JP2001290541A - 産業用機械の加減速方法 - Google Patents
産業用機械の加減速方法Info
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- JP2001290541A JP2001290541A JP2000109300A JP2000109300A JP2001290541A JP 2001290541 A JP2001290541 A JP 2001290541A JP 2000109300 A JP2000109300 A JP 2000109300A JP 2000109300 A JP2000109300 A JP 2000109300A JP 2001290541 A JP2001290541 A JP 2001290541A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 制御対象が低剛性な機台に設置されている場
合に、その制御対象を動作させることによって機台に発
生する残留振動を抑制する。 【解決手段】 速度指令の加減速時間を機台とサーボモ
ータの質量の合計と機台のばね定数とで決まる固有振動
周期T0=2π/ωの整数倍の時間nT0(n=0、1、
2、…)に等しくする。速度指令の加速時間をnT0と
した場合、t>taにおける振動成分ブロック(ω2/
(s2+ω2))の応答D(t)は、下式のように0とな
る。 D(t)=α0(cos(ω(t−ta))−cos
(ωt))=α0(cos(ω(t−nT0))−cos
(ωt))=0
合に、その制御対象を動作させることによって機台に発
生する残留振動を抑制する。 【解決手段】 速度指令の加減速時間を機台とサーボモ
ータの質量の合計と機台のばね定数とで決まる固有振動
周期T0=2π/ωの整数倍の時間nT0(n=0、1、
2、…)に等しくする。速度指令の加速時間をnT0と
した場合、t>taにおける振動成分ブロック(ω2/
(s2+ω2))の応答D(t)は、下式のように0とな
る。 D(t)=α0(cos(ω(t−ta))−cos
(ωt))=α0(cos(ω(t−nT0))−cos
(ωt))=0
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械やロボッ
ト等の産業用機械の加減速方法に関し、特に、制御対象
が低剛性な機台上に設置されている産業用機械の加減速
方法に関する。
ト等の産業用機械の加減速方法に関し、特に、制御対象
が低剛性な機台上に設置されている産業用機械の加減速
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3(a)は、工作機械やロボット等の
産業用機械の一般的な構成を示すブロック図である。産
業用機械は、指令作成器101と、制御器102と、制
御対象103と、その制御対象103を設置する機台2
03とを備えている。図3(b)は、制御対象103お
よび機台203の構造を示す外観図である。機台203
上には、制御対象103として、サーボモータ202
と、ボールねじ204と、送り台201とが設置されて
いる。サーボモータ202は、機台203上に固定され
たアクチュエータである。ボールねじ204は、サーボ
モータ202の回転軸に連結されており、サーボモータ
202の回転軸が回転したときに発生するトルクによっ
てボールねじ204も回転する。移動手段である送り台
201は、ボールねじ204の回転により発生する力に
より、機台203上をボールねじ204に沿ったX軸方
向に移動する。
産業用機械の一般的な構成を示すブロック図である。産
業用機械は、指令作成器101と、制御器102と、制
御対象103と、その制御対象103を設置する機台2
03とを備えている。図3(b)は、制御対象103お
よび機台203の構造を示す外観図である。機台203
上には、制御対象103として、サーボモータ202
と、ボールねじ204と、送り台201とが設置されて
いる。サーボモータ202は、機台203上に固定され
たアクチュエータである。ボールねじ204は、サーボ
モータ202の回転軸に連結されており、サーボモータ
202の回転軸が回転したときに発生するトルクによっ
てボールねじ204も回転する。移動手段である送り台
201は、ボールねじ204の回転により発生する力に
より、機台203上をボールねじ204に沿ったX軸方
向に移動する。
【0003】図3(a)に示すように、指令作成器10
1は、制御器102に対し制御対象103の動作に関す
る指令105を出力する。通常、この指令105は、図
3(b)の送り台201に対する位置指令や、単位時間
当たりの送り台201に対する速度指令である。制御器
102は、指令105にしたがって送り台201が移動
するようにサーボモータ202の回転軸を回転させる指
令106を制御対象103に出力している。この指令1
06は、サーボモータ202に対するトルク指令である
のが一般的である。通常、図3(b)のサーボモータ2
02は、サーボモータ202の回転角度や回転角速度等
を検出することができる検出器(不図示)を備えてい
る。図3(a)に示されている信号107は、通常、そ
の検出器から出力されるサーボモータ202の回転軸の
回転角度検出信号である。信号107は、制御器102
内におけるフィードバック制御等のために用いられてい
る。なお、信号107は、送り台201の位置や速度を
計測するセンサから出力された信号であってもよい。
1は、制御器102に対し制御対象103の動作に関す
る指令105を出力する。通常、この指令105は、図
3(b)の送り台201に対する位置指令や、単位時間
当たりの送り台201に対する速度指令である。制御器
102は、指令105にしたがって送り台201が移動
するようにサーボモータ202の回転軸を回転させる指
令106を制御対象103に出力している。この指令1
06は、サーボモータ202に対するトルク指令である
のが一般的である。通常、図3(b)のサーボモータ2
02は、サーボモータ202の回転角度や回転角速度等
を検出することができる検出器(不図示)を備えてい
る。図3(a)に示されている信号107は、通常、そ
の検出器から出力されるサーボモータ202の回転軸の
