JP4505808B2 - スタビライザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に搭載され、車体のロール挙動を好適に防止し得るスタビライザ装置に関する。
従来、自動車等の車両に搭載されるスタビライザ装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この従来技術におけるスタビライザ装置は、内側に向かって案内部材が突出し、断面が十字形状の空間を内部に形成する円筒ハウジングと、この円筒ハウジングの空間内に設けられ、円筒部と羽根部とを備えたローター部とを備えた回転アクチュエータを有し、この回転アクチュエータを、分割されたスタビライザ間に設けた構成となっている。
そして、ローター部に形成された羽根部を挟む一方側の流体室に油液を供給し、他方側の流体室から流体を排出することで、円筒ハウジングに対してローター部を回動させることができる。この回動によってスタビライザに捩じり弾性力が発生し、例えば、車両の旋回時における車体の傾きを小さくして走行安定性を向上させることができる。
特開平4−342611号公報
ところで、上述した従来技術におけるスタビライザ装置によれば、円筒ハウジングにおける案内部材の頂部に、円筒ハウジングの軸方向に延びるシール部材を設け、また、ローター部における羽根部の頂部と軸方向端部に、軸方向に延びると共にその両端が略直角に折曲げられたシール部材を設け、これらのシール部材によって、羽根部の両側に形成される流体室間を密封するようにしている。
このように、従来技術においては、羽根部を略取り囲むほどの長さのシール部材が4組必要であるため、その組付作業が困難である上、精緻に組付作業が行われなかった場合には、シール部材が偏磨耗して早期に流体が漏洩する等の問題が生じる虞れがあった。このような流体の漏洩は、スタビライザの捩じり弾性力の低下を招き、ひいては、車体に対するロール制御能力が低下することになる。
そこで、本発明では、スタビライザ装置を構成するアクチュエータを、シールが容易な直動型のシリンダ装置を用いることにより、回転アクチュエータにおけるシール部材の組付作業の困難さや偏磨耗による流体の漏洩等の問題点を解消できるスタビライザ装置を提供することを目的とする。
本発明は、車体側に取付けられた軸部および該軸部の両側を折曲げて左右の車輪側に取付けられた腕部からなるスタビライザと、該スタビライザを前記軸部において2分割し、分割された各軸部間に、それぞれの軸部に対して回転角差を与えるアクチュエータと、を備えたスタビライザ装置において、前記アクチュエータを、前記軸部の一方に連結されたシリンダと、該シリンダ内に軸方向に移動可能に設けられ、前記シリンダ内を圧力流体が給排される2室に画成するピストンと、一端が該ピストンに連結され、他端が前記シリンダ外に延出して前記軸部の他方に連結されたピストンロッドと、前記ピストンの軸方向への移動により該ピストンおよび前記ピストンロッドを前記シリンダに対して相対回動させる直動−回動変換機構と、から構成し、前記ピストンロッドと前記軸部の他方とを、相対回動不能でかつ軸方向への相対移動を許容する軸動許容機構を介して連結したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、上記のように構成したので、シリンダ内に流体を給排することで、ピストンおよびピストンロッドがシリンダに対して回動し、軸部の一方と他方との間に捩じり弾性力を発生させることができる。また、アクチュエータとして、ピストンがシリンダ内を軸方向に移動する直動型のシリンダ装置としたので、容易にシールすることができる。さらに、シリンダに対するピストンおよびピストンロッドの軸方向への移動を、軸動許容機構が吸収するので、アクチュエータの駆動によって軸部の一方と他方とが近接・離間することがない。
請求項に記載の発明においては、上記のように構成したので、シリンダ内に流体を給排することで、ピストンおよびピストンロッドがシリンダに対して軸方向に相対移動すると共に、この軸方向への相対移動を直動−回動変換機構が回動運動に変換し、軸部の一方と他方との間に捩じり弾性力を発生させることができる。また、アクチュエータとして、ピストンがシリンダ内を軸方向に移動する直動型のシリンダ装置としたので、容易にシールすることができる。
請求項に記載の発明においては、請求項1または請求項2に記載の発明において、シリンダ内に圧力流体を給排することで、螺旋状の溝に設けた球が回動し、ピストンを回動させつつ軸方向へ動かすことができる。
請求項に記載の発明においては、請求項2または請求項に記載の発明において、シリンダの軸方向に延びる溝に設けられた球が回動することによって、シリンダを回動させつつピストンを軸方向へ移動させることができる。
請求項に記載の発明においては、請求項1乃至請求項の何れかに記載の発明において、弁装置を必要に応じて駆動することにより、シリンダ内に圧力流体を給排して、一方方向、他方方向及び圧力流体の給排停止が、自由に行える。
請求項に記載の発明においては、請求項1乃至請求項の何れかに記載の発明において、直動−回動変換機構を非線形の特性とすることができ、非線形のロール制御が可能となる。
請求項に記載の発明においては、請求項1乃至請求項の何れかに記載の発明において、軸受部材によってシリンダの軸方向への移動を規制するので、前記アクチュエータの駆動時に、前記スタビライザを構成する腕部の変形を防止でき、これにより、必要な圧力流体を無駄にすることが無くせる。
以下、本発明の第1実施の形態について、図1乃至図5を用いて説明する。
