JP4505077B2 - トリクロロシランガス気化供給装置 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は主として半導体産業、とりわけシリコンエピタキシャル成長工程に用いるトリクロロシランガス気化供給装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
トリクロロシランガス気化供給方式としては次の如き種々の方式が知られている:
(1)バブリングタンクによる方法
液体であるトリクロロシランを内容積数十リットルのステンレス製タンクに充填する。これに水素流量とトリクロロシラン濃度を検知するセンサーと流量調整弁を具備した所謂「液体ソースコントローラ」で水素をバブリングし、トリクロロシランの絶対重量を管理し、エピタキシャル炉のソースガスとしてキャリア水素とともに炉に供給する。バブリング水素量だけで管理する方法もある。近年、引火性があるということで国内、海外で室内持ち込み量が厳しく規制され、タンクの小型化に伴ない、外部から減量分をタンクに送液する方法もとられる。また大型のタンクをエピタキシャル炉とは別棟に配備し各エピタキシャル炉に分配供給する方法もある。
この方法は、トリクロロシランが気化する際、外部より多量の気化熱分を補給する必要がある。これを怠れば液温が低下し蒸気圧が下がる。即ち大量のガス発生、連続したガス供給をする際はトリクロロシラン/水素比が連続的に低下する。気化熱分を外部ヒータより補給する場合はその応答スピードをあげる事が難しく、その結果供給するトリクロロシラン/水素比が変動する。「液体ソースコントローラ」は信頼性が乏しい。従って、エピタキシャル膜の厚み、比抵抗の精密制御ができなくなる等の欠点がある。
(2)全量気化による方法
液体専用のマスフローコントローラ等で一定流量の液体トリクロロシランを全量蒸発器に送り、ここで気化させた後所定量のキャリア水素と混合しエピタキシャル炉(EP炉)に供給する方法がある。この方法では蒸発器は小型にすればするほど温度を高くする必要がある。また液体トリクロロシラン中に含まれる不純物も全て気化させるため、エピタキシャル層の金属汚染等の恐れがあり、エピ装置1台毎の継続投資が必要である等の欠点が知られている。
(3)液加熱100%ガスによる方法
小さい容器で多量のトリクロロシランをガス化させるため所定の圧力になるまで大気圧下での沸点(32℃)を越えて加熱し、100%ガスでEP炉に投入する方法、EP炉近傍で水素で希釈する方法、ガス発生直後に希釈する方法がある。この種の方法では、高温用流量計、配管の保温が必要であり、従って配管施工の高コスト化が問題となる(継続投資)等の欠点がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者等は前述した如き従来方式の諸欠点を改善するために、下記の諸課題を克服することを目的として本発明を開発した:
(1)消防法への対応
(2)品質への対応(ボンベ交換による汚染対策、蒸留によるガス純度向上、エピ層非抵抗、エピ層厚さの精密安定制御。
(3)コスト、生産性への対応(容器交換工数排除、容器交換による装置稼動ロス排除)
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術的構成は前述した特許請求の範囲各請求項に明記したとおりであるが、前述した各課題を解決するための手段を列記すれば下記のとおりである:
(1)液体トリクロロシランを蒸発させるための蒸発器と、前記蒸発器の真上に配置され、仕切弁を備えた連結部を介して前記蒸発器に連結された凝縮器とを備え、
前記凝縮器が、過飽和分のトリクロロシランをほぼ全量凝縮するのに十分な熱交換面積を有し、
仕切弁を開弁させた状態で、前記蒸発器が、シリコンエピタキシャル成長装置において必要とされる量よりも過剰な量のトリクロロシランを蒸発させて、蒸発したトリクロロシランを前記連結部を通して凝縮器へ送り、
