JP4508717B2 - 撥水性基体の親水化防汚方法及びその人工物における使用 - Google Patents

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Description

本発明は、撥水性基体の親水化防汚方法に関し、また、該方法により処理された基体の人工物における使用に関する。
屋内外において使用される建築物、土木工作物及び設備機器等の各種の人工物の耐汚染性・化粧性を高め、また、当該人工物を保護するために、フッ素樹脂等の撥水性物質からなる塗膜を当該人工物の表面に形成することは既知である。また、前記表面自体を撥水性物質から構成する場合もある。
また、撥水性物質からなる表面の耐汚染性を向上させるためには、当該表面を親水性化するとよいことも知られており、例えば、シリカ等の親水性物質を当該撥水性物質に配合することが行われている。しかし、このような方法では、前記親水性物質が光等の作用により次第に劣化するので、前記表面の親水性を充分なレベルに長期にわたり持続することが困難である。
そこで、近年では、長期に亘る親水性、更に、セルフクリーニング機能を付与するために、例えば、特開平6−278241号公報に記載されるように、基体上に、アナターゼ型酸化チタンを主成分とする光触媒層を直接形成することも行われている。
特開平6−278241号公報
しかし、アナターゼ型酸化チタンを撥水性有機質基体上に直接形成すると、その光触媒作用により基体が分解されたり、劣化したりすることが報告されており(大谷文章、高分子加工42巻,5号,p18(1993))、アナターゼ型酸化チタンからなる光触媒層を撥水性有機質基体表面に直接形成することは好ましくない。
また、防汚機能を高めるために光触媒層の層厚を大きくすると、屈折率が高いという酸化チタンの光学物性のために干渉色が発生して透明性が低下するので、基体の化粧性を低減させるおそれがある。
そして、基体が撥水性成分を含む場合は、光触媒層をもってしても、撥水性基体の撥水基のブロック及び撥水性基体からの撥水性成分の溶出防止は困難であり、更に、基体表面に現れる当該撥水性成分の分解・除去も容易ではなかった。
本発明は上記の問題点を解決するためのものであり、撥水性基体を分解・劣化させたり、その化粧性を低減させることなく、その表面を長期に亘って良好にセルフクリーニング可能な撥水性基体の親水化防汚方法を提供することにある。
本発明の目的は、撥水性基体表面に疎水性シリコーン化合物含有層を形成し、当該疎水性シリコーン化合物含有層表面に、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群から選択された金属元素の少なくとも1つがドープされたチタン酸化物を含む金属ドープチタン酸化物含有層を形成する親水化防汚方法によって達成される。本発明の親水化防汚方法により処理された基体は建築物・土木工作物・各種設備機器等の人工物の製造に好適に使用することができ、建築用部材(建材)として特に好ましい。
前記金属ドープチタン酸化物含有層は、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群から選択された金属元素の少なくとも1つがドープされた、ペルオキソ基を有するアモルファス型及び/又はアナターゼ型チタン酸化物微細粒子の分散液から形成されることが好ましい。また、前記分散液がシリコーン化合物を更に含むことが好ましく、当該シリコーン化合物としてはポリエーテル変性シリコーンオイルが好適である。
撥水性基体の表面に形成される疎水性シリコーン化合物含有層中に含まれる疎水性シリコーン化合物はシリコーンレジンであることが好ましい。
本発明の親水化防汚方法は、少なくともその表面が、シリコーン、変性シリコーン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリカーボネート又はアクリルポリマーからなる撥水性基体、特に、シリコーン又は変性シリコーンからなるシーリング材又はその周辺基材に好適である。
本発明の親水化防汚方法は、撥水性基体を親水化して防汚機能を向上させると共に、金属ドープチタン酸化物含有層自体が発揮する、光触媒機能とは異なる独特のセルフクリーニング効果により、基体表面の汚染を長期に亘って防止することができる。前記金属ドープチタン酸化物含有層にシリコーン化合物、特にポリエーテル変性シリコーンオイルを配合することにより、前記セルフクリーニング効果を更に向上させることができる。
前記金属ドープチタン酸化物含有層は光触媒機能を有さないので、光触媒機能により疎水性シリコーン化合物含有層及び撥水性有機質基体を分解することがない。したがって、本発明の親水防汚方法は長期防汚機能を任意の撥水性基体に付与することができ、特に、屋外で使用される建材・建築物等の人工物の表面防汚方法として好適である。
また、疎水性シリコーン化合物含有層の光学的作用により、前記金属ドープチタン酸化物含有層の層厚を大きくしても、撥水性基体の化粧性は変化しない。したがって、撥水性基体そのもののテクスチャー・色彩を生かして任意のデザインを提供することができる。
