JP4504305B2 - トランスファフィーダ装置の制御装置 - Google Patents
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Description
各搬送ビーム作動装置2a〜2dには、一対の搬送ビーム1a,1bをクランプ・アンクランプ方向に移動させるクランプ装置3a〜3d、リフト・ダウン方向に移動させる昇降装置4a〜4dがそれぞれ設けられている。
また、少なくとも搬送ビーム1a,1bにおける一方の端部を支持する搬送ビーム作動装置2(図9では、搬送ビーム作動装置2a,2b)には、搬送ビーム1a,1bをアドバンス・リターン方向に移動させるアドバンス装置5a,5bがそれぞれ設けられている。
各クランプ装置3a〜3d、各昇降装置4a〜4d、各アドバンス装置5a,5bには、サーボモータやリニアモータ、シリンダ等により駆動され、ボールネジ機構やリンク機構等を利用して搬送ビーム1a,1bを動作させる駆動部が設けられている。
(1)搬送ビーム1a,1bの固有振動は一次振動モードのみならず、二次、三次あるいはそれ以上の高次の振動モードを、クランプ方向、リフト方向それぞれに有し、各振動モードの振動減衰が小さい。
(2)被加工物Wをクランプしたときには、被加工物Wの質量により搬送ビーム1a,1bの振動特性が変化し、しかも、すべての爪6a,6b間に被加工物Wをクランプする場合ばかりではなく、歯抜けになったり、一対の搬送ビーム1a,1bにおける端部の爪6a,6b間にだけ被加工物Wをクランプしたりする場合もあるため、加工物の搬送状態により搬送ビーム1a,1bの振動特性が様々に変化する。さらに、爪6a,6bによって被加工物Wをクランプすると、一対の搬送ビーム1a,1bが被加工物Wを介して連結するので、片方の搬送ビームの振動が他方の搬送ビームに伝播し、一対の搬送ビーム1a,1b間で共振するので、搬送ビーム1a,1bの振動特性はより一層複雑に変化する。
(3)装置構成上、直交しているクランプ方向・リフト方向・アドバンス方向それぞれの振動状態が相互に干渉する。具体的には以下のごとき干渉が発生する。一対の搬送ビーム1a,1bをクランプ方向に急激に動作させると、クランプ方向に振動するばかりでなくリフト方向にも振動する。また、一対の搬送ビーム1a,1bをリフト方向に急激に動作させると、リフト方向に振動するばかりでなくクランプ方向にも振動する。一対の搬送ビーム1a,1bをアドバンス方向に急激に動作させると、クランプ方向にもリフト方向にも振動する。そして、搬送ビーム1a,1bがリフト方向に振動している間にアドバンス方向に移動させると、アドバンス方向の変位がリフト方向に振動周波数と同じ周波数で変動するなどの干渉が生じる。
(2)プレス加工はトランスファフィーダ装置のリターン動作中に行なわれるが、このときの衝撃で搬送ビーム1a,1bが振動する。搬送ビーム1a,1bの振動減衰時間が長いので、搬送動作が速くなると以前のプレス衝撃による残留振動が一対の搬送ビーム1a,1bを作動させたときに生じる振動に重畳し、搬送ビーム1a,1bの振動の程度が増大する。したがって振動が減衰するまで待って次の搬送動作を開始せねばならず、結果として搬送動作サイクルが低下する。
(3)装置構造上許容できる程度に、搬送ビーム1a,1bの固有振動現象が装置に与えるストレスを抑えるように搬送動作サイクルを低下させざるをえない。
つまり、従来例1では、制御対象の状態量をセンサにて検出し、最適制御に基づく状態フィードバックによるフィードバック操作量と、数理計画法により求まる、制御対象の固有振動を刺激しないように最短時間で移動するためのフィードフォワード操作量との和で、制御対象を動作させるものとなっているのである。
従来例3(特許文献3)には、モデル化誤差があっても、制御対象で発生する振動を十分に抑制できるようにする「軌道制御装置」が開示されている。従来例3に開示された制御装置は、制約条件に、制御対象に加えるべき操作量を、時間の多項式で記述するという条件を含めた上で、制御対象が、所定移動距離を所定時間で移動し停止位置に位置決めされるための操作量を、数理計画法を用いて求めるものである。
つまり、従来例2,3では、数理計画法により求まる、制御対象の固有振動を刺激しないように、さらに滑らかな軌道で移動するためのフィードフォワード操作量により制御対象を動作させているのである。
