JP4507320B2 - ゲーム機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右1対の推進装置によって航行する移動体を操縦するゲーム機に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の移動体を操縦するゲーム機においては、推進力調節手段として、操舵輪や操縦杆が用いられており、これらはいずれもそれぞれ1人のプレーヤにつき、1個ずつ設けられている。
【0003】
操舵輪を備えた模擬乗物は、自動車、飛行機、モータボート等を模擬したものが多く、自動車、モータボートを模擬したゲーム機では、操舵輪を時計方向または反時計方向へ回すと、この模擬乗物は右方または左方へ走行するようになっている。
【0004】
また、飛行機を模擬したものでは、操舵輪または操縦杆を具備しており、操舵輪を備えた飛行機では、方向進路変更は自動車、モータボートを模擬したものと同様な操作で足り、上下方向進路変更は、操舵輪の引きまたは押しで行なわれるようになっていた。
【0005】
さらに、操縦杆を備えた飛行機模擬ゲーム機では、操縦杆の外に、方向制御ペダルを備えており、実物の飛行機と同様に、操縦杆を前後に倒すことにより、上昇・下降を制御し、操縦杆を左右に倒すことにより、機体の左右傾動を制御し、方向制御ペダルを操作することにより、機体の左右向きを制御するようになっていた。
【0006】
【解決しようとする課題】
従来のゲーム機等は、前述したように、実物の乗物の操縦装置に似せて構成されているため、操縦する人は、奇想天外の乗物を操縦する感覚を持つことができなかった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、従来の模擬乗物にないような奇想天外の乗物の1例として左右に対をなした推進装置の推力を制御することによって左右に航行経路を変更できる模擬乗物を操縦できる操縦装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および効果】
求項1記載の発明は、遊戯者によって操作される左右一対の推進力調節手段を含み、該推進力調節手段に対する操作入力に応じて、表示装置に表示される仮想空間内を航行する模擬乗物の航行を制御装置によって調節するゲーム機であって、前記制御装置は、前記一対の推進力調節手段を同時に同一方向へ操作した場合には、前記模擬乗物加速または減速し、前記一対の推進力調節手段いずれか一方の操作量を他の推進力調節手段操作量と比べて小さくあるいは大きく操作した場合には、前記模擬乗物一方または他方へ旋回させるように構成され、前記推進力調節手段は、傾動支軸を介して左右に傾動可能に支持された傾動部材に支持され、前記制御装置は、前記推進力調節手段および前記傾動部材への左右への傾動操作に応じて、前記仮想空間内の模擬乗物を傾動方向に横滑りさせるように構成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明は、前記したように構成されているので、前記左右対をなした推進装置の推進力をそれぞれ制御することにより、前記模擬乗物を加速または減速あるいは左右へ旋回させることができるほか、模擬乗物を左右に横滑りさせることもでき、前記操縦装置を操作する人は、従来の模擬乗物に用いられる操舵輪や操作杆を操作する場合と異なった奇想天外の乗物の操縦感覚を、持つことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のゲーム機において、前記推進力調節手段は、推進力調節手段に加える操作力に対し抵抗力を与える抵抗手段が付設され、前記抵抗手段は、前記推進力調節手段の操作速度増減に対応して前記抵抗力が変化しうる流体粘性抵抗を利用した流体粘性減衰器であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、推進力調節手段は、推進力調節手段に加える操作力に対し抵抗力を与える抵抗手段が付設され、抵抗手段は、推進力調節手段の操作速度増減に対応して抵抗力が変化しうる流体粘性抵抗を利用した流体粘性減衰器であるから、推進力調節手段に操作力を加えない限り推進力調節手段を操作することができず、実物の操縦装置を操作したと同様な操縦感覚を操縦者に与えることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図39に示す本発明の一実施形態について説明する。
