる。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張、変更可能であり、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の第1の実施形態に係る配線基板を表す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係る第1の配線基板の第2の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係る第1の配線基板の第3の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係る第1の配線基板の第4の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線基板を切断した状態を表す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線基板を切断した状態を表す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線基板を切断した状態を表す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線基板の等価回路モデルを表す図である。 本発明の比較例に係る配線基板100を表す上面図である。 本発明の比較例に係る第1の配線基板の第2の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の比較例に係る第1の配線基板の第3の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の比較例に係る第1の配線基板の第4の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の比較例に係る配線基板を切断した状態を表す断面図である。 本発明の比較例に係る配線基板を切断した状態を表す断面図である。 本発明の比較例に係る配線基板を切断した状態を表す断面図である。 本発明の比較例に係る配線基板において、接地電極層を流れる高周波電流を表す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線基板において、接地電極層を流れる高周波電流を表す模式図である。 本発明の第1の実施形態および比較例での放射強度の水平成分の周波数依存性の例を表すグラフである。 本発明の第1の実施形態および比較例での放射強度の垂直成分の周波数依存性の例を表すグラフである。 本発明の第1の変形例に係る配線基板を表す上面図である。 本発明の第2の変形例に係る配線基板を表す上面図である。 本発明の第2の変形例に係る第1の配線基板の第2の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第2の変形例に係る第1の配線基板の第3の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第2の変形例に係る第1の配線基板の第4の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る配線基板の断面を表す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る第1の配線基板の第2の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る第1の配線基板の第3の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る第1の配線基板の第4の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第3の実施形態に係る第1の配線基板の第2の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第3の実施形態に係る第1の配線基板の第3の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第3の実施形態に係る第1の配線基板の第4の絶縁層の上面を表す上面図である。 メッシュ化接地電極層を分岐信号配線と対比して表す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線基板を表す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係る第1の配線基板の第2の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係る第1の配線基板の第3の絶縁層の上面を表す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係る第1の配線基板の第4の絶縁層の上面を表す上面図である。 配線基板において、接地電極層を流れる高周波電流を表す模式図である。
符号の説明
100…配線基板、110…配線基板、111…絶縁層、112…絶縁層、113…絶縁層、114…絶縁層、115…保護層、116…電源電極層、117…接地電極層、120…配線基板、121…絶縁層、122…保護層、125…分岐信号配線、127…分岐電源配線、128…接地配線、130…配線基板、131…レシーバIC、135…分岐信号配線、137…分岐電源配線、138…接地配線、141…駆動用IC、142…差動信号配線、143(143a,143b)…差動信号バス配線、144…終端抵抗、145…分岐信号配線、146…電源配線、147…分岐電源配線、148…接地配線、149…複数の差動配線対

Claims (7)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板に配置され、一対の差動信号を供給する送信素子と、
    前記第1の基板に配置され、前記差動信号が供給される接続点をそれぞれ有する一対のバス配線と、
    前記第1の基板に配置され、前記一対のバス配線それぞれの少なくとも一端と電気的に接続される終端抵抗と、
    前記第1の基板に配置され、前記バス配線から分岐されるN対の第1の分岐配線と、
    第2の基板と、
    前記第2の基板に配置され、前記N対の第1の分岐配線それぞれと電気的に接続されるN対の第2の分岐配線と、
    第3の基板と、
    前記第3の基板に配置され、前記N対の第2の分岐配線それぞれと電気的に接続されるN個の受信素子と、を具備し、
    前記第1の分岐配線のコモンモードインピーダンスZ1、前記第2の分岐配線のコモンモードインピーダンスZ2が次の関係にあることを特徴とする配線基板。
    0.8・Z1≦Z2≦1.2・Z1
  2. 前記第2の基板が、前記N対の第2の分岐配線と対向する導体層を有さず、
    前記第1の基板が積層される第1、第2の絶縁層を少なくとも有し、
    前記N対の第1の分岐配線が、前記第1の絶縁層上に配置され、
    前記配線基板が、前記第2の絶縁層上の、前記N対の第1の分岐配線と対応しない領域に配置される電源導体層、をさらに具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記電源導体層が、前記N対の第1の分岐配線および前記一対のバス配線のいずれとも対応しない領域に配置される
    ことを特徴とする請求項2記載の配線基板。
  4. 前記第1の基板に配置され、前記電源導体層と電気的に接続される電源配線と、
    前記第1の基板に配置され、前記電源配線から分岐されるN本の第1の分岐電源配線と、
    前記第2の基板に配置され、前記N本の第1の分岐電源配線それぞれと電気的に接続される一端と、前記N個の受信素子それぞれと電気的に接続される他端と、を有するN本の第2の分岐電源配線と、
    をさらに具備することを特徴とする請求項2記載の配線基板。
  5. 前記第2の基板が、前記N対の第2の分岐配線と対向する導体層を有さず、
    前記第1の基板が、積層される複数の絶縁層を有し、
    前記配線基板が、前記第1の基板の最外層に配置される接地導体層、をさらに具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  6. 前記第2の基板が、前記N対の第2の分岐配線と対向する導体層を有さず、
    前記第1の基板に配置され、前記N対の第1の分岐配線と対応する領域に複数の開口を有する接地導体層
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  7. 前記複数の開口が前記N対の第1の分岐配線の配線方向と異なる方向に配列されている
    ことを特徴とする請求項6記載の配線基板。
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