そして、本発明では、基体が撥水性成分を含む場合であっても、撥水性基体からの撥水性成分の溶出を防止することが可能であり、また、基体表面に当該撥水性成分が現れてもそれを容易に分解・除去することが可能である。したがって、本発明によって、これまで困難であったシリコーン系シーリング材及びその周辺基材の表面親水化・セルフクリーニング機能付与が可能となる。
本発明の親水化防汚方法の対象となる撥水性基体は特に限定されるものではなく、各種の無機系基体及び有機系基体、或いは、それらの組み合わせを使用することができる。
無機系基体としては、例えば、アルミニウム等の金属からなる基体が挙げられる。また、有機系基体としては、例えば、有機樹脂、木材、紙等の物質からなる基体が挙げられる。有機樹脂をより具体的に例示すると、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、シリコーン、アクリルシリコーン等の変性シリコーンが挙げられる。特に、シリコーン、変性シリコーン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリカーボネート、アクリルポリマーが好ましい。基体の形状も特に限定されるものではなく、立方体、直方体、球形、シート形等の任意の形状をとることができる。なお、基体は多孔質であってもよい。
撥水性有機系基体として、シリコーン系基材からなるシリコーン系シーリング材を使用することも可能である。前記シリコーン系基材はシリコーンオイル等の撥水性成分を含んでよい。このようなシリコーン系シーリング材としては、SH780、SE960、SE5088(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)がある。また、該シーリング材の周辺基材も使用できる。例えば、シーリング材に隣接した撥水性基材やシーリング材から溶出した撥水性成分によって撥水性が発現した周辺基材が挙げられる。
本発明の対象となる撥水性基体は、少なくとも親水化処理される表面が撥水性であればよい。したがって、ガラス、金属酸化物、セラミックス、コンクリート、モルタル等の親水性物質からなる基体であっても、その表面が撥水化処理されていれば本発明の親水化防汚方法の対象となりうる。
撥水化処理としては任意の処理方法を使用することができるが、代表的な撥水化処理としては疎水性塗装材による塗装処理が挙げられる。疎水性塗装材としては、例えば、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂等の変性シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、紫外線硬化性樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、その他の合成樹脂等の合成樹脂と着色剤とを含有するいわゆるペンキ塗料を好適に使用することができる。
上記塗装処理により得られる塗膜の厚みは0.01〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましく、特に、0.5μm〜10μmが好ましい。
また、塗装手段としては、例えば、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等が適用できる。なお、塗装膜の硬度、基体との密着性等の物理的性能を向上させるために、基体及び塗装膜の許容範囲内で加熱することが望ましい。
本発明の親水化防汚方法では、撥水性基体上に疎水性シリコーン化合物含有層が存在する。疎水性シリコーン化合物含有層は後述する金属ドープチタン酸化物含有層を撥水性基体に固着させる機能を有しており、また、当該金属ドープチタン酸化物層による着色を防止する機能をも有する。更に、疎水性シリコーン化合物含有層は基体への水分の浸入を防止する機能、並びに、撥水性基体の疎水基の表出をブロックする機能をも有している。
疎水性シリコーン化合物含有層を構成する疎水性シリコーン化合物は、特に限定されるものではないが、シリコーンレジンが好ましい。特に好ましい疎水性シリコーン化合物としては、具体的には、室温硬化型メチルシリコーンレジンや室温硬化型メチルフェニルシリコーンレジンが挙げられる。このような室温硬化型シリコーンレジンとしては、SR2316、SR2410(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)がある。
また、他の疎水性シリコーン化合物としては、加水分解性シランや、その加水分解物及び各種のオルガノポリシロキサンが挙げられる。加水分解性シランとしては各種のアルコキシシランが使用でき、具体的には、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルアルコキシシランが挙げられる。これらの内、1種類の加水分解性シランを単独で使用してもよく、必要に応じて2種類以上の加水分解性シランを混合して使用してもよい。オルガノポリシロキサンとしては、例えば、アミノ変性シロキサン、エポキシ変性シロキサン、長鎖アルキル変性シロキサン等の各種のオルガノポリシロキサンが挙げられる。このようなシランやオルガノポリシロキサンとしては、AY43−206E、BY16−606(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)がある。