【0033】
本発明のゲーム機1は、図1に図示されるように、操縦室を模擬したコックピット2と、該コックピット2の前方に鉛直に起立して配置された表示装置3とよりなり、該コックピット2の中央に座席4が配設され、該座席4の左右両側および前後方にそれぞれ位置した左側部5,右側部6,後部7および前部8の上面および外面には、仮想乗物152の外形を特徴付ける模様が画かれ、前記左側部5にはプレーヤがコックピット2内に出入りできる乗降口9が形成されている。
【0034】
また、コックピット2の前部8の手前側に操縦装置10が構成され、該操縦装置10の左右略中央部にブーストボタンユニット11が配設されるとともに、該ブーストボタンユニット11を挟んで左右両側に左右1対の推進力調節手段であるスラスト調整ユニット12が配設されており、前記ブーストボタンユニット11は後記するように推進力増強可能な条件が成立した場合には、図29に図示されるように、押込み可能となるとともにその状態を保持でき、この推進力増強可能条件が成立しない場合には、図28に図示されるように、押込みが不可能となるとともに、押込み状態が保持できず、突出復帰するようになっている。
【0035】
さらに、スラスト調整ユニット12では、図2ないし図4および図30に図示されるように、調整レバー13が左右水平軸を中心に前後に揺動自在に枢支され、該調整レバー13の先端内側に調整レバー13と直角にグリップ14が取付けられ、右方の調整レバー13aの先端にブレーキユニット15が設けられ、前記グリップ14に隣接して該ブレーキユニット15にブレーキレバー16が揺動自在に取付けられている。
【0036】
そして、操縦装置の詳細構造を具体的に説明すると、コックピット2における前部8のフレーム(図示されず)に、図10ないし図12に図示のベースパネル17が一体に取付けられ、該ベースパネル17の左右両側部に矩形状の開口18が形成され、該開口18を囲んでベースパネル17の前面(図10では裏面)にスピーカ取付けブラケット19がスポット溶接等で一体に装着され、該スピーカ取付けブラケット19に図示されないスピーカが取付けられ、前記開口18は布またはパンチングメタル等の音透過性密閉材20でもって塞がれている。
【0037】
また、図4,図10および図12に図示されるように、前記ベースパネル17の中央に軸孔21が形成され、該軸孔21の外周を囲むように形成された枢支ブラケット22の中央にも軸孔23が形成され、前記ベースパネル17の前方(図4では左方)から後方に向って軸孔21に軸受スリーブ24が装着されるとともに前記枢支ブラケット22の後方(図4では右方)から前方に向って枢支ブラケット22の軸孔23に軸受スリーブ25が装着され、傾動支軸26の前後両端にも軸受スリーブ27,28が嵌着されており、傾動支軸26の後端に嵌着された軸受スリーブ28を、ベースパネル17の軸孔21に嵌着された軸受スリーブ24に前方(図4では左方)から後方に向って嵌合してから、前記傾動支軸26の前端(図4では左端)に装着された軸受スリーブ27に、枢支ブラケット22の軸孔23に嵌着された軸受スリーブ25を前方から後方に向けて嵌合された後、ベースパネル17に枢支ブラケット22を図示されないネジ等でもって一体に取付けることにより、傾動支軸26はベースパネル17と枢支ブラケット22とに回転自在に枢支されるようになっている。
【0038】
さらに、図10および図12に図示されるように、ベースパネル17の左側には、分銅型開口29が形成され、該分銅型開口29に遊嵌しうるように、後記傾動パネル50には突軸30(図12および図24参照)が前方に向って突設され、前記分銅型開口29に臨んでセンターリング装置31が配設され、図12ないし図14に図示されるように、該センターリング装置31は、取付けブラケット32と、該取付けブラケット32に嵌着されたピン33と、該ピン33に揺動自在に枢支された揺動片34と、中央に向って傾斜した復元片35と、前記揺動片34を中立位置に弾性的に復帰させる1対の弾性片36と、前記ピン33の先端に螺着されてピン33より揺動片34の脱落を阻止するネジ37とよりなり、後記傾動パネル50が中立状態から左右に傾動するモーメントが働いた場合、弾性片36の弾性変形で揺動片34および復元片35が揺動して、ストッパー取付けブラケット43が傾動しうるが、前記モーメントが働かなくなった時には、弾性片36の弾性力で揺動片34,復元片35が図12に図示の状態に復帰し、傾動パネル50が中立状態に復帰しうるようになっている。
