JP4506838B2 - 太陽電池及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池及び太陽電池モジュールに係り、太陽電池システムの発電を司るシリコン太陽電池の発電効率と寿命を向上させるため、太陽光の受光面側表電極とシリコン基板の状態に関するものである。
環境に優しくエネルギーを有効利用するため、近年、シリコン基板を主材料とする太陽電池システムは、住宅用や高層ビル用等への普及が著しくなってきている。今後、太陽電池システムは、さらに普及が予測されているが、そのキーとなる技術開発項目としては、低価格製造プロセスの開発や発電効率の向上、寿命向上等が挙げられる。
太陽電池システムの設置面積が限定される場合には、発電効率の高い太陽電池システムが有効である。また、消費者サイドにおける購入コストペイバックの観点からは、太陽電池システム自体における低価格化を図ることと、その寿命向上を図ることも重要である。以下に、従来の太陽電池について、具体的に図面を用いて説明する。
図10は従来の住宅用等に使用されるシリコン太陽電池の表面、裏面側の概略図であり、図10(A)はそのシリコン太陽電池の表面側の概略図、図10(B)はそのシリコン太陽電池の裏面側の概略図である。図11は図10(A)に示すA1−A2線におけるシリコン太陽電池の断面図、図12、13は図11に示すシリコン太陽電池の主な製造工程を示す断面構造図である。
図10〜13において、101はp型シリコン基板であり、102はp型シリコン基板101上部に形成されたテクスチャーであり、103はp型シリコン基板101とテクスチャー102間に形成されたn層である。104はテクスチャー102上に形成された反射防止膜であり、110はn層103と接続されるように形成された焼結後の表銀グリッド電極である。
111は反射防止膜104上に形成されたスクリーン印刷後の表銀グリッド電極用ペーストであり、112はn層103と接続されるように形成された表銀バス電極である。120はp型シリコン基板101裏面側に形成された焼結後の裏アルミ電極であり、121はp型シリコン基板101裏面に形成されたスクリーン印刷後の裏アルミ電極用ペーストである。
122はp型シリコン基板101と裏アルミ電極120間に形成されたp+層であり、130はp+層122と接続されるように形成された焼結後の裏銀バス電極である。40は表銀グリッド電極110表面に形成されたハンダであり、tはn層103の厚みを示しており、dは表銀グリッド電極110におけるn層103への侵食深さを示している。
図10(A)に示す太陽電池の表側では、p型シリコン基板101上に太陽光をできるだけ多く発電に寄与させるべく、通常、入射される光の反射を抑制させるために、反射防止膜104を設けている。更に、太陽電池の表側には、シリコン基板101中で発電された電気を局所的に集電するための表銀グリッド電極110と、表銀グリッド電極110で集電された電気を取り出すための表銀バス電極112とが配置されている。
ここで、太陽電池の表側電極となる表銀グリッド電極110と表銀バス電極112は、太陽電池の表側に入射される太陽光を遮ってしまうため、太陽電池の表側に可能な限り小さく配置することが、太陽電池における発電効率の向上の観点で望ましい。
そこで、太陽電池の表側に太陽光を多く入射させることを考慮すると、例えば、図10(A)のような櫛型のグリッド電極110とバス電極112を、太陽電池の表面に配置して構成するのが一般的である。また、グリッド電極110とバス電極112の電極材料としては、例えば、銀を主成分として構成する場合がコスト及び性能の観点で一般的である。
図10(B)に示す太陽電池の裏側では、裏側で発生した電気が抵抗によるロスで低減してしまうことを抑制するために、裏アルミ電極120を広範囲に設け、裏アルミ電極120で発電された電気を集電させるために裏銀バス電極130を更に配置して構成している。
裏アルミ電極120は、BSF(Back Surface Field)効果による発電能力を改善するために、一般にアルミ材料を使用する場合が多い。裏銀バス電極130は、裏アルミ電極120で発電された電気を引き出すための電気引き出し導線として機能させる場合、半田付き銅線を利用するのが一般的であるが、ここでは、例えば、裏アルミ電極120との接着加工性が良好な裏バス電極として、銀電極を用いて構成している。
次に、図11に示す太陽電池ついて説明する。図11に示す太陽電池において、入射された太陽光によりシリコン中で電子とホールが発生するが、短波長光は、シリコン表層で大半が吸収されるが、長波長光は、シリコン深くまで透過して吸収される特性がある。また、シリコン中で発生した電子は、シリコン中で拡散して移動できる距離が長い傾向があり、一方、シリコン中で発生したホールは、シリコン中で拡散移動できる距離が短い傾向がある。
太陽電池は、シリコン中の不純物や欠陥等に電子やホールが吸収されると発電性能が落ちる。光電池の場合は、pn接合を有する半導体に光を照射して、発生した電子とホールを分離する構造となっているのに対し、太陽電池の場合は、太陽光のスペクトルに対応して、半導体側で発電効率が最適になるように構造を合わせなければならない。
