JP4503724B2 - ホタルルシフェリンの安定化方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はシクロデキストリンに包接することによるホタルルシフェリンの安定化、および包接したホタルルシフェリンの包接解除に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホタルルシフェリンは、ホタルルシフェラーゼによる発光反応の基質であり、酸素、ATP、およびマグネシウムイオンの存在下に酸化されて発光する。ホタルルシフェラーゼとホタルルシフェリンによる発光反応は、ATPがごく微量であっても進行することから、ATPを高感度に検出することができ、特に生物由来のATPの高感度・簡易検出法に利用されている。
【0003】
細菌検査の分野においては、菌体内のATPをホタルルシフェラーゼとホタルルシフェリンによる発光反応で検出することにより、細菌の有無を培養を必要とせずに迅速かつ高感度に検出可能である。また、食品加工現場においては、微生物が繁殖するもとになる器具や設備に付着した食材に由来するATPを検出する清浄度検査に利用されている。
【0004】
ホタルルシフェラーゼとホタルルシフェリンの発光反応の別の利用法としては、ホタルルシフェラーゼを標識物質とした微量物質の測定が挙げられる。特に生体内に存在するホルモン等の物質を免疫学的に測定する生物発光酵素免疫測定法では、高感度であることに加えて測定範囲も広いことから、従来の酵素免疫測定法やラジオイムノアッセイに代わるものとして注目されている。
【0005】
しかしながら、ホタルルシフェラーゼとホタルルシフェリンはどちらも不安定な物質である。特にホタルルシフェリンは、ホタルルシフェラーゼの非共存下では溶解後2週間(pH8.0、室温)で活性が40%程度まで低下することが知られている。生物発光酵素免疫測定法では、標識物質であるホタルルシフェラーゼを検出するという反応系の性質から、ホタルルシフェリンを含む試薬にはホタルルシフェラーゼを共存させることができないため、溶液状態でのホタルルシフェリンの安定性が悪いことは大きな問題であった。
【0006】
一般的に酵素とその基質が共存する状態では、それぞれが単独で存在するよりも安定性が向上することはよく知られた事実である。ホタルルシフェラーゼとホタルルシフェリンが共存する場合の安定化技術としては、安定化剤としてポリオールを添加し、pHを5.5から7.4としたホタルルシフェラーゼ・ホタルルシフェリンの水溶液[1]が知られている。しかしながら、ホタルルシフェリン単独の状態でも同様に安定性が向上するかどうかは全く知られていない。
【0007】
また、ウミホタルルシフェリンをpH6.0以下の溶液で保存する方法[2]も知られているが、ホタルルシフェリン(化学式1)とウミホタルルシフェリン(化学式2)では全く構造が異なるため、そのままホタルルシフェリンに適用できるとは言い難い。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
シクロデキストリンは、多数のα-1,4-結合したグルコピラノース単位で構成される環状化合物で、1分子に含まれるグルコース単位の数により、α-シクロデキストリン(6単位)、β-シクロデキストリン(7単位)、γ-シクロデキストリン(8単位)・・・と命名されている。
【0011】
シクロデキストリンの特徴は、その環状構造の中央の空洞にさまざまな低分子化合物を取り込んで包接化合物を形成する点にある。包接化合物において、取り込まれる化合物はゲストと呼ばれ、ゲストを取り込むシクロデキストリンはホストと呼ばれる。ゲストとホストのモル比は通常1:1である。
【0012】
また、ゲスト化合物の溶解度は包接化合物の形成により増加することが知られていて、この特徴を利用して水に難溶性の化合物の溶解性を改良する試みがある。[3]では、γ-GTP活性測定用の基質(L-γ-グルタミル-p-ニトロアニリド)の溶解性の改善にマルトオリゴ糖結合シクロデキストリンが用いられている。[4]では、ベンジジン系発色剤の溶解性の改善にγ-シクロデキストリンが用いられている。また、[5]はテトラメチルベンジジンを共存させることによるパーオキシダーゼの安定化に関する技術であるが、テトラメチルベンジジンの溶解性を改善するためにβ-シクロデキストリンが用いられている。しかしながら、シクロデキストリンと包接化合物を形成することにより、ルシフェリンの安定性を改善した例は知られていない。