スタビライザ装置1は、車両の車体側と左右の車輪側(何れも図示せず)との間に設けられ、柔軟性を持ったばね鋼よりなるスタビライザ2とアクチュエータ3とを備えている。スタビライザ2は、車体の略中央部分に取付けられる軸部において2分割されて、第1スタビライザ4と第2スタビライザ5とから構成されている。
第1スタビライザ4及び第2スタビライザ5は、軸部4a及び5aと、この軸部4a及び5aの図中両端側でそれぞれ折曲げられ、その端部(図示せず)がそれぞれ左右の車輪側に取付けられる腕部4b及び5bとから構成されている。
第1スタビライザ4の軸部4a及び第2スタビライザ5の軸部5aは、それぞれ弾性部材6a及び6bを介して軸受部材7a及び7bによって車体側に回動自在に、かつ、弾性的に取付けられている。
アクチュエータ3は、第1シリンダ8(シリンダ)と第2シリンダ9とを備え、第1シリンダ8の底部側(図中左側)は、第2スタビライザ5の軸部5aに溶接によって連結され、第2シリンダ9の底部側(図中右側)は、第1スタビライザ4の軸部4aに溶接によって連結されている。
第1シリンダ8の内部には、第1シリンダ8内をシリンダ室8a及び8bの2室に画成するピストン10が設けられ、このピストン10には、図2に良く示されるように螺旋状の溝11a及び11bが形成されている。
第1シリンダ8の内周壁には、その軸方向における略中央部分に剛球13a及び13b(球)の半分が回動可能に入り込んでおり、剛球13a及び13bの他の半分は、ピストン10の溝11a及び11bに入り込んでいる。これらの剛球13a及び13b、溝11a及び11bによって本発明における直動−回動変換機構を構成している。
剛球13a及び13bと溝11a及び11bとの間には若干の隙間gが形成されており、この隙間gを介してシリンダ室8a及び8bを流れる油液を絞るようになっている。
第1シリンダ8における図中両端側の壁部には、シリンダ室8a及び8bに油液(流体)を給排するための給排口12a及び12bが設けられ、この給排口12a及び12bには、後述する油圧回路Aが接続される。
ピストン10には、ピストンロッド14の左端側が連結され、ピストンロッド14の中央部分は、第1シリンダ8の外部にシール部材15を介して延出され外部に露出している。このシール部材15は、ゴム等の弾性体よりなるOリングにより構成され、ピストンロッド14に対して若干の締め代を持って嵌合しており、シリンダ室8bから外部に油液が漏洩するのを防止している。
第2シリンダ9の内部には、シリンダ内をシリンダ室9a及び9bの2室に画成するピストン16が設けられ、このピストン16には、図2に良く示されるように軸方向に延びる溝17a及び17bが形成されている。
第2シリンダ9の内周壁には、その軸方向における略中央部分に剛球18a及び18bの半分が回動可能に入り込んでおり、剛球18a及び18bの他の半分は、ピストン16の溝17a及び17bに入り込んでいる。これらの剛球18a及び18b、溝17a及び17bによって本発明における軸動許容機構を構成している。この軸動許容機構は、ピストン16を介してピストンロッド14に、また、第2シリンダ9を介して軸部4aにそれぞれ接続してピストンロッド14と軸部4aとを連結するように介装されている。
第2シリンダ9の内部は、連通孔9cを介して大気と連通しており、この連通孔9cによって、ピストンロッド14の第2シリンダ9内への進入・退出時の体積補償を行うようになっている。
ピストン16には、ピストンロッド14の右端側が連結され、ピストンロッド14の中央部分は、第2シリンダ9の外部に軸受19を介して延出され外部に露出している。なお、軸受19は、ポリテトラフルオロエチレン等の摩擦抵抗の小さい材料より形成されている。
ここで、第1シリンダ8、第2シリンダ9、ピストン10、剛球13a(13b)、ピストンロッド14、ピストン16及び剛球18a(18b)は、高硬度の鋼材より成形されている。
次に、以上のように構成したスタビライザ装置1を駆動するための油圧回路Aについて説明する。
図3に示したように、第1シリンダ8の壁部に設けられた給排口12a及び12bには、給排管20及び21の一端側が接続されており、これらの給排管20及び21の他端側には、給排制御弁22が接続されている。
給排制御弁22に接続された供給管路23には、例えば、エンジン等の駆動機構(図示せず)により駆動される油圧ポンプ24の吐出側が接続して設けられ、この油圧ポンプ24によって、リザーバタンク25内の油液を給排制御弁22に向かって圧送するようになっている。
給排制御弁22に接続された排出管路27は、給排制御弁22からの油液をリザーバタンク25に戻すようになっている。
給排制御弁22は、4ポート3位置型の電磁制御弁で、車両のコンソールボックス等(図示せず)に搭載された制御装置28からの駆動信号Iを受けて、(A)、(B)及び(C)の3位置の何れかに駆動されるようになっている。
制御装置28には、車速センサ29、横加速度センサ30及びステアリング角センサ31が接続して設けられており、車速センサ29は車両の走行速度を検出し、横加速度センサ30は車体に作用する横方向への加速度を検出し、ステアリング角センサ31はステアリングの切角を検出するようになっている。
制御装置28は、車速センサ29、横加速度センサ30及びステアリング角センサ31からの検出信号に応じて、車体に生じるロール角を推定し、この推定したロール角が、所定のしきい値を越えたか否かを判断する。そして、推定したロール角がしきい値を越えていないと制御装置28が判断した場合には、制御装置28は、給排制御弁22を(B)位置に固定するための駆動電流IBを給排制御弁22に出力する。一方、推定したロール角がしきい値を越えたと制御装置28が判断した場合には、制御装置28は、ステアリング角の方向(左方向または右方向)に応じて、給排制御弁22を(A)位置または(C)位置のうちの何れかに固定するための駆動電流IAまたは駆動電流ICを給排制御弁22に出力する。
