JP2017184734A - エステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、保存安定性に優れたエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片、特に尿中の白血球のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を提供することを目的とする。【解決手段】酵素基質、ジアゾニウム塩及びアルコールを含有するエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片において、さらにシクロデキストリン等のホスト化合物を含有することを特徴とする前記エステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。本発明の白血球中のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片によれば保存性が高く、想定外の高温環境下にさらされた場合でも試験片の反応性が低下せず、白血球中のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼの活性を精確に測定できるため、臨床的にもその意義は大きいと考える。【選択図】なし

Description

本発明は試料中、特に尿中の白血球エステラーゼ等のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼを検出する試験片に関するものである。
生体試料、特に尿中の白血球の検出は腎疾患や尿路感染症の診断に非常に重要であり、従来は尿沈渣を顕微鏡で観察する、尿沈渣鏡検法が広く行われてきた。しかし、この方法は操作が煩雑で時間がかかり、熟練を要するという問題がある。
これに対し、白血球中のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼの酵素活性を測定することにより白血球を検出する、簡便な白血球検出用試験片が開発されている。
この方法には、酵素基質をエステラーゼ及び/又はプロテアーゼにより加水分解させて直接呈色させる方法や、酵素反応によって生じた化合物とジアゾニウム塩とをカップリングし呈色させる方法がある。
前者の方法としては、スルホフタレインエステル類(特許文献1)やアゾ染料エステル類(特許文献2)を酵素基質とする方法等が提案されており、後者の方法としては、フェノキシアミノ酸エステル(特許文献3)やインドキシルアミノ酸エステル及び/又はインドキシルエステル(特許文献4)を酵素基質とする方法など数多くの酵素基質が提案されている。
しかしながら、これらのエステル化合物を酵素基質とする方法はいずれも長い反応時間を必要とし、十分な検出感度が得られないという問題があった。この問題に対してエステラーゼ及び/又はプロテアーゼの活性化剤を添加することで反応性の向上や反応時間の短縮が図られている。
エステラーゼ及び/又はプロテアーゼの活性化剤としては、炭素数1から30個の非環式アルコール又は炭素数3から20個の環式アルコール(特許文献5)、炭素数1から15であるアルコール(特許文献6)、少なくとも1つのハロゲン原子を持つアルコール(特許文献7)等のアルコールが知られている。
エステル化合物を酵素基質としたエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片の活性化剤としては、炭素数が10程度のアルコールが好ましく、1−デカノール等が使用されている(特許文献3、特許文献4)。
特開昭55−002992号公報 特開昭55−029590号公報 特開昭57−008798号公報 特開昭61−199800号公報 特開昭55−108300号公報 特開昭60−256398号公報 特開平5−168497号公報
酵素基質、ジアゾニウム塩及び活性化剤としてアルコールを含有させた、白血球中のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼの酵素活性測定により白血球を検出する試験片では、迅速で高感度な白血球の検出が可能であるが、蒸散しにくい1−デカノール等であっても長期間に渡る保存で徐々に蒸散し、これにより試験片の反応性が低下し、正しい診断ができなくなるという問題があった。
特に、国内外への輸送中に想定外の高温環境下にさらされた場合、活性化剤のアルコールが蒸散し、これにより試験片の反応性が低下し、白血球中のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼの活性を精確に測定できなくなる。
従って本発明は、これらの課題に着目してなされたものであって、保存安定性に優れたエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片、特に尿中の白血球のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を提供することを目的とする。
本発明者は、保存安定性に優れたエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を開発すべく鋭意研究した結果、酵素基質、ジアゾニウム塩及びアルコールを含有する試験片にさらにシクロデキストリン等のホスト化合物を含有させることにより、高温環境下でも長期間安定となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)酵素基質、ジアゾニウム塩及びアルコールを含有するエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片において、さらにホスト化合物を含有することを特徴とする前記エステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
(2)前記ホスト化合物がシクロデキストリンである(1)に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
(3)前記シクロデキストリンがメチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン又はヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンから選ばれるいずれか1つ以上のシクロデキストリンである(1)又は(2)に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
(4)前記酵素基質が3−(N−トルエンスルホニル−L−アラニロキシ)インドール又は3−(N−トルエンスルホニル−L−アラニロキシ)−5−フェニルピロールである(1)から(3)のいずれか1項に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