回転角度検出信号である。信号107は、制御器102
内におけるフィードバック制御等のために用いられてい
る。なお、信号107は、送り台201の位置や速度を
計測するセンサから出力された信号であってもよい。
【0004】一方、機台203は、設置面205から伝
達される振動の影響を軽減するために、防振機能を有し
ており、低剛性となっている。したがって、機台203
は、設置面205に対して第1のばね振動系であるとみ
なすことができる。さらに、送り台201は、ボールね
じ204のねじり弾性のために振動する場合があり、機
台203に対して第2のばね振動系であるとみなすこと
ができる。
達される振動の影響を軽減するために、防振機能を有し
ており、低剛性となっている。したがって、機台203
は、設置面205に対して第1のばね振動系であるとみ
なすことができる。さらに、送り台201は、ボールね
じ204のねじり弾性のために振動する場合があり、機
台203に対して第2のばね振動系であるとみなすこと
ができる。
【0005】図3(c)は、機台203および制御対象
103をそれらのばね振動系でモデル化した場合の模式
図である。実際には、機台203および制御対象103
には、多くの振動モードが存在するが、図3(c)で
は、制御対象103の動作によって発生するX軸方向の
振動モードのみがモデル化されている。また、機台20
3および制御対象103の各部分には、摩擦が発生する
が、これらの摩擦は、正確に把握できない場合が多いた
め、摩擦より発生する力は、図3(c)では省略されて
いる。
103をそれらのばね振動系でモデル化した場合の模式
図である。実際には、機台203および制御対象103
には、多くの振動モードが存在するが、図3(c)で
は、制御対象103の動作によって発生するX軸方向の
振動モードのみがモデル化されている。また、機台20
3および制御対象103の各部分には、摩擦が発生する
が、これらの摩擦は、正確に把握できない場合が多いた
め、摩擦より発生する力は、図3(c)では省略されて
いる。
【0006】サーボモータ202の質量をMM、送り台
201の質量をML、機台203の質量をMBとし、ボー
ルねじ204のねじり弾性によるX軸方向のばね定数を
KLとし、設置面205と機台203との間のばね定数
をKBとする。まず、制御器102から出力された指令
106により、送り台201が位置XMに移動するよう
にサーボモータ202が回転したとする。サーボモータ
202の回転軸が回転すると、送り台201は、指令さ
れた位置XMに移動する。しかし、ボールねじ204に
はねじり弾性が存在するため、送り台201は位置XM
を中心に振動する。振動中の送り台201の位置を位置
XLとすると、その振動によって発生するX軸方向の弾
性力FLは−KL(XL−XM)となる。この弾性力F
Lは、サーボモータ202を介して反力FBとして機台2
03にも伝達される。反力FBが機台203に伝達され
ると、機台203は、ばね定数KBのばね振動系である
ため、反力FBによって振動する。その振動によって、
機台203には加速度aが発生する。したがって、図3
(a)に示すように、制御対象103から機台104に
は、反力108(FB)が伝達され、機台203からは
その機台203の加速度109(a)が制御対象103
にフィードバックされる。
201の質量をML、機台203の質量をMBとし、ボー
ルねじ204のねじり弾性によるX軸方向のばね定数を
KLとし、設置面205と機台203との間のばね定数
をKBとする。まず、制御器102から出力された指令
106により、送り台201が位置XMに移動するよう
にサーボモータ202が回転したとする。サーボモータ
202の回転軸が回転すると、送り台201は、指令さ
れた位置XMに移動する。しかし、ボールねじ204に
はねじり弾性が存在するため、送り台201は位置XM
を中心に振動する。振動中の送り台201の位置を位置
XLとすると、その振動によって発生するX軸方向の弾
性力FLは−KL(XL−XM)となる。この弾性力F
Lは、サーボモータ202を介して反力FBとして機台2
03にも伝達される。反力FBが機台203に伝達され
ると、機台203は、ばね定数KBのばね振動系である
ため、反力FBによって振動する。その振動によって、
機台203には加速度aが発生する。したがって、図3
(a)に示すように、制御対象103から機台104に
は、反力108(FB)が伝達され、機台203からは
その機台203の加速度109(a)が制御対象103
にフィードバックされる。
【0007】図4(a)は、上述した制御対象103お
よび機台203をモデル化したブロック線図である。T
rは制御器102から発せられる指令106(トルク指
令)であり、Jmはサーボモータ202の回転に関する
イナーシャであり、θMはサーボモータ202の回転角
度である。Rpはサーボモータ202の1回転当たりの
送り台201の移動距離であり、FLはボールねじ20
4のねじり弾性によって発生するX軸方向の力である。
よび機台203をモデル化したブロック線図である。T
rは制御器102から発せられる指令106(トルク指
令)であり、Jmはサーボモータ202の回転に関する
イナーシャであり、θMはサーボモータ202の回転角
度である。Rpはサーボモータ202の1回転当たりの
送り台201の移動距離であり、FLはボールねじ20
4のねじり弾性によって発生するX軸方向の力である。
【0008】制御器102から入力されるトルク指令T
rにより、サーボモータ202はθMだけ回転して、送り
台201を位置XMに移動させようとする。しかし、ボ
ールねじ204のねじり弾性により送り台201の実際
の位置XLは、位置XMを中心に振動する。
rにより、サーボモータ202はθMだけ回転して、送り
台201を位置XMに移動させようとする。しかし、ボ
ールねじ204のねじり弾性により送り台201の実際
の位置XLは、位置XMを中心に振動する。
【0009】ボールねじ204のねじり弾性により発生
したX軸方向の弾性力FLは、サーボモータ202に伝
達され、トルク指令Trに対する反力となる。そして、
反力FBは機台203にも伝達される。この反力FBによ
り、ばね定数KBのばね振動系である機台203も振動