疎水性シリコーン化合物含有層は無色透明でもよく、或いは、着色された透明、半透明又は不透明でもよい。ここでの着色とは赤、青、緑等の色のみならず白色によるものを含む。着色された疎水性シリコーン化合物含有層を得るには、疎水性シリコーン化合物含有層に無機又は有機顔料或いは染料等の各種の着色剤を配合することが好ましい。
無機顔料としては、カーボンブラック、黒鉛、黄鉛、酸化鉄黄、鉛丹、ベンガラ、群青、酸化クロム緑、酸化鉄等が挙げられる。有機顔料としては、アゾ系有機顔料、フタロシアン系有機顔料、スレン系有機顔料、キノクリドン系有機顔料、ジオキサジン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、ジケトピロロピロールや各種金属錯体が使用できるが耐光性に優れているものが望ましい。耐光性のある有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ系有機顔料であるハンザエロー、トルイジンレッド、フタロシアン系有機顔料であるフタロシアンブルーB、フタロシアングリーン、キナクリドン系有機顔料であるキナクリドン赤等が挙げられる。
染料としては、塩基性染料、直接染料、酸性染料、植物性染料等が挙げられるが、耐光性に優れたものが好ましく、例えば、赤色では、ダイレクトスカーレット、ロクセリン、アゾルビン、橙色では、ダイレクトオレンジRコンク、アシドオレンジ、黄色では、クリソフェニンNS、メタニールエロー、茶色では、ダイレクトブラウンKGG、アシドブラウンR、青色ではダイレクトブルーB、黒色ではダイレクトブラックGX、ニグロシンBHL等が特に好ましい。
疎水性シリコーン化合物含有層が着色剤を含む場合は、疎水性シリコーン化合物と着色剤との混合比(重量比)は、1:2〜1:0.05の範囲が好ましく、1:1〜1:0.1の範囲がより好ましい。
なお、疎水性シリコーン化合物含有層には更に分散剤、安定剤、レベリング剤等の添加剤が配合されてもよい。これらの添加剤は疎水性シリコーン化合物含有層の形成を容易とする作用を有する。更に、顔料・染料等の着色剤を配合する場合は、当該着色剤の固着補助用バインダーを添加することも可能である。この場合のバインダーとしては、耐候性に優れたアクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合樹脂を主成分とする各種塗料用バインダーが使用することができ、例えば、ポリゾールAP−3720(昭和高分子株式会社製)、ポリゾールAP−609(昭和高分子株式会社製)等が挙げられる。
疎水性シリコーン化合物含有層は例えば以下のようにして形成することができる。揮発性溶媒中に疎水性シリコーン化合物、並びに、必要に応じて前記着色剤、前記添加剤及び前記バインダーを含む溶液を、撥水性基体表面に0.1〜5mm程度の厚みとなるように塗布する。必要に応じて加熱し、揮発性溶媒を蒸発させて疎水性シリコーン化合物含有層を撥水性基体上に形成する。疎水性シリコーン化合物含有層が着色された場合は、撥水性基体と一体化することによって、着色化粧性を撥水性基体に付与することができる。
上記のようにして形成された疎水性シリコーン化合物含有層の厚みは特に限定されるものではないが、0.01〜1.0μmが好ましく、0.05〜0.3μmがより好ましい。また、着色剤、添加剤、バインダーが添加された場合は、1.0μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
撥水性基体上での疎水性シリコーン化合物含有層の形成方法としては、公知の任意の方法が使用可能であり、例えば、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等が可能である。なお、疎水性シリコーン化合物含有層の硬度、撥水性基体との密着性等の物理的性能を向上させる為には、撥水性基体上での疎水性シリコーン化合物含有層の形成後に、これらを許容範囲内の温度で加熱することが好ましい。
本発明の親水化防汚方法では、前記疎水性シリコーン化合物含有層上に、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群から選択された金属元素の少なくとも1つがドープされたチタン酸化物を含む金属ドープチタン酸化物含有層が形成される。チタン酸化物とはTiO、TiO、TiO、TiO/nHO等の各種の酸化物、過酸化物を含むものであり、アモルファス型、アナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型のいずれでもよい。
