JP4542643B2 - ガス供給装置およびガス供給方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスの供給装置および供給方法に関し、特に半導体エピタキシャルシリコンウェーハ製造用ガスの供給装置および供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体生産工場等においては、キャリアガスと成分ガスからなる種々の混合ガスが大量に用いられており、混合ガスを供給するための装置および方法が数多く知られている。特に半導体エピタキシャルシリコンウェーハ製造用ガスの供給方法としては、タンク内の塩化シランソース液体に水素をバブリングさせることで、水素ガス(キャリアガス)と塩化シランガス(成分ガス)の混合ガスを得るバブラー式供給方法が知られている。しかしながら、この方法では、塩化シランソース液体の気化熱により前記タンクが冷却されることで、混合ガスの濃度が連続的に低下し続ける傾向にあり、水素ガスと塩化シランガスの濃度を一定にするのが困難であるという問題があった。
【0003】
また、別の半導体エピタキシャルシリコンウェーハ製造用ガスの供給方法としては、シランソース液体と水素を蒸発器に導入し、蒸発器に導入した塩化シランソース液体を全量気化させることで、水素とシランの混合ガスを得るベーキング式供給方法も知られている。しかしながら、この方法では、蒸発器の熱容量と外気温、さらには導入する塩化シランソースの流量の不安定さに起因し、発生する混合ガスの濃度が変動するという問題があった。
【0004】
また、前記のガス供給手段1台に多数の半導体シリコンウェーハ製造装置を接続すると、半導体シリコンウェーハ製造装置(ガス使用装置)の任意の稼働・停止によって著しい混合ガスの流量変化が起こり、混合ガスを一定濃度の状態で安定して供給できなかった。そのため、一般に、前記バブラー式供給方法および前記ベーキング式供給方法のいずれの方法においても、ガス供給手段が、1台の半導体シリコンウェーハ製造装置につき1台ずつ設置されなければならず、装置として無駄が多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、常に一定濃度の混合ガスを供給できるガス供給装置およびガス供給方法を提供することを目的とし、特に、大きなガスの流量変化が起こっても、常に一定濃度の混合ガスを供給できるガス供給装置およびガス供給方法を提供する。混合ガスが、水素ガスと塩化シランガスの混合ガスである場合には、常に一定の塩化シランガス濃度の半導体エピタキシャルシリコンウェーハ製造用ガスを供給できるガス供給装置およびガス供給方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガス供給装置は、キャリアガスと成分ガスとから成る混合ガス中における前記成分ガスの濃度を一定に制御して供給するためのガス供給装置であって、熱交換作用を利用して前記混合ガスの温度を冷媒によって設定温度まで冷却し、前記設定温度における前記成分ガスの過飽和分を凝縮分離する凝縮機構と、凝縮機構に前記混合ガスを一定圧で送る定圧送気機構と、前記凝縮機構のガス入口側からガス出口側に向かって、前記冷媒の温度を低下させる温度低下手段と、を含み、前記凝縮機構は、予めガス入口側に熱交換領域となる部分と、ガス出口側にガス温度安定化領域となる部分とが生じるように構造設定され、この予定された熱交換領域となる部分とガス温度安定化領域となる部分との境界部位に前記混合ガスの温度を直接検出する温度センサーが設置されていることを特徴とし(請求項1)、これによって前記目的を達成することができる。
【0007】
また、本発明に係る前記ガス供給装置において、
・温度が予め制御された前記冷媒の前記凝縮機構への供給位置は前記凝縮機構の前記ガス出口側であること(請求項2)
・前記温度低下手段は、前記凝縮機構の前記ガス出口側に冷媒供給側が接続され、前記ガス入口側に冷媒排出側が接続されたこと(請求項3)、
・前記冷媒の温度を直接検出する温度センサーが冷媒供給側に設けられ、該温度センサーに基づく信号により、前記凝縮機構に導入される前記冷媒の温度をほぼ一定に制御して、前記混合ガスの温度を調節するように構成されたこと(請求項4)、
・前記混合ガスの温度を直接検出する前記温度センサーを、前記凝縮機構のガス出口より若干上流側で、前記熱交換領域となる部分とガス温度安定化領域となる部分との境界部位に設け、該温度センサーに基づく信号により、前記混合ガスの温度に対して前記冷媒の流量を制御するように構成されたこと(請求項5、請求項6)、
を特徴とする。
【0008】
本発明に係るガス供給方法は、キャリアガスと成分ガスとから成る混合ガス中における前記成分ガスの濃度を一定に制御して供給するためのガス供給方法であって、