次に、本発明の第1実施の形態の作動について、給排制御弁22の(A)、(B)及び(C)の位置に応じて説明する。
〔(B)位置(直進走行時)〕
例えば、車両が直進走行中である場合には、車両の車体にロール挙動は殆ど発生しておらず、図3に示すように、給排制御弁22は制御装置28からの駆動電流IBによって位置(B)に固定されている。この場合、給排管20及び給排管21は、供給管路23及び排出管路27から遮断された状態となり、第1シリンダ8のシリンダ室8a及び8b内には油液が封入された状態となっている。したがって、ピストン10は、図3に示した第1シリンダ8内の所定位置(ニュートラル位置)に保持された状態とされ、第1スタビライザ4と第2スタビライザ5とが相対的に捩じられることがなく、スタビライザ装置1には、アクチュエータ3による積極的な捩じり弾性力が発生しない。なお、供給管路23は排出管路27に直接接続されており、油圧ポンプ24からの油液は、リザーバタンク25に戻される。
〔(A)位置(左旋回時)〕
例えば、車両が左旋回する場合には、車両の車体における右側が沈み込むようなロール挙動を発生するが、左旋回における車体のロール挙動が発生する前に、制御装置28は、車速センサ29、横加速度センサ30及びステアリング角センサ31からの検出信号を受ける。その後、推定したロール角がしきい値を越えると、図4に示すように、制御装置28からの駆動電流IAによって、給排制御弁22が位置(A)に固定される。すると、給排管20と供給管路23とが接続されると共に、給排管21と排出管路27とが接続され、第1シリンダ8の給排口12aを介して、油液が図中矢印のように流れ、シリンダ室8a内に流入する。これにより、シリンダ室8a内の圧力が上昇すると共に、第1シリンダ8の給排口12bを介してシリンダ室8b内の油液が図中矢印のように流れ、給排制御弁22を介してリザーバタンク25に戻される。
このとき、隙間gを介してシリンダ室8aからシリンダ室8bに少量の油液が絞られながら流れ込むが、シリンダ室8a内の圧力上昇に殆ど影響せず、ピストン10には、図中右側に移動させる方向に圧力が作用する。そして、剛球13a及び13bが、螺旋状の溝11a及び11bに沿って相対的に移動するので、ピストン10は、第1シリンダ8に対して図中右側へ(軸方向へ)移動しつつ相対回動する。
このピストン10の第1シリンダ8に対する軸方向への相対移動及び相対回動に伴い、ピストンロッド14及びピストンロッド14に連結されたピストン16も、第1シリンダ8に対して軸方向へ相対移動しつつ相対回動する。このとき、ピストン16は、剛球18a及び18bと軸方向に延びる溝17a及び17bとによって、第2シリンダ9に対して相対回動不能であるので、第2シリンダ9を回動させる。しかし、ピストン16は第2シリンダ9に対して軸方向へは相対移動するので、第1スタビライザ4の軸部4aと第2スタビライザ5の軸部5aとは、図中左右方向に離間することなく、図中矢印の方向に互いに逆方向に回動する。
なお、図4は、第1シリンダ8と第2シリンダ9とが互いに逆方向に回動した後の状態を示しており、直動−回動変換機構としての剛球13a(13b)及び溝11a(11b)、また、軸動許容機構としての剛球18a(18b)及び溝17a(17b)は図面に現れていない。
以上述べたように、第1スタビライザ4と第2スタビライザ5とが互いに逆方向に回動して回転角差が与えられ、スタビライザ装置1には捩じり弾性力が発生する。この捩じり弾性力は、右側の車輪を下方へ押圧し、左側の車輪を上方へ引っ張るように作用するので、結果、スタビライザ装置1によって、車両の左旋回時における車体の右側が沈み込むようなロール挙動を積極的に抑制することができる。
〔(C)位置(右旋回時)〕
例えば、車両が右旋回する場合には、車両の車体における左側が沈み込むようなロール挙動を発生するが、右旋回における車体のロール挙動が発生する前に、制御装置28は、車速センサ29、横加速度センサ30及びステアリング角センサ31からの検出信号を受ける。その後、推定したロール角がしきい値を越えると、図5に示すように、制御装置28からの駆動電流ICによって、給排制御弁22が位置(C)に固定される。すると、給排管20と排出管路27とが接続されると共に、給排管21と供給管路23とが接続され、第1シリンダ8の給排口12bを介して、油液が図中矢印のように流れ、シリンダ室8b内に流入する。これにより、シリンダ室8b内の圧力が上昇すると共に、第1シリンダ8の給排口12aを介してシリンダ室8a内の油液が図中矢印のように流れ、給排制御弁22を介してリザーバタンク25に戻される。
このとき、隙間gを介してシリンダ室8bからシリンダ室8aに少量の油液が絞られながら流れ込むが、シリンダ室8b内の圧力上昇に殆ど影響せず、ピストン10には、図中左側に移動させる方向に圧力が作用する。そして、剛球13a及び13bが、螺旋状の溝11a及び11bに沿って相対的に移動するので、ピストン10は、第1シリンダ8に対して図中左側へ(軸方向へ)移動しつつ相対回動する。
