JP2010022138A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 制御則によらずクーロン摩擦同定が実施でき、トルク指令またはモータ速度が雑音信号を多く含み、最大静止摩擦などが存在する場合にも高精度に微少動作でクーロン摩擦同定を実施することができ、その同定結果に基づいて高精度な動作制御を実施できるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】トルク指令周波数成分と正規化速度矩形波を入力しトルク指令正規化速度矩形波乗算値を出力するトルク指令正規化速度矩形波乗算値演算器111と、前記トルク指令正規化速度矩形波乗算値とモータ速度振幅を入力しトルク指令速度矩形波乗算値平均値を出力するトルク指令速度矩形波乗算値平均値演算器114と、前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値と前記モータ速度振幅を入力しクーロン摩擦同定値を出力するクーロン摩擦演算器115と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械負荷の連結したモータである制御対象のクーロン摩擦を同定し、その同定結果に基づいてメカ動作を制御するモータ制御装置に関する。
モータ制御装置には、機械負荷の連結したモータである制御対象を高精度または高応答に駆動する場合、如何にして明確でない制御対象のクーロン摩擦値を高精度かつ微少動作で同定し、その同定値に基づいてモータを駆動するか、が必要とされている。
従来技術のモータ制御装置は、トルク指令が機械負荷の連結したモータである制御対象に入力するエネルギーである入力エネルギーとモータ位置振幅に基づいて前記制御対象の粘性摩擦とクーロン摩擦を同定し、その同定結果に基づいて前記制御対象の動作を制御している(例えば、特許文献1参照)。また、トルク指令とモータ位置のフーリエ係数に基づいて慣性モーメント、粘性摩擦およびクーロン摩擦を同定し、その同定結果に基づいて前記制御対象の動作を制御しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
図3は、第1従来技術のモータ制御装置である。図において、301は振幅演算器、302は第1入力エネルギー演算器、303は粘性摩擦クーロン摩擦演算器である。
振幅演算器301は、位置を入力し、その入力信号振幅である位置振幅を出力する。第1入力エネルギー演算器302は、速度と速度指令を入力し、トルク指令が機械負荷の連結したモータである制御対象に入力するエネルギーである入力エネルギーを算出し出力する。粘性摩擦クーロン摩擦演算器303は、前記位置振幅と前記入力エネルギーを入力し、前記摩擦同定値を算出し出力する。
このように、第1従来技術のモータ制御装置は、入力エネルギーとモータ位置振幅に基づいて制御対象の粘性摩擦とクーロン摩擦を同定し、その同定結果に基づいて前記制御対象の動作を制御するのである。
図4は本発明の第2従来技術のモータ制御装置である。図において、401は位置フーリエ変換器、402はトルク指令フーリエ変換器、403はシステム定数演算器である。
位置フーリエ変換器401は、モータ位置を入力し前記モータ位置のフーリエ係数である位置フーリエ係数を算出し出力する。トルク指令フーリエ変換器402は、トルク指令を入力し前記トルク指令のフーリエ係数であるトルク指令フーリエ係数を算出し出力する。システム定数演算器403は、前記位置フーリエ係数と前記トルク指令フーリエ係数を入力し機械負荷の連結したモータである制御対象の慣性モーメント、粘性摩擦およびクーロン摩擦であるシステム定数同定値を算出し出力する。
このように、第2従来技術のモータ制御装置は、位置フーリエ係数とトルク指令フーリエ係数に基づいて前記制御対象の慣性モーメント、粘性摩擦およびクーロン摩擦であるシステム定数同定値を同定し、その同定結果に基づいて前記制御対象の動作を制御するのである。
特開2007−20318号公報(第7−11頁、第2図) 特開2007−295678号公報(第3−4頁、第1図)