前記供給の際に要求される設定温度において前記成分ガスが少なくとも過飽和状態となるよう調製された前記混合ガスを一定圧に維持して、ガス入口側からガス出口側に向かって設定温度になるよう冷媒温度を低下させた熱交換作用を有する凝縮機構を通過させることで前記設定温度にまで冷却するとともに、前記凝縮機構内を通過中の混合ガスにおける前記ガス入口側から前記ガス出口側方向の温度勾配が実質的に無くなる領域を、前記凝縮機構の前記ガス出口側に確保し、かつ前記温度勾配が実質的に無くなる領域に近隣して該領域の上流側で混合ガスの温度を検出してこの検出温度信号により冷媒の流量を制御し、前記設定温度における過飽和分の成分ガスを凝縮分離することにより、前記混合ガス中における前記成分ガスの濃度が一定に制御された混合ガスを供給することを特徴とし(請求項7)、これによって前記目的を達成することができる。
【0009】
また、本発明に係る前記ガス供給方法において、
・前記キャリアガスを水素ガスとし、前記成分ガスをトリクロロシランガスまたはテトラクロロシランガスとすること(請求項8)、
・温度が予め制御された前記冷媒を前記凝縮機構の前記ガス出口側へ供給すること(請求項9)、
・温度が予め制御された前記冷媒を前記凝縮機構の前記ガス出口側へ供給し、前記冷媒を前記凝縮機構の前記ガス入口側から排出させること(請求項10)、
・前記冷媒供給側の温度を検出し、検出した信号を冷媒の温度制御系に送信することにより、前記凝縮機構に導入される前記冷媒の温度をほぼ一定に制御すること(請求項11)、
を特徴とする。
【0010】
(作用)
本発明は、「圧力一定且つ温度一定のもとでの飽和蒸気圧は一定であり、従って混合ガスの濃度も一定」であることを利用したものである。
即ち本発明に係るガス供給装置によれば、キャリアガスと成分ガスとから成る混合ガス中における成分ガスの濃度を一定に制御して供給するためのガス供給装置であって、熱交換作用を利用して混合ガスの温度を冷媒によって設定温度まで冷却し、設定温度における成分ガスの過飽和成分を凝縮分離する凝縮機構と、凝縮機構のガス入口側からガス出口側に向かって、冷媒温度を低下させる温度低下手段と、を含んで成ることにより、
設定温度において成分ガスが少なくとも過飽和状態となるように調製された混合ガスを前記凝縮機構に導入すれば、混合ガスの温度が設定温度に冷却されるまで、成分ガスの過飽和成分は凝縮機構内に凝縮し続け、成分ガスは飽和蒸気即ち一定分圧をとる。
また、上記「温度一定」の措置と並行して、凝縮機構に混合ガスを一定圧で送るために、凝縮機構上流域に設置する保圧弁、或いはキャリアガス用の減圧弁などの定圧送気機構により、「圧力一定」の措置を講じることで、例えユースポイント(シリコンエピタキシャル成長装置)での混合ガスの消費に変動があっても、常に一定の成分ガス濃度の混合ガスを供給できる。(請求項1)
【0011】
本発明に係るガス供給装置において、温度が予め制御された冷媒の凝縮機構への供給位置が凝縮機構のガス出口側であることにより、所望の温度に調整された冷媒をガス温度制御の最終位置に供給できるので、混合ガスが凝縮機構から排出されるときの温度を高い精度で調整でき、混合ガスの成分ガス濃度を高い精度で制御できる。(請求項2)
【0012】
本発明に係るガス供給装置において、温度低下手段は、凝縮機構のガス出口側に冷媒供給側が接続されたことにより、所望の温度に調整された冷媒をガス温度制御の最終位置に供給できるので、混合ガスが凝縮機構から排出されるときの温度を高い精度で調整でき、混合ガスの成分ガス濃度を高い精度で制御できる。さらにガス入口側に冷媒排出側が接続されたことにより、冷媒循環系を一つにできるなど、温度低下手段を簡単に構築できるので、冷媒の制御をより単純に行うことができる。(請求項3)
【0013】
本発明に係るガス供給装置において、冷媒の温度を直接検出する温度センサーが冷媒供給側に設けられ、この温度センサーに基づく信号により、凝縮機構に導入される冷媒の温度をほぼ一定に制御するように構成されたので、温度制御系を通過した後の、かつ混合ガスの温度の影響を受ける前の冷媒の温度を検出できる。そのため、この温度センサーに基づく信号により、凝縮機構に導入される冷媒の温度を迅速に制御でき、混合ガスの温度を正確に調節できるので、混合ガスの成分ガス濃度を正確に制御できる。(請求項4)
【0014】
本発明に係るガス供給装置において、前記混合ガスの温度を直接検出する前記温度センサーを、前記凝縮機構のガス出口より若干上流側で、前記熱交換領域となる部分とガス温度安定化領域となる部分との境界部位に設けているので、混合ガスが凝縮機構から排出される前の温度を検知できる。そのため、この温度センサーに基づく信号により、凝縮機構から排出される混合ガスの温度を早めに調整することができる。また、混合ガスの温度に対して冷媒の流量を制御するように構成されたことにより、冷媒の温度を変更することなく冷却能力を変更でき、混合ガスの温度を高精度で制御できるので、混合ガスの成分ガス濃度を高精度に制御できる。(請求項5)
【0015】
本発明に係るガス供給方法によれば、キャリアガスと成分ガスとから成る混合ガス中における成分ガスの濃度を一定に制御して供給するためのガス供給方法であって、
前記供給の際に要求される設定温度において成分ガスが少なくとも過飽和状態となるよう調製された混合ガスを、ガス入口側からガス出口側に向かって設定温度になるよう冷媒温度を低下させた熱交換作用を有する凝縮機構を通過させることで設定温度にまで冷却するとともに、前記凝縮機構内を通過中の混合ガスにおける前記ガス入口側から前記ガス出口側方向の温度勾配が実質的に無くなる領域を、前記凝縮機構の前記ガス出口側に確保し、かつ前記温度勾配が実質的に無くなる領域に近隣して該領域の上流側で混合ガスの温度を検出してこの検出温度信号により冷媒の流量を制御し、前記設定温度における過飽和成分の成分ガスを凝縮分離することにより、混合ガスの温度が設定温度に冷却されるまで、成分ガスの過飽和成分は凝縮機構内に凝縮し続け、成分ガスは飽和蒸気即ち一定分圧をとる。