【0039】
さらにまた、図10に図示されるように、ベースパネル17の左右両端近くに開口38が形成されるとともに受片39が後方(図10では紙面手前側)に向って切起され、図10および図12に図示されるように、ベースパネル17の前方(紙面奥側)から開口38を貫通してベースパネル17の後方に、図15および図16に図示の取付けブラケット40が嵌合され、該取付けブラケット40に係止ブロック41が嵌着され、傾動パネル50の左右には、係止ブロック41より上方に位置した個所にて開口42が形成され(図17参照)、該開口42より前方に向ってストッパー取付けブラケット43が一体に装着され、図12および図24に図示されるように、該ストッパー取付けブラケット43にストッパー片44が一体に取付けられており、傾動パネル50が左右いずれかの方向へ8°傾動すると、ストッパー片44が係止ブロック41に当接して、傾動パネル50の傾動が8°以内に制限されるようになっている。
【0040】
そして、図10に図示されるように、軸孔21の上方に左右1対の開口45が形成され、図12に図示されるようにこの開口45を塞ぐようにセンサ取付けプレート46がネジ48でもって一体に取付けられ、前記開口45に対応した位置で上下にそれぞれ2対の小孔47がセンサ取付けプレート46に形成され、該センサ取付けプレート46の前面に取付けられる左右1対の図示されないセンサーの発光側と受光側の端子が該小孔47より後方へ突出するように該センサーがセンサ取付けプレート46に一体に取付けられ、図17に図示されるように、開口45に対応した個所にて傾動パネル50に細長孔54が形成され、傾動パネル50の後方から細長孔54を貫通して前方へ図12に図示されるような遮塞片49が傾動パネル50に一体に取付けられるようになっている。
【0041】
また図4に図示されるように、ベースパネル17の手前側(右側)に傾動パネル50が配設され、該傾動パネル50の中央手前側には、図17に図示されるように、傾動軸取付けブラケット51が一体に装着され、図4に図示されるように、両傾動パネル50および傾動軸取付けブラケット51の円心孔に枢着ブロック52が嵌合されて、溶接等で、枢着ブロック52は傾動パネル50および傾動軸取付けブラケット51に一体に固着されており、該枢着ブロック52に螺着されるボルト53でもって、傾動パネル50は傾動支軸26に一体に結合されている。
【0042】
さらに、傾動パネル50は、図17に図示されるように形成され、図19および図20に図示される連結板55の鉛直取付け片56が傾動パネル50の手前面(右側)に図示されないネジ等で一体に取付けられるとともに、傾動パネル50の中央側に位置して連結板58の鉛直取付け片59が傾動パネル50の手前面にネジ等で一体に取付けられ、連結板55の水平取付け片57および連結板58の水平取付け片60に傾動底板61がネジ等で一体に取付けられており、このようにして傾動パネル50と傾動底板61とは直角をなして相互に一体的に結合されている。
【0043】
さらにまた、図5ないし図7に図示されるように、傾動パネル50および傾動底板61の中央より左側に位置して、図8および図9に図示のブーストボタンベース62の取付け部片63,64が傾動パネル50および傾動底板61に図示されないネジ等で一体に固着され、該ブーストボタンベース62には、図27ないし図29に図示されるように、ブーストボタンユニット11が設けられている。
【0044】