前記金属ドープチタン酸化物は、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群から選択された金属元素の1つ又は複数を含む、好ましくはペルオキソ基を有する、チタン酸化物からなり、その性状は、微粒子又は粉末である。ペルオキソ基を有するチタン酸化物はアモルファス型、アナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型のいずれでもよいし、これらが混在するものでもよい。
アモルファス型酸化チタンは光触媒機能を有さない。一方、アナターゼ型、ブルッカイト型及びルチル型の酸化チタンは光触媒機能を有するが、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛を一定濃度以上に複合させると光触媒機能を喪失する。したがって、本発明で使用される金属ドープチタン酸化物は光触媒機能を有さないものである。なお、アモルファス型酸化チタンは太陽光による加熱等により経時的にアナターゼ型酸化チタンに変換されるが、既述したとおり、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛と複合させるとアナターゼ型酸化チタンは光触媒機能を失うので、結局のところ、前記金属ドープチタン酸化物は経時的に光触媒機能を示さないものである。
一方、前記金属ドープチタン酸化物は、非光触媒型の独特の防汚作用を発揮する。これにより、前記金属ドープチタン酸化物含有層表面の汚染が防止又は低減される。この作用機序は不明ではあるが、紫外線(太陽光)等の短波長電磁波に起因する光酸化反応及び金属ドープチタン酸化物含有層側の電気的特性に基づく複合的な作用によるものと考えられる。
ここでの光酸化反応は、短波長電磁波により空気中や有機物中の酸素及び/又は水分から水酸基ラジカル(・OH)、(一重項酸素)等の活性酸素が生成され、これらが層表面に付着した有機物/無機物と反応することを含む概念であり、当該反応により。有機物/無機物に正の電荷が発生すると考えられる。
金属ドープチタン酸化物含有層はドープされた金属が正の電荷を有しているので、全体として正に荷電している。したがって、正電荷を有する有機物/無機物と同じく正電荷を有する金属ドープチタン酸化物含有層は電気的に反発し、前記有機物/無機物は流水・風雨等の外力の作用により、比較的容易に金属ドープチタン酸化物含有層表面から除去されることとなる。これにより、金属ドープチタン酸化物層含有表面の汚染を抑制乃至低減することができると考えられる。
金属ドープチタン酸化物の製造方法としては、一般的な二酸化チタン粉末の製造方法である塩酸法又は硫酸法をベースとする製造方法を採用してもよいし、各種の液体分散チタニア溶液の製造方法を採用してもよい。そして、上記金属は、製造段階の如何を問わずチタン酸化物と複合化することができる。
例えば、前記金属ドープチタン酸化物の具体的な製造方法としては、以下の第1〜第3の製造方法、並びに、従来から知られているゾル−ゲル法が挙げられる。
第1の製造方法
まず、四塩化チタン等の四価チタンの化合物とアンモニア等の塩基とを反応させて、水酸化チタンを形成する。次に、この水酸化チタンを酸化剤でペルオキソ化し、超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。この反応は好ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに、任意に加熱処理することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させることも可能である。上記の各工程のいずれかにおいて銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。
ペルオキソ化用酸化剤は特に限定されるものではなく、チタンのペルオキソ化物、すなわち過酸化チタンが形成できるものであれば各種のものが使用できるが、過酸化水素が好ましい。酸化剤として過酸化水素水を使用する場合は、過酸化水素の濃度は特に制限されることはないが、30〜40%のものが好適である。ペルオキソ化前には水酸化チタンを冷却することが好ましい。その際の冷却温度は1〜5℃が好ましい。
図1に上記第1の製造方法の一例を示す。図示される製造方法では、四塩化チタン水溶液とアンモニア水とを、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛の化合物の少なくとも1つの存在下で混合し、当該金属の水酸化物及びチタンの水酸化物の混合物を生成させる。その際の反応混合液の濃度及び温度については、特に限定されるわけではないが、希薄且つ常温とすることが好ましい。この反応は中和反応であり、反応混合液のpHは最終的に7前後に調整されることが好ましい。
このようにして得られた金属及びチタンの水酸化物は純水で洗浄した後、5℃前後に冷却され、次に、過酸化水素水でペルオキソ化される。これにより、金属がドープされた、アモルファス型のペルオキソ基を有するチタン酸化物微細粒子を含有する水性分散液、すなわち本発明に係る金属ドープチタン酸化物を含有する水性分散液を製造することができる。