(5)前記ジアゾニウム塩が2−メトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム塩又は1−ジアゾ−2−ナフトール−4−スルホン酸である(1)から(4)のいずれか1項に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
(6)前記アルコールが炭素数6から12のアルコールである(1)から(5)のいずれか1項に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
(7)エステラーゼ及び/又はプロテアーゼが白血球中のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼである(1)から(6)のいずれか1項に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
(8)酵素基質、ジアゾニウム塩及びアルコールを含有するエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片において、さらにホスト化合物を含有させることを特徴とする前記エステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片の安定化法。
(9)前記ホスト化合物がシクロデキストリンである(8)に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片の安定化法。
(10)前記シクロデキストリンがメチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン又はヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンから選ばれるいずれか1つ以上のシクロデキストリンである(8)又は(9)に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片の安定化法。
本発明は、酵素基質、ジアゾニウム塩、アルコール及びホスト化合物を含有させることによって、保存安定性に優れたエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を提供する。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明でいう「ホスト化合物」とは、分子、原子あるいはイオンを分子内に取り込み包接化合物を形成する化合物をいう。
本発明のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片の特徴は、試験片中に酵素基質、ジアゾニウム塩、アルコール及びホスト化合物を含有させることにある。
本発明においては、ホスト化合物を含有させることによって、活性化剤のアルコールの蒸散が抑制され、長期間及び/又は高温環境下での高い安定性が得られる。即ち、室温でも数年、特に30℃で2年間の保存でも試験片の反応性の低下がなく、また、56℃という高温環境下で1か月間保存しても試験片の反応性の低下がなく、エステラーゼ及び/又はプロテアーゼの活性、特に白血球中のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼの活性の精確な測定ができる。
そして、本発明のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片による測定により得られる結果についても、信頼性の高いものとなることが期待される。
ホスト化合物は活性化剤のアルコールを包接することができるものであれば、公知のものから適宜選択することができる。その具体例としては、シクロデキストリン、ピラアーレン、カリックスアーレンなどが挙げられ、中でもシクロデキストリンが好ましい。
シクロデキストリンは公知のものから適宜選択することができる。その具体例としては、α−シクロデキストリン、2、6−ジ−O−メチル−α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリン、2,3,6−トリ−O−メチル−β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなどが挙げられる。
このシクロデキストリンの試験片の含浸液中濃度は3〜130mMが好ましく、より好ましくは6〜65mM、さらに好ましくは6〜33mMである。シクロデキストリンの該含浸液中濃度が3mM以下になると、十分な安定性が得られず、130mMを超えると尿などの水性検体と接触したときの再溶解性が低下する。
酵素基質は、エステラーゼ及び/又はプロテアーゼに対する基質であれば、公知のものから適宜選択することができる。その具体例としては、例えば3−(N−p−トルエンスルホニル−L−アラニロキシ)インドール、3−(N−p−トルエンスルホニル−L−アラニロキシ)−5−フェニルピロール、[N−(p−トルエンスルホニル)−L−アラニルオキシ]ナフタリン、1−[N−(p−トルエンスルホニル)−L−アラニルオキシ]−3−メトキシベンゼンなどが挙げられ、含量、使用濃度等は通常この分野で使用される使用量、濃度範囲等から適宜選択することができる。
ジアゾニウム塩は、酵素基質がエステラーゼ及び/又はプロテアーゼにより加水分解されて生じるアルコール成分とジアゾカップリング反応して呈色するものであれば、公知のものから適宜選択することができる。その具体例としては、例えば2−メトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム塩、1−ジアゾ−2−ナフトール−4−スルホン酸、4−ジメチルアミノベンゼンジアゾニウム塩、2,4−ジメトキシベンゼンジアゾニウム塩、4−メトキシベンゼンジアゾニウム塩などが挙げられ、含量、使用濃度等は通常この分野で使用される使用量、濃度範囲等から適宜選択することができる。
アルコールは、エステラーゼ及び/又はプロテアーゼに対する活性化剤であれば、公知のものから適宜選択することができる。ただし、炭素数の少ないアルコールは蒸散により試験片中の濃度が減少し、エステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片の反応性が低下する。逆に、蒸散し難い炭素数の多いアルコールは、尿などの水性検体に対する溶解性の低さから、エステラーゼ及び/又はプロテアーゼの活性化に十分な濃度にすることができない。アルコールの具体例としては、炭素数5から22、好ましくは炭素数6から12の飽和又は不飽和の鎖状又は環状アルコールなどが挙げられ、含量、使用濃度等は通常この分野で使用される使用量、濃度範囲等から適宜選択することができる。