しかして、ブーストボタンユニット11は、ブーストボタンベース62に一体に装着されたガイド筒65と、該ガイド筒65に上下へ摺動自在に嵌装された押圧操作筒66と、該押圧操作筒66と常時上方へ付勢するコイルスプリング67と、前記ガイド筒65およびコイルスプリング67の外周を囲み押圧操作筒66の突出を制限する外壁体68と、押圧操作筒66が外壁体68に係止される際にその衝撃を緩和するゴム製緩衝リング69と、押圧操作筒66の係止溝70に係脱自在に係合しうるように、ブーストボタンベース62と一体の枢支片71に軸72を介して揺動自在に枢支された係止レバー73と、係止レバー73の水平片74にコイルスプリング75のバネ力により常時係合しうるスイッチ駆動片76と、スイッチ駆動片76に隣接してブーストボタンベース62に固着されたスイッチ取付け部材77とよりなり、該スイッチ取付け部材77に図示されないスイッチが設けられており、押圧操作筒66が図28に図示されるように外壁体68より外方へ突出した状態では、スイッチ駆動片76は図示されないスイッチより離れて、該スイッチはオフとされ、図29に図示されるように外壁体68内に押込まれて係止した状態では、スイッチ駆動片76は前記スイッチに接近して該スイッチはオンされるようになっている。
【0045】
また、スラスト調整ユニット12は、図5,図6および図30に図示されるように、傾動パネル50,傾動底板61を相互に一体に結合する連結板55,58に一体に装着されている。具体的には、図19および図21に図示される連結板55の2個の取付け孔78,79と、連結板58と一体の取付け片80の取付け孔81とに、図34に図示のサイドプレート82の取付け孔83,84,85がそれぞれ合せられ、これらをそれぞれ貫通螺着される図示されないネジでもって、スラスト調整ユニット12は連結板55および連結板58に一体的に装着され、ブーストボタンユニット11およびスラスト調整ユニット12の上方および手前側はカバー90でもって覆われて、傾動パネル50および傾動底板61に該カバー90は一体に取付けられている。
【0046】
さらに、スラスト調整ユニット12は、図34に図示されるように、揺動枢支部に対応する左右1対のサイドプレート82と、該1対のサイドプレート82の内面にそれぞれ一体に装着される揺動範囲設定部に対応するレバーガイド87と、サイドプレート82の枢支孔86に図示されないベアリングを介して調整レバー13の揺動軸91が前後に揺動自在に枢支される調整レバー13と、調整レバー13がレバーガイド87におけるガイド溝部88の端部に緩やかに係止されるように、調整レバー13の当接部92が当接して弾性変形可能なストッパーラバー94と、図35ないし図38に図示されるように、調整レバー13のグリップ取付け孔93に装着されるグリップ14と、図33に図示のオイル粘性減衰器に対応するトルクリミッター96とよりなり、該トルクリミッター96の図示されない回転部分は調整レバー13と一体の揺動軸91に結合されており、該トルクリミッター96は、その内部に投入されるオイルの粘性を利用し、前記回転部分の回転速度に略比例した抵抗トルクを発生するようになっている。
【0047】
さらにまた、図31ないし図33に図示されるように、揺動軸91の外端にセグメントギヤ97がネジ98でもって一体に装着され、該セグメントギヤ97に噛合うピニオンギヤ99はセンサー支持ブラケット100に枢支され、該センサー支持ブラケット100はネジ101でもってサイドプレート82に一体に取付けられ、該センサー支持ブラケット100にはピニオンギヤ99の回転角度をデジタル信号として発信しうるレバー揺動角センサー102が設けられており、調整レバー13の前後揺動角はレバー揺動角センサー102でもって検出されるようになっている。
【0048】
なお、セグメントギヤ97の外側には、図31および図33に図示されるように、該セグメントギヤ97を保護する保護カバー103がネジ104でもってサイドプレート82に一体に取付けられている。
【0049】
また、グリップ14が調整レバー13に取付けられる具体的構造は、図38に図示されるようになっている。すなわち、調整レバー13の先端の内側(図38では左側)にグリップ14が配置されるとともに、調整レバー13の先端の外側に中間片105が配置され、該中間片105の中心孔106と調整レバー13のグリップ取付け孔93とグリップ14の中心孔107とを外方から内方に向って結合体108の軸109が貫通し、該軸109のネジ孔110に螺合する図示されないネジでもって、グリップ14,中間片105および結合体108は調整レバー13の先端に一体に取付けられている。
【0050】