し、その振動によって発生する加速度109が送り台2
01にフィードバックされる。
したX軸方向の弾性力FLは、サーボモータ202に伝
達され、トルク指令Trに対する反力となる。そして、
反力FBは機台203にも伝達される。この反力FBによ
り、ばね定数KBのばね振動系である機台203も振動
し、その振動によって発生する加速度109が送り台2
01にフィードバックされる。
【0010】図4(b)は、図4(a)の機台203お
よび制御対象103のブロック線図の等価ブロック線図
である。図4(b)では、機台203の振動成分の要素
が振動成分ブロックC(ω2/(s2+ω2))としてま
とめられている。ここでωは、機台203およびサーボ
モータ202の質量の合計とばね定数KBとで決定され
る機台の固有振動数であり、ωは、以下の式(1)で示
される。
よび制御対象103のブロック線図の等価ブロック線図
である。図4(b)では、機台203の振動成分の要素
が振動成分ブロックC(ω2/(s2+ω2))としてま
とめられている。ここでωは、機台203およびサーボ
モータ202の質量の合計とばね定数KBとで決定され
る機台の固有振動数であり、ωは、以下の式(1)で示
される。
【0011】
【数1】
【0012】図5(a)は、図4に示す制御対象103
および機械203と、指令作成器101と、制御器10
2とから構成される産業用機械のブロック線図である。
厳密には、加速度109は、制御対象103にフィード
バックされ、そのフィードバックされた加速度109に
起因する反力108(FB)が機台203に加えられる
ことになるが、一般には、これらの量は非常に小さいの
で、図5(a)では、これらの量は考慮されていない。
および機械203と、指令作成器101と、制御器10
2とから構成される産業用機械のブロック線図である。
厳密には、加速度109は、制御対象103にフィード
バックされ、そのフィードバックされた加速度109に
起因する反力108(FB)が機台203に加えられる
ことになるが、一般には、これらの量は非常に小さいの
で、図5(a)では、これらの量は考慮されていない。
【0013】図5(a)の各ブロックは線形系に近似す
ることができるので、各ブロックの順番の入れ替えが可
能である。図5(b)は、振動成分ブロックCを、指令
作成器101と制御器102との間に挿入した場合のブ
ロック線図である。このブロック線図では、指令作成器
101から振動成分ブロックCへ速度指令601が入力
され、振動成分ブロックCからはその速度応答602が
出力されるようになっている。図5(c)は、図5
(b)のBの部分をさらに分解した等価ブロック線図で
ある。図5(c)では、指令作成器101から出力され
た速度指令601は、加速度指令801に微分されて、
振動成分ブロックCに入力されるようになっている。そ
して、振動成分ブロックCは、加速度応答802を出力
し、加速度応答802は積分されて速度応答602とな
っている。
ることができるので、各ブロックの順番の入れ替えが可
能である。図5(b)は、振動成分ブロックCを、指令
作成器101と制御器102との間に挿入した場合のブ
ロック線図である。このブロック線図では、指令作成器
101から振動成分ブロックCへ速度指令601が入力
され、振動成分ブロックCからはその速度応答602が
出力されるようになっている。図5(c)は、図5
(b)のBの部分をさらに分解した等価ブロック線図で
ある。図5(c)では、指令作成器101から出力され
た速度指令601は、加速度指令801に微分されて、
振動成分ブロックCに入力されるようになっている。そ
して、振動成分ブロックCは、加速度応答802を出力
し、加速度応答802は積分されて速度応答602とな
っている。
【0014】図6は、指令作成器101から速度指令6
01が出力されたときの、振動成分ブロックCの加速度
応答802の変動の様子を示すグラフである。図6
(a)は、指令作成器101から出力された速度指令6
01の波形であり、図6(b)は、その速度指令601
を微分することによって得られた加速度指令801であ
り、図6(c)は、加速度指令801に対する振動成分
ブロックCの加速度応答802の変動の様子である。図
6(a)に示すように、指令作成器101は、送り台2
01が、一定の加速度で加減速を行うような直線加減速
の速度指令であり、時刻0から時刻taまでの間に速度
指令601は0からVmaxまで上昇している。この場
合、加速度指令801は、図6(b)に示すように、大
きさα0=Vmax/Taのパルス状の指令となる。加速度
指令801は、以下の式(2)のα(t)のようにな
る。
01が出力されたときの、振動成分ブロックCの加速度
応答802の変動の様子を示すグラフである。図6
(a)は、指令作成器101から出力された速度指令6
01の波形であり、図6(b)は、その速度指令601
を微分することによって得られた加速度指令801であ
り、図6(c)は、加速度指令801に対する振動成分
ブロックCの加速度応答802の変動の様子である。図
6(a)に示すように、指令作成器101は、送り台2
01が、一定の加速度で加減速を行うような直線加減速
の速度指令であり、時刻0から時刻taまでの間に速度
指令601は0からVmaxまで上昇している。この場
合、加速度指令801は、図6(b)に示すように、大
きさα0=Vmax/Taのパルス状の指令となる。加速度
指令801は、以下の式(2)のα(t)のようにな
る。
【0015】
【数2】
【0016】図6(b)の加速度指令801が加えられ
た場合の振動成分ブロックCの加速度応答802は、式
(2)のα(t)をラプラス変換したものと、ω2/
(s2+ω2)との積を、逆ラプラス変換することによ
り、以下の式(3)のようになる。
た場合の振動成分ブロックCの加速度応答802は、式
(2)のα(t)をラプラス変換したものと、ω2/
(s2+ω2)との積を、逆ラプラス変換することによ
り、以下の式(3)のようになる。
【0017】
【数3】
【0018】したがって、図6(a)のような速度指令
601を加えた場合、振動成分ブロックCの加速度応答
802には、図6(c)に示すような残留振動が発生す
ることがわかる。なお、図6(c)は、時間taが機台