このピストン10の第1シリンダ8に対する軸方向への相対移動及び相対回動に伴い、ピストンロッド14及びピストンロッド14に連結されたピストン16も、第1シリンダ8に対して軸方向へ相対移動しつつ相対回動する。このとき、ピストン16は、剛球18a及び18bと軸方向に延びる溝17a及び17bとによって、第2シリンダ9に対して相対回動不能であるので、第2シリンダ9を回動させる。しかし、ピストン16は第2シリンダ9に対して軸方向へは相対移動するので、第1スタビライザ4の軸部4aと第2スタビライザ5の軸部5aとは、図中左右方向に近接することなく、図中矢印の方向に互いに逆方向に回動する。
なお、図5は、第1シリンダ8と第2シリンダ9とが互いに逆方向に回動した後の状態を示しており、直動−回動変換機構としての剛球13a(13b)及び溝11a(11b)、また、軸動許容機構としての剛球18a(18b)及び溝17a(17b)は図面に現れていない。
以上述べたように、第1スタビライザ4と第2スタビライザ5とが互いに逆方向に回動して回転角差が与えられ、スタビライザ装置1には捩じり弾性力が発生する。この捩じり弾性力は、左側の車輪を下方へ押圧し、右側の車輪を上方へ引っ張るように作用するので、結果、スタビライザ装置1によって、車両の右旋回時における車体の左側が沈み込むようなロール挙動を積極的に抑制することができる。
〔(B)位置への戻し時(ロール制御終了時)〕
制御装置28が、車速センサ29、横加速度センサ30及びステアリング角センサ31からの検出信号を受けて、車両が旋回を終えたと判断、すなわち、推定したロール角がしきい値よりも小さくなったと判断した場合、制御装置28は、給排制御弁22を以下のように駆動する。
給排制御弁22が位置(A)にある場合には、制御装置28は、一時的に駆動電流ICを出力して給排制御弁22を位置(C)に位置させて、シリンダ室8b内に油液を流入させる。そして、ピストン10を第1シリンダ8に対してニュートラル位置に近付ける。その後、制御装置28は、給排制御弁22に対して駆動電流IBを出力し、給排制御弁22を位置(B)に戻す。
給排制御弁22が位置(C)にある場合には、制御装置28は、一時的に駆動電流IAを出力して給排制御弁22を位置(A)に位置させて、シリンダ室8a内に油液を流入させる。そして、ピストン10を第1シリンダ8に対してニュートラル位置に近付ける。その後、制御装置28は、給排制御弁22に対して駆動電流IBを出力し、給排制御弁22を位置(B)に戻す。
このようにして給排制御弁22を駆動することにより、ロール制御終了後に第1スタビライザ4と第2スタビライザ5との回動角差を略ゼロの状態に戻すことができる。
このとき、第1スタビライザ4と第2スタビライザ5との回転角差を完全にゼロにすることはできないが、第1スタビライザ4及び第2スタビライザ5には、直進走行時において左右の車輪側から振動が加わったり、車両停車時の左右の車輪側から車両の荷重を受けたりする。これにより、回転角差がゼロになる方向に捩じられ、その結果、第1シリンダ8の隙間gを介して油液が流通し、さらに回転角差をゼロに近い状態とすることができる。
以上のように構成した本発明の第1実施の形態によれば、第1シリンダ8内に油液を給排することで、シリンダ室8a及び8b間に差圧が生じ、これにより、ピストン10を第1シリンダ8に対して軸方向へ相対移動させつつ相対回動させることができる。このとき、ピストンロッド14及びピストン16を介して第2シリンダ9及び軸部4aも第1シリンダ8に対して相対回動するので、結果、スタビライザ2を構成する軸部4aと軸部5aとを互いに逆方向に回動させ、スタビライザ装置1に捩じり弾性力を発生させることができ、車両の車体に対するロール挙動を積極的に抑制することができる。
また、スタビライザ装置1を構成するアクチュエータ3として、ピストン10が第1シリンダ8内を軸方向に移動する直動型のシリンダ装置としたので、容易にシールすることができ、これにより、油液の漏洩を要因とするスタビライザの捩じり弾性力の低下を抑えることができ、車両の車体に対するロール制御能力の低下を抑制することができる。
さらに、従来技術の回転アクチュエータに対して、径方向寸法をコンパクトにできるので、車両の車体側への取付け自由度を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施の形態について、図6及び図7を用いて説明する。
なお、説明の便宜上、上述した第1実施の形態と同一部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施の形態におけるスタビライザ装置50は、上記第1実施の形態におけるスタビライザ装置1に対して、アクチュエータを構成する第1シリンダの構成が異なっている。
アクチュエータ51を構成する第1シリンダ52(シリンダ)の内部には、第1シリンダ52内をシリンダ室52a及び52bの2室に画成するピストン53が設けられ、このピストン53には、上記第1実施の形態におけるピストン10と同様の螺旋状の溝54a及び54bが形成されている。
第1シリンダ52の内周壁には、その軸方向における略中央部分に剛球55a及び55b(球)の半分が回動可能に入り込んでおり、剛球55a及び55bの他の半分は、ピストン53の溝54a及び54bに入り込んでいる。これらの剛球55a及び55b、溝54a及び54bによって本発明における直動−回動変換機構を構成している。
剛球55a及び55bと溝54a及び54bとの間には若干の隙間gが形成されており、この隙間gを介してシリンダ室52a及び52bを流れる油液を絞るようになっている。
第1シリンダ52における図中両端側の壁部には、シリンダ室52a及び52bに油液(流体)を給排するための給排口56a及び56bが設けられ、この給排口56a及び56bには、油圧回路Aが接続される。