また、上記「温度一定」の措置と並行して、凝縮機構に混合ガスを一定圧で送るために、凝縮機構上流域に設置する保圧弁、或いはキャリアガス用の減圧弁などの定圧送気機構により、「圧力一定」の措置を講じることで、例えユースポイント(シリコンエピタキシャル成長装置)での混合ガスの消費に変動があっても、常に一定の成分ガス濃度の混合ガスを供給できる。(請求項7)
【0016】
本発明に係るガス供給方法において、前記キャリアガスを水素ガスとし、前記成分ガスをトリクロロシランガスまたはテトラクロロシランガスとすることにより、混合ガスの温度が設定温度に冷却されるまで、トリクロロシランガスまたはテトラクロロシランガスの過飽和成分は凝縮機構内に凝縮するので、常に一定の塩化シランガス濃度の半導体エピタキシャルシリコンウェーハ製造用ガスを供給できる。(請求項8)
【0017】
本発明に係るガス供給方法において、凝縮機構内を通過中の混合ガスにおけるガス入口側からガス出口側方向の温度勾配が実質的に無くなる領域(ガス温度安定化領域)を、凝縮機構のガス出口側に確保することにより、混合ガスの大きな流量変化が起こっても、このガス温度安定化領域の長さが短くなるなどして、その変動を許容し、混合ガスを設定温度まで冷却することができるので、常に一定の成分ガス濃度を有する混合ガスを供給できる。また、キャリアガスを水素ガスとし、成分ガスをトリクロロシランガスまたはテトラクロロシランガスとする場合には、混合ガスの大きな流量変化によらず、常に一定の塩化シランガス濃度の半導体エピタキシャルシリコンウェーハ製造用ガスを供給できる。
【0018】
本発明に係るガス供給方法において、温度が予め制御された前記冷媒を前記凝縮機構の前記ガス出口側へ供給することにより、温度制御済みの冷媒によってガス温度制御の最終位置にて極めて正確な温度制御ができるので、混合ガスが凝縮機構を出るときの温度を高い精度で調整でき、混合ガスの成分ガス濃度を高い精度で制御できる。(請求項9)
【0019】
本発明に係るガス供給方法において、温度が予め制御された冷媒を凝縮機構のガス出口側へ供給することにより、所望の温度に調整された冷媒をガス温度制御の最終位置に供給できるので、混合ガスが凝縮機構から排出されるときの温度を高い精度で調整でき、混合ガスの成分ガス濃度を高い精度で制御できる。さらに、冷媒をガス入口側から排出させることにより、例えば、複数の冷媒循環系を凝縮機構のガス流路に沿って直列になるように設置し、各冷媒循環系の設定温度をガス入口側からガス出口側へ向かって冷媒循環系の配列順に低くした場合と比較して、冷媒循環系を一つにできるなど、冷媒の凝縮機構中の流路を一本にできるので、冷媒の制御をより単純に行うことができる。(請求項10)
【0020】
本発明に係るガス供給方法において、冷媒の凝縮機構への供給側の温度を検出することにより、温度制御系を通過した後の、かつ混合ガスの温度の影響を受ける前の冷媒の温度を検出できる。そのため、この信号により、凝縮機構に導入される冷媒の温度を迅速に制御でき、混合ガスの温度を迅速に調節できるので、混合ガスの成分ガス濃度を正確に制御できる。(請求項11)
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴とするところの範囲内で適宜変更することができるものである。
図1は本発明の実施の形態に係るガス供給装置の概念図、図2は本発明の実施の形態に係るガス供給装置に用いられる凝縮機構の概略を示す斜視図、図3は本発明の実施の形態に係るガス供給装置に用いられる凝縮機構内のガス温度分布の模式グラフ、図4は本発明の別の実施の形態に係るガス供給装置に用いられる凝縮機構の概略を示す斜視図である。
【0023】
図1において、本発明の実施の形態に係るガス供給装置100は、ガス導通管2と冷媒導通管3とを有する凝縮機構1を有し、ガス導通管2と冷媒導通管3は、熱交換作用を有するように互いに接しており、例えば図2の斜視図に示すように、凝縮機構1はガス導通管2とそれを囲むジャケット型の冷媒導通管3を有している。
冷媒導通管3のガス出口10側には冷媒供給配管4(冷媒供給側)が接続され、冷媒導通管3のガス入口9側には冷媒排出配管5(冷媒排出側)がそれぞれ接続されている。冷媒供給配管4と冷媒排出配管5は、ポンプ6および熱交換器7を介して接続されている。すなわち、冷媒供給配管4−冷媒導通管3−冷媒排出配管5−熱交換器7−ポンプ6−冷媒供給配管4という循環系を有する温度低下手段が構成されている。
【0024】