まず、従来例2,3の制御装置は、制御対象が動作することによる制御対象の振動を抑制することはできるが、制御対象の振動状態を検出する手段を有していないため、外部の要因による制御対象の振動を抑制することができない。前述したように、トランスファフィーダ装置はプレス作動時の衝撃により振動するが、従来例2,3の制御装置では、この振動を抑制することができない。
しかしながら、(i)状態フィードバックによる柔軟構造をとる装置のフィードバック制御は、制御対象の位相特性に非常に敏感で、記述される状態方程式が比較的正確に現実の装置位相特性に一致していなければ、制御対象の振動を抑制することが困難であり、また、(ii)実用上問題なく振動抑制のために状態フィードバックが利用できるのは、全ての状態量が正確に検出できるかあるいは位相遅れなく推定できる制御問題に限られるという知見を有している。
(1)搬送ビームは多くの振動モードを有するので、得られる状態方程式は非常に複雑になる上、搬送ビームの振動特性は被加工物のクランプ状態により様々に変化するので、制御対象の状態方程式を正確に記述することができない(上記(i)の問題)。
(2)搬送ビームの振動状態を検出するには、振動振幅の最も大きい位置に検出器を設置するのが最も効果的であるが、搬送ビームは一次、二次、三次あるいはそれ以上の高次の振動モードを有し、しかもクランプ方向、リフト方向それぞれに異なるので、搬送ビームの振動状態を検知するには、振動モードごとに非常に多数の検出器を必要とする。しかも、搬送ビームは、プレス加工物の輻射熱などにより雰囲気温度が高く、離型材や潤滑油など有害な液体に晒される環境にあるので、上記の多数の検出器すべてを健全に保つことは非常に多大な困難を要する(上記(ii)の問題)。
第2発明のトランスファフィーダの制御装置は、第1発明において、前記駆動部位置制御手段および前記駆動力変動抑制手段は、前記駆動部速度指令値信号から前記駆動部位置検出値信号までの伝達特性を表現する状態方程式と、前記搬送ビームの固有周波数と等しい周波数で振動する状態方程式と、モデル化誤差の影響により制御ループが不安定になるのを回避するための状態方程式とにより設定されるH∞制御問題の解として得られる伝達関数に基づいて、前記第1操作量信号および前記第2操作量信号駆動力指令値信号をそれぞれ演算するものである
ことを特徴とする。
本発明のトランスファフィーダ装置の制御装置は、鍛造プレスにおいて、金型への被加工物の搬入搬出や、金型間における被加工物の移動を行うトランスファフィーダ装置の作動を制御するものであり、トランスファフィーダ装置における搬送ビームの振動を、比較的簡単な構成で抑制することができ、かつ、フィードバック制御による制御を行いつつ高サイクルな搬送動作ができるようにしたことに特徴を有するものである。
図9に示すように、トランスファフィーダ装置は、一対の搬送ビーム1a,1bと、この一対の搬送ビーム1a,1bにおける両端をそれぞれ支持する搬送ビーム作動装置2a〜2dとを備えており、搬送ビーム1a,1bにおける互いに対向する複数の爪6a,6bによって被加工物Wを挟むことができるような構造となっている。
各搬送ビーム作動装置2a〜2dには、一対の搬送ビーム1a,1bをクランプ・アンクランプ方向に移動させるクランプ装置3a〜3d、リフト・ダウン方向に移動させる昇降装置4a〜4dがそれぞれ設けられており、少なくとも搬送ビーム1a,1bにおける一方の端部を支持する搬送ビーム作動装置2(図9では、搬送ビーム作動装置2a,2b)には、搬送ビーム1a,1bをアドバンス・リターン方向に移動させるアドバンス装置5a,5bがそれぞれ設けられている。
各クランプ装置3a〜3d、各昇降装置4a〜4d、各アドバンス装置5a,5bは、例えば、サーボモータやリニアモータ、シリンダ等により駆動され、ボールネジ機構やリンク機構等を利用して搬送ビーム1a,1bを動作させる駆動部が設けられており、各駆動部に接続された制御装置によってそれぞれ独立して制御されている。
このため、各搬送ビーム作動装置2a〜2dにおける各クランプ装置3a〜3d、各昇降装置4a〜4d、各アドバンス装置5a,5bの各駆動部を作動させれば、一対の搬送ビーム1a,1bに、クランプ、リフト、アドバンス、ダウン、アンクランプ、リターンという三次元動作を繰り返させることができるから、一対の搬送ビーム1a,1bによって、鍛造プレスの金型に被加工物Wを搬入し、金型間における被加工物Wの移動させ、成型された被加工物Wを搬出することができるのである。