第1従来技術のモータ制御装置は、フィードバック制御則が位置比例速度比例制御と速度比例制御の場合に基づいており、それ以外の制御則に対して適用する場合、適用できるように改善する必要があった。また、モータ速度が比較的多くの雑音信号を含む場合は、雑音信号の2乗に比例して同定精度が劣化するため改善の必要があった。
第2従来技術のモータ制御装置は、最大静止摩擦および同定に利用する周波数である同定周波数の成分を含む外乱や雑音信号が非常に大きい場合に摩擦の同定精度が比較的劣化しやすく、改善の必要があった。
本発明はこのような改善点に鑑みてなされたものであり、2つの指令周波数成分に対するトルク指令の周波数成分とモータ速度の符号との積の1周期間平均値を用いてクーロン摩擦を同定することにより、制御則によらずクーロン摩擦同定が実施でき、トルク指令またはモータ速度が雑音信号を多く含み、最大静止摩擦などが存在する場合にも高精度に微少動作でクーロン摩擦同定を実施することができ、その同定結果に基づいて高精度な動作制御を実施できるモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、機械負荷を連結したモータである制御対象のモータ位置が指令に追従するようにフィードバック制御信号を出力するフィードバック制御器と、前記フィードバック制御信号に基づくトルク指令を入力しその入力信号どおりの駆動トルクを発生するためのモータ電流を前記制御対象の前記モータに出力する電流制御器と、を備えたモータ制御装置において、前記トルク指令と前記モータ位置に基づいて前記制御対象のクーロン摩擦の同定値であるクーロン摩擦同定値を算出するものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明における前記クーロン摩擦同定装置は、前記トルク指令を入力しその入力信号のクーロン摩擦同定に使用する複数の周波数成分であるトルク指令周波数成分を出力するトルク指令周波数成分分離器と、前記モータ位置を入力しその入力信号の1階微分値であるモータ速度を出力するモータ速度演算器と、前記モータ速度を入力しその入力信号にシグナム関数(符号関数)を適用し算出した振幅1の矩形波である正規化速度矩形波を出力する正規化速度矩形波演算器と、前記トルク指令周波数成分と前記正規化速度矩形波を入力しその入力信号の乗算値であるトルク指令正規化速度矩形波乗算値を出力するトルク指令正規化速度矩形波乗算値演算器と、前記モータ位置を入力しその入力信号のクーロン摩擦同定に使用する複数の周波数成分であるモータ位置周波数成分を出力するモータ位置周波数成分分離器と、前記モータ位置周波数成分を入力しその入力信号の1階微分信号の振幅であるモータ速度振幅を出力するモータ速度振幅演算器と、前記トルク指令正規化速度矩形波演算値と前記モータ速度振幅を入力しその入力信号を各周波数成分ごとの乗算値の平均値であるトルク指令速度矩形波乗算値平均値を出力するトルク指令速度矩形波乗算値平均値演算器と、前記モータ速度振幅と前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値を入力し前記クーロン摩擦同定値を出力するクーロン摩擦演算器と、を備えるものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明における前記モータ速度振幅演算器は、前記モータ位置周波数成分の振幅にその周波数を乗算して前記モータ速度振幅を算出するものである
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明における前記トルク指令周波数成分が、前記制御対象の共振反共振周波数より十分に低い周波数であるものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明における前記複数の周波数成分は、偶数の周波数成分とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の発明における前記トルク指令、前記モータ速度振幅のクーロン摩擦同定に使用する2つの周波数成分をそれぞれ第1トルク指令周波数成分、第2トルク指令周波数成分、第1モータ速度振幅、第2モータ速度振幅とし、前記第1トルク指令周波数成分と前記第1モータ速度に基づいた前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値を第1トルク指令速度矩形波乗算値平均