そこで、太陽電池は、太陽光のスペクトルに対応して半導体側で発電効率を最適にすることを考慮して、p+層122側のホール濃度を高め、n層103側の電子濃度を高めるように適宜構造設計するとよい。これにより、太陽電池は、そのホール濃度を高めたp+層122と電子濃度を高めたn層103によるpn接合により、電子とホールを効率よく分離させることができる。
一般的に、低価格の太陽電池は、シリコン基板を使用して単純なpn接合で太陽光を発電させ、数百μm厚程度のp型シリコン基板101にリン(P)等のV族元素による拡散等を行うことにより、数百nm厚程度のn層103を形成する。 ここでは、 p型シリコン基板101は単結晶、多結晶のいずれであってもよいが、以下の説明では(100)面方位の単結晶基板を例示して説明する。
図11に示す太陽電池では、比抵抗0.1〜5Ω・cm程度のp型シリコン101表面に、n層103と基板101側の光を閉じ込める凹凸構造のテクスチャー102を設け、そのテクスチャー102上に反射防止膜104を配置する。基板101裏側には裏アルミ電極120を配置し、 BSF(Back Surface Field)効果を期待してp+層122を設けてp+層122中の電子が消滅しないように、バンド構造の電界でp+層122の電子濃度を高めるように構成する。
また、裏アルミ電極120には、シリコン基板101を通過する長波長光を反射させて発電に再利用するBSR(Back Surface Reflection)効果も期待している。但し、裏アルミ電極120は、シリコン基板101の反りが顕著になる傾向があり、これに伴い基板101の割れを誘発する。このため、裏アルミ電極120は、基板101の割れを考慮して、熱処理でP+層22を形成した後に除去する場合も多い。
ここで、シリコン基板101が反る理由について説明する。シリコン基板101裏面に裏アルミ電極120用のアルミニウム(Al)膜を形成すると、シリコン基板101中のSiとAl膜中のAlによるAl−Si合金化反応が生じる。その後、577℃程度の再凝固を行ってAl膜を焼結して裏アルミ電極120を形成する。この熱処理により、熱膨張係数の異なるシリコン基板101と裏アルミ電極120間で熱膨張差を生じて、裏アルミ電極120側で凹となるようにシリコン基板101が反る。
次に、図11に示す太陽電池の製造プロセスについて、図12、13を用いて説明する。この図12、13は、技術的にはハードルが高いと言われるプロセスであり、低コスト化を考慮して製造工程数が少ない太陽電池の製造プロセスを例示したものである。ここでは、表銀グリッド電極110、表銀バス電極112は反射防止膜104上に銀ペーストをスクリーン印刷法で付着乾燥させ、さらに、裏アルミ電極120、裏銀バス電極130もスクリーン印刷法で付着乾燥させる。
続いて、表裏各電極ペーストを同時に焼成することにより、各電極110、112、120、130を形成する。この焼成により、表銀電極110、112は反射防止膜104を貫通してn層103の中で留まる。また、裏アルミ電極120とシリコン基板101は、この焼成により溶融かつ再凝固することにより、裏アルミ電極120とシリコン基板101間にp+層122を形成する。以下に、この太陽電池の製造方法を具体的に説明する。
まず、図12(A)に示すp型シリコン基板101を用い、鋳造インゴットからスライスした際に発生するシリコン基板101表面のダメージ層を、例えば数〜20wt%苛性ソーダや炭酸苛性ソーダで10〜20μm厚程度除去した後、同様のアルカリ低濃度液にIPA(イソプロピルアルコール)を添加した溶液でシリコン基板101表面の異方性エッチングを行ない、シリコン(111)面が出るようにテクスチャー102をシリコン基板101表面に形成する(図12(B))。
続いて、例えばオキシ塩化リン(POCl3)、窒素、酸素の混合ガス雰囲気で800〜900℃/数十分程度の熱処理を行うことにより、シリコン基板101表面全面に一様にn層103を形成する。この時、シリコン基板101表面に形成されたn層103におけるシート抵抗の範囲は、30〜80Ω/□程度と太陽電池として良好な電気特性が得られる。
このシリコン基板101表面からリン(P)濃度がリン(P)濃度1E16/cm3になっている所まで、シリコン基板101中にリン(P)が進入しているシリコン基板101の深さ(t)について、n層103をSIMS(Secondary-Ion-Mass-Spectroscopy)分析評価した。その結果、シート抵抗が30、60、80Ω/□の各々のn層103では、その深さ(t)がシリコン基板101表面から各々450、350、250nmであった。
次に、受光面として必要な受光面側のn層103を保護するために、その受光面部分のn層103を覆うように、高分子レジストペーストをスクリーン印刷法で付着して乾燥させる。この時、受光面部分のn層103を覆うようにレジストマスクが選択的に形成されるとともに、受光面部分以外の部分のn層103が露出される。