さらに、左右1対の結合体108の内、図1ないし図6(図4は除く)および図35ないし図38に図示されるように、右方の結合体108には、ブレーキアッパーボックス111が溶接等で一体に固着され、該ブレーキアッパーボックス111の下方にブレーキロアーボックス112が図示されていないネジ等で着脱自在に装着され、前記ブレーキアッパーボックス111の上面にアッパーボックスカバー113がネジ等で着脱自在に取付けられるとともに、前記ブレーキロアーボックス112の下面にロアーボックスカバー114が着脱自在に取付けられるようになっている。
【0051】
さらにまた、ブレーキレバー16の軸116の下端は、ブレーキアッパーボックス111およびブレーキロアーボックス112の軸孔117,118に揺動自在に嵌合され、該ブレーキレバー16の基端下方にスイッチ開閉カム119が一体に嵌着され、該ブレーキレバー16の軸116の上部に復帰コイルスプリング120が遊嵌され、該復帰コイルスプリング120の一端はブレーキレバー16に係止されるとともに、該復帰コイルスプリング120の他端はブレーキアッパーボックス111に係止されており、該復帰コイルスプリング120のバネ力により、ブレーキレバー16はグリップ14から離れる方向(図35,図36では時計方向)へ付勢されるようになっている。
【0052】
しかも、ブレーキロアーボックス112には、スイッチ取付け基板121が一体に固着され、該スイッチ取付け基板121上にマイクロスイッチで構成されるブレーキ操作検出スイッチ122が設けられており、ブレーキレバー16を操作すると、スイッチ開閉カム119がブレーキ操作検出スイッチ122の検出片123に軸116が当接して、ブレーキ操作検出スイッチ122がオンされるようになっている。なお、ブレーキアッパーボックス111およびブレーキロアーボックス112の孔124,125にピン126が嵌着され、該ピン126にストッパーラバー127が嵌合されており、該ストッパーラバー127によってブレーキレバー16の操作角が制限されるとともに、その操作制限度においてストッパーラバー127の弾性で操作力が緩和されるようになっている。
【0053】
次に図39を参照してゲーム機1の制御系130の概略を説明する。
【0054】
制御系130のゲーム処理ボード131は、図39に図示されるように、CPUブロック132,ビディオブロック133,サウンドブロック134,エンコーダ135およびD/Aコンバータ136からなり、CPUブロック132は、SCU(System Control Unit)137とメインCPU138とメインRAM139とROM140と入出力インターフェース141とより構成されており、SCU137はバスを介して相互に接続されるデバイスにバス専有時間を割振ることにより、データの送受信を制御可能に構成されている。
【0055】
また、メインCPU138は、電源投入時にROM140に格納されたイニシャルプログラムを実行して、装置全体を初期化し、その後、メインRAM139上にROM140からの所定の動作システムやゲーム処理プログラム等を展開し、該システムやゲーム処理プログラムを実行してゲーム展開を処理し、映像・音響の作成を指令できるようになっている。そして、メインCPU138は、ゲーム処理画像データをビディオブロック133に与えることができ、さらに、音声データをサウンドブロック134に与えることができるとともに、これらの動作を制御できるように構成されており、メインCPU138は、入出力インターフェース141からの入力データを基にゲーム処理プログラムを処理して所定のゲーム展開を実行できるようになっている。
【0056】
さらに、メインRAM139は、主として前記動作システムおよびゲーム処理プログラムを格納するワークメモリとして動作し、該メインRAM139は、前記動作システムおよびゲーム処理プログラムの外にイニシャルプログラムも格納している。
【0057】
さらにまた、入出力インターフェース141は操縦装置10におけるブーストボタンユニット11、左右スラスト調整ユニット12l,12rおよびブレーキユニット15等に接続されており、これらの操作信号がデジタル信号量としメインCPU138に取り込まれるようになっている。
【0058】