この循環系に冷媒を封入し、ポンプ6により、矢印13の方向に冷媒を循環させ、この状態で、凝縮機構1のガス導通管2に成分ガスが少なくとも過飽和状態となるように調製されたキャリアガスと成分ガスとから成り、混合ガス8を凝縮機構1に通過させる。冷媒導通管3を循環する冷媒の温度が凝縮機構1のガス入口9側からガス出口10側へ向かって低くなるようにするために、混合ガス8との熱交換により高温となった冷媒排出配管5内の冷媒を、熱交換器7により冷却する。例えば熱交換器7に接続された冷却器12を用いて混合ガス8を冷却し、凝縮機構1に導入される冷媒の温度(冷媒供給配管4内の冷媒の温度)を所望の温度に設定する。その結果、混合ガス8の温度が設定温度に冷却されるまで、成分ガスの過飽和成分は凝縮機構1内に凝縮し続け、成分ガスは飽和蒸気即ち一定分圧をとる。
また、上記「温度一定」の措置と並行して、凝縮機構に混合ガスを一定圧で送るために、凝縮機構上流域に設置する図示しない保圧弁、或いはキャリアガス用の図示しない減圧弁などの定圧送気機構16により、「圧力一定」の措置が講じられているため、例えユースポイント(シリコンエピタキシャル成長装置)での混合ガスの消費に変動があっても、常に一定の成分ガス濃度の混合ガスを供給できる。
【0025】
なお、本実施形態において温度低下手段は、図1に示すように、混合ガス8が連続的にガス導通管2を通過し、混合ガスと冷媒とが熱交換をすることにより形成されるが、凝縮機構1内を循環する冷媒の温度がガス入口9側からガス出口10側へ向かって低くなるように構成されるならば、図1のような冷媒循環系が1つである場合に限らない。例えば、複数の冷媒循環系を凝縮機構のガス流路方向に沿って直列になるように設置し、各冷媒循環系の設定温度がガス入口9側からガス出口10側へ向かって、冷媒循環系の配列順に低くなるような構成としても良い。
【0026】
温度が予め制御された冷媒の凝縮機構1への供給位置は、ガス出口10側であるのが好ましく、これにより所望の温度に調整された冷媒をガス温度制御の最終位置に供給できるので、混合ガス8が凝縮機構1から排出されるときの温度を高い精度で調整することができる。
【0027】
また、図1に示すように、温度低下手段は、凝縮機構のガス出口10側に冷媒供給配管4(冷媒供給側)が接続されるだけでなく、ガス入口9側に冷媒排出配管5(冷媒排出側)が接続されるのが好ましく、これにより冷媒循環系を一つにでき、冷媒の制御をより単純に行うことができる。
【0028】
また、凝縮機構1内を通過中の混合ガス8におけるガス入口9側からガス出口10側方向の温度勾配が実質的に無くなる領域(ガス温度安定化領域)を、凝縮機構のガス出口10側に確保するように設定する。このことにより、混合ガス8の大きな流量変化が起こっても、混合ガス8の温度はガス出口10において、一定となるので、混合ガスの成分ガス濃度を一定にできる。すなわち、図3の実線グラフに示すように、凝縮機構内を通過中の混合ガスの温度分布が、熱交換領域(混合ガスと冷媒とが熱交換をする領域)のみならず、ガス温度安定化領域(混合ガスの温度と冷媒の温度がほぼ同じで、熱交換が行われない領域)を常に持ち、ガスの流量が急激に増えた場合においても(破線グラフ)、依然として安定領域が存在するように、凝縮機構を構成すればよい。このような構成は、導入する混合ガスの最大流量時においても、ガス温度安定化領域が存在するように、凝縮機構の大きさ、または冷媒の流量などの冷却能力を大きめに設定することで達成される。
【0029】
さらに図1に示すように、冷媒の温度を直接検出する温度センサーT2を冷媒供給配管4(冷媒供給側)に設けることにより、熱交換器7を通過した後でかつガスの温度の影響を受ける前の冷媒の温度を検出することができる。そして、この検出信号を冷媒の温度調節計P2に送信し、温度調節計P2に接続された加熱器11および冷却器12を稼働させることで、凝縮機構1に導入される冷媒の温度を迅速に制御することができる。
なお、本実施形態における冷媒の温度制御系は、熱交換器7、制御温度を上げる場合に用いる加熱器11、冷却器12および温度調節計P2である。
【0030】
また、混合ガス8の温度を直接検出する温度センサーT1が、凝縮機構1のガス出口10より若干上流側に設けられている。このことにより、混合ガス8が凝縮機構1から排出される前の温度を検知することができる。そのため、例えば温度センサーT1を、図3に示すように、混合ガス8の流量変化により混合ガス8の温度が変動する位置Aに設置すれば、早めに混合ガス8の温度を調整することができる。
この温度センサーT1は、冷媒の温度調節計P1に接続されており、この温度調節計P1は、ポンプ6に併設の周波数変換機(インバータ)15に接続されている。周波数を変更することにより、ポンプ6による冷媒の吐出量(冷媒の流量)を変化させることができるため、冷媒の温度を変更することなく、混合ガス8の温度を高精度で制御することができる。また、冷媒の吐出量(冷媒の流量)を制御することにより、凝縮機構の冷却能力を調整することができる。例えば混合ガス8の流量が増大し、位置Aにおける混合ガス8の温度が上昇する場合は、温度変化の信号が温度調節計P1に送信されることで、周波数が変化し、ポンプの吐出量が増大され、冷却能力が向上する。
なお、本実施形態における冷媒の流量制御系は、温度調節計P1、ポンプ6および周波数変換機15である。
【0031】