ピストン53には、ピストンロッド14の左端側が連結され、ピストンロッド14の中央部分は、第1シリンダ52の外部にシール部材57を介して外部に延出されている。このシール部材57は、ゴム等の弾性体よりなるOリングにより構成され、ピストンロッド14に対して若干の締め代を持って嵌合しており、シリンダ室52bから外部に油液が漏洩するのを防止している。
ピストン53の図中左端側には、絞り部材58(絞り手段)が、ねじ59によって固定されている。絞り部材58には、ピストン53の溝54a及び54bに対して対向する位置に、1つの溝に対して2個ずつの微小オリフィス58aが穿設されており、この微小オリフィス58aとピストン53に設けた溝54a及び54bとを対向させるように、絞り部材58をピストン53に取付けるようにする。
微小オリフィス58aの合計流路面積は、隙間gの流路面積よりも小さく設定されており、また、絞り部材58の外径寸法と第1シリンダ52の内径寸法とは、絞り部材58が第1シリンダ52内を摺動可能な範囲で略同値となるように設定されている。
以上のように構成した本発明の第2実施の形態によれば、上記第1実施の形態と同様の作用効果が得られることに加え、隙間gの流路面積(絞り面積)よりも小さい流路面積を有する絞り部材58を設けたので、上記第1実施の形態に対して、2室間をより絞ることができるので、例えば、上記第1実施の形態と同じ油液の給排量で2室間の差圧を大きくすることができ、スタビライザ装置の作動効率を向上させることができる。
次に、本発明の第3実施の形態について、図8を用いて説明する。
なお、説明の便宜上、上述した第1実施の形態と同一部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
第3実施の形態におけるスタビライザ装置60は、上記第1実施の形態におけるスタビライザ装置1に対して、アクチュエータを構成する第2シリンダに対しても油液を給排するようにした点、スタビライザ装置を車体側に取付けるための軸受部材の構造を変更した点、及び、第1シリンダと第2シリンダとの間に両者を相対回動自在に軸方向に支持する軸受部材を設けた点が異なっている。
アクチュエータ61を構成する第2シリンダ62の内部には、第2シリンダ62内をシリンダ室62a及び62bの2室に画成するピストン63(第2ピストン)が設けられ、このピストン63には、上記第1実施の形態における第2シリンダ9と同様の軸方向に延びる溝64a及び64bが形成されている。
第2シリンダ62の内周壁には、その軸方向における略中央部分に剛球65a及び65b(球)の半分が回動可能に入り込んでおり、剛球65a及び65bの他の半分は、ピストン63の溝64a及び64bに入り込んでいる。これらの剛球65a及び65b、溝64a及び64bによって本発明における軸動許容機構を構成している。
剛球65a及び65bと溝64a及び64bとの間には若干の隙間g’が形成されており、この隙間g’を介してシリンダ室62a及び62bを流れる油液を絞るようになっている。ここで、第2シリンダ62における隙間g’の流路面積は、第1シリンダ8における隙間gの流路面積と同等に設定しても良いし、隙間g’の流路面積を隙間gの流路面積よりも小さく、または大きくなるように設定しても構わない。
第2シリンダ62の図中両端側における壁部には、シリンダ室62a及び62bに油液(流体)を給排するための給排口66a及び66bが設けられ、この給排口66a及び66bには、油圧回路Aの給排管20及び21がそれぞれ接続されている。
ピストン63には、ピストンロッド14の右端側が連結され、ピストンロッド14の中央部分は、第2シリンダ62の外部にシール部材67を介して外部に延出されている。このシール部材67は、ゴム等の弾性体よりなるOリングにより構成され、ピストンロッド14に対して若干の締め代を持って嵌合しており、シリンダ室62aから外部に油液が漏洩するのを防止している。
第1シリンダ8の底部側(図中左側)には、第1シリンダ8の軸方向左側への移動を規制する軸受部材68が車体側に固定して設けられ、この軸受部材68は、軸部5aを、弾性部材68aを介して回動自在に、かつ、弾性的に取付けている。軸受部材68には、その第1シリンダ8側を折曲げて受け部68bが形成されており、この受け部68bと第1シリンダ8の底部との間には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の摩擦抵抗の小さい材料よりなる軸受体69が設けられている。
第2シリンダ62の底部側(図中右側)には、第2シリンダ62の軸方向右側への移動を規制する軸受部材70が車体側に固定して設けられ、この軸受部材70は、軸部4aを、弾性部材70aを介して回動自在に、かつ、弾性的に取付けている。軸受部材70には、その第2シリンダ62側を折曲げて受け部70bが形成されており、この受け部70bと第2シリンダ62の底部との間には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の摩擦抵抗の小さい材料よりなる軸受体71が設けられている。
第1シリンダ8と第2シリンダ62との間には、両シリンダを相対回動可能に軸方向(図中左右方向)に支持する軸受部材72が設けられており、この軸受部材72には、ピストンロッド14が貫通している。軸受部材72は、軸受本体72aと、その両側と第1シリンダ8及び第2シリンダ62との間に設けられる軸受体72b及び72cから構成されている。