本発明のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片は、酵素基質、ジアゾニウム塩、アルコール及びシクロデキストリンの他に、緩衝剤、安定化剤、湿潤剤、アルコール以外の活性化剤等を含んでいても良く、それらの含有量、使用濃度等は、通常この分野で使用される使用量、濃度範囲等から適宜選択することができる。
本発明で用いられる緩衝剤としては、pHを6〜10、好ましくは7〜9に保ち、エステラーゼ及び/又はプロテアーゼを阻害しないものであれば公知のものから適宜選択することができる。具体例としてはホウ酸塩緩衝剤、リン酸塩緩衝剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤、Good’s緩衝剤等が挙げられる。また、これら緩衝剤の測定用試験片の含有量としては、pHを6〜10、好ましくは7〜9に保持し得る量であれば特に限定されないが、例えば本発明に係る測定用試薬を吸収性担体に保持させるために用いられる緩衝液中の濃度としては、通常0.1〜1.0Mが好ましい。
安定化剤としては、例えばリン酸トリモルホリド、高分子カルボン酸等、湿潤剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコ−ル、ラウリルピリジニウムクロリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テル等を挙げることができるが勿論これらに限定されるものではない。
本発明のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片は、酵素基質、ジアゾニウム塩、アルコール及びシクロデキストリン、更に必要であれば通常ドライケミストリーの分野で用いられる緩衝剤、安定化剤、湿潤剤、アルコール以外の活性化剤等を、水あるいはアセトン、メタノールやエタノール等の低級アルコール又はジメチルホルムアミド等の極性溶媒、もしくは水とこれら極性溶媒との混合溶媒に適宜組み合わせて溶解し、1種類又は2種類以上の試薬を調製し、吸収性担体に1乃至数回含浸、乾燥して作製される。
吸収性担体としては、濾紙が多用されるが、綿、不繊布、ガラス繊維等も使用可能である。また、試験片は通常、プラスチック等の支持体に貼付される。この支持体としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル等のプラスチック片あるいはシートからなる基体が使用可能である。
本発明のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片は、尿などの液体試料に浸し、直ちに引き上げる。そして一定時間後の呈色を、あらかじめ作成しておいた標準の色調表と肉眼で比較することにより、試料の定性あるいは半定量試験に用いることができる。あるいは測定装置を用いて反射率などを光学的に測定し、検量線にあてはめて濃度を求める定量試験に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン添加の効果
BFC−180濾紙(Whatman社製)を第1含浸液に含浸し、60℃で20分乾燥し、更に第2含浸液に含浸し60℃で15分乾燥した。第2含浸液のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン添加濃度は、8.1mM、16.2mM又は32.4mMとした。比較例として、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを添加していないものを作製した。第1含浸液及び第2含浸液の組成を以下に示す。
第1含浸液
ホウ酸緩衝液(pH8.7) 0.3M
精製水 溶媒
第2含浸液
3−(N−トルエンスルホニル−L−アラニロキシ)−インドール 1.5mM
2−メトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム塩 1.0mM
1−デカノール 1.0%
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 8.1〜32.4mM
メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体 5.0%
アセトン 溶媒
乾燥した濾紙を5mm×4mmに裁断し、5mm×80mmのポリ塩化ビニル支持体に両面テープで接着しエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を作製した。比較例として、上記実施例中の第2含浸液からヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを除いたものに濾紙を含浸したエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を作製した。
ヒト全血より単離した白血球分画を、無添加、25cells/μL、75cells/μL及び500cells/μLで陰性検体に添加して液体試料を調製した。作製したエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を、調製した液体試料に浸漬後直ちに引き上げ、60秒後にUS−2200(栄研化学株式会社製)を用い、測定波長540nm(参照波長640nm)における反射率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2017184734
表1から明らかなように、酵素基質、ジアゾニウム塩、アルコール及びシクロデキストリンを含有する本発明のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片では、エステラーゼ及び/又はプロテアーゼの酵素活性に対するシクロデキストリンの添加の影響は見られず、迅速な検出が可能である。すなわち、活性化剤のアルコールの効果はシクロデキストリンにより影響を受けない。
実施例2 高温環境下での保存安定性
本発明による試験片の高温環境下での保存安定性を調べるために、56℃の環境下で2週間及び4週間試験片を保存し、反応性の変化を検討した。反応性の変化は、実施例1における測定操作と同様の操作により行なった。結果を表2に示す。
Figure 2017184734
表2から明らかなように、酵素基質、ジアゾニウム塩、アルコール及びシクロデキストリンを含有する本発明のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片では、特に高温の環境下での保存安定性に優れていた。また、室温保存においても長期間安定であった。
実施例3 高温環境下での保存安定性2