【0013】
ホタルルシフェリンとシクロデキストリンの両方に関連する技術としては、[6]と[7]が知られている。これらはどちらも細胞から抽出したATPを、ホタルルシフェラーゼ・ホタルルシフェリンを加えて発光反応により検出する際に、抽出に使用した界面活性剤をシクロデキストリンで包接することで発光阻害作用を抑制するという内容であり、ホタルルシフェリンとシクロデキストリンには何ら関連がない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決すべき課題は、新たなホタルルシフェリンの安定化方法と、その方法を用いた安定なホタルルシフェリン溶液の提供である
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題の解決のために鋭意検討を行った結果、新たなホタルルシフェリンの安定化方法を見いだした。本発明は以下の構成からなる。
【0016】
(1)シクロデキストリンまたはその誘導体を共存させることを特徴とするホタルルシフェリンの安定化方法。
【0017】
(2)シクロデキストリンを構成するグルコース単位の数が7以上であることを特徴とする(1)に記載のホタルルシフェリンの安定化方法。
【0018】
(3)シクロデキストリンまたはその誘導体が、β-シクロデキストリンまたはその誘導体である(1)から(2)に記載のホタルルシフェリンの安定化方法。
【0019】
(4)ホタルルシフェリンに対してシクロデキストリンまたはその誘導体をモル比で1から100倍量加えることを特徴とする(1)から(3)に記載の安定化方法。
【0020】
(5)pHを5.5から6.8に調製することを特徴とする(1)から(4)に記載の安定化方法。
【0021】
(6)ホタルルシフェリンとシクロデキストリンまたはその誘導体を含むことを特徴とするホタルルシフェリン溶液。
【0022】
(7)シクロデキストリンを構成するグルコース単位の数が7以上であることを特徴とする(6)に記載のホタルルシフェリン溶液。
【0023】
(8)シクロデキストリンまたはその誘導体が、β-シクロデキストリンまたはその誘導体である(6)から(7)に記載のホタルルシフェリン溶液。
【0024】
(9)ホタルルシフェリンに対してシクロデキストリンまたはその誘導体をモル比で1から100倍量含むことを特徴とする(6)から(8)に記載のホタルルシフェリン溶液。
【0025】
(10)pHが5.5から6.8である(6)から(9)に記載のホタルルシフェリン溶液。
【0026】
(11)ホタルルシフェリンよりもシクロデキストリンまたはその誘導体に対する結合定数が大きい化合物を添加することを特徴とする、シクロデキストリンまたはその誘導体に包接したホタルルシフェリンの包接解除方法。
【0027】
(12)化合物がアダマンタン誘導体である(11)に記載の包接解除方法。
【0028】
(13)シクロデキストリンまたはその誘導体に対してアダマンタン誘導体をモル比で0.25から1.5倍量添加することを特徴とする(11)から(12)に記載の包接解除方法。
【0029】
(14)少なくとも以下の試薬で構成される試薬キット。
1)シクロデキストリンまたはその誘導体とホタルルシフェリンを含む試薬
2)ホタルルシフェリンよりもシクロデキストリンまたはその誘導体に対する結合定数が大きい化合物を含む試薬
【0030】
(15)シクロデキストリンまたはその誘導体が、β-シクロデキストリンまたはその誘導体である(14)に記載の試薬キット。
【0031】
(16)ホタルルシフェリンに対してシクロデキストリンまたはその誘導体をモル比で1から100倍量含むことを特徴とする(14)から(15)に記載の試薬キット。
【0032】
(17)ホタルルシフェリンよりもシクロデキストリンまたはその誘導体に対する結合定数が大きい化合物が、アダマンタン誘導体である(14)から(16)に記載の試薬キット。
【0033】