その後、受光面部分のn層103を覆ったレジストマスクを用い、シリコン基板101裏面等の所望以外(受光面部分以外)のシリコン基板101表面に形成されたn層103を、例えば、20wt%水酸化カリウム溶液中へ数分間浸漬を施して選択的に除去した後、マスクとして使用したレジストを有機溶剤で除去する(図12(C))。これにより、受光面部分のn層103が残り、受光面部分以外のn層103が除去されてシリコン基板101が露出される。
さらに、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜や酸化チタン膜などからなる反射防止膜104を、残された受光面部分のn層103表面に一様な厚みで形成する(図13(A))。例えば、反射防止膜104をシリコン窒化膜で形成する場合は、プラズマCVD法でSiH4ガス及びNH3ガスを原材料にして300℃以上、減圧下でシリコン窒化膜を成膜形成する。
ここで形成されるシリコン窒化膜からなる反射防止膜104の屈折率は、2〜2.2程度であり、最適な反射防止膜104の厚さとしては、70〜90nm程度である。そして、このようにして形成されるシリコン窒化膜からなる反射防止膜104は、絶縁体として機能するため、この絶縁体の反射防止膜104上に表面電極を単に形成しただけでは、太陽電池として動作させることができない。そこで、以下に述べるような配線接続等の工程を行う。
次に、表銀グリッド電極110形成用と表銀バス電極112形成用の銀ペーストをスクリーン印刷法で反射防止膜104上に付着して乾燥させる。これにより、反射防止膜104上に表銀グリッド電極用ペースト111及び表銀バス電極用ペーストが選択的に形成される。図13(B)では、表銀グリッド電極用ペースト111が反射防止膜104上に形成されていることを示している。なお、表銀バス電極用ペーストは、断面箇所の都合上、図13(B)に図示されていない。
さらに、裏アルミ電極120、裏銀バス電極130を形成する場合も同様に、スクリーン印刷法で裏アルミ電極120形成用のアルミペーストと裏銀バス電極130形成用の銀ペーストを、シリコン基板101裏面に各々付着して乾燥させる。これにより、シリコン基板101裏面に裏アルミ電極形成用ペースト121と裏銀バス電極形成用ペーストが選択的に形成される。
図13(B)では、裏アルミ電極用ペースト121がシリコン基板101裏面に形成されていることを示している。なお、裏銀バス電極用ペーストは、断面箇所の都合上、図13(B)に図示されていない。スクリーン印刷では、通常、メッシュ数200〜400番手のメッシュを用いる。通常、乾燥前のペースト厚みは、十〜数十μm厚程度であるが、このペースト厚みは、乾燥や焼成などで数割減少する。
そして、最後に、表銀グリッド電極用ペースト111、表銀バス電極用ペースト、裏アルミ電極用ペースト121及び裏銀バス電極用ペーストを含む表裏電極用ペーストを、同時に600℃〜900℃程度で数分間程度、焼成する。この焼成により、シリコン基板101の表側では、表銀グリッド電極用ペースト111と表銀バス電極用ペーストを含む表銀ペースト中に含まれているガラス材料によって、反射防止膜104が溶融している間に、銀ペースト中の銀材料がシリコン基板101上部のn層103中のシリコンと接触して再凝固する。
以上の焼成工程により、上記表裏電極用ペーストが焼成されて、表銀グリッド電極110、表銀バス電極112、裏アルミ電極120及び裏銀バス電極130が形成される。図13(C)では、表銀グリッド電極110と裏アルミ電極120が形成されていることを示しており、表銀バス電極112と裏銀バス電極130は、断面箇所の都合上、図13(C)に図示されていない。
また、上記焼成工程により、表銀グリッド電極110/表銀バス電極112による表銀電極とシリコンのn層103の導通が確保される。このようなプロセスは、ファイヤースルー法と呼ばれている。また、この焼成工程により、裏アルミ電極用ペースト121もシリコン基板101中のシリコンと反応して、裏アルミ電極120が形成されるとともに、シリコン基板101と裏アルミ電極120間にp+層122が形成される。
ここで、ファイヤースルー法で重要なのは、反射防止膜104が数十nm厚程度で形成され、n層103が数百nm厚程度でしか形成されないことである。焼成中に銀ペースト中のガラスが反射防止膜104のみならず、n層103中のシリコンとも反応するのが一般的であり、ガラス及び銀電極110、112をn層103内で留めるように焼成温度、時間を制御しなければならない。
また、反射防止膜104が表面銀電極110、112直下及びその近傍だけ予め除去しておく製造方法や、反射防止膜104を後で形成する製造方法でも、同様に焼成時の制御性は重要である。焼成温度が低い、若しくは焼成時間が短い場合は、n層103中のシリコンと銀電極110、112の接触が不十分で接触抵抗が高くなる不具合が発生する。
逆に、焼成温度が高い、若しくは焼成時間が長い場合は、n層103をガラス成分や銀電極110、112が突き抜けて、太陽電池における電気的特性の劣化を招き易い。また、表銀電極110、112直下が一様にn層103中のシリコンと導通がとれていないと、太陽電池における初期の電気的特性が劣化する。