203の固有振動周期T0(=2π/ω)の1/2の場
合の加速度応答802である。加速度応答802の上述
の振動は、そのまま図4(b)の加速度109の振動と
なって制御対象103にフィードバックされる。
601を加えた場合、振動成分ブロックCの加速度応答
802には、図6(c)に示すような残留振動が発生す
ることがわかる。なお、図6(c)は、時間taが機台
203の固有振動周期T0(=2π/ω)の1/2の場
合の加速度応答802である。加速度応答802の上述
の振動は、そのまま図4(b)の加速度109の振動と
なって制御対象103にフィードバックされる。
【0019】従来の産業用機械では、制御対象103自
体がばね振動系であることに起因する制御対象103の
振動については、従来から、サーボモータ202の回転
角度θMを検出するだけのセミクローズド制御法だけで
なく、送り台201の位置を実際に検出することによっ
てフィードバック制御を行うフルクローズド制御法や、
オブザーバを用いて推定外乱を抽出し、その外乱を打ち
消すように制御するオブザーバ制御などによって、振動
を低減する方法が行われてきた。しかし、図6に示すよ
うに、制御対象103が設置される機台203もばね振
動系である場合では、上述の制御法を用いても機台20
3に発生する残留振動により送り台201の振動が発生
する場合があった。
体がばね振動系であることに起因する制御対象103の
振動については、従来から、サーボモータ202の回転
角度θMを検出するだけのセミクローズド制御法だけで
なく、送り台201の位置を実際に検出することによっ
てフィードバック制御を行うフルクローズド制御法や、
オブザーバを用いて推定外乱を抽出し、その外乱を打ち
消すように制御するオブザーバ制御などによって、振動
を低減する方法が行われてきた。しかし、図6に示すよ
うに、制御対象103が設置される機台203もばね振
動系である場合では、上述の制御法を用いても機台20
3に発生する残留振動により送り台201の振動が発生
する場合があった。
【0020】従来、このような問題を解決するために、
産業用機械では、図6に示すような加速時間Taを長く
したり、指令速度Vmaxを低くするなどして、機台20
3に発生する振動を低減していた。しかしながら、上述
のような産業用機械では、作業時間の短縮のために動作
の高速化の要求が年々高まってきており、加速時間Ta
等の加減速時間をできるだけ短くすることが課題の1つ
となっている。
産業用機械では、図6に示すような加速時間Taを長く
したり、指令速度Vmaxを低くするなどして、機台20
3に発生する振動を低減していた。しかしながら、上述
のような産業用機械では、作業時間の短縮のために動作
の高速化の要求が年々高まってきており、加速時間Ta
等の加減速時間をできるだけ短くすることが課題の1つ
となっている。
【0021】そのため、従来の加減速方法では、機台2
03に発生する前述の残留振動に起因する制御対象10
2の振動が発生しないような最短の加減速時間を試行錯
誤によって求めていた。しかし、試行錯誤によって求め
られた加減速時間は、必ずしも最適ではなく、移動距離
が異なる場合などの他の条件下では、再び機台203に
発生する残留振動に起因する送り台201の振動が発生
してしまうなどの問題があった。
03に発生する前述の残留振動に起因する制御対象10
2の振動が発生しないような最短の加減速時間を試行錯
誤によって求めていた。しかし、試行錯誤によって求め
られた加減速時間は、必ずしも最適ではなく、移動距離
が異なる場合などの他の条件下では、再び機台203に
発生する残留振動に起因する送り台201の振動が発生
してしまうなどの問題があった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、産
業用機械の従来の加減速方法では、入力された速度指令
により制御対象が動作する場合に、その動作の反力が機
台に伝達されることによって機台に残留振動が発生する
場合がある。この場合、機台に発生した残留振動は、制
御対象にも伝達され、制御対象が振動してしまうという
問題があった。
業用機械の従来の加減速方法では、入力された速度指令
により制御対象が動作する場合に、その動作の反力が機
台に伝達されることによって機台に残留振動が発生する
場合がある。この場合、機台に発生した残留振動は、制
御対象にも伝達され、制御対象が振動してしまうという
問題があった。
【0023】本発明では、制御対象が低剛性な機台に設
置されている場合に、その制御対象を動作させることに
よって機台に発生する残留振動を抑制することができる
産業用機械の加減速方法を提供することを目的とする。
置されている場合に、その制御対象を動作させることに
よって機台に発生する残留振動を抑制することができる
産業用機械の加減速方法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、設置場所との関係が第1のばね振動系に近似される
機台と、該機台上に固定されたアクチュエータの動作に
より発生する力を受けて前記機台上を移動し、前記機台
との関係が第2のばね振動系に近似される移動手段を有
する制御対象とを備える産業用機械における前記移動手
段の加減速を制御するための産業用機械の加減速方法で
あって、前記移動手段を一定の加速度で加減速させよう
とする場合に、加速時間および減速時間が前記機台およ
び前記アクチュエータの質量の合計と前記第1のばね振
動系のばね定数に基づいて決定される前記機台の固有振
動周期の整数倍の時間に等しくなるような速度指令を生
成し、前記速度指令に基づいて前記移動手段が移動する
ような動作指令を前記アクチュエータに出力する。
に、設置場所との関係が第1のばね振動系に近似される
機台と、該機台上に固定されたアクチュエータの動作に
より発生する力を受けて前記機台上を移動し、前記機台
との関係が第2のばね振動系に近似される移動手段を有
する制御対象とを備える産業用機械における前記移動手
段の加減速を制御するための産業用機械の加減速方法で
あって、前記移動手段を一定の加速度で加減速させよう
とする場合に、加速時間および減速時間が前記機台およ
び前記アクチュエータの質量の合計と前記第1のばね振
