JP4506556B2 - 軸及び軸受けの分離形成方法及びそのための装置 - Google Patents
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Description
従って、従来の軸及び軸受けの製作においては、軸、軸受けのそれぞれが別々に作成された別部品であることから、煩雑な組付け・保持作業が必須の工程になり、その製造工程が複雑多岐にわたるという問題があった。
前記除去工程においては、前記第一の環状溝の一部がそれぞれ前記軸状部に残るように前記第一の環状溝の深さより浅い位置までを除去することとし、
前記第二の溝加工工程においては、少なくとも、一方の前記軸受け状部における前記第二の環状溝の形成に際して反対側の前記軸受け状部に対して前記軸状部を一体に固定保持することを特徴とするものである。
また、除去工程において、第一の環状溝の一部がそれぞれ軸状部に残るように前記第一の環状溝の深さより浅い位置までを除去することとしているので、軸の両端に軸方向に対するストッパ部分を設けることができるという効果がある。
さらにまた、第二の溝加工工程において、少なくとも、一方の軸受け状部における第二の環状溝の形成に際して反対側の軸受け状部に対して軸状部を一体に固定保持することにより、第二の環状溝を形成して軸と軸受けを分離する際に発生する、軸回転による加工トラブルを防止することができる。
また、軸受け状部における第二の環状溝の形成に際し、軸状部固定用保持冶具により、軸受け状部に対して軸状部を一体に固定保持することができるので、第二の環状溝を形成して軸と軸受けを分離する際に発生する軸回転による加工トラブルを防止することができる。
前記それぞれの第一の環状溝に囲まれた部分を、前記所定の深さよりも浅い深さまで除去することで、被加工物内部に軸状部を形成する除去工程と、
前記軸状部の軸方向から、前記軸状部の軸方向と直交する断面よりも小さい第二の環状溝を形成する第二の溝加工工程とからなることを特徴とするものである。
また、除去工程において、第一の環状溝の一部がそれぞれ軸状部に残るように前記第一の環状溝の深さより浅い位置までを除去することとしているので、軸の両端に軸方向に対するストッパ部分を設けることができるという効果がある。
図1は、第一の溝加工工程を示す概念図であり、(a)は一番目の第一の環状溝を形成する直前の状態を示している。1は、多角柱の被加工物であり、本実施形態では、アルミニウム製の略立方形をした充実体を使用している。6は軸及び軸受け分離形成装置の本体設備部分を示しており、環状溝加工工具保持部7を、公知の手段(図示されていない)によって、被加工物1に向かって前後方向移動可能に配設している。また、環状溝加工工具保持部7の前側には、シャンク部8が、公知の手段(図示されていない)により回転可能或いは固定状態のいずれかを選択可能に結合・保持されており、さらにシャンク部8先端には環状溝加工工具9が固定保持されている。環状溝加工工具9は薄肉円筒形状に構成され、その一方の端部に刃10が円周状に配設されている。11は、被加工物1の加工に際して、被加工物1を回転可能に固定保持する被加工物保持部であり、公知の適宜の回転可能なチャック手段を使用する。被加工物保持部11は、軸及び軸受け分離形成装置の本体設備部分6に配設されているそれぞれ公知の駆動動力源(図示されていない)、動力伝達装置(図示されていない)等により、環状溝加工工具保持部7の前後方向移動軸に関して回転可能に構成されている。
除去工程では、四つのそれぞれの第一の環状溝2に囲まれた中央部分に、第二の溝加工工程を経た後に軸に加工されることとなる略四角柱状の軸状部3を形成し、軸状部の両端部(図1(c)では上下)に、同じく第二の溝加工工程を経た後にそれぞれ軸受けに加工されることとなる軸受け状部4を形成し、さらにそれぞれの軸受け状部4を接続する橋渡し部5をそれぞれ形成するように、それら以外の残部を除去することとなる。そして、それぞれの第一の環状溝2の内部を除去する際には、第一の環状溝2の一部2”がそれぞれ軸状部3に残るように前記第一の環状溝2の深さPより浅い位置(図1(c)において、上下四つの第一の環状溝2の一部2”のそれぞれ外側の部分)までを除去する。
D≒√2×(B−2A)
具体的な例で説明すると、軸状部3に残された第一の環状溝2の一部2”の深さA=1mm、軸状部3の一辺B=6mmとすると、第二の環状溝2’の直径D≒5.7mmとなり、工具の厚みによる第二の環状溝の幅を考慮することにより軸と軸受を形成することができる。