前記凝縮器が、過飽和分のトリクロロシランをほぼ全量凝縮し、凝縮したトリクロロシランを前記連結部を通して重力で蒸発器に戻すようにした
連続蒸留式トリクロロシランガス気化供給装置。
(2)前記蒸発器の加熱手段及び凝縮器の冷却手段が不活性液体を媒介すること。
(3)設定圧力と装置内圧力を同じにするための調節計と減圧器を具備し、該減圧器が調節系の指示により電気的に調圧動作すること。
(4)凝縮器が2個以上の複数とすること。
(5)2個の凝縮器の間に温度センサーを配設すること。
【発明の実施の形態】
【0005】
図1は本発明の代表的一例を示す模式図であり、図中1は蒸発器、2は凝縮塔、3は仕切りバルブ、4は蒸発器循環熱媒体熱交換器、5は凝縮塔循環熱媒体熱交換器、6はトリクロロシラン(液)供給口、7はキャリア水素ガス供給口、8はトリクロロシランガス供給管路、9は熱媒体循環管路を示し、TIは温度センサーを示す。
【0006】
前述した如く、本発明の第1の発明は請求項1に明記してある如く、液体トリクロロシランを蒸発させるための蒸発器と蒸発したトリクロロシランガスを蒸発温度より低い温度で凝縮させる凝縮器(塔)を連結した構成とした、連続蒸留式トリクロロシランガス気化供給装置にあり、これら蒸発器と凝縮器を連結したことによる作用効果は次のとおりである。
【0007】
半導体産業、とりわけシリコンエピタキシャル成長工程で用いられるトリクロロシランは水素ガスで希釈されたものを使用するのが一般的である。これはシリコンエピタキシャル薄膜がウェーハ面内で均一な厚みと均一な抵抗率分布を要求されるため、あるいはトリクロロシランガスがエピタキシャル薄膜として基板ウェーハに堆積するために水素還元反応を必要とするためである。
【0008】
一方、物質は一定の温度では一定の蒸気圧を有する(もちろん理想気体から大きく外れる高圧下では話が異なってくるが、少なくとも本件発明の扱う範疇では圧力によらないと考えて差し支えない)。従って、水素ガスを吹き込みつつ、系内の圧力を一定にすることで濃度一定の、水素ガスで希釈されたトリクロロシランが得られるわけである。
【0009】
しかしながら実際には系が平衡に達するまでの長時間を費やす事は出来ないし、そもそもシリコンエピタキシャル成長装置に対して連続的に(非平衡状態で)トリクロロシランガスを供給してやる必要がある。本件発明の装置はこれを実現するため、必要とされるトリクロロシランガスよりも過剰な量のトリクロロシランを蒸発器1にて蒸発させる。即ち連続的にこの部分で蒸発させるため、また水素の吹き込み量(トリクロロシランのシリコンエピタキシャル成長工程での消費量)が大量であるほど、温度を高く設定してやる必要がある。
【0010】
このようにして蒸発したトリクロロシランガスはシリコンエピタキシャル成長工程でのトリクロロシランガスの消費に対応し、蒸発器1の上部に設置された凝縮塔2に移動してゆく。凝縮塔2は過飽和分のトリクロロシランをほぼ全量凝縮するに十分な熱交換面積を持っており、ここで凝縮したトリクロロシランは重力により蒸発器1に戻る。蒸発器1内のトリクロロシランの液面は液面計で計測され、トリクロロシランの消費量に対応し、トリクロロシラン(液)供給口6により外部から連続的に補給される。またシリコンエピタキシャル成長工程でのトリクロロシラン・水素ガスの消費に伴ない降下する圧力に対し、キャリア水素ガス供給口7により連続的に水素ガスが補給される。
【0011】
このように圧力と凝縮温度を精密に制御してやることで凝縮塔2から排出されるトリクロロシラン・水素混合気体は一定濃度に保たれることになる。
【0012】
前記連続蒸留式トリクロロシランガス気化供給装置においては、前記蒸発器と凝縮器との連結部に仕切弁を設けることにより更に下記の如き作用効果を達成することができる。
【0013】