(18)シクロデキストリンまたはその誘導体とホタルルシフェリンを含む試薬のpHが5.5から6.8である(14)から(17)に記載の試薬キット。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明では、包接化合物を形成してホタルルシフェリンを安定化する化合物として、シクロデキストリンおよびその誘導体(以下、シクロデキストリンとする)を使用する。使用するシクロデキストリンに関して特に制限はないが、空孔径サイズから考えてシクロデキストリンを構成するグルコース単位の数が7以上のものが好ましい。
【0035】
このようなシクロデキストリンの具体例としては、例えば2,6-ジ-O-メチル-β-シクロデキストリン、2,3,6-トリ-O-メチル-β-シクロデキストリン、2,6-ジ-O-エチル-β-シクロデキストリン、2,3,6-トリ-O-エチル-β-シクロデキストリン、2,6-ジ-O-メチル-γ-シクロデキストリン、2,3,6-トリ-O-メチル-γ-シクロデキストリン、2,6-ジ-O-エチル-γ-シクロデキストリン、2,3,6-トリ-O-エチル-γ-シクロデキストリン等のアルキル化シクロデキストリン、例えば2-ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、3-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、2,3-ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、3-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、2,3-ジヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン等のヒドロキシアルキル化シクロデキストリン、例えば2,3,6-トリ-O-アセチル-β-シクロデキストリン、2,3,6-トリ-O-アセチル-γ-シクロデキストリン等のアシル化シクロデキストリン、例えば6-O-α-D-グルコシル-β-シクロデキストリン、6-O-α-マルトシル-β-シクロデキストリン、6-O-α-D-グルコシル-γ-シクロデキストリン、6-O-α-マルトシル-γ-シクロデキストリン等の糖修飾シクロデキストリン、例えばO-カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、O-カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン等のカルボキシアルキル化シクロデキストリン、例えばポリ-β-シクロデキストリン、ポリ-γ-シクロデキストリン等のポリマー体等が挙げられる。
【0036】
上にあげたシクロデキストリンの中でもβ-シクロデキストリン、またはその誘導体が空孔径サイズやシクロデキストリンの水に対する溶解性の点で特に好ましい。なお、これらのシクロデキストリンは市販のものを用いてもよいし、公知の方法に準じて合成したものを用いてもよい[8]-[13]。
【0037】
シクロデキストリンの濃度は、ホタルルシフェリンの濃度によって決定される。シクロデキストリンはホタルルシフェリンと1:1のモル比で包接化合物を形成するので、シクロデキストリンは、ホタルルシフェリンと等モル濃度以上でないと安定化の効果が十分でない。シクロデキストリンがホタルルシフェリンに対して過剰に存在しても問題はないが、安定性向上効果が頭打ちになることと、後で述べるホタルルシフェリンの包接解除に際して、包接解除剤を多量に添加しなければならなくなる。したがって、ホタルルシフェリンに対するシクロデキストリンの量はモル比で100倍を上限とするのが好ましい。
【0038】
本発明は、シクロデキストリンに包接したホタルルシフェリンの包接を解除する方法も提供する。シクロデキストリンに包接して安定化したホタルルシフェリンは、そのままでは発光反応の基質として作用しない。したがって、ホタルルシフェリンとシクロデキストリンの包接を解除する必要がある。そのためにホタルルシフェリンよりもシクロデキストリンに対する結合定数が大きい化合物を添加することで包接を解除する。
【0039】