動系のばね定数に基づいて決定される前記機台の固有振
動周期の整数倍の時間に等しくなるような速度指令を生
成し、前記速度指令に基づいて前記移動手段が移動する
ような動作指令を前記アクチュエータに出力する。
【0025】本発明の産業用機械の加減速方法では、一
定の加速度で制御対象の加減速を行う場合に、その加速
時間および減速時間を、機台とその機台とが設置されて
いる地面との間のばね定数とサーボモータの質量を加え
た機台の質量とから決定される機台の固有周期の整数倍
とすることによって、機台に含まれる振動成分の速度指
令に対する応答を0とすることができるため、制御対象
が低剛性な機台に設置されている場合に、その制御対象
を動作させることによって機台に発生する残留振動を抑
制することができる。
定の加速度で制御対象の加減速を行う場合に、その加速
時間および減速時間を、機台とその機台とが設置されて
いる地面との間のばね定数とサーボモータの質量を加え
た機台の質量とから決定される機台の固有周期の整数倍
とすることによって、機台に含まれる振動成分の速度指
令に対する応答を0とすることができるため、制御対象
が低剛性な機台に設置されている場合に、その制御対象
を動作させることによって機台に発生する残留振動を抑
制することができる。
【0026】また、本発明の産業用機械の他の加減速方
法では、設置場所との関係が第1のばね振動系に近似さ
れる機台と、該機台上に固定されたアクチュエータの動
作により発生する力を受けて前記機台上を移動し、前記
機台との関係が第2のばね振動系に近似される移動手段
を有する制御対象とを備える産業用機械における前記移
動手段の加減速を制御するための産業用機械の加減速方
法であって、少なくとも1つのパルス状の速度指令から
成る第1のパルス状速度指令群を生成し、該第1のパル
ス状速度指令群と同一パターンの速度指令群であって、
前記第1のパルス状速度指令群より前記機台と前記アク
チュエータの質量の合計と前記第1のばね振動系のばね
定数とに基づいて決定される前記機台の固有振動周期の
半周期の奇数倍の時間だけ位相が遅れた第2のパルス状
速度指令群を生成し、前記第1のパルス状速度指令群と
前記第2のパルス状速度指令群とを合成したパルス状の
速度指令を前記一定の周期で生成し、前記合成したパル
ス状の速度指令に基づいて前記移動手段が移動するよう
な動作指令を前記アクチュエータに出力する。
法では、設置場所との関係が第1のばね振動系に近似さ
れる機台と、該機台上に固定されたアクチュエータの動
作により発生する力を受けて前記機台上を移動し、前記
機台との関係が第2のばね振動系に近似される移動手段
を有する制御対象とを備える産業用機械における前記移
動手段の加減速を制御するための産業用機械の加減速方
法であって、少なくとも1つのパルス状の速度指令から
成る第1のパルス状速度指令群を生成し、該第1のパル
ス状速度指令群と同一パターンの速度指令群であって、
前記第1のパルス状速度指令群より前記機台と前記アク
チュエータの質量の合計と前記第1のばね振動系のばね
定数とに基づいて決定される前記機台の固有振動周期の
半周期の奇数倍の時間だけ位相が遅れた第2のパルス状
速度指令群を生成し、前記第1のパルス状速度指令群と
前記第2のパルス状速度指令群とを合成したパルス状の
速度指令を前記一定の周期で生成し、前記合成したパル
ス状の速度指令に基づいて前記移動手段が移動するよう
な動作指令を前記アクチュエータに出力する。
【0027】本発明の産業用機械の加減速方法では、第
1のパルス状速度指令群と、その第1のパルス状速度指
令群から固有振動周期の半周期の奇数倍の時間だけ位相
が遅れた第2のパルス状速度指令群とを加算した値を制
御対象に対する速度指令とすることによって、第1のパ
ルス状速度指令群によって発生する機台の残留振動を第
2のパルス状速度指令群によって打ち消すことができる
ため、制御対象が低剛性な機台に設置されている場合
に、その制御対象を動作させることによって機台に発生
する残留振動を抑制することができる。
1のパルス状速度指令群と、その第1のパルス状速度指
令群から固有振動周期の半周期の奇数倍の時間だけ位相
が遅れた第2のパルス状速度指令群とを加算した値を制
御対象に対する速度指令とすることによって、第1のパ
ルス状速度指令群によって発生する機台の残留振動を第
2のパルス状速度指令群によって打ち消すことができる
ため、制御対象が低剛性な機台に設置されている場合
に、その制御対象を動作させることによって機台に発生
する残留振動を抑制することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態の産業用
機械の加減速方法について図面を参照して詳細に説明す
る。全図において、同一の符号がつけられている構成要
素は、すべて同一のものを示す。
機械の加減速方法について図面を参照して詳細に説明す
る。全図において、同一の符号がつけられている構成要
素は、すべて同一のものを示す。
【0029】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態の産業用機械の加減速方法について説明する。
本実施形態の産業用機械の加減速方法は、従来の産業用
機械の加減速方法と同様に、図3、図4、図5に示す産
業用機械についての加減速方法である。図1は、本発明
の第1の実施形態の産業用機械の加減速方法を示すグラ
フである。図1(a)は、本実施形態の産業用機械の加
減速方法を用いた場合の図5(c)に示す速度指令60
1の変動の様子である。本実施形態の産業用機械の加減
速方法では、速度指令601の加速時間および減速時間
は、機台203とサーボモータ202の質量の合計MB
+MMと機台203のばね定数KBとで決まる固有振動周
期T0=2π/ωの整数倍の時間nT0(n=0、1、
2、…)に等しくなっている。
実施形態の産業用機械の加減速方法について説明する。
本実施形態の産業用機械の加減速方法は、従来の産業用
機械の加減速方法と同様に、図3、図4、図5に示す産
業用機械についての加減速方法である。図1は、本発明
の第1の実施形態の産業用機械の加減速方法を示すグラ
フである。図1(a)は、本実施形態の産業用機械の加
減速方法を用いた場合の図5(c)に示す速度指令60