図示しないが、各クランプ装置3a〜3d、各昇降装置4a〜4d、各アドバンス装置5a,5bの各駆動部には、それぞれ本発明の制御装置が接続されている。各制御装置は、各駆動部をそれぞれ独立して制御するものであり、各駆動部の制御装置について、それぞれ独立して以下の発明が成立するのである。
なお、以下の説明では、各クランプ装置3a〜3d、各昇降装置4a〜4d、各アドバンス装置5a,5bの各駆動部として、サーボモータとボールネジによる送り機構を使用した場合を代表として説明するが、リニアモータやシリンダ等を使用する場合にも同様に実現できるのは言うまでもない。
図2は、制御装置の制御対象の関係をブロック線図により表わした図である。
図2において、符号11は、駆動部のサーボモータ11を示している。図2に示すように、このサーボモータ11の出力軸には、その回転角を検出し、回転角検出値信号θを出力する回転角検出器12が接続されている。この回転角検出器12から出力された回転角検出値信号θは時間微分器13によって時間微分演算され、演算された回転速度検出値信号ωがサーボアンプ14に入力されるように構成されている。このサーボアンプ14は、回転速度検出値信号ω、および、本発明の制御装置から供給される操作量信号uが入力されており、内部に実現されている回転速度制御器によって、回転速度検出値信号ωが操作量信号uに一致するように、サーボモータ11の励磁コイルにモータ駆動電流iを発生させるものである。なお、操作量信号uは、サーボモータ11の出力軸の回転角速度を指示する信号である。
ここで、図3における各伝達関数と、図2に示した各要素の関係は、以下のようになる。サーボモータ11の伝達関数はモータ回転特性P、回転角検出器12の伝達関数と時間微分器13の伝達関数とを合わせた伝達関数は時間微分器s、サーボアンプ14の伝達関数は回転速度制御器Kv、装置負荷ELの伝達関数は装置負荷応力特性Δが該当する。
そして、図3において、伝達関数K1と伝達関数K2が制御装置の伝達関数になるのであるが、伝達関数K1は、位置指令値信号rと回転角検出値信号θにボールねじピッチlを乗じた位置検出値信号yとの位置制御偏差を求め、この位置制御偏差に基づいて操作量u1を算出する機能を有する制御器SK1の伝達関数であり、伝達関数K2は、サーボアンプ14が出力するモータ駆動電流iに基づいて操作量u2を算出する機能を有する制御器SK2の伝達関数である。そして、制御装置は、操作量u1と操作量u2の和を操作量uとして出力するものと仮定している。
なお、位置指令値信号rとは、所定の制御周期(例えば0.1msの期間)経過後に搬送ビーム1の予定到達位置を指示する信号であり、後述するように、制御装置の位置指令値波形生成手段から供給されるものである。
すなわち、装置固有周波数ωnにおけるゲインが大きくなるように制御器SK2の伝達関数K2を設定すれば、装置が作動することによる装置負荷の振動の影響と、プレス作動時の衝撃など外乱による装置負荷の振動の影響との双方を小さくできる。そして、制御器SK2の伝達関数K2の装置固有周波数ωnにおけるゲインを大きくするには、装置固有周波数ωnで共振するような振動的性質を制御器SK2に付与させればよい。
なお、以下では、本発明の説明を容易にするため、便宜上、駆動部の伝達特性モデルとして最も単純な数学モデルを用いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、各伝達関数をさらに複雑に表現すれば、より高性能なトランスファフィーダ制御装置を構成することも可能である。
なお、駆動部として、サーボモータとボールネジによる送り機構以外の機構、例えば、リニアモータやシリンダ等を用いた場合には、これらの機構に適した駆動部の伝達特性モデルを設定すればよく、また、異なる駆動部の伝達特性モデルを設定すれば、以下の数8に示される状態方程式は、設定された伝達特性モデルに応じた式となるのは、言うまでもない。
なお、数9、10中のKv1およびKv2はサーボアンプの速度制御器の制御ゲインである。
なお、伝達関数Cは、固有周波数ωnで振動するモデルであり、数13中、ζcは振動モデルの減衰係数であり、伝達関数Cのピークゲインを調整するために用いられ、ζcの値が小さいほど上記のピークゲインが大きくなる。また、数13中、Kcは定数である
なお、数15中のTwは、ゲインの高くなる周波数を調整するためのパラメータである。