ホタルルシフェリンの包接を解除する化合物は、ホタルルシフェリンよりもシクロデキストリンに対する結合定数が大きい化合物であればどのようなものでもかまわないが、アダマンタン誘導体がシクロデキストリンに対する結合定数が特に大きく好ましい。アダマンタン誘導体の具体例としては1-アダマンタナミン、1-アダマンタン酢酸、1-アダマンタンカルボン酸、1-アダマンタンスルホン酸、1-アダマンタンカルボニルクロリド、1-アダマンタンエタノール、1-アダマンタンメタノール、1-アダマンタンメチルアミン、1-アダマンタノール、1-アダマンタノン、臭化1-アダマンチル、3,5-ジメチル-1-アダマンタナミン、α-メチル-1-アダマンタンメチルアミンがあげられる。
【0040】
ホタルルシフェリンの包接を解除するために添加するアダマンタン誘導体の濃度は、シクロデキストリンの濃度によって規定される。そのモル濃度比は厳密に1:1である必要はなく、シクロデキストリンの濃度に対してアダマンタン誘導体の濃度が25%以上あれば、ホタルルシフェリンの包接を解除することができる。ただし、アダマンタン誘導体は発光反応を阻害するので、そのモル濃度がシクロデキストリンのモル濃度の1.5倍を越えるのは好ましくない。
【0041】
本発明の安定化方法は、ホタルルシフェリンとシクロデキストリンが包接化合物を形成することでホタルルシフェリンが安定化するものである。したがってホタルルシフェリンの溶液中にホタルルシフェラーゼが共存しない場合に特に効果が大きい。また、酸化防止剤等の公知の安定化剤との組み合わせによりさらに安定性が向上することも期待できる。
【0042】
シクロデキストリンと併用できる安定化方法の中でも効果が大きいのは、pHを5.5から6.8に調製するという方法である。ホタルルシフェラーゼ−ホタルルシフェリンによる発光反応の至適pHは8.0付近であるが、ホタルルシフェリンを単独で保存する場合には、pH7.0以下の方が安定性が良い。特に溶液のpHを5.5から6.8に調製した場合に安定性が向上する。ただし、pH7.0以下の領域ではホタルルシフェリンの溶解度が小さくなることに注意しなければならない。
【0043】
本発明の好ましい実施様態を以下に記載する。
本発明はホタルルシフェラーゼが共存しない系におけるホタルルシフェリンの安定化方法なので、生物発光を利用したATPの高感度検出系よりもホタルルシフェラーゼを標識酵素とした生物発光酵素免疫測定法に適用するのが好ましい。
【0044】
生物発光酵素免疫測定法におけるホタルルシフェリン溶液では、ホタルルシフェリンをシクロデキストリンと共に適当な緩衝液に溶解する。シクロデキストリンの濃度は先に述べたようにホタルルシフェリンに対してモル比で1から100倍量になるようにする。また、発光に必要な成分であるATPとマグネシウムイオンの供給源(MgSO4等)も添加しておく。
【0045】
ホタルルシフェリンを溶解する緩衝液は、生化学用に一般的に用いられるものであれば特に限定はない。また、pH5.5から8.0の範囲の緩衝液が使用可能である。使用可能な緩衝液は具体的には、りん酸緩衝液、りん酸クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリシン緩衝液、トリス緩衝液、およびGood's緩衝液があげられる。
【0046】
溶液のpHを5.5から6.8に調製する場合には、N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)緩衝液、ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis-Tris)緩衝液、および酢酸緩衝液等を用いることができる。pH 5.5から6.8の溶液にホタルルシフェリンを溶解する場合には、発光反応時にpHを8.0付近まで上げなければならないことを考慮して、緩衝液の濃度は必要なpHを保てる最低限の濃度とするのが好ましい。
【0047】
その他必要に応じて、公知の安定化剤や、発光増強剤等も添加することが可能である。安定化剤としてはアデノシンモノフォスフェート(AMP)、アデノシンジフォスフェート(ADP)、およびフェニルフォスフェートといったりん酸供与体を用いることができる。また発光増強剤としてはコエンザイムA、ピロリン酸とジチオスレイトールの組み合わせ、およびAMP等があげられる。
【0048】