また、ビディオブロック133は、ビディオゲームのポリゴンデータからなる仮想乗物152等の描写を行うVDP(Video Display Processor)142と、背景画面の描写、ポリゴン画像データおよび背景画像の合成、クリッピング処理等を行うVDP143とを具備し、VDP142は、VRAM144およびフレームバッファ145,146に接続されており、ビディオゲーム機1の仮想乗物152を表すポリゴンの描画データは、メインCPU138からSCU137を介してVDP142に送られ、VRAM144に書込まれるようになっている。
【0059】
さらに、VRAM144に書込まれた描画データは、例えば、16または8ビット/pixelの形式で描画用のフレームバッファ145またはフレームバッファ146に描画され、描画されたフレームバッファ145またはフレームバッファ146のデータはVDP143に送られるようになっている。描画を制御する情報は、メインCPU138からSCU137を介してVDP142に与えられ、VDP142は、この指示に従い描画処理を実行するようになっている。
【0060】
さらにまた、VDP143はVRAM147に接続され、VDP143から出力された画像データは、メモリ148を介してエンコーダ135に出力されるように構成されており、エンコーダ135は、この画像データに同期信号等を付加することにより、映像信号を生成し、表示装置3に出力し、これにより、表示装置3にゲーム画面が表示されるようになっている。
【0061】
そして、サウンドブロック134は、PCM方式あるいはFM方式に従い音声合成を行うDSP149と、このDSP149の制御等を行うCPU150とによりなり、DSP149により生成された音声データは、D/Aコンバータ136により複数のチャンネルの信号に変換された後に、スピーカ151a,151b,151cに出力されるようになっている。
【0062】
図1ないし図39に図示の実施形態は、前記したように構成されているので、プレーヤは、図示されないメダル投入口からメダルを投入すると、スターウォーズに出てくる仮想乗物152が制御系130によって表示装置3に表示される。
【0063】
この仮想乗物152は、2基のジェットエンジン153と、該ジェットエンジン153にロープ155を介して連結されたポッド154とよりなり、該2基のジェットエンジン153はエネルギーバンド156で連結されており、2基のジェットエンジン153は左右2個のスラスト調整ユニット12によって、それぞれ別個に推力が調整されるようになっているので、左右のスラスト調整ユニット12,調整レバー13を同時に前方へ押すと、仮想乗物152の飛行速度が大巾に加速され、これに伴なって、地上を低く飛行している仮想乗物152の高度が増大する。
【0064】
しかも、加速条件(後記ダメージを受けない、または修復が終った場合等)が成立した場合には、ブーストボタンユニット11を押圧操作すると、仮想乗物152の最高飛行速度がさらに増大する。
【0065】
また、左右のスラスト調整ユニット12,調整レバー13を同時に手前に引くと、仮想乗物152の飛行速度が低下し、これに伴なって仮想乗物152の飛行高度が減少する。
【0066】
さらに、図40に図示されるように、左右いずれか一方のスラスト調整ユニット12の調整レバー13を前方へ限度一杯に押し、他方のスラスト調整ユニット12の調整レバー13をそれよりも手前側に引くと、仮想乗物152は手前へ引いた方向へ緩やかに旋回する。
【0067】
そして、他方のスラスト調整ユニット12の調整レバー13の手前側引き具合を強めると、それに対応して仮想乗物152の旋回経路の曲がりが増大する。
【0068】
さらにまた、左右スラスト調整ユニット12の調整レバー13を手前側へ引いて仮想乗物152の飛行速度を低下させた状態では、仮想乗物152がより大きく曲って飛行し、ブレーキユニット15へのブレーキ操作が加わるとその曲りがさらに強化される。
【0069】
また、仮想乗物152が、画面上の障害物等に衝突または接触してダメージ量が増大すると、スピードメータ部に警告灯(図示されず)が点滅し、このダメージ量が極限に達すると、ボーンという小爆発音が発せられるとともに、火と煙が噴き、一瞬操作が不安定になるか、もしくは画面が揺れ、それとともに飛行速度が低下する。
【0070】