1の変動の様子である。本実施形態の産業用機械の加減
速方法では、速度指令601の加速時間および減速時間
は、機台203とサーボモータ202の質量の合計MB
+MMと機台203のばね定数KBとで決まる固有振動周
期T0=2π/ωの整数倍の時間nT0(n=0、1、
2、…)に等しくなっている。
【0030】図1(b)は、本実施形態の産業用機械の
加減速方法における速度指令601を微分することによ
って求められる加速度指令801の変動の様子であり、
図1(c)は、本実施形態の産業用機械の加減速方法に
おける振動成分ブロックCの加速度応答801の様子で
ある。速度指令の加速時間をnT0とした場合、t>ta
における振動成分ブロックCの加速度応答D(t)は、
以下の式(4)のように0となる。
加減速方法における速度指令601を微分することによ
って求められる加速度指令801の変動の様子であり、
図1(c)は、本実施形態の産業用機械の加減速方法に
おける振動成分ブロックCの加速度応答801の様子で
ある。速度指令の加速時間をnT0とした場合、t>ta
における振動成分ブロックCの加速度応答D(t)は、
以下の式(4)のように0となる。
【0031】 D(t)=α0(cos(ω(t−ta))−cos(ωt))=α0(cos (ω(t−nT0))−cos(ωt))=0…(4) したがって、本実施形態の産業用機械の加減速方法で
は、t>taにおける振動成分ブロックCの応答は0と
なって機台203に残留振動が発生せず、結果的に、制
御対象103へ伝達される加速度109も0となる。ま
た、本実施形態の産業用機械の加減速方法では、減速時
においても減速時間をnT0とすることによって、機台
203に発生する残留振動を大幅に低減することができ
る。
は、t>taにおける振動成分ブロックCの応答は0と
なって機台203に残留振動が発生せず、結果的に、制
御対象103へ伝達される加速度109も0となる。ま
た、本実施形態の産業用機械の加減速方法では、減速時
においても減速時間をnT0とすることによって、機台
203に発生する残留振動を大幅に低減することができ
る。
【0032】以上述べたように、本実施形態の産業用機
械の加減速方法では、一定の加速度で制御対象の加減速
を行う場合に、その加速時間および減速時間を、機台2
03とその機台203とが設置されている地面との間の
ばね定数KBと、サーボモータ202の質量MMを加えた
機台203の質量MBとから決定される機台203の固
有周期T0の整数倍とすることによって、機台203の
残留振動を0とすることができる。そのため、制御対象
103を動作させた場合に、機台203の残留振動に起
因する制御対象103の振動を抑制することができる。
械の加減速方法では、一定の加速度で制御対象の加減速
を行う場合に、その加速時間および減速時間を、機台2
03とその機台203とが設置されている地面との間の
ばね定数KBと、サーボモータ202の質量MMを加えた
機台203の質量MBとから決定される機台203の固
有周期T0の整数倍とすることによって、機台203の
残留振動を0とすることができる。そのため、制御対象
103を動作させた場合に、機台203の残留振動に起
因する制御対象103の振動を抑制することができる。
【0033】(第2の実施形態)次に本発明の第2の実
施形態の産業用機械の加減速方法について説明する。本
実施形態の産業用機械の加減速方法は、従来の産業用機
械の加減速方法と同様に、図3、図4、図5に示す産業
用機械についての加減速方法である。図2は、本実施形
態の産業用機械の加減速方法を説明するためのグラフで
ある。本実施形態の産業用機械における指令作成器10
1および制御器102はディジタル制御器であり、指令
作成器101は、一定の周期であるサンプリング周期t
s毎に、速度指令601としてパルス状の速度指令V
[i]を出力する。
施形態の産業用機械の加減速方法について説明する。本
実施形態の産業用機械の加減速方法は、従来の産業用機
械の加減速方法と同様に、図3、図4、図5に示す産業
用機械についての加減速方法である。図2は、本実施形
態の産業用機械の加減速方法を説明するためのグラフで
ある。本実施形態の産業用機械における指令作成器10
1および制御器102はディジタル制御器であり、指令
作成器101は、一定の周期であるサンプリング周期t
s毎に、速度指令601としてパルス状の速度指令V
[i]を出力する。
【0034】図2(a)は、第1のパルス状速度指令群
V0[i]の変動の様子であり、図2(b)は、第2の
パルス状速度指令群V1[i]の変動の様子であり、図
2(c)は、速度指令V[i]の変動様子である。
V0[i]の変動の様子であり、図2(b)は、第2の
パルス状速度指令群V1[i]の変動の様子であり、図
2(c)は、速度指令V[i]の変動様子である。
【0035】図2に示すように、本実施形態の産業用機
械の加減速方法では、図2(a)に示す第1のパルス状
速度指令群V0[i](i=0、1、2…)と、図2
(b)に示す第2のパルス状速度指令群V1[i]とを
加算した値を指令作成器101から出力するパルス状速
度指令V[i]とする。第2のパルス状速度指令群V1
[i]は、第1のパルス状速度指令群V0[i]と同一
パターンの速度指令群であって、機台203とサーボモ
ータ202の合計質量MB+MMと機台203とその機台
203が設置される設置面205との間のばね定数KB
とで決定される固有振動周期T0の半周期T0/2の奇数
倍である時間(m・T0)/2(m=2j+1、j=
0、1、2…)だけ第1のパルス状速度指令群V
0[i]より位相が遅れた速度指令群である。
械の加減速方法では、図2(a)に示す第1のパルス状
速度指令群V0[i](i=0、1、2…)と、図2
(b)に示す第2のパルス状速度指令群V1[i]とを
加算した値を指令作成器101から出力するパルス状速
度指令V[i]とする。第2のパルス状速度指令群V1
[i]は、第1のパルス状速度指令群V0[i]と同一
パターンの速度指令群であって、機台203とサーボモ
ータ202の合計質量MB+MMと機台203とその機台
203が設置される設置面205との間のばね定数KB
とで決定される固有振動周期T0の半周期T0/2の奇数