包接解除試薬はアダマンタン誘導体を適当な緩衝液に溶解して調製する。包接解除試薬に使用する緩衝液は、生化学用緩衝液として一般的に用いられるものであれば特に制限はない。具体的にはりん酸緩衝液、トリス緩衝液、およびGood's緩衝液があげられる。ホタルルシフェリン溶液のpHを7.0以下にした場合には、包接解除試薬のpHを8.0付近に調製しておいて、ホタルルシフェリン溶液と混合した際に包接解除と同時に、発光反応の至適pHになるようにpH調節作用を持たせてもよい。
【0049】
以上に述べたようにして調製したホタルルシフェリン溶液と包接解除試薬を、ホタルルシフェラーゼを含む系に添加して発光反応を行う。使用するホタルルシフェラーゼは天然のものの他に、遺伝子組み換えによって安定性の改良されたホタルルシフェラーゼや、発光波長の改変されたホタルルシフェラーゼも用いることができる。系の中においてホタルルシフェラーゼは単独で存在してもかまわないし、他の物質と結合したホタルルシフェラーゼ標識物であってもかまわない。また、ホタルルシフェラーゼが直接あるいは間接的に固相に結合された形態であっても差し支えない。
【0050】
ホタルルシフェリン溶液と包接解除試薬は、予め混合してホタルルシフェリンの包接を解除してからホタルルシフェラーゼを含む系に添加してもよいし、別々にホタルルシフェラーゼを含む系に添加することもできる。どちらの場合にもホタルルシフェリン溶液中のシクロデキストリンと包接解除試薬中のアダマンタン誘導体のモル濃度比が1:0.25から1:1.5の範囲であることが好ましい。
【0051】
【実施例】
実施例1(シクロデキストリンによる安定化の検討1)
各種シクロデキストリンを添加したホタルルシフェリン溶液を調製し、発光値と安定化効果を確認した。
ホタルルシフェリン溶液の組成
Luciferin 0.47mM
ATP 1mM
Tricine(pH 7.8) 20mM
ピロリン酸カリウム(PPiK) 0.1mM
MgSO47H20 8mM
EDTA2Na 0.13mM
サッカロース 0.083%
上記組成を基にして、シクロデキストリン無添加のホタルルシフェリン溶液と、α-シクロデキストリン、ジメチル-α-シクロデキストリン、およびジメチル-β-シクロデキストリンをそれぞれ0.5%(モル濃度比でホタルルシフェリンのおよそ10倍に相当する)添加したホタルルシフェリン溶液を調製した。
【0052】
調製したホタルルシフェリン溶液は2群に分け、1群は-20℃で凍結保存し、他の1群は25℃で保存した。1週間後に保存しておいたホタルルシフェリン溶液にホタルルシフェラーゼ溶液を添加し、ルミネッセンスリーダーで発光値を測定した。
【0053】
図1に各ホタルルシフェリン溶液の発光量を示す。数値は-20℃保存の同じ組成の溶液の発光量を100とした場合の発光量の割合を示す。ジメチル-α-シクロデキストリンとジメチル-β-シクロデキストリンを添加すると、無添加の場合に比べて発光量は低下するが、25℃で1週間経過後も相対的な発光量の低下が少なく、ホタルルシフェリンの安定性が向上していることを示している。
【0054】
実施例2(ホタルルシフェリンの包接の確認)
実施例1で示したシクロデキストリンを添加したホタルルシフェリン溶液の発光値の低下と安定性の向上は、ホタルルシフェリンがシクロデキストリンに包接することで安定化する一方で、包接したままではホタルルシフェラーゼとの発光反応に関与できず、発光値が低下するためと考えられる。このことを実証するために、ホタルルシフェリン溶液にシクロデキストリンを添加した際の吸収スペクトルの変化を検討した。
【0055】
実施例1で調製したホタルルシフェリン溶液に、ジメチル-β-シクロデキストリンをモル濃度比でホタルルシフェリンの1,5,10,20,40,および80倍になるように添加し、DU640 Spectrophotometer(Beckman社製)で紫外部の吸収スペクトルを測定した。結果を図2に示す。
【0056】
図2に示すようにシクロデキストリンの濃度の増加とともに、330nmでは吸光度が増加し、380nmでは吸光度が減少している。このようなスペクトル変化は包接化合物形成時の典型的なパターンと合致しており[14]、ホタルルシフェリンがシクロデキストリンに包接していると考えられる。
【0057】
実施例3(包接の解除)
ホタルルシフェリンよりもシクロデキストリンに対する結合定数の大きい化合物により、ホタルルシフェリンの包接が解除でき、発光値が回復するかどうかを検討した。シクロデキストリンに対する結合定数の大きな化合物としては、1-アダマンタンカルボン酸を使用した[15]。