なお、本発明の制御装置の制御器SK1,SK2の伝達関数K1,K2は、上記の考察に沿って求められるものであればよく、駆動部の構成や搬送ビーム、その他の制御対象に含まれる部材や機器によって、数8〜数17に示した具体的な数式が変化するのは、いうまでもない。
なお、図1において、駆動部移動速度調整手段とは、上述した例ではサーボアンプ14が該当し、駆動部駆動手段とは、上述した例ではサーボモータ11が該当する。
位置指令値波形生成手段21は、例えば、あらかじめ演算して記憶されている位置指令値系列に基づいて、プレス動作に同期して、制御周期ごとに位置指令値信号を生成し、位置指令値信号を制御偏差演算手段23に送信するものである。
また、位置指令値信号とは、所定の制御周期(例えば0.1msの期間)経過後に搬送ビーム1の予定到達位置を指示する信号であり、位置指令値系列とは、例えば、駆動部の駆動機構がサーボモータとボールネジ機構によって構成されている場合であれば、所定のタイミング、つまり、プレスクランク軸の所定のクランク角度に対応するサーボモータの基準位置からの回転角度等が記載されたものであり、この場合、サーボモータの基準位置が特許請求の範囲にいう基準位置に相当し、サーボモータの基準位置からの回転角度等が駆動部の変位に相当することになる。
駆動部位置検出器22は、駆動部における駆動機構の変位、つまり、所定のサンプル期間内における駆動機構の作動量を検出し、駆動部の基準位置からの変位を示す位置検出値信号を生成するものである。例えば、駆動機構としてサーボモータとサーボモータに接続されたボールねじによる送り機構を利用した場合は、回転角検出器12から出力された回転角検出値信号θが入力され、この回転角検出値信号θにボールネジ15のネジピッチlを乗じて、位置検出値信号yを算出するものである。
なお、駆動部位置検出器22は、図2に記載されている回転角検出器12や、回転角検出値信号θを時間微分して回転速度検出値信号ωを算出する時間微分器13の機能も備えていてもよい。この場合には、回転角検出器12や時間微分器13を独立して設ける必要がないので、装置構成を簡単にすることができる。
制御偏差演算手段23は、位置指令値信号から位置検出値信号yを差し引き、駆動部の目的位置に対する駆動部の現在位置の偏差を算出し、この偏差を含む位置制御偏差信号を生成し、生成された位置制御偏差信号を操作量演算手段30に供給するものである。
操作量演算手段30は、制御偏差演算手段23から供給される位置制御偏差信号が入力され、操作量信号uを駆動部移動速度調整手段に出力するものであり、駆動部位置制御手段31と駆動力変動抑制手段32とを備えている。この操作量演算手段30は、搬送ビーム1自身の移動により搬送ビーム1に発生する振動、および、外部で発生する振動、例えば、プレス加工時に発生する振動等を抑制する搬送ビーム1の振動を抑制するように構成された伝達関数を有するように構成されている。つまり、操作量演算手段30は、駆動部位置制御手段31および駆動力変動抑制手段32の伝達関数が、数17の状態方程式により設定されるH∞制御問題を解いて求められた伝達関数Hとなるように構成されているのである。
なお、操作量信号とは、駆動機構として、図6のような、サーボモータとサーボモータに接続されたボールねじによる送り機構を利用した場合は、搬送ビーム1の現在位置から搬送ビーム1の目的位置まで移動させる間におけるサーボモータ11の主軸の回転角速度を含む信号が該当する。
駆動部位置制御手段31は、制御偏差演算手段23によって算出された位置制御偏差信号が入力され、第1操作量信号を演算するものである。この駆動部位置制御手段31は、上述した制御器SK1に相当するから、駆動部の駆動機構としてサーボモータとサーボモータに接続されたボールねじによる送り機構を利用した場合には、数6、7から算出される伝達関数K1に基づいて、第1操作量信号を演算するものである。
なお、第1操作量信号は、上述した操作量u1に相当する。
駆動力変動抑制手段32は、駆動力指令値信号が入力され、第2操作量信号を演算するものである。この駆動力変動抑制手段32は、上述した制御器SK2に相当するから、駆動部の駆動機構としてサーボモータとサーボモータに接続されたボールねじによる送り機構を利用した場合には、数6、7から算出される伝達関数K2に基づいて、第2操作量信号を演算するものである。
この駆動力変動抑制手段32は、装置固有周波数と等しい周波数で振動する伝達周波数特性を有しており、装置に固有振動が生じ駆動力指令値信号が変動したときに、上記の伝達周波数特性が刺激を受けて装置固有周波数に同期して振動し、駆動力指令値信号の変動ひいては装置の固有振動を抑制しようと振幅の大きな制御信号、つまり、第2操作量信号を生成するから、この第2操作量信号により、数3、4で説明したように、装置の固有振動を抑制することができるのである。