第2の製造方法
四塩化チタン等の四価チタンの化合物を酸化剤でペルオキソ化し、これとアンモニア等の塩基とを反応させて超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。この反応は好ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに、任意に加熱処埋することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させることも可能である。上記の各工程のいずれかにおいて銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。
第3の製造方法
四塩化チタン等の四価チタンの化合物を、酸化剤及び塩基と同時に反応させて、水酸化チタン形成とそのペルオキソ化とを同時に行い、超微細粒子のアモルファス型過酸化チタンを形成する。この反応は好ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに、任意に加熱処埋することによりアナターゼ型過酸化チタンに転移させることも可能である。上記の各工程のいずれかにおいて銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。
なお、第1乃至第3の製造方法において、アモルファス型過酸化チタンと、これを加熱して得られるアナターゼ型過酸化チタンとの混合物を金属ドープチタン酸化物として使用できることは言うまでもない。
ゾル−ゲル法による製造方法
チタンアルコキシドに、水、アルコール等の溶媒、酸又は塩基触媒を混合撹拌し、チタンアルコキシドを加水分解させ、超微粒子のチタン酸化物のゾル溶液を生成する。この加水分解の前後のいずれかに、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくともいずれか1つが混合される。なお、このようにして得られるチタン酸化物は、ペルオキソ基を有するアモルファス型である。
上記チタンアルコキシドとしては、一般式:Ti(OR´)(ただし、R´はアルキル基)で表示される化合物、又は上記一般式中の1つ或いは2つのアルコキシド基(OR´)がカルボキシル基或いはβ−ジカルボニル基で置換された化合物、或いは、それらの混合物が好ましい。
上記チタンアルコキシドの具体例としては、Ti(O−isoC、Ti(O−nC、Ti(O−CHCH(C)C、Ti(O−C1735、Ti(O−isoC[CO(CH)CHCOCH、Ti(O−nC[OCN(COH)、Ti(OH)[OCH(CH)COOH]、Ti(OCHCH(C)CH(OH)C、Ti(O−nC(OCOC1735)等が挙げられる。
四価チタンの化合物
本発明で用いられる金属ドープチタン酸化物の製造に使用する四価チタンの化合物としては、塩基と反応させた際に、オルトチタン酸(HTiO)とも呼称される水酸化チタンを形成できるものであれば各種のチタン化合物が使用でき、例えば四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、燐酸チタン等のチタンの水溶性無機酸塩がある。それ以外にも蓚酸チタン等のチタンの水溶性有機酸塩も使用できる。なお、これらの各種チタン化合物の中では、水溶性に特に優れ、かつ金属ドープチタン酸化物の分散液中にチタン以外の成分が残留しない点で、四塩化チタンが好ましい。
また、四価チタンの化合物の溶液を使用する場合は、当該溶液の濃度は、水酸化チタンのゲルが形成できる範囲であれば特に制限されるものではないが、比較的希薄な溶液が好ましい。具体的には、四価チタンの化合物の溶液濃度は、5〜0.01wt%が好ましく、0.9〜0.3wt%がより好ましい。
塩基
上記四価チタンの化合物と反応させる塩基は、四価チタンの化合物と反応して水酸化チタンを形成できるものであれば、各種のものが使用可能であり、それにはアンモニア、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、苛性カリ等が例示できるが、アンモニアが好ましい。
また、上記の塩基の溶液を使用する場合は、当該溶液の濃度は、水酸化チタンのゲルが形成できる範囲であれば特に制限されるものではないが、比較的希薄な溶液が好ましい。具体的には、塩基溶液の濃度は、10〜0.01wt%が好ましく、1.0〜0.1wt%がより好ましい。特に、塩基溶液としてアンモニア水を使用した場合のアンモニアの濃度は、10〜0.01wt%が好ましく、1.0〜0.1wt%がより好ましい。
金属化合物
銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛の化合物としては、それぞれ以下のものが例示できる。
Ni化合物:Ni(OH)、NiCl
Co化合物:Co(OH)NO、Co(OH)、CoSO、CoCl
Cu化合物:Cu(OH)、Cu(NO、CuSO、CuCl