蒸発器1はトリクロロシランを大気圧での沸点以上に加熱する点で第1種圧力容器に該当する容器である。従って年に1度或いは条件次第で2年に1度の開放検査を義務付けられている。しかしながら、トリクロロシランはその用途上、極端に汚染(大気中の粉塵)を嫌い、また開放時に大気中の水分と激しく反応し、塩化水素を生成しさらに水分に吸収されて塩酸になる。大気開放前に無水のガスにより充分置換してもなお容器内壁に吸着したトリクロロシランは脱離しにくく、上述メカニズムで返って腐食割れ等の危険性が増す。とりわけ、溶接個所がその危険度が高いため、凝縮塔部分が不安である。
【0014】
ところで本来凝縮塔では温度は上がらない。従って蒸発器1と凝縮塔2を仕切り弁で分離することで蒸発器1のみを第1種圧力容器とし、凝縮塔2を圧力容器の法的指定から外すことで、開放検査を行う必要を無くすことができる。もちろん、法的に規制されないものの、機器の構成上溶接個所が多いため点検は十分に行う必要があるのは言うまでもない。この時仮に仕切り弁3が無い場合に検査の結果早急な開放が必要となった時でさえ蒸発器に残るかなりの量のトリクロロシラン(液)を排出した後でないと開放が行えない。しかしながら本発明のように仕切り弁3を設置しておくことで時間のかかるトリクロロシラン(液)の排出を行うことなく、凝縮器2内の真空置換、不活性ガスパージにより、迅速、安全に且つ経済的にそれをおこなうことが可能となる。
【0015】
本発明の連続蒸留式トリクロロシラン気化供給装置においては、前記気化供給装置内全圧を0.05Mpa以上0.2Mpa以下で且つ凝縮温度を10℃−25℃とすることにより所期の作用効果を達成し得るものである。前述の如き装置内全圧及び凝縮温度を限定する根拠は後述する実施例からも明らかであるが、次のとおりである。
【0016】
混合ガスの全圧を0.05MPa(ゲージ圧)以上とする理由:
エピタキシャル成長装置に通常搭載されるガス流量計はマスフローコントローラであるが、当該機器はその原理、構造上、マスフローコントローラの上流、下流間に差圧を必要とする。現時点で十分な再現性と精度を期待するならば少なくとも0.05MPa以上の差圧が必要である。一方エピタキシャル成長装置は大気圧(0MPa(ゲージ圧))下での成長が一般的で、従って混合ガスの全圧は最低でも0.05MP(ゲージ圧)以上は必要となる。
しかしながら、本発明装置とエピタキシャル成長装置との間は配管で連結されており、その間の圧損失を考慮すれば、発生する混合ガスの全圧は0.1MPa(ゲージ圧)以上が好ましい。
【0017】
混合ガスの全圧は0.2MPa(ゲージ圧)以下とする理由:
本件装置は、とりわけ蒸発器は第1種圧力容器に該当する。従ってその耐圧等はかなり詳細に規定されており、逆に言えば高圧は危険、従って許す限りの、より低圧での設計を心がけることが望ましい。また、低圧であれば高圧の場合と同じ安全係数で機器コストを低減することもできる。また、同じ濃度の混合ガスを生成する場合において、全圧を出来る限り低くしたい場合には凝縮温度を下げてやらねばならない。混合ガスの濃度が低い場合、例えば14%TCS/H2で全圧を0.2MPa(ゲージ圧)以下とするならばその凝縮温度は10℃以下となり、事実上の困難をともなう。
図2は本発明によるTCS気化供給装置の運転基礎データであり、本発明に好適な運転条件を示す区域を示す。
【0018】
凝縮温度を10℃以上とする理由:
凝縮塔の冷媒の冷却源は、少なくとも凝縮温度より数℃低くないと安定的な温度制御ができない。半導体工場で通常、普通に利用可能な冷却水はクリーンルーム温度制御用の冷却水で大体数℃である。従って凝縮温度の最低ラインは10℃程度ということになる。また、この凝縮温度以下で通常エピタキシャル成長装置に一般的に使用されるTCS/H2混合ガス濃度(20%前後)を得ようとするならば、混合ガスの全圧を0.1MPa(ゲージ圧)、あるいはそれ以下までおとしてやる必要が生じる。この場合エピタキシャル成長装置に搭載されるマスフローコントローラの精度の悪化、あるいはガス供給配管のサイズアップ(コストアップにつながる)等を検討する必要が生じる。