・試薬組成
ホタルルシフェリン溶液
実施例1で用いた組成にジメチル-β-シクロデキストリンを1.3%(モル濃度比でホタルルシフェリンの20倍に相当する)添加したものを使用した。
アダマンタンカルボン酸溶液
Tris HCl(pH8.0) 200mM
1-アダマンタンカルボン酸 0〜37.6mM
ホタルルシフェリン溶液と0〜37.6mMアダマンタンカルボン酸溶液を等量混合した際の、1-アダマンタンカルボン酸の濃度とジメチル-β-シクロデキストリン(9.4mM)に対する濃度比率は表1のようになる。
【0058】
【表1】
【0059】
ホタルルシフェリン溶液とアダマンタンカルボン酸溶液を等量混合し、これにホタルルシフェラーゼ溶液を添加してルミネッセンスリーダーで発光値を測定した。
【0060】
図3に各ホタルルシフェリン溶液の発光値を示す。1-アダマンタンカルボン酸の濃度が高くにるにつれて発光値も増加していることから、ホタルルシフェリンの包接が解除されて基質としての効力を回復したと考えられる。また、ジメチル-β-シクロデキストリンの濃度に対する1-アダマンタンカルボン酸の濃度の比率が1を越えて、1-アダマンタンカルボン酸が過剰になると発光値は急激に低下する。これは1-アダマンタンカルボン酸単体では、ホタルルシフェラーゼ−ホタルルシフェリンの発光反応を阻害するためである。
【0061】
実施例4(各種シクロデキストリンの検討)
β-シクロデキストリンの各種誘導体について、包接による安定化効果を検討した。
・試薬組成
ホタルルシフェリン溶液
実施例1で用いた組成にジメチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、およびヒドロキシブチル-β-シクロデキストリンを1.3%(モル濃度比でホタルルシフェリンの20倍に相当する)添加したものを使用した。
アダマンタンカルボン酸溶液
Tris HCl(pH8.0) 200mM
1-アダマンタンカルボン酸 18.8mM
【0062】
各々のホタルルシフェリン溶液を25℃で2週間保存後、アダマンタンカルボン酸溶液を等量加えて包接を解除した。さらにホタルルシフェラーゼ溶液を添加してからルミネッセンスリーダーで発光値を測定した。対照品は、シクロデキストリンを加えていないホタルルシフェリン溶液を25℃で2週間保存したものに、200mM Tris HCl(pH8.0)とホタルルシフェラーゼ溶液を加えて発光させたものである。-20℃で凍結保存しておいた同じ組成の溶液での発光値を100%として残存活性を算出した。
【0063】
結果を図4に示す。β-シクロデキストリンの誘導体はどれも安定性向上効果が認められるが、ジメチル-β-シクロデキストリンが特に安定性向上効果が高い。
【0064】
実施例5(酸性溶液での保存との組み合わせ)
シクロデキストリンによる安定化と酸性緩衝液中での保存による安定化の組み合わせを検討した。
・試薬組成
ホタルルシフェリン溶液
実施例1で用いた組成にヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを1.3%(モル濃度比でホタルルシフェリンの20倍に相当する)添加したものを使用した。ただし、緩衝液は20mM ADA(pH6.5)を使用した。
アダマンタンカルボン酸溶液
実施例4で用いたものと同一組成。
【0065】
ホタルルシフェリン溶液を25℃で2週間保存後、アダマンタンカルボン酸溶液を等量加えて包接を解除すると同時にpHを発光反応の至適であるpH8.0付近に調節した。さらにホタルルシフェラーゼ溶液を添加してからルミネッセンスリーダーで発光値を測定した。対照品は、シクロデキストリンを加えていないホタルルシフェリン溶液を25℃で2週間保存したものに、200mM Tris HCl(pH8.0)とホタルルシフェラーゼ溶液を加えて発光させたものである。-20℃で凍結保存しておいた同じ組成の溶液での発光値を100%として残存活性を算出した。
【0066】
結果を図5に示す。ホタルルシフェリン溶液のpHを8.0にした場合のデータも併せて示してある。酸性条件での保存による安定化と、シクロデキストリンの包接による安定化の相乗効果が認められる。