第2含浸液中の1−デカノール濃度を2%、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン濃度を6.5mM、13.0mM、19.5mM、25.9mM又は32.4mMとした以外は実施例1と同様にエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を作製した。比較例として、上記実施例中の第2含浸液からヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを除いたものに濾紙を含浸したエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を作製した。
本発明による試験片の高温環境下での長期の保存安定性を調べるために、4℃及び56℃の環境下で3ヶ月間試験片を保存し、反応性の変化を検討した。反応性の変化は、実施例1における測定操作と同様の操作により行なった。結果を表3に示す。
Figure 2017184734
表3から明らかなように、酵素基質、ジアゾニウム塩、アルコール及びシクロデキストリンを含有する本発明のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片では、56℃の環境下に3ヶ月間さらされた場合でも、高い反応性を保持しており、長期間の保存安定性に優れていた。
実施例4 アルコールの種類によるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの効果
第2含浸液中のアルコールを、1−デカノール、1−ヘキサノール又は1−ドデカノールとし、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン濃度を32.4mMとした以外は実施例2と同様にエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を作製した。比較例として、アルコールを1−デカノールとし、上記実施例中の第2含浸液からヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを除いたものに濾紙を含浸したエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片を作製した。
本発明による試験片の高温環境下での長期の保存安定性を調べるために、4℃及び56℃の環境下で3ヶ月間試験片を保存し、反応性の変化を検討した。反応性の変化は、実施例1における測定操作と同様の操作により行なった。結果を表4に示す。
Figure 2017184734
表4から明らかなように、酵素基質、ジアゾニウム塩、アルコール及びシクロデキストリンを含有する本発明のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片では、アルコールとして、1−デカノールに代えて1−ヘキサノール又は1−ドデカノールを用いた場合でも、高い反応性を保持しており、長期間の保存安定性に優れていた。
以上のように、本発明によれば保存性が高く、輸送中に想定外の高温環境下にさらされた場合でも試験片の反応性が低下せず、白血球中のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼの活性を精確に測定できる、エステラーゼ及び/プロテアーゼ検出用試験片の提供が可能となる。

Claims (10)

  1. 酵素基質、ジアゾニウム塩及びアルコールを含有するエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片において、さらにホスト化合物を含有することを特徴とする前記エステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
  2. 前記ホスト化合物がシクロデキストリンである請求項1に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
  3. 前記シクロデキストリンがメチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン又はヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンから選ばれるいずれか1つ以上のシクロデキストリンである請求項1又は請求項2に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
  4. 前記酵素基質が3−(N−トルエンスルホニル−L−アラニロキシ)インドール又は3−(N−トルエンスルホニル−L−アラニロキシ)−5−フェニルピロールである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
  5. 前記ジアゾニウム塩が2−メトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム塩又は1−ジアゾ−2−ナフトール−4−スルホン酸である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
  6. 前記アルコールが炭素数6から12のアルコールである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
  7. エステラーゼ及び/又はプロテアーゼが白血球中のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片。
  8. 酵素基質、ジアゾニウム塩及びアルコールを含有するエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片において、さらにホスト化合物を含有させることを特徴とする前記エステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片の安定化法。
  9. 前記ホスト化合物がシクロデキストリンである請求項8に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片の安定化法。
  10. 前記シクロデキストリンがメチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン又はヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンから選ばれるいずれか1つ以上のシクロデキストリンである請求項8又は請求項9に記載のエステラーゼ及び/又はプロテアーゼ検出用試験片の安定化法。
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