【0019】
凝縮温度を25℃以下とする理由:
TCS/H2混合ガスはクリーンルームを通過中に再凝縮することがあってはならない。従ってどのような凝縮温度で凝縮されたTCS/H2混合ガスであろうと、エピタキシャル成長装置の反応チャンバーに供給されるまでは凝縮温度以上に保たなければならない。当該ガス配管はクリーンルーム内に敷設されるが、その延べ延長距離は相当な長さとなり、従って、クリーンルーム環境の悪化(発塵)、コストの絡み、リーク個所の発見に妨げになることから簡単に保温の措置を講ずることはできない。よって凝縮温度の上限はクリーンルームの設定室温以下となる。
ただクリーンルーム内の温度は均一ではなく、室内の熱付加に対応するだけの冷風は10数℃でありこの吹き込み空気の近傍は相当低温となる。好ましくは配管経路はこのような場所を避け、且つ、余裕をもって凝縮温度を20℃或いはそれ以下に設定することが望ましい。
更に、本発明の気化供給装置は、設定圧力と装置内圧力を同じにするための調節計と減圧器を具備し、該減圧器が、調節系の指示により電気的に調圧動作させる機構とするものである。
【0020】
機械式の減圧器を用いない理由:
機械式減圧器は差圧が大きければ大流量が、また差圧が小さければ流通するガス流量が少なくなる。従って本件の場合、ユースポイントでのガス消費量が急に多くなった場合、それに対応して瞬間的に大流量のガスが流れるが、その後差圧が小さくなるにつれ流量が減少し、所定圧に到達するのに時間を要する。本件方法においては、このような応答の遅れは致命的で、応答が遅れている間、得られる混合ガスは本来のガス濃度に対し高濃度となってしまう。しかしながら、減圧器が電気式であれば、ユースポイントでのガス消費量が急に多くなった場合には減圧器のダイアフラム開度が閉じぎみに作用し、またその後差圧が小さくなるにしたがいダイアフラムは開き気味に作用する。これらの動作は、圧力センサーからの信号を受けた圧力調節計が、予め設定された圧力との変位量に応じ、PID演算された結果を減圧器にその設定信号として与えることで圧変動に対し迅速に応答する。このことにより系の圧は常に一定に保たれ、従って得られる混合ガスは常に一定濃度になる。
また、本発明の気化供給装置は、凝縮器を2個以上の複数とし、これら凝縮器間に温度センサーを配設するものである。
【0021】
凝縮器が複数で且つその間に温度センサーを配設する理由:
本件の構成による装置においては凝縮器部分が製作するに最も高価な部位である。従って初期投資コストを低く設定するばらば、凝縮能力が必要最低限となるような設計を行うことになる。しかしながら、1工場に本件のトリクロロシランガス気化供給装置を1セット設置し、ここから集中的に複数のエピタキシャル成長装置にトリクロロシランガスを供給する場合、将来のエピタキシャル成長装置の増設に備え、トリクロロシランガス気化供給装置の供給能力増強の手段を講じておく必要もある。本件は、凝集器が複数で且つその間に温度センサーを配設することで装置の運転性能が確認できる。即ち、トリクロロシランガスの発生供給量が増えれば、凝縮器の中間に配した温度センサーの指示値が、通常のトリクロロシランガスの発生供給量の時に示す値よりも高くなる。このような運転データによりトリクロロシランガス気化供給装置の増強時期を計画することができる。また、増強は凝縮面積を広くすること、即ち分割された凝縮器と同仕様のものを連結するだけで達成される。
更に、本発明の気化供給装置では、トリクロロシランガスの消費が少ない時、トリクロロシランガス供給管路より分岐された管路(図示せず)を経由して自動にて系外に所定量のトリクロロシランガスを排出する機構を有し、また、蒸発器下部に具備したバルブにより、任意に変更可能な間隔で、一定量の液体トリクロロシランを系外に排出する機構を有する。
【0022】
【実施例1】