値とし、前記第2トルク指令周波数成分と前記第2モータ速度に基づいた前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値を第2トルク指令速度矩形波乗算値平均値とすると、前記クーロン摩擦演算器は、前記第2モータ速度振幅と前記第1トルク指令速度矩形波乗算値平均値の乗算値から前記第1モータ速度振幅と前記第2トルク指令速度矩形波乗算値平均値の乗算値を減算した値を前記第2モータ速度振幅から前記第1モータ速度振幅を減算した値で除算した値を前記クーロン摩擦同定値とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明における前記指令の振幅が、微小(1/1000回転程度)であるものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明における前記指令の基本周波数が、10[Hz]程度以下の低周波数であるものである。
請求項1乃至3に記載の発明によると、機械負荷の連結したモータのクーロン摩擦を制御則によらず、モータ速度が雑音成分を多く含む場合にも、前記機械負荷の姿勢によらず、高精度に同定することができ、その同定結果に基づいて高精度な動作制御をすることができる。
また、請求項4に記載の発明によると、機械負荷が柔軟な場合にもクーロン摩擦同定を精度良く実施できる。
また、請求項5乃至6に記載の発明によると、最大静止摩擦や一定外乱が存在する場合にもクーロン摩擦同定を精度良く実施できる。
また、請求項7に記載の発明によると、制御対象の可動範囲が限定される場合にも微小動作のみでクーロン摩擦同定を精度良く実施できる。
また、請求項8に記載の発明によると、制御対象の粘性摩擦が比較的大きい場合にもクーロン摩擦同定を精度良く実施できる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示すモータ制御装置である。図において、101は指令発生器、102はフィードバック制御器、103はフィードフォワード制御器、104は電流制御器、105は制御対象、106はモータ位置検出器、107はクーロン摩擦同定装置、108はトルク指令周波数成分分離器、109はモータ速度演算器、110正規化速度矩形波演算器、111はトルク指令正規化速度矩形波乗算値演算器、112はモータ位置周波数成分分離器、113はモータ速度振幅演算器、114はトルク指令速度矩形波乗算値平均値演算器、115はクーロン摩擦演算器である。
指令発生器101は、クーロン摩擦同定に必要な周波数成分を含む周期的信号である指令を出力する。ただし、クーロン摩擦同定に使用する周波数である同定周波数の少なくとも一方は10[Hz]程度の低周波数とする。フィードバック制御器102は、前記指令とモータ位置を入力しフィードバック制御信号を出力する。フィードフォワード制御器103は、前記指令を入力しフィードフォワード制御信号を出力する。電流制御器104は、前記フィードバック制御信号と前記フィードフォワード制御信号との加算値であるトルク指令を入力しモータ電流を出力する。制御対象105は、機械負荷の連結したモータであり、前記モータ電流により駆動されその前記モータ位置はモータ位置検出器106が検出し出力する。クーロン摩擦同定装置107は、前記トルク指令と前記モータ位置を入力し制御対象105のクーロン摩擦を同定しクーロン摩擦同定値として出力する。
クーロン摩擦同定装置107において、トルク指令周波数成分分離器108は、前記トルク指令を入力しその入力信号の周波数成分のうちクーロン摩擦同定に使用するものであるトルク指令周波数成分を出力する。モータ速度演算器109は、前記モータ位置を入力しモータ速度を出力する。正規化速度矩形波演算器110は、前記モータ速度を入力しその入力信号の周波数成分のうち、クーロン摩擦同定に使用するものであるモータ速度周波数成分のシグナム関数である正規化速度矩形波を出力する。トルク指令正規化速度矩形波乗算値演算器111は、前記トルク指令周波数成分と前記正規化速度矩形波とを入力し、その入力信号の乗算値であるトルク指令正規化速度矩形波乗算値を出力する。モータ位置周波数成分分離器112は、前記モータ位置を入力しその入力信号の周波数成分のうち、クーロン摩擦同定に使用するものであるモータ位置周波数成分を出力する。モータ速度振幅演算器113は、前記モータ位置周波数成分を入力しその微分値の振幅であるモータ速度振幅を出力する。トルク指令速度矩形波乗算値平均値演算器114は、前記トルク指令正規化速度矩形波乗算値と前記モータ速度振幅とを入力しその入力信号の平均値であるトルク指令正規化速度矩形波乗算値平均値を出力する。クーロン摩擦演算器115は、前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値と前記モータ速度振幅とを入力し前記クーロン摩擦同定値を算出し出力する。