倍である時間(m・T0)/2(m=2j+1、j=
0、1、2…)だけ第1のパルス状速度指令群V
0[i]より位相が遅れた速度指令群である。
【0036】図2(d)は、本実施形態の加減速方法の
効果を説明するためのグラフである。図2(d)には、
時刻t1におけるV0[n](n=0、1、2…)と時間
(m・T0/2)後の時刻t2におけるV1[n+(m・
T0)/(2・ts)]のみが記されている。
効果を説明するためのグラフである。図2(d)には、
時刻t1におけるV0[n](n=0、1、2…)と時間
(m・T0/2)後の時刻t2におけるV1[n+(m・
T0)/(2・ts)]のみが記されている。
【0037】パルス状速度指令V0[n]を入力した場合
の振動成分ブロックCの応答D0(t)は以下の式
(5)のようになる。
の振動成分ブロックCの応答D0(t)は以下の式
(5)のようになる。
【0038】 D0(t)=α0(cosω((t−ts))−cos(ωt))…(5) また、パルス状の速度指令V1[n+(m・T0)/(2
・ts)]を加えた場合の振動成分ブロックCの応答
は、式(6)のようになる。
・ts)]を加えた場合の振動成分ブロックCの応答
は、式(6)のようになる。
【0039】 D1(t)=α0(cosω((t−ts+(m・T0)/2))−cos(ω( t+(m・T0)/2))=α0(−cosω((t−ts))+cos(ωt) )…(6) 振動成分ブロックCは線形であるので、重ねあわせの原
理が成立する。つまり、パルス指令V0[n]に対する
応答D0(t)とパルス指令V1[n+(m・T0)/
(2・ts)]に対する応答D1(t)との和が、パル
ス指令V0[n]およびパルス指令V1[n+(m・
T0)/(2・ts)]を入力した後の振動成分ブロッ
クCの応答D(t)となる。t>t2における振動成分
ブロックCの応答は、D(t)=D0(t)+D1(t)=
0となる。
理が成立する。つまり、パルス指令V0[n]に対する
応答D0(t)とパルス指令V1[n+(m・T0)/
(2・ts)]に対する応答D1(t)との和が、パル
ス指令V0[n]およびパルス指令V1[n+(m・
T0)/(2・ts)]を入力した後の振動成分ブロッ
クCの応答D(t)となる。t>t2における振動成分
ブロックCの応答は、D(t)=D0(t)+D1(t)=
0となる。
【0040】図2(a)に示す第1のパルス状速度指令
群V0[i](i=0、1、2…)と、図2(b)に示
す第2のパルス状速度指令群V1[i]とは、図2
(d)に示すパルス指令V1[i]やパルス指令V1[i
+(m・T0)/(2・ts)]の集合体である。した
がって、前述の重ね合わせの原理により、図2(c)に
示すパルス状の速度指令V[i]に対する振動成分ブロッ
クCの速度応答は0となる。
群V0[i](i=0、1、2…)と、図2(b)に示
す第2のパルス状速度指令群V1[i]とは、図2
(d)に示すパルス指令V1[i]やパルス指令V1[i
+(m・T0)/(2・ts)]の集合体である。した
がって、前述の重ね合わせの原理により、図2(c)に
示すパルス状の速度指令V[i]に対する振動成分ブロッ
クCの速度応答は0となる。
【0041】以上述べたように、本実施形態の産業用機
械の加減速方法では、第1のパルス状速度指令群V
0[i]と、その機台203とサーボモータ202の合
計質量MB+MMと機台203とその機台203のばね定
数KBとで決定される固有振動周期T0の半周期T0/2
の奇数倍である時間(m・T0)/2だけ位相が遅れた
第2のパルス状速度指令V1[i]とが加算された値を
速度指令V[i]として制御対象103へ入力することに
よって、第1のパルス状速度指令群V0[i]によって
機台203に発生する残留振動を、第2のパルス状速度
指令群V1[i]によって打ち消すことができるため、
機台203に発生する残留振動を抑制することができ
る。
械の加減速方法では、第1のパルス状速度指令群V
0[i]と、その機台203とサーボモータ202の合
計質量MB+MMと機台203とその機台203のばね定
数KBとで決定される固有振動周期T0の半周期T0/2
の奇数倍である時間(m・T0)/2だけ位相が遅れた
第2のパルス状速度指令V1[i]とが加算された値を
速度指令V[i]として制御対象103へ入力することに
よって、第1のパルス状速度指令群V0[i]によって
機台203に発生する残留振動を、第2のパルス状速度
指令群V1[i]によって打ち消すことができるため、
機台203に発生する残留振動を抑制することができ
る。
【0042】本実施形態の産業用機械の加減速方法で
は、一定の加速度で加減速を行う速度指令だけでなく、
任意のパターンの速度指令に対しても適用することがで
きる。
は、一定の加速度で加減速を行う速度指令だけでなく、
任意のパターンの速度指令に対しても適用することがで
きる。
【0043】また、機台203のばね定数KBは既知で
はなく、固定振動周期T0は不明である場合が多い。第
1、第2の実施形態の産業用機械の加減速方法では、加
速時間が異なる複数の速度指令によって送り台201を
何回か移動させ、機台203または送り台201の振動
を測定可能なセンサによって測定し、複数の速度指令の
うち、最も振動の振幅が小さかった速度指令の加速時間
を固有振動周期T0として選択してもよい。
はなく、固定振動周期T0は不明である場合が多い。第
1、第2の実施形態の産業用機械の加減速方法では、加
速時間が異なる複数の速度指令によって送り台201を
何回か移動させ、機台203または送り台201の振動
を測定可能なセンサによって測定し、複数の速度指令の
うち、最も振動の振幅が小さかった速度指令の加速時間
を固有振動周期T0として選択してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の産業用機械
の加減速方法では、以下に示す2つの効果を有する。 (1) 一定の加速度によって制御対象の加減速を行う
場合に、その加速時間および減速時間を、制御対象が設
置されている機台とその機台とが設置されている設置面
との間のばね定数とサーボモータの質量を加えた機台の
質量とから決定される機台の固有周期の整数倍とするこ
とによって、機台に含まれる振動成分の速度指令に対す