Cu(CHCOO)
Mn化合物:MnNO、MnSO、MnCl
Fe化合物:Fe(OH)、Fe(OH)、FeCl
Zn化合物:Zn(NO、ZnSO、ZnCl
第1乃至第3の製造方法で得られる水性分散液中の過酸化チタン濃度(共存する銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛を含む合計量)は、0.05〜15wt%が好ましく、0.1〜5wt%がより好ましい。また、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛の配合量については、チタンと金属成分とのモル比で、1:0.01〜1:0.5が好ましく、1:0.03〜1:0.1がより好ましい。
界面活性剤及び分散剤
第1乃至第3の製造方法によって得られる金属ドープチタン酸化物の水性分散液には、層形成を容易にする界面活性剤又は分散剤を添加することが好ましい。界面活性剤又は分散剤としては、例えば、シラン化合物、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーンパウダー、シリコーンレジン等が好ましい。
界面活性剤としては、例えば、TSF4445、TSF4446(以上、GE東芝シリコーン株式会社製)、SH200(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KPシリーズ(信越化学工業株式会社製)等を用いることができる。
分散剤としては、例えば、DC3PA、ST86A(以上東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)等を用いることができる。
また、アミノ基、エポキシ基、メタクリロキシ基を有するシラン化合物、いわゆるシランカップリング剤を配合することも可能である。このカップリング剤は、金属ドープチタン酸化物含有層の硬度や隣接する層との密着性を向上させることを可能とする。
上記金属ドープチタン酸化物と界面活性剤及び/又は分散剤との混合比(wt%)は、1:0.02〜1:20が好ましく、1:0.05〜1:10がより好ましい。
本発明において形成される金属ドープチタン酸化物含有層は、金属ドープチタン酸化物を含有する水性分散液を疎水性シリコーン化合物含有層上に塗布後、乾燥させることによって製造することができる。金属ドープチタン酸化物含有層の厚みは、好ましくは0.01μm〜2.0μm、より好ましくは0.1μm〜1.0μmである。前記塗布方法としては、刷毛塗り、ローラーコート、スプレーコート等の汎用の膜形成方法が使用できる。
金属ドープチタン酸化物含有層の表面に更に高い防汚性能を付与するには、金属ドープチタン酸化物含有層中にシリコーン化合物を配合することが望ましい。
前記シリコーン化合物としては各種のものを使用することができる。なかでも、ポリエーテル変性シリコーンオイルが好ましく、具体的には、分子鎖末端あるいは側鎖に、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド共重合ブロック、ポリエチレンオキサイド−ポリブチレンオキサイド共重合ブロック、ポリプロピレンオキサイド−ポリブチレンオキサイド共重合ブロック等の構造を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。その中でも、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドまたはポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド共重合ブロックがアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサンが好ましい。このようなポリエーテル変性シリコーンオイルは公知の方法で製造することができ、例えば、特開平9−165318号公報に記載の方法により製造することができる。このようなポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、SH3746、SH30PA等(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)がある。
金属ドープチタン酸化物とシリコーン化合物との混合比は、1:0.002〜1:20となることが好ましく、1:0.05〜1:10がより好ましい。
また、シリコーン化合物を含む場合は、金属ドープチタン酸化物含有層の厚みは、0.01〜1.0μmが好ましく、0.05〜0.3μmがより好ましい。
金属ドープチタン酸化物含有層は光触媒機能を有さないため、紫外線等の光エネルギーを受けても隣接する層の構成材料、特に有機物質、を光触媒機能により劣化させることがない。したがって、疎水性シリコーン化合物含有層が金属ドープチタン酸化物含有層の作用により劣化することはない。また、金属ドープチタン酸化物含有層自体にも必要に応じてアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機樹脂を混合することもできる。