更には、樹脂やガラス等で太陽電池を密封してモジュール化しても、長期間の使用中に封止樹脂を透過した水分が太陽電池まで到達して、表銀電極110、112とシリコン界面を、酸化等の反応で劣化させてしまい、太陽電池の寿命を短くすることがあった。
そこで、その対策の1つとして、銀電極110、112の耐湿性向上を図るために、200〜250℃程度の鉛・スズ共晶ハンダ溶融槽に上記太陽電池を浸漬処理して、図11に示すように、表銀電極110、112上にハンダ140で被覆処理を行っている。これにより、表銀電極110、112における耐湿性の向上を図ることができる。
上記したような従来のシリコン太陽電池では、表銀電極110、112と、シリコン基板101上部に形成されたn層103中のシリコンとの反応が十分に考慮されておらず、表銀電極110、112とその一部材料であるガラスがシリコンによるn層103へ必要以上に侵食すると、n層103をガラス成分や銀電極110、112が突き抜けて、太陽電池における電気的特性の低下を招くことがあるという問題があった。また、逆に、n層103中のシリコンと銀電極110、112の接触が不十分で接触抵抗が高くなり、太陽電池の寿命を短縮することがあるという問題があった。
また、上記したような従来のシリコン太陽電池では、表銀電極110、112直下が不均一にしか侵食反応されないと、表銀電極110、112がn層103中のシリコンと一様に導通がとれなくなり、太陽電池の電気的特性の低下を生じることがあるという問題があった。
そこで、本発明は、n層中のシリコンと表銀電極の反応を十分安定した状態で行うことができ、電気的特性及び寿命を向上させることができる太陽電池及び太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明による太陽電池の製造方法は、第1導電型のシリコン基板と、シート抵抗が80Ω/□以下であり、第1導電型のシリコン基板の受光面に形成された第2導電型の半導体層と、第2導電型の半導体層において第1導電型のシリコン基板と接する面と反対の面に形成されたシリコン窒化膜と、シリコン窒化膜において第2導電型の半導体層と接する面と反対の面からシリコン窒化膜を突き破り、第2導電型の半導体層を第1導電型のシリコン基板に向かって侵食するとともに第2導電型の半導体層への最大侵食深さが35nmで第2導電型の半導体層内に留まった金属電極とを有する、ファイヤースルー法を用いた太陽電池の製造方法であって、ガラス量3wt%であってガラス軟化温度が500℃であり第2導電型の半導体層に付着乾燥された電極ペーストを、最高温度850℃で保持時間60secで焼成して金属電極を形成することを特徴とするものである。
また、本発明による太陽電池の製造方法は、第1導電型のシリコン基板と、シート抵抗が80Ω/□以下であり、第1導電型のシリコン基板の受光面に形成された第2導電型の半導体層と、第2導電型の半導体層において第1導電型のシリコン基板と接する面と反対の面に形成されたシリコン窒化膜と、シリコン窒化膜において第2導電型の半導体層と接する面と反対の面からシリコン窒化膜を突き破り、第2導電型の半導体層を第1導電型のシリコン基板に向かって侵食するとともに第2導電型の半導体層への最大侵食深さが5nmで第2導電型の半導体層内に留まった金属電極とを有する、ファイヤースルー法を用いた太陽電池の製造方法であって、ガラス量3wt%であってガラス軟化温度が500℃であり第2導電型の半導体層に付着乾燥された電極ペーストを、最高温度750℃で保持時間5secで焼成して金属電極を形成することを特徴とするものである。
本発明おける太陽電池の製造方法によれば、ガラス量3wt%であってガラス軟化温度が500℃であり第2導電型の半導体層に付着乾燥された電極ペーストを、最高温度850℃で保持時間60secで焼成して金属電極を形成することで、第2導電型の半導体層を第1導電型のシリコン基板に向かって侵食するとともに第2導電型の半導体層への最大侵食深さが35nmで第2導電型の半導体層内に留まった金属電極を有する太陽電池を得られるので、金属電極による半導体層への侵食が不十分で金属電極が半導体層から剥離してしまうことを抑えることができるとともに、金属電極による半導体層への侵食が極端に進んで金属電極が半導体層を突き抜けたりして太陽電池のセル特性が劣化してしまうことを抑えることができる。従って、金属電極が半導体層から剥離し難い安定した接続状態で、かつ良好なセル特性の太陽電池を得ることができる。
また、上記太陽電池の製造方法によれば、ガラス量3wt%であってガラス軟化温度が500℃であり第2導電型の半導体層に付着乾燥された電極ペーストを、最高温度750℃で保持時間5secで焼成して金属電極を形成することで、第2導電型の半導体層を第1導電型のシリコン基板に向かって侵食するとともに第2導電型の半導体層への最大侵食深さが5nmで第2導電型の半導体層内に留まった金属電極とを有する太陽電池を得られるので、金属電極による半導体層への侵食が不十分で金属電極が半導体層から剥離してしまうことを抑えることができるとともに、金属電極による半導体層への侵食が極端に進んで金属電極が半導体層を突き抜けたりして太陽電池のセル特性が劣化してしまうことを抑えることができる。従って、金属電極が半導体層から剥離し難い安定した接続状態で、かつ良好なセル特性の太陽電池を得ることができる。