また、本実施形態における混合ガスとしては、シリコンエピタキシャル膜等の半導体シリコンウェーハを製造するための混合ガスとして、水素ガス(キャリアガス)とトリクロロシランガス(成分ガス)からなる混合ガス、または水素ガス(キャリアガス)とテトラクロロシランガス(成分ガス)からなる混合ガスを用いることができる。この場合には、トリクロロシランガスまたはテトラクロロシランガスの過飽和成分は凝縮機構内に凝縮するので、常に一定の塩化シランガス濃度の半導体エピタキシャルシリコンウェーハ製造用ガスを供給することができる。
【0032】
本発明の実施の形態に係るガス供給装置およびガス供給方法に使用できるガスは、上述した水素ガスと塩化シランガスの混合ガスのみならず、種々のものを制限なく使用できる。
【0033】
なお、説明の便宜上、凝縮機構を図2に示すような簡単な構成としたが、冷却効率を高めるために、図4に示すような、多数のガス導通管20と冷媒導通管30を有する凝縮機構41を用いることができる。本発明において、凝縮機構は、具体例として挙げた塔状のものに限定されず、成分ガスの過飽和成分を凝縮機構内に凝縮させ、常に一定の成分ガス濃度の混合ガスを供給できるものであれば、どのような形状のものも使用できる。
【0034】
また、例えば本発明に係るガス供給装置と半導体シリコンウェーハ製造装置等のガス使用装置とを結ぶ配管がある場合は、この配管内において混合ガスが外気との熱交換により冷却され、成分ガスが再凝縮するのを防ぐために、必要に応じて適宜この配管を加温することが好ましい。このように本発明に係るガス供給装置から排出された混合ガスは、排出時に混合ガス中の成分ガスの濃度が一定となっているので、ガス供給装置排出後の混合ガスの温度を上げても、成分ガスの濃度を変えることはない。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
まず、実施例1、2および3に共通するガス供給装置の操作条件について説明する。
実施例1、2および3に使用した凝縮機構部分は、図4に示すように、多数のガス導通管20が設けられており、ガス導通管の周りが冷媒導通管30となっている。また、凝縮機構の長さを3200mmとした。図1に示すように、凝縮機構1のガス出口10より300mm下方地点に混合ガスの温度を測定するための温度センサーT1を配置し、冷媒供給側(冷媒供給配管4内)には冷媒の温度を測定するための温度センサーT2および凝縮機構1のガス出口10にガス排出温度を測定するための温度センサーT3を配置した。また冷媒の管路には吐出量(冷媒の流量)を変化させることが可能なポンプ6(マグネットポンプ)、および冷媒の温度を調整するための熱交換器7を配置した。
【0036】
冷媒の温度調節には、加熱器11と冷却器12がそれぞれ接続された、「加熱」と「冷却」の2出力タイプの温度調節計P2を使用し、この温度調節計P2には、凝縮機構1に導入される冷媒の設定温度を予め入力した。これにより、温度センサーT1またはT2により検知された冷媒の温度が実温度として温度調節計P2に伝送され、温度調節計P2は、設定温度と実温度を比較することで、実温度が設定温度よりも低くなった場合は加熱器11に対し、またトリクロロシランと水素ガス(TCS/H2)混合ガスの流量の増大により実温度が設定温度よりも高くなった場合は冷却器12に対し、それぞれの温度偏差に見合った割合の制御信号を送信する。
【0037】
また、冷媒の流量調整には、ポンプ6に併設の周波数変換機15が接続された温度調節計P1を使用し、この温度調節計P1には、凝縮機構1に導入される冷媒の設定温度を予め入力した。これにより、温度センサーT1またはT2により検知された冷媒の温度が実温度として温度調節計P1に伝送され、温度調節計P1は設定温度と実温度を比較することで、実温度が設定温度よりも低くなった場合、およびTCS/H2混合ガスの流量の増大により実温度が設定温度よりも高くなった場合のそれぞれの温度偏差に見合った割合の制御信号を周波数変換機15に送信する。
なお、これらの制御信号は、設定温度と実温度の偏差が常にできる限り短時間で0となるようにPID演算されている。
【0038】
以上の構成を有するガス供給装置の冷媒導通管3に冷媒(15℃)をポンプ6により循環させ、凝縮機構1のガス導通管20に、より高い温度(40℃)で蒸発してきたTCS/H2混合ガス(トリクロロシラン42%、水素ガス58%)を通過させた。なお、ガス導通管20に導入されるTCS/H2混合ガスは、定圧送気機構16である保圧弁により、0.15MPa(ゲージ圧)に保たれている。
【0039】
凝縮機構1のガス出口10から先には複数台のシリコンエピタキシャル成長装置(エピタキシャル成長装置という)が接続されており、エピタキシャル成長装置を任意に稼働させた。このうちの1台のエピタキシャル成長装置をテストに供した。テスト用エピタキシャル成長装置は一枚ずつ処理をする、市販の所謂枚葉式の装置を使用した。シリコンエピタキシャル基盤はP+で裏面に酸化膜がコートしてある。シリコンエピタキシャル膜の所望の厚さを6μm(成長速度4μm/min、成長時間を90秒)とした。
なお、実施例1、2および3において凝縮機構に導入される水素ガスとトリクロロシランガスの混合ガスの流量を設定するマスフローコントローラおよびメイン水素ガス用のマスフローコントローラの設定値は統一している。
【0040】
(実施例1)