本発明装置に複数台のエピタキシャル成長装置を接続し、任意に稼働させた。このうちの1台のエピタキシャル成長装置をテストに供した。テスト用エピタキシャル成長装置は一枚ずつ処理をする市販の所謂枚葉式の装置を使用した。エピタキシャル基盤はP+で裏面に酸化膜がコートしてある。およその狙いのエピ膜は成長速度4μm/min、厚さは6μmとし、成長時間を90秒とした。各実施例においてTCS/H2混合ガスの流量を設定するマスフローコントローラ、メイン水素ガス用のマスフローコントローラの設定値は統一した。
一方発明装置の条件は全圧0.149±0.0005MPa(ゲージ圧)、凝縮温度15.0±0.1℃、蒸発器内TCS液温度40±0.5であり発生させたTCS/H2混合ガスの濃度はおよそ21%であった。本発明装置から複数のエピタキシャル成長装置に送られるTCS/H2混合ガスの流量は、テストの間15リットル/minから220リットル/minまで変動した。テストは25枚連続成長させた際のバッチ間変動量で評価した。その結果25枚のウェーハの中心部のエピ膜の厚さは6.00±0.01μmであった。一連のテストの間で最も安定した条件であった。
【0023】
【実施例2】
本発明装置に複数台のエピタキシャル成長装置を接続し、任意に稼動させた。このうちの1台のエピタキシャル成長装置をテストに供した。テスト用エピタキシャル成長装置は一枚ずつ処理をする、市販の所謂枚葉式の装置を使用した。エピタキシャル基盤はP+で裏面に酸化膜がコートしてある。およその狙いのエピ膜は成長速度4μm/min、厚さは6μmとし、成長時間を90秒とした。各実施例においてTCS/H2混合ガスの流量を設定するマスフローコントローラ、メイン水素ガス用のマスフローコントローラの設定値は統一した。
一方本発明装置の条件は全圧0.102±0.0005MPa(ゲージ圧)、凝縮温度10.0±0.1℃、蒸発器内TCS液温度40±0.5℃であり発生させたTCS/H2混合ガスの濃度はおよそ21%であった。本発明装置から複数のエピタキシャル成長装置に送られるTCS/H2混合ガスの流量は、テストの間15リットル/minから120リットル/minまで変動した。テストは25枚連続成長させた際のバッチ間変動量で評価した。その結果25枚のウェーハの中心部のエピ膜の厚さは5.98±0.04μmであった。当該テスト用エピ装置以外の稼動量が増えたときに対応し成長速度の降下が若干みられた。
【0024】
【実施例3】
本発明装置に複数台のエピタキシャル成長装置を接続し、任意に稼動させた。このうちの1台のエピタキシャル成長装置をテストに供した。テスト用エピタキシャル成長装置は一枚ずつ処理をする、市販の所謂枚葉式の装置を使用した。エピタキシャル基盤はP+で裏面に酸化膜がコートしてある。およその狙いのエピ膜は成長速度4μm/min、厚さは6μmとし、成長時間を90秒とした。各実施例においてTCS/H2混合ガスの流量を設定するマスフローコントローラ、メイン水素ガス用のマスフローコントローラの測定値は統一した。一方本件装置の条件は全圧0.188±0.0005MPa(ゲージ圧)、凝縮温度20.0±0.1℃、蒸発器内TCS液温度40±0.5℃であり発生させたTCS/H2混合ガスの濃度はおよそ22%であった。
本発明装置から複数のエピタキシャル成長装置に送られるTCS/H2混合ガスの流量は、テストの間15リットル/minから130リットル/minまで変動した。テストは25枚連続成長させた際のバッチ間変動量で評価した。その結果25枚のウェーハの中心部のエピ膜の厚さは6.00±0.02μmであった。テスト期間中は特に問題はなかったが、テスト用エピタキシャル装置以外の本発明装置に接続されたエピタキシャル成長炉の稼動が少なくなったとき、成長速度が変動する。これは供給するTCS/H2混合ガスの流量が低下した結果、配管内の混合ガスが発生後、エピタキシャル成長装置で消費されるまでのクリーンルーム内滞留時間が長くなり、従って室温の影響を受けたための再凝縮が若干生じたためであると認められる。
【0025】
【実施例4】