以下に、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は本発明に係る実施の形態1におけるシリコン太陽電池を示す断面構造図である。図1において、1はp型シリコン基板であり、2はp型シリコン基板1上部に形成されたテクスチャーであり、3はp型シリコン基板1とテクスチャー2間に形成されたn層である。
4はテクスチャー2上に形成された反射防止膜であり、10は反射防止膜4を突き破ってn層3と接続されるように形成された焼結後の表銀グリッド電極である。表銀バス電極は、前述した従来例と同様、断面箇所の都合上、図1には図示されていない。20はp型シリコン基板1裏面側に形成された焼結後の裏アルミ電極であり、22はp型シリコン基板1と裏アルミ電極20間に形成されたp+層である。
裏銀バス電極は、前述した従来例と同様、断面箇所の都合上、図1には図示されていない。40は表銀グリッド電極10表面に形成されたハンダであり、tはn層3の厚みを示しており、dは表銀グリッド電極10におけるn層3への最大侵食深さである。なお、表銀グリッド電極10、表銀バス電極、裏アルミ電極20及び裏銀バス電極は、前述した従来例と同様、銀、アルミのペーストを印刷技術により選択的に形成した後、焼成することにより形成する。
表銀グリッド電極10、表銀バス電極は、反射防止膜4を突き破ってn層3を侵食してn層3と接触するように形成されている。本実施の形態におけるn層3のシート抵抗は、80Ω/□以下である。ここで、n層3のシート抵抗を80Ω/□以下としたのは、シート抵抗を80Ω/□よりも大きくすると、太陽電池のセル特性(セルファクターの低下など)が劣化して実用上好ましくないので、80Ω/□以下としている。
本実施の形態における表銀グリッド電極10、表銀バス電極によるn層3を侵食する深さは、5nm以上40nm以下の範囲としている。ここで、銀電極によるn層3の侵食深さの下限を5nmとしたのは、侵食深さを5nmより小さくすると、銀電極によるn層3への侵食が不十分となり、銀電極がn層3から剥離し易くなって実用上好ましくないからである。
また、銀電極によるn層3の侵食深さの上限を40nmとしたのは、侵食深さを40nmより大きくなると、銀電極によるn層3への侵食が極端に進んで、銀電極がn層3を突き抜けたりして太陽電池のセル特性が劣化して実用上好ましくないからである。
従って、銀電極によるn層3への侵食が不十分となり、銀電極がn層3から剥離してしまうことを抑える点と、銀電極によるn層3への侵食が極端に進んで、銀電極がn層3を突き抜けたりして太陽電池のセル特性が劣化してしまうことを抑える点を考慮して、電極によるn層3を侵食する深さは、5nm以上40nm以下の範囲であればよい。この侵食深さについては、実験結果を基に後述する。
表銀グリッド電極10、表銀バス電極がn層3を侵食する面積は、上記銀電極の面積の30%以上にして構成することが好ましい。銀電極によるn層3の侵食面積を、銀電極の面積の30%以上にすると好ましいのは、銀電極によるn層3の侵食面積を、銀電極の面積の30%よりも小さくすると、銀電極におけるn層3との接触面積が小さくなって抵抗成分が大きくなり、太陽電池のセル特性が劣化し易くなり好ましくないからである。この接触面積の関係についても、実験結果を基に後述する。
表銀グリッド電極10及び表銀バス電極は、n層3に対して均一になるように侵食することが好ましい。このように、銀電極によりn層3を均一に侵食させると、銀電極がn層3と一様に導通をとることができるので、太陽電池のセル特性の低下を抑えることができる。
一般的に、銀ペースト中のガラス材は、Si,Pb,B,O元素を主成分とし、他にBi,Zn,Ti,Al,Mg等が微量に入っており、組成変更で軟化温度を自由に調整することができる。通常、ガラス軟化温度は、400〜650℃であり、その量も数wt%である。ガラス軟化温度とガラス量は、表銀電極直下の材料、図1では反射防止膜4の材料とのマッチングや焼成条件で決定される。
図2は実際に検討を行った4種類の表銀電極用ペーストに対するセル特性、ガラス侵食深さ及び侵食面積率の関係を示す図である。以下に、この図2を用いて、実際に検討を行なった4種類の表銀電極用ペーストA〜Dについて説明する。
各ペーストA〜Dにおける主な成分の変更点は、ガラス材料の量と軟化温度である。
比較例の表銀ペーストCは、ガラス軟化温度が550℃で、ガラス量が7wt%の従来品であり、前述した図11に示す従来の太陽電池における銀ペーストの構成と相当で、図11と相当の構造を形成する。この比較例の表銀ペーストCによれば、n層3のシリコン最大侵食深さdが75nmと、n層3へのペースト中のガラス成分、銀の侵食が極端に進んで、銀電極によるn層3の突き抜けが起こり易い。