実施例1においては、混合ガスの温度を測定するための温度センサーT1を温度調節計P1に接続し、冷媒の温度を測定するための温度センサーT2を温度調節計P2に接続した。温度調節計P1には設定温度として15℃を入力し、温度調節計P2には設定温度として14.8℃を入力した。その結果、温度センサーT3による混合ガスの温度は15±0.1℃で制御することができた。一方本件装置の全圧は0.149±0.0005Mpa(ゲージ圧)で推移し、装置から排出されるTCS/H2混合ガスの濃度はおよそ21%であった。本実施例の装置から複数のエピタキシャル成長装置に送られるTCS/H2混合ガスの流量は、テストの間15リットル/minから220リットル/minまで変動した。テストは25枚連続成長させた際のバッチ間変動量で評価した。その結果25枚のシリコンエピタキシャル膜の中心部の厚さは6.00±0.01μmであった。一連のテストの間で最も安定した条件のひとつであった。
【0041】
(実施例2)
実施例2においては、混合ガスの温度を測定するための温度センサーT1を温度調節計P1に接続したが、周波数変換器15への制御信号は外し、TCS/H2混合ガスの温度をモニターする目的だけに供した。冷媒の温度を測定するための温度センサーT2を温度調節計P2に接続した。温度調節計P2には設定温度として14.8℃を入力した。その結果、マグネットポンプは商用60Hzで運転され、温度センサーT3による混合ガスの温度は15±0.1℃で制御することができた。一方本件装置の全圧は0.149±0.0005Mpa(ゲージ圧)で推移し、装置から排出されるTCS/H2混合ガスの濃度はおよそ21%であった。本件装置から複数のエピタキシャル成長装置に送られるTCS/H2混合ガスの流量は、テストの間15リットル/minから195リットル/minまで変動した。テストは25枚連続成長させた際のバッチ間変動量で評価した。その結果25枚のシリコンエピタキシャル膜の中心部の厚さは6.00±0.01μmであった。一連のテストの間で最も安定した条件のひとつであった。
【0042】
(実施例3)
実施例3においては、混合ガスの温度を測定するための温度センサーT1を温度調節計P2に接続し、冷媒の温度を測定するための温度センサーT2を温度調節計P1に接続したが、周波数変換機5への制御信号は外し、冷媒の温度をモニターする目的だけに供した。温度調節計P2には設定温度として15.0℃を入力した。結果、マグネットポンプは商用60Hzで運転された。温度センサーT3による混合ガスの温度は13.4℃〜16.7℃の範囲となった。一方、本実施例の装置の全圧は0.149±0.0005Mpa(ゲージ圧)で推移し、装置から排出されるTCS/H2混合ガスの濃度はおよそ18.9〜23.3%であった。本件装置から複数のエピタキシャル成長装置に送られるTCS/H2混合ガスの流量は、テストの間15リットル/minから200リットル/minの範囲となった。テストは25枚連続成長させた際のバッチ間変動量で評価した。その結果25枚のシリコンエピタキシャル膜の中心部の厚さは6.07±0.22μmであった。
【0043】
以上の結果より、実施例1および2おいては、温度および濃度がより安定したTCS/H2混合ガスを得ることができ、所望かつ安定した厚さを有するエピタキシャルウェーハを製造することができた。なお実施例1および実施例2の結果より、本実施例のガス供給装置は、本実施例の条件下において、周波数変換機15を用いなくても、混合ガスの変動に対して、十分な冷却能力があったと考えられる。また、実施例3においては、実施例1および2ほどではないが、ある程度の温度制御ができた。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るガス供給装置によれば、キャリアガスと成分ガスとから成る混合ガス中における成分ガスの濃度を一定に制御して供給するためのガス供給装置であって、
熱交換作用を利用して混合ガスの温度を冷媒によって設定温度まで冷却し、設定温度における成分ガスの過飽和成分を凝縮分離する凝縮機構と、
凝縮機構に前記混合ガスを一定圧で送る定圧送気機構と、
凝縮機構のガス入口側からガス出口側に向かって、冷媒温度を低下させる温度低下手段と、
を含んで成ることにより、混合ガスの温度が設定温度に冷却されるまで、成分ガスの過飽和成分は凝縮機構内に凝縮し続けるので、常に一定の成分ガス濃度の混合ガスを供給できるガス供給装置を提供できる。また、凝縮機構内を通過中の混合ガスにおけるガス入口側からガス出口側方向の温度勾配が実質的に無くなる領域(ガス温度安定化領域)を、凝縮機構のガス出口側に確保することにより、混合ガスの大きな流量変化が起こっても、その変動を許容し、常に一定の成分ガス濃度を有する混合ガスを供給できる。また、キャリアガスを水素ガスとし、成分ガスをトリクロロシランガスまたはテトラクロロシランガスとする場合には、混合ガスの大きな流量変化によらず、常に一定の塩化シランガス濃度の半導体エピタキシャルシリコンウェーハ製造用ガスを供給できる供給方法を提供できる。(請求項1)
【0045】
本発明に係るガス供給装置において、温度が予め制御された冷媒の凝縮機構への供給位置は凝縮機構のガス出口側であることにより、所望の温度に調整された冷媒をガス温度制御の最終位置に供給できるので、混合ガスが凝縮機構から排出されるときの温度を高い精度で調整でき、混合ガスの成分ガス濃度を高い精度で制御できるガス供給装置を提供できる。(請求項2)