本発明が従来技術と異なる部分は、トルク指令周波数成分と正規化速度矩形波を入力しトルク指令正規化速度矩形波乗算値を出力するトルク指令正規化速度矩形波乗算値演算器111と、前記トルク指令正規化速度矩形波乗算値とモータ速度振幅を入力しトルク指令速度矩形波乗算値平均値を出力するトルク指令速度矩形波乗算値平均値演算器114と、前記モータ速度振幅と前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値を入力しクーロン摩擦同定値を出力するクーロン摩擦演算器115とを備え、同定周波数の少なくとも一方を10[Hz]程度の低周波数とする部分である。
以下、クーロン摩擦同定装置107が、クーロン摩擦同定値を算出する仕組みの詳細を示す。制御対象105は、モータに剛体メカが連結したものとするとその運動方程式は式(1)であらわされる。


ただし、Jは制御対象105の慣性モーメント、Dは粘性摩擦、Tcはクーロン摩擦、Trefはトルク指令、wは一定トルク外乱、θはモータ位置である。式(1)をモータ速度の符号で乗算すると式(2)を得る。

周波数ω1におけるモータ位置の周波数成分を第1モータ位置周波数成分とすると、前記第1モータ位置周波数成分は式(3)と表される。

ただし、A1は第1モータ位置振幅である。式(3)を式(2)に代入し周期T1=2π/ω1の間の平均値をとると式(4)を得る。

ただし、Tref1は周波数ω1におけるトルク指令の周波数成分である第1トルク指令周波数成分である。モータ加速度と前記モータ速度の符号とは、位相がπ/4 [rad]ずれているので、式(2)の左辺第1項と右辺第2項の平均値は零となることを利用した。式(4)と同様に、周波数ω2における式(2)の時間T2=2π/ω2の間の平均値は式(5)と表される。

ただし、Tref2は周波数ω2におけるトルク指令の周波数成分である第2トルク指令周波数成分である。式(4)と式(5)から粘性摩擦Dを相殺すると式(6)を得る。

クーロン摩擦演算器115は、式(6)を用いてクーロン摩擦同定値を算出する。
式(6)は、一定トルク外乱wを含まないので制御対象105の姿勢(例えば水平、垂直)によって重力外乱が発生する場合にも前記重力外乱は同定結果に影響しないため適用できる。また、式(6)は、モータ位置に含まれる2つの周波数成分の振幅である第1モータ位置振幅と第2モータ位置振幅を用いるので、モータ位置検出器106の分解能が低く、検出された前記モータ位置の波形が粗い場合にも、FFTにより抽出した2つの周波数成分は他の周波数成分が除去されているため波形が滑らかとなり、その振幅は粗い波形の前記モータ位置の振幅よりも大きくなり、実際のモータ位置の波形の振幅を復元できるため、モータ位置検出器106の分解能の影響を受けにくく、高精度にクーロン摩擦同定できる。また、式(6)は、トルク指令正規化速度矩形波乗算値の平均値を用いるので、平均化によりトルク指令に含まれるリプルの影響を抑制することができ、高精度にクーロン摩擦同定できる。また、式(6)は、正規化速度矩形波を用いるので、モータ速度の符号に影響しないリプルは同定結果に影響せず、前記モータ速度が前記リプルを多く含む場合にも高精度にクーロン摩擦同定できる。また、式(6)が、FFTにより抽出したモータ位置周波数成分の振幅であるモータ位置振幅を用いることから、過渡応答の成分は除去され定常状態を待つことなく瞬時にクーロン摩擦同定できる。