る応答を0とすることができるため、制御対象を動作さ
せた場合に、低剛性な機台に発生する残留振動を抑制す
ることができる。 (2) 第1のパルス状速度指令群と、その第1のパル
ス状速度指令群から固有振動周期の半周期の奇数倍の時
間だけ位相が遅れた第2のパルス状速度指令群とを加算
した値を制御対象に対する速度指令とすることによっ
て、第1のパルス状速度指令群によって発生する機台の
残留振動を第2のパルス状速度指令群によって打ち消す
ことができるため、制御対象を動作させた場合に、低剛
性な機台に発生する残留振動を抑制することができる。
の加減速方法では、以下に示す2つの効果を有する。 (1) 一定の加速度によって制御対象の加減速を行う
場合に、その加速時間および減速時間を、制御対象が設
置されている機台とその機台とが設置されている設置面
との間のばね定数とサーボモータの質量を加えた機台の
質量とから決定される機台の固有周期の整数倍とするこ
とによって、機台に含まれる振動成分の速度指令に対す
る応答を0とすることができるため、制御対象を動作さ
せた場合に、低剛性な機台に発生する残留振動を抑制す
ることができる。 (2) 第1のパルス状速度指令群と、その第1のパル
ス状速度指令群から固有振動周期の半周期の奇数倍の時
間だけ位相が遅れた第2のパルス状速度指令群とを加算
した値を制御対象に対する速度指令とすることによっ
て、第1のパルス状速度指令群によって発生する機台の
残留振動を第2のパルス状速度指令群によって打ち消す
ことができるため、制御対象を動作させた場合に、低剛
性な機台に発生する残留振動を抑制することができる。
【図1】本発明の第1の実施形態の産業用機械の加減速
方法を説明するためのグラフである。
方法を説明するためのグラフである。
【図2】本発明の第2の実施形態の産業用機械の加減速
方法を説明するためのグラフである。
方法を説明するためのグラフである。
【図3】図3(a)は、産業用機械の構成を示すブロッ
ク図である。図3(b)は、制御対象および機台の構造
を示す外観図である。図3(c)は、機台および制御対
象をばね振動系でモデル化した場合の模式図である。
ク図である。図3(b)は、制御対象および機台の構造
を示す外観図である。図3(c)は、機台および制御対
象をばね振動系でモデル化した場合の模式図である。
【図4】産業用機械の機台および制御対象の動作を示す
ブロック線図である。
ブロック線図である。
【図5】産業用機械の等価ブロック線図である。
【図6】直線加減速の速度指令を入力したときの振動成
分ブロックの加速度応答の変動の様子を示すグラフであ
る。
分ブロックの加速度応答の変動の様子を示すグラフであ
る。
101 指令作成器 102 制御器 103 制御対象 105、106 指令 107 信号 108 反力 109 加速度 202 サーボモータ 203 機台 204 ボールねじ 601 速度指令 602 速度応答 801 加速度指令 802 加速度応答
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 張 文農 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内 (72)発明者 鶴田 和寛 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内 Fターム(参考) 5H269 AB01 EE01 GG01 5H313 AA11 BB01 BB05 BB10 CC01 DD01 EE07 GG01 GG05 GG17 HH05 KK05
Claims (2)
- 【請求項1】 設置場所との関係が第1のばね振動系に
近似される機台と、 該機台上に固定されたアクチュエータの動作により発生
する力を受けて前記機台上を移動し、前記機台との関係
が第2のばね振動系に近似される移動手段を有する制御
対象とを備える産業用機械における前記移動手段の加減
速を制御するための産業用機械の加減速方法であって、 前記移動手段を一定の加速度で加減速させようとする場
合に、加速時間および減速時間が前記機台および前記ア
クチュエータの質量の合計と前記第1のばね振動系のば
ね定数に基づいて決定される前記機台の固有振動周期の
整数倍の時間に等しくなるような速度指令を生成し、 前記速度指令に基づいて前記移動手段が移動するような
動作指令を前記アクチュエータに出力する産業用機械の
加減速方法。 - 【請求項2】 設置場所との関係が第1のばね振動系に
近似される機台と、 該機台上に固定されたアクチュエータの動作により発生
する力を受けて前記機台上を移動し、前記機台との関係
が第2のばね振動系に近似される移動手段を有する制御
対象とを備える産業用機械における前記移動手段の加減
速を制御するための産業用機械の加減速方法であって、 少なくとも1つのパルス状の速度指令から成る第1のパ
ルス状速度指令群を生成し、 該第1のパルス状速度指令群と同一パターンの速度指令
群であって、前記第1のパルス状速度指令群より前記機
台と前記アクチュエータの質量の合計と前記第1のばね
振動系のばね定数とに基づいて決定される前記機台の固
有振動周期の半周期の奇数倍の時間だけ位相が遅れた第
2のパルス状速度指令群を生成し、 前記第1のパルス状速度指令群と前記第2のパルス状速
度指令群とを合成したパルス状の速度指令を前記一定の
周期で生成し、 前記合成したパルス状の速度指令に基づいて前記移動手
段が移動するような動作指令を前記アクチュエータに出
力する産業用機械の加減速方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000109300A JP2001290541A (ja) | 2000-04-11 | 2000-04-11 | 産業用機械の加減速方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000109300A JP2001290541A (ja) | 2000-04-11 | 2000-04-11 | 産業用機械の加減速方法 |
Publications (2)
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