この第3実施の形態では、軸受部材68、70及び72を設け、第1シリンダ8と第2シリンダ62とを、軸方向へ移動できないように規制している。これは、第2シリンダ62に対して油液を給排することによって生じるピストン63、ピストンロッド14及びピストン10(第1ピストン)の直動運動を、第1シリンダ8の回動運動にスムーズに変換して作動させるためであり、もし、この規制が無い場合には、上記のような直動運動を回動運動にスムーズに変換できず、第1シリンダ8及び第2シリンダ62は互いに近接・離間するようになり、車両の車体に対するロール制御能力を低下させてしまう。
以上のように構成した、本発明の第3実施の形態によれば、上記第1実施の形態と同様の作用効果が得られることに加え、第1シリンダ8と第2シリンダ62との双方に油液を給排するように構成したので、一のシリンダに油液を給排する上記第1実施の形態に比して、ピストン10の第1シリンダ8に対する軸方向への相対移動に際し、その移動力を大きくすることができる。したがって、例えば、吐出圧力の低い低消費型の油圧ポンプによってもスタビライザ装置を駆動することができる。
次に、本発明の第4実施の形態について、図9を用いて説明する。
なお、説明の便宜上、上述した第3実施の形態と同一部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
第4実施の形態におけるスタビライザ装置80は、上記第3実施の形態におけるスタビライザ装置60に対して、アクチュエータを構成する第1シリンダの構造を変更し、第1シリンダを油圧回路Aから分断した点が異なっている。
アクチュエータ81を構成する第1シリンダ82の内部には、シリンダ内をシリンダ室82a及び82bの2室に画成するピストン83(ピストンロッド)が設けられ、このピストン83には、上述した第1実施の形態におけるピストン10と同様の螺旋状の溝84a及び84bが形成されている。
第1シリンダ82の内周壁には、その軸方向における略中央部分に剛球85a及び85bの半分が回動可能に入り込んでおり、剛球85a及び85bの他の半分は、螺旋状の溝84a及び84bに入り込んでいる。これらの剛球85a及び85b、溝84a及び84bによって本発明における直動−回動変換機構を構成している。この直動−回動変換機構は、ピストン83を介してピストンロッド14に、また、第1シリンダ82を介して軸部5aにそれぞれ接続してピストンロッド14と軸部5aとを連結するように介装されている。
第1シリンダ82の内部は、連通孔82cを介して大気と連通しており、この連通孔82cによって、ピストンロッド14の第1シリンダ82内への進入・退出時の体積補償を行うようになっている。
ピストン83には、ピストンロッド14の左端側が連結され、ピストンロッド14の中央部分は、第1シリンダ82の外部に軸受87を介して外部に延出されている。なお、軸受87は、ポリテトラフルオロエチレン等の摩擦抵抗の小さい材料より形成されている。
以上のように構成した、本発明の第4実施の形態によれば、第2シリンダ62に対するピストン63の直動運動をピストン83に伝達し、ピストン83の直動運動が剛球85a(85b)(球)及び溝84a(84b)(直動−回動変換機構)によって第1シリンダ82の回動運動に変換されるので、第1スタビライザ4と第2スタビライザ5とを互いに逆方向に回動させて、両者に回転角差を与えることができる。
なお、上記各実施の形態においては、ピストンにシール部材を設けず、隙間g(g’)によって、2つのシリンダ室に生じる差圧でピストンをシリンダに対して駆動するものを示したが、本発明は別段これに限らず、例えば、第2実施の形態の絞り部材58の微小オリフィス58aを廃止し、この絞り部材58の外周にシール部材を設け、ピストン53と第1シリンダ52との間をシールして2つのシリンダ室52a、52b間を密封するようにしても良い。この場合、2つのシリンダ室52a、52b間において油液の行き来を無くすことができるので、スタビライザ装置の作動効率を向上させることができる。ただし、この場合は、第1スタビライザと第2スタビライザとの回転角差がゼロの状態、すなわち、ニュートラル位置(図1、図3、図6、図8及び図9の状態を参照)を検出し、ロール制御後にニュートラル位置に戻す必要が生じる。この場合、ニュートラル位置を検出するために、接点方式や光学方式のロータリーエンコーダー等を第1シリンダと第2シリンダとの間に設け、両シリンダの相対回動を検出できるようにすれば良い。
また、上記各実施の形態においては、ピストンの軸に対する螺旋状の溝の角度を、図2に示すものとして同一であるものを示したが、本発明は別段これに限らず、ピストンの軸に対する螺旋状の溝の角度を、例えば緩く設定するようにしても良い。この場合、上記各実施の形態に対して、スタビライザに対する捩じり量は少なくなるが、直動運動から回動運動へ変換する際の油圧を小さくさせることができる。
さらに、上記のように螺旋状の溝の角度を緩く設定した場合には、スタビライザから受ける反力(アクチュエータの向きと逆向きの力)に対して、回動しにくくすることができるので、ロール制御を行っていない場合における、スタビライザ装置の捩じり剛性を向上させることができ、通常のスタビライザ装置としての機能を充分果たすことができる。
また、ピストンの軸に対する螺旋状の溝の角度を、一定ではなく、ピストンのシリンダに対する相対回動途中で変化するようにしてもよい。以下に、螺旋状の溝の角度をピストンの相対回動途中で変化させるようにした例を、本発明の第5実施の形態として、図10乃至図12を用いて説明する。
本実施の形態は、第1実施の形態に対し、ピストン10の溝11a及び11bの形状が異なるのみで、その他の構成は第1実施の形態と同一である。