多角柱の被加工物の各側面から、それぞれ所定の深さまで第一の環状溝を形成する第一の溝加工工程と、
前記それぞれの第一の環状溝に囲まれた部分を、前記所定の深さよりも浅い深さまで除去することで、被加工物内部に軸状部を形成する除去工程と、
前記軸状部の軸方向から、前記軸状部の軸方向と直交する断面よりも小さい第二の環状溝を形成する第二の溝加工工程とからなることを特徴とするものであり、このように構成されているので、多角柱の被加工物を加工することにより、一つの被加工物から軸及び軸受けの両部品を分離形成することができる。このため、それぞれ異なる材料から別々に製作されていた軸及び軸受けを組み付け・保持することにより軸及び軸受けの組み合わせ体を製作していた従来の方式と異なり、組み付け・保持という煩雑な作業を全く必要としない。したがって、製品化する際に、作業が大幅に効率化されるという効果を奏するものである。
また、除去工程において、第一の環状溝の一部がそれぞれ軸状部に残るように前記第一の環状溝の深さより浅い位置までを除去することとしているので、軸の両端に軸方向に対するストッパ部分を設けることができるという効果がある。
2 第一の環状溝
2’ 第二の環状溝
2” 第一の環状溝の一部(軸上部に残る)
3 軸状部
4 軸受け状部
5 橋渡し部
6 軸及び軸受け分離形成装置本体
7 環状溝加工工具保持部
8 シャンク部(第一の環状溝加工工具)
8’ シャンク部(第二の環状溝加工工具)
9 環状溝加工工具(第一の環状溝加工用)
9’ 環状溝加工工具(第二の環状溝加工用)
10 刃(第一の環状溝加工用)
10’ 刃(第二の環状溝加工用)
11 被加工物保持部
12 軸状部固定保持用冶具の円筒体
13 軸状部固定保持用冶具の締結具
(a) 被加工物の第一側面
(b) 被加工物の第二側面
(c) 被加工物の第三側面
(d) 被加工物の第四側面
(e) 被加工物の上面(軸受け)
(f) 被加工物の下面(軸受け)
(g) 軸
Claims (5)
- 多角柱の被加工物の各側面から、それぞれ所定の深さまで第一の環状溝を形成する第一の溝加工工程と、前記それぞれの第一の環状溝に囲まれた中央部分に軸に加工されることとなる軸状部を、前記軸状部の両端部にそれぞれ軸受けに加工されることとなる軸受け状部を、且つそれぞれの前記軸受け状部を接続する橋渡し部をそれぞれ形成するようにその余の残部を除去する除去工程と、それぞれの前記軸受け状部外面から前記軸状部と略同心状の第二の環状溝を形成する第二の溝加工工程とからなる軸及び軸受けの分離形成方法において、
前記除去工程においては、前記第一の環状溝の一部がそれぞれ前記軸状部に残るように前記第一の環状溝の深さより浅い位置までを除去することとし、
前記第二の溝加工工程においては、少なくとも、一方の前記軸受け状部における前記第二の環状溝の形成に際して反対側の前記軸受け状部に対して前記軸状部を一体に固定保持することを特徴とする軸及び軸受けの分離形成方法。 - 前記軸状部に残されたそれぞれの前記第一の環状溝の底部により形成される略矩形部分の周辺近傍位置に前記第二の環状溝を形成することを特徴とする請求項1に記載の軸及び軸受けの分離形成方法。
- 被加工物に向かって前後方向移動可能に配設された環状溝加工工具保持部と、前記環状溝加工工具保持部に結合されたシャンク部と、前記シャンク部に固定保持された環状溝加工工具と、前記環状溝加工工具保持部の前後方向移動軸に関して回転可能に構成され且つ前記環状溝加工工具に対向する位置に配設された被加工物保持部とを備えた軸及び軸受け分離形成装置において、前記軸受け状部に対して前記軸状部を一体に固定保持する軸状部固定保持用冶具を備えるように構成したことを特徴とする軸及び軸受け分離形成装置。
- 前記軸状部固定保持用冶具は、前記第一の環状溝と略同径の二つの円筒体及び前記二つの円筒体を相互に締結する締結具とから構成されることを特徴とする請求項3に記載の軸及び軸受け分離形成装置。
- 多角柱の被加工物の各側面から、それぞれ所定の深さまで第一の環状溝を形成する第一の溝加工工程と、
前記それぞれの第一の環状溝に囲まれた部分を、前記所定の深さよりも浅い深さまで除去することで、被加工物内部に軸状部を形成する除去工程と、
前記軸状部の軸方向から、前記軸状部の軸方向と直交する断面よりも小さい第二の環状溝を形成する第二の溝加工工程とからなる軸及び軸受けの分離形成方法。
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