比較例の表銀ペーストDは、比較例の表銀ペーストCと比較して、ガラス量を変更せずに7wt%と同じにし、ガラス軟化温度を350℃と低下させた場合である。この比較例の表銀ペーストDによれば、n層3のシリコン最大侵食深さdが150nmと、比較例の表銀ペーストCのもの(75nm)と比較して、更にガラス成分と銀がn層3を侵食して、銀電極がn層3を貫通する構造を形成する。
これに対し、本発明の表銀ペーストBは、比較例の表銀ペーストCと比較して、組成を反射防止膜4とマッチングを取るように組成を変更しており、ガラス軟化温度を500℃として構成している。また、本発明の表銀ペーストBは、ファイヤースルーができる下限界のガラス量を1wt%以下にまで変更したものである。
この本発明の表銀ペーストBによれば、比較例の表銀ペーストC、Dと比較して、銀電極によるn層3への侵食深さdが40nmと、小さくなっており、銀電極によるn層3への突き抜けが生じないことが判った。しかも、侵食深さdが40nmあるので、侵食が不十分になることに伴う銀電極の剥離も生じなかった。なお、この本発明の表銀ペーストBは、ファイヤースルーができる下限界のガラス量を1wt%以下にまで変更したものであるので、焼結時の反応がやや不安定であり、表銀電極直下が局所的にしかシリコンと導通しない構造となり易い。
本発明の表銀ペーストAは、ペーストBのガラス量を最適化して3wt%まで増量したペーストであり、ガラス軟化温度を500℃とペーストBと同じにして構成している。この本発明の表銀ペーストAによれば、比較例の表銀ペーストC、Dと比較して、銀電極によるn層3への侵食深さdが35nmと、小さくなっており、銀電極によるn層3への突き抜けが生じないことが判った。しかも、侵食深さdが35nmあるので、侵食が不十分になることに伴う銀電極の剥離も生じなかった。
図3は太陽電池における光照射時の電気特性を示す図である。図3において、Vは電圧を示しており、Jは電流密度を示している。電流密度で示すのは、太陽電池の大きさ(面積)による影響を除いて電気特性を横並びに、比較するために一般的に利用される。通常の性能が得られる太陽電池は、電圧を掃引すると、図3に示すP点を通る太線と、Q点を通る細線になる。曲線とJ軸との交点を短絡電流:Jscと表し、V軸との交点を開放電圧:Vocで表すとする。
P点、Q点は各曲線のJとVを掛けた値、即ち電力が最大となる点を示している。図3で示している曲線因子:FFは、この最大電力が(Jsc×Voc)に対する割合を示している。太陽電池の電気特性として優れているのは、図3では細線よりも太線の方である。一般的に、最適な表銀電極のガラス量を増加させ、ガラス軟化温度を低下させると、太線→細線にシフトする。それは開放電圧VocやFFに顕著に現れる傾向がある。
表銀電極とそのガラス成分が、n層3のシリコンへ侵食するその侵食深さは、図1の構造において、テクスチャー2構造のない平坦な構造サンプルで、50%硝酸溶液で1分間、銀電極とガラスをエッチングし、さらに、反射防止膜4を50%フッ酸溶液で5分エッチングして、シリコン段差を断面SEMなどで観察して評価した。
図4、5に本発明における表銀ペーストA、Bの光学顕微鏡による上方観察写真の模式図を示す。図4が本発明の表銀ペーストAであり、図5が本発明の表銀ペーストBである。図4、5において、60は銀電極パターンのない部分であり、61は銀電極パターンがあり、エッチング除去された部分であり、62は銀電極がシリコンに侵食して、エッチングでその深さまで除去された部分である。
図6は各表銀ペーストA〜Dを用いた場合の表銀電極除去されたシリコン侵食深さと開放電圧Vocとの関係図である。前述したように、ペーストの組成を色々変更して構成することにより、表銀電極及びガラスのn層3のシリコンへの最大侵食深さ(d)と開放電圧Vocは、相関関係が強いことが判った。
この図6から、銀電極によるn層3の侵食深さdが小さくなればなる程、開放電圧Vocは大きくなり、銀電極によるn層3の侵食深さdが大きくなればなる程、開放電圧Vocは小さくなることが判った。また、侵食深さが比較例の表銀ペーストC、Dよりも小さい本発明の表銀ペーストA、Bでは、開放電圧が比較例よりも大きくなっていることが判った。
図4、5に示す凸字型表銀電極直下部分の画像データから、表銀電極直下のn層3部分のシリコンが侵食されている面積を、50%スレッショルド法による簡便な2値化処理により、シリコン侵食面積割合を求めた。そのシリコン侵食面積率は、図2にも示したように、本発明の銀ペーストAで80%であり、本発明の銀ペーストBで30%であった。
この本発明の銀ペーストA、Bによれば、侵食面積率を80%、30%として構成したので、銀電極によるn層3との接触面積が十分となり、抵抗成分を低減することができることが判った。また、両者における本発明の銀ペーストA、Bの構成上の差異は、図2から判るように、ガラス量である。
本発明の銀ペーストAは、ガラス量が3wt%と、本発明の銀ペーストB(1wt%より小さい)よりも大きして構成している。本発明の銀ペーストA、Bのシリコン侵食最大深さdは、図2、6に示すように40nm以下と同等レベルであり、太陽電池の初期電気特性を得るペーストとしては両者とも良好であった。