図10に、第1実施の形態のピストン10の半周を平面展開した状態を示す。この図において、溝11aは直線的な形状となっている。溝11aがこのような形状になっているので、ピストン10の回転角とストロークの特性は、図12の破線で示すように比例関係の特性をとる。
一方、本実施の形態においては、溝11a、11bの角度はピストン10の相対回動途中で変化するようになっており、本実施の形態のピストン10の半周を平面展開した状態を図11に示す。このような溝11aの形状、すなわち、溝11a、11bの両端側の角度を緩くすれば、図12の実線で示すように、ピストン10の回転角とストロークの関係は比例関係ではなく非線形の特性を有するようになり、ピストン10の回転角が小さいとき(ゾーンB)には、ピストン10のストロークは小さく、ピストン10の回転角が大きくなると(ゾーンA)ピストン10のストロークは大きくなる。このようにして、本実施の形態においては、直動−回動変換機構の特性を非線形とすることができる。
その結果、より力を必要とする捩じり量の大きな(回転角の大きな)領域で、低い油圧で回転作動させることができる。よって、油圧ポンプ24として吐出圧の低いものを用いることが可能となる。
なお、図12において、縦軸はピストン10のストローク(I1、I2)を示し、横軸はピストン10の回転角(θ1、θ2)を示している。
また、第6の実施の形態について図13を用いて説明する。
本実施の形態は、第1実施の形態に対し、アクチュエータ3が作用しない状態を得ることを可能にしたものである。よって、図3の構成と同様の構成には同一図番を付し、その説明を省略する。
給排制御弁22と第1シリンダ8との間には、第1シリンダ8内の圧力流体の給排が自由にできる状態を選択可能とする弁装置90が設けられている。この弁装置90は、給排管20と21とを連通させ、給排管20、21と給排制御弁22側とを遮断する短絡状態(第1シリンダ8内の圧力流体の給排が自由にできる状態)と、給排管20と21とを遮断し、給排管20、21と給排制御弁22側とを連通させる通常状態との切替えを可能としている。
また、短絡状態で第1シリンダ8とピストン10が作動できるように、ピストン10のシリンダ室8a側には、ロッド91が設けられている。この結果、ピストン10が移動した際に、シリンダ室8aの容積増加分と、シリンダ室8bの容積減少分が等しくなり、短絡状態でのピストン10の移動が可能となる。
また、第1シリンダ8には、軸部5aを接続するためのコ字型ブラケット92が設けられている。
このように構成したことにより、短絡状態では、スタビライザ装置としての機能をなくす事ができる。これは極悪路等の凹凸が激しい走行路を走行している時において、スタビライザ装置が、車体への振動に対して悪影響を及ぼすことを軽減するのに有効である。
また、この第6の実施形態において、第5の実施の形態の図11に示す非線形の溝11a、11bを設けることもできる。この場合には、短絡状態で通常の凹凸の少ない路面を走行した場合、車両のばね下(車輪側)からの変位は小さい。その結果、スタビライザ2のねじれ量も小さくなる。通常の凹凸の少ない路面を直進走行した場合には、スタビライザ装置1の制御は不要であり、乗り心地は、スタビライザ2を如何にフリーに動かせるかがポイントとなる。このように図11のような溝11a、11bを設けた構成においての短絡状態では、ピストン10とピストンロッド14の直動方向のストロークが小さくなり、よって、ピストン10およびピストンロッド14の慣性力を小さくすることができ、乗り心地の向上を図ることができる(図11におけるゾーンA)。
また、通常状態では、ピストン10が大きく回動した場合には、ピストン10とピストンロッド14の直動方向のストロークは大きくなるが、必要な回転力は小さくすみ、逆にピストン10に嵌合した剛球13a、13bにかかる力が小さくなるので、スタビライザ装置1の耐久性が向上することになる。
さらに、上記各実施の形態においては、2つのシリンダ室のうち、一方をピストンロッドがあるシリンダ室とし、他方をピストンロッドが無いシリンダ室として、シリンダ室の容積が異なるものを示したが、本発明は別段これに限らず、2つのシリンダ室の容積を同じにすべく、所謂、両ロッド式としてもよい。
また、上記各実施の形態においては、本発明における直動−回動変換機構を、剛球(球)と螺旋状の溝で構成したものを示したが、本発明は別段これに限らず、例えば、ボールねじ機構を用いて直動−回動変換機構を構成してもよい。
さらに、上記各実施の形態においては、本発明における軸動許容機構を、剛球(球)と軸方向に延びる溝で構成したものを示したが、本発明は別段これに限らず、例えば、ピストンロッドの先端部を断面十字形状に形成すると共に、軸部に断面十字形状の中空部を形成し、この中空部にピストンロッドの先端部を挿入することで、相対回動不能でかつ軸方向へ相対移動可能な構成としてもよい。
また、上記各実施の形態においては、本発明における軸動許容機構を、ピストンロッドと軸部との間に設けたものを示したが、本発明は別段これに限らず、例えば、軸部と車輪側の取付部材との間に設けるように構成してもよい。
本発明の第1実施の形態におけるスタビライザ装置を示す部分断面図である。 図1におけるピストン及びピストンロッドの溝形状を説明する斜視図である。 図1のスタビライザ装置を駆動する油圧回路(直進走行時)を示す図である。 図1のスタビライザ装置を駆動する油圧回路(左旋回時)を示す図である。 図1のスタビライザ装置を駆動する油圧回路(右旋回時)を示す図である。 本発明の第2実施の形態におけるスタビライザ装置を示す部分断面図である。 図6の絞り部材58の平面図である。 本発明の第3実施の形態におけるスタビライザ装置を示す部分断面図である。 本発明の第4実施の形態におけるスタビライザ装置を示す部分断面図である。 本発明の第1実施の形態における第1シリンダのピストンの半周を平面展開した図である。 本発明の第5実施の形態における第1シリンダのピストンの半周を平面展開した図である。 本発明の第1実施の形態と第5実施の形態の第1シリンダのピストンの回転角とストロークの特性を示したグラフである。 本発明の第6実施の形態のスタビライザ装置を駆動する油圧回路を示す図である。