【0067】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明が提供する安定化方法は溶液中のホタルルシフェリンの安定性を向上させ、長期間にわたって活性を維持することが可能である。また、本発明はシクロデキストリンによる包接作用によるものなので、公知のホタルルシフェリンの安定化方法と組み合わせて、その効果を相乗的に高めることができる。
【0068】
参考文献
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[11]特開昭61-266401
[12]特開昭63-122701
[13]特開昭62-243602
[14]Journal of American chemical Society Vol.114. 6012-6016(1992)
[15]Nature Vol.356, N0.12, 136-137(1992)
【図面の簡単な説明】
【図1】ホタルルシフェリン溶液にシクロデキストリンを添加した場合の発光値
【図2】シクロデキストリンにホタルルシフェリンが包接したことを示すスペクトルチャート
【図3】アダマンタンカルボン酸による包接の解除
【図4】各種シクロデキストリンの検討
【図5】酸性溶液での保存との組み合わせ
Claims (16)
- シクロデキストリンまたはその誘導体がホタルルシフェリンを包接することを特徴とするホタルルシフェリンの安定化方法。
- シクロデキストリンを構成するグルコース単位の数が7以上であることを特徴とする請求項1に記載のホタルルシフェリンの安定化方法。
- シクロデキストリンまたはその誘導体が、β-シクロデキストリンまたはその誘導体である請求項1または2に記載のホタルルシフェリンの安定化方法。
- ホタルルシフェリンに対してシクロデキストリンまたはその誘導体をモル比で1から100倍量加えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の安定化方法。
- pHを5.5から6.8に調製することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の安定化方法。
- ホタルルシフェリンがシクロデキストリンまたはその誘導体に包接されていることを特徴とするホタルルシフェリン溶液。
- シクロデキストリンを構成するグルコース単位の数が7以上であることを特徴とする請求項6に記載のホタルルシフェリン溶液。
- シクロデキストリンまたはその誘導体が、β-シクロデキストリンまたはその誘導体である請求項6または7に記載のホタルルシフェリン溶液。
- ホタルルシフェリンに対してシクロデキストリンまたはその誘導体をモル比で1から100倍量含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のホタルルシフェリン溶液。
- pHが5.5から6.8である請求項6〜9のいずれか一項に記載のホタルルシフェリン溶液。
- ホタルルシフェリンよりもシクロデキストリンまたはその誘導体に対する結合定数が大きい化合物であるアダマンタン誘導体を添加することを特徴とする、シクロデキストリンまたはその誘導体に包接されたホタルルシフェリンの包接解除方法。
- シクロデキストリンまたはその誘導体に対してアダマンタン誘導体をモル比で0.25から1.5倍量添加することを特徴とする請求項11に記載の包接解除方法。
- 少なくとも以下の試薬で構成される試薬キット。
1)シクロデキストリンまたはその誘導体に包接されたホタルルシフェリンを含む試薬
2)ホタルルシフェリンよりもシクロデキストリンまたはその誘導体に対する結合定数が
大きい化合物であるアダマンタン誘導体を含む試薬 - シクロデキストリンまたはその誘導体が、β-シクロデキストリンまたはその誘導体である請求項13に記載の試薬キット。
- ホタルルシフェリンに対してシクロデキストリンまたはその誘導体をモル比で1から100倍量含むことを特徴とする請求項13または14に記載の試薬キット。
- シクロデキストリンまたはその誘導体に包接されたホタルルシフェリンを含む試薬のpHが5.5から6.8である請求項13〜15のいずれか一項に記載の試薬キット。
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