また、金属ドープチタン酸化物含有層がシリコーン化合物、特に、ポリエーテル変性シリコーンオイル、を含む場合は、親水性の発現維持に優れ、金属ドープチタン酸化物含有層及び当該層に接する基体表面の劣化、色劣化(退色)、或いは、有機物又は無機物による層表面の汚染の抑制乃至低減効果が特に高まる。
本発明の親水化防汚方法は各種のデザイン性並びに高い防汚・防水性能が求められる任意の分野において利用可能であり、ガラス、金属、セラミックス、コンクリート、木材、石材、シーリング材等又はこれらの組み合わせからなる、建材;空調屋外機;厨房機器;衛生機器;照明器具;自動車;自転車;自動二輪車;航空機;列車;船舶等の屋内外で利用される人工物の製造に好適に使用される。本発明は、特に建材に好ましく、当該建材を使用して建造された家屋、ビルディング、道路、トンネル等の建築物は経時的に高い防水・防汚効果を発揮することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
参考例1
純水500mlに97%CuCl・2HO(塩化第二銅:日本化学産業株式会社製)0.463gを完全に溶解した溶液に、更に50%四塩化チタン溶液(住友シチックス株式会社製)10gを添加し、純水を加え、総体積を1000mlとした。
この溶液に25%アンモニア水(高杉製薬株式会社製)を10倍希釈した希アンモニア水を滴下してpH7.0とすることにより、水酸化銅と水酸化チタンの混合物を沈殿させた。
この沈殿物を、純水を用いて、上澄み液の導電率が0.8mS/m以下になるまで洗浄し、導電率が0.80mS/mになったところで洗浄を終了した。これにより、0.81wt%濃度の水酸化物含有液が340g作製された。
次に、この水酸化物含有液を1〜5℃に冷却しながら、35%過酸化水素水(タイキ薬品工業株式会社製)を25g添加し、16時間撹拌した。これにより、透明緑色の0.90wt%銅ドープアモルファス型過酸化チタン分散液365gが得られた。これを純水で希釈して0・85wt%の銅ドープアモルファス型過酸化チタン分散液385gを調製した。
そして、これにポリエーテル変性シリコーンオイルSH3746(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を0.4wt%添加し、撹拌して造膜液を得た。
実施例1
A4版の透明フロートガラス(厚み3mm)にアナターゼ型酸化チタン分散液(サスティナブル・テクノロジー株式会社製:B56)を塗布し、300℃で加熱して、0.1μmの厚みの光触媒層を備えた基板を2枚作成した。
次に、上記基板2枚を図2に示すように目地板10mm間隔で両面テープを用いてコンパネベニヤ板の上に貼り付けた。その目地に1液性シリコーンシーリング材(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製:SH780)を充填し、2ヶ月間屋外に放置した。前記シーリング材から溢出した撥水性成分によって、シーリング材周辺が撥水性に変化した撥水性評価基板を作成した。
撥水性評価基板の撥水性部分の表面汚れを純水で洗浄し、乾燥処理を行った後に、当該撥水性部分に室温硬化型シリコーンレジン系コーティング剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製:SR2410)をトルエンで2倍希釈した溶液を刷毛塗りし、乾燥させてシリコーンレジン含有第1層を形成した。
参考例1で得られた造膜液を、低圧スプレーガン(チロン・ジャパン株式会社製)を用いて、10g/mの割合で前記第1層の表面に塗布し、常温にて乾燥させて、銅ドープアモルファス型酸化チタン含有第2層を形成した。
実施例2
A4版の透明フロートガラス(厚み3mm)に、フッ素樹脂塗料(エスケー化研株式会社製:フッソロン)を、スプレーガン(株式会社明治機械製作所製)を用いて30mg/mの割合で塗布し、120℃で加熱乾燥して基板を作成した。
次に、その基板表面にシリコーンレジン含有第1層及び銅ドープアモルファス型酸化チタン含有第2層を形成した。
実施例3
市販のコンクリート製舗石PCブロック表面に、シリコーン系外壁着色塗料(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製:ウォールガート白)を、刷毛を用いて塗布し、乾燥させて基板を作成した。
次に、その基板表面にシリコーンレジン含有第1層及び銅ドープアモルファス型酸化チタン含有第2層を形成した。
実施例4
ポリエステル生地表面に塩化ビニル樹脂を被覆したテント地(東レ株式会社製:クールテントソフト:T−2850F)を基板とした。
次に、その基板表面にシリコーンレジン含有第1層及び銅ドープアモルファス型酸化チタン含有第2層を形成した。
比較例
実施例1〜4においてシリコーンレジン含有第1層及び銅ドープアモルファス型酸化チタン含有第2層を形成しない基板をそれぞれ比較例1〜4とした。
評価1