【0046】
本発明に係るガス供給装置において、温度低下手段は、凝縮機構のガス出口側に冷媒供給側が接続されたことにより、所望の温度に調整された冷媒をガス温度制御の最終位置に供給できるので、混合ガスが凝縮機構から排出されるときの温度を高い精度で調整でき、混合ガスの成分ガス濃度を高い精度で制御できるガス供給装置を提供できる。また、ガス入口側に冷媒排出側が接続されたことにより、冷媒循環系を一つにできるなど、温度低下手段を簡単に構築できるので、冷媒の制御をより単純に行うことができるガス供給装置を提供できる。
【0047】
本発明に係るガス供給装置において、冷媒の温度を直接検出する温度センサーが冷媒供給側に設けられ、この温度センサーに基づく信号により、凝縮機構に導入される冷媒の温度をほぼ一定に制御するように構成されたので、温度制御系を通過した後の、かつ混合ガスの温度の影響を受ける前の冷媒の温度を検出できる。そのため、この温度センサーに基づく信号により、凝縮機構に導入される冷媒の温度を迅速に制御でき、混合ガスの温度を正確に調節できるので、混合ガスの成分ガス濃度を正確に制御できるガス供給装置を提供できる。(請求項4)
【0048】
本発明に係るガス供給装置において、混合ガスの温度を直接検出する温度センサーを、凝縮機構のガス出口より若干上流側で、熱交換領域となる部分とガス温度安定化領域となる部分との境界部位に設けているので、混合ガスが凝縮機構から排出される前の温度を検知できる。そのため、この温度センサーに基づく信号により、凝縮機構から排出される混合ガスの温度を早めに調整することができる。また、混合ガスの温度に対して冷媒の流量を制御するように構成されたことにより、冷媒の温度を変更することなく冷却能力を変更でき、混合ガスの温度を高精度で制御できる。これにより、混合ガスの成分ガス濃度を高精度に制御できるガス供給装置を提供できる。(請求項5、請求項6)
【0049】
本発明に係るガス供給方法によれば、キャリアガスと成分ガスとから成る混合ガス中における成分ガスの濃度を一定に制御して供給するためのガス供給方法であって、
前記供給の際に要求される設定温度において前記成分ガスが少なくとも過飽和状態となるよう調製された前記混合ガスを一定圧に維持して、ガス入口側からガス出口側に向かって設定温度になるよう冷媒温度を低下させた熱交換作用を有する凝縮機構を通過させることで前記設定温度にまで冷却するとともに、前記凝縮機構内を通過中の混合ガスにおける前記ガス入口側から前記ガス出口側方向の温度勾配が実質的に無くなる領域を、前記凝縮機構の前記ガス出口側に確保し、かつ前記温度勾配が実質的に無くなる領域に近隣して該領域の上流側で混合ガスの温度を検出してこの検出温度信号により冷媒の流量を制御し、前記設定温度における過飽和分の成分ガスを凝縮分離する。このことにより、混合ガスの温度が設定温度に冷却されるまで、成分ガスの過飽和成分は凝縮機構内に凝縮し続け、成分ガスは飽和蒸気即ち一定分圧をとるので、常に一定の成分ガス濃度の混合ガスを供給できるガス供給方法を提供できる。(請求項7)
【0050】
本発明に係るガス供給方法において、前記キャリアガスを水素ガスとし、前記成分ガスをトリクロロシランガスまたはテトラクロロシランガスとすることにより、混合ガスの温度が設定温度に冷却されるまで、トリクロロシランガスまたはテトラクロロシランガスの過飽和成分は凝縮機構内に凝縮するので、常に一定の塩化シランガス濃度の半導体エピタキシャルシリコンウェーハ製造用ガスを供給できる供給方法を提供できる。(請求項8)
【0051】
【0052】
本発明に係るガス供給方法において、温度が予め制御された前記冷媒を前記凝縮機構の前記ガス出口側へ供給することにより、温度制御済みの冷媒によってガス温度制御の最終位置にて極めて正確な温度制御ができるので、混合ガスが凝縮機構を出るときの温度を高い精度で調整でき、混合ガスの成分ガス濃度を高い精度で制御できるガス供給方法を提供できる。(請求項9)
【0053】
本発明に係るガス供給方法において、温度が予め制御された冷媒を凝縮機構の前記ガス出口側へ供給することにより、所望の温度に調整された冷媒をガス温度制御の最終位置に供給できるので、混合ガスが凝縮機構から排出されるときの温度を高い精度で調整でき、混合ガスの成分ガス濃度を高い精度で制御できるガス供給方法を提供できる。さらに、冷媒をガス入口側から排出させることにより、冷媒循環系を一つにできるなど、冷媒の凝縮機構中の流路を一本にできるので、冷媒の制御をより単純に行うことができるガス供給方法を提供できる。(請求項10)
【0054】
本発明に係るガス供給方法において、冷媒の凝縮機構への供給側の温度を検出することにより、温度制御系を通過した後の、かつ混合ガスの温度の影響を受ける前の冷媒の温度を検出できる。そのため、この信号により、凝縮機構に導入される冷媒の温度を迅速に制御でき、混合ガスの温度を迅速に調節できるので、混合ガスの成分ガス濃度を正確に制御できるガス供給方法を提供できる。(請求項11)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るガス供給装置の概念図