なお、第2操作量信号は、上述した操作量u2に相当する。
駆動部移動速度調整手段は、駆動部位置検出値信号に時間微分演算をほどこして駆動部速度検出値信号を生成し、駆動部速度検出値信号が操作量信号に一致するように駆動力指令値信号を演算するものである。図2に示すように、駆動部の駆動機構としてサーボモータとサーボモータに接続されたボールねじによる送り機構を利用した場合は、サーボアンプ14が該当し、駆動力指令値信号(図2ではモータ駆動電流i)は、サーボモータ駆動電流を指示する信号となる。
駆動力指令値信号を受け、駆動力指令値信号にて指示された駆動力を発生させるものであり、駆動部の駆動機構としてサーボモータとサーボモータに接続されたボールねじによる送り機構を利用した場合は、図2におけるサーボモータ11が該当する。
本実施例では、搬送ビームをリフト方向に作動させて、その振動の減衰状況を確認した。
搬送ビームの振動状態を測定するために、搬送ビーム中央部に加速度検出器を設置した。
従来の比例制御器によるトランスファフィーダ装置の動作では、搬送ビームが激しく振動して搬送ビーム中央部加速度が変動しており、搬送ビームの一次モードの振動が顕著に観察される。
これに対して、本発明の制御装置によるトランスファフィーダ装置の動作では、搬送ビームの振動が著しく抑制され、望んでいた搬送動作を果たせたことが、搬送ビーム中央部加速度検出値信号の推移から確認できる。
したがって、本発明の制御装置によれば、トランスファフィーダ装置の動作の振動を抑制できることが確認できる。
21 位置指令値波形生成手段
22 駆動部位置検出器
23 制御偏差演算手段
30 操作量演算手段
31 駆動部位置制御手段
32 駆動力変動抑制手段
Claims (2)
- プレス装置に設けられる、一対の搬送ビームによって被加工物の移動を行うトランスファフィーダ装置において、前記一対の搬送ビームを作動させる駆動部を制御する制御装置であって、
プレス動作に同期して、基準位置と、制御周期の間における前記駆動部が移動する量とに基づいて制御周期ごとに前記駆動部の変位を指示する位置指令値信号を生成する位置指令値波形生成手段と、
前記駆動部の基準位置からの変位を検出し、位置検出値信号を生成する駆動部位置検出器と、
前記位置指令値信号および前記位置検出値信号に基づいて、前記位置指令値信号に対する前記位置検出値信号の偏差を示す位置制御偏差信号を生成する制御偏差演算手段と、
前記位置制御偏差信号に基づいて、前記駆動部の作動速度を指示する駆動部速度指令値信号を演算する操作量演算手段と、
前記駆動部位置検出器によって生成された位置検出値信号を時間微分演算して駆動部速度検出値信号を生成し、該駆動部速度検出値信号が前記操作量演算手段によって演算される駆動部速度指令値信号に一致するような駆動力指令値信号を演算する駆動部移動速度調整手段とを備えており、
該操作量演算手段が、
前記位置制御偏差信号が入力されると、第1操作量信号を演算する駆動部位置制御手段と、
前記駆動部移動速度調整手段から駆動力指令値信号が入力されると、第2操作量信号を演算する駆動力変動抑制手段とからなり、
前記駆動部速度指令値信号は、前記第1操作量信号と前記第2操作量信号とを足し合わせた信号であり、
前記駆動力変動抑制手段は、
前記搬送ビームの固有周波数と等しい周波数で振動する伝達周波数特性を有し、かつ、ゲインピークをもつ伝達周波数特性を有するように設定された状態方程式により第2操作量信号を演算するものである
ことを特徴とするトランスファフィーダの制御装置。 - 前記駆動部位置制御手段および前記駆動力変動抑制手段は、
前記駆動部速度指令値信号から前記駆動部位置検出値信号までの伝達特性を表現する状態方程式と、
前記搬送ビームの固有周波数と等しい周波数で振動する状態方程式と、
モデル化誤差の影響により制御ループが不安定になるのを回避するための状態方程式とにより設定されるH∞制御問題の解として得られる伝達関数に基づいて、前記第1操作量信号および前記第2操作量信号駆動力指令値信号をそれぞれ演算するものである
ことを特徴とする請求項1記載のトランスファフィーダの制御装置。
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