所定時間経由後、自動修復機能が働き、仮想乗物152は修復され、飛行速度も増大する。
【0071】
この修復期間中に、ブーストボタンユニット11を操作しても、仮想乗物152の推力は増大しない。
【0072】
さらに、左右のスラスト調整ユニット12のグリップ14を握ったまま、傾動パネル50を左方または右方へ傾けると、表示装置3上の仮想乗物152は左方または右方に僅かに傾き、その方向へ横滑りする。
【0073】
図1ないし図39に図示の実施形態では、傾動パネル50が左右に傾動するようになっているが、左方または右方へ移動するように構成してもよく、あるいは、傾動または移動不能に固定してもよい。
【0074】
また、グリップ14は調整レバー13に対し、内側水平方向へ直角に取付けられているが、調整レバー13の延長方向へグリップ14を取付けてもよい。
【0075】
さらに、ブレーキユニット15は右方のスラスト調整ユニット12の調整レバー13に設けられていたが、ブレーキユニット15を左右両方のスラスト調整ユニット12の調整レバー13に設けてもよく、この場合、調整レバー13の手前側引き減速操作をさらに個別に調整することができる。
【0076】
さらにまた、前記実施形態では、スターウォーズに出現する仮想乗物152を表示装置3に表示したが、左右2隻のモータボートで曳航される水上スキーを表現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願に係るゲーム機の全体斜視図である。
【図2】操縦装置の正面図である。
【図3】操縦装置の平面図である。
【図4】操縦装置の左側面図である。
【図5】操縦装置のカバーを取外した状態の正面図である。
【図6】操縦装置のカバーを取外した状態の平面図である。
【図7】操縦装置のカバーを取外した状態の左側面図である。
【図8】ブーストボタンベースの正面図である。
【図9】ブーストボタンベースの左側面図である。
【図10】ベースパネルの正面図である。
【図11】ベースパネルの平面図である。
【図12】図10の要部拡大正面図である。
【図13】センターリング装置の分解正面図である。
【図14】センターリング装置の平面図である。
【図15】取付けブラケットおよび係止ブロックの平面図である。
【図16】取付けブラケットおよび係止ブロックの側面図である。
【図17】傾動パネルおよび傾動底板の組立状態の正面図である。
【図18】傾動パネルおよび傾動底板の組立状態の平面図である。
【図19】傾動パネル、連結板および傾動底板の側面図である。
【図20】連結板の平面図である。
【図21】傾動パネル、連結板および傾動底板の組立状態の側面図である。
【図22】傾動パネルの正面図である。
【図23】傾動パネルの平面図である。
【図24】傾動パネルの要部拡大裏面図である。
【図25】傾動底板の平面図である。
【図26】傾動底板の正面図である。
【図27】ブーストボタンユニットの平面図である。
【図28】ブーストボタンユニットの側面図である。
【図29】ブーストボタンユニットの押圧操作筒を押込んだ状態の縦断側面図である。
【図30】右側スラスト調整ユニットを操縦装置に取付けた状態の左側面図である。
【図31】スラスト調整ユニットの側面図である。
【図32】図31のXXXII矢視図である。
【図33】スラスト調整ユニットの正面図である。
【図34】スラスト調整ユニットのの分解斜視図である。
【図35】右側スラスト調整ユニットの要部平面図である。
【図36】右側スラスト調整ユニットの左側面図である。
【図37】ブレーキアッパーボックスを取外した状態の右側スラスト調整ユニットの平面図である。
【図38】右側スラスト調整ユニットの要部分解斜視図である。
【図39】制御系のブロック図である。
【図40】1対のスラスト調整ユニットの操作による仮想乗物の旋回状態を図示した説明図である。
【符号の説明】