実施例1〜4の積層体を、佐賀県にて2003年11月から2004年2月まで、4ヶ月間屋外曝露した。その後、積層体表面に水道水を霧吹きにて散布し、親水性と防汚性を以下の基準で目視評価した。結果を表1に示す。
親水性=○:表面上の水が平坦である
親水性=×:表面上の水が平坦とならない
防汚性=○:表面上に汚染物質の存在が認められない
防汚性=×:表面上に斑点状の汚染物質が認められる
Figure 0004508717
表1の実施例1の結果から、シリコーンレジン含有層と銅ドープアモルファス型酸化チタン含有層との積層体によってシーリング材の撥水性成分の溶出防止・分解除去が可能であることが分かる。表1の実施例2−4の結果から、撥水性基体に親水性の防汚機能を付与可能であることがわかる。一方、特に比較例1の結果から、光触媒層はシーリング材からの撥水性成分の溶出防止・分解除去ができないことが分かる。
実施例5
A4版の透明フロートガラス(厚み3mm)2枚を図2に示すように目地板10mm間隔で両面テープを用いてコンパネベニヤ板の上に貼り付けた。その目地に低分子シロキサン含有量を低減した1液性シリコーンシーリング材(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製:SE5088)を充填し、12時間屋外放置して表面を乾燥させた。
次に、シーリング材表面の汚れを純水で洗浄し、乾燥後、当該シーリング材表面に室温硬化型シリコーンレジン系コーティング剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製:SR2410)をトルエンで2倍希釈した溶液を3回刷毛塗りし、乾燥させてシリコーンレジン含有第1層を形成した。
次に、第1層表面に参考例1で得られた造膜液を、低圧スプレーガン(チロン・ジャパン株式会社製)を用いて、10g/mの割合で塗布し、常温乾燥させて、銅ドープアモルファス型酸化チタン含有第2層を形成した。
比較例5
実施例5において銅ドープアモルファス型酸化チタン含有第2層を形成しないものを比較例5とした。
比較例6
実施例5においてシリコーンレジン含有第1層及び銅ドープアモルファス型酸化チタン含有第2層を形成しない基板を比較例6とした。
評価2
実施例5並びに比較例5及び6の積層体を、十分乾燥させた後、流水洗浄して表面を乾燥させた。2日間屋外曝露した。積層体表面に水道水を霧吹きにて散布し、親水性を評価1と同一の基準で目視評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004508717
表2の結果から、シリコーンレジン含有層及び銅ドープアモルファス型酸化チタン含有層の組み合わせは撥水性シーリング材の表面を親水化可能することができる。
金属ドープ酸化チタンの第1の製造方法の一例の概略を示す図 実施例1及び5の撥水性評価基板の作成例を示す概略図

Claims (9)

  1. 撥水性基体表面にシリコーンレジン含有層を形成し、
    前記シリコーンレジン含有層表面に、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群から選択された金属元素の少なくとも1つがドープされたチタン酸化物を含む光触媒機能を有さない金属ドープチタン酸化物含有層を形成する
    ことを特徴とする、撥水性基体の親水化防汚方法。
  2. 前記光触媒機能を有さない金属ドープチタン酸化物含有層が、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛からなる群から選択された金属元素の少なくとも1つがドープされた、ペルオキソ基を有するアモルファス型チタン酸化物微細粒子の分散液から形成されることを特徴とする、請求項1記載の親水化防汚方法。
  3. 前記分散液がシリコーン化合物を更に含むことを特徴とする、請求項2記載の親水化防汚方法。
  4. 前記シリコーン化合物がポリエーテル変性シリコーンオイルであることを特徴とする、請求項3記載の親水化防汚方法。
  5. 前記撥水性基体の少なくとも表面が、シリコーン、変性シリコーン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリカーボネート又はアクリルポリマーからなることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の親水化防汚方法。
  6. 前記撥水性基体がシリコーン又は変性シリコーンからなるシーリング材またはその周辺基材であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の親水化防汚方法。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の方法により親水化防汚処理された撥水性基体。
  8. 請求項7記載の親水化防汚処理された撥水性基体を備えた建築物。
  9. 請求項7記載の親水化防汚処理された撥水性基体を備えた建築用部材。
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