更に、同定時に許容される動作振幅が極端に小さい場合(たとえば5[mrad]程度以下、)第1従来技術および第2従来技術によると同定精度が劣化するが、本発明によると上記理由により5[mrad]程度以下の動作でも、同定精度が劣化することなくクーロン摩擦同定が実施できる。また、式(6)は粘性摩擦を含まないので、前記粘性摩擦が大きい場合にもクーロン摩擦を精度良く同定できる。また、同定周波数の少なくとも一方を10[Hz]程度の低周波数としており、前記低周波数周辺では高周波数に比べてモータ速度振幅とトルク指令周波数成分の振幅の変化が激しいので、式(6)の分子の第1項および第2項の差が大きくなり、ドライバ内での整数化演算における桁落ちなどの影響を受けにくく、高精度にクーロン摩擦同定が実施できる。また、式(6)は、制御ゲインに直接依存しないので制御則によらずクーロン摩擦同定が実施できる。
ここで、本発明におけるクーロン摩擦同定装置107内の各構成が、各入力に対しどのような演算に基づいて各出力を得るのかを整理する。
トルク指令周波数成分分離器108は、FFTを用いてトルク指令の周波数成分のうち同定周波数における周波数成分を抽出し、トルク指令周波数成分として出力する。
正規化速度矩形波演算器110は、モータ速度にシグナム関数(符号関数)を適用して算出した前記モータ速度の符号を正規化速度矩形波として出力する。
トルク指令正規化速度矩形波乗算値演算器111は、前記トルク指令周波数成分と前記正規化速度矩形波を乗算しトルク指令正規化速度矩形波乗算値として出力する。
モータ位置周波数成分分離器112は、FFTを用いてモータ位置の周波数成分のうち前記同定周波数における周波数成分を抽出し、モータ位置周波数成分として出力する。
モータ速度振幅演算器113は、前記モータ位置周波数成分の振幅に前記同定周波数を乗算しモータ速度振幅を算出する。
トルク指令速度矩形波乗算値平均値演算器114は、前記トルク指令正規化速度矩形波乗算値と前記モータ速度振幅を乗算し式(4)と式(5)の左辺であるトルク指令速度矩形波乗算値平均値を算出する。
クーロン摩擦演算器115は、前記トルク指令、前記モータ速度振幅のクーロン摩擦同定に使用する2つの周波数成分をそれぞれ第1トルク指令周波数成分、第2トルク指令周波数成分、第1モータ速度振幅、第2モータ速度振幅とし、
前記第1トルク指令周波数成分と前記第1モータ速度に基づいた前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値を第1トルク指令速度矩形波乗算値平均値とし、前記第2トルク指令周波数成分と前記第2モータ速度に基づいた前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値を第2トルク指令速度矩形波乗算値平均値とすると、
前記第2モータ速度振幅と前記第1トルク指令速度矩形波乗算値平均値の乗算値から前記第1モータ速度振幅と前記第2トルク指令速度矩形波乗算値平均値の乗算値を減算した値を前記第2モータ速度振幅から前記第1モータ速度振幅を減算した値で除算することによりクーロン摩擦同定値を算出する。
以下、本発明のシミュレーション結果を示す。シミュレーションに用いた数値は以下のとおりである。
J=5.80×10^−5[kg・m^2]、D=7.5×10^−4[N・m・s/rad]、Tc*=7.8×10^−4[N・m]、Kp=120[s^−1]、Kv=120(2π)[s^−1]、J0=0.116×10^−4[kg・m^2]、Kvj=Kv*J0,Ti=4/Kv、T=125×10^−6[s]、Trat=0.637[N・m]、b=17[bit]、ω1=10(2π)[rad/s]、ω2=40(2π)[rad/s]、r0=0.005[rad]、d=0.1*Trat[N・m]
ただし、Jは制御対象105の慣性モーメント、Dは粘性摩擦、Tcはクーロン摩擦真値であり、図1のフィードバック制御器102の制御則をPI制御とし、Kpは位置比例制御ゲイン、Kvは正規化速度比例制御ゲイン、J0は公称慣性モーメント、Kvjは速度比例制御ゲイン、Tiは速度制御積分時定数、Tは制御周期、Tratは定格トルク、bはモータ位置検出器106の分解能、ω1は第1同定周波数、ω2は第2同定周波数、r0は指令振幅、dは前記トルク指令に含む白色雑音の振幅である。ここで、公称慣性モーメントは速度比例制御ゲインを正規化するのに利用する慣性モーメント値であり、第1同定周波数および第2同定周波数は本発明のクーロン摩擦同定に利用する周波数である。モータ位置検出器106の分解能は分解能bの量子化関数により近似し、本発明が雑音の影響を抑制する効果を示すため、振幅dの白色雑音を前記トルク指令に加えた。また、本シミュレーションは図1のフィードフォワード制御器103を含めない。