本発明装置に複数台のエピタキシャル成長装置を接続し、任意に稼動させた。このうちの1台のエピタキシャル成長装置をテストに供した。テスト用エピタキシャル成長装置は一枚ずつ処理をする、市販の所謂枚葉式の装置を使用した。エピタキシャル基盤はP+で裏面に酸化膜がコートしてある。およその狙いのエピ膜は成長速度4μm/min、厚さは6μmとし、成長時間を90秒とした。各実施例においてTCS/H2混合ガスの流量を設定するマスフローコントローラ、メイン水素ガス用のマスフローコントローラの測定値は統一した。
一方本発明装置の条件は全圧0.109±0.0005Mpa(G)、凝縮温度15.0±0.1℃、蒸発器内TCS液温度40±0.5℃であり発生させたTCS/H2混合ガスの濃度はおよそ25%であった。本発明装置から複数のエピタキシャル成長装置に送られるTCS/H2混合ガスの流量は、テストの間15リットル/minから110リットル/minまで変動した。テストは25枚連続成長させた際のバッチ間変動量で評価した。その結果25枚のウェーハの中心部のエピ膜の厚さは6.38±0.03μmであった。当該テスト用エピ装置以外の稼動量が増えたときに対応し成長速度の降下が若干みられた。
【発明の効果】
【0026】
・蒸留式であり、且つ残査を定期的に系外へ排出することでトリクロロシランを純化でき、従って汚染の少ないエピタキシャルウェーハを得ることが可能である。
・消費量の変動によらず、温度圧力を一定に制御することができるため、均一な厚み・比抵抗のエピタキシャルウェーハを得ることが可能である。
・コスト的に大規模工場に適する。(EP炉増設時の継続投資が安価で、大量のガス供給が可能である)
・処理能力増強が安価である(多段式凝縮器とすることができる)。
・仕切弁により第1種圧力容器(開放検査要)となるのは蒸発器のみである。
・不活性液体使用による熱媒体リーク安全対策が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の代表的一例を示す模式図
【図2】本発明によりTCS気化供給装置の好適な運転条件を示す区域を示したテーブル
【符号の説明】
【0028】
1 蒸発器
2 凝縮塔
3 仕切りバルブ
4 蒸発器循環熱媒体熱交換器
5 凝縮塔循環熱媒体熱交換器
6 トリクロロ供給口
7 キャリア水素ガス供給口
8 トリクロロシランガス供給口管路
9 熱媒体循環管路
TI 温度センサー
Claims (4)
- 液体トリクロロシランを蒸発させるための蒸発器と、
前記蒸発器の真上に配置され、仕切弁を備えた連結部を介して前記蒸発器に連結された凝縮器と、
設定圧力と装置内圧力を同じにするための調節計と減圧器と
を備え、
該減圧器が調節系の指示により電気的に調圧動作し、
前記凝縮器が、過飽和分のトリクロロシランをほぼ全量凝縮するのに十分な熱交換面積を有し、
仕切弁を開弁させた状態で、前記蒸発器が、シリコンエピタキシャル成長装置において必要とされる量よりも過剰な量のトリクロロシランを蒸発させて、蒸発したトリクロロシランを前記連結部を通して凝縮器へ送り、
前記凝縮器が、過飽和分のトリクロロシランをほぼ全量凝縮し、凝縮したトリクロロシランを前記連結部を通して重力で蒸発器に戻すようにした
ことを特徴とする連続蒸留式トリクロロシランガス気化供給装置。 - 蒸発器の加熱手段及び凝縮器の冷却手段が不活性液体を媒介することでなる
ことを特徴とする請求項1に記載の連続蒸留式トリクロロシランガス気化供給装置。 - 凝縮器が2個以上の複数からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の連続蒸留式トリクロロシランガス気化供給装置。 - 2個の凝縮器の間に温度センサーを配した
ことを特徴とする請求項3に記載の連続蒸留式トリクロロシランガス気化供給装置。
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