また、本発明における銀ペーストAを用いても、太陽電池形成条件を変更すると、シリコン侵食最大深さdを制御性良く変えることができる。例えば、銀ペーストAの焼成条件を、最高温度850℃、保持時間60secから、最高温度750℃、保持時間5secへと変更すると、シリコン侵食最大深さdは35nmから5nmまで抑制することができる。このシリコン侵食最大深さdが5nmであっても、太陽電池の電気特性及び信頼性は確保できていることを確認した。
次に、太陽電池の耐湿性について検討した結果を述べる。本発明における銀ペーストA、Bを用い、図1に示す構造と相当な太陽電池を各々構成した。銀ペーストA、Bを用いた表銀グリッド電極10と表銀バス電極上には、半田40の被覆も設けている。図7はこのまま裸の状態で、「JIS C 8917」に準拠して耐湿性試験を実施した結果を示す図である。
このJIS試験では、初期特性からの劣化を1000時間試験後で5%以下と定義している。本発明における銀ペーストBは、合格と不合格の境であったが、本発明における銀ペーストAは、合格であることが判った。更に、本発明における銀ペーストA、Bの中間的なガラス量を変更して耐湿性試験を実施した結果、シリコン侵食面積率は、30%以上でJIS試験に合格することが判った。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、図1に示すように、太陽電池単体の場合を説明したが、本発明における銀ペーストA、Bなどを用いた太陽電池を複数個用いて、太陽電池モジュールを構成すれば、その太陽電池モジュールにおいても、実施の形態1と同様な効果を得ることができる。実施の形態1では、例えば、高温多湿雰囲気で耐湿性試験を実施した結果などについて説明したが、本実施の形態は、図1に示すような太陽電池を、複数個を用いて樹脂封止や強化ガラスなどで作製した太陽電池モジュールの耐湿性試験結果について以下に説明する。
図8は本発明に係る実施の形態2における太陽電池モジュールを示す図、図9は図8に示すB1−B2線における太陽電池モジュールの断面図である。図8、9において、51は太陽電池であり、52は太陽電池51の裏側に配置される耐湿性バックシート(例えば、PVFなど)であり、53は太陽電池51を相互接続するための太陽電池相互接続タブ配線である。太陽電池51は、実施の形態1で説明した本発明における銀ペーストA、Bなどを用いて、図1と相当な構造で構成する。
54は太陽電池51を相互接続する横タブ配線であり、55は太陽電池モジュールのプラス取り出し電極であり、56は太陽電池モジュールのマイナス取り出し電極である。57は太陽電池51の表側に配置される強化カバーガラスであり、58は太陽電池51を保護するように耐湿性バックシート52と強化カバーガラス57間に配置される太陽電池密封材(EVA:Ethylene-Vinyl-Acetateなど)である。
太陽電池51は、受光面側がマイナス電極、裏面側がプラス電極となって構成されるので、図8では、横方向に隣接する太陽電池51の上下を銅が主成分のタブ配線53で相互接続を行なう。同様に、横方向に連なる太陽電池アレイも横タブ線54で電気的に接続し、最終的にプラス取り出し電極55、マイナス取り出し電極56で電気を取り出せるように構成する。
また、太陽電池モジュールは、長期信頼性が要求されるため、図8、9に示すように、太陽電池アレイは、最表面に太陽光を透過させながら、雨等の侵入を防ぎ、落下物等の衝撃を吸収する機能を備えた強化カバーガラス57で覆うように構成する。
また、太陽電池アレイの裏面側は、耐水性等に優れたバックシート52を設ける。太陽電池51と強化カバーガラス57やバックシート52の間隙は、密封材58で充填されており、耐湿性向上を図っている。密封材58は一般的には、EVA(Ethylene-Vinyl-Acetate)などという光透過性が高い熱硬化型樹脂が用いられる。EVA剤は、作業性の良いシート状のものが好ましい。
ここで、本実施の形態における太陽電池モジュールの作製工程について説明する。まず、太陽電池51に相互接続タブ線53を接続して、横方向の太陽電池アレイを作製する。次に、太陽電池アレイに横タブ配線54とプラス、マイナス取り出し電極55、56を接続する。
そして、最後に、太陽電池51を2枚のEVA等のシートで挿み、更に、太陽電池51の上下に配置された強化ガラス57とバックシート52で挿み込んで、脱泡と同時に加熱を行うと、図9に示すような間隙のない構造の太陽電池モジュールを得ることができる。
この作製された太陽電池モジュールを用い、信頼性試験を実施した結果、前述した実施の形態1の図2に示す本発明におけるペーストA、B、及びAとBの中間的な組成のいずれのペーストにおいても、実施の形態1と同様、JIS試験を充分にクリアする結果を得た。
この結果及び実施の形態1における各結果から、表銀電極表面をハンダ被覆したシリコン太陽電池においては、プロセス条件、表銀電極材料直下での反射防止膜の有無と反射防止膜材料種類や厚み等と、表銀電極材料の成分と組成と量が複雑に絡み合い、最適な材料、プロセスの組合せは多数あるが、表銀電極とそのガラスがシリコンのn層3へ侵食する深さとその面積割合には、次のような最適な範囲が存在することを見出した。