本シミュレーションに用いたモデルは、図1の制御対象105を連続時間表現としそれ以外の部分は制御周期Tの離散時間表現としている。また、前記トルク指令は定格トルクTratで飽和するようにしている。
図2は、本発明の第1実施例を示すシミュレーションにおける一定トルク外乱を変化させた場合のクーロン摩擦同定誤差である。図2より一定トルク外乱を定格トルクの0[%]から50[%]まで変化させた場合、式(7)より求めたクーロン摩擦同定誤差は−3[%]以内であった。

本シミュレーションにおいて、モータ位置振幅は0.0049[rad]以下であり、トルク指令の振幅は定格トルクの1.85[%]以下であった。一方、従来技術によると同じモータ位置振幅で同定を実施した場合、同定誤差が−30[%]程度となった。したがって、本発明によると同定時に許容される動作振幅が極端に小さい場合(5[mrad]程度)にも、クーロン摩擦同定が高精度に実施でき、モータに連結する負荷の慣性モーメントが更に大きい場合にも適用可能であることが示された。また、クーロン摩擦にはトルク指令とモータ位置の動作開始時から10周期分の信号を利用した。クーロン摩擦同定にかかる時間は信号取得時間と同定計算時間の和であるがその和は前記信号取得時間とほぼ同じである。したがって、本シミュレーションでは同定に掛かった時間は0.1[s]であった。
また、粘性摩擦を上記シミュレーションの10倍であるD=7.5×10^−3[N・m・s/rad]としても、前記同定周波数の一方を10[Hz]程度の低周波数としているので、クーロン摩擦同定誤差は上記シミュレーションと同じく−3[%]以内となり劣化しない。
また、上記シミュレーションに用いた数値に、粘性摩擦Dの5倍の振幅をもつ最大静止摩擦を含めたシミュレーションにおいて、第2従来技術のモータ制御装置を適用するとクーロン摩擦同定誤差が−15[%]程度に劣化するが、本発明によると−5[%]以内でクーロン摩擦同定が実施できるので、最大静止摩擦の大きな制御対象に対して本発明のほうがクーロン摩擦同定をより高精度に実施できる。
このように、同定周波数の一方を10[Hz]程度の低周波数とし、2つのトルク指令速度矩形波乗算値平均値の差を用いる構成となっているので、本発明によると一定トルク外乱、トルクリプル、モータ速度リプル、過渡応答などが存在する場合にも、また粘性摩擦が大きい場合にも、5[mrad]以下の微小動作のみで機械負荷の連結したモータのクーロン摩擦を瞬時に高精度に同定できる。
同定周波数の一方を10[Hz]程度の低周波数とし、複数のトルク指令速度矩形波乗算値平均値の差を用いる構成により、一定トルク外乱、トルクリプル、モータ速度リプル、過渡応答などが存在する場合にも、また粘性摩擦が大きい場合にも、微小動作のみで制御対象のクーロン摩擦同定をすることができるので、小ストローク産業用機械、半導体製造装置、工作機械など一般産業用機械の制御ゲイン調整および動作制御に広く適用できる。
本発明の第1実施例を示すモータ制御装置 本発明の第1実施例を示すシミュレーションにおける一定トルク外乱を変化させた場合のクーロン摩擦同定誤差 第1従来技術のモータ制御装置 第2従来技術のモータ制御装置
符号の説明
101 指令発生器
102 フィードバック制御器
103 フィードフォワード制御器
104 電流制御器
105 制御対象
106 モータ位置検出器
107 クーロン摩擦同定装置
108 トルク指令周波数成分分離器
109 モータ速度演算器
110 正規化速度矩形波演算器
111 トルク指令正規化速度矩形波乗算値演算器
112 モータ位置周波数成分分離器
113 モータ速度振幅演算器
114 トルク指令速度矩形波乗算値平均値演算器
115 クーロン摩擦演算器
301 振幅演算器
302 第1入力エネルギー演算器
303 粘性摩擦クーロン摩擦演算器
401 位置フーリエ変換器
402 トルク指令フーリエ変換器
403 システム定数演算器

Claims (8)