【図2】 本発明の実施の形態に係るガス供給装置に用いられる凝縮機構の概略を示す斜視図
【図3】 本発明の実施の形態に係るガス供給装置に用いられる凝縮機構内のガス温度分布の模式グラフ
【図4】 本発明の実施の形態に係るガス供給装置に用いられる別の実施態様の凝縮機構の概略を示す斜視図
【符号の説明】
1 凝縮機構
2 ガス導通管
3 冷媒導通管
4 冷媒供給配管
5 冷媒排出配管
6 ポンプ
7 熱交換器
8 混合ガス
9 ガス入口
10 ガス出口
11 加熱器
12 冷却器
15 周波数変換機
16 定圧送気機構
T1,T2,T3 温度センサー
P1,P2 温度調節計
Claims (11)
- キャリアガスと成分ガスとから成る混合ガス中における前記成分ガスの濃度を一定に制御して供給するためのガス供給装置であって、
熱交換作用を利用して前記混合ガスの温度を冷媒によって設定温度まで冷却し、前記設定温度における前記成分ガスの過飽和分を凝縮分離する凝縮機構と、
凝縮機構に前記混合ガスを一定圧で送る定圧送気機構と、
前記凝縮機構のガス入口側からガス出口側に向かって、前記冷媒の温度を低下させる温度低下手段と、
を含み、
前記凝縮機構は、予めガス入口側に熱交換領域となる部分と、ガス出口側にガス温度安定化領域となる部分とが生じるように構造設定され、この予定された熱交換領域となる部分とガス温度安定化領域となる部分との境界部位に前記混合ガスの温度を直接検出する温度センサーが設置されていることを特徴とするガス供給装置。 - 温度が予め制御された前記冷媒の前記凝縮機構への供給位置は前記凝縮機構の前記ガス出口側であることを特徴とする請求項1記載のガス供給装置。
- 前記温度低下手段は、前記凝縮機構の前記ガス出口側に冷媒供給側が接続され、前記ガス入口側に冷媒排出側が接続されたことを特徴とする請求項1または2に記載のガス供給装置。
- 前記冷媒の温度を直接検出する温度センサーが冷媒供給側に設けられ、該温度センサーに基づく信号により、前記凝縮機構に導入される前記冷媒の温度をほぼ一定に制御して、前記混合ガスの温度を調節するように構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス供給装置。
- 前記混合ガスの温度を直接検出する前記温度センサーを、前記凝縮機構のガス出口より若干上流側で、前記熱交換領域となる部分とガス温度安定化領域となる部分との境界部位に設け、該温度センサーに基づく信号により、前記混合ガスの温度に対して前記冷媒の流量を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス供給装置。
- 前記凝縮機構に導入される前記冷媒を該凝縮機構と熱交換器との間で循環させるポンプと、
前記ホンプに併設され、かつ前記混合ガスの温度を直接検出する前記温度センサーの混合ガス温度検出信号を温度調節計を介して入力し、前記混合ガスの温度に応じて周波数を変更する周波数変換機と、を有し、
前記ポンプは、前記周波数変換機による周波数の変化で冷媒吐出量を変化させるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のガス供給装置。 - キャリアガスと成分ガスとから成る混合ガス中における前記成分ガスの濃度を一定に制御して供給するためのガス供給方法であって、
前記供給の際に要求される設定温度において前記成分ガスが少なくとも過飽和状態となるよう調製された前記混合ガスを一定圧に維持して、ガス入口側からガス出口側に向かって設定温度になるよう冷媒温度を低下させた熱交換作用を有する凝縮機構を通過させることで前記設定温度にまで冷却するとともに、前記凝縮機構内を通過中の混合ガスにおける前記ガス入口側から前記ガス出口側方向の温度勾配が実質的に無くなる領域を、前記凝縮機構の前記ガス出口側に確保し、かつ前記温度勾配が実質的に無くなる領域に近隣して該領域の上流側で混合ガスの温度を検出してこの検出温度信号により冷媒の流量を制御し、前記設定温度における過飽和分の成分ガスを凝縮分離することにより、前記混合ガス中における前記成分ガスの濃度が一定に制御された混合ガスを供給することを特徴とするガス供給方法。 - 前記キャリアガスを水素ガスとし、前記成分ガスをトリクロロシランガスまたはテトラクロロシランガスとすることを特徴とする請求項7に記載のガス供給方法。
- 温度が予め制御された前記冷媒を前記凝縮機構の前記ガス出口側へ供給することを特徴とする請求項7または8に記載のガス供給方法。
- 温度が予め制御された前記冷媒を前記凝縮機構の前記ガス出口側へ供給し、前記冷媒を前記凝縮機構の前記ガス入口側から排出させることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のガス供給方法。
- 前記冷媒供給側の温度を検出し、検出した信号を冷媒の温度制御系に送信することにより、前記凝縮機構に導入される前記冷媒の温度をほぼ一定に制御することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のガス供給方法。
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