(イ)銀電極がn層3から剥離してしまうことを抑えることができ、かつ銀電極がn層3を突き抜けてしまうことを抑えることができるなどの点を考慮すると、シリコン表面n層3のシート抵抗は80Ω/□以下とし、表銀電極がn層3に拡散侵食する最大深さは、5nm以上40nm以下の範囲で構成すればよい。
(ロ)銀電極におけるn層3との接触面積が小さくなって抵抗成分が大きくなるなることを抑えることができ、かつシリコン界面における酸化が生じ易くなることを抑えることができるなどの点を考慮すると、銀電極がシリコン表面のn層3に侵食する面積率は30%以上になるように構成することが好ましい。
上記実施の形態1、2では、(100)面方位の単結晶基板を例示して説明したが、他の面方位の単結晶あるいは、様々な面方位のグレインを有する多結晶シリコンにおいても、同等の効果を奏することを確認している。また、p型基板の受光面側にn層を配置したが、n型基板にp層を配置した構造でも構わない。
さらに、上記実施の形態1、2では、受光面側電極形成において、焼成前にシリコンと電極の間に反射防止膜4を設けた場合を説明したが、反射防止膜4がない構造であっても、電極のシリコン侵食最大深さや侵食面積率の最適な範囲は、前述した範囲と同じであることを確認している。
図1は本発明に係る実施の形態1におけるシリコン太陽電池を示す断面構造図である。 実際に検討を行った4種類の表銀電極用ペーストに対するセル特性、ガラス侵食深さ及び侵食面積率の関係を示す図である。 太陽電池における光照射時の電気特性を示す図である。 本発明における表銀ペーストA(表銀電極除去後のシリコン表面状態)の光学顕微鏡による上方観察写真の模式図である。 本発明における表銀ペーストB(表銀電極除去後のシリコン表面状態)の光学顕微鏡による上方観察写真の模式図である。 各表銀ペーストA〜Dを用いた場合の表銀電極除去されたシリコン侵食深さと開放電圧Vocとの関係図である。 表銀電極A、Bにおける信頼性試験結果を示す図である。 本発明に係る実施の形態2における太陽電池モジュールを示す図である。 図8に示すB1−B2線における太陽電池モジュールの断面構造を示す図である。 従来の住宅用等に使用されるシリコン太陽電池の表面(A)、裏面(B)側の概略図である。 図10(A)に示すA1−A2線におけるシリコン太陽電池の断面図である。 図11に示すシリコン太陽電池の主な製造工程を示す断面構造図である。 図11に示すシリコン太陽電池の主な製造工程を示す断面構造図である。
符号の説明
1 p型シリコン、2 テクスチャー、3 n層、4 反射防止膜、10 表銀グリッド電極、20 裏アルミ電極、22 p+層、40 ハンダ、51 太陽電池、52 バックシート、53 太陽電池相互接続タブ配線、54 横タブ配線、55 プラス取り出し電極、56 マイナス取り出し電極、57 強化カバーガラス、58 太陽電池密封材。

Claims (2)

  1. 第1導電型のシリコン基板と、
    シート抵抗が80Ω/□以下であり、前記第1導電型のシリコン基板の受光面に形成された第2導電型の半導体層と、
    前記第2導電型の半導体層において前記第1導電型のシリコン基板と接する面と反対の面に形成されたシリコン窒化膜と、
    前記シリコン窒化膜において前記第2導電型の半導体層と接する面と反対の面から前記シリコン窒化膜を突き破り、前記第2導電型の半導体層を前記第1導電型のシリコン基板に向かって侵食するとともに前記第2導電型の半導体層への最大侵食深さが35nmで前記第2導電型の半導体層内に留まった金属電極とを有する、ファイヤースルー法を用いた太陽電池の製造方法であって、
    ガラス量3wt%であってガラス軟化温度が500℃であり前記第2導電型の半導体層に付着乾燥された電極ペーストを、最高温度850℃で保持時間60secで焼成して前記金属電極を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 第1導電型のシリコン基板と、
    シート抵抗が80Ω/□以下であり、前記第1導電型のシリコン基板の受光面に形成された第2導電型の半導体層と、
    前記第2導電型の半導体層において前記第1導電型のシリコン基板と接する面と反対の面に形成されたシリコン窒化膜と、
    前記シリコン窒化膜において前記第2導電型の半導体層と接する面と反対の面から前記シリコン窒化膜を突き破り、前記第2導電型の半導体層を前記第1導電型のシリコン基板に向かって侵食するとともに前記第2導電型の半導体層への最大侵食深さが5nmで前記第2導電型の半導体層内に留まった金属電極とを有する、ファイヤースルー法を用いた太陽電池の製造方法であって、
    ガラス量3wt%であってガラス軟化温度が500℃であり前記第2導電型の半導体層に付着乾燥された電極ペーストを、最高温度750℃で保持時間5secで焼成して前記金属電極を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。
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