JP4503992B2 - 配管用固定治具及び配管方法 - Google Patents
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Description
しかし、この工法では、ソケット継手を余分に必要とし、接続箇所の増加による水漏れ信頼性の低下が避けられず、またソケット継手が床下配設であるためにそのソケット継手の修理が困難である。
前記仮固定部と前記本固定部との間に、管に加えられる上方向移動力で拡開されて管を仮固定部から本固定部に移行させるゲート部が設けられ、前記仮固定部と前記本固定部の内巾が管外径よりもやや狭くされ、前記固定用折曲部面よりほぼ管外径を隔てた位置に、前記ゲート部が逆U字形本体両側片の少なくとも一方の内側くびれにより形成され、該ゲート部を境にして下側が仮固定部とされ、上側が本固定部とされ、前記内側くびれの仮固定部に臨む面が管外面に適合されるアール面とされ、前記ゲート部の開口巾は管直径のほぼ1/2とされていることを特徴とする。
従って、戸建て住宅の給水・給湯配管に金属補強された樹脂複合管製の難可撓性管を使用しても、管の立上げ端部の邪魔を排除して床貼りを容易に行なうことができる。
治具躯体の全体的な形状は、帯状体の背の高い逆U字形であり、材質としては、耐食性で弾性及び強度に優れたもの、例えば塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂系、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、SUS等の金属系を使用できる。
逆U字形躯体の内巾bは通水用管の外径d(図2参照)にほぼ等しくしてある。この内巾bは、管の左右への振れを実質上防止し得る寸法とすればよいが、管外径dに対し1mm〜2程度小さくすることが好ましい。
11,11は逆U字形躯体の両側片の下端に設けた直角折曲げ部であり、土間基礎面に固定するためのビス孔を設けてある。2は逆U字形躯体下端からほぼ通水用管直径を隔てた位置に設けたゲート部であり、逆U字形躯体の両側片を内側にくびれ(21,21)させて形成してある。
1は土間基礎面に直角折曲げ部11,11をビス止めし、その基礎面とゲート部2のくびれ21,21とで管を仮固定する仮固定部である。3はゲート部2よりも上側に在って管を上下にスライド可能な状態で把持する本固定部である。
仮固定部1では、図2に示すように土間基礎面5とゲート部2のくびれ21,21とで通水用管4を抱締めることを可能にしてある。図示の例では、仮固定部1に臨むくびれ面211を管外面に適合するアール面としてある。これに限定されず、ゲート部のくびれを、例えば図3の(イ)に示すように、仮固定部に臨む面をテーパ面にすること、図3の(ロ)に示すような三角状くびれとすることもできる。
後述するように、立上げ管の先端が床貼り後に床の孔から引出される際に、仮固定部の通水用管がゲート部を通過して本固定部に移行される。この引出された管の先端が住設機器の止水栓に接続される際に上下に振り移動され、管先端のその上下振り移動に追従して
本固定部内で通水用管が上下にスライド移動される。
前記本固定部3の長さh1(ゲート部の中央点を基点としての長さ)は、このスライド移動を許容するように設定され、例えば管先端の上下振り移動範囲を床上10〜30cmとして、本固定部の長さh1は5〜40cmに設定される。
で与えられる。
その横荷重wは、通水用管4が仮固定部1からゲート部2を通過して本固定部3に移行する際、前記管の先端に加えられる引出し力Fに基づき通水用管がゲート部のくびれに接して発生する横方向分力であり、くびれの形状等により異なる。45°のテーパくびれの場合、力Fが両くびれに2分して作用し、その2分された力F/2のほぼ1/2が横荷重として作用するからw=F/4である。
従って、前記の式(1)とから
が成立する。
而るに、このFが大き過ぎると通水用管のゲート部通過が困難となって前記した通水用管先端の接続作業性が低下し、Fが小さ過ぎると仮固定部での通水用管の仮固定状態が不安定となる。このFは式(2)から明らかなように、ゲート部の開口巾aを大きくすると小さくなり、aを小さくすると大きくなり、ゲート部の開口巾aでFが大きく左右される。本発明者の鋭意検討結果によれば、ゲート部の開口巾aは通水用管直径dのほぼ1/2にすることが適切である。
実施例1と同様、躯体の全体的な形状は、帯状体の背の高い逆U字形であり、材質としては、耐食性で弾性及び強度に優れたもの、例えば塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂系、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、SUS等の金属系を使用できる。
逆U字形躯体の内巾は前記と同様に通水用管の外径にほぼ等しくしてあり、管外径に対し1mm〜2程度小さくすることが好ましい。