1…ゲーム機、2…コックピット、3…表示装置、4…座席、5…左側部、6…右側部、7…後部、8…前部、9…乗降口、10…操縦装置、11…ブーストボタンユニット、12…スラスト調整ユニット、13…調整レバー、14…グリップ、15…ブレーキユニット、16…ブレーキレバー、17…ベースパネル、18…開口、19…スピーカ取付けブラケット、20…音透過性密閉材、21…軸孔、22…枢支ブラケット、23…軸孔、24…軸受スリーブ、25…軸受スリーブ、26…傾動支軸、27…軸受スリーブ、28…軸受スリーブ、29…分銅型開口、30…突軸、31…センターリング装置、32…取付けブラケット、33…ピン、34…揺動片、35…復元片、36…弾性片、37…ネジ、38…開口、39…受片、40…取付けブラケット、41…係止ブロック、42…開口、43…ストッパー取付けブラケット、44…ストッパー片、45…開口、46…センサ取付けプレート、47…小孔、48…ネジ、49…遮塞片、50…傾動パネル、51…傾動軸取付けブラケット、52…枢着ブロック、53…ボルト、54…細長孔、55…連結板、56…鉛直取付け片、57…水平取付け片、58…連結板、59…鉛直取付け片、60…水平取付け片、61…傾動底板、62…ブーストボタンベース、63…取付け部片、64…取付け部片、65…ガイド筒、66…押圧操作筒、67…コイルスプリング、68…外壁体、69…緩衝リング、70…係止溝、71…枢支片、72…軸、73…係止レバー、74…水平片、75…コイルスプリング、76…スイッチ駆動片、77…スイッチ取付け部材、78…取付け孔、79…取付け孔、80…取付け片、81…取付け孔、82…サイドプレート、83…取付け孔、84…取付け孔、85…取付け孔、86…枢支孔、87…レバーガイド、88…ガイド溝部、89…凹部、90…カバー、91…揺動軸、92…当接部、93…グリップ取付け孔、94…ストッパーラバー、96…トルクリミッター、97…セグメントギヤ、98…ネジ、99…ピニオンギヤ、100…センサー支持ブラケット、101…ネジ、102…レバー揺動角センサー、103…保護カバー、104…ネジ、105…中間片、106…中心孔、107…中心孔、108…結合体、109…軸、110…ネジ孔、111…ブレーキアッパーボックス、112…ブレーキロアーボックス、113…アッパーボックスカバー、114…ロアーボックスカバー、116…軸、117…軸孔、118…軸孔、119…スイッチ開閉カム、120…復帰コイルスプリング、121…スイッチ取付け基板、122…ブレーキ操作検出スイッチ、123…検出片、124…孔、125…孔、126…ピン、127…ストッパーラバー、130…制御系130、131…ゲーム処理ボード、132…CPUブロック、133…ビディオブロック、134…サウンドブロック、135…エンコーダ、136…D/Aコンバータ、137…SCU、138…メインCPU、139…メインRAM、140…ROM、141…入出力インターフェース、142…VDP、143…VDP、144…VRAM、145…フレームバッファ、146…フレームバッファ、147…VRAM、148…メモリ、149…DSP、150…CPU、151…スピーカ、152…仮想乗物、153…ジェットエンジン、154…ポッド、155…ロープ、156…エネルギーバンド。

Claims (2)

  1. 戯者によって操作される左右一対の推進力調節手段を含み、該推進力調節手段に対する操作入力に応じて、表示装置に表示される仮想空間内を航行する模擬乗物の航行を制御装置によって調節するゲーム機であって、
    前記制御装置は、前記一対の推進力調節手段を同時に同一方向へ操作した場合には、前記模擬乗物加速または減速し、前記一対の推進力調節手段いずれか一方の操作量を他の推進力調節手段操作量と比べて小さくあるいは大きく操作した場合には、前記模擬乗物一方または他方へ旋回させるように構成され、
    前記推進力調節手段は、傾動支軸を介して左右に傾動可能に支持された傾動部材に支持され、
    前記制御装置は、前記推進力調節手段および前記傾動部材への左右への傾動操作に応じて、前記仮想空間内の模擬乗物を傾動方向に横滑りさせるように構成された
    ことを特徴とするゲーム機。
  2. 前記推進力調節手段は、推進力調節手段に加える操作力に対し抵抗力を与える抵抗手段が付設され、
    前記抵抗手段は、前記推進力調節手段の操作速度増減に対応して前記抵抗力が変化しうる流体粘性抵抗を利用した流体粘性減衰器である
    ことを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
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