符号の説明
1、50、60、80 スタビライザ装置
3、51、61、81 アクチュエータ
4 第1スタビライザ(スタビライザ)
4a、5a 軸部
4b、5b 腕部
5 第2スタビライザ(スタビライザ)
8、52 第1シリンダ(シリンダ)
9、62 第2シリンダ(シリンダ)
10 ピストン(ピストン、第1ピストン)
11a、11b、54a、54b 溝(直動−回動変換機構)
13a、13b、55a、55b 剛球(球、直動−回動変換機構)
14 ピストンロッド
16、83 ピストン(ピストンロッド)
17a、17b、64a、64b 溝(軸動許容機構)
18a、18b、65a、65b 剛球(球、軸動許容機構)
53 ピストン(ピストン)
63 ピストン(第2ピストン)

Claims (8)

  1. 車体側に取付けられた軸部および該軸部の両側を折曲げて左右の車輪側に取付けられた腕部からなるスタビライザと、該スタビライザを前記軸部において2分割し、分割された各軸部間に、それぞれの軸部に対して回転角差を与えるアクチュエータと、を備えたスタビライザ装置において、
    前記アクチュエータを、前記軸部の一方に連結されたシリンダと、該シリンダ内に軸方向に移動可能に設けられ、前記シリンダ内を圧力流体が給排される2室に画成するピストンと、一端が該ピストンに連結され、他端が前記シリンダ外に延出して前記軸部の他方に連結されたピストンロッドと、前記ピストンの軸方向への移動により該ピストンおよび前記ピストンロッドを前記シリンダに対して相対回動させる直動−回動変換機構と、から構成し、前記ピストンロッドと前記軸部の他方とを、相対回動不能でかつ軸方向への相対移動を許容する軸動許容機構を介して連結したことを特徴とするスタビライザ装置。
  2. 車体側に取付けられた軸部および該軸部の両側を折曲げて左右の車輪側に取付けられた腕部からなるスタビライザと、該スタビライザを前記軸部において2分割し、分割された各軸部間に、それぞれの軸部に対して回転角差を与えるアクチュエータと、を備えたスタビライザ装置において、
    前記アクチュエータを、前記軸部の一方に連結されたシリンダと、該シリンダ内に軸方向に移動可能に設けられ、前記シリンダ内を圧力流体が給排される2室に画成するピストンと、一端が該ピストンに連結され、他端が前記シリンダ外に延出されたピストンロッドと、前記ピストンおよび前記ピストンロッドが前記シリンダに対して相対回動不能でかつ軸方向に相対移動することを許容する軸動許容機構と、から構成し、前記ピストンロッドと前記軸部の他方とを、前記ピストンロッドの軸方向への移動を前記軸部の他方への回動運動に変換する直動−回動変換機構を介して連結したことを特徴とするスタビライザ装置。
  3. 前記直動−回動変換機構は、前記ピストンに設けられた螺旋状の溝と、前記シリンダの内周壁に回動可能に設けられるとともに前記螺旋状の溝に嵌装された球により構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタビライザ装置。
  4. 前記軸動許容機構は、前記ピストンに設けられ前記ピストンの軸方向に延びる溝と、前記シリンダの内周壁に回動可能に設けられるとともに前記軸方向に延びる溝に嵌装された球により構成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のスタビライザ装置。
  5. 前記シリンダ内への圧力流体の給排が自由にできる状態を選択可能とする弁装置を設けたこと特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のスタビライザ装置。
  6. 前記直動−回動機構は、非線形の特性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のスタビライザ装置。
  7. 前記アクチュエータには、前記シリンダの軸方向への移動を規制する軸受部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のスタビライザ装置。
  8. 車体側に取付けられた軸部および該軸部の両側を折曲げて左右の車輪側に取付けられた腕部からなるスタビライザと、該スタビライザを前記軸部において2分割し、分割された各軸部間に、それぞれの軸部に対して回転角差を与えるアクチュエータと、を備えたスタビライザ装置において、
    前記アクチュエータを、前記軸部の一方に連結されたシリンダと、該シリンダ内に軸方向に移動可能に設けられ、前記シリンダ内を圧力流体が給排される2室に画成するピストンと、一端が該ピストンに連結され、他端が前記シリンダ外に延出して前記軸部の他方に連結されたピストンロッドと、前記ピストンの軸方向への移動により該ピストンおよび前記ピストンロッドを前記シリンダに対して相対回動させる直動−回動変換機構と、から構成し、前記直動−回動機構は、非線形の特性を有することを特徴とするスタビライザ装置。
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