11,11は逆U字形躯体の両側片の下端に設けた直角折曲げ部である。2は逆U字形躯体下端からほぼ通水用管直径を隔てた位置に設けたゲート部であり、逆U字形躯体の片側片を内側に半円弧状にくびれ(21)させて形成してある。1は仮固定部、2は本固定部である。
前記と同様に仮固定部2の長さh2は通水用管の直径dにほぼ等しくされ、本固定部3の長さh1は、通水用管の上下スライド移動を許容するように設定され、例えば管先端の上下振り移動範囲を床上10〜30cmとして、本固定部の長さh1は5〜40cmに設定される。
で与えられる。
その横荷重wは、通水用管4が仮固定部1からゲート部2を通過して本固定部3に移行する際、前記立上げ管の先端に加えられる引出し力Fのために通水用管4がゲート部2の単一くびれ21に当接して発生する横方向分力であり、45°のテーパくびれの場合、ほぼw=F/2である。
従って、前記の式(3)とから
が成立する。
従って、Fとゲート部の開口巾aとの関係は実施例1に同じであり、ゲート部の開口巾aは通水用管直径dのほぼ1/2にすることが適切である。
図6−1の(イ)において、51は土間コンクリートを、52は土台を、53は柱、はり等の骨組を示し、床はまだ貼られていない。4はヘッダー設置予定箇所から住設機器設置予定箇所にかけ土間の基礎面511上に敷設した難可撓性通水用管であり、住設機器側の端部を床貼り高さよりも低い高さで立上げ、図6−1の(ロ)に示すように、その立上げ起点を本発明に係る配管用固定治具Aの仮固定部1で土間基礎面511に仮固定している。
難可撓性通水用管4としては、例えばアルミ補強層の内面に柔軟で耐食・耐熱性に優れた耐熱性ポリエチレンの内層を設け、外面に高密度ポリエチレンの外層を設けた複合管を使用できる。
図6−2の(イ)に示す管の立上げ先端の引出し初期時、固定治具Aのゲート部2を拡開するのに必要な管4の引出し力をF、固定治具Aから管立上げ垂直部40までの距離をSとすると、管立上げ垂直部下端401に曲げモーメントFSが作用し、固定治具Aから水平距離xの管箇所pにFxの曲げモーメントが作用する。
而るに、曲げモーメントFx(x=0〜S)による管部分402の曲げ変形、曲げモーメントFSによる垂直管部分401の曲げ変形を、難可撓性通水用管の大なる曲げ剛性やゲート部拡開上の充分に低いFのために僅かにとどめ得、固定治具Aにおける仮固定部1から本固定部3への前記通水用管4の移行を円滑に行なうことができる。
このようにして難可撓性通水用管の立上げ先端を床上に引出したのちは、図7に示すように、その管先端を継手により住設機器Bの止水栓に接続する。この接続においては、図6−4に示すように、管先端を上下に振る必要があるが、図6−4の(ロ)に示す固定治具Aの本固定部3での管の上下方向スライドに対する抵抗力fが前記ゲート部2での管の通過抵抗力(実質上前記のFに等しい)に較べて充分に低いから、管4を本固定部3で上下にスライド移動させつつ管の立上げ先端をスムーズに上下に振ることができ、管立上げ先端の前記接続を容易に行なうことができる。
2 ゲート部
3 本固定部
21 くびれ
a ゲート部の開口巾
4 通水用管
Claims (2)
- 建物の基礎面に固定される金属補強された樹脂複合管製の通水配管用固定治具であり、
治具本体は一端が折り曲げられた両側片からなるほぼ逆U字形であり、逆U字形本体下端に基礎面への固定用折曲部が設けられ、
該固定用折曲部から立ち上がった部分に管を把持して仮固定する仮固定部が設けられ、
該仮固定部に隣在して管を管軸方向とほぼ直角な方向に上下スライド可能に把持する本固定部が設けられ、
前記仮固定部と前記本固定部との間に、管に加えられる上方向移動力で拡開されて管を仮固定部から本固定部に移行させるゲート部が設けられ、
前記仮固定部と前記本固定部の内巾が管外径よりもやや狭くされ、
前記固定用折曲部面よりほぼ管外径を隔てた位置に、前記ゲート部が逆U字形本体両側片の少なくとも一方の内側くびれにより形成され、
該ゲート部を境にして下側が仮固定部とされ、上側が本固定部とされ、
前記内側くびれの仮固定部に臨む面が管外面に適合されるアール面とされ、
前記ゲート部の開口巾は管直径のほぼ1/2とされている
ことを特徴とする配管用固定治具。 - 建物の床貼り前に金属補強された樹脂複合管製の通水用管を基礎面に敷設し、
この管の一端部を床貼り高さ以下の高さで立上げ、
その立上げ起点を前記請求項1記載の配管用固定治具の仮固定部で基礎面に仮固定し、
而るのち、床貼りを行ない、床面から前記敷設管の立上げ先端を引出し、
この引出しに伴い配管用固定治具の前記ゲート部に作用する管の上方向移動力でゲート部を拡開させて、管を仮固定部から本固定部に移行させ、
引出し管先端の接続に伴う当該先端の上下移動に従って前記本固定部において管を上下方向にスライドさせることを特徴とする屋内配管方法。
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