  1. 機械負荷を連結したモータである制御対象のモータ位置が指令に追従するようにフィードバック制御信号を出力するフィードバック制御器と、前記フィードバック制御信号に基づくトルク指令を入力しその入力信号どおりの駆動トルクを発生するためのモータ電流を前記制御対象の前記モータに出力する電流制御器と、を備えたモータ制御装置において、
    前記トルク指令と前記モータ位置に基づいて前記制御対象のクーロン摩擦の同定値であるクーロン摩擦同定値を算出するクーロン摩擦同定装置を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記クーロン摩擦同定装置は、前記トルク指令を入力しその入力信号のクーロン摩擦同定に使用する複数の周波数成分であるトルク指令周波数成分を出力するトルク指令周波数成分分離器と、
    前記モータ位置を入力しその入力信号の1階微分値であるモータ速度を出力するモータ速度演算器と、
    前記モータ速度を入力しその入力信号にシグナム関数(符号関数)を適用し算出した振幅1の矩形波である正規化速度矩形波を出力する正規化速度矩形波演算器と、
    前記トルク指令周波数成分と前記正規化速度矩形波を入力しその入力信号の乗算値であるトルク指令正規化速度矩形波乗算値を出力するトルク指令正規化速度矩形波乗算値演算器と、
    前記モータ位置を入力しその入力信号のクーロン摩擦同定に使用する複数の周波数成分であるモータ位置周波数成分を出力するモータ位置周波数成分分離器と、
    前記モータ位置周波数成分を入力しその入力信号の1階微分信号の振幅であるモータ速度振幅を出力するモータ速度振幅演算器と、
    前記トルク指令正規化速度矩形波演算値と前記モータ速度振幅を入力しその入力信号を各周波数成分ごとの乗算値の平均値であるトルク指令速度矩形波乗算値平均値を出力するトルク指令速度矩形波乗算値平均値演算器と、
    前記モータ速度振幅と前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値を入力し前記クーロン摩擦同定値を出力するクーロン摩擦演算器と、を備えることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記モータ速度振幅演算器は、前記モータ位置周波数成分の振幅にその周波数を乗算して前記モータ速度振幅を算出することを特徴とする請求項2記載のモータ制御装置。
  4. 前記トルク指令周波数成分が、前記制御対象の共振反共振周波数より十分に低い周波数であることを特徴とする請求項2記載のモータ制御装置。
  5. 前記複数の周波数成分は、偶数の周波数成分とすることを特徴とする請求項2記載のモータ制御装置。
  6. 前記トルク指令、前記モータ速度振幅のクーロン摩擦同定に使用する2つの周波数成分をそれぞれ第1トルク指令周波数成分、第2トルク指令周波数成分、第1モータ速度振幅、第2モータ速度振幅とし、
    前記第1トルク指令周波数成分と前記第1モータ速度に基づいた前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値を第1トルク指令速度矩形波乗算値平均値とし、前記第2トルク指令周波数成分と前記第2モータ速度に基づいた前記トルク指令速度矩形波乗算値平均値を第2トルク指令速度矩形波乗算値平均値とすると、
    前記クーロン摩擦演算器は、前記第2モータ速度振幅と前記第1トルク指令速度矩形波乗算値平均値の乗算値から前記第1モータ速度振幅と前記第2トルク指令速度矩形波乗算値平均値の乗算値を減算した値を前記第2モータ速度振幅から前記第1モータ速度振幅を減算した値で除算した値を前記クーロン摩擦同定値とすることを特徴とする請求項2記載のモータ制御装置。
  7. 前記指令の振幅が、微小(1/1000回転程度)であることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  8. 前記指令の基本周波数が、10[Hz]程度以下の低周波数であることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107861475A (zh) * 2017-10-22 2018-03-30 成都具鑫机械设备有限公司 一种基于嵌入式数控机